JP2515591B2 - 香料組成物 - Google Patents

香料組成物

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JP2515591B2 JP1171072A JP17107289A JP2515591B2 JP 2515591 B2 JP2515591 B2 JP 2515591B2 JP 1171072 A JP1171072 A JP 1171072A JP 17107289 A JP17107289 A JP 17107289A JP 2515591 B2 JP2515591 B2 JP 2515591B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新鮮なグリーンシトラス様の香気香味特性
ならびに該特性の接続性を有する3,7−ジメチル−4−
オクテナールを有効成分として含有する新規な香料組成
物に関する。
更に詳しくは、本発明は、下記式(1) で表される3,7−ジメチル−4−オクテナールを有効成
分として含有してなる持続性を有する新規な香料組成物
に関する。
(従来の技術) 式(1)の3,7−ジメチル−4−オクテナールは従来
の文献に記載された化合物であり、例えば、式(1)の
化合物をアリルマグネシウムブロマイドと縮合反応さ
せ、さらに酸化、異性化などの反応を行い、香料化合物
として利用できる6,10−ジメチル−1,7−ウンデカジエ
ン−4−オール、6,10−ジメチル−2,7−ウンデカジエ
ン−4−オール、6,10−ジメチル−1,7−ウンデカジエ
ン−4−オンおよび6,10−ジメチル−2,7−ウンデカジ
エン−4−オンを合成する方法が提案されている(Perf
um.Flavor.,8(5),39〜47,1983参照)。また、式
(1)の化合物に類似する化合物としては、例えば、3,
7−ジメチル−6−オクテナール(シトロネラール)が
知られている。該化合物は、シトロネラ油の主成分でレ
モンに似た香気を有しており、従来から香料化合物とし
て利用されている。
(発明が解決しようとする課題) 上述の文献に記載される本発明の式(1)の化合物
は、前述の各種の香料化合物の出発原料として使用され
ることが開示されているが、該化合物の香気香味特性な
らびに該化合物を調合香料の素材としての利用について
は、全く言及されていない。
一方、本発明の式(1)の化合物と構造類似のシトロ
ネラールは、調合香料の素材として古くから幅広く使用
されている香料化合物である。しかしながら、近年、飲
食品、香粧品などの多様化に伴い、従来公知の香料化合
物だけでは対応しきれず、従来にない新しいタイプの香
料素材が強く要求されている。
本発明者らは、上述の要求を解決するため、シトロネ
ラール関連化合物について、従来から鋭意研究を行って
きた。その結果、上記式(1)の化合物が安価な原料か
ら容易に合成できること、また式(1)の化合物はシト
ロネラールとは違った新鮮なグリーンシトラス様の香気
香味特性を有し、且つ、その持続性に優れ、持続性のあ
る香料物質として極めて有用であること、更にまた本発
明の式(1)の化合物が、上述の要求を満たす化合物で
あることを発見して本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、持続性のある新鮮なグリー
ンシトラス様の香気香味特性を有する香料化合物を提供
するにある。また、該化合物を調合素材として用いた新
規香料組成物を提供するにある。
更にまた、本発明は、式(1)の化合物を安価な原料
から一段階反応で容易に合成する方法を提供するにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、式(1)の化合物は、後記式(2)
の6−メチル−2−ヘプテン−4−オールを触媒の存在
下にエチルビニルエーテルと反応させた後、加熱転位さ
せることにより、本発明の前記式(1)の化合物を容易
に合成することができる。
本発明の式(1)の化合物の合成方法を反応式で示す
と、例えば、以下のように表すことができる。
上記反応式に従って本発明の式(1)の化合物の合成
法を以下に詳細に述べる。
上記反応式における式(2)の化合物は公知の化合物
で市場において容易に入手することができる。また、該
化合物は、イソブチルマグネシウムクロライドをクロト
ンアルデヒドとグリニヤール反応させることにより容易
に合成することができる。
上記反応式において、式(2)の化合物から式(1)
の化合物を合成するには、式(2)の化合物を触媒の存
在下にエチルビニルエーテルと反応させた後、加熱転位
反応させることにより容易に行うことができる。
上記の反応は、例えば、約10℃〜約100℃程度の温度
範囲で、通常約2時間〜約20時間程度の反応条件を好ま
しく例示することができる。
この反応に使用する触媒としては、例えば、酢酸第二
水銀、p−トルエンスルホン酸、リン酸、酢酸、ピバリ
ン酸などを挙げることができる。これらの触媒の使用量
は、式(2)の化合物1モルに対して約0.01モル〜約1
モル程度を好ましく挙げることができる。
また、上記反応に使用するエチルビニルエーテルの使
用量は、例えば、式(2)の化合物1モルに対して約1
モル〜約10モル程度の使用量を好ましく挙げることがで
きる。
上記の加熱転位反転は、例えば、約40℃〜約150℃程
度の温度範囲で、通常約0.5時間〜約5時間程度の反応
時間を好ましく例示することができる。
反応終了後は、常法に従って中和、洗浄、濃縮、必要
により、例えば、蒸留などの精製手段を用いることによ
り、本発明の式(1)の化合物を好収率、好純度で得る
ことができる。
上述のようにして得ることのできる本発明の式(1)
の化合物は、新鮮なグリーンシトラス様の香気香味特性
を保有し、さらには極めて優れた持続性を有しており、
各種の香料組成物に添加して利用することができる。前
記式(1)の化合物の添加量は、その目的あるいは香料
組成物の種類によっても異なるが、例えば、一般的には
全体量の約0.001〜約30重量%程度の範囲を例示するこ
とができる。
かくして、本発明によれば、前記式(1)の化合物を
有効成分とする香気香味特性を賦与する新規香料組成物
を提供することができ、該組成物を利用して式(1)の
化合物を香気香味成分として含有することを特徴とする
飲食品類、式(1)の化合物を香気成分として含有する
ことを特徴とする香粧品類、式(1)の化合物を香気香
味成分として含有することを特徴とする保護・衛生・医
薬品などを提供することができる。
例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料
類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シャーベット
類、アイスキャンディーのごとき冷菓類;和洋菓子類、
ジャム類、チューインガム類、パン類、コーヒー、ココ
ア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;和風スープ類、洋風
スープ類のごときスープ類;風味調味料、各種インスタ
ント飲料乃至食品類、各種スナック食品類などにそのユ
ニークな香気香味を付与できる適当量を添加した飲食品
類を提供できる。また、例えば、シャンプー類、ヘアー
クリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧料基剤;
オシロイ、口紅、その他の化粧料基剤や化粧料洗剤基剤
などに、そのユニークな香気を付与できる適当量を添加
した化粧品類を提供できる。さらにまた、洗濯用洗剤
類、消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各種の保健・衛生
材料類;医薬品の服用を容易にするための矯味、賦香剤
などの保健・衛生・医薬品類を提供できる。
以下に本発明について、参考例、実施例および比較例
を挙げて更に詳細に説明する (参考例) 参考例1 3,7−ジメチル−4−オクテナール[式(1)の化合
物]の合成 フラスコにエチルビニルエーテル750ml、酢酸第二水
銀9g(0.03モル)および6−メチル−2−ヘプテン−4
−オール19.2g(0.15モル)を仕込み、リフラックス状
態(33〜37℃)で攪拌しながら13時間反応させる。反応
終了後、冷却し、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した
後、濃縮する。残渣を蒸留することにより、純粋な式
(1)の化合物21gを得た。
沸点:83℃〜85℃/29mmHg 収率:91% (実施例) 実施例1 リラタイプの調合香料組成物として下記の各成分(重
量部)を混合した。
フェニルエチルアセテート 10 シンナミックアルコール 40 ターピネオール 130 シクラメンアルデヒド 10 ヘリオトロピン 50 シンナミルアセテート 10 カーネーション 20 リナロール 30 インドール 2 スチィラックスレジノイド 30 イランイラン 10 ヒドロキシシトロネラール 290 ベンジルアセテート 20 アニスアルデヒド 20 アブソリュートジャスミン 20 フェニルエチルアルコール 278 アニスアルコール 30 合計 1000 上記組成物97gに3,7−ジメチル−4−オクテナールを
3g混合して新規調合香料組成物を調製した。この新規調
合香料組成物と該化合物を加えていない上記のリラタイ
プの調合香料組成物について、専門パネラー10人により
比較した。その結果、専門パネラー10人の全員が該化合
物を加えた新規調合香料組成物は、新鮮なグリーン感を
伴うレモンシトラス様の香気が強調され、天然のリラの
特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れているとした。
実施例2 パイナップル様の調合香料組成物として下記の各成分
(重量)を混合した。
エチルアセテート 300 エチルブチレート 250 イソアミルアセテート 100 イソアルミバレレート 55 イソ酪酸 70 イソ吉草酸 30 アルカリプロエート 35 エチルカプロエート 20 エチルカプリレート 15 エチルカプリレート 20 イソアミルアルコール 35 ジエチルマロネート 30 シトラール 15 リナロール 5 マルトール 20 1000 上記組成物96gに3,7−ジメチル−4−オクテナールを
4g混合して新規なパイナップル様の調合香料組成物を調
製した。この新規調合香料組成物と該化合物を加えてい
ない上記のパイナップル様調合香料組成物について、専
門パネラー10人により比較した。その結果、専門パネラ
ー10人の全員が該化合物を加えた新規調合香料組成物
は、フレッシュなグリーンシトラス様の香気が強調され
た天然パイナップルの特徴をとらえ持続性の点でも格段
に優れているとした。
(比較例) 比較例1 実施例2で新規調合香料組成物を調製するのに用いた
本発明の3,7−ジメチル−4−オクテナールの代わり
に、同量のシトロネラールを配合したパイナップル様の
調合香料組成物を調製した。これら2種類の調合香料組
成物の香調について、専門パネラー10人により比較し
た。その結果、専門パネラー10人の全員が、シトロネラ
ールを配合した調合香料組成物より、式(1)の化合物
を配合した調合香料組成物の方が、フレッシュなグリー
ン感がより増強されており、天然のパイナップルの特徴
をより良くとらえているとした。
(発明の効果) 本発明によれば、前記式(1)で表される3,7−ジメ
チル−4−オクテナールを有効成分とする新規香料組成
物を提供するにある。
本発明の式(1)の化合物は、新鮮なグリーンシトラ
ス様の香気香味特性を有しており、該化合物は、飲食品
類、香粧品類、保健・衛生・医薬品などに用いる香料組
成物の調合素材として有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) で表される3,7−ジメチル−4−オクテナールを有効成
    分として含有することを特徴とする香料組成物。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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Perfum.Flavor.,8(5),P.39〜41,P.45〜7,1983"SynthesesandOdorCharacteristicsofSomeHomologsofAcyclicTerpenoids"

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