JP3415678B2 - シクロヘキセン誘導体 - Google Patents

シクロヘキセン誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カンファー様、木様、
イリス様の香気香味特性ならびに該特性の持続性を有す
る従来文献未記載の下記式(1)、
【0002】
【化2】
【0003】但し、式中、Rは基−CHO、基−CH=
CHCOCH3、基−COOR1より成る群からえらばれ
た基を示し、R1はC1〜C4のアルキル基を示す、で表
されるシクロヘキセン誘導体に関する。
【0004】
【従来の技術】従来、本発明の式(1)化合物に包含さ
れる後記式(1)−2に構造類似の化合物としては、例
えば、香料として有用なヨノン系、イロン系、ダマスコ
ン系などの化合物が知られており、その製法、利用等に
ついてこれまで数多くの報告がなされている。例えば、
β−ヨノン:4−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−ブト−3−エン−2−オン
は、ミカン科Boronia megastigma Nees の精油中に存在
し、セダー油様の香調を伴うスミレ花香を有する化合物
である。また、α−ヨノン:4−(2,6,6−トリメ
チル−2−シクロヘキセン−1−イル)−ブト−3−エ
ン−2−オンは、上記精油中にもわずかに存在し新鮮な
スミレ花香を有するが、現在では合成法により大量に製
造され、調合香料の重要な素材として用いられている。
【0005】また、本発明の後記式(1)−1に構造類
似の化合物としては、例えば、2,2,4−トリメチル
−シクロヘキセ−3−エン−カルボアルデヒドで表され
る化合物がスミレ花香を有し、これを原料としてミント
様香気を有する2−(2,2,4−トリメチルシクロヘ
キセ−3−エン−1−イル)−エト−2−オンや、スパ
イス感を伴ったシダーウッド調香気を有する4−(2,
2,4−トリメチルシクロヘキセ−3−エン−1−イ
ル)−ブト−3−エン−2−オンを合成できることが報
告されている(J.Am.Chem.Soc.,63,1979−1984,194
1)。
【0006】しかしながら、上記提案のいずれの報告に
おいても、本発明の式(1)化合物については記載され
ておらず、ましてや該化合物の香気香味ならびに該化合
物が調合香料の素材として有用であることなどは、示唆
も言及もされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、消費者の嗜好の
変化に伴い、飲食品、香粧品等の多くの製品が多様化し
てきており、従来公知の香料化合物だけでは消費者の嗜
好の変化に十分に対応しきれず、従来にない新しいタイ
プの香料素材が強く要求されてきている。そこで本発明
者らは、香料として重要である各種シクロヘキセン類及
びその合成法について鋭意研究を続けてきた。その結果
上記式(1)の従来文献未記載のシクロヘキセン誘導体
を、市場で安価に入手できる2,4−ジメチル−1,3
−ペンタジエンを出発原料に選ぶことにより、短工程で
高収率、高純度に容易に合成できることを発見した。更
に上記式(1)のシクロヘキセン誘導体がカンファー
様、木様、イリス様の香気香味特性を有し、且つ、その
持続性に優れ、香料物質として極めて有用で且つユニー
クな成分であることを発見して本発明を完成した。
【0008】従って、本発明の目的は、持続性のあるカ
ンファー様、木様、イリス様の香気香味特性を有する従
来文献未記載の香料化合物を提供するにある。また、該
化合物を調合素材として用いた新規香料組成物を提供す
るにある。更にまた、本発明は、式(1)の化合物を安
価な原料から簡単な操作で、高収率、高純度に合成する
方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明において、前記式
(1)化合物は、下記式(1)−1、
【0010】
【化4】
【0011】で表される1,2,2,4−テトラメチル
−シクロヘキセ−3−エン−カルボアルデヒドおよび下
記式(1)−2、
【0012】
【化5】
【0013】で表される4−(1,2,2,4−テトラ
メチルシクロヘキセ−3−エン−1−イル)−ブト−3
−エン−2−オンおよび下記式(1)−3、
【0014】
【化6】
【0015】但し、R1はC1〜C4のアルキル基を示
す、で表されるアルキル 1,2,2,4−テトラメチ
ルシクロヘキセ−3−エン−1−カルボキシレートを包
含する。
【0016】本発明の式(1)化合物に包含される式
(1)−1および(1)−2で表される化合物の合成方
法を反応式[以下、反応式(A)と称することもあ
る。]で示すと、例えば、以下のように表すことができ
る。
【0017】
【化7】
【0018】上記反応式(A)に従って本発明の式
(1)−1および(1)−2化合物の合成法を以下に詳
細に述べる。上記反応式における式(2)で表される
2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエンおよび式
(3)で表されるメタクロレインは、市場において容易
に入手することができる。
【0019】反応式(A)において、式(2)化合物か
ら式(1)−1化合物を合成するには、窒素ガスなどの
不活性ガスで置換されたオートクレーブなどの加圧装置
内で、式(2)の化合物をハイドロキノンの存在下、メ
タクロレインと反応させることにより容易に行うことが
できる。
【0020】上記の反応は、例えば、約0℃〜約250
℃程度の温度範囲で、通常約1時間〜約10時間程度で
行うことができる。この反応に使用するハイドロキノン
の使用量は、例えば、式(2)の化合物1モルに対して
約10-3モル〜約1モル程度を挙げることができる。
【0021】また、上記反応に使用するメタクロレイン
の使用量は、例えば、式(2)の化合物1モルに対して
約1モル〜約10モル程度を好ましく例示できる。
【0022】反応終了後は、常法に従って洗浄、濃縮、
必要により、例えば、蒸留などの精製手段を用いること
により、本発明の式(1)−1の化合物を高収率、高純
度で得ることができる。このようにして得ることのでき
る式(1)−1化合物はカンファー様、木様の香気香味
特性を有する。
【0023】次に、上記反応式(A)に従って本発明の
式(1)−2化合物の合成法を以下に述べる。上記反応
式において、式(1)−1化合物から式(1)−2化合
物を合成するには、有機溶媒中、塩基の存在下に式
(1)−1化合物を式(4)で表されるアセトンと反応
させることにより容易に行うことができる。反応温度
は、例えば、約20℃〜約70℃程度、反応時間は反応
温度によっても異なるが、通常約0.5時間〜約5時間
程度を例示することができる。この反応に使用するアセ
トンの使用量は、例えば、式(1)−1化合物1モルに
対して等モル以上、好ましくは約1モル〜約3モル程度
を示すことができる。更に、有機溶媒としては、例えば
メチルアルコール、エチルアルコールなどを例示でき、
該溶媒の使用量は、例えば式(1)−1化合物に対し
て、約1〜約50重量倍程度でよい。
【0024】また、反応に用いる塩基の種類としては、
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バ
リウムなどを挙げることができる。これらの塩基の使用
量は、例えば、式(1)−1化合物1モルに対して約
0.1モル〜約0.5モル程度を例示できる。反応終了
後は、常法に従って中和、洗浄、濃縮、必要により、例
えば、蒸留などの精製手段を用いることにより、本発明
の式(1)−2化合物を高収率、高純度で得ることがで
きる。上述のようにして得られる式(1)−2化合物
は、イリス様、木様の香気香味特性を有する。
【0025】次に、更に本発明の式(1)化合物に包含
される式(1)−3で表される化合物の合成方法を反応
式[以下、反応式(B)と称することもある]で示す
と、例えば、以下のように表すことができる。
【0026】
【化8】
【0027】式中、R1は前記したと同義である。
【0028】上記反応式において、式(2)化合物から
式(1)−3化合物を合成するには、窒素存在下、式
(2)化合物をハイドロキノンと共に式(5)で表され
るアルキルメタクリレートと加圧下に反応させることに
より容易に行うことができる。
【0029】上記の反応は、例えば、約0℃〜約250
℃程度の温度範囲で、通常約1時間〜約10時間程度で
行うことができる。この反応に使用するハイドロキノン
の使用量は、例えば式(2)化合物1モルに対して約1
-3モル〜約1モル程度を挙げることができる。
【0030】また、上記反応に使用する式(5)のアル
キルメタクリレートの使用量は、例えば、式(2)化合
物1モルに対して約1モル〜約10モル程度を好ましく
例示できる。反応終了後は、常法に従って洗浄、濃縮、
必要により、例えば、蒸留などの精製手段を用いること
により、本発明の式(1)−3化合物を高収率、高純度
で得ることができる。
【0031】式(1)−3化合物に包含される好ましい
具体化合物および該化合物の香気香味特性は次の如くで
ある。
【0032】
【表1】 表1:式(1)−3化合物の香気香味特性 化合物名 香気香味メチル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート カンファー様、木様、草様エチル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート 〃 、 〃 、果実様フ゜ロヒ゜ル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート 〃 、 〃 、 〃フ゛チル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート 〃 、 〃 、 〃
【0033】上述のようにして得ることのできる本発明
の式(1)化合物は、前記した如くの香気香味特性を有
し、さらには極めて優れた持続性を有しており、各種の
香料組成物に添加して利用することができる。前記式
(1)化合物の配合量は、その目的あるいは香料組成物
の種類によっても異なるが、例えば、一般的には香料組
成物の全体量に対して約0.001〜約30重量%程度
の範囲を例示することができる。
【0034】かくして、本発明によれば、従来文献未記
載の前記式(1)化合物の提供及び該化合物を有効成分
とする香気香味特性を賦与する新規香料組成物を提供す
ることができ、ならびに該組成物を利用して式(1)化
合物を香気香味成分として含有することを特徴とする飲
食品類、式(1)化合物を香気成分として含有すること
を特徴とする香粧品類、式(1)化合物を香気香味成分
として含有することを特徴とする保健・衛生・医薬品な
どを提供することができる。
【0035】例えば、本発明の香気香味特性を賦与する
新規香料組成物を利用して、果汁飲料類、果実酒類、乳
飲料類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム
類、シャーベット類、アイスキャンディーのごとき冷菓
類;和洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン
類、コーヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;
和風スープ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調
味料、各種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック
食品類などにそのユニークな香気香味を付与できる適当
量を添加した飲食品類を提供できる。また、例えば、シ
ャンプー類、ヘアークリーム類、ポマード類、その他の
毛髪用化粧料基剤;白粉、口紅、その他の化粧料基剤や
化粧料洗剤基剤などに、そのユニークな香気を付与でき
る適当量を添加した化粧品類を提供できる。さらにま
た、洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各
種の保健・衛生材料類;医薬品の服用を容易にするため
の矯味、賦香剤などの保健・衛生・医薬品類を提供でき
る。
【0036】以下に本発明について、参考例および実施
例を挙げて更に詳細に説明する。
【0037】
【実施例】
実施例1 1,2,2,4−テトラメチル−シクロヘキセ−3−エ
ン−カルボアルデヒド[式(1)−1化合物]の合成。
【0038】100ml容オートクレーブ中に2,4−
ジメチル−1,3−ペンタジエン14.4g(0.15
モル)、メタクロレイン21g(0.3モル)、ハイド
ロキノン0.15gを入れ窒素存在下(10kg/cm
2)、200℃、5.5時間撹拌反応を行った。反応終
了後、反応液を飽和の塩化アンモニウム水溶液に注入
し、更にエーテルを加えてエーテル抽出する。エーテル
層を水洗、乾燥、蒸留することにより純粋な1,2,
2,4−テトラメチル−シクロヘキセ−3−エン−カル
ボアルデヒド30g(収率64%)を得た。沸点90℃
/12mmHg。。
【0039】実施例2 4−(1,2,2,4−テトラメチルシクロヘキセ−3
−エン−1−イル)−ブト−3−エン−2−オン[式
(1)−2化合物]の合成。
【0040】100ml容反応フラスコに50%水酸化
ナトリウム1g、メタノール2g、アセトン17.4g
(0.3モル)、1,2,2,4−テトラメチル−シク
ロヘキセ−3−エン−カルボアルデヒド16.6g
(0.1モル)を入れ、撹拌しながら64℃で2時間還
流冷却下、反応を行った。反応後、さらにアセトン1
7.4g、50%水酸化ナトリウム2gを追加し、7時
間還流冷却下、反応を行った。反応終了後反応液を冷却
し50%酢酸で中和し、エーテル抽出、水洗、炭酸水素
ナトリウムによる洗浄後、減圧蒸留を行うことにより純
粋な4−(1,2,2,4−テトラメチルシクロヘキセ
−3−エン−1−イル)−ブト−3−エン−2−オン1
1.4g(収率55%)を得た。沸点112℃/2mm
Hg。
【0041】実施例3 メチル 1,2,2,4−テトラメチル−シクロヘキセ
−3−エン−カルボキシレート[式(1)−3化合物]
の合成。
【0042】100ml容オートクレーブ中に2,4−
ジメチル−1,3−ペンタジエン16g(0.17モ
ル)、メチルメタクリレート32g(0.32モル)、
ハイドロキノン0.15gを入れ窒素存在下(10kg
/cm2)、200℃、3時間撹拌反応を行った。反応
終了後、反応液を飽和の塩化アンモニウム水溶液に注入
し、エーテル抽出する。エーテル層を水洗、乾燥、蒸留
することにより純粋なメチル 1,2,2,4−テトラ
メチル−シクロヘキセ−3−エン−カルボキシレート1
5.8g(収率48%)を得た。沸点105℃/15m
mHg。
【0043】実施例4 アルキル1,2,2,4−テトラメチルシクロヘキセ−
3−エン−1−カルボキシレート[式(1)−3化合
物]の合成。
【0044】実施例3の方法において、メチルメタクリ
レートに代えて各種のメタクリル酸エステルを用いる以
外は、実施例3と同様にして各種の式(1)−3化合物
を合成した。これら式(1)−3化合物の沸点は以下の
通りである。
【0045】
【表2】 表2:式(1)−3化合物の沸点 化合物 沸点エチル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート 109〜112℃/15mmHgイソフ゜ロヒ゜ル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート 115〜118℃/15mmHgフ゜ロヒ゜ル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート 116〜120℃/15mmHgイソフ゛チル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキ-3-エン-ンカルホ゛キシレート 120〜123℃/15mmHgフ゛チル 1,2,2,4-テトラメチル-シクロヘキセ-3-エン-カルホ゛キシレート 122〜125℃/15mmHg
【0046】実施例5 リラタイプの調合香料組成物として下記の各成分(重量
部)を混合した。
【0047】上記組成物98gに式(1)−1化合物を
2g混合して新規調合香料組成物を調製した。この新規
調合香料組成物と該化合物を加えていない上記のリラタ
イプの調合香料組成物について、専門パネラー10人に
より比較した。その結果、専門パネラー10人の全員
が、該化合物を加えた新規調合香料組成物はナチュラル
感のある木様の香気が強調され、天然のリラの特徴をと
らえ、持続性の点でも格段に優れているとした。
【0048】実施例6 実施例5の方法に準じて、式(1)−1化合物の代わり
に式(1)−2化合物及び式(1)−3化合物に包含さ
れるメチル 1,2,2,4−テトラメチル−シクロヘ
キセ−3−エン−カルボキシレート、プロピル 1,
2,2,4−テトラメチル−シクロヘキセ−3−エン−
カルボキシレート及びイソブチル 1,2,2,4−テ
トラメチル−シクロヘキセ−3−エン−カルボキシレー
トをそれぞれ加え、各種の新規調合香料組成物を調製
し、その香気の変化を比較した。
【0049】その結果、実施例5と同様に専門パネラー
10人の全員が、本発明の式(1)−2および式(1)
−3化合物を加えた新規調合香料組成物は、該化合物を
加えていない調合香料組成物と比較してカンファータイ
プの木様の香気が強調され、天然のリラの特徴をとら
え、持続性の点でも格段に優れているとした。
【0050】実施例7 パイナップル様の調合香料組成物として下記の各成分
(重量)を混合した。
【0051】上記組成物97gに式(1)−1化合物を
3g混合して新規なパイナップル様の調合香料組成物を
調製した。この新規調合香料組成物と該化合物を加えて
いない上記のパイナップル様調合香料組成物について、
専門パネラー10人により比較した。その結果、専門パ
ネラー10人の全員が、該化合物を加えた新規調合香料
組成物はイリスタイプの甘い花を想起させる果実様の香
気が強調された天然パイナップルの特徴をとらえ、持続
性の点でも格段に優れているとした。
【0052】実施例8 実施例7の方法に準じて、式(1)−1化合物の代わり
に式(1)−3化合物に包含されるエチル 1,2,
2,4−テトラメチル−シクロヘキセ−3−エン−カル
ボキシレート、イソプロピル 1,2,2,4−テトラ
メチル−シクロヘキセ−3−エン−カルボキシレート及
びブチル 1,2,2,4−テトラメチル−シクロヘキ
セ−3−エン−カルボキシレートをそれぞれ加え、各種
の新規調合香料組成物を調製し、その香気の変化を比較
検討した。
【0053】その結果、実施例7と同様に専門パネラー
10人の全員が、本発明の式(1)−3化合物を加えた
新規調合香料組成物は該化合物を加えていない調合香料
組成物と比較して、ナチュラル感のあるイリスタイプの
甘い花を想起させる果実様の香気が強調され、天然パイ
ナップルの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れてい
るとした。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、式(1)で表される新
規なシクロヘキセン誘導体を提供することができ、ま
た、該誘導体を有効成分としてカンファー様、木様、イ
リス様の持続性香気香味を有する新規香料組成物を提供
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11B 9/00 C11B 9/00 N T (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 47/00 C07C 49/00 C07C 69/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(2) 【化1】 但し、式中、R’は基−CHOまたは基−CH=CHC
    OCH3を示す、で表されるシクロヘキセン誘導体。
  2. 【請求項2】 下記式(1) 【化2】 但し、式中、Rは基−CHO、基−CH=CHCOCH
    3、基−COOR1より成る群からえらばれた基を示
    し、R1はC1〜C4のアルキル基を示す、で表される
    シクロヘキセン誘導体を有効成分として含有することを
    特徴とする香料組成物。
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