JP2000351378A - 分離型ステアリング装置 - Google Patents

分離型ステアリング装置

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JP2000351378A
JP2000351378A JP11163992A JP16399299A JP2000351378A JP 2000351378 A JP2000351378 A JP 2000351378A JP 11163992 A JP11163992 A JP 11163992A JP 16399299 A JP16399299 A JP 16399299A JP 2000351378 A JP2000351378 A JP 2000351378A
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steering
flow
hydraulic
port
hydraulic pump
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JP11163992A
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Shinji Maruyama
伸二 丸山
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離型のステアリング装置に対し、一般的な
非分離型ステアリング装置に近い操舵感覚を与えるため
の手段を提供すること。 【解決手段】 本発明は、分離型ステアリング装置にお
いて、回転軸42がハンドル34に連結された油圧ポン
プ44と、油圧ポンプ44から吐き出される作動油の流
れを所定の条件下で制限する流れ制限手段50,52と
を備えたことを特徴としている。かかる構成において、
油圧ポンプ44からの作動油の流れを制限した場合、油
圧ポンプ44に負荷が加わる。その結果、油圧ポンプ4
4の回転軸に接続されたハンドル34にも負荷が作用
し、運転者は非分離型ステアリング装置に近い操舵感覚
を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンドルの回転操
作に応じて操舵輪を操舵させるステアリング装置に関
し、特に、ハンドルと、操舵輪を支持し水平方向に回動
させる操舵機構とが機械的に分離され、両者間が電気的
制御手段により連結された、いわゆる分離型ステアリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フォークリフト等の産業車両におけるス
テアリング装置は、運転者によりハンドル(ステアリン
グホイール)に加えられた操舵力を歯車機構やリンク機
構等の機械的伝動機構により操舵機構に伝え、操舵輪の
舵角を変更させるものが一般的である。
【0003】しかしながら、フォークリフト等にあって
は、多数本の油圧配管が機台内に配置されるため、機台
内部空間の確保という要請があり、かかる観点からは、
比較的部品点数が多く、しかも伝動機構が機台の前後に
延びる従来一般のステアリング装置は好ましいものでは
なかった。
【0004】このため、従来においては、機械的伝動機
構を省き、ステアリングシャフトと操舵機構との間の連
結手段を電気的制御手段に置換した分離型ステアリング
装置が提案されている。このような分離型ステアリング
装置としては種々の型式があるが、典型的には、操舵機
構を駆動する電動モータや油圧シリンダ等の駆動源を備
えており、制御装置がハンドルに加えられた操舵力ない
しは操舵量(回転量)に応じて駆動源を電気的に制御
し、操舵機構に支持された操舵輪を操舵するようになっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の分離型ステアリ
ング装置は、上述したように機械的伝動機構を省いた構
成となっているため、省スペースに優れている。しかし
ながら、ハンドルを操舵機構ないしは操舵輪とは独立し
て操作することができるため、操舵感覚が伝動機構を有
する一般的なステアリング装置(以下「非分離型ステア
リング装置」という)とは異なったものとなっている。
【0006】例えば、操舵輪がステアリングエンド(操
舵限界)に達した場合や側溝に嵌まっていわゆるタイヤ
ロックの状態となった場合であっても、ハンドルを回し
続けることができる。
【0007】また、通常の非分離型ステアリング装置、
特にパワーステアリング装置では、操舵輪の回動速度に
限界があるため、操舵輪の動作にハンドル操作を追従さ
せるべく、ハンドルが所定の回転速度以上になると大き
な操舵力が必要となるようにしている。これに対して、
分離型ステアリング装置では、ハンドルが操舵機構から
の反力を受けないので、ハンドルの回転速度には制限が
ない。すなわち、従来の分離型ステアリング装置におい
ては、ハンドル操作に追従限界が設定されていなかっ
た。
【0008】分離型と非分離型との間における上記相違
点は運転者に違和感を与え、運転操作に慣れるまでに時
間がかかるおそれがある。
【0009】このため、従来においては、スアリングシ
ャフトに電動モータを駆動源とした負荷装置を接続し、
この負荷装置を制御して適当な負荷を与えることが考え
られている。しかしながら、このような手段では、電動
モータを常に駆動させることとなり、電力消費量が多く
なるという問題がある。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、分離型のステアリング装置におい
て、電気モータ等の電気的な負荷装置を用いることな
く、非分離型のステアリング装置に近い操舵感覚を与え
る手段を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ハンドルと、操舵輪を支持し回動させる
操舵機構とが機械的に分離され、ハンドルの操作状態に
応じて操舵機構の駆動源を電気的に制御するよう構成さ
れた分離型ステアリング装置において、回転軸がハンド
ルに連結された油圧ポンプと、油圧ポンプから吐き出さ
れる作動油の流れを所定の条件下で制限する流れ制限手
段とを備えたことを特徴としている。
【0012】かかる構成において、油圧ポンプからの作
動油の流れを制限した場合、油圧ポンプに負荷が加わ
る。その結果、油圧ポンプの回転軸に接続されたハンド
ルにも負荷が作用し、運転者は非分離型ステアリング装
置に近い操舵感覚を得ることが可能となる。
【0013】この流れ制限手段は、ハンドルの操作状態
及び操舵輪の状態に基づいて流れを制限するよう制御さ
れることが好ましい。そこで、本発明による分離型ステ
アリング装置は、更に、ハンドルの操作状態を検出する
第1の検出手段と、操舵輪の状態を検出する第2の検出
手段と、第1の検出手段及び第2の検出手段による検出
結果に基づき流れ制限手段を制御する制御手段とを備え
ることが有効である。
【0014】流れ制限手段としては開閉弁がある。この
場合、制御手段は、例えばステアリングエンド時等にお
いて、第1の検出手段及び前記第2の検出手段による検
出結果に基づきハンドルが操作されているにも拘わらず
操舵輪が停止していると判断したならば、油圧ポンプか
ら吐き出された作動油の流れを停止させるべく、開閉弁
を閉じるよう制御する。これにより、油圧ポンプの回転
軸、ひいてはハンドルを動かすことができなくなり、タ
イヤロック時における非分離型ステアリング装置と同等
の操舵感覚が得られる。
【0015】また、流れ制限手段は、油圧ポンプの吐出
し側の流量が所定値を越えた場合に流路面積を狭めるよ
うに機能する流量制御弁を備えるものであってもよい。
ハンドルの回転速度が増すと、それに応じて油圧ポンプ
の吐出し側圧力が上昇する。従って、ハンドルが追従限
界となる回転速度で操作された場合に流量制御弁を作動
させて流路を絞るようにすれば、ハンドル操作に大きな
力が必要となり、追従性が良好となる。
【0016】油圧ポンプとしては、第1のポート及び第
2のポートを有し、回転軸の回転方向が逆転された場合
に吐出し側のポートが切り換えられる2方向流れ型のも
のを使用することができる。かかる場合、第1のポート
に、作動油を第2のポートに向かって流通させる第1の
油圧ラインを接続し、第2のポートには、作動油を第1
のポートに向かって流通させる第2の油圧ラインを接続
すると共に、それぞれの油圧ラインに流れ制限手段を設
けることが好ましい。この構成では、ハンドルの操作方
向が切り換えられた場合、作動油が流れる油圧ラインが
変わるため、切換え前に作動油が流れていた油圧ライン
中の流れ制限手段の影響を受けない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の好適な
実施形態について詳細に説明する。なお、全図を通し、
同一又は相当部分には同一符号を付し、繰り返しとなる
説明は省略する。
【0018】図1は、本発明が適用されたフォークリフ
ト用の分離型ステアリング装置の第1実施形態を示して
おり、図中、符号10は操舵輪である後車輪を示してお
り、これらの後車輪10は操舵機構11により支持され
ている。操舵機構11は、機台(図示しない)の後部に
設置されたリアアクスルビーム12と、リアアクスルビ
ーム12の左右の各端部に取り付けられ後車輪10を回
転可能に支持するナックルアーム14とを備えている。
ナックルアーム14は、上下方向において延びるキング
ピン16によってリアアクスルビームに12水平方向に
おいて回動可能に取り付けられている。また、リアアク
スルビーム12の中央部にはベルクランク18が水平方
向において回動可能に取り付けられており、左右のナッ
クルアーム14がこのベルクランク18にタイロッド2
0により連結されている。従って、ベルクランク18を
回動させると、タイロッド20を介してナックルアーム
14も回動され、それによって後車輪10の舵角が変更
されるようになっている。なお、ステアリングエンドを
設定するために、ナックルアーム14に接してその動き
を規制するストッパ(図示しない)がリアアクスルビー
ム12に一体形成されている。
【0019】ベルクランク18は、電動モータ22を用
いた駆動装置24の出力ロッド26の先端に接続されて
いる。駆動装置24は、ハウジング28内に設けられた
ピニオン・ラック機構やボールねじ機構等の運動変換機
構(図示しない)によって、電動モータ22の回転軸の
回転運動が出力ロッド26の直線運動に変換されるよう
構成されている。ハウジング28は機台に取り付けられ
ている。電動モータ22は、マイクロコンピュータ等か
らなる制御装置30により制御される。従って、制御装
置30により電動モータ22を制御して出力ロッド26
をハウジング28に対して伸縮させることで、ベルクラ
ンク18は回動され、後車輪10の舵角が変更されるこ
ととなる。
【0020】この実施形態では、後車輪10の状態を検
出する手段として、舵角を検出する舵角センサ32が設
けられている。舵角センサ32としては種々あるが、キ
ングピン16の回転量を検出するポテンショメータが、
構造が簡単であり耐久性に優れていることから好まし
い。舵角センサ32の舵角検出信号は前記制御装置30
に入力され、電動モータ22の制御に用いられる。
【0021】一方、ステアリング装置の入力手段である
ハンドル(ステアリングホイール)34には、ステアリ
ングシャフト36の一端が結合されている。ステアリン
グシャフト36には、ハンドル34の操作状態を検出す
るための手段として、エンコーダ38が取り付けられて
いる。エンコーダ38の出力部は制御装置30に接続さ
れている。後述するが、制御装置30は、エンコーダ3
8からの出力信号に基づき、ステアリングシャフト3
6、すなわちハンドル34の回転角(回転操作量)、回
転速度及び回転方向を検知し、その結果から電動モータ
22を制御するようになっている。
【0022】ステアリングシャフト36の他端には、ス
テアリングシャフト36、ひいてはハンドル34に負荷
を加える負荷装置40が接続されている。この負荷装置
40は、ステアリングシャフト36が操舵機構11から
機械的に分離されていることによる操舵性の低下を補填
するものであり、油圧回路から構成されている。
【0023】図2に明示するように、負荷装置40は、
回転軸42がステアリングシャフト36の他端に接続さ
れた油圧ポンプ44を備えている。この油圧ポンプ44
は、外接形歯車ポンプ等で代表される2方向流れ型であ
り、回転軸42の回転方向を変えることで、ポート(第
1のポート)46aとポート(第2のポート)46bの
吐出し機能と吸込み機能が交換される。また、この油圧
ポンプ44は定容積形であるので、回転軸42の回転速
度の増減に応じて吐出し量も比例的に増減する。
【0024】油圧ポンプ44のポート46aとポート4
6bからはそれぞれ油圧ライン(第1の油圧ライン)4
8a及び油圧ライン(第2の油圧ライン)48bが延
び、これらの油圧ライン48a,48bはポイントP1
で接続され、1本のループ状ラインを形成している。各
油圧ライン48a,48bには、油圧ポンプ44の側か
ら順に、流量制御弁50a,50bとソレイノド式の開
閉弁52a,52bが直列に配設されている。また、各
油圧ライン48a,48bにおけるポイントP2とポイ
ントP3との間には、流量制御弁50a,50b及び開
閉弁52a,52bを迂回するバイパスライン54a,
54bが接続されており、各バイパスライン54a,5
4bには、ポイントP3からポイントP2への流れのみ
を可能とする逆止弁56a,56bが取り付けられてい
る。流量制御弁50a,50b同士及び開閉弁52a,
52b同士は実質的に同一のものであり、従って、この
負荷装置40の油圧回路は油圧ポンプ44を中心とした
対称的な構造となっている。
【0025】流量制御弁50a,50bは、流入口側の
流量(油圧ポンプ44のポート46a,46b側の流
量)をスイッチとして流量を調整するものであり、図示
実施形態では2ポート2位置型スプール弁の形態を採っ
ている。すなわち、図示の流量制御弁50a,50bは
一方のポート46a,46bから他方のポート46b,
46aへの流れのみを許容するタイプのものであり、ス
プリングオフセット位置である第1位置ではポート46
a,46b間が無負荷の開状態となり、第2位置ではポ
ート46a,46b間の流路面積が絞られるよう構成さ
れている。また、この流量制御弁50a,50bは、流
入口側にオリフィス58を内装し、その上流側のポイン
トP4にパイロットライン60が接続されており、ポイ
ントP4での流量が所定値となった時に第1位置から第
2位置に切り換えられるようになっている。
【0026】開閉弁52a,52bはソレノイド62に
より駆動され、ソレノイド62は制御装置30により通
電が制御される。この開閉弁52a,52bは常開型で
あり、ソレノイド62に通電することで流路が遮断され
る。
【0027】更に、負荷装置40の油圧回路は、図2か
ら理解される通り閉回路であるので、温度変化による作
動油の体積変化を補償するために、回路中の適当な位
置、例えばポイントP1にオイルリザーバ64が配置さ
れている。
【0028】次に、上述したような構成のステアリング
装置の作用について説明する。
【0029】まず、後車輪10の舵角がゼロの状態、す
なわち中立直進状態から、運転者がハンドル34を左右
いずれかの方向に回転操作すると、ステアリングシャフ
ト36もハンドル34と一体的に回転され、エンコーダ
38から信号が制御装置30に送出される。制御装置3
0は、エンコーダ38からの出力信号に基づき、ハンド
ル34の回転角や回転速度、回転方向等のハンドル操作
状態を検知し、その検知結果に応じて後車輪10が所定
の回動速度で所定の舵角となるよう、駆動装置24の電
動モータ22に対して駆動制御信号を送出する。これに
より、駆動装置24の出力ロッド26がハウジング28
から伸び、又は、ハウジング28内に引き入れられ、ベ
ルクランク18が揺動されて、そこに接続されたタイロ
ッド20、ナックルアーム14を介して後車輪10の舵
角が変更される。なお、制御装置30は、舵角センサ3
2からの出力信号により後車輪10の舵角を常時検知
し、電動モータ22をフィードバック制御することが好
ましい。
【0030】上記ハンドル操作の際、ハンドル34の回
転速度が追従限界となる所定値(例えば約2.6rp
s)よりも低い場合、負荷装置40における流量制御弁
50a,50bは第1位置にあり、開閉弁52a,52
bは開状態にある。そして、ハンドル34の回転操作に
伴って、ステアリングシャフト36が接続された油圧ポ
ンプ44のポートの一方、例えばポート46aから作動
油が送り出される。ポート46a側のバイパスライン5
4aには、ポイントP2からポイントP3への流れを阻
止する逆止弁56aが介設されているので、作動油は油
圧ライン48a中の流量制御弁50a及び開閉弁52a
を通り、ポイントP1に流れていく。そして、油圧ライ
ン48b中の流量制御弁50bはポイントP2からポイ
ントP3への流れのみを許容するものであるため、作動
油はバイパスライン54bを経て油圧ポンプ44のポー
ト46bに戻される(図2において実線の矢印で示す流
れを参照)。
【0031】このような流れが生じている間、油圧ポン
プ44のポート46a側では、油圧ポンプ44の吐出し
流量に応じた圧力が発生する。油圧ポンプ44の吐出し
流量はハンドル34の回転速度に対応しているので、ポ
イントP4における油圧とハンドル34の回転速度との
関係は図3のA領域に示す如くなる。油圧回路中の圧力
は作動油が油圧ポンプ44に与える負荷となるものであ
る。従って、ハンドル34にも油圧に対応する負荷が作
用し、これがハンドル34の回転操作に、ある程度の重
さを与えるように作用する。また、図3のA領域に示す
ように、ハンドル34の回転速度が上昇するに従って油
圧が上昇するので、ハンドル34に対する負荷が徐々に
大きくなる。このような状態は、従来一般の非分離型ス
テアリング装置と同様な操舵感覚を与えるものである。
【0032】一方、ハンドル34の回転速度が追従限界
の回転速度(2.6rps)を超えた場合、油圧回路の
ポイントP4の流量が所定値を越え、流量制御弁50a
は第1位置から第2位置に切り替わる。その結果、油圧
ライン48aの流路面積が狭められ、油圧回路の内部圧
力が急激に増加する(図3のB領域を参照)。従って、
ハンドル34に作用する負荷が大きくなり、同方向に回
転操作を続けることが困難となる。従来一般の非分離型
ステアリング装置においては、ハンドル34が約2.6
rpsで回転操作された場合にはハンドル34が急に重
くなるように設定されており、本実施形態においてもこ
れと同等の操作感覚が得られる。
【0033】ハンドル34の回転操作を続けると、やが
て後車輪10はステアリングエンドに達し、それ以上の
回動が規制される。また、後車輪10が縁石に接した場
合等にも後車輪10はロックされた状態となる。このよ
うなタイヤロック時、ハンドル34を更に同方向に回し
た場合、制御装置30は、エンコーダ38と舵角センサ
32からの出力信号に基づき、ハンドル34が回転操作
されたにも拘わらず、舵角に変化がないことから、タイ
ヤロックが生じていると判断する。そして、開閉弁52
aのソレノイド62に通電し、開閉弁52aを閉じる。
これによって、油圧ポンプ44のポート46aからポー
ト46bへの作動油の流れは阻止され、ハンドル34を
回すことができなくなり、これと同時に運転者はタイヤ
ロックが生じていることを知ることとなる。
【0034】上記タイヤロック状態では、油圧ライン4
8bの流量制御弁50bは第1位置にあり、開閉弁52
bは開状態にある。従って、運転者が逆方向にハンドル
34を回そうとした場合、油圧ポンプ44のポート46
bが吐出しポートとなり、作動油は油圧ライン48b及
びバイパスライン54aを通り、油圧ポンプ44のポー
ト46aに還流する(図2において点線の矢印で示す流
れを参照)。すなわち、負荷装置40はハンドル34の
逆転操作を規制することはなく、後車輪10を逆方向に
回動させることができる。
【0035】この際、制御装置30は、エンコーダ38
からの出力信号により、ハンドル34が逆方向に回され
たことを検知し、開閉弁52aのソレノイド62への通
電を停止し、開閉弁52aを開放して負荷装置40を初
期状態に戻すこととなる。この開閉弁52aの初期状態
への復帰は可能な限り短時間で行われることが望まし
い。しかしながら、ハンドル34を逆転操作した瞬間、
作動油は油圧ライン48aを通らずにバイパスライン5
4aを通るため、開閉弁52aの状態はハンドル操作に
影響を与えないので、ソレノイド式開閉弁52の応答性
は格別に高いものである必要はない。
【0036】ところで、負荷装置10の上記作用は、ハ
ンドル34と操舵輪10との間の位置関係に拘わらず、
得られるものである。従って、機台キーオフしている間
にハンドル34を動かしてしまった場合であっても、タ
イヤロック時には確実にハンドル34もロックされ、ハ
ンドル34と後車輪10の位置合わせのような制御を行
う必要はない。
【0037】図4は、本発明の第2実施形態に係る負荷
装置140を示す油圧回路図である。この負荷装置14
0は、ソレノイド式の開閉弁52が1つである点で、第
1実施形態とは大きく相違している。すなわち、この第
2実施形態では、流量制御弁50a,50bの流出口間
を繋ぐ油圧ライン48a,48b中に設けられている開
閉弁52は1つのみである。また、逆止弁156a,1
56bを有するバイパスライン154a,154bは、
第1実施形態とは異なり、各流量制御弁50a,50b
に内装されている。更に、温度変化による作動油の体積
変化を補償するための手段として、オイルリザーバに代
えて、アキュムレータ164がポイントP1に接続され
ている。これらの相違点を除き、第2実施形態は第1実
施形態と実質的に同じである。
【0038】この第2実施形態に係る負荷装置140に
おいては、ハンドル34の回転速度が上がり油圧が上昇
すると、流量制御弁50a又は50bが絞りの位置に切
り替わり、ハンドル操作に負荷を加える点で、第1実施
形態と同様である。また、タイヤロック時には開閉弁5
2が閉じられ、それ以上のハンドル操作が阻止される点
でも第1実施形態と同様である。但し、タイヤロックさ
れた後にハンドル34を逆転させた場合、開閉弁52が
閉じていると、ハンドル34の逆転操作を行うことがで
きないので、ハンドル34に逆方向の操舵力が加えられ
たならば、速やかに開閉弁52が開放されるよう、応答
性の良好なソレノイド式開閉弁を使用することが必要と
なる。また、エンコーダ38の場合、ハンドル34の回
転が阻止されている状態では、運転者によるハンドル操
作の意思を検出することができないので、ハンドル34
の回転操作状態を検知する手段としてエンコーダ38に
代えて、或いはエンコーダ38と共に、トルク検出装置
(図示しない)を使用することが有効である。
【0039】図5は、本発明の第3実施形態に係る負荷
装置240を示す油圧回路図である。この負荷装置24
0は、1つの流量制御弁50と、2つの開閉弁52a,
52bとを備えている。より詳細に述べるならば、油圧
ポンプ44の各ポート46a,46bから延びる油圧ラ
イン48a,48bにはソレノイド式開閉弁52a,5
2bがそれぞれ設けられており、開閉弁52a,52b
と油圧ポンプ44との間には、開閉弁52a,52bへ
の流れのみを許容する逆止弁256a,256bが設け
られている。各開閉弁52a,52bの流出口から延び
る油圧ラインは1本のリターンライン248に合流し、
このリターンライン248中に流量制御弁50が配設さ
れている。リターライン248は下流側で2本の分岐ラ
イン254a,254bに分岐して、それぞれが油圧ポ
ンプ44の対応のポート44a,44bに接続されてい
る。各分岐ライン254a,254bには、リターンラ
イン248から油圧ポンプ44に戻る作動油の流れのみ
を許容する逆止弁255a,255bが設けられてい
る。
【0040】このような構成においては、ハンドル34
を回転させると、油圧ポンプ44の一方のポート、例え
ばポート46aから送り出された作動油は、油圧ライン
48aの開閉弁52a、そして流量制御弁50を通り、
リターンライン248から分岐ライン254bを経て油
圧ポンプ44の他方のポート46bに戻される。
【0041】この際、ハンドル34の回転速度が追従限
界として設定された所定値に達した場合、油圧回路の内
圧が高まり、流量制御弁50が作動して流路面積を狭め
る。これにより、上記の第1実施形態及び第2実施形態
と同様にハンドル34が重くなり、ハンドル34の回転
操作が困難となる。
【0042】また、例えば後車輪10がステアリングエ
ンドに達した場合、制御装置30は油圧ライン48a中
の開閉弁52aを閉じ、油圧ポンプ44のポート46a
から送り出される作動油の流れを停止させ、ハンドル3
4のそれ以上の回転を阻止する。この後、ハンドル34
を逆方向に回転させると、作動油は油圧ポンプ44のポ
ート46bから流出し、開放状態の開閉弁52bを通っ
て流れる。かかる場合、ハンドル34の逆転操作の瞬間
に開閉弁52aが開放されずとも、作動油の流れは妨げ
られないので、ハンドル34の逆転操作には何らの支障
も来さないことは、第1実施形態の場合と同様である。
【0043】このように、第3実施形態に係る負荷装置
240も、第1実施形態及び第2実施形態と同様な機能
を果たすことは理解されよう。
【0044】また、ソレノイド式開閉弁の応答性が良好
であり、且つ、ハンドル34の逆転操作の瞬間に開閉弁
が開放状態に瞬時に復帰することができるならば、第3
実施形態を変形し、図6に示すように開閉弁52を1つ
とした構成の負荷装置340とすることも可能である。
【0045】以上、本発明の好適な実施形態について詳
細に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されな
いことはいうまでもない。
【0046】例えば、上記実施形態における油圧ポンプ
44は、回転軸42の回転方向に応じて吐出しポートが
切り替わるタイプのものであるが、回転軸の回転方向に
拘わらず吐出しポートと吸込みポートは切り替わらない
タイプ(例えば図6において逆止め弁255,256を
内蔵したタイプのポンプ)のものも使用することができ
る。
【0047】また、本発明は、作動油の流れを一定の条
件下で制限することで、油圧ポンプ、ひいてはハンドル
に負荷を与えようとするものであるので、作動油の流れ
を制限するための手段としては、上記の流量制御弁50
や開閉弁52に限定されることもない。
【0048】更に、本発明の適用車両、操舵機構やハン
ドルについても上記実施形態のものに限られない。例え
ば、上記実施形態では、操舵機構の駆動源が電動モータ
となっているが、油圧シリンダを駆動源とした油圧式操
舵機構であっても本発明は適用可能である。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による分離型
ステアリング装置は、一般的な非分離型ステアリング装
置と同様な操舵感覚が得ることが可能である。従って、
この分離型ステアリング装置を搭載した車両を運転者は
違和感なく運転操作することができ、短時間のうちに運
転技術をマスターすることが可能となる。
【0050】また、油圧を利用してハンドルに負荷を与
えるものであるため、電力消費量はゼロ或いは極めて少
ない。よって、バッテリ車には特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された分離型ステアリング装置の
第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す分離型ステアリング装置における負
荷装置の油圧回路図である。
【図3】図2の負荷装置における油圧ポンプの吐出し側
圧力とハンドルの回転速度との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の第2実施形態に係る分離型ステアリン
グ装置の負荷装置を示す油圧回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る分離型ステアリン
グ装置の負荷装置を示す油圧回路図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る分離型ステアリン
グ装置の負荷装置を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
10…後車輪(操舵輪)、11…操舵機構、24…駆動
装置、30…制御装置(制御手段)、32…舵角センサ
(第2の検出手段)、34…ハンドル、38…エンコー
ダ(第1の検出手段)、40,140,240,340
…負荷装置、42…回転軸、44…油圧ポンプ、46a
…(第1の)ポート,46b…(第2の)ポート、48
a…(第1の)油圧ライン、48b…(第2の)油圧ラ
イン、50,50a,50b…流量制御弁、52,52
a,52b…ソレノイド式開閉弁。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルと、操舵輪を支持し回動させる
    操舵機構とが機械的に分離され、前記ハンドルの操作状
    態に応じて前記操舵機構を電気的に制御するよう構成さ
    れた分離型ステアリング装置において、 回転軸が前記ハンドルに連結された油圧ポンプと、 前記油圧ポンプから吐き出される作動油の流れを所定の
    条件下で制限する流れ制限手段とを備えることを特徴と
    する分離型ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記ハンドルの操作状態を検出する第1
    の検出手段と、 前記操舵輪の状態を検出する第2の検出手段と、 前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段による検出
    結果に基づき前記流れ制限手段を制御する制御手段とを
    備えることを特徴とする請求項1に記載の分離型ステア
    リング装置。
  3. 【請求項3】 前記流れ制限手段は開閉弁を含み、 前記制御手段は、前記第1の検出手段及び前記第2の検
    出手段による検出結果に基づき前記ハンドルが操作され
    ているにも拘わらず前記操舵輪が停止していると判断し
    た場合に、前記油圧ポンプから吐き出された作動油の流
    れを停止させるべく、前記開閉弁を閉じるよう制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の分離型ステアリング
    装置。
  4. 【請求項4】 前記流れ制限手段は、前記油圧ポンプの
    吐出し側の流量が所定値を越えた場合に流路面積を狭め
    るように機能する流量制御弁を含むことを特徴とする請
    求項1又は3に記載の分離型ステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記油圧ポンプは第1のポート及び第2
    のポートを有し、前記回転軸の回転方向が逆転された場
    合に吐出し側のポートが切り換えられる2方向流れ型と
    なっており、 前記第1のポートには、作動油を前記第2のポートに向
    かって流通させる第1の油圧ラインが接続され、前記第
    2のポートには、作動油を前記第1のポートに向かって
    流通させる第2の油圧ラインが接続されており、 前記第1の油圧ライン及び前記第2の油圧ラインのそれ
    ぞれに前記流れ制限手段が設けられていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離型ステア
    リング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8615351B2 (en) 2010-12-01 2013-12-24 Nippon Soken, Inc. Driving assistance apparatus and vehicle driving assistance system for determining entry into or exit from a parking lot

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