JP2639746B2 - 香料組成物 - Google Patents

香料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はグリーン感を伴ったミルク様、バター様、フ
ルーツ様、ピーチ様、アプリコット様、パイナップル
様、フローラル様、ジャスミン様などの香気香味特性な
らびにこれら特性の持続性に優れたシス−3−デセン−
5−オリドを有効成分として含有する新規な香料組成物
に関する。
更に詳しくは、本発明は下記式(A) で表されるシス−3−デセン−5−オリドを有効成分と
して含有する香料組成物に関する。
(従来の技術) 式(A)のシス−3−デセン−5−オリドは従来の文
献に記載された化合物であり、例えば1,3−ノナジエン
からトリカルボニル鉄ラクトン錯体を経て、3工程で前
記式(A)の化合物およびシス−2−デセン−5−オリ
ド[後記式(B)の通称マソイャラクトン]の混合物を
合成する方法が提案されている(J.CHEM.SOC.PERKIN TR
ANS.1,1355〜1361,1982)。
また、本発明の式(A)の化合物に構造が類似するδ
−ラクトン(5−オリド)類としては、例えばシス−7
−デセン−5−オリド(通称:ジャスミンラクトン)、
シス−2−デセン−5−オリド(通称マソイャラクト
ン)などが知られており、これらの化合物はジャスミン
様、フローラル様の香気を有し、従来から香料化合物と
して利用されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記文献は式(A)の化合物を合成す
る方法については開示しているが、該化合物の香気香味
特性ならびにこの化合物を調合香料の素材として利用す
ることに関しては、全く言及していない。
一方、近年、飲食品、香粧品などの多様化に伴い、従
来にない新しいタイプの香料素材が強く要求されてい
る。これらの要求に対して、本発明の式(A)の化合物
と構造が類似する上記従来提案のδ−ラクトン類だけで
は充分には対応しきれず、解決すべき課題があった。
本発明者らは、上述の課題を解決するため、δ−ラク
トン類について、従来から鋭意研究を行ってきた。その
結果、上記式(A)の化合物がわずか一工程で容易に合
成できること、また式(A)の化合物はグリーン感を伴
ったミルク様、バター様、フルーツ様、ピーチ様、アプ
リコット様、パイナップル様、フローラル様、ジャスミ
ン様などの香気香味特性を有し、且つその持続性に優
れ、持続性のある香料物質として極めて有用であるこ
と、更に本発明の式(A)の化合物が、上述の課題を解
決できる化合物であることを発見して本発明を完成し
た。
従って、本発明の目的は、持続性のあるグリーン感を
伴ったミルク感、バター様、フルーツ様、ピーチ様、ア
プリコット様、パイナップル様、フローラル様、ジャス
ミン様などの香気香味特性を有する香料化合物を提供す
るにある。また、該化合物を調合素材として用いた新規
香料組成物を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、式(A)の化合物は、後記式(B)
で表されるシス−2−デセン−5−オリドを有機溶媒中
でリチウムジイソプロピルアミド(以下、LDAと称す
る)およびヘキサメチルリン酸トリアミド(以下、HMPA
と称する)の存在下に異性化反応させることにより容易
に合成することができる。
本発明で得ることのできる式(A)の化合物の合成法
を反応式で示すと例えば、以下のように表すことができ
る。
上記反応式に従って、本発明の式(A)の化合物の合
成法を以下に詳細に説明する。
通称マソイャラクトンの式(B)の化合物は従来から
調合香料素材として利用されており、市場において容易
に入手することができる。
上記反応式において、式(B)の化合物から式(A)
の化合物を合成するには、式(B)の化合物を有機溶媒
中でLDAおよびHMPAの存在下に異性化反応させることに
より容易に合成することができる。
上記の異性体反応は低温度で行うのが好ましく、例え
ば、約−130℃〜約0℃、より好ましくは約−100℃〜約
−80℃の温度範囲で約0.1時間〜約5時間程度の反応条
件で行うことができる。
上記反応に用いるLDAの使用量は、例えば、式(B)
の化合物1モルに対して、約0.5モル〜約3モル程度の
範囲であればよい。また、HMPAの使用量は、式(B)の
化合物1モルに対して、約0.5モル〜約3モル程度の範
囲を採用することができる。
この反応に使用する有機溶媒の種類としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどを挙げ
ることができる。これら有機溶媒の使用量は、特に制限
されるものではないが、一般には式(B)の化合物に対
して、例えば、約1〜約30重量倍程度の範囲を例示する
ことができる。
反応終了後は、常法に従って洗浄、乾燥、濃縮、更に
は減圧蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの精製手段
を用いることにより、式(A)の化合物は好収率、好純
度で取得することができる。
上述のようにして得ることのできる式(A)の化合物
はグリーン感を伴ったミルク感、バター様、フルーツ
様、ピーチ様、アプリコット様、パイナップル様、フロ
ーラル様、ジャスミン様などの香気を保有し、さらには
極めて優れた持続性を有しており、各種の香料組成物に
添加して利用することができる。前記式(A)の化合物
の添加量は、その目的あるいは香料組成物の種類によっ
ても異なるが、例えば、香料組成物全体量の約0.001〜
約30重量%程度の範囲を例示することができる。
かくして、本発明によれば、前記式(A)の化合物を
有効成分とする香気香味賦与組成物を提供することがで
き、該組成物を利用して式(A)の化合物を香気香味成
分として含有することを特徴とする飲食品類、式(A)
の化合物を香気成分として含有することを特徴とする香
粧品類、式(A)の化合物を香気香味成分として含有す
ることを特徴とする保健・衛生・医薬品などを提供する
ことができる。
例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料
類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シャーベット
類、アイスキャンディーのごとき冷菓類;和洋菓子類、
ジャム類、チューイングガム類、パン類、コーヒー、コ
コア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;和風スープ類、洋
風スープ類のごときスープ類;風味調味料、各種インス
タント飲料乃至食品類、各種スナック食品類などにその
ユニークな香気香味を付与できる適当量を添加した飲食
品類を供給できる。また、例えば、シャンプー類、ヘア
ークリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧料基
剤;オシロイ、口紅、その他の化粧料基剤や化粧料洗剤
基剤などに、そのユニークな香気を付与できる適当量を
添加した化粧品類を提供できる。さらにまた、洗濯用洗
剤類、消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各種の保健・衛
生材料類;医薬品の服用を容易にするための矯味、賦香
剤などの保健・衛生・医薬品類を提供できる。
以下本発明について、実施例および参考例を挙げて更
に詳細に説明する。
(実施例) 実施例1 リラタイプの調合香料組成物として下記の各成分(重
量部)を混合した。
フェニルエチルアセテート 10 シンナミックアルコール 40 ターピネオール 130 シクラメンアルデヒド 10 ヘリオトロピン 50 シンナミルアセテート 10 カーネーション 20 リナロール 30 インドール 2 スチィラックスレジノイド 30 イランイラン 10 ヒドロキシシトロネラール 290 ベンジルアセテート 20 アニスアルデヒド 20 アブソリュートジャスミン 20 フェニルエチルアルコール 278 アニスアルコール 30 合計 1000 上記組成物93gに式(A)の化合物7g混合して新規な
リラ様の調合香料組成物を調製した。この新規調合香料
組成物と該化合物を加えていない上記のリラ調合香料組
成物について、専門パネラー10人より比較した。その結
果、専門パネラー10人の全員が該化合物を加えた新規調
合香料組成物はグリーンフローラル様の香気が強調さ
れ、天然のリラの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優
れているとした。
また、式(A)の化合物をリラタイプ以外のガーデニ
ア、金木犀、ジャスミンなど各種タイプの調合香料組成
物に添加したところ、上記と同様の結果が得られた。
実施例2 パイナップル様の調合香料組成分として下記の各成分
(重量)を混合した。
エチルアセテート 300 エチルブチレート 250 イソアミルアセテート 100 イソアミルバレレート 55 イソ酪酸 70 イソ吉草酸 30 アリルカプロエート 35 エチルカプロエート 20 エチルカプリレート 15 エチルカプレート 20 イソアミルアルコール 35 ジエチルマロネート 30 シトラール 15 リナロール 5 マルトール 20 1000 上記組成物96gに式(A)の化合物を4g混合して新規
なパイナップル様の調合香料組成物を調製した。この新
規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記のパイ
ナップル様調合香料組成物について、専門パネラー10人
より比較した。その結果、専門パネラー10人の全員が該
化合物を加えた新規調合香料組成物は、フレッシュなフ
ルーツ様の香気が強調された天然パイナップルの特徴を
とらえ持続性の点でも格段に優れているとした。
また、式(A)の化合物をパイナップルタイプ以外の
ストロベリー、ピーチ、アプリコット、ミルク、バター
など各種タイプの調合香料組成物に添加したところ、上
記と同様の結果が得られた。
(参考例) 参考例1 シス−3−デセン−5−オリド[式(A)の化合物]の
合成。
アルゴンガスで置換した100mlのフラスコにn−ブチ
ルリチウムのn−ヘキサン溶液20ml(30ミリモル)およ
び乾燥テトラヒドロフラン20mlを仕込む。このフラスコ
をドライアイス−アセトンで冷却しながら、ジイソプロ
ピルアミン3.64g(36ミリモル)の乾燥テトラヒドロフ
ラン7ml溶液を−40℃〜−15℃、10分間で滴下する。滴
下後、更に−20℃〜−10℃に冷却しながら1時間撹拌し
てLDAを調製する。この溶液中に、−20℃〜−10℃、5
分間でHMPA5.40g(30ミリモル)の乾燥テトラヒドロフ
ラン5ml溶液を滴下し、−30℃〜−10℃でさらに1時間
撹拌する。次いで、液体窒素−アセトン(−95℃〜−90
℃)で冷却しながら、式(B)の化合物5.04g(30ミリ
モル)の乾燥テトラヒドロフラン5ml溶液を20分間で滴
下する。滴下後、更に、−105℃〜−85℃で30分間撹拌
して反応させる。
反応終了後、反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液中
に注入し、テトラヒドロフラン層を分離する。このテト
ラヒドロフラン層を塩酸水洗、食塩水洗、硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、減圧下に濃縮する。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸
エチル=7/1)で精製することにより、純粋な式(A)
の化合物2.7g(収率:54%)を得た。尚、構造はMS,IR,N
MRで確認した。
沸点:110〜112℃/2mmHg (発明の効果) 本発明によれば、前記式(A)で表されるシス−3−
デセン−5−オリドを有効成分とする新規香料組成物を
提供することができる。
該式(A)の化合物は持続性のあるグリーン感を伴っ
たミルク様、バター様、フルーツ様、ピーチ様、アプリ
コット様、パイナップル様、フローラル様、ジャスミン
様などの香気香味特性を有しており、飲食品類、香粧品
類、保健・衛生・医薬品などに用いる香料組成物の調合
素材として有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(A) で表されるシス−3−デセン−5−オリドを有効成分と
    して含有することを特徴とする香料組成物。
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