JP2023179989A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Hiroki Shibuya
侑記 岩田
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健 西尾
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Abstract

【課題】高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できる積層体及び積層体の製造方法の提供。【解決手段】基材と、前記基材上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導層と、前記第1の熱伝導層上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導層と、を有し、前記第1の熱伝導層に含まれる第1の熱伝導粒子の一部と前記第2の熱伝導層に含まれる第2の熱伝導粒子の一部とが接触しており、前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも小さく、前記基材が、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種を含む積層体である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体及び積層体の製造方法に関する。
各種電子機器におけるLSI等では、用いられている素子の発熱によりLSI自身が長時間高温に晒されると動作不良や故障につながる恐れがある。このため、LSI等の昇温を防ぐために熱伝導材料が広く用いられている。前記熱伝導材料は素子の発熱を拡散させるか、あるいは大気等の系外に放出させるための放熱部材に伝えることによって機器の昇温を防ぐことができる。
このような熱伝導材料として金属又はセラミックスを用いると、軽量化しにくい、加工性が悪い、又は柔軟性が低くなるという問題がある。そこで、樹脂又はゴム等からなる高分子材料を母材とする熱伝導材料が種々提案されている。例えば、硬化成分及び該硬化成分用の硬化剤を含有する熱硬化性接着剤と、該熱硬化性接着剤中に分散した金属フィラーとを有し、金属フィラーは、銀粉及びハンダ粉を有し、該ハンダ粉は、熱伝導接着剤の熱硬化処理温度よりも低い溶融温度を示し、かつ該熱硬化性接着剤の熱硬化処理条件下で銀粉と反応して、当該ハンダ粉の溶融温度より高い融点を示す高融点ハンダ合金を生成するものであり、該硬化剤は、金属フィラーに対してフラックス活性を有する硬化剤であり、該硬化成分が、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂であり、硬化剤がトリカルボン酸のモノ酸無水物である熱伝導接着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5796242号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術では、銅基材とシリコン基材の間に熱伝導接着剤からなる熱伝導層を形成すると、シリコン界面との接触抵抗が大きくなり、熱伝導性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できる積層体及び積層体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 基材と、
前記基材上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導層と、
前記第1の熱伝導層上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導層と、
を有し、
前記第1の熱伝導層に含まれる第1の熱伝導粒子の一部と前記第2の熱伝導層に含まれる第2の熱伝導粒子の一部とが接触しており、前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも小さく、
前記基材が、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする積層体である。
<2> 前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径Aと前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径Bとの比(A:B)が1:2~1:50である、前記<1>に記載の積層体である。
<3> 前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が0.3μm以上30μm以下である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の積層体である。
<4> 前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径が1μm以上100μm以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の積層体である。
<5> 前記第1及び第2の熱伝導粒子が、銅粒子、銀被覆粒子、及び銀粒子の少なくともいずれかである、前記<1>から<4>のいずれかに記載の積層体である。
<6> 前記低融点金属粒子がSnと、Bi、Ag、Cu、及びInから選択される少なくとも1種とを含む、前記<1>から<5>のいずれかに記載の積層体である。
<7> 前記硬化剤が前記第1及び第2の熱伝導粒子に対してフラックス活性を有する、前記<1>から<6>のいずれかに記載の積層体である。
<8> 前記硬化成分がオキシラン環化合物及びオキセタン化合物の少なくともいずれかである、前記<1>から<7>のいずれかに記載の積層体である。
<9> 前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層の間に第3の熱伝導層を有する、前記<1>から<8>のいずれかに記載の積層体である。
<10> 前記第3の熱伝導層が銅箔である、前記<9>に記載の積層体である。
<11> 前記第2の熱伝導層上に、前記基材と対向する対向基材を有し、
前記対向基材が、銅、金、白金、パラジウム、銀、亜鉛、鉄、錫、ニッケル、マグネシウム、インジウム、及びこれらの合金から選択される少なくとも1種を含む、前記<1>から<10>のいずれかに記載の積層体である。
<12> 前記基材上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導層を形成する第1の熱伝導層形成工程と、
前記第1の熱伝導層上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導層を形成する第2の熱伝導層形成工程と、
を含み、
前記基材が、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする積層体の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できる積層体及び積層体の製造方法を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る積層体の一例を示す概略図である。 図2は、第2の実施形態に係る積層体の一例を示す概略図である。 図3は、本発明で用いられる放熱構造体の一例を示す概略断面図である。
(積層体)
本発明の積層体は、基材と、第1の熱伝導層と、第2の熱伝導層とを有し、第3の熱伝導層及び対向基材を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明においては、基材上に第1の熱伝導層及び第2の熱伝導層をこの順に有し、第1の熱伝導粒子の一部と第2の熱伝導粒子の一部とが接触しており、前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも小さいことにより、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種からなるはんだ濡れ性の悪い基材であっても、接触面積の増大によって、熱伝導性を大幅に向上させることができる。
<基材>
前記基材の形状、構造、大きさ、材質などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の形状としては、例えば、板状、シート状などが挙げられる。前記基材の構造としては、単層構造、積層構造などが挙げられる。前記基材の大きさとしては、用途等に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質は、はんだが濡れにくい材質であり、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種を含む。前記セラミックスとしては、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ガリウムなどが挙げられる。前記モールド樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記基材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材は、放熱構造体における発熱体(電子部品)そのものであってもよい。
<第1の熱伝導層>
第1の熱伝導層は、前記基材上に形成され、基材と接して形成されることが好ましい。
前記第1の熱伝導層は、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-硬化成分-
硬化成分としては、オキシラン環化合物及びオキセタン化合物の少なくともいずれかを用いることが好ましい。
--オキシラン環化合物--
前記オキシラン環化合物は、オキシラン環を有する化合物であり、例えば、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール-キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール-キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール-ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール-ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
--オキセタン化合物--
前記オキセタン化合物は、オキセタニル基を有する化合物であり、脂肪族化合物、脂環式化合物、又は芳香族化合物であってもよい。
前記オキセタン化合物は、オキセタニル基を1つのみ有する1官能のオキセタン化合物であってもよいし、オキセタニル基を2つ以上有する多官能のオキセタン化合物であってもよい。
前記オキセタン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、3-エチル-3-(フェノキシ)メチルオキセタン、3-エチル-3-(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(クロロメチル)オキセタン、3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン、キシリレンビスオキセタン、4,4′-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル(OXBP)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オキセタン化合物としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、東亞合成株式会社から販売されている「アロンオキセタン(登録商標)」シリーズ、宇部興産株式会社から販売されている「ETERNACOLL(登録商標)」シリーズなどが挙げられる。
上記オキシラン環化合物及びオキセタン化合物の中でも、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール-ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、4,4′-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル(OXBP)が好ましい。
前記硬化成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、第1の熱伝導層の全量に対して、0.5質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
-硬化剤-
前記硬化剤としては、上記硬化成分に対応した硬化剤であって、例えば、酸無水物系硬化剤、脂肪族アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤等の重付加型硬化剤、イミダゾール等の触媒型硬化剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸無水物系硬化剤が好ましい。前記酸無水物系硬化剤は硬化成分がエポキシ樹脂である場合、熱硬化の際にガスの発生がなく、エポキシ樹脂と混合した際に長いポットライフを実現でき、また、得られる硬化物の電気的特性、化学的特性、及び機械的特性間の良好なバランスを実現できる点から好ましい。
前記酸無水物系硬化剤としては、例えば、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、トリカルボン酸のモノ酸無水物などが挙げられる。前記トリカルボン酸のモノ酸無水物としては、例えば、シクロへキサン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-酸無水物などが挙げられる。
前記硬化剤は、フラックス活性を有するものが、熱伝導粒子に対する溶融した低融点金属粒子の濡れ性を向上させる点から好ましい。前記硬化剤にフラックス活性を発現させる方法としては、例えば、前記硬化剤にカルボキシ基、スルホニル基、リン酸基等のプロトン酸基を公知の方法により導入する方法などが挙げられる。これらの中でも、硬化成分としてのエポキシ樹脂又はオキセタン化合物との反応性の点から、カルボキシ基を導入することが好ましく、例えば、グルタル酸、コハク酸等のカルボキシル基含有の有機酸などが挙げられる。また、グルタル酸無水物又はコハク酸無水物から変性された化合物又はグルタル酸銀等の有機酸の金属塩などであっても構わない。
前記硬化剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、第1の熱伝導層の全量に対して、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
前記硬化成分Cと前記硬化剤Dとのモル当量基準の当量比(C/D)は、用いる硬化成分及び硬化剤の種類に応じて異なり一概には規定することができないが、0.5以上3以下が好ましく、0.5以上2以下がより好ましく、0.7以上1.5以下が更に好ましい。
前記当量比(C/D)が0.5以上3以下であると、熱伝導組成物を熱硬化時に低融点金属粒子が十分に溶融してネットワークを形成できるという利点がある。
-第1の熱伝導粒子-
前記第1の熱伝導粒子としては、銅粒子、銀被覆粒子、及び銀粒子の少なくともいずれかが好ましい。
前記銀被覆粒子としては、例えば、銀被覆銅粒子、銀被覆ニッケル粒子、銀被覆アルミニウム粒子などが挙げられる。
前記第1の熱伝導粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、扁平状、粒状、針状などが挙げられる。
前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径は、0.3μm以上30μm以下が好ましく、0.5μm以上10μm以下がより好ましい。熱伝導粒子の体積平均粒径が0.3μm以上30μm以下であると、第1の熱伝導粒子の低融点金属粒子に対する体積割合を大きくすることができ、高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できる。
前記体積平均粒径は、例えば、レーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置(製品名:Microtrac MT3300EXII)により、測定することができる。
-低融点金属粒子-
前記低融点金属粒子としては、JIS Z3282-1999に規定されているはんだ粒子が好適に用いられる。
前記はんだ粒子としては、例えば、Sn-Pb系はんだ粒子、Pb-Sn-Sb系はんだ粒子、Sn-Sb系はんだ粒子、Sn-Pb-Bi系はんだ粒子、Sn-Bi系はんだ粒子、Sn-Bi-Ag系はんだ粒子、Sn-Cu系はんだ粒子、Sn-Pb-Cu系はんだ粒子、Sn-In系はんだ粒子、Sn-Ag系はんだ粒子、Sn-Pb-Ag系はんだ粒子、Pb-Ag系はんだ粒子、Sn-Ag-Cu系はんだ粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、Snと、Bi、Ag、Cu、及びInから選択される少なくとも1種と、を含むはんだ粒子が好ましく、Sn-Bi系はんだ粒子、Sn-Bi-Ag系はんだ粒子、Sn-Ag-Cu系はんだ粒子、Sn-In系はんだ粒子がより好ましい。
前記低融点金属粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、扁平状、粒状、針状などが挙げられる。
前記低融点金属粒子の融点は、100℃以上250℃以下が好ましく、120℃以上200℃以下がより好ましい。
前記低融点金属粒子の融点は前記第1の熱伝導組成物の熱硬化処理温度よりも低いことが、第1の熱伝導組成物の硬化物中に溶融した低融点金属粒子により第1の熱伝導粒子を介してネットワーク(金属の連続相)を形成でき、高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できる点から好ましい。
前記低融点金属粒子が、前記第1の熱伝導組成物の熱硬化処理条件下で前記熱伝導粒子と反応して、前記低融点金属粒子より高い融点を示す合金となることにより、高温下で溶融することを防止でき、信頼性が向上する。また、第1の熱伝導組成物の硬化物の耐熱性が向上する。
前記第1の熱伝導組成物の熱硬化処理は、例えば、150℃以上200℃の温度で30分間以上2時間以下の条件で行われる。
前記低融点金属粒子の体積平均粒径は、10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。低融点金属粒子の体積平均粒径が10μm以下であると、低融点金属粒子の熱伝導粒子に対する体積割合を小さくすることができ、第1の熱伝導層の高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できる。
前記低融点金属粒子の体積平均粒径は、上記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径と同様にして測定することができる。
前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が前記低融点金属粒子の体積平均粒径よりも大きく、前記熱伝導粒子Aと前記低融点金属粒子Bとの体積平均粒径比(A/B)は2以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。前記体積平均粒径比(A/B)の上限値は20以下が好ましく、10以下がより好ましい。
前記第1の熱伝導粒子よりも体積平均粒径が小さい低融点金属粒子を用いることにより、第1の熱伝導組成物中で前記熱伝導粒子が主成分となり、前記第1の熱伝導粒子と前記第1の熱伝導粒子の間に存在する低融点金属粒子が加熱により溶融し第1の熱伝導粒子と合金化してネットワークを形成するために、高熱伝導性及び低熱抵抗が実現できる。
第1の熱伝導層中での前記第1の熱伝導粒子Aと前記低融点金属粒子Bとの体積比(A/B)は、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上が更に好ましい。前記体積比(A/B)の上限値は5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
前記体積比(A/B)が1以上であると、低融点金属粒子よりも体積平均粒径が大きい熱伝導粒子の体積割合が多くなるため、溶融した低融点金属粒子の流動を抑えることができる。また、低融点金属粒子が濡れにくい界面(例えば、シリコン)に対しても分離が発生しにくいため、界面の材質の影響を抑えることができ、界面材質の選択性が向上する。
-ポリマー-
第1の熱伝導層は、柔軟性などを付与するために、ポリマーを含有することが好ましい。
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子内に、ポリブタジエン構造、ポリシロキサン構造、ポリ(メタ)アクリレート構造、ポリアルキレン構造、ポリアルキレンオキシ構造、ポリイソプレン構造、ポリイソブチレン構造、ポリアミド構造、ポリカーボネート構造から選択される少なくとも1種の構造を有するポリマーなどが挙げられる。
前記ポリマーの含有量は、第1の熱伝導層の全量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
-その他の成分-
前記第1の熱伝導層は、本発明の効果を損なわない限りにおいてその他の成分を含有してもよい。前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属以外の熱伝導粒子(例えば、窒化アルミ、アルミナ、炭素繊維等)、添加剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤、シランカップリング剤、レベリング剤、難燃剤等)などが挙げられる。
第1の熱伝導組成物は、前記硬化成分、前記硬化剤、前記第1の熱伝導粒子、前記低融点粒子、前記ポリマー、及び必要に応じてその他の成分を常法により均一に混合することにより調製することができる。
前記第1の熱伝導層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
<第2の熱伝導層>
第2の熱伝導層は、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-第2の熱伝導粒子-
前記第2の熱伝導粒子としては、銅粒子、銀被覆粒子、及び銀粒子の少なくともいずれかが好ましい。
前記銀被覆粒子としては、例えば、銀被覆銅粒子、銀被覆ニッケル粒子、銀被覆アルミニウム粒子などが挙げられる。
前記第2の熱伝導粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、扁平状、粒状、針状などが挙げられる。
前記第1の熱伝導層に含まれる第1の熱伝導粒子の一部と前記第2の熱伝導層に含まれる第2の熱伝導粒子の一部とが接触しており、前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも小さいことが必要である。前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも大きいと、積層体の熱伝導性が低下することがある。
前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径Aと前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径Bとの比(A:B)は1:2~1:50であることが好ましく、1:10~1:40であることがより好ましい。
前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径は、1μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上70μm以下がより好ましく、10μm以上50μm以下が更に好ましい。第2の熱伝導粒子の体積平均粒径が1μm以上100μm以下であると、高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できる。
前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径は、上記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径と同様にして、測定することができる。
前記第2の熱伝導層における硬化成分、硬化剤、低融点金属粒子、ポリマー、及びその他の成分は、上述した第1の熱伝導層における硬化成分、硬化剤、低融点金属粒子、ポリマー及びその他の成分と同様であるため、これらの詳細については省略する。
前記第2の熱伝導層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
<第3の熱伝導層>
前記第3の熱伝導層は、前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層の間に形成され、前記第3の熱伝導層は単層であってもよく、又は2層以上の複数層であっても構わない。
前記第3の熱伝導層は、熱伝導性の点から銅箔であることが好ましい。
前記第3の熱伝導層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下であることがより好ましい。
<対向基材>
前記対向基材は、前記基材と対向して配置され、その形状、構造、大きさ、材質などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記対向基材の形状としては、例えば、板状、シート状などが挙げられる。前記対向基材の構造としては、単層構造、積層構造などが挙げられる。前記対向基材の大きさとしては、用途等に応じて適宜選択することができる。
前記対向基材の材質は、はんだが濡れやすい材質であり、銅、金、白金、パラジウム、銀、亜鉛、鉄、錫、ニッケル、マグネシウム、インジウム、及びこれらの合金から選択される少なくとも1種を含む。
前記対向基材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記対向基材は、放熱構造体におけるヒートスプレッダそのものであってもよい。
<その他の部材>
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護層などが挙げられる。
(積層体の製造方法)
本発明の積層体の製造方法は、第1の熱伝導層形成工程と、第2の熱伝導層形成工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<第1の熱伝導層形成工程>
第1の熱伝導層形成工程は、前記基材上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導層を形成する工程である。
前記基材は、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種を含む。
前記硬化成分、硬化剤、前記第1の熱伝導粒子、及び前記低融点金属粒子は、上記第1の熱伝導層に含まれる前記硬化成分、硬化剤、前記第1の熱伝導粒子、及び前記低融点金属粒子と同様であるため、その説明を省略する。
前記第1の熱伝導層の形成方法としては、例えば、(1)硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導組成物を基材上に付与し、硬化させる方法、(2)剥離層付き支持体上に硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導組成物の硬化物を含む硬化物層を形成し、基材上に硬化物層を転写する方法などが挙げられる。前記(2)においては、硬化物層を基材上に転写する際に支持体を剥離する。
前記(1)における第1の熱伝導組成物を前記基材へ付与する手法としては、例えば、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
<第2の熱伝導層形成工程>
第2の熱伝導層形成工程は、前記第1の熱伝導層上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導層を形成する工程である。
前記硬化成分、前記硬化剤、前記第2の熱伝導粒子、及び前記低融点金属粒子は、上記第2の熱伝導層に含まれる前記硬化成分、前記硬化剤、前記第2の熱伝導粒子、及び前記低融点金属粒子と同様であるため、その説明を省略する。
前記第2の熱伝導層の形成方法としては、例えば、(1)硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導組成物を第1の熱伝導層上に付与し、硬化させる方法、(2)剥離層付き支持体上に硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導組成物の硬化物を含む硬化物層を形成し、第1の熱伝導層上に硬化物層を転写する方法などが挙げられる。前記(2)においては、硬化物層を第1の熱伝導層上に転写する際に支持体を剥離する。
前記(1)における第2の熱伝導組成物を前記第1の熱伝導層へ付与する手法としては、例えば、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第3の熱伝導層形成工程などが挙げられる。
ここで、本発明の積層体の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状などは本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る積層体の一例を示す概略図である。この図1の積層体10は、基材11上に、第1の熱伝導粒子15を含有する第1の熱伝導層12と、第1の熱伝導層12上に、第2の熱伝導粒子16を含有する第2の熱伝導層13と、第2の熱伝導層13上に、対向基材14を有する。
第1の熱伝導層12に含まれる第1の熱伝導粒子15の一部と第2の熱伝導層13に含まれる第2の熱伝導粒子16の一部とが接触しており、第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも小さい。
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係る積層体の一例を示す概略図である。この図2の積層体20は、基材11上に、第1の熱伝導粒子15を含有する第1の熱伝導層12と、第1の熱伝導層12上に、銅箔である第3の熱伝導層17と、第3の熱伝導層17上に、第2の熱伝導粒子16を含有する第2の熱伝導層13と、第2の熱伝導層13上に、対向基材14を有する。
第1の熱伝導層12に含まれる第1の熱伝導粒子15の一部と第2の熱伝導層13に含まれる第2の熱伝導粒子16の一部とが第3の熱伝導層17を介して接触しており、第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも小さい。
本発明の積層体は、例えば、LSI等の熱源とヒートシンクとの間の微小な間隙を埋めることで、両者の間に熱がスムーズに流れるようにするサーマルインターフェイスマテリアル(TIM)、LEDチップ又はICチップを実装した放熱基板を、ヒートシンクに接着してパワーLEDモジュール又はパワーICモジュールを構成する際に好適に使用することができる。
ここで、パワーLEDモジュールとしては、ワイヤーボンディング実装タイプのものとフリップチップ実装タイプのものがあり、パワーICモジュールとしてはワイヤーボンディング実装タイプのものがある。
本発明に用いられる放熱構造体は、発熱体と、本発明の積層体と、放熱部材とから構成される。
前記発熱体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の電子部品などが挙げられる。
前記放熱部材としては、電子部品(発熱体)の発する熱を放熱する構造体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートスプレッダ、ヒートシンク、ベーパーチャンバー、ヒートパイプなどが挙げられる。
前記ヒートスプレッダは、前記電子部品の熱を他の部品に効率的に伝えるための部材である。前記ヒートスプレッダの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートスプレッダは、通常、平板形状である。
前記ヒートシンクは、前記電子部品の熱を空気中に放出するための部材である。前記ヒートシンクの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートシンクは、例えば、複数のフィンを有する。前記ヒートシンクは、例えば、ベース部と、前記ベース部の一方の面に対して非平行方向(例えば、直交する方向)に向かって延びるように設けられた複数のフィンを有する。
前記ヒートスプレッダ、及び前記ヒートシンクは、一般的に、内部に空間を持たない中実構造である。
前記ベーパーチャンバーは、中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。前記ベーパーチャンバーとしては、例えば、前記ヒートスプレッダを中空構造にしたもの、前記ヒートシンクを中空構造にしたような板状の中空構造体などが挙げられる。
前記ヒートパイプは、円筒状、略円筒状、又は扁平筒状の中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。
ここで、図3は、放熱構造体としての半導体装置の一例を示す概略断面図である。本発明の積層体7は、半導体素子等の電子部品3の発する熱を放熱するものであり、図3に示すように、ヒートスプレッダ2の電子部品3と対峙する主面2aに固定され、電子部品3と、ヒートスプレッダ2との間に挟持されるものである。また、熱伝導シート1は、ヒートスプレッダ2とヒートシンク5との間に挟持される。
ヒートスプレッダ2は、例えば、方形板状に形成され、電子部品3と対峙する主面2aと、主面2aの外周に沿って立設された側壁2bとを有する。ヒートスプレッダ2は、側壁2bに囲まれた主面2aに熱伝導シート1が設けられ、また主面2aと反対側の他面2cに熱伝導シート1を介してヒートシンク5が設けられる。ヒートスプレッダ2は、高い熱伝導率を有するほど、熱抵抗が減少し、効率よく半導体素子等の電子部品3の熱を吸熱することから、例えば、熱伝導性の良好な銅又はアルミニウムを用いて形成することができる。
電子部品3は、例えば、BGA等の半導体素子であり、配線基板6へ実装される。またヒートスプレッダ2も、側壁2bの先端面が配線基板6に実装され、これにより側壁2bによって所定の距離を隔てて電子部品3を囲んでいる。
そして、ヒートスプレッダ2の主面2aに、本発明の積層体7が設けられることにより、電子部品3の発する熱を吸収し、ヒートシンク5より放熱する放熱部材が形成される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1~5、比較例1~3、及び参考例1)
<熱伝導組成物の調製>
表1~表3に記載の組成及び含有量を、撹拌装置(泡とり練太郎・自動公転ミキサー、株式会社シンキー製)を用いて均一に混合し、第1の熱伝導組成物及び第2の熱伝導組成物を調製した。なお、表1~表3中における各成分の含有量は質量部である。
<積層体の形成>
次に、実施例1~5及び比較例3では、表1~表3の記載に従って、30mm×30mm×2mmの基材(シリコン)上に、第1の熱伝導組成物を付与し、次に、第1の熱伝導層上に、第2の熱伝導組成物を付与し、この第2の熱伝導組成物上に30mm×30mm×2mmの対向基材(銅)を積層し、150℃で60分間加熱し、硬化させて、平均厚み10μmの第1の熱伝導層と平均厚み70μmの第2の熱伝導層を有する積層体を形成した。
実施例2では、第3の熱伝導層として平均厚み30μmの銅箔を用いた。
参考例1及び比較例1では、第1の熱伝導組成物を用いない以外は、上記実施例1~5及び比較例3と同様にして、積層体を形成した。なお、参考例1では、30mm×30mm×2mmの基材(シリコン)の代わりに30mm×30mm×2mmの基材(銅)を用いた。
比較例2では、第2の熱伝導組成物を用いない以外は、実施例1~5及び比較例3と同様にして、積層体を形成した。
次に、得られた各積層体について、以下のようにして、熱インピーダンス及び熱伝導性を評価した。結果を表1~表3に示した。
<熱インピーダンス>
得られた各積層体について、ASTM-D5470に準拠した方法で熱抵抗(℃・cm/W)を測定した。その結果から基材及び対向基材の熱抵抗を引いて硬化物の熱抵抗を算出し、前記熱抵抗と硬化物の面積から、熱インピーダンス(Kmm/W)を算出した。
<熱伝導性>
得られた各積層体について、ASTM-D5470に準拠した方法で熱抵抗(℃・cm/W)を測定した。その結果から基材及び対向基材の熱抵抗を引いて硬化物の熱抵抗を算出し、前記熱抵抗と硬化物の厚みから、熱伝導率(W/m・K)を求め、下記の基準により熱伝導性を評価した。
[評価基準]
◎:熱伝導率が15W/m・K以上
〇:熱伝導率が10W/m・K以上15W/m・K未満
×:熱伝導率が10W/m・K未満
Figure 2023179989000002
Figure 2023179989000003
Figure 2023179989000004
表1~表3中における各成分の詳細については、以下のとおりである。
-硬化成分-
*OXBP:宇部興産株式会社製、4,4′-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル
-硬化剤-
*ポリカルボン酸、デクセリアルズ株式会社合成品
-低融点金属粒子(はんだ粒子)-
*Sn58Bi42:三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径Dv:4μm、融点139℃
-第1の熱伝導粒子-
*第1の熱伝導粒子1:Ag粒子、DOWAエレクトロニクス株式会社製、体積平均粒径Dv:1μm
*第1の熱伝導粒子2:AgコートCu粒子、福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径Dv:5μm
*第1の熱伝導粒子3:AgコートCu粒子、福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径Dv:40μm
-第2の熱伝導粒子-
*第2の熱伝導粒子1:AgコートCu粒子、福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径Dv:40μm
*第2の熱伝導粒子2:Cu粒子、福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径Dv:40μm
*第2の熱伝導粒子3:Ag粒子、DOWAエレクトロニクス株式会社製、体積平均粒径Dv:1μm
-ポリマー-
*M1276:アルケマ株式会社製、ポリアミド化合物
本発明の積層体は、サーマルインターフェイスマテリアル(TIM)として高熱伝導性及び低熱抵抗を実現できるので、例えば、温度によって素子動作の効率や寿命等に悪影響が生じるCPU、MPU、パワートランジスタ、LED、レーザーダイオード等の各種の電気デバイス周りなどに好適に用いられる。
1 熱伝導シート
2 ヒートスプレッダ
2a 主面
3 発熱体(電子部品)
3a 上面
5 ヒートシンク
6 配線基板
7 積層体
10 積層体
11 基材
12 第1の熱伝導層
13 第2の熱伝導層
14 対向基材
15 第1の熱伝導粒子
16 第2の熱伝導粒子
17 第3の熱伝導層
20 積層体

Claims (12)

  1. 基材と、
    前記基材上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導層と、
    前記第1の熱伝導層上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導層と、
    を有し、
    前記第1の熱伝導層に含まれる第1の熱伝導粒子の一部と前記第2の熱伝導層に含まれる第2の熱伝導粒子の一部とが接触しており、前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径よりも小さく、
    前記基材が、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする積層体。
  2. 前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径Aと前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径Bとの比(A:B)が1:2~1:50である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第1の熱伝導粒子の体積平均粒径が0.3μm以上30μm以下である、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  4. 前記第2の熱伝導粒子の体積平均粒径が1μm以上100μm以下である、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記第1及び第2の熱伝導粒子が、銅粒子、銀被覆粒子、及び銀粒子の少なくともいずれかである、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記低融点金属粒子がSnと、Bi、Ag、Cu、及びInから選択される少なくとも1種とを含む、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  7. 前記硬化剤が前記第1及び第2の熱伝導粒子に対してフラックス活性を有する、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  8. 前記硬化成分がオキシラン環化合物及びオキセタン化合物の少なくともいずれかである、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  9. 前記第1の熱伝導層と前記第2の熱伝導層の間に第3の熱伝導層を有する、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  10. 前記第3の熱伝導層が銅箔である、請求項9に記載の積層体。
  11. 前記第2の熱伝導層上に、前記基材と対向する対向基材を有し、
    前記対向基材が、銅、金、白金、パラジウム、銀、亜鉛、鉄、錫、ニッケル、マグネシウム、インジウム、及びこれらの合金から選択される少なくとも1種を含む、請求項1から2のいずれかに記載の積層体。
  12. 前記基材上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第1の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第1の熱伝導層を形成する第1の熱伝導層形成工程と、
    前記第1の熱伝導層上に、硬化成分、該硬化成分を硬化させる硬化剤、第2の熱伝導粒子、及び低融点金属粒子を含有する第2の熱伝導層を形成する第2の熱伝導層形成工程と、
    を含み、
    前記基材が、シリコン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ガラス、モールド樹脂、ステンレス鋼、及びセラミックスから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする積層体の製造方法。

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