JP5382865B2 - パワーステアリング機構 - Google Patents
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Description
なお、説明を簡略化するため、前輪の2軸目等は図示を省略している。
油圧供給ラインLには、流量制御弁6と圧力制御弁7が介装されており、ともに必要に応じて、油圧供給ラインLの作動油の一部を油圧ポンプ2の吸込み側、或いはオイルタンク5に戻している。
バルブユニット8は、パワーシリンダ3と一体化された固定部であるハウジング80内を、第1のポジション(左旋回用流路を有するブロック)81、第2のポジション(中立ブロック:直進用流路を有するブロック)82、第3のポジション(右旋回用流路を有するブロック)83が、切換可能に構成されている。
また、パワーシリンダ3のシリンダ本体30において、図15における左端31は、第1のリンク10を介して前輪Wfのナックルアーム11に接続され、パワーシリンダ3内を摺動するピストン32は、第2のリンク12を介して車両のフレーム13に接続されている。
ドライバがステアリングホイール15を右に操舵(矢印Rhの動作)すると、ピットマンアーム9は、図15において矢印Rの反時計回りに回動する。
ピットマンアーム9が矢印Rの反時計方向に回動すると、バルブユニット8はポジション83の流路に切り換わり、パワーシリンダ3の右室34に作動油が流入し、右室34の圧力が昇圧し、左室33の圧力が減圧する。
この時、左室33内のオイルの一部は、油圧戻りラインLrを介してオイルタンク5に戻される。
中立状態に戻ると、バルブユニット8はポジション82の流路(中立)に切り換わり、油圧ポンプ2からの油圧と、パワーシリンダ3の左右の油室33、34内の油圧とが拮抗し、新たに送り込まれる作動油は、油圧戻りラインLrを介してオイルタンク5に戻される。
このような中立時において、パワーシリンダ3に油圧を作用させることは、直進時のステアリングホイール15のふらつきの防止や、路面入力(キックバック)の対処、直進から操舵に移る際の腕への過大な入力の防止のために、従来技術では必要とされている。
ここで、流量制御弁6は、弁作動のパイロット圧として、図15のラインLpを介して、パワーシリンダ3の入口圧力を用いている。すなわち、パワーシリンダ3の入口圧力が高いほど流量制御弁6におけるリリーフ量が多くなる。
流量制御弁6は、ポンプ回転数が所定値以上になると動作し、一定割合の圧油、すなわち、図17における破線(特性Q0)から実線(特性Qr)を引いた量(リリーフされる量)がポンプ2の吸込み側、或いはタンク5に戻される。
供給量特性Qrでは、実線側がパワーシリンダ3の圧力が低い場合で、破線がパワーシリンダ3の圧力が高い場合である。
一方、駆動力特性Wでは、実線側がパワーシリンダ3の圧力が高い場合で、破線がパワーシリンダ3の圧力が低い場合となっている。
電動化されたパワーシリンダや油圧ポンプであれば、エンジンに直結した油圧ポンプのような無駄な動力の問題はない。
しかし、大型のトラックでは、パワーシリンダの重量が大きくなり、電動モータでは操舵力をアシストすることが困難である。
また、油圧ポンプやパワーシリンダを電動モータで駆動する場合には、それに伴い、各種部品を新たに交換しなければならず、既存の部品が使えなくなる。そのため、導入時のコストが高騰化してしまうという問題がある。すなわち、既存部品をなるべく生かして、後付けが可能なシステムを提供したいという要請に応えることが出来ない。
この技術(特許文献1)は、油圧ポンプの駆動動力を低減できる可能性があるが、新たな弁システムを開発しなければならず、既存の車両に後付けすることが困難である。
しかし、この技術(特許文献2)を貨物自動車等の商用車両、特に大型商用車両に適用した場合には、乗用車の様な小型車量に比較して、電動油圧ポンプが巨大で大出力のものが要求され、専用装置となってしまい従来の機器との互換性が期待できない。
しかし、係る技術(非特許文献1)は、車速に対するハンドルの重さの特性を制御して、操舵感覚を変更することを目的としており、上述した様に、油圧ポンプにおける無駄な動力を削減し、且つ、既存部品をなるべく生かして後付けが可能にする、という従来技術における要請に応えるものではない。
また、操舵力センサ(19)は、パワーシリンダ(3)とナックルアーム(11)の間の領域に設けられているのが好ましい。
そして、操舵力センサ(19)の検出信号を制御装置(コントローラ20)へ伝達するライン(Si2)には、高い周波数の信号を除去する装置(例えば、ローパスフィルタ21)が介装されているのが好ましい。
そのためパワーシリンダ(3)の負荷が低い場合には流量調整弁(16)が開放されて、油圧ポンプ(2)の吐出口(2o)と吸入口(2i)とが連通され、圧油循環のための消費動力が減少し、無駄な動力消費が削減される。そして、エンジン(1)の補機駆動動力が低減され、燃費も向上する。
一方、操舵時の様には、流量調整弁(16)が閉鎖して、バイパスライン(Lb)も閉鎖するので、油圧ポンプ(2)から吐出される圧油は確実にパワーシリンダユニット(3)のバルブユニット(8)へ供給され、操舵補助力が確実に発生する。
一方、操舵角度センサ(18)で計測された操舵角度(θ)がしきい値(θT)よりも小さく、且つ、操舵力センサ(19)で計測された操舵力(F)がしきい値(FT)よりも小さい場合には、パワーシリンダ(3)の負荷が低く、操舵補助力は不要であると判断して、流量調整弁(16)を開放して、油圧ポンプ(2)の吐出口(2o)と吸入口(2i)とを連通する。これにより、無駄な動力消費が削減される。
例えば、車線の変更等では、操舵して、瞬間的に直進する状態となってから、再び逆方向へ操舵することになる。その様な場合に、瞬間的に直進する際に(パワーシリンダ3の負荷が低い状態になった際に)、直ちに流量調整弁(16)が開放した状態に移行してパワーシリンダ(3)の圧力を減圧すると、次に逆方向へ操舵する際に操舵補助力が発生せず、ステアリングが非常に重い状態が生じてしまう。
これに対して、パワーシリンダ(3)の負荷が高い状態から負荷が低い状態に移行した場合に、流量調整弁(16)が閉鎖した状態から開放した状態に移行するのに若干の遅れが存在すれば、係る瞬間的な直進時にパワーシリンダ(3)の圧力が直ちに減圧されてしまうことが無く、ステアリングが非常に重い状態が生じることが防止されるのである。
図1において、全体を符号100で示すステアリングシステムは、エンジン1で駆動される油圧ポンプ2と、パワーシリンダ3とギヤボックス4と、オイルタンク5と、油圧供給ラインLと、油圧戻りラインLr、Laを備えている。
ラインL1は、油圧ポンプ(以下、「ポンプ」と言う)2の吐出側2oと、第1の分岐点B1とを接続している。
ラインL2は、第1の分岐点B1と第2の分岐点B2とを接続しており、第2の分岐点B2は流量制御弁6内に位置している。
ラインL3は、第2の分岐点B2と第3の分岐点B3を接続しており、第3の分岐点B3は圧力制御弁7内に位置している。
ラインL4は、第3の分岐点B3と、バルブユニット8のハウジング80のポートP1とを接続している。
ラインL67は第2の合流点G2に接続され、第2の合流点G2はラインLaに設けられている。そして、ラインLaは、オイルタンク5とポンプ2の吸込側2iとを接続している。
オリフィス62は、ラインL3に介装されている。
流量制御弁本体61は、例えば、外部パイロット方式のシーケンス弁として構成されている。
なお図1において、上述した流量制御弁6は、符号6を付した破線の矩形で囲って包括的に示されている。
ラインL7は、第3の分岐点B3と第1の合流点G1を接続しており、圧力制御弁本体71を介装している。
ラインL7において、第3の分岐点B3と圧力制御弁本体71の間の領域には、オリフィス72が介装されている。
圧力制御弁本体71は、例えば、内部パイロット方式のシーケンス弁として構成されている。
なお図1において、上述した圧力制御弁7は、符号7を付した破線の矩形で囲って包括的に示されている。
バルブユニット8における4ポートは、ハウジング80に形成されているポートP1〜P4である。
ポートP1にはラインL4が接続しており、ポートP2はパワーシリンダ3の右室34に連通し、ポートP3はパワーシリンダ3の左室33に連通し、ポートP4にはラインLrが接続されている。そしてラインLrは、オイルタンク5に接続されている。
図1は、バルブユニット8の中立状態(P1、P2、P3とP4とが全て連通している状態)を示しており、係る中立状態は、車両の走行時であれば直進状態に対応している。
図1において、バルブユニット8の左右両端部には、リターンスプリング8sl、8srが設けられている。
そしてパワーシリンダ3のシリンダ本体30の一端(図1では左端31)は、第1のリンク10を介して前輪Wfのナックルアーム11に接続されている。
また、パワーシリンダ3内を摺動するピストン32は、第2のリンク12を介して、車両のフレーム13に接続(固定)されている。
例えば、ドライバがステアリングホイール15を右に操舵(矢印Rhの動作)すると、ピットマンアーム9は、図1において矢印Rの反時計回りに回動する。
ピットマンアーム9が矢印Rの反時計方向に回動すると、バルブユニット8はポジション83の流路に切り換わり、パワーシリンダ3の右室34に作動油が流入し、右室34の圧力が昇圧し、左室33の圧力が減圧する。
この時、左室33内のオイルの一部は、油圧戻りラインLrを介してオイルタンク5に戻される。
そして、ナックルアーム11を反時計方向(矢印RKL方向)に回動して、車両を左に旋回する。
バイパスラインLbには、流量調整弁16が介装されている。バイパスラインLbにおいて、流量調整弁16と第2の合流点G2との間の領域には、オリフィス17が介装されている。
図1及び図2において、ステアリングシステム100は、制御装置であるコントロールユニット20と、操舵角度検出手段である操舵角度センサ18と、操舵力検出手段である操舵力センサ19と、前記バイパス流量調整弁16を備えている。
コントロールユニット20は、入力手段20Aと、入力手段20Bと、演算手段20Cと、出力手段である出力信号発信装置20Dを備えている。
コントロールユニット20の演算手段20Cは、操舵角度センサ18で計測された操舵角度θに基づいて操舵角速度dθ/dtを演算する機能と、操舵力センサ19で計測された操舵力Fに基づいて操舵力の変化率dF/dtを演算する機能とを有している。
操舵力センサ(例えば、ロードセル)19は、パワーシリンダ3の第1のリンク10に介装されており、入力信号ラインSi2を介して、コントロールユニット20の入力手段20Bと接続されている。ここで、入力信号ラインSi2には、高い周波数の信号を除去するローパスフィルタ21が介装されている。
コントロールユニット20は、制御信号ラインSoを介して、バイパス流量調整弁16に接続されている。
それと共に、コントロールユニット20は、操舵角度センサ18で計測された操舵θがしきい値θTよりも小さく、且つ、操舵力センサ19で計測された操舵力Fがしきい値FTよりも小さくなった場合には、所定時間(T1)が経過してから、バイパス流量調整弁16を開放する機能を有している。
それと共に、コントロールユニット20は、操舵角度センサ18で計測された操舵角度θがしきい値θTよりも小さく、操舵角速度dθ/dtがしきい値[dθ/dt]Tよりも小さく、操舵力センサ19で計測された操舵F力がしきい値FTよりも小さく、且つ、操舵力の変化率dF/dtがしきい値[dF/dt]Tよりも小さい場合に、所定時間(T1)が経過してからバイパス流量調整弁16を開放する機能を有することが可能である。
操舵角度センサ18からの入力情報によって得られた操舵角θは、図4で示すように変化する。
図4で示す様な操舵角θを、コントロールユニット20の演算手段20Cによって時間について微分し、求めた操舵角速度dθ/dtが図5で示されている。
図8や図3等で後述するように、操舵角θはしきい値θTと比較される。ここで、操舵角θは正の値を取る場合と、負の値を取る場合が存在するので、しきい値θTと比較する際には、しきい値θTについても、正の値と負の値の2通りを設定しなければならない。それに対して、その際に、操舵角θの絶対値|θ|をしきい値θTと比較するのであれば、しきい値θTは一つだけ設定すれば良い。
図6において、符号「θT」で示す横軸に平行な点線は、バイパス流量調整弁16が閉鎖するための一つの要因となる操舵角(の微分値)のしきい値である。
図7において、横軸に平行な点線[dθ/dt]Tは、操舵角速度(操舵角の微分値)のしきい値である。操舵角速度のしきい値[dθ/dt]Tは、バイパス流量調整弁16の開閉制御における一つのパラメータとして用いられる。
図5〜図7において、図4で示す操舵角の特性を、破線で併記している。
図8において、バイパス流量調整弁16は、操舵角θの絶対値|θ|がしきい値|θ|Tを超えた場合、或いは、操舵角速度dθ/dtの絶対値がしきい値[dθ/dt]Tを越えた場合に閉鎖する。
そして、操舵角θの絶対値がしきい値|θ|T以下になった後、或いは、操舵角速度dθ/dtがしきい値[dθ/dt]T以下になった後、所定時間T1を経過すると開放する。
なお、図示の簡略化のため、図8では、しきい値|θ|T、しきい値[dθ/dt]Tは、単一の点線で示されている。
図10は、操舵力Fの微分値(操舵力の変化率)dF/dtを示している。操舵力Fの微分値(操舵力の変化率)dF/dtは、図9で示す操舵力Fを、コントロールユニット20の演算手段20Cにより微分して、求めている。
図11において、バイパス流量調整弁16は、操舵力の絶対値|F|がしきい値|F|Tを超えた場合、或いは、操舵力の微分値(操舵力の変化率)dF/dtがしきい値|dF/dt|Tを越えた際に閉鎖する。
そして、バイパス流量調整弁16は、操舵力の絶対値|F|がしきい値|F|T以下になった後、或いは、操舵力の微分値(操舵力の変化率)dF/dtがしきい値|dF/dt|T以下になった後、所定時間T2が経過すると開放する。
なお、図示の簡略化のため、図11でも、しきい値|F|T、しきい値[dF/dt]Tは、単一の点線で示されている。
ここで、図3で示す制御では、所定時間T2は所定時間T1(図8参照)とは同一に設定されている。ただし、所定時間T2は所定時間T1と異なる値とすることも出来る。
図3において、イグニションをONにして制御をスタートする。
ステップS1では、バイパス流量調整弁16の開度フラグを「開」にセットし、ステップS2では、タイマをT=0にセットする。
ステップS3では、操舵角度センサ18で検出された操舵角θ(図4参照)を読み込み、ステップS4に進む。
次に、ステップS5では、操舵力センサ19で検出した操舵力F(図9参照)を読み込み、ステップS6で、操舵力の変化率dF/dt(図10参照)を演算する。
そして、ステップS7に進む。
なお、図3では簡略化のため、ステップS7は「操舵角『θ』はしきい値以上?」と記載している。
操舵角θの絶対値|θ|がしきい値|θ|T以上であれば(ステップS7がYES)、ステップS11まで進む。
一方、操舵角θの絶対値|θ|がしきい値|θ|T未満であれば(ステップS7がNO)、ステップS8に進む。
操舵角速度dθ/dtがしきい値[dθ/dt]T以上であれば(ステップS8がYES)、ステップS11まで進む。
一方、操舵角速度dθ/dtがしきい値[dθ/dt]T未満であれば(ステップS8がNO)、ステップS9に進む。
簡略化のため、図3ではステップS9は「操舵力『Fはしきい値以上?」と記載している。
操舵力Fがしきい値|F|T以上であれば(ステップS9がYES)、ステップS11まで進み、操舵力Fがしきい値|F|T未満であれば(ステップS9がNO)、ステップS10に進む。
操舵力の変化率dF/dtがしきい値[dF/dt]T以上であれば(ステップS10がYES)、ステップS11に進む。操舵力の変化率dF/dtがしきい値[dF/dt]T未満であれば(ステップS10がNO)、ステップS13に進む。
そして、ステップS22まで進む。
ステップS14では、バイパス流量調整弁開度「開」の指令をそのまま継続するべく、バイパス流量調整弁開度フラグ「開」にセットして(ステップS15)、ステップS22に進む。
ステップS16ではタイマをT=0にセットし、次のステップS17では、タイマをT=0にセットしてからの経過時間Tが、所定値T1を超えたか否かを判断する。
ステップS18では、バイパス流量調整弁16に対して弁開度「開」を指令し、バイパス流量調整弁開度フラグを「開」にセットする(ステップS19)。これにより、バイパス流量調整弁16は閉鎖する。
そして、ステップS22に進む。
そのため、車線の変更等で、瞬間的に直進した際に、バイパス流量調整弁16が瞬間的に開放してパワーシリンダ3の圧力を減圧して、操舵補助力が発生しない状態となってしまうことが防止されるのである。
イグニションがOFFになったのであれば(ステップS22がYES)、制御を終了する。
イグニションがONであれば(ステップS22がNO)、ステップS3まで戻り、ステップS3〜S22の新たな制御サイクルを実行する。
これらの追加装備は、改修工事に要する時間も短く、その費用も最小限に留めることが出来る。
図12の実線は、例えば、パワーシリンダ3の入口圧が「中」以上で、バイパスラインLbの流量調整弁16を閉じた場合の流量特性を示している。
なお、入口圧「大」で、その値が一定以上になれば、圧力制御弁7が作動して作動油の一部を油圧ポンプ2の入口2iに戻すので、入口圧「中」の場合よりもパワーシリンダ流量は減少する。
図12の破線は、直進時のようにパワーシリンダ3の負荷が小さく、バイパス流量調整弁16が開いている場合の流量特性を示している。
図13の実線は、パワーシリンダ3の入口圧が「中」以上で、バイパスラインLbの流量調整弁16を閉じた場合の圧力特性を示している。
図13の破線は、パワーシリンダ3の入口圧が小さくバイパス流量調整弁16が開いた状態の圧力特性を示している。
図15の実線は、バイパスラインLbの流量調整弁16を閉じた場合の油圧ポンプ2の消費動力を示し、図15の破線は流量調整弁16を開いた場合の油圧ポンプ2の消費動力を示している。
図12〜図15から明らかなように、バイパス流量調整弁16を開放した方が、バイパス流量調整弁16を閉鎖している場合よりも、油圧ポンプ2の消費動力は明らかに小さくなる。
例えば図14において、ポンプ回転数がNpの場合は、バイパス流量調整弁16を開放した場合は、バイパス流量調整弁16を閉鎖した場合(バイパス流量調整弁16を備えていない従来技術の場合も包含)に比較して、符号「ΔWp」で示す分だけ、油圧ポンプの消費駆動力が削減できる。
そのため、油圧ポンプ2の消費動力が減少し、パワーシリンダ3の負荷が低い場合や操舵輪に大きな外乱が作用しない場合には、無駄な動力消費が削減される。
すなわち、エンジン1の補機駆動動力の低減によって燃費も向上する。
そのため、導入コストを安価に抑えることが出来る。
そのため、バイパス流量調整弁16を開放しても、パワーシリンダ3内の圧力が無くなってしまうことはなく、操舵力の補助が全くなくなってしまうことを防止することができる。
これに対して、図示の実施形態では、パワーシリンダ3の負荷が高い状態から負荷が低い状態に移行した場合に、図3のステップS17、S20、S21の制御によって、バイパス流量調整弁16が閉鎖した状態から開放した状態に移行するのに所定時間T1の遅れが存在するので、係る瞬間的な直進時にパワーシリンダ3の圧力が直ちに減圧されてしまうことが無く、ステアリングが非常に重い状態が生じることが防止される。
2・・・油圧ポンプ
3・・・パワーシリンダユニット/パワーシリンダ
4・・・ギヤボックス
5・・・オイルタンク
6・・・流量制御弁
7・・・圧力制御弁
8・・・バルブユニット
9・・・ピットマンアーム
10・・・第1のリンク
11・・・ナックルアーム
12・・・第2のリンク
13・・・フレーム
14・・・ステアリングコラム
15・・・ステアリングホイール
16・・・バイパス流量調整弁
17・・・オリフィス
18・・・操舵角度センサ
19・・・操舵力センサ
Lb・・・バイパスライン
Claims (6)
- エンジンに直結した油圧ポンプと、パワーシリンダユニットと、リザーバタンクと、油圧ポンプの吐出口をパワーシリンダのバルブユニットと連通する圧油ラインを有しているパワーステアリング機構において、油圧ポンプの吐出口と吸入口とを連通するバイパスラインを有し、該バイパスラインには流量調整弁が介装されており、該流量調整弁には制御装置から開閉制御信号が入力され、制御装置は、操舵角度センサが計測したステアリングの操作量と、操舵力センサで計測したパワーシリンダ或いはナックルアームに作用する力とに基づいて、前記流量調整弁を開閉制御する機能を有しており、前記制御装置は、操舵角度センサで計測された操舵角度がしきい値よりも大きくなるか、或いは、操舵力センサで計測された操舵力がしきい値よりも大きくなった場合には直ちに流量調整弁を閉鎖し、操舵角度センサで計測された操舵角度がしきい値よりも小さく、且つ、操舵力センサで計測された操舵力がしきい値よりも小さくなった場合には、所定時間が経過してから流量調整弁を開放する機能を有していることを特徴とするパワーステアリング機構。
- エンジンに直結した油圧ポンプと、パワーシリンダユニットと、リザーバタンクと、油圧ポンプの吐出口をパワーシリンダのバルブユニットと連通する圧油ラインを有しているパワーステアリング機構において、油圧ポンプの吐出口と吸入口とを連通するバイパスラインを有し、該バイパスラインには流量調整弁が介装されており、該流量調整弁には制御装置から開閉制御信号が入力され、制御装置は、操舵角度センサが計測したステアリングの操作量と、操舵力センサで計測したパワーシリンダ或いはナックルアームに作用する力とに基づいて、前記流量調整弁を開閉制御する機能を有しており、前記制御装置は、操舵角度センサで計測された操舵角度に基づいて操舵角速度を演算する機能と、操舵力センサで計測された操舵力に基づいて操舵力の変化率を演算する機能とを有していることを特徴とするパワーステアリング機構。
- 操舵角度センサはステアリングの軸に設けられており、操舵力センサはパワーシリンダとナックルアームの間の領域に設けられている請求項1または2のいづれかのパワーステアリング機構。
- 操舵力センサの検出信号を制御装置へ伝達するラインには、高い周波数の信号を除去する装置が介装されている請求項1または2のいづれかのパワーステアリング機構。
- 前記バイパスラインに圧損機構が介装されている請求項1〜4の何れか1項のパワーステアリング機構。
- 前記制御装置は、操舵角度センサで計測された操舵角度がしきい値よりも大きくなるか、操舵角速度がしきい値よりも大きくなるか、操舵力センサで計測された操舵力がしきい値よりも大きくなるか、或いは、操舵力の変化率がしきい値よりも大きくなった場合には直ちに流量調整弁を閉鎖し、操舵角度センサで計測された操舵角度がしきい値よりも小さく、操舵角速度がしきい値よりも小さく、操舵力センサで計測された操舵力がしきい値よりも小さく、且つ、操舵力の変化率がしきい値よりも小さくなった場合には、所定時間が経過してから流量調整弁を開放する機能を有している請求項2のパワーステアリング機構。
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