JP2022533251A - 患者において血清リン酸塩を低下させるための組み合わせ - Google Patents

患者において血清リン酸塩を低下させるための組み合わせ Download PDF

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Abstract

本発明は、リン酸塩結合剤と組み合わせたNHE3阻害剤などの上皮リン酸塩輸送阻害剤、ならびにそのような上皮リン酸塩輸送阻害剤とリン酸塩結合剤とを含む医薬組成物を投与することを含む、哺乳動物における血清リン酸塩を低下させるための方法に関する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月21日に出願された米国仮出願第62/851,099号に対する優先権を主張し、かつ2019年5月23日に出願された米国仮出願第62/852,299号に対する優先権を主張する。上記で参照されるこれらの出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、血清リン酸塩レベルの低下または血清リン酸塩上昇の防止における、リン酸塩結合剤と組み合わせた上皮リン酸塩輸送阻害剤の使用に関する。
血清リン酸塩レベルは通常、主に腎リン酸塩排泄の調節を通して、狭い生理学的範囲内に維持される。結果として、高リン血症は、尿中リン酸塩排泄障害または欠如を有する、透析中の末期腎疾患(ESRD)患者によく見られる。腸管リン酸塩吸収は、リン酸塩濃度勾配に線形従属であり、高い管腔リン酸塩濃度でも飽和しない。さらに、ESRD患者における腎リン酸塩排泄能障害にもかかわらず、血液透析患者における腸管リン酸塩吸収は、健康な個人と類似しており、二次性副甲状腺機能亢進症を管理するためにESRDで一般的に使用されるビタミンD療法によってさらに増加する。したがって、腎リン酸塩排泄障害に直面した腸管リン酸塩吸収の持続は、ESRD患者において観察された高リン血症の高有病率を予測する。
テナパノールは、腸管リン酸塩吸収を阻害するために胃腸管内で局所的に作用し、かつ血液透析患者において血清リン酸塩レベルを有意に低下させることが示されている、ナトリウム/水素交換アイソフォーム3(NHE3)の画期的かつ最小限に吸収される小分子阻害剤である。NHE3は、小腸および近位結腸全体にわたって管腔表面上に発現し、輸送体として機能して、細胞プロトンの代わりに管腔ナトリウムを取り込む。テナパノールによるNHE3の阻害が、傍細胞リン酸塩透過性を減少させることによって腸管リン酸塩吸収を低減する機序は、King et al(Sci Transl Med.2018 Aug 29;10(456))の、密着結合を調整して経上皮電気抵抗を増加させるための細胞内プロトン保持の結果によって報告されている。
電気化学的リン酸塩勾配によって駆動される密着結合複合体を通る傍細胞リン酸塩フラックスは、定量的に、リン酸塩利用可能性の典型的な条件下での腸管リン酸塩吸収の最も重要な機序である。これは、生理学的な管腔リン酸塩濃度下のマウスにおける腸管リン酸塩吸収に対して、主要なナトリウム依存性リン酸塩輸送体であるNaPi2b(SLC34A2)の欠失の影響がないことを示す近年の研究で確認された。腸管内の傍細胞リン酸塩フラックスは、優勢な電気化学的リン酸塩勾配と、同時の傍細胞リン酸塩透過性との組み合わせによって決定される。
高リン血症の現在の医学的管理は、食餌性リン酸塩制限を経口リン酸塩結合剤の投与と組み合わせることによって、腸管リン酸塩吸収を低減することを目指す。食餌性リン酸塩摂取量を制限することは、高リン血症の重症度をやや低減することができるが、加工食品中の高リン酸塩含量の添加剤の広範な使用に少なくとも部分的に起因して、順守は困難であり、典型的には不十分である。リン酸塩結合剤は、食餌性リン酸塩を物理的に隔離し、それを吸収に対して利用不可能にし、血清リン酸塩を効果的に低下させることができる。しかしながら、多くのESRD患者は、高い費用の負担が必要である結果としてリン酸塩結合剤の使用に順守しないことが要因で、目標範囲の血清リン酸塩レベルを維持することができない。血清リン酸塩濃度の上昇は、全死因死亡率、心血管事象、左心室肥大、および透析をまだ受けていない患者におけるCKD進行を含む、不良な患者転帰に関連するため、血清リン酸塩の不十分な制御は、重要な臨床的意義を有する。したがって、高リン血症患者において血清リン酸塩管理を最適化するためには、追加の治療アプローチが必要である。
したがって、低減された量のリン酸塩結合剤を使用して、CKDおよびESRD患者において血清リン酸塩を制御することが望ましい。
King et al(Sci Transl Med.2018 Aug 29;10(456)
本発明の一態様では、リン酸塩結合剤と組み合わせた有効量の上皮リン酸塩輸送阻害剤を投与することを含む、患者において高リン血症を治療するための方法が提供され、投与されるリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量よりも少ない。
本発明の別の態様では、上皮リン酸塩輸送阻害剤とリン酸塩結合剤とを含む医薬組成物が提供され、リン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量よりも少ない。
尿中リン酸塩排泄に対する、NHE3阻害剤テナパノール(Cp002とも称される)を含む、および含まない、リン酸塩結合剤セベラマーの効果を示す。 尿毒症関連血管石灰化のラットモデルにおける血漿リンに対するテナパノール(Cpd 002)処置の効果を示す。 テナパノール(Cpd 002)の投与が、ラットにおけるビヒクルのみの対照と比較して、両方の尿中リン量を低減したことを示す。テナパノールの投与量の増加もまた、48mg/kgのRenvela(登録商標)と比較して、尿中リン量を有意に低減した。 テナパノール(Cpd 002)の投与が、ラットにおけるビヒクルのみの対照と比較して、両方の尿中リン量を低減したことを示す。テナパノールの投与量の増加もまた、48mg/kgのRenvela(登録商標)と比較して、尿中リン量を有意に低減した。 最後の4処置日にわたるテナパノール、セベラマー、またはテナパノールとセベラマーとの組み合わせにより処置されたラットにおける24時間尿中リン排泄(A)(最終処置日は、明確にするために別に示される(B))を、最後の4処置日にわたる1日リン摂取量に正規化された24時間尿中リン排泄(C)(最終処置日は、明確にするために別に示される(D))とともに示す。データは、平均±SEMとして示される。*=ビヒクル対照から有意、****=p<0.0001、=テナパノール単独から有意、##=p<0.01;####=p<0.0001、=等価用量のセベラマー単独から有意、=p<0.05;$$=p<0.01;$$$$=p<0.0001 最後の4処置日にわたるテナパノール、セベラマー、またはテナパノールとセベラマーとの組み合わせにより処置されたラットにおける24時間尿中リン排泄(A)(最終処置日は、明確にするために別に示される(B))を、最後の4処置日にわたる1日リン摂取量に正規化された24時間尿中リン排泄(C)(最終処置日は、明確にするために別に示される(D))とともに示す。データは、平均±SEMとして示される。*=ビヒクル対照から有意、****=p<0.0001、=テナパノール単独から有意、##=p<0.01;####=p<0.0001、=等価用量のセベラマー単独から有意、=p<0.05;$$=p<0.01;$$$$=p<0.0001 最後の4処置日にわたるテナパノール、セベラマー、またはテナパノールとセベラマーとの組み合わせにより処置されたラットにおける24時間尿中リン排泄(A)(最終処置日は、明確にするために別に示される(B))を、最後の4処置日にわたる1日リン摂取量に正規化された24時間尿中リン排泄(C)(最終処置日は、明確にするために別に示される(D))とともに示す。データは、平均±SEMとして示される。*=ビヒクル対照から有意、****=p<0.0001、=テナパノール単独から有意、##=p<0.01;####=p<0.0001、=等価用量のセベラマー単独から有意、=p<0.05;$$=p<0.01;$$$$=p<0.0001 最後の4処置日にわたるテナパノール、セベラマー、またはテナパノールとセベラマーとの組み合わせにより処置されたラットにおける24時間尿中リン排泄(A)(最終処置日は、明確にするために別に示される(B))を、最後の4処置日にわたる1日リン摂取量に正規化された24時間尿中リン排泄(C)(最終処置日は、明確にするために別に示される(D))とともに示す。データは、平均±SEMとして示される。*=ビヒクル対照から有意、****=p<0.0001、=テナパノール単独から有意、##=p<0.01;####=p<0.0001、=等価用量のセベラマー単独から有意、=p<0.05;$$=p<0.01;$$$$=p<0.0001
本発明は、胃腸管からのリン酸取り込みが、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせたリン酸塩結合剤で相乗的に阻害されるという発見、すなわち、いずれかの薬剤単独よりも組み合わせによるリン酸塩吸収のより大きい低減に関する。上皮リン酸塩輸送は、主に上皮密着結合を介し、上皮細胞pHによって制御されることが観察された。細胞が酸性化された場合、リン酸塩輸送は阻害された。この現象は、上皮細胞が酸性化された機序に関係なく、例えば、NHE3阻害剤、グアニル酸シクラーゼC受容体(GC-C)アゴニストにより処置された場合に観察された。上皮細胞を酸性化するために調整され得る他の標的は、P2Yアゴニスト、アデノシンA2b受容体アゴニスト、可溶性グアニル酸シクラーゼアゴニスト、アデニル酸シクラーゼ受容体アゴニスト、イミダゾリン-1受容体アゴニスト、コリン作動性アゴニスト、プロスタグランジンEP4受容体アゴニスト、ドーパミンD1アゴニスト、メラトニン受容体アゴニスト、5HT4アゴニスト、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体アゴニスト、炭酸脱水酵素阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、および腺腫において下方制御される(DRAまたはSLC26A3)アゴニストである。
したがって、本発明の一態様では、リン酸塩結合剤と組み合わせた有効量の上皮リン酸塩輸送阻害剤を投与することを含む、患者において血清リン酸塩を低下させるための方法が提供され、投与されるリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量よりも少ない。一実施形態では、高リン血症の治療を必要とする患者においてそれを行うための方法が提供され、方法は、上皮リン酸塩輸送阻害剤およびリン酸塩結合剤を当該患者に投与することを含み、リン酸塩結合剤の量は、単剤として患者において血清リン酸塩を低下させるために必要とされる量よりも少ない。一実施形態では、患者の胃腸管の管腔からのリン酸塩取り込みを予防するための方法があり、方法は、上皮リン酸塩輸送阻害剤およびリン酸塩結合剤を当該患者に投与することを含み、リン酸塩結合剤の量は、単剤として患者において血清リン酸塩を低下させるために必要とされる量よりも少ない。
本発明の別の態様では、上皮リン酸塩輸送阻害剤とリン酸塩結合剤とを含む組成物が提供され、リン酸塩結合剤の量は、単剤として患者において血清リン酸塩を低下させるために必要とされる量よりも少ない。一実施形態では、患者において血清リン酸塩を低下させるための薬剤の製造が提供され、当該薬剤は、上皮リン酸塩輸送阻害剤とリン酸塩結合剤とを含み、リン酸塩結合剤の量は、単剤として患者において血清リン酸塩を低下させるために必要とされる量よりも少ない。別の実施形態では、患者において血清リン酸塩を低下させる際に使用するための組成物が提供され、当該組成物は、上皮リン酸塩輸送阻害剤とリン酸塩結合剤とを含み、リン酸塩結合剤の量は、単剤として患者において血清リン酸塩を低下させるために必要とされる量よりも少ない。特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤およびリン酸塩結合剤は、単一の医薬組成物の一部として投与される。いくつかの実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤およびリン酸塩結合剤は、別々の医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、個々の薬剤、医薬組成物は、順次に投与される。いくつかの実施形態では、個々の医薬組成物は、同時に投与される。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、リン酸塩結合剤の前に投与される。別の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、リン酸塩結合剤の後に投与される。
特定の実施形態では、リン酸塩低下を必要とする患者の胃腸管におけるリン酸塩取り込みを阻害するための方法であって、本発明に従って、低減された量のリン酸塩結合剤と組み合わせた、実質的に全身的に生体利用不可能な上皮輸送阻害剤を患者に経腸的に投与して、それを必要とする患者への投与後に、その中のリン酸塩イオン(Pi)の輸送を阻害することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、以下のうちの1つ以上から選択される:
(a)高リン血症、任意に食後高リン血症を治療するための方法、
(b)腎疾患、任意に慢性腎疾患(CKD)または末期腎疾患(ESRD)を治療するための方法、
(c)血清クレアチニンレベルを低減するための方法、
(d)タンパク尿を治療するための方法、
(e)腎代替療法(RRT)、任意に透析までの時間を遅延させるための方法、
(f)FGF23レベルを低減するための方法、
(g)活性ビタミンDの高リン血症の影響を低減するための方法、
(h)副甲状腺機能亢進症、任意に二次性副甲状腺機能亢進症を軽減するための方法、
(i)血清副甲状腺ホルモン(PTH)を低減するための方法
(j)透析間体重増加(IDWG)を低減するための方法、
(k)任意に食後血清リン酸塩によって誘導される、内皮機能障害を改善するための方法、
(l)血管石灰化、任意に内膜局在性血管石灰化を低減するための方法、
(m)尿中リンを低減するための方法、
(n)血清リンレベルを正規化するための方法、
(o)高齢患者においてリン酸塩負荷を低減するための方法、
(p)食餌性リン酸塩取り込みを減少させるための方法、
(q)腎肥大を低減するための方法、
(r)心臓肥大を低減するための方法、および
(s)閉塞性睡眠時無呼吸を治療するための方法。
特定の実施形態では、本発明の方法、または本発明の組成物のそれを必要とする患者への投与は、(a)血清リン酸塩濃度もしくはレベルを、正常な血清リン酸塩レベルの約150%以下まで低減する、かつ/または(b)食餌性リン酸塩取り込みを、未処置状態と比較して少なくとも約10%低減する。いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者への投与は、尿中リン酸塩濃度またはレベルを、未処置状態と比較して少なくとも約10%低減する。特定の実施形態では、投与を必要とする患者への投与は、糞便中排泄におけるリン酸塩レベルを、未処置状態と比較して少なくとも約10%増加させる。
特定の実施形態では、投与を必要とする患者は、ESRDを有し、本発明の組成物の患者への投与は、(a)血清リン酸塩濃度もしくはレベルを、正常な血清リン酸塩レベルの約150%以下まで低減し、かつ(b)透析間体重増加(IDWG)を、未処置状態と比較して少なくとも約10%低減する。一実施形態では、ESRD患者は、透析中である。
いくつかの実施形態では、投与を必要とする患者は、CKDを有し、患者への投与は、(a)FGF23レベルおよび血清インタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)レベルを、未処置状態と比較して少なくとも約10%低減し、かつ(b)血圧およびタンパク尿を、未処置状態と比較して少なくとも約10%低減する。一実施形態では、CKD患者は、透析中である。
一実施形態では、方法は、以下のうちの1つである:
(a)高リン血症、任意に食後高リン血症を治療するための方法、
(b)腎疾患、任意に慢性腎疾患(CKD)または末期腎疾患(ESRD)を治療するための方法、
(c)血清クレアチニンレベルを低減するための方法、
(d)タンパク尿を治療するための方法、
(e)腎代替療法(RRT)、任意に透析までの時間を遅延させるための方法、
(f)FGF23レベルを低減するための方法、
(g)活性ビタミンDの高リン血症の影響を低減するための方法、
(h)副甲状腺機能亢進症、任意に二次性副甲状腺機能亢進症を軽減するための方法、
(i)血清副甲状腺ホルモン(PTH)を低減するための方法
(j)透析間体重増加(IDWG)を低減するための方法、
(k)任意に食後血清リン酸塩によって誘導される、内皮機能障害を改善するための方法、
(l)血管石灰化、任意に内膜局在性血管石灰化を低減するための方法、
(m)尿中リンを増加させるための方法、
(n)血清リンレベルを正規化するための方法、
(o)高齢患者においてリン酸塩負荷を低減するための方法、
(p)食餌性リン酸塩取り込みを減少させるための方法、
(q)腎肥大を低減するための方法、
(r)心臓肥大を低減するための方法、および
(s)閉塞性睡眠時無呼吸を治療するための方法。
リン酸塩結合剤
特定の実施形態では、リン酸塩結合剤は、セベラマー(例えば、Renvela(登録商標)(炭酸セベラマー)、Renagel(登録商標)(セベラマー塩酸塩))、炭酸ランタン(例えば、Fosrenol(登録商標))、炭酸カルシウム(例えば、Calcichew(登録商標)、Titralac(登録商標)、Tums(登録商標))、酢酸カルシウム(例えば、PhosLo(登録商標)、Phosex(登録商標))、酢酸カルシウム/炭酸マグネシウム(例えば、Renepho(登録商標)、OsvaRen(登録商標))、MCI-196、クエン酸第二鉄(例えば、Zerenex(商標))、ヒドロキシ炭酸マグネシウム鉄(例えば、Fermagate(商標))、水酸化アルミニウム(例えば、Alucaps(登録商標)、Basaljel(登録商標))、クエン酸第二鉄、例えば、トリクエン酸テトラ第二鉄(例えば、Auryxia(登録商標))、スクロオキシ水酸化鉄(例えば、Velphoro(登録商標))、APS1585、SBR-759、およびPA-21からなる群から選択される。
一実施形態では、リン酸塩結合剤は、セベラマーである。一実施形態では、リン酸塩結合剤は、炭酸セベラマーである。一実施形態では、リン酸塩結合剤は、セベラマー塩酸塩である。一実施形態では、セベラマーの単剤量は、1日当たり1回または2回、約800~1600mgである。一実施形態では、組成物は、約30mgのテナパノールと約200mgのセベラマーとを含む。一実施形態では、組成物は、約30mgのテナパノールと約400mgのセベラマーとを含む。一実施形態では、組成物は、約30mgのテナパノールと約800mgのセベラマーとを含む。一実施形態では、組成物は、約30mgのテナパノールと約1,200mgのセベラマーとを含む。一実施形態では、セベラマーの量は、約100~200mgである。
一実施形態では、セベラマーの量は、約100~200mgである。一実施形態では、セベラマーの量は、約200~300mgである。一実施形態では、セベラマーの量は、約300~400mgである。一実施形態では、セベラマーの量は、約400~500mgである。一実施形態では、セベラマーの量は、約500~600mgである。一実施形態では、セベラマーの量は、約600~700mgである。一実施形態では、セベラマーの量は、約700~800mgである。
一実施形態では、リン酸塩結合剤は、クエン酸第二鉄、例えば、トリクエン酸テトラ第二鉄(例えば、Auryxia(登録商標))である。Auryxiaの単剤量は、3.5~5.5mg/dLの血清リン酸塩レベルを達成するために、1日当たり210mgの錠剤を最大12錠、および1日当たり平均8~9錠である。Auryxia(登録商標)の開始用量は、1日当たり210mgの錠剤を2~3錠である。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約10~25mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約25~50mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約50~75mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約75~100mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約100~125mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約125~150mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約150~175mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するAuryxia(登録商標)の量は、約175~200mgである。
一実施形態では、リン酸塩結合剤は、スクロオキシ水酸化鉄(例えば、Velphoro(登録商標))である。Velphoro(登録商標)の開始用量は、1錠の500mg錠剤である。Velphoro(登録商標)の平均維持用量は、1日当たり3~4回、1錠の500mg錠剤である。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するVelphoro(登録商標)の量は、約25~50mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するVelphoro(登録商標)の量は、約50~100mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するVelphoro(登録商標)の量は、約100~150mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するVelphoro(登録商標)の量は、約200~50mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するVelphoro(登録商標)の量は、約250~300mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するVelphoro(登録商標)の量は、約300~350mgである。一実施形態では、本発明の方法に従って1用量当たり投与される、または本発明の組成物中に存在するVelphoro(登録商標)の量は、約350~400mgである。
一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の90~95%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の85~90%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の80~85%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の75~80%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の70~75%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の65~70%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の60~65%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の55~60%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の50~55%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の45~50%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の40~45%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の35~40%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の30~35%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の25~30%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の20~25%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の15~20%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の10~15%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約5~10%である。
一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約95%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約90%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約85%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約80%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約75%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約70%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約65%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約60%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約55%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約50%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約45%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約40%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約35%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約30%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約25%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約20%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約20%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約15%である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤と組み合わせて投与される、または本発明の組成物中に存在するリン酸塩結合剤の量は、単剤として投与される量の約10%である。
上皮リン酸塩輸送阻害剤
本発明の方法および組成物で使用される上皮リン酸塩輸送阻害剤は、上皮細胞のpHを低下させることができる任意の化合物である。一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、NHE3阻害剤、グアニル酸シクラーゼC受容体(GC-C)アゴニスト、P2Yアゴニスト、アデノシンA2b受容体アゴニスト、可溶性グアニル酸シクラーゼアゴニスト、アデニル酸シクラーゼ受容体アゴニスト、イミダゾリン-1受容体アゴニスト、コリン作動性アゴニスト、プロスタグランジンEP4受容体アゴニスト、ドーパミンD1アゴニスト、メラトニン受容体アゴニスト、5HT4アゴニスト、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体アゴニスト、炭酸脱水酵素阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、および腺腫において下方制御される(DRAまたはSLC26A3)アゴニストからなる群から選択される。
NHE3阻害剤
一実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、NHE3阻害剤である。特定の実施形態では、NHE3阻害剤は、式(I)または(IX)の構造を有し、
Figure 2022533251000002

式中、
NHEは、(i)ヘテロ原子含有部分と、(ii)それに直接または間接的に結合した環状もしくは複素環骨格または支持体部分とを含む、NHE結合小分子であり、ヘテロ原子含有部分は、任意に骨格または支持体部分と縮合して縮合二環構造を形成し得る、置換グアニジニル部分および置換複素環部分から選択され、
Zは、NHE結合小分子への付着のための少なくとも1つの部位をその上に有する部分であり、得られるNHE-Z分子は、それを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にする、全体的な物理化学的特性を有し、
Eは、1以上の値を有する整数である。
いくつかの実施形態では、NHE結合小分子の骨格は、部分Zに結合しており、化合物は、式(II)の構造を有し、
Figure 2022533251000003

式中、
Zは、1つ以上のNHE結合小分子への付着のための1つ以上の部位をその上に有するコアであり、得られるNHE-Z分子は、それを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にする、全体的な物理化学的特性を有し、
Bは、NHE結合小分子のヘテロ原子含有部分であり、任意に骨格部分と縮合して縮合二環構造を形成し得る、置換グアニジニル部分および置換複素環部分から選択され、
骨格は、NHE結合小分子の環状もしくは複素環骨格または支持体部分であり、これは、ヘテロ原子含有部分Bに直接または間接的に結合しており、かつ1つ以上の追加のヒドロカルビルまたはヘテロヒドロカルビル部分で任意に置換され、
Xは、結合、または置換もしくは非置換ヒドロカルビルもしくはヘテロヒドロカルビル部分、および具体的には、置換もしくは非置換C1-7ヒドロカルビルもしくはヘテロヒドロカルビル、ならびに置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和、環状もしくは複素環の部分からなる群から選択されるスペーサー部分であり、これはBと骨格とを連結し、および
DおよびEは、整数であり、各々は独立して、1以上の値を有する。
いくつかの実施形態では、化合物は、オリゴマー、デンドリマー、またはポリマーであり、さらに、Zは、直接、または連結部分Lを介して間接的に、のいずれかでの、複数のNHE結合小分子への付着のための2つ以上の部分をその上に有するコア部分であり、化合物は、式(X)の構造を有し、
Figure 2022533251000004

式中、Lは、コアをNHE結合小分子に接続する結合またはリンカーであり、nは、2以上の整数であり、さらに、各NHE結合小分子は、他と同じあり得るかまたは異なり得る。
いくつかの実施形態では、NHE結合小分子は、式(IV)の構造:
Figure 2022533251000005

またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有し、
式中、
各R、R、R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは、独立して、H、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とし、
は、H、C-Cアルキル、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、
は、存在しないか、またはHおよびC-Cアルキルから選択され、
Ar1およびAr2は独立して、芳香環またはヘテロ芳香環を表す。
ある特定の実施形態では、NHE結合小分子は、以下の構造:
Figure 2022533251000006

またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有し、
式中、
各R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは、独立して、H、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とする。
いくつかの実施形態では、NHE結合小分子は、以下の構造のうちの1つ:
Figure 2022533251000007

またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有する。ある特定の実施形態では、Lは、ポリアルキレングリコールリンカーである。ある特定の実施形態では、Lは、ポリエチレングリコールリンカーである。いくつかの実施形態では、nは、2である。
ある特定の実施形態では、コアは、以下の構造を有し、
Figure 2022533251000008

式中、
Xは、結合、-O-、-NH-、-S-、C1-6アルキレン、-NHC(=O)-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)NH-、-SONH-、および-NHSO-からなる群から選択され、
Yは、結合、任意に置換されたC1-8アルキレン、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、ポリエチレングリコールリンカー、-(CH1-6O(CH1-6-、および-(CH1-6NY(CH1-6-からなる群から選択され、
は、水素、任意に置換されたC1-8アルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、コアは、以下からなる群から選択され、
Figure 2022533251000009

式中、Lは、結合、または連結部分であり、NHEは、NHE結合小分子であり、nは、非ゼロ整数である。
いくつかの実施形態では、NHE3阻害剤は、以下の式(I-H)の構造:
Figure 2022533251000010

またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有し、
式中、
(a)nは、2以上の整数であり、
(b)コアは、2つ以上のNHE結合小分子部分への付着のための2つ以上の部位をその上に有するコア部分であり、
(c)Lは、コア部分を2つ以上のNHE結合小分子部分に接続する結合またはリンカーであり、
(d)NHEは、以下の式(XI-H)の構造を有するNHE結合小分子部分であり、
Figure 2022533251000011

式中、
Bは、アリールおよびヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-4アルキル、任意に置換されたC1-4アルコキシ、任意に置換されたC1-4チオアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロシクリルアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、ニトロ、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)NR、-NRSO、-NRS(O)NR、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=O)NR、-S(O)1-2、および-SONRからなる群から選択され、式中、R、R、およびRは、独立して、水素、C1-4アルキル、またはNHE結合小分子部分をLに連結する結合からなる群から選択され、ただし、少なくとも1つが、NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とし、
およびRは独立して、水素、任意に置換されたC1-4アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか、または
およびRは、それらが結合している窒素と一緒に、任意に置換された4~8員ヘテロシクリルを形成し、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、および任意に置換されたC1-6アルコキシからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、nは、2である。ある特定の実施形態では、Lは、ポリアルキレングリコールリンカーである。ある特定の実施形態では、Lは、ポリエチレングリコールリンカーである。
ある特定の実施形態では、コアは、以下の構造を有し、
Figure 2022533251000012

式中、
Xは、結合、-O-、-NH-、-S-、C1-6アルキレン、-NHC(=O)-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)NH-、-SONH-、および-NHSO-からなる群から選択され、
Yは、結合、任意に置換されたC1-8アルキレン、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、ポリエチレングリコールリンカー、 -(CH1-6O(CH1-6-、および -(CH1-6NY(CH1-6-からなる群から選択され、
は、水素、任意に置換されたC1-8アルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、コアは、以下からなる群から選択される。
Figure 2022533251000013
ある特定の実施形態では、NHE結合小分子部分は、以下の式(XII-H)の構造を有し、
Figure 2022533251000014

式中、
各RおよびRは独立して、水素および任意に置換されたC1-4アルキルからなる群から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒に、任意に置換された4~8員ヘテロシクリルを形成し、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルからなる群から選択され、
は、-SO-NR-および-NHC(=O)NH-からなる群から選択され、式中、Rは、水素またはC1-4アルキルである。
いくつかの実施形態では、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒に、任意に置換された5または6員ヘテロシクリルを形成する。ある特定の実施形態では、任意に置換された5または6員ヘテロシクリルは、ピロリジニルまたはピペリジニルである。ある特定の実施形態では、任意に置換された5または6員ヘテロシクリルは、ピロリジニルまたはピペリジニルであり、各々は、少なくとも1つのアミノまたはヒドロキシルで置換される。いくつかの実施形態では、RおよびRは独立して、C1-4アルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、メチルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、水素またはハロゲンからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、各Rは独立して、水素、F、およびClからなる群から選択される。
特定の実施形態では、NHE3阻害剤は、以下の式(I-I)の構造:
Figure 2022533251000015

またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有し、
式中、
(a)NHEは、以下の式(A-I)の構造を有するNHE結合小分子部分であり、
Figure 2022533251000016

式中、
各R、R、R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは、独立して、H、C1-6アルキル、-C1-6アルキル-OH、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とし、
は、H、C-Cアルキル、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、
は、存在しないか、またはHおよびC-Cアルキルから選択され、
Ar1およびAr2は独立して、芳香環またはヘテロ芳香環を表し、
(b)コアは、以下の式(B-I)の構造を有するコア部分であり、
Figure 2022533251000017

式中、
Xは、C(X)、N、およびN(C1-6アルキル)から選択され、
は、水素、任意に置換されたアルキル、-NX、-NO、-NX-C(=O)-NX-X、-C(=O)NX-X、-NX-C(=O)-X、-NX-SO-X、-C(=O)-X、および-OXから選択され、
各XおよびXは独立して、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロシクリルアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアリール、および任意に置換されたヘテロアリールアルキルから選択され、
Yは、C1-6アルキレンであり、
Zは、XがCXである場合、-NZ-C(=O)-NZ-、-C(=O)NZ-、-NZ-C(=O)-、およびヘテロアリールから選択され、
Zは、XがNまたはN(C1-6アルキル)である場合、-NZ-C(=O)-NZ-、-NZ-C(=O)-、およびヘテロアリールから選択され、
各XおよびZは独立して、水素およびC1-6アルキルから選択され、
(c)Lは、コア部分をNHE結合小分子部分に接続する結合またはリンカーである。
いくつかの実施形態では、NHE結合小分子部分は、以下の構造を有し、
Figure 2022533251000018

式中、
各R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは、独立して、H、C1-6アルキル、-C1-6アルキル-OH、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とする。
いくつかの実施形態では、NHE結合小分子部分は、以下の構造のうちの1つを有する。
Figure 2022533251000019
いくつかの実施形態では、Lは、ポリアルキレングリコールリンカーである。ある特定の実施形態では、Lは、ポリエチレングリコールリンカーである。いくつかの実施形態では、Xは、C(X)である。いくつかの実施形態では、各Xは、水素である。ある特定の実施形態では、Xは、Nである。ある特定の実施形態では、各Zは、水素である。
いくつかの実施形態では、NHE3阻害剤は、式(II)の構造:
Figure 2022533251000020

(II-I)
またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有し、
式中、
(a)NHEは、式(A-I)の構造を有するNHE結合小分子部分であり、
Figure 2022533251000021

式中、
各R、R、R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは、独立して、H、C1-6アルキル、-C1-6アルキル-OH、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とし、
は、H、C-Cアルキル、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、
は、存在しないか、またはHおよびC-Cアルキルから選択され、
Ar1およびAr2は独立して、芳香環またはヘテロ芳香環を表し、
(b)コアは、以下の式(C-I)の構造を有するコア部分であり、
Figure 2022533251000022

式中、
Wは、アルキレン、ポリアルキレングリコール、-C(=O)-NH-(アルキレン)-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-(ポリアルキレングリコール)-NH-C(=O)-、-C(=O)-(アルキレン)-C(=O)-、-C(=O)-(ポリアルキレングリコール)-C(=O)-、およびシクロアルキルから選択され、
Xは、Nであり、
Yは、C1-6アルキレンであり、
Zは、-NZ-C(=O)-NZ-、-C(=O)NZ-、-NZ-C(=O)-、およびヘテロアリールから選択され、
各Zは独立して、水素およびC1-6アルキルから選択され、
(c)Lは、コア部分をNHE結合小分子に接続する結合またはリンカーである。
ある特定の実施形態では、NHE結合小分子部分は、以下の構造を有し、
Figure 2022533251000023

式中、
各R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは、独立して、H、C1-6アルキル、-C1-6アルキル-OH、またはNHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とする。
ある特定の実施形態では、NHE結合小分子部分は、以下の構造のうちの1つを有する。
Figure 2022533251000024
一実施形態では、NHE3阻害剤は、WO2010/078449に開示されているものである。実施形態では、NHE3阻害剤は、TP0469711である。一実施形態では、NHE3阻害剤は、以下である。
Figure 2022533251000025
一実施形態では、NHE3阻害剤は、以下である。
Figure 2022533251000026
特定の実施形態では、NHE3阻害剤は、以下の構造を有する。
Figure 2022533251000027
一実施形態では、前述のNHE3阻害剤は、HCl塩である。一実施形態では、前述のNHE3阻害剤は、二塩酸塩である。
一実施形態では、NHE3阻害剤は、テナパノールである。投与されるテナパノールの量は、個々の患者に特異的であり得ることが理解されるであろう。さらに、NHE3阻害剤がテナパノール以外である場合、投与される量は、効力、安定性、および結腸内のNHE3対向輸送への曝露などのいくつかの要因に応じて異なり得る。一実施形態では、NHE3阻害剤は、患者において、テナパノールとほぼ同じ程度にNHE3阻害を達成する量で投与される。一実施形態では、リン酸塩結合剤と組み合わせて投与されるテナパノールの量は、30mgである。一実施形態では、テナパノールは、リン酸塩結合剤と組み合わせて1日当たり2回投与される。一実施形態では、テナパノールは、リン酸塩結合剤と組み合わせて、食事とともに1日当たり3回投与される。一実施形態では、テナパノールは、リン酸塩結合剤と組み合わせて3錠の10mg錠剤として投与される。一実施形態では、テナパノールは、1日当たり2回、リン酸塩結合剤は、1日当たり3回投与される。一実施形態では、テナパノールは、食べ物とともに1日当たり2回投与され、リン酸塩結合剤は、患者が食事を取るときに1日当たり3回投与される。
実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤:
本明細書に記載されるNHE3阻害剤の一部は、ヒトまたは動物対象の胃腸管の管腔において実質的に活性であるか、または局在するように設計される。「胃腸管の管腔」という用語は、本明細書において、対象のGI上皮細胞の頂端膜によって区切られる、胃腸管(消化管とも称され得るGI管)内の空間または空洞を指す「管腔」という用語と互換的に使用される。いくつかの実施形態では、化合物は、GI管の上皮細胞の層(GI上皮としても既知)を通して吸収されない。「胃腸粘膜」は、胃腸管の管腔を身体の残りの部分から分離する細胞の層を指し、小腸の粘膜などの胃粘膜および腸粘膜を含む。本明細書で使用される場合、「胃腸上皮細胞」または「消化管上皮細胞」は、例えば、胃の上皮細胞、腸上皮細胞、結腸上皮細胞などを含む、胃腸管の管腔に面する胃腸粘膜の表面上の任意の上皮細胞を指す。
本明細書で使用される場合、「実質的に全身的に生体利用不可能」および/または「実質的に不透過性」(ならびにそれらの変化形)は、概して、統計的に有意な量であり、いくつかの実施形態では、化合物の実質的にすべてが胃腸管の管腔内にとどまる状況を指す。例えば、本開示の1つ以上の実施形態によると、好ましくは、化合物の少なくとも約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはさらには約99.5%が、胃腸管の管腔内にとどまる。そのような場合、胃腸管の管腔への局在化は、例えば、経細胞輸送および傍細胞輸送の両方によって、ならびに活性輸送および/または受動輸送によって、上皮細胞の胃腸層にわたる化合物の正味の移動を低減することを指す。そのような実施形態における化合物は、例えば、小腸の上皮細胞の頂端膜を通した、経細胞輸送における胃腸上皮細胞の層の正味の透過が妨げられる。これらの実施形態における化合物はまた、管腔の内側を覆う胃腸上皮細胞間の傍細胞輸送における「密着結合」を通した正味の透過が妨げられる。
この点に関して、1つの特定の実施形態では、NHE3阻害剤化合物は、GI管または胃腸管の管腔によって本質的に全く吸収されないことに留意されたい。本明細書で使用される場合、用語「実質的に不透過性」または「実質的に全身的に生体利用不可能」は、当該技術分野で一般的に既知の手段を使用して、検出可能な量の化合物の吸収、透過、または全身曝露が検出されない実施形態を含む。
しかしながら、この点に関して、代替の実施形態では、「実質的に不透過性」または「実質的に全身的に生体利用不可能」は、GI管、より具体的には消化管上皮におけるある程度の限られた吸収を提供するか、またはそれが起こることを可能にすることにさらに留意されたい(例えば、ある程度の検出可能な量の吸収、例えば、少なくとも約0.1%、0.5%、1%以上、および約30%未満、20%未満、10%未満、5%未満などであり、吸収の範囲は、例えば、約1%~30%または5%~20%などである)。別の言い方をすれば、「実質的に不透過性」または「実質的に全身的に生体利用不可能」は、投与された化合物の約20%未満(例えば、約15%未満、約10%未満、またはさらには約5%未満、4%未満、3%未満、もしくは2%未満、および例えば、約0.5%または1%超)のGI管内の細胞の上皮層に対するある程度の検出可能な透過性を示す化合物を指し得るが、次いで、肝臓(すなわち、肝抽出)/腎臓(すなわち、腎抽出)によって除去される。
この点に関して、特定の実施形態では、NHE3阻害剤の実質的な不透過性および/または実質的な全身的な生体利用不可能性に起因して、本発明の化合物の約50%、60%、70%、80%、90%、または95%超が、例えば、投与を必要とする対象への投与後の24、36、48、60、72、84、または96時間の期間にわたって、糞便から回収可能であることにさらに留意されたい。この点に関して、回収された化合物が、例えば、加水分解、コンジュゲーション、還元、酸化、N-アルキル化、グルクロン酸抱合、アセチル化、メチル化、硫酸化、リン酸化、または親化合物からの原子を付加または除去する任意の他の修飾による、親化合物および親化合物に由来するその代謝物の総和を含むことができ、代謝物が、任意の酵素の作用、またはpH、温度、圧力、もしくは消化環境中に存在する際の食品との相互作用を含む任意の生理学的環境への曝露を介して生成されることが理解される。
NHE3阻害剤化合物および代謝物の糞便回収の測定は、標準的な方法を使用して実施され得る。例えば、化合物は、好適な用量(例えば、10mg/kg)で経口投与され得、次いで、糞便は、投与後の所定の時間(例えば、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、96時間)に採取される。親化合物および代謝物は、有機溶媒で抽出され、質量分析法を使用して定量的に分析され得る。親化合物および代謝物(親=M、代謝物1[M+16]、および代謝物2[M+32]を含む)の質量バランス分析を使用して、糞便中の回収率を決定することができる。
maxおよびIC50またはEC50
いくつかの実施形態では、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤は、単独で、またはリン酸塩結合剤と組み合わせてのいずれかで、それを必要とする対象に投与された場合(例えば、経腸的に)、化合物のリン酸塩イオン(Pi)輸送または取り込み阻害濃度IC50とほぼ同じであるか、またはそれより小さいCmaxとして定義される、血清中で検出された最大濃度を示す。いくつかの実施形態では、例えば、Cmaxは、Pi輸送または取り込みを阻害するためのIC50よりも約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%小さい。いくつかの実施形態では、Cmaxは、Pi輸送または取り込みを阻害するためのIC50の約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9X(0.9倍)である。
特定の実施形態では、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤化合物のうちの1つ以上は、それを必要とする対象に(例えば、経腸的に)投与された場合、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、もしくは1.0以下、または約0.01~1.0、0.01~0.9、0.01~0.8、0.01~0.7、0.01~0.6、0.01~0.5、0.01~0.4、0.01~0.3、0.01~0.2、もしくは0.01~0.1の範囲、または約0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.8、0.1~0.7、0.1~0.6、0.1~0.5、0.1~0.4、0.1~0.3、もしくは0.1~0.2の範囲の(Pi輸送または取り込みを阻害するための)Cmax:IC50の比を有し得、CmaxおよびIC50は、同じ単位として表される。
いくつかの実施形態では、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤は、単独で、または1つ以上の追加の薬学的に活性な化合物もしくは薬剤と組み合わせてのいずれかで、それを必要とする対象に(例えば、経腸的に)投与された場合、リン酸塩の排便量を増加させるための化合物のEC50とほぼ同じか、またはそれ未満である、Cmaxとして定義される、血清中で検出される最大濃度を示し、排便量は、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加する。いくつかの実施形態では、例えば、Cmaxは、リン酸塩の排便量を増加させるためのEC50よりも、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%小さい。いくつかの実施形態では、Cmaxは、リン酸塩の排便量を増加させるためのEC50の約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9X(0.9倍)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能な化合物のうちの1つ以上は、単独で、または1つ以上の追加の薬学的に活性な化合物もしくは薬剤と組み合わせてのいずれかで、それを必要とする対象に(例えば、経腸的に)投与された場合、あるいは動物モデルまたは細胞ベースのアッセイで測定された場合、約10μM、9μM、8μM、7μM、7.5μM、6μM、5μM、4μM、3μM、2.5μM、2μM、1μM、0.5μM、0.1μM、0.05μM、もしくは0.01μM以下、またはそれ以下の、リン酸塩の排便量を増加させるためのEC50を有し得、IC50は、例えば、約0.01μM~約10μM、または約0.01μM~約7.5μM、または約0.01μM~約5μM、または約0.01μM~約2.5μM、または約0.01μM~約1.0、または約0.1μM~約10μM、または約0.1μM~約7.5μM、または約0.1μM~約5μM、または約0.1μM~約2.5μM、または約0.1μM~約1.0、またはμM0.5μM~約10μM、または約0.5μM~約7.5μM、または約0.5μM~約5μM、または約0.5μM~約2.5μM、または約0.5μM~約1.0μMの範囲内である。
特定の実施形態では、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤は、単独で、または1つ以上の追加の薬学的に活性な化合物もしくは薬剤と組み合わせてのいずれかで、それを必要とする対象に(例えば、経腸的に)投与された場合、リン酸塩の尿量を低減するための化合物のEC50とほぼ同じか、またはそれ未満である、Cmaxとして定義される、血清中で検出される最大濃度を示し、尿量は、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%低減される。いくつかの実施形態では、例えば、Cmaxは、リン酸塩の尿量を低減するためのEC50よりも、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%小さい。いくつかの実施形態では、Cmaxは、リン酸塩の尿量を低減するためのEC50の約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9X(0.9倍)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤のうちの1つ以上は、単独で、またはリン酸塩結合剤と組み合わせてのいずれかで、それを必要とする対象に(例えば、経腸的に)投与された場合、あるいは動物モデルまたは細胞ベースのアッセイで測定された場合、約10μM、9μM、8μM、7μM、7.5μM、6μM、5μM、4μM、3μM、2.5μM、2μM、1μM、0.5μM、0.1μM、0.05μM、もしくは0.01μM以下、またはそれ以下の、リン酸塩の尿量を低減するためのEC50を有し得、IC50は、例えば、約0.01μM~約10μM、または約0.01μM~約7.5μM、または約0.01μM~約5μM、または約0.01μM~約2.5μM、または約0.01μM~約1.0、または約0.1μM~約10μM、または約0.1μM~約7.5μM、または約0.1μM~約5μM、または約0.1μM~約2.5μM、または約0.1μM~約1.0、またはμM0.5μM~約10μM、または約0.5μM~約7.5μM、または約0.5μM~約5μM、または約0.5μM~約2.5μM、または約0.5μM~約1.0μMの範囲内である。
特定の実施形態では、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤化合物のうちの1つ以上は、それを必要とする対象に(例えば、経腸的に)投与された場合、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、もしくは1.0以下、または約0.01~1.0、0.01~0.9、0.01~0.8、0.01~0.7、0.01~0.6、0.01~0.5、0.01~0.4、0.01~0.3、0.01~0.2、もしくは0.01~0.1の範囲、または約0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.8、0.1~0.7、0.1~0.6、0.1~0.5、0.1~0.4、0.1~0.3、もしくは0.1~0.2の範囲の(例えば、リン酸塩の排便量を増加させるため、リン酸塩の尿量を減少させるための)Cmax:EC50の比を有し得、CmaxおよびEC50は、同じ単位として表される。
さらに、またはあるいは、本明細書に詳述される実質的に全身的に生体利用不可能なNHE3阻害剤化合物のうちの1つ以上は、単独で、または1つ以上の追加の薬学的に活性な化合物もしくは薬剤と組み合わせてのいずれかで、それを必要とする対象に(例えば、経腸的に)投与された場合、約10ng/mL以下、約7.5ng/mL、約5ng/mL、約2.5ng/mL、約1ng/mL、または約0.5ng/mLのCmaxを有し得、Cmaxは、例えば、1ng/mL~約10ng/mLまたは約2.5ng/mL~約7.5ng/mLの範囲内である。
NHE3阻害剤は、一価または多価であってもよく、NHE3に結合し、かつ/またはそれを調整し、リン酸塩輸送阻害剤としての活性を有し、胃腸管内で実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である小分子を含み、本開示に従って修飾または官能基化されて、化合物全体をGI管内で実質的に活性にするようにその物理化学的特性を変化させ得る、既知のNHE結合化合物を含む。
したがって、本開示の化合物は概して、式(I)によって表され得、
Figure 2022533251000028

式中、(i)NHEは、NHE結合小分子を表し、(ii)Zは、NHE結合小分子への付着のための少なくとも1つの部位をその上に有する部分を表し、得られるNHE-Z分子は、それを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にする、全体的な物理化学的特性を有する。NHE結合小分子は概して、ヘテロ原子含有部分と、それに直接または間接的に結合した環状もしくは複素環骨格または支持体部分とを含む。特に、本明細書で以下にさらに例示されるように、NHE結合剤または阻害剤であるとこれまでに報告されている小分子の構造を調べると、ほとんどが、直接、または(例えば、アシル部分、またはヒドロカルビルもしくはヘテロヒドロカルビル部分、例えば、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、またはヘテロアルケニル部分によって)間接的にヘテロ原子含有部分に結合した環状もしくは複素環骨格または支持体部分を含むことが示唆され、ヘテロ原子含有部分は、ナトリウム原子またはナトリウムイオン模倣体として作用することができ、これは、典型的には、置換グアニジニル部分および置換複素環部分(例えば、窒素含有複素環部分)から選択される。任意に、ヘテロ原子含有部分は、骨格または支持体部分と縮合して縮合二環構造を形成し得、かつ/または生理学的pHで正電荷を形成することが可能であり得る。
この点に関して、ナトリウム原子またはイオン模倣体として作用することができるヘテロ原子含有部分は、任意に、正電荷を形成し得るが、これは、化合物全体が正味の正電荷、またはその中に単一の正電荷を持つ部分のみを有する必要があると理解または解釈されるべきではないことに留意されたい。むしろ、様々な実施形態では、化合物は、電荷を持つ部分を有していなくてもよく、またはその中に複数の電荷を持つ部分を有してもよい(正電荷、負電荷、またはそれらの組み合わせを有してもよく、化合物は、双性イオンである)。さらに、化合物全体は、正味の中性電荷、正味の正電荷(例えば、+1、+2、+3など)、または正味の負電荷(例えば、-1、-2、-3など)を有してもよいことが理解されるべきである。
Z部分は、NHE小分子の上または内部の本質的に任意の位置に結合してもよく、特に、(i)骨格もしくは支持体部分に結合してもよく、(ii)ヘテロ原子含有部分の上もしくは内部の位置に結合してもよく、かつ/または(iii)骨格をヘテロ原子含有部分に連結するスペーサー部分の上もしくは内部に結合してもよく、ただし、Z部分の導入が、NHE結合活性に有意に悪影響を与えないことを条件とする。1つの特定の実施形態では、Zは、NHE小分子に結合した(例えば、骨格またはスペーサー部分に結合した)オリゴマー、デンドリマー、またはポリマーの形態であってもよく、あるいは代替的に、Zは、複数のNHE小分子を一緒に連結し、したがって、(i)NHE-Z分子の全体的な分子量および/もしくは極性表面積、ならびに/または(ii)NHE-Z分子中の自由に回転可能な結合の数、ならびに/または(iii)NHE-Z分子中の水素結合ドナーおよび/もしくはアクセプターの数、ならびに/または(iv)少なくとも約5(もしくは代替的に1未満、またはさらには約0)の値にNHE-Z分子のLog P値を増加させるように作用するリンカーの形態であってもよく(すべて本明細書に記載されるとおり)、これにより、NHE結合化合物全体(すなわち、NHE-Z化合物)は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である。
本開示は、より具体的には、そのような実質的に不透過性もしくは実質的に全身的に生体利用不可能なNHE結合化合物、またはその薬学的な塩を対象とし、化合物は、式(II)の構造を有し、
Figure 2022533251000029

式中、(i)上ですでに定義されたZは、NHE結合小分子に結合した、またはその中に組み込まれた部分であり、これにより、得られるNHE-Z分子は、それを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にする、全体的な物理化学的特性を有し、(ii)Bは、NHE結合小分子のヘテロ原子含有部分であり、1つの特定の実施形態では、任意に骨格部分と縮合して縮合二環構造を形成し得る、置換グアニジニル部分および置換複素環部分から選択され、(iii)骨格は、ヘテロ原子含有部分(例えば、置換グアニジニル部分または置換複素環部分)、Bに直接または間接的に結合し、かつ1つ以上の追加のヒドロカルビルまたはヘテロヒドロカルビル部分で任意に置換される、環状または複素環部分であり、(iv)Xは、結合、または置換もしくは非置換ヒドロカルビルもしくはヘテロヒドロカルビル部分、および具体的には、置換もしくは非置換C-Cヒドロカルビルもしくはヘテロヒドロカルビル(例えば、C-Cアルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロアルケニル)、ならびに置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和、環状もしくは複素環の部分(例えば、C-C環状もしくは複素環部分)からなる群から選択されるスペーサー部分であり、これはBと骨格とを連結し、(v)DおよびEは、整数であり、各々は独立して、1、2、またはそれ以上の値を有する。
1つ以上の特定の実施形態では、本明細書で以下にさらに例示されるように、Bは、グアニジニル部分、または置換シクロブテンジオン、置換イミダゾール、置換チアゾール、置換オキサジアゾール、置換ピラゾール、もしくは置換アミンからなる群から選択されるグアニジニル生物学的等価体である部分から選択されてもよい。より具体的には、Bは、グアニジニル、アシルグアニジニル、スルホニルグアニジニル、またはグアニジン生物学的等価体、例えば、シクロブテンジオン、置換もしくは非置換の5または6員複素環、例えば、置換もしくは非置換イミダゾールアミノイミダゾール、アルキルイミジゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、アルキルチオイミダゾール、または任意に、生理学的pHで、正電荷を持つようになり得るか、もしくはナトリウム模倣体として機能し得る他の官能基(アミン(例えば、三級アミン)、アルキルアミンなどを含む)から選択されてもよい。1つの特に好ましい実施形態では、Bは、ナトリウム模倣体として機能するために、生理学的pHで任意に正電荷を持つようになり得る、置換グアニジニル部分または置換複素環部分である。1つの例示的な実施形態では、本開示の化合物(またはより具体的には、例示されるようなその薬学的に許容されるHCl塩)は、式(III)の構造を有し得、
Figure 2022533251000030

式中、Zは、NHE結合小分子上の多数の部位のいずれか1つに任意に付着してもよく、さらに、芳香環上のR、R、およびR置換基は、本明細書の他の箇所、および/または米国特許 第6,399,824号に詳述されるとおりであり、その内容全体は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
しかしながら、この点に関して、本開示の実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能なNHE結合化合物は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記で例示された以外の構造を有し得ることに留意されたい。例えば、様々な代替の実施形態では、グアニジン部分中の末端窒素原子の一方もしくは両方は、1つ以上の置換基で置換されてもよく、かつ/または修飾もしくは官能基化部分Zは、概して以下に提供される構造でさらに例示されるように、(i)骨格、(ii)スペーサーX、または(iii)ヘテロ原子含有部分、Bによって、NHE結合化合物に付着してもよい。
Figure 2022533251000031
この点に関して、本明細書で使用される場合、「生物学的等価体」は概して、グアニジン部分と類似の物理的および化学的特性を有する部分を指し、これは、この場合も同様に、グアニジン部分と類似の所与の部分に生物学的特性を付与することにさらに留意されたい。(例えば、Ahmad,S.et al.,Aminoimidazoles as Bioisosteres of Acylguanidines:Novel,Potent,Selective and Orally Bioavailable Inhibitors of the Sodium Hydrogen Exchanger Isoform-1,Boorganic&Med.Chem.Lett.,pp.177-180(2004)(その内容全体は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。)
以下にさらに詳述されるように、好適な出発物質としての役割を果たし得る既知のNHE結合小分子または化学種(小分子を実質的に不透過性もしくは実質的に全身的に生体利用不可能にするための修飾もしくは官能基化のための、および/または医薬調製物で使用される)は概して、例えば、以下などの多数のサブセットに組織化され得、
Figure 2022533251000032


式中、末端環(または非アシルグアニジンの場合、「R」)は、骨格または支持体部分を表し、グアニジン部分(または非グアニジン阻害剤の場合、置換複素環、より具体的にはピペリジン環)は、Bを表し、Xは、アシル部分、または-A-B-アシル-部分(または非アシルグアニジンおよび非グアニジン阻害剤の場合、結合)である。(例えば、Lang,H.J.,“Chemistry of NHE Inhibitors”in The Sodium-Hydrogen Exchanger,Harmazyn,M.,Avkiran,M.and Fliegel,L.,Eds.,Kluwer Academic Publishers 2003を参照されたい。また、B.Masereel et al.,An Overview of Inhibitors of Na+/H+ Exchanger,European J.of Med.Chem.,38,pp.547-554(2003)(その内容全体は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい)。いかなる特定の理論にも縛られることなく、生理学的pHにおけるグアニジン基、またはアシルグアニジン基、または電荷を持つグアニジンもしくはアシルグアニジン基(または非グアニジン阻害剤の場合、ピペリジン環中のプロトン化窒素原子が挙げられるが、これに限定されない、グアニジニル官能基の分子相互作用を再現することができる複素環もしくは他の官能基)が、交換体または対向輸送体の結合部位でナトリウムイオンを模倣し得ることが提案されている(例えば、Vigne et al.,J.Biol.Chem.1982,257,9394を参照されたい)。
ヘテロ原子含有部分は、正電荷を形成することが可能であり得るが、これは、化合物全体が正味の正電荷、もしくはその中に単一の正電荷を持つ部分のみを有するか、またはその中のヘテロ原子含有部分が、すべての場合において正電荷を形成することができることさえも必要とすると理解または解釈されるべきではない。むしろ、様々な代替の実施形態では、化合物は、その中に電荷を持つ部分を有していなくてもよく、またはその中に複数の電荷を持つ部分を有してもよい(正電荷、負電荷、またはそれらの組み合わせを有してもよい)。さらに、化合物全体は、正味の中性電荷、正味の正電荷または正味の負電荷を有してもよいことが理解されるべきである。
この点に関して、上記または本明細書の他の箇所で引用される米国特許および米国公開出願は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれることに留意されたい。
上記および本明細書の他の箇所に例示された構造に加えて、グアニジンまたはアシルグアニジンの生物学的等価体置換も使用され得ることに留意されたい。これまでに特定された潜在的に生存能力のある生物学的等価体の「グアニジン置換」は、グアニジンまたはアシルグアニジンと類似したドナー/アクセプターおよびpKaパターンを有する5または6員の複素環を有し(例えば、Ahmad,S.et al.,Aminoimidazoles as Bioisosteres of Acylguanidines:Novel,Potent,Selective and Orally Bioavailable Inhibitors of the Sodium Hydrogen Exchanger Isoform-1,Boorganic&Med.Chem.Lett.,pp.177-180(2004)(その内容全体は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)、以下に例示されるものを含む。
Figure 2022533251000033
上記の生物学的等価体の実施形態(すなわち、上記の構造の群)は、式(II)の構造における「B」に対応し、その中の破線結合は、「X」(例えば、アシル部分、または代替的に、生物学的等価体を骨格に連結する結合)に付着しており、式(III)中のZへの結合は、ここに示されていない。
本明細書に例示される多くの構造において、様々な連結または結合のすべてが、すべての例で示されるわけではないことに留意されたい。例えば、上記で例示された構造のうちの1つ以上では、NHE結合小分子と修飾部分または官能基化部分Zとの間の結合または接続は、必ずしも示されるとは限らない。しかしながら、これは、限定された意味で見られるべきではない。むしろ、NHE結合小分子は、何らかの方法で(例えば、何らかの種類の結合またはリンカーによって)、Zに結合または接続され、これにより、得られるNHE-Z分子は、使用に適している(すなわち、GI管において実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)ことが理解されるべきである。あるいは、Zは、例えば、それをグアニジン部分と骨格との間に位置付けることによって、NHE結合小分子に組み込まれてもよい。
実質的に不透過性もしくは実質的に全身的に生体利用不可能なNHE結合化合物、および/または本開示による修飾または官能基化に適したNHE結合小分子について、それらが実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能になるように、多数の構造が本明細書に提供されることにさらに留意されたい。多数の構造により、様々な識別子(例えば、鎖または環中の原子識別子、環または鎖上の置換基の識別子など)が、2回以上使用され得る。したがって、1つの構造中の識別子は、特に記載のない限り、異なる構造中で同じ意味を有すると想定されるべきではない(例えば、1つの構造中の「R」は、別の構造中の「R」と同一である場合、または同一ではない場合がある)。さらに、本明細書で以下にさらに例示される構造のうちの1つ以上において、その中に識別子のうちの1つ以上を含む構造の特定の詳細が、引用された参考文献(その内容は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に具体的に組み込まれる)に提供されている場合があることに留意されたい。
使用に適した小分子(すなわち、実質的に生体利用可能な化合物としての使用に適し、実質的に全身的に生体利用不可能な化合物を生成するための修飾または官能基化に適している)には、以下に例示されるものが含まれる。この点に関して、Zへの結合または連結(すなわち、小分子を実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にする修飾または官能基化)は、具体的に示されていないことに留意されたい。述べたように、Z部分は、得られる化合物が対象となるNHE対向輸送に効果的に結合する能力に干渉しない(例えば、立体的に干渉しない)、本質的に任意の部位または位置で、小分子に付着してもよいか、または小分子内に含まれてもよい。より具体的には、Zは、NHE結合小分子上の実質的に任意の部位に付着してもよく、Zは、例えば、その上に最初にまたは元々存在し、かつ以下に例示されるような置換基のすべてまたは一部分を置き換え、ただし、Z部分の導入部位が、そのNHE結合活性に実質的に悪影響を与えないことを条件とする。しかしながら、1つの特定の実施形態では、結合または連結は、Zから、ナトリウムイオン模倣体として効果的に作用する得られる化合物中に存在する原子(複数可)(例えば、生理学的pH条件下で陽イオンを形成することができる原子(複数可))から遠く離れて(例えば、介在する原子または結合の数に基づいて)、付着点を効果的に位置付ける小分子上の部位まで伸長する。好ましい実施形態では、結合または連結は、Zから、環中の部位、より好ましくは、骨格としての役割を果たす小分子内の芳香環まで伸長する。
前述を考慮して、1つの特定の実施形態では、米国特許出願第2005/0054705号(その内容全体(および特に、その中のページ1~2の文章)は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000034
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。1つの特に好ましい実施形態では、RおよびRは、ハロゲン(例えば、Cl)であり、Rは、低級アルキル(例えば、CH)であり、R~Rは、Hであり、化合物は、例えば、以下の構造を有する。
Figure 2022533251000035
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ1~2)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000036
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ49)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000037
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ118~120および175~177)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000038
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ129~131)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000039
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。(この点に関して、上記で例示された構造内の置換基Zは、本開示に従って、得られる「NHE-Z」分子を実質的に不透過性に効果的にするために、NHE結合小分子に付着している部分Zと混同されるべきではないことに留意されたい。)
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ127~129)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000040
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。(この点に関して、上記で例示された構造の環内のZは、本開示に従って、得られる「NHE-Z」分子を実質的に不透過性に効果的にするために、NHE結合小分子に付着している部分Zと混同されるべきではないことに留意されたい。)
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ134~137)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000041
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ31~32および137~139)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000042
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ37~45)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000043
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。(この点に関して、上記で例示された環構造内のZは、本開示に従って、得られる「NHE-Z」分子を実質的に不透過性に効果的にするために、NHE結合小分子に付着している部分Zと混同されるべきではないことに留意されたい。)
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ100~102)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000044
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる(特に、波状の結合は、その中の原子の可変長または可変数を示す)。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ90~91)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000045
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、米国特許第5,900,436号(またはEP 0822182 B1)(その内容全体(および特に、その中の段1、行10~55)は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000046
構造中の変数は、引用された特許において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ35~47)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000047
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ154~155)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000048
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ132~133)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000049
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特定の実施形態では、カナダ特許出願第2,241,531号(または国際特許公開第WO 97/24113号)(その内容全体(および特に、その中のページ58~65および141~148)は、すべての関連する、および一貫した目的のために本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000050
構造中の変数は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。(この点に関して、上記で例示された環構造内のZは、本開示に従って、得られる「NHE-Z」分子を実質的に不透過性に効果的にするために、NHE結合小分子に付着している部分Zと混同されるべきではないことに留意されたい。)
さらに別の特定の実施形態では、米国特許第6,911,453号および同第6,703,405号(それらの内容全体(および特に、6,911,453の段1~7および46、ならびに6,703,405の段14~15の文章)は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000051
構造中の変数は、引用された特許において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。上述の構造内に入る特に好ましい小分子が、以下にさらに例示される(例えば、US6,911,453の特許の実施例1(その内容全体は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる)を参照されたい)。
Figure 2022533251000052
さらに別の特定の実施形態では、米国特許公開第2004/0039001号、同第2004/0224965号、同第2005/0113396号、および同第2005/0020612号(それらの内容全体は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000053
構造中の変数は、上記および/もしくは引用された特許出願(その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる)のうちの1つ以上において定義され、かつ/または上記で例示されるとおりである(式中、破線結合は、縮合した複素環へのY部分の付着点を示す)。特に、様々な実施形態では、XおよびYの組み合わせは、以下のとおりであってもよい。
Figure 2022533251000054
上述の構造の特に好ましい実施形態では、小分子は、以下の一般構造を有し、
Figure 2022533251000055

式中、R、R、およびRは、同じであり得るかまたは異なり得るが、好ましくは異なり、独立して、H、NR’R”(式中、R’およびR”は独立して、本明細書の他の箇所に定義されるように、Hおよびヒドロカルビル、例えば、低級アルキルから選択される)、ならびに以下の構造から選択される。
Figure 2022533251000056
上記の構造のさらに特に好ましい実施形態では、上述の構造内に入る特に好ましい小分子が、以下にさらに例示される(例えば、2005/0020612の特許出願のページ5の化合物I1(その内容全体は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる)を参照されたい)。
Figure 2022533251000057
別の特に好ましい実施形態では、米国特許第6,399,824号(その内容全体(および特に、その中の実施例1の文章)は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に特に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000058
構造中、Rは、好ましくは、Hおよび(CHNCHCH-から選択されてもよく、Hは、様々な実施形態において特に好ましい。
さらに別の特定の実施形態では、米国特許第6,005,010号(および特に、その中の段1~3)ならびに/または米国特許第6,166,002号(および特に、その中の段1~3)(それらの内容全体は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000059
構造中の変数(「R」)は、引用された特許出願において定義され、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特に好ましい実施形態では、米国特許出願第2008/0194621号(その内容全体(および特に、その中の実施例1の文章)は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に特に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000060
構造中の変数(「R」、「R」、および「R」)は、上記で定義されたとおりであり、かつ/または引用された特許出願において定義されるとおりであり、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の特に好ましい実施形態では、米国特許出願第2007/0225323号(その内容全体(および特に、その中の実施例36の文章)は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に特に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000061
さらに別の特に好ましい実施形態では、米国特許第6,911,453号(その内容全体(および特に、その中の実施例35の文章)は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている以下の小分子は、本開示に従った使用または修飾に特に適し得る(例えば、Zに結合するか、またはZを含むように修飾され、これにより、得られるNHE-Z分子は、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能である)。
Figure 2022533251000062
本開示の1つの特に好ましい実施形態では、小分子は、以下からなる群から選択されてもよい。
Figure 2022533251000063
これらの構造では、結合または連結(図示せず)は、例えば、コアとアミン置換芳香環(第1の構造)、それが結合した複素環もしくは芳香環、または代替的に、クロロ置換芳香環(第2の構造)、もしくはジフルオロ置換芳香環、もしくはスルホンアミド置換芳香環(第3の構造)との間に伸長し得る。
1つ以上の特定の実施形態では、「NHE-Z」分子は、一価であり、すなわち、分子は、NHE3に効果的に結合し、かつ/またはそれを調整し、またGI管または腎臓におけるリン酸塩輸送を阻害する1つの部分を含有する。そのような実施形態では、NHE-Z分子は、例えば、式(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の以下の構造のうちの1つから選択されてもよく、
Figure 2022533251000064

式中、各R、R、R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン(例えば、Cl)、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは独立して、HまたはZから選択され、式中、Zは、置換または非置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ポリアルキレングリコールおよびポリオールから選択され、式中、その上の置換基は、ヒドロキシル、アミン、アミジン、カルボン酸塩、ホスホン酸塩、スルホン酸塩、およびグアニジンから選択され、Rは、H、C-Cアルキル、またはZから選択され、式中、Zは、置換または非置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ポリアルキレングリコールおよびポリオールから選択され、式中、その上の置換基は、ヒドロキシル、アミン、アミジン、カルボン酸塩、ホスホン酸塩、スルホン酸塩、およびグアニジンから選択され、Rは、存在しないか、またはHおよびC-Cアルキルから選択され、Ar1およびAr2は独立して、芳香環、または代替的に、その中の炭素原子のうちの1つ以上がN、OまたはS原子で置き換えられるヘテロ芳香環を表し、
Figure 2022533251000065

式中、各R、R、R、およびRは独立して、H、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは独立して、HまたはZから選択され、式中、Zは、置換または非置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ポリアルキレングリコールおよびポリオールから選択され、式中、その上の置換基は、複素環式リンカーによって環Ar1に任意に連結した、ヒドロキシル、アミン、アミジン、カルボン酸塩、ホスホン酸塩、スルホン酸塩、およびグアニジンから選択され、RおよびR12は独立して、HおよびRから選択され、式中、Rは、上記で定義されるとおりであり、R10およびR11は、提示される場合、独立して、HおよびC-Cアルキルから選択され、Ar1およびAr2は独立して、芳香環、または代替的に、その中の炭素原子のうちの1つ以上がN、OまたはS原子で置き換えられるヘテロ芳香環を表し、
Figure 2022533251000066

式中、各Xは、同じであり得るかまたは異なり得るハロゲン原子であり、Rは、-SO-NR、-NR(CO)R、-(CO)NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは独立して、HまたはZから選択され、式中、Zは、置換または非置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ポリアルキレングリコールおよびポリオールから選択され、式中、その上の置換基は、ヒドロキシル、アミン、アミジン、カルボン酸塩、ホスホン酸塩、スルホン酸塩、およびグアニジンから選択され、Rは、HまたはRから選択され、式中、Rは、上述のとおりであり、R13は、置換または非置換C-Cアルキルから選択され、RおよびR12は独立して、HまたはRから選択され、式中、Rは、上述のとおりであり、R10およびR11は、存在する場合、独立して、HおよびC-Cアルキルから選択され、Ar1は、芳香環、または代替的に、その中の炭素原子のうちの1つ以上がN、OまたはS原子で置き換えられるヘテロ芳香環を表し、Ar2は、芳香環、または代替的に、その中の炭素原子のうちの1つ以上がN、OまたはS原子で置き換えられるヘテロ芳香環を表す。
式(V)の構造の1つの特定の実施形態では、以下の構造を有する複素環式リンカーによって、R、R、およびRのうちの1つは、環Ar1に連結し、かつ/またはRは、環Ar2に連結し、
Figure 2022533251000067

式中、Rは、それに結合したR、R、R、またはRを表す。
別の特定の実施形態では、本開示のNHE-Z分子は、式(IV)の構造を有してもよく、
Figure 2022533251000068

式中、各R、R、R、R、およびRは独立して、H、ハロゲン、NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRは独立して、HまたはZから選択され、式中、Zは、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、またはポリオール、および/または置換もしくは非置換ポリアルキレングリコールから選択され、式中、その上の置換基は、ホスフィン酸塩、ホスホン酸塩、ホスホノアミダート、リン酸塩、ホスホロチオエート、およびホスホノジチオエートからなる群から選択され、Rは、HまたはZから選択され、式中、Zは、置換または非置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ポリアルキレングリコールおよびポリオールであり、式中、その上の置換基は、ヒドロキシル、アミン、アミジン、カルボン酸塩、ホスホン酸塩、スルホン酸塩、およびグアニジンから選択され、Rは、-HおよびC-Cアルキルから選択され、Ar1およびAr2は独立して、芳香環、または代替的に、その中の炭素原子のうちの1つ以上がN、OまたはS原子で置き換えられるヘテロ芳香環を表す。
上述のように、特定の実施形態は、(部分Zの付着または含有によって)その物理化学的特性、およびより具体的には、NHE-Z分子の物理化学的特性を変化させ、それによってそれを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にするように、構造的に修飾または官能基化されたNHE結合小分子に関する。1つの特定の実施形態では、かつ本明細書の他の箇所にさらに詳述されるように、NHE-Z化合物は、多価(すなわち、オリゴマー、デンドリマー、またはポリマー部分)であってもよく、Zは、この実施形態では、概して「コア」部分と称されてもよく、NHE結合小分子は、それに直接または(連結部分によって)間接的に結合してもよく、多価化合物は、例えば、式(VIII)、(IX)、および(X)の以下の一般構造のうちの1つを有し、
Figure 2022533251000069

式中、コア(またはZ)およびNHEは、上記に定義されるとおりであり、Lは、本明細書の他の箇所でさらに定義される結合またはリンカーであり、Eおよびnは両方とも、2以上の整数である。しかしながら、様々な代替の実施形態では、NHE結合小分子は、同じであり得るかまたは異なり得る複数のNHE結合小分子(同様に同じであり得るかまたは異なり得る、一連のリンカーLによって接続または結合している)からポリマー構造を形成することによって、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にされ得、化合物は、例えば、式(XI)の構造を有し、
Figure 2022533251000070

式中、コア(またはZ)およびNHEは、上記に定義されるとおりであり、Lは、本明細書の他の箇所でさらに定義される結合またはリンカーであり、mは、0または1以上の整数である。この実施形態では、NHE結合小分子の物理化学的特性、特に分子量または極性表面積は、一連のNHE結合小分子を互いに連結させて、それらを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にすることによって修飾される(例えば、増加する)。これらの実施形態またはさらに追加の代替の実施形態では、多価化合物は、二量体、オリゴマー、またはポリマー形態であってもよく、例えば、Zまたはコアは、複数のNHE結合小分子に(例えば、リンカーによって)結合している主鎖である。そのような化合物は、例えば、式(XIIA)または(XIIB)の構造を有してもよく、
Figure 2022533251000071

式中、Lは、連結部分であり、NHEは、NHE結合小分子であり、各NHEは、上記および以下にさらに詳細に記載されるとおりであり、nは、非ゼロ整数(すなわち、1以上の整数)である。
コア部分は、NHE結合小分子が、結合またはリンカーLを介して結合、好ましくは共有結合している1つ以上の付着部位を有する。コア部分は、一般的に、化合物全体を実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能になることを可能にする働きをするものすべて(例えば、原子、小分子など)であり得るが、1つ以上の好ましい実施形態では、オリゴマー、デンドリマー、またはポリマー部分であり、各場合において、L(およびしたがって、NHE結合小分子)への2つ以上の付着部位を有する場合。コアおよびNHE結合小分子の組み合わせ(すなわち、NHE-Z分子)は、化合物全体が実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能になることを可能にする物理化学的特性を有し得る。
この点に関して、式(XIIA)および(XIIB)の反復単位は概して、任意に本明細書で参照される方法によって生成され得る、様々なポリマーの実施形態の反復単位を包含することに留意されたい。各ポリマー、またはより一般的な多価の実施形態では、各反復単位は、同じであり得るかまたは異なり得、リンカー(存在する場合、同じであり得るかまたは異なり得る)によってNHE結合小分子に連結していてもよく、またはしていなくてもよいことに留意されたい。この点に関して、本明細書で使用される場合、「多価」は、その中に複数の(例えば、2、4、6、8、10、またはそれ以上の)NHE結合部分を有する分子を指すことに留意されたい。
上述の実施形態は、本明細書で以下にさらに例示される。例えば、式(X)の構造に対応する化合物の様々な部分が特定される、例示的なオリゴマー化合物の以下の第1の表現は、本明細書に提供される開示の広範な文脈を提供することを意図している。以下の構造中の各「NHE」部分(すなわち、NHE小分子)は、同じであるが、各々が独立して選択され、同じであり得るかまたは異なり得ることが本開示の範囲内であることに留意されたい。以下の例示では、リンカー部分は、ポリエチレングリコール(PEG)モチーフである。PEG誘導体は、部分的には、疎水性崩壊(疎水性分子が水性環境に曝露されたときに発生し得る疎水性モチーフの分子内相互作用)を回避するのに役立ち得るそれらの水溶解度により、有利である(例えば、Wiley,R.A.;Rich,D.H.Medical Research Reviews 1993,13(3),327-384を参照されたい)。以下に例示されるコア部分もまた、それがコア-(L-NHE)分子にある程度の剛性を提供し、NHE結合化合物間の距離の増加を可能にしながら、回転自由度を最小限に増加させるため、有利である。
Figure 2022533251000072
代替の実施形態(例えば、式(XI)、式中、m=0)では、構造は、例えば、以下であってもよい。
Figure 2022533251000073
本開示による治療のために利用される多価NHE3阻害剤化合物内で、nおよびm(mがゼロではない場合)は、独立して、約1~約10、より好ましくは約1~約5、さらにより好ましくは約1~約2の範囲から選択されてもよい。しかしながら、代替の実施形態では、nおよびmは独立して、約1~約500、好ましくは約1~約300、より好ましくは約1~約100、最も好ましくは約1~約50の範囲から選択されてもよい。これらまたは他の特定の実施形態では、nおよびmは両方とも、約1~約50または約1~約20の範囲内であってもよい。
上述の構造は、NHE結合小分子の分子量を増加させることによって、吸収が制限される(すなわち、化合物が、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にされる)、投与のために利用される化合物の一実施形態の例示である。代替のアプローチでは、本明細書の他の箇所に記述されるように、NHE結合小分子は、以下の構造によってさらに例示されるように、トポロジカル極性表面積を変化させ、より具体的には増加させることによって、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にされ得、ここで、置換芳香環は、NHE結合小分子の「骨格」に結合している。ホスホン酸塩、スルホン酸塩、グアニジンなどのイオン化可能な基の選択は、傍細胞透過性の防止に特に有利であり得る。炭水化物も有利であり、電荷を持たないが、tPSAを著しく増加させながら、分子量を最小限に増加させる。
Figure 2022533251000074
本明細書に例示される様々な実施形態のうちの1つ以上において、使用に適した(すなわち、実質的に生体利用可能な化合物としての使用に適し、それらを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にするための修飾または官能基化に適した)NHE結合小分子は、特に、上記の、および以下にさらに詳細に考察されるような、ベンゾイルグアンジン(benzoylguandine)、ヘテロアロイルグアンジン(heteroaroylguandine)、「スペーサー伸長」アロイルグアンジン(aroylguandine)、非アシルグアニジン、およびアシルグアニジン等価体として記載される小分子、ならびに/または例えば、US5866610、US6399824、US6911453、US6703405、US6005010、US6887870、US6737423、US7326705、US 55824691(WO94/026709)、US6399824(WO02/024637)、US 2004/0339001(WO02/020496)、US 2005/0020612(WO03/055490)、WO01/072742、CA 2387529(WO01/021582)、CA 02241531(WO97/024113)、US 2005/0113396(WO03/051866)、US2005/0020612、US2005/0054705、US2008/0194621、US2007/0225323、US2004/0039001、US2004/0224965、US2005/0113396、US2007/0135383、US2007/0135385、US2005/0244367、US2007/0270414、およびCA 2177007(EP0744397)(それらの内容全体は、すべての関連する、および一貫した目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)に詳述される小分子のうちの1つ以上から独立して選択され得る。この場合もやはり、NHE結合小分子が独立して選択されると言われる場合、例えば、上記の式(X)および(XI)に表されるオリゴマー構造は、同じオリゴマーまたはポリマー内にNHE小分子の異なる構造を含み得ることが意図されることに留意されたい。言い換えれば、所与の多価の実施形態内の各「NHE」は、独立して、同じ多価の実施形態内の他の「NHE」部分と同じであり得るかまたは異なり得る。
グアニル酸ビクラーゼC受容体(GC-C)アゴニスト
いくつかの実施形態では、GC-Cアゴニストは、ペプチド、任意に細菌熱安定エンテロトキシン、グアニリン、プログアニリン、ウログアニリン、プロウログアニリン、リンホグアニリン、または前述のいずれかのバリアントもしくは類似体である。一実施形態では、GC-Cアゴニストは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2015/021358に開示されている。
いくつかの実施形態では、GC-Cアゴニストペプチドは、アミノ酸配列(I):Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Cys Cys Xaa Xaa Cys10 Cys11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Cys15 Xaa16 Xaa17 Cys18 Xaa19 Xaa20 Xaa21(配列番号___)を含み、Xaa Xaa Xaa Xaa Xaaは、Asn Ser Ser Asn Tyr(配列番号____)であるか、もしくは欠けているか、またはXaa Xaa Xaa Xaaは、欠けている。
特定の実施形態では、Xaaは、Asn、Trp、Tyr、Asp、またはPheである。
特定の実施形態では、Xaaは、ThrまたはIleである。
特定の実施形態では、Xaaは、Tyr、Asp、またはTrpである。
特定の実施形態では、Xaaは、Glu、Asp、Gln、Gly、またはProである。
特定の実施形態では、Xaaは、Leu、Ile、Val、Ala、Lys、Arg、Trp、Tyr、またはPheである。
特定の実施形態では、Xaaは、Leu、Ile、Val、Lys、Arg、Trp、Tyr、またはPheである。
特定の実施形態では、Xaa12は、Asn、Tyr、Asp、またはAlaである。
特定の実施形態では、Xaa13は、Ala、Pro、またはGlyである。
特定の実施形態では、Xaa14は、Ala、Leu、Ser、Gly、Val、Glu、Gln、Ile、Leu、Lys、Arg、またはAspである。
特定の実施形態では、Xaa16は、Thr、Ala、Asn、Lys、Arg、またはTrpである。
特定の実施形態では、Xaa17は、Gly、Pro、またはAlaである。
特定の実施形態では、Xaa19は、Trp、Tyr、Phe、Asn、またはLeuである。
特定の実施形態では、Xaa19は、LysまたはArgである。
特定の実施形態では、Xaa20 Xaa21は、AspPheであるか、またはXaa20は、AsnまたはGluであり、Xaa21は、欠けている。特定の実施形態では、Xaa19 Xaa20 Xaa21は、欠けている。
特定の実施形態では、GC-Cアゴニストペプチドは、アミノ酸配列:Asn Ser Ser Asn Tyr Cys Cys Glu Tyr Cys Cys Asn Pro Ala Cys Thr Gly Cys Tyr(配列番号___)、または1、2、3、4、もしくは5つの欠失、挿入、および/もしくは置換を有するそのバリアントを含む。特定の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列:Cys Cys Glu Tyr Cys Cys Asn Pro Ala Cys Thr Gly Cys Tyr(配列番号___)、または1、2、3、4、もしくは5つの欠失、挿入、および/もしくは置換を有するそのバリアントを含む。
特定の実施形態では、GC-Cアゴニストペプチドは、アミノ酸配列(III):Xaa XaaXaa Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa10 Xaa11 Cys12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16(配列番号___)を含み、Xaaは、Ser、Asn、Tyr、Ala、Gln、Pro、Lys、Gly、もしくはThrであるか、または欠けており、Xaaは、His、Asp、Glu、Ala、Ser、Asn、Glyであるか、または欠けており、Xaaは、Thr、Asp、Ser、Glu、Pro、Val、またはLeuであり、Xaaは、Asp、IleまたはGluであり、Xaaは、Ile、Trp、またはLeuであり、Xaaは、Cys、Ser、またはTyrであり、Xaaは、Ala、Val、Thr、Ile、Metであるか、または欠けており、Xaaは、Phe、Tyr、Asn、またはTrpであり、Xaa10は、Ala、Val、Met、Thr、またはIleであり、Xaa11は、AlaまたはValであり、Xaa13は、ThrまたはAlaであり、Xaa14は、Gly、Ala、またはSerであり、Xaa15は、Cys、Tyrであるか、または欠けており、Xaa16は、His、Leu、またはSerである。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列:Asn Asp Glu Cys Glu Leu Cys Val Asn Val Ala Cys Thr Gly Cys Leu(配列番号___)、または1、2、3、4、もしくは5つの欠失、挿入、および/もしくは置換を有するそのバリアントを含む。特定の実施形態では、GC-Cアゴニストは、リナクロチドである。特定の実施形態では、GC-Cアゴニストは、プレカナチドである。
GC-Cアゴニストペプチドの追加の例は、例えば、米国特許第7,041,786号、同第7,304,036号、同第7,371,727号、同第7,494,979号、同第7,704,947号、同第7,799,897号、同第7,745,409号、同第7,772,188号、同第7,879,802号、同第7,910,546号、同第8,034,782号、同第8,080,526号、同第8,101,579号、同第8,114,831号、同第8,110,553号、同第8,357,775号、および同第8,367,800号、米国出願第2013/0096071号、同第2013/0190238号、同第2012/0040892号、同第2012/0040025号、同第2012/0213846号、同第2012/0289460号、同第2011/0118184号、同第2010/0152118号、同第2010/0048489号、同第2010/0120694号、同第2010/0261877号、同第2009/0253634号、同第2009/0192083号、同第2009/0305993号、ならびにPCT公開第WO2006/086653号および同第WO2002/098912号に記載され、それらの各々は、参照化合物によりその全体が組み込まれる。
P2Yアゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、P2Yアゴニストである。一実施形態では、P2Yアゴニストは、参照により本明細書に組み込まれるWO2015/021358の図4または図5A~5Cに開示される化合物から選択される。
A2b受容体アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、A2b受容体アゴニストである。特定の実施形態では、アデノシンA2b受容体アゴニストは、WO2015/021358の図6A~6Cの化合物から選択される。
可溶性グアニル酸シクラーゼアゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼアゴニストである。いくつかの実施形態では、可溶性グアニル酸シクラーゼアゴニストは、WO2015/021358に開示される図9A~9Lの化合物から選択される。sGCアゴニストの非限定的な例としては、Bay 41-2271、Bay 58-2667、および図9A~9Lに示される化合物が挙げられる。例示的なsGCアゴニストの追加の構造は、その合成方法とともに、米国特許第7,087,644号およびPCT公開第WO 2013/101830号に開示されており、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
アデニル酸シクラーゼ受容体アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、アデニル酸シクラーゼ受容体アゴニストである。特定の実施形態では、アデニル酸シクラーゼ受容体アゴニストは、図10の化合物から選択される。いくつかの実施形態では、イミダゾリン-1受容体アゴニストは、モキソニジンおよびWO2015/021358の図11の化合物から選択される。
フォルスコリンなどのアデニル酸シクラーゼアゴニストは、任意にCFTRのシグナル伝達を介して、(胃の重炭酸塩分泌を増加させることなく)cAMP媒介性の十二指腸の重炭酸塩分泌を増加させることが示されている。例えば、Takeuchi et al.,Am.J.Physiol.272(3 Pt 1):G646-53,1997を参照されたい。したがって、特定の態様では、アデニル酸シクラーゼアゴニストは、小腸への重炭酸塩分泌を刺激することによって、胃腸管内のリン酸塩取り込みを阻害または低減する。
特定の実施形態では、化合物は、アデニル酸シクラーゼIII(AC-III)のアゴニストであり、任意に、AC-IIIアイソフォームADCY1、ADCY2、ADCY3、ADCY4、ADCY5、ADCY6、ADCY7、ADCY8、ADCY9、および/またはADCY10のうちの1つ以上のアゴニストである。
アデニル酸シクラーゼアゴニストの特定の例としては、例えば、フォルスコリンなどのラブダンジテルペンおよびその類似体/誘導体が挙げられ、例えば、コルホルシン(NKH477)などの水溶性フォルスコリン類似体が含まれる。フォルスコリンは、tmAC IX(哺乳類sACは、フォルスコリンに感受性がない)を除いて、すべての哺乳類tmACを活性化する植物から単離されたジテルペン化合物である。例えば、Kamenetsky et al.,J.Mol.Biol.362:623-639,2006を参照されたい。フォルスコリン刺激は、強力かつ長期にわたるcAMP変化をもたらすことができる。例えば、Tresguerres et al.,Kidney Int.79:1277-1288,2011を参照されたい。フォルスコリンおよびいくつかのフォルスコリン類似体の構造が、図10に示される。フォルスコリンの水溶性誘導体としては、極性脂肪族アミンでC-6またはC-7においてアシル化されたものが挙げられる。これらの誘導体は、典型的には、標的外活性がより少ないACに対してより選択的である。例えば、Hartzell and Budnitz,Molecular Pharmacology 41:880-888,1992を参照されたい。したがって、特定の態様は、胃腸管の内側を覆う細胞においてアデニル酸シクラーゼを選択的に活性化する可溶性フォルスコリン類似体の使用を含む。
フォルスコリン類似体/誘導体の特定の例としては、フォルスコリンの1-アミノアルキルカルバメート、9-アミノアルキルカルバメート、7-アミノアルキルカルバメート、6-アミノアルキカルバメート、6,7-ジアミノアルキルカルバメート、1,6-ジアミノアルキルカルバメート、1,7-ジアミノアルキルカルバメート、および1,6,7-トリアミノアルキルカルバメートを含む、フォルスコリンのアミノアルキルカルバミル誘導体が挙げられ、それらは、フォルスコリン誘導体の合成で中間体として使用され得る。米国特許第5,350,864号を参照されたい。フォルスコリン類似体/誘導体のさらなる例としては、12-クロロデスアセチルフォルスコリン、12-クロロフォルスコリン、12-ブロモデスアセチルフォルスコリン、12-ブロモデスアセチルフォルスコリン、12-フルオロデスアセチルフォルスコリン、および12-フルオロフォルスコリンを含む、12-ハロゲン化フォルスコリン誘導体が挙げられる。米国特許第4,871,764号を参照されたい。
いくつかの実施形態では、フォルスコリン類似体/誘導体は、6-アセチル-7-デアセチル-フォルスコリン、7-デアセチル-フォルスコリン、7-デアセチル-6-(N-アセチルグリシル)-フォルスコリン、7-デアセチル-7-β-ヘミスクニル(hemisuccunyl)-フォルスコリン、7-デアセチル-7-(O-N-メチルピペラジノ)-γ-ブトリル-ジヒドロクロンデ(dihydrochlonde)-フォルスコリン、7-HPP-フォルスコリン、6-HPP-フォルスコリン、またはコルホルシンダロパート塩酸塩(NKH477)である。例えば、米国出願第2011/0171195号、同第2006/0004090号、および同第2011/0077292号、Laurenza et al.,Mol Pharmacol.32:133-9,1987、Lal et al.,Bioorg Med Chem.6:2075-83,1998、Mori et al.,J.Cardiovasc.Pharmacol.24:310-6,2004を参照されたい。フォルスコリン類似体を合成する例示的な方法について、Levin,Tetrahedon Letters.37:3079-3082,1996、ならびに水溶性フォルスコリン類似体の追加の例およびそれを合成する方法について、Lal et al.,Indian J.Chemistry.45B:232-246,2006も参照されたい。例示的なアデニル酸シクラーゼアゴニストの追加の構造は、その合成方法とともに、米国特許第4,954,642号およびKhandelwal et al.,J Med Chem.31:1872-9,1988に開示されている。アゴニストによって刺激されたアデニル酸シクラーゼ活性を検出する例示的な方法/アッセイについて、Cunliffe et al.,Electrophoresis.28:1913-20,2007も参照されたい。これらの参照は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
コリン作動性アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、コリン作動性アゴニストである。特定の実施形態では、コリン作動性アゴニストは、WO2015/021358の図12の化合物から選択される。間接作用型コリン作動性アゴニストの非限定的な例としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、カルバメート(例えば、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、ピリドスチグミン)、ピペリジン(例えば、ドネピジル)、エドロホニウム、フペルジンA、ラドスチギル、ウンゲレミン、ラクチュコピクリン、タクリン、ガランタミン、トランス-デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール、およびリン酸塩(例えば、イソフルロフェート、エコチオフェート、パラチオン、マラチオン)が挙げられる。好ましくは、本明細書に提供される方法は、可逆的なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を用いる。
直接作用型コリン作動性アゴニストの非限定的な例としては、アセチルコリン、ニコチン、スクシニルコリン、メタコリン(アセチル-β-メチルコリン)、McN-A-343、カルバコール(カルバモイルコリン)、ベタネコール(カルバモイル-β-メチリコリン(methlycholine))、ムスカリン、ピロカルピン、オキソトレモリン、ロベリン、およびジメチルフェニルピペラジニウムが挙げられる。
プロスタグランジンEP4受容体アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、プロスタグランジンEP4受容体アゴニストである。特定の実施形態では、プロスタグランジンEP4受容体アゴニストは、PGEまたはその類似体/誘導体、ならびにWO2015/021358の図7または図13の化合物から選択される。プロスタグランジンEP4受容体アゴニストの非限定的な例としては、PGE、PGE類似体、AE1-329、AGN205203、APS-999 Na、Cay10598(19a)、CP-044519-02、CJ-023,423、EP4RAG、ER-819762、L-902688、ルビプロストン、ONO-4819CD、ONO AE1-329、ONO AE1-734、PGE-OH、TCS2510、γ-ラクタムPGE類似体3、11-デオキシ-PGE、γ-ラクタムPGE類似体2a、γ-ラクタムPGE類似体4が挙げられる。例えば、Konya et al.,Pharmacol Ther.138:485-502,2013を参照されたい。PGE類似体の非限定的な例としては、16,16-ジメチルPGE、16-16ジメチルPGE、p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、11-デオキシ-16,16-ジメチルPGE、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE、9-デオキシ-9-メチレンPGE、9-ケトフルプロステノール、5-トランスPGE、17-フェニル-オメガ-トリノールPGE、PGEセリノールアミド、PGEメチルエステル、16-フェニルテトラノールPGE、15(S)-15-メチルPGE、15(R)-15-メチルPGE、8-イソ-15-ケトPGE、8-イソPGEイソプロピルエステル、20-ヒドロキシPGE、11-デオキシPGEi、ノクロプロスト、スルプロストン、ブタプロスト、15-ケトPGE2、および19(R)ヒドロキシPGE2(hydroxyyPGE2)が挙げられる。例えば、米国出願第2012/0202288号を参照されたい。
プロスタグランジンEP4受容体アゴニストのさらなる例としては、米国出願第2001/0056060号、同第2002/0040149号、同第2005/0164949号、および同第2011/0098481号に記載されるものが挙げられる。また、米国特許第4,219,479号、同第4,049,582号、同第4,423,067号、同第4,474,802号、同第4,692,464号、同第4,708,963号、同第5,010,065号、同第5,013,758号、同第6,747,037号、および同第7,776,896号、欧州特許第EP0084856号、カナダ特許第1248525号、米国出願第2004/0102499号、同第2005/049227号、同第2005/228185号、同第2006/106088号、同第2006/111430号、同第2007/0010495号、同第2007/0123568号、同第2007/0123569号、同第2005/0020686号、同第2008/0234337号、同第2010/0010222号、同第2010/0216689号、同第2004/0198701号、同第2004/0204590号、同第2005/0227969号、同第2005/0239872号、同第2006/0154899号、同第2006/0167081号、同第2006/0258726号、同第2006/0270721号、同第2009/0105234号、同第2009/0105321号、同第2009/0247596号、同第2009/0258918号、同第2009/0270395号、同第2004/0087624号、同第2004/0102508号、同第2006/0252799号、同第2009/0030061号、同第2009/0170931号、同第2010/0022650号、同第2009/0312388号、同第2009/0318523号、同第2010/0069457号、同第2010/0076048号、同第2007/0066618号、同第2004/0259921号、同第2005/0065133号、および同第2007/0191319号、ならびにPCT公開第WO 2004/4071428号、同第WO 2006/052630号、同第WO 2006/047476号、同第WO 2006/058080号、同第WO 2004/065365号、同第WO 2003/047513号、同第WO 2004/085421号、同第WO 2004/085430号、同第WO 2005/116010号、同第WO 2005/116010号、同第WO 2007/014454号、同第WO 2006/080323号、および同第WO 2006/137472号(それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるプロスタグランジンEP4受容体アゴニストも、(関連する合成方法とともに)含まれる。
ドーパミンD1アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、ドーパミンD1アゴニストである。特定の実施形態では、ドーパミンD1アゴニストは、WO2015/021358の図14の化合物から選択される。ドーパミンD1受容体アゴニストの非限定的な例としては、ドーパミン(例えば、ドーパミン塩酸塩、NPECでケージ化されたドーパミン)、ジヒドレキシジン(例えば、ジヒドレキシジン塩酸塩)、ベンザゼパイン(benzazepaine)、およびそれらの類似体/誘導体が挙げられる。ジヒドレキシジン誘導体の具体的な例としては、A86929、ジナプソリン、ジノキシリン、およびドキサントリンが挙げられ、ベンザゼピン誘導体の具体的な例としては、SKF81297、SKF82958、SKF38393、フェノルドパム、および6-Br-APBが挙げられる。また、図14に示されるドーパミンD1受容体アゴニストも含まれる。
ドーパミンD1受容体アゴニストの追加の非限定的な例としては、A68930、A77636、(R)-(-)-アポモルフィン塩酸塩、CY208-243、SKF89145、SKF89626、7,8-ジヒドロキシ-5-フェニル-オクタヒドロベンゾ[h]イソキノリン、YM435、ABT-431、NNC01-0012、SCH23390、SKF7734、SKF81297、SKF38322、SKF83959、カベルゴリン、フェノルドパム(例えば、フェノルダパム塩酸塩(fenoldapam hydrochloride))、ブロモクリプチン、ロピニロール、プラミペキソール、エンタカポン、トルカポン、ジヘキサジン、IPX-750、および ペルゴリドが挙げられる。Zhang et al.,Med Res Rev.29:272-94,2009、Yvonne Connolly Martin,International Journal of Medicinal Chemistry,vol.2011、Article ID 424535,8 pages,2011.doi:10.1155/2011/424535、Salmi et al.,CNS Drug Rev.10:230-42,2004、Bourne,CNS Drug Rev.7:399-414,2001も参照されたい。さらに、D1受容体アゴニストは、当該技術分野で既知の標準的なスクリーニング方法を使用して特定され得る。非限定的な例として、ドーパミンD1受容体アゴニストのためのハイスループット薬物スクリーニングのための細胞ベースの機能アッセイが、Jiang et al.,Acta Pharmacol Sin.26:1181-6,2005に記載されている。これらの参照は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
メラトニン受容体アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、メラトニン受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、メラトニン受容体アゴニストは、メラトニンおよびWO2015/021358の図15の化合物から選択される。メラトニン受容体の例としては、MT1およびMT2受容体が挙げられる。いくつかの態様では、メラトニン受容体アゴニストは、MT1およびMT2受容体の両方に結合する。いくつかの実施形態では、メラトニン受容体アゴニストは、MT1またはMT2受容体に選択的に結合し、例えば、MT2に結合するがMT1には有意ではないか、またはMT1に結合するがMT2には有意ではない。
メラトニンなどのメラトニン受容体アゴニストは、例えば、腸細胞MT2受容体での作用を介して、十二指腸の重炭酸塩分泌を刺激することが示されている。例えば、Sjoblom et al.,J Clin Invest.108:625-33,2001、Sjoblom and Flemstrom,J.Pineal Res.34:288-293,2003を参照されたい。したがって、特定の態様では、メラトニン受容体アゴニストは、小腸への重炭酸塩分泌を刺激することによって、胃腸管内のリン酸塩取り込みを阻害または低減する。
メラトニン受容体アゴニストの例としては、メラトニン受容体に結合し、それを活性化する、メラトニン(N-アセチル-5-メトキシトリプタミン)およびメラトニン類似体が挙げられる。メラトニンの一般構造は、5位にメトキシ基(5-メトキシ基)を有するインドール環と、3位にアシルアミノエチル側鎖とを含み、2つの側鎖は、メラトニン受容体への結合およびその活性化に寄与する。インドール環は、置換の影響によってすべての位置で評価されている。例えば、Rivara et al.,Curr Top Med Chem.8:954-68,2008、およびSugen et al.,Pigment Cell Research.17:454-460,2004を参照されたい。
メラトニン受容体アゴニストの特定の例としては、2-イオドメラトニン、6-クロロメラトニン、6,7-ジクロロ-2-メチルメラトニン、および8-ヒドロキシメラトニンが挙げられ、それらのすべてが、サーカディン、アゴメラチン、ラメルテオン、タシメルテオン、ベータ-メチル-6-クロロメラトニン(TIK-301またはLY156735)、TAK-375、VEC-162、GR196429、S20242、S23478、S24268、S25150、GW290569、BMS-214778、8-メトキシ-2-クロロアセトアミドテトラリン、8-メトキシ-2-プロピオンアミド-テトラリン、N-アセチルトリプタミン、6-クロロメラトニン、2-ヨードメラトニン、8-M-PDOT、および2-フェニルメラトニンに加えて、部分として5-メトキシインドール環を含有する。例えば、米国出願第2005/0164987号(参照によりその全体が組み込まれる)を参照されたい。また、図15に示される例示的なメラトニン受容体(MT2)アゴニストも含まれる。
メラトニン受容体アゴニストのためのスクリーニング方法は、例えば、米国出願第2003/0044909号(参照によりその全体が組み込まれる)に記載されている。
5HT4アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、5HT4アゴニストである。いくつかの実施形態では、5HT4アゴニストは、セロトニンおよびその類似体、プルカロプリド、メトクロプラミド、クレオボプリド(cleobopride)、モサプリド、プルカロプリド、レンザプリド、テガセロド、ザコプリド、ノルシサプリド、ナロノプリド、ならびにベルセトラグから選択される。5HT4アゴニストの非限定的な例としては、セロトニンおよびその類似体、BIMU-8、シサプリド、クレオボプリド(cleobopride)、CL033466、ML10302、モサプリド、プルカロプリド、レンザプリド、RS67506、RS67333、SL650155、テガセロド、ザコプリド、ナロノプリド(ATI-7505)、ベルセトラグ(TD-5108)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、5HT4受容体アゴニストまたは部分アゴニストは、シサプリドなどの置換ベンズアミドであり、シサプリドエナンチオマー((+)シサプリドおよび(-)シサプリド)、モサプリド、またはレンザプリドの個々または組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、5HT4受容体アゴニストは、プルカロプリド、テガセロドなどのインドール、またはベンズイミダゾロンなどのベンゾフラン誘導体である。5HT4受容体アゴニストまたは部分アゴニストの他の非限定的な例としては、Buchheit et al.J Med.Chem.38:2331-8,1995に記載されている、ザコプリド(CAS RN 90182-92-6)、SC-53116(CAS RN 141196-99-8)およびそのラセミ体SC-49518(CAS RN 146388-57-0)、BIMU1(CAS RN 127595-43-1)、TS-951(CAS RN 174486-39-6)、ML10302(CAS RN 148868-55-7)、メトクロプラミド、5-メトキシトリプタミン、RS67506、2-[1-(4-ピペロニル)ピペラジニル]ベンゾチアゾール、RS66331、BIMU8、SB 205149(レンザプリドのn-ブチル四級類似体)、およびインドールカルバジミドアミドが挙げられる。また、シサプリドの代謝産物であるノルシサプリド(CAS RN 102671-04-5);モサプリドクエン酸塩;テガセロドのマレイン酸塩形態(CAS RN 189188-57-6);ザコプリド塩酸塩(CAS RN 99617-34-2);メザコプリド(CAS RN 89613-77-4);SK-951((+-)-4-アミノ-N-(2-(1-アザビシクロ(3.3.0)オクタン-5-イル)エチル)-5-クロロ-2,3-ジヒドロ-2-メチルベンゾ[b]フラン-7-カルボキサミドヘミフマル酸塩);ATI-7505、シサプリド類似体;SDZ-216-454、濃度依存的にcAMP形成を刺激する選択的な5HT4受容体アゴニスト(例えば、Markstein et al.,Naunyn-Schmiedebergs Arch Pharmacol.359:454-9,1999を参照されたい);SC-54750、またはアミノメチルアザアダマンタン;Y-36912、または4-アミノ-N-[1-[3-(ベンジルスルホニル)プロピル]ピペリジン-4-イルメチル]-5-クロロ-2-メトキシベンズアミド(Sonda et al.,Bioorg Med.Chem.12:2737-47,2004);TKS159、または4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-N-[(2S,4S)-1-エチル-2-ヒドロキシメチル-4-ピロリジニル]ベンズアミド;RS67333、または1-(4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-(1-n-ブチル-4-ピペリジニル)-1-プロパノン;KDR-5169、または4-アミノ-5-クロロ-N-[1-(3-フルオロ-4-メトキシベンジル)ピペリジン-4-イル]-2-(2-ヒド-ロキシエトキシ)ベンズアミド塩酸塩二水和物(Tazawa,et al.,Eur J Pharmacol.434:169-76,2002を参照されたい);SL65.0155、または5-(8-アミノ-7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-5-イル)-3-[1-(2-フェニルエチル)-4-ピペリジニル]-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オンモノ塩酸塩;ならびにY-34959、または4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-N-[1-[5-(1-メチルインドール-3-イルカルボニルアミノ)ペンチル]ピペリジン-4-イルメチル]ベンズアミドも含まれる。
5HT4受容体アゴニストおよび部分アゴニストの追加の例、メトクロプラミド(CAS RN 364-62-5)、5-メトキシトリプタミン(CAS RN 608-07-1)、RS67506(CAS RN 168986-61-6)、2-[1-(4-ピペロニル)ピペラジン]ベンゾチアゾール(CAS RN 155106-73-3)、RS66331(Buccafusco et al.,Pharmacology.295:438-446,2000を参照されたい);BIMU8(エンド-N-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,3-デヒドロ-2-オキソ-3-(プロプ-2-イル)-1H-ベンズイミ-ダゾール-1-カルボキサミド)、またはSB 205149(レンザプリドのn-ブチル四級類似体)。また、メトクロプラミド二塩酸塩(CAS RN 2576-84-3)、メトクロプラミド二塩酸塩(CAS RN 5581-45-3)、およびメトクロプラミド塩酸塩(CAS RN 7232-21-5または54143-57-6)などのメトクロプラミドに関連する化合物も含まれる。例えば、米国出願第2009/0325949号、De Maeyer et al.,Neurogastroenterology and Motility.20:99-112,2008、Manabe et al.,Expert Opin Investig Drugs.19:765-75,2010、Tack et al.,Alimentary Pharmacology&Ther.35:745-767,2012を参照されたい。これらの参照は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体アゴニスト
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体アゴニストは、Ser Leu Arg Arg Ser Ser Cys Phe Gly Gly Arg Ile Asp Arg Ile Gly Ala Gln Ser Gly Leu Gly Cys Asn Ser Phe Arg Tyr(配列番号__)、Cys Phe Gly Gly Arg Ile Asp Arg Ile Gly Ala Gln Ser Gly Leu Gly Cys(配列番号__)、およびSer Ser Cys Phe Gly Gly Arg Ile Asp Arg Ile Gly Ala Gln Ser Gly Leu Gly Cys Asn Ser Phe Arg(配列番号___)(1、2、3、4、または5つの欠失、挿入、および/または置換を有するそれらのバリアントを含む)から選択されるアミノ酸を含むか、またはそれからなる。ある特定の実施形態では、NP受容体アゴニストは、心房性ナトリウム利尿ペプチドアミノ酸配列:Ser Leu Arg Arg Ser Ser Cys Phe Gly Gly Arg Ile Asp Arg Ile Gly Ala Gln Ser Gly Leu Gly Cys Asn Ser Phe Arg Tyr(配列番号__)(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の欠失、挿入、および/または置換を有するそれらの活性バリアントを含む)を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。欠失変異体の具体的な例としては、配列:Cys Phe Gly Gly Arg Ile Asp Arg Ile Gly Ala Gln Ser Gly Leu Gly Cys(配列番号__)、およびSer Ser Cys Phe Gly Gly Arg Ile Asp Arg Ile Gly Ala Gln Ser Gly Leu Gly Cys Asn Ser Phe Arg(配列番号___)を有するものが挙げられる。本明細書の他の箇所に記載されるように、そのようなペプチドは、天然アミノ酸および非天然アミノ酸の任意の組み合わせから構成され得る。
脱水酵素阻害剤
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、脱水酵素阻害剤である。特定の実施形態では、炭酸脱水酵素阻害剤は、WO2015/021358の図17の化合物から選択される。
ホスホジエステラーゼ阻害剤
特定の実施形態では、上皮リン酸塩輸送阻害剤は、ホスホジエステラーゼ阻害剤である。特定の実施形態では、ホスホジエステラーゼ阻害剤は、WO2015/021358の図18の化合物から選択される。いくつかの実施形態では、DRAアゴニストは、WO2015/021358の図21A~Bから選択される。非限定的な例のPDE阻害剤は、次の特許出願および特許に開示されたものを含み得る:DE1470341、DE2108438、DE2123328、DE2305339、DE2305575、DE2315801、DE2402908、DE2413935、DE2451417、DE2459090、DE2646469、DE2727481、DE2825048、DE2837161、DE2845220、DE2847621、DE2934747、DE3021792、DE3038166、DE3044568、DE3142982、DE1116676、DE2162096、EP000718、EP0008408、EP0010759、EP0059948、EP0075436、EP0096517、EP0112987、EP0116948、EP0150937、EP0158380、EP0161632、EP0161918、EP0167121、EP0199127、EP0220044、EP0247725、EP0258191、EP0272910、EP0272914、EP0294647、EP0300726、EP0335386、EP0357788、EP0389282、EP0406958、EP0426180、EP0428302、EP0435811、EP0470805、EP0482208、EP0490823、EP0506194、EP0511865、EP0527117、EP0626939、EP0664289、EP0671389、EP0685474、EP0685475、EP0685479、EP0293063、EP0463756、EP0482208、EP0579496、EP0667345、EP0163965、EP0393500、EP0510562、EP0553174、JP92234389、JP94329652、JP95010875、米国特許 第4,963,561号、同第5,141,931号、および同第6,331,543号、国際特許出願公開第WO9117991号、同第WO9200968号、同第WO9212961号、同第WO9307146号、同第WO9315044号、同第WO9315045号、同第WO9318024号、同第WO9319068号、同第WO9319720号、同第WO9319747号、同第WO9319749号、同第WO9319751号、同第WO9325517号、同第WO9402465号、同第WO9406423号、同第WO9412461号、同第WO9420455号、同第WO9422852号、同第WO9425437号、同第WO9427947号、同第WO9500516号、同第WO9501980号、同第WO9503794号、同第WO9504045号、同第WO9504046号、同第WO9505386号、同第WO9508534号、同第WO9509623号、同第WO9509624号、同第WO9509627号、同第WO9509836号、同第WO9514667号、同第WO9514680号、同第WO9514681号、同第WO9517392号、同第WO9517399号、同第WO9519362号、同第WO9522520号、同第WO9524381号、同第WO9527692号、同第WO9528926号、同第WO9535281号、同第WO9535282号、同第WO9600218号、同第WO9601825号、同第WO9602541号、同第WO9611917号、同第WO9307124号、同第WO9501338号、および同第WO9603399号、ならびに米国出願第2005/0004222号(式I-XIII、ならびに段落37~39、85~0545、および557~577に開示されたものを含む)(それら各々は、参照によりその全体が組み込まれる)。
PDE5阻害剤の例としては、RX-RA-69、SCH-51866、KT-734、ベスナリノン、ザプリナスト、SKF-96231、ER-21355、BF/GP-385、NM-702、およびシルデナフィル(Viagra(登録商標))が挙げられる。PDE4阻害剤の例としては、RO-20-1724、MEM1414(R1533/R1500、Pharmacia Roche)、デンブフィリン、ロリプラム、オキサグレラート、ニトラクアゾン、Y-590、DH-6471、SKF-94120、モタピゾン、リキサジノン、インドリダン、オルプリノン、アチゾラム、KS-506-G、ジパムフィリン、BMY-43351、アチゾラム、アロフィリン、フィラミナスト、PDB-093、UCB-29646、CDP-840、SKF-107806、ピクラミラスト、RS-17597、RS-25344-000、SB-207499、チベネラスト、SB-210667、SB-211572、SB-211600、SB-212066、SB-212179、GW-3600、CDP-840、モピダモール、アナグレリド、イブジラスト、アムリノン、ピモベンダン、シロスタゾール、クアジノン、およびN-(3,5-ジクロロピリド-4-イル)-3-シクロプロピルメトキシ4-ジフルオロメトキシベンズアミドが挙げられる。PDE3阻害剤の例としては、スルマゾール、アンピゾン、シロスタミド、カルバゼラン、ピロキシモン、イマゾダン、CI-930、シグアゾダン、アジベンダン、サテリノン、SKF-95654、SDZ-MKS-492、349-U-85、エモラダン、EMD-53998、EMD-57033、NSP-306、NSP-307、レビジノン、NM-702、WIN-62582およびWIN-63291、エノキシモン、ならびにミルリノンが挙げられる。PDE3/4阻害剤の例としては、ベナフェントリン、トレキンシン、ORG-30029、ザルダベリン、L-686398、SDZ-ISQ-844、ORG-20241、EMD-54622、およびトラフェントリンが挙げられる。PDE阻害剤の他の例としては、シロミラスト、ペントキシフィリン、ロフルミラスト、タダラフィル(Cialis(登録商標))、テオフィリン、バルデナフィル(Levitra(登録商標))、およびザプリナスト(PDE5特異的)が挙げられる。
製剤
投与の目的のために、本発明の化合物は、生の化学物質として患者もしくは対象に投与されてもよく、または医薬組成物として製剤化されてもよい。本発明の医薬組成物は、概して、本発明の化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む。化合物は、本明細書に記載されるように、対象となる特定疾患または状態を治療するのに有効である量で、かつ好ましくは対象に対して許容される毒性を有して組成物中に存在する。化合物の活性は、例えば、以下の実施例に記載されるように、当業者によって決定され得る。適切な濃度および投与量は、当業者によって容易に決定され得る。
本発明の化合物または組成物は、胃腸管および/または腎臓におけるリン酸塩取り込み阻害から利益を得るであろう対象において、本質的にいかなる疾患または他の状態も治療するための方法で使用され得る。
例えば、限定ではなく説明の目的で、腎臓損傷は、腎臓の1-アルファヒドロキシラーゼの産生および活性を低減し、1,25-ジヒドロキシビタミンDの低下をもたらす。ビタミンDレベルの低下は、胃腸管のカルシウム吸収を制限し、血清カルシウムレベルの低下をもたらす。より低い1,25-ジヒドロキシビタミンDおよびより低い血清カルシウムの組み合わせは、副甲状腺組織を相乗的に刺激して、PTHを産生および分泌する。ネフロンの喪失もまた、Pi排泄を障害するが、血清Pレベルは、PTHおよびFGF-23の作用によって、かつより高い血清Pレベルによって積極的に保護され、これにより、尿中PO排泄が著しく強化される。しかしながら、PTHおよびFGF-23の管作用は、継続的なネフロン喪失に直面して血清Pレベルを維持することができない。腎機能不全が腎機能の約40~50%の喪失まで進行すると、機能している腎組織の量の減少は、恒常性を維持するために必要な摂取リン酸塩の全量の排泄を可能にしない。その結果、高リン血症が発症する。さらに、血清Pレベルの上昇は、腎臓の1-アルファヒドロキシラーゼ活性を妨げ、活性化ビタミンDレベルをさらに抑制し、PTHをさらに刺激し、二次性副甲状腺機能亢進症(sHPTH)をもたらす。
しかしながら、リンの不均衡は、必ずしも高リン血症と同等ではない。むしろ、透析をまだ受けていないCKD患者の大多数は、正常リン酸血症性であるが、リン均衡は正であり、過剰なリンは、異所性石灰化、例えば、内膜局在性血管石灰化の形態で血管内に配置される。臨床的には、CKD患者は、腎機能の悪化およびカルシトリオールレベルの低下に有意に関連するFGF-23レベルが上昇しており、FGF-23の合成は、腎不全に続く体内の過剰なPの存在によって誘導されると仮定されている。
さらに、心血管疾患に対する認識されていない効果は、食後リン血症、すなわち、食事摂取に続発する血清P変動である。さらに、研究は、インビトロおよびインビボでの内皮機能に対するリン負荷の急性効果を調査している。ウシ大動脈内皮細胞をリン負荷に曝露すると、活性酸素種の産生が増加し、既知の血管拡張剤である一酸化窒素が減少した。上述の健康志願者における急性P負荷研究では、血流依存性血管拡張が、食後血清Pと反比例したことが見出された(Shuto et al.,2009b,J.Am.Soc.Nephrol.,v.20,no.7,p.1504-1512)。
したがって、特定の実施形態では、本発明の化合物または組成物は、以下のうちの1つ以上から選択される方法で使用され得る:高リン血症、任意に食後高リン血症を治療するための方法、腎疾患(例えば、慢性腎疾患(CKD)、末期腎疾患(ESRD))を治療するための方法、血清クレアチニンレベルを低減するための方法、タンパク尿を治療するための方法、透析などの腎代替療法(RRT)までの時間を遅延させるための方法、FGF23レベルを低減するための方法、活性ビタミンDの高リン血症の影響を低減するための方法、二次性副甲状腺機能亢進症などの副甲状腺機能亢進症を軽減するための方法、血清副甲状腺ホルモン(PTHまたはiPTH)を低減するための方法、透析間体重増加(IDWG)を低減するための方法、任意に食後血清リン酸塩によって誘導される、内皮機能障害を改善するための方法、血管石灰化を低減するか、または内膜局在性血管石灰化を軽減するための方法、尿中リンを低減するための方法(例えば、GI作用型の実質的に全身的に生体利用不可能な化合物を腸内投与すること)、尿中リンを増加させるための方法(例えば、実質的に全身的に生体利用可能な化合物を投与すること、経腸投与以外の経路を介して実質的に全身的に生体利用不可能な化合物を投与すること)、血清リンレベルを正規化するための方法、高齢患者においてリン酸塩負荷を低減するための方法、食餌性リン酸塩取り込みを減少させるための方法、食後カルシウム吸収を低減するための方法、腎肥大を低減するための方法、心臓肥大を低減するための方法、および閉塞性睡眠時無呼吸を治療するための方法。
高リン血症は、血中のリン酸塩レベルの上昇がある状態を指す。ヒト成人における平均血清リン量は、典型的には、約2.5~4.5mg/dL(約0.81~1.45mmol/L)の範囲である。レベルは、成長ホルモン効果のため、乳児では約50%および小児では約30%より高いことが多い。したがって、特定の方法は、高リン血症を有する成人ヒト患者を治療することを含み、患者は、約または少なくとも約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、または5.5mg/dLの血清リン量を有する。いくつかの態様では、治療は、高リン酸血症の対象において血清リン酸塩濃度またはレベルを、正常な血清リン酸塩レベル(例えば、成人については2.5~4.5mg/dLまたは0.81~1.45mmol/L)の約150%、145%、140%、135%、130%、125%、120%、115%、110%、105%、または100%(正規化)まで低減する。いくつかの態様では、治療レジメンは、リン酸塩レベルが約2.5~4.5mg/dL(約0.81~1.45mmol/L)の範囲内にとどまるような、リン酸塩レベルの監視をもたらし、かつ/またはそれを含む。また、小児または青年期ヒト患者を治療する方法も含まれ、患者は、約または少なくとも約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0mg/dLの血清リン量を有する。本明細書で述べられるように、これらの実施形態および関連実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、対象における血清リン量を、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、またはそれ以上低減し得る。
ある特定の実施形態は、腎機能の進行性喪失を特徴とする状態である、慢性腎疾患(CKD)を治療する方法に関する。CKDの一般的な原因としては、糖尿病、高血圧症、および糸球体腎炎が挙げられる。したがって、特定の方法は、CKD対象を治療することを含み、対象は任意に、前述の状態のうちの1つ以上も有する。
いくつかの態様では、対象は、腎臓損傷も示すか否かにかかわらず、約3か月間、60mL/分/1.73m未満の糸球体濾過量(GFR)を有する場合、CKDを有すると分類される。したがって、特定の方法は、約60、55、50、45、40、30、35、20、25、20、15、または10mL/分/1.73m以下ほどのGFR(例えば、治療前の初期GFR)を有する対象を治療することを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、またはそれ以上のGFRの増加をもたらし得る。
CKDは、ほとんどの場合、病期:1期、2期、3期、4期、および5期に従って特徴付けられる。1期のCKDは、腎臓損傷、および約90mL/分/1.73m以上の正常な、または比較的高いGFRを有する対象を含む。2期のCKDは、腎臓損傷、および約60~89mL/分/1.73mのGFRを有する対象を含む。3期のCKDは、腎臓損傷、および約30~59mL/分/1.73mのGFRを有する対象を含む。4期のCKDは、腎臓損傷、および約15~29mL/分/1.73mのGFRを有する対象を含む。5期のCKDは、確定された腎不全、および約15mL/分/1.73m未満のGFRを有する対象を含む。5期のCKDは、末期腎疾患(ESRD)とも称される。したがって、特定の方法では、対象は、1、2、3、4、または5期のCKD、およびその関連する臨床的特徴(例えば、定義されたGFR、腎臓損傷)のうちの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載され、かつ当該技術分野で既知のような、ESRDおよびその関連する臨床的特徴のうちの任意の1つ以上を有する。
CKDは、腎臓の罹患部分に従って特徴付けられ得る。例えば、特定の態様では、CKDは、両側腎動脈狭窄などの大血管疾患、ならびに虚血性腎症、溶血性尿毒症症候群、および血管炎などの小血管疾患を含む、血管関連CKDを含む。特定の態様では、CKDは、巣状分節性糸球体硬化症およびIgA腎炎などの原発性糸球体疾患、ならびに糖尿病性腎症およびループス腎炎などの二次性糸球体疾患を含む、糸球体関連CKDを含む。また、多嚢胞性腎臓疾患、薬物および毒素誘発性慢性尿細管間質性腎炎、ならびに逆流性腎症を含む、尿細管間質関連CKDも含まれる。したがって、CKDの治療を受けている特定の対象は、1つ以上の前述のCKD関連の特徴を有し得る。
特定の態様は、腎臓損傷、または腎臓損傷の1つ以上の症状/臨床的兆候を有する対象を治療する方法に関する。腎臓損傷(例えば、CKD関連腎臓損傷)およびその関連する症状の例としては、血液検査(例えば、高い血中もしくは血清クレアチニンレベル、クレアチニンクリアランス)、尿検査(例えば、タンパク尿)、および/または画像研究で特定された異常を含む、病理学的異常および損傷のマーカーが挙げられる。
クレアチニンは、筋肉中のクレアチンリン酸塩の分解産物であり、腎臓の健康の容易に測定され、かつ有用な指標を提供する。血中または血清クレアチニンの正常なヒト参照範囲は、女性については約0.5~1.0mg/dL(約45~90μmol/L)、および男性については約0.7~1.2mg/dL(約60~110μmol/L)の範囲である。したがって、本明細書に記載される方法に従った治療のための特定の対象は、(例えば、治療前の初期に)約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0mg/dL以上である血中または血清クレアチンレベルを有し得る。これらの実施形態および関連実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、対象における全体的な血中または血清クレアチニンレベルを、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減し得る。
クレアチニンクリアランス率(CCrまたはCrCl)は、単位時間当たりのクレアチニンが除去される血漿の体積を指し、これは、ある期間(例えば、24時間)にわたって、尿に対して血中クレアチニンレベルを比較することによって測定される。クレアチンクリアランスは、多くの場合、ミリリットル/分(mL/分)として、または体重の関数(mL/分/kg)として測定される。実施された試験に応じて、正常値は、男性については約97~137mL/分、および女性については約88~128mL/分の範囲である。クレアチニンクリアランスの低減は、腎臓損傷の有用な兆候を提供する。したがって、本明細書に記載される方法に従った治療のための特定の男性対象は、(例えば、治療前の初期に)約97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、85、84、83、82、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、64、63、62、61、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50未満、またはそれ以下のCCrを有し得る。本明細書に記載される方法に従った治療のための特定の女性対象は、(例えば、治療前の初期に)約88、87、86、85、84、83、82、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、64、63、62、61、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、47、46、45、44、43、42、41、40未満、またはそれ以下のCCrを有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、対象におけるCCrを、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上維持し得るか、または増加させ得る。
タンパク尿は、尿中の過剰なタンパク質の状態を指す。これは、腎臓損傷を含む様々な疾患状態に関連している。タンパク尿は、多くの場合、約45mg/mmolより大きい尿中タンパク/クレアチニン比、または特異的な検査において、約30mg/mmolより大きいアルブミン/クレアチン比として特徴付けられる。本明細書に提供される方法に従った治療のための特定の対象は、(例えば、治療前に)単独で、またはCKDもしくは他の腎臓損傷と組み合わせて、タンパク尿を有し、約45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、もしくは120mg/mmol以上の尿中タンパク/クレアチニン比、または約30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、もしくは120mg/mmol以上の尿中アルブミン/クレアチニン比を有する対象を含む。これらの実施形態および関連実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、例えば、尿中タンパク/クレアチニン比および/または尿中アルブミン/クレアチニン比を、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減することによって、タンパク尿を治療し得る。
CKDは、様々な臨床症状に関連している。例としては、高血圧(高血圧症)、尿素蓄積、高カリウム血症、貧血、高リン血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、およびアテローム性動脈硬化症が挙げられる。したがって、特定の方法では、CKD対象はまた、前述の臨床症状のうちの1つ以上を有し得るか、またはそのリスクがあり得る。特定の態様では、CKD対象は、本明細書に記載されるように、高リン血症を有するか、またはそのリスクがある。
腎代替療法(RRT)は、腎不全のための様々な生命維持治療に関連し、後期のCKDおよびESRDで開始される治療を含む。RRTの例としては、透析、血液透析、血液濾過、および腎移植が挙げられる。特定の実施形態では、本明細書に提供される方法に従った治療のための対象は、1つ以上のタイプのRRTを受けようとしているか、受けているか、または受けたことがある。いくつかの実施形態では、対象は、RRTをまだ受けておらず、本明細書に記載される化合物の投与は、RRTを開始するまでの時間を、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週間、または約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、または約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12年以上遅延させる。
線維芽細胞成長因子23(FGF23)は、リンおよびビタミンD代謝を調節する。これはまた、リン酸塩尿症を促進し、カルシトリオールの産生を減少させる。FGF23レベルの上昇は、死亡率、左心室肥大(または左心室筋重量係数)、心筋のパフォーマンス、内皮機能障害、およびCKDの進行に関連する。実際に、FGF23レベルは、推定上、正常な血清リン酸塩レベルまたは正常なリン均衡を維持する生理学的適応として、早期CKDにおいて漸進的に上昇する。また、FGF23レベルは、心臓、血管、および腎臓における組織傷害に直接寄与する場合がある。したがって、特定の実施形態は、CKD対象および透析/血液透析を受けている対象を含む、血液または血清中のFGF23レベルが上昇した対象の治療に関する(例えば、Kirkpantur et al.,Nephrol Dial Transplant.26:1346-54,2011を参照されたい)。いくつかの態様では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、血液または血清中のFGF23レベルの対数を、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減する。
ビタミンDは、特に、小腸におけるリン酸塩イオンの吸収を刺激する。したがって、ビタミンDの過剰なレベルまたは活性は、リン酸塩レベルの上昇および高リン血症をもたらす可能性がある。したがって、特定の実施形態は、例えば、ビタミンDのレベルまたは活性が上昇した対象において、活性ビタミンDの高リン酸血症の影響を低減するための方法に関する。いくつかの態様では、対象は、ビタミンDの過剰摂取によるビタミンD毒性を有する。
副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺が過剰な副甲状腺ホルモン(PTH)を産生する障害である。二次性副甲状腺機能亢進症は、低カルシウム血症および関連する副甲状腺の肥大に応答したPTHの過剰分泌を特徴とする。CKDは、二次性副甲状腺機能亢進症の最も一般的な原因であり、これは、概して、腎臓が十分なビタミンDをその活性形態に変換すること、および十分なリン酸塩を排泄することができないためである。不溶性リン酸カルシウムが体内で形成され、したがって、循環からカルシウムを除去し、低カルシウム血症をもたらす。次いで、副甲状腺は、血清カルシウムレベルを上昇させようとして、PTHの分泌をさらに増加させる。したがって、本明細書に提供される方法に従った治療のための特定の対象は、任意に、CKD、高リン血症、低カルシウム血症、または本明細書に記載される他の状態もしくは症状と組み合わせて、副甲状腺機能亢進症および/またはPTHレベルの上昇を示し得る(例えば、治療前の初期に)。いくつかの態様では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、それを必要とする対象において二次性副甲状腺機能亢進症を含む副甲状腺機能亢進症を低減し得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、例えば、血清リン酸塩レベル、および不溶性リン酸カルシウムの関連する形成を低減し、利用可能なカルシウムを増加させ、それによって低カルシウム血症によって誘導されたPTHの産生を低減することによって、PTHレベルを約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減し得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物の投与、例えば、ナトリウムおよび水素イオンのPiおよびNHE3媒介性対向輸送の両方の輸送を阻害する二重活性化合物は、CKD対象に複数の治療効果を提供することができる。場合によっては、二重活性化合物の投与は、未処置状態と比較して、FGF23レベルおよび血清副甲状腺ホルモン(PTH)レベルの対数を、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減し、血圧を低減し、未処置状態と比較して、タンパク尿を少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減する。
特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物の投与、例えば、ナトリウムおよび水素イオンのPiおよびNHE3媒介性対向輸送の両方の輸送を阻害する二重活性化合物は、ESRD(または5期のCKD)対象に、複数の治療効果を提供することができる。特定の場合において、二重活性化合物の投与は、未処置状態と比較して、血清リン酸塩濃度またはレベルを、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減し、未処置状態と比較して、透析間体重増加(IDWG)を約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%、またはそれ以上低減する。IDWGは、透析の前、最中、または後に日常的に評価される、容易に測定可能なパラメータである(Sarkar et al.,Semin Dial.19:429-33,2006を参照されたい)。
高リン血症は、血管石灰化とは無関係に、健康な対象および腎臓疾患を有する対象の両方において、内皮機能障害をもたらす可能性がある(例えば、Di Marco et al.,Kidney International.83:213-222,2013を参照されたい)。食餌性リン酸塩制限またはリン酸塩結合剤による血清リン酸塩レベルの管理は、そのような対象が心血管疾患を発症するのを防ぐことができる。研究はまた、食餌性リン酸塩制限が、内皮型一酸化窒素合成酵素およびAktのリン酸化を増加させることによって、大動脈内皮機能障害(例えば、高リン血症を伴うCKDにおける)を改善することができることも示している(例えば、Van et al.,J Clin Biochem Nutr.51:27-32,2012を参照されたい)。本明細書に提供される方法に従った治療のための特定の対象は、任意に高リン血症、腎疾患、または本明細書に記載される任意の他の状態と組み合わされて、内皮機能障害を有し得るか、またはそのリスクがあり得る。単独で、または食餌性リン酸塩制限と組み合わせて、食後または食餌性リン酸塩取り込みを低減することによって、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、内皮機能障害を発症するリスクを低減し得るか、または食後血清リン酸塩によって誘導される内皮機能障害を含む、既存の内皮機能障害を改善し得る。
高リン血症は、血管石灰化の主要な誘導因子である(Giachelli,Kidney Int.75:890-897,2009を参照されたい)。主にリン灰石の形態のリン酸カルシウム沈着は、血管石灰化の顕著な特徴であり、血管、心筋、および心臓弁で起こり得る。骨格外組織におけるリン酸カルシウムの受動的な沈着とともに、無機リン酸塩はまた、血管内の中膜の「骨化」を介して直接、動脈石灰化を誘導することもできる。さらに、血管平滑筋細胞は、骨軟骨形成性表現型変化を受け、ナトリウム依存性リン酸塩共輸送体を必要とする機序を介してその細胞外基質を石灰化することによって、リン酸塩レベルの上昇に応答する。
内膜石灰化は通常、アテローム性動脈硬化病変に見られる。中膜石灰化は、加齢による動脈硬化症および糖尿病で一般的に観察され、ESRDで観察される石灰化の主要な形態である。実際に、動脈壁および軟組織の広範な石灰化は、ESRD患者を含むCKD患者によく見られる特徴である。弁では、石灰化は、大動脈弁狭窄の決定的な特徴であり、主に炎症および機械的応力の部位において、弁尖および弁輪の両方で生じる。これらの機械的変化は、動脈の脈波速度および脈圧の増加に関連し、動脈伸展性障害、左心室肥大に有利に働く後負荷の増加、および冠動脈灌流障害につながる(Guerin et al.,Circulation.103:987-992,2001を参照されたい)。したがって、内膜および中膜石灰化の両方が、心血管疾患に関連する罹患率および死亡率に寄与し得、CKDおよびESRD患者において観察される心血管系死亡リスクの有意な増加の主要な要因である可能性が高い。したがって、血清リン酸塩の制御は、カルシウム/リン酸塩生成物の形成を低減し、それによって血管石灰化を低減し得る。したがって、本明細書に提供される方法に従った治療のための特定の対象は、任意に高リン血症、CKD、およびESRDのうちのいずれかと組み合わされて、内膜および/または中膜石灰化を含む血管石灰化を発症するリスクを有し得るか、またはそのリスクがあり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、それを必要とする対象において血管石灰化を発症するリスクを低減するか、またはその形成もしくはレベルを低減する。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、血管石灰化を、例えば、未処置状態と比較して、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくは200%以上、またはそれ以上低減し得る。
高齢患者は、特にリン酸塩の増加を起こしやすくあり得る。例えば、食餌および遺伝子操作研究は、リン酸塩毒性が加齢のプロセスを加速するというインビボ証拠を提供し、哺乳動物の加齢におけるリン酸塩についての新しい役割を示唆する(例えば、Ohnishi and Razzaque,FASEB J.24:3562-71,2010を参照されたい)。これらの研究は、過剰なリン酸塩が、脊柱後弯症、非協調運動、性腺機能低下症、不妊症、骨格筋消耗、気腫、および骨減少症、ならびに皮膚、腸、胸腺、および脾臓の全般的萎縮を含む、早期老化の多くの兆候に関連することを示す。したがって、特定の実施形態は、例えば、早期老化の任意の1つ以上の兆候を低減するために、高齢者患者においてリン酸塩負荷を低減することに関連し、本明細書に記載される化合物を高齢患者に投与することを含む。場合によっては、高齢患者は、約または少なくとも約60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100歳以上の年齢である。
肥大とは、その構成細胞の拡大による器官または組織の体積の増加を指す。高リン血症は、左心室肥大を含む心筋肥大(Neves et al.,Kidney Int.66:2237-44,2004、およびAchinger and Ayus,Am Soc Nephrol.17(12 Suppl 3):S255-61,2006)、ならびに糸球体肥大を含む代償性腎肥大に関連し、後者は、CKDで頻繁に観察される。本明細書に提供される方法に従った治療のための特定の対象は、単独で、またはCKDもしくは腎臓損傷と組み合わせて、心筋肥大、腎肥大、または両方を有し得る(例えば、治療前の初期に)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の投与は、未処置状態と比較して、心筋肥大および/または腎肥大を、約または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、またはそれ以上低減し得る。
投与/投与形態:
本発明の組成物の投与は、類似の効用を提供するための薬剤の許容される投与モードのいずれかを介して実施され得る。本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を適切な薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせることによって調製され得、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐薬、注射液、吸入剤、ゲル、ミクロスフェア、およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体、またはガス状形態の調製物に製剤化され得る。そのような医薬組成物を投与する典型的な経路としては、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、口腔、直腸、膣、および鼻腔内が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技術を含む。本発明の医薬組成物は、その中に含まれる活性成分が、組成物を患者に投与したときに生体利用可能になることを可能にするように製剤化される。対象または患者に投与される組成物は、1つ以上の投与単位の形態をとり、例えば、錠剤は、単一の投与単位であってもよく、エアロゾル形態の本発明の化合物の容器は、複数の投与単位を保持し得る。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に既知であるか、または明らかになるであろう。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition(Philadelphia College of Pharmacy and Science,2000)を参照されたい。投与される組成物は、いずれ場合も、本発明の教示に従って対象となる疾患または状態の治療のために、治療有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有する。
本発明の医薬組成物は、固体または液体の形態であってもよい。一態様では、担体は微粒子状であり、その結果、組成物は、例えば、錠剤または粉末形態である。担体は液体であってもよく、組成物は、例えば、経口シロップ、注射用液体、またはエアロゾルであり、これは例えば、吸入投与で有用である。
経口投与を目的とする場合、医薬組成物は、好ましくは、固体または液体のいずれかの形態のいずれかであり、半固体、半液体、懸濁液、およびゲル形態は、本明細書において固体または液体のいずれかとみなされる形態内に含まれる。
経口投与のための固体組成物として、医薬組成物は、粉末、顆粒、圧縮錠、ピル、カプセル、チューインガム、ウエハース、または同様の形態に製剤化され得る。そのような固体組成物は、典型的には、1つ以上の不活性希釈剤または食用担体を含有する。さらに、次のうちの1つ以上が存在してもよい:カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、ガムトラガカント、またはゼラチンなどの結合剤;デンプン、ラクトース、またはデキストリンなどの賦形剤、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primogel、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotexなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香味料などの香味剤;および着色剤。
医薬組成物がカプセル、例えば、ゼラチンカプセルの形態である場合、上記タイプの材料に加えて、ポリエチレングリコールまたは油などの液体担体を含有してもよい。
医薬組成物は、液体、例えば、エリキシル、シロップ、溶液、エマルション、または懸濁液の形態であってもよい。液体は、2つの例として、経口投与用または注射による送達用であってもよい。経口投与を目的とする場合、好ましい組成物は、本化合物に加えて、甘味剤、防腐剤、染料/着色剤、および風味促進剤のうちの1つ以上を含有する。注射によって投与されることを目的とする組成物では、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、緩衝液、安定剤、および等張剤のうちの1つ以上が含まれ得る。
本発明の液体医薬組成物は、溶液、懸濁液、または他の同様の形態であるかどうかにかかわらず、次のアジュバントのうちの1つ以上を含んでもよい:注射用水、食塩液、好ましくは生理食塩水、リンゲル溶液、等張性塩化ナトリウムなどの滅菌希釈剤、溶媒または懸濁媒体としての機能を果たし得る合成モノまたはジグリセリドなどの固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の溶媒;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化物質;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝液、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張性調整のための薬剤。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジ、またはガラスもしくはプラスチックで作製された複数回用量バイアルに封入され得る。生理食塩水は、好ましいアジュバントである。注射用医薬組成物は、好ましくは滅菌である。
非経口または経口のいずれかの投与を目的とする本発明の液体医薬組成物は、好適な投与量が得られるような本発明の化合物の量を含有するべきである。
本発明の医薬組成物は、局所投与を目的としてもよく、その場合、担体は、溶液、エマルション、軟膏、またはゲル基剤を好適に含んでもよい。基剤は、例えば、次のうちの1つ以上を含んでもよい:ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、ミツロウ、鉱油、水およびアルコールなどの希釈剤、ならびに乳化剤および安定剤。増粘剤は、局所投与のための医薬組成物中に存在し得る。経皮投与を目的とする場合、組成物は、経皮パッチまたはイオン電気泳動デバイスを含み得る。
本発明の医薬組成物は、例えば、直腸内で溶け、薬剤を放出する坐薬の形態での直腸投与を目的としてもよい。直腸投与のための組成物は、好適な非刺激性賦形剤として油脂性基剤を含有してもよい。そのような塩基としては、ラノリン、ココアバター、およびポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、固体または液体の投与単位の物理的形態を修飾する様々な材料を含んでもよい。例えば、組成物は、活性成分の周囲にコーティングシェルを形成する材料を含んでもよい。コーティングシェルを形成する材料は、典型的には不活性であり、例えば、糖、シェラック、および他の腸溶性コーティング剤から選択されてもよい。あるいは、活性成分は、ゼラチンカプセル中に入れられてもよい。
固体または液体形態の本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に結合し、それによって化合物の送達を補助する薬剤を含んでもよい。この能力で作用し得る好適な薬剤としては、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体、タンパク質、またはリポソームが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、エアロゾルとして投与され得る投与単位からなってもよい。エアロゾルという用語は、コロイド状の性質のものから加圧パッケージからなるシステムに及ぶ様々なシステムを示すために使用される。送達は、液化もしくは圧縮ガスによるものであってもよく、または活性成分を分注する好適なポンプシステムによるものであってもよい。本発明の化合物のエアロゾルは、活性成分を送達するために、単相、二相、または三相系で送達されてもよい。エアロゾルの送達は、必要な容器、アクチベータ、弁、サブ容器などを含み、これらが一緒にキットを形成し得る。当業者は、過度の実験をすることなく、好ましいエアロゾルを決定し得る。
本発明の医薬組成物は、医薬技術分野で周知の方法論によって調製され得る。例えば、注射によって投与されることを目的とする医薬組成物は、本発明の化合物を滅菌蒸留水と組み合わせて、溶液を形成することによって調製され得る。界面活性剤が、均質な溶液または懸濁液の形成を促進するために添加されてもよい。界面活性剤は、水性送達系中の化合物の溶解または均質な懸濁を促進するために、本発明の化合物と非共有結合的に相互作用する化合物である。
本発明の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、治療有効量で投与され、これは、用いられる特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、全般的健康、性別、および食生活、投与のモードおよび時間、排泄速度、薬剤の組み合わせ、特定の障害または状態の重症度、ならびに治療を受けている対象を含む、様々な要因に応じて異なる。
特定の実施形態では、実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能な化合物の典型的な投与量は、1日当たり約0.2mg~1日当たり約2g、または1日当たり約1mg~約1g、または約5mg~約500mg、または1日当たり約10mg~約250mgであってもよく、これは、治療を必要とする対象に投与される。
本明細書に記載される化合物および組成物の投与頻度は、1日1回(QD)から1日2回(BID)または1日3回(TID)など異なり得、正確な投与頻度は、例えば、患者の状態、投与量などによって異なる。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体はまた、1つ以上の他の治療剤もしくは生物活性剤、栄養補助食品、またはそれらの任意の組み合わせの投与と同時に、その前に、またはその後に投与されてもよい。そのような併用療法は、本発明の化合物と、1つ以上の追加の活性薬剤とを含有する単一医薬投与製剤の投与、ならびに本発明の化合物および各活性薬剤の、それ自体の別々の医薬投与製剤の投与を含む。例えば、本発明の化合物および他の活性薬剤は、錠剤もしくはカプセルなどの単一経口投与組成物で一緒に患者に投与され得るか、または各薬剤は、別々の経口投与製剤で投与され得る。別々の投与製剤が使用される場合、本発明の化合物および1つ以上の追加の活性薬剤は、本質的に同じ時間に、すなわち同時に、または別々にずらした時間に、すなわち順次に投与され得、併用療法は、これらすべてのレジメンを含むと理解される。
例えば、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物(または方法)に含まれる追加の生物活性剤は、例えば、ビタミンD(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD(コレカルシフェロール)、活性ビタミンD(カルシトリオール)、および活性ビタミンD類似体(例えば、ドキセルカルシフェロール、パリカルシトール)から選択される。
いくつかの実施形態では、追加の生物活性剤は、腸管ナトリウム依存性リン酸塩輸送体の阻害剤(NaPi2b阻害剤)である。NaPi2b阻害剤の例は、例えば、国際出願第PCT/US2011/043267号、同第PCT/US2011/043261号、同第PCT/US2011/043232号、同第PCT/US2011/043266、および同第PCT/US2011/043263号、ならびに米国特許第8,134,015号で見ることができ、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
特定の実施形態では、追加的に生物活性剤は、ナイアシンまたはニコチンアミドである。
本説明では、図示された式の置換基および/または変数の組み合わせは、そのような寄与が安定した、または合理的に安定した化合物をもたらす場合にのみ許容されることが理解される。
また、本明細書に記載されるプロセスにおいて、中間化合物の官能基が、好適な保護基によって保護される必要がある場合があることも当業者によって理解されるであろう。そのような官能基としては、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、およびカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシに適した保護基としては、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが挙げられる。アミノ、アミジノ、およびグアニジノに適した保護基としては、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。メルカプトに適した保護基としては、-C(O)-R”(式中、R”は、アルキル、アリール、またはアリールアルキルである)、p-メトキシベンジル、トリチルなどが挙げられる。カルボン酸に適した保護基としては、アルキル、アリール、またはアリールアルキルエステルが挙げられる。保護基は、当業者に既知であり、かつ本明細書に記載されるような、標準的な技術に従って付加または除去されてもよい。保護基の使用は、Green,T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis(1999),3rd Ed.,Wileyに詳述されている。当業者であれば、保護基が、Wang樹脂、Rink樹脂、または2-クロロトリチル-クロリド樹脂などのポリマー樹脂であってもよいことを理解するであろう。
また、本発明の化合物のそのような保護された誘導体が、それ自体では薬理活性を有しない場合があるが、哺乳動物に投与され、その後に体内で代謝されて、薬理学的に活性である本発明の化合物を形成し得ることも、当業者によって理解されるであろう。したがって、そのような誘導体は、「プロドラッグ」として記載される場合がある。本発明の化合物のすべてのプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。
さらに、遊離塩基または酸形態に存在する本発明のすべての化合物は、当業者に既知の方法によって、適切な無機または有機の塩基または酸で処理することによって、それらの薬学的に許容される塩に変換され得る。本発明の化合物の塩は、標準的な技術によって、それらの遊離塩基または酸形態に変換され得る。
実施例1
迅速な条件下の細胞ベースの活性。ラットまたはヒトNHE3媒介性Na依存性H対向輸送を、Paradiso(PNAS USA.81:7436-7440,1984)によって最初に報告されたpH感受性染料の方法の修正を使用して測定した。オポッサム腎臓(OK)細胞をATCCから取得し、その指示に従って増殖させた。ラットNHE3遺伝子(GenBank M85300)またはヒトNHE3遺伝子(GenBank NM_004174.1)を、エレクトロポレーションを介してOK細胞に導入し、細胞を96ウェルプレートに播種し、一晩成長させた。培地をウェルから吸引し、細胞をNaCl-HEPES緩衝液(100mMのNaCl、50mMのHEPES、10mMのグルコース、5mMのKCl、2mMのCaCl、1mMのMgCl、pH7.4)で2回洗浄し、次いで、5μMのビス(アセトキシメチル)3,3’-(3’,6’-ビス(アセトキシメトキシ)-5-((アセトキシメトキシ)カルボニル)-3-オキソ-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-2’,7’-ジイル)ジプロパノエート(BCECF-AM)を含有する、NHCl-HEPES緩衝液(20mMのNHCl、80mMのNaCl、50mMのHEPES、5mMのKCl、2mMのCaCl、1mMのMgCl、pH7.4)で、室温において30分間インキュベートした。
細胞を、アンモニウムフリー、NaフリーHEPES(100mMのコリン、50mMのHEPES、10mMのグルコース、5mMのKCl、2mMのCaCl、1mMのMgCl、pH7.4)で2回洗浄し、同じ緩衝液中で10分間、室温においてインキュベートして、細胞内pHを低下させた。中性細胞内pHのNHE3媒介性回収を、0.4μMのエチルイソプロピルアミロリド(NHE3を阻害しないNHE-1活性の選択的なアゴニストであるEIPA)と、0~30μMの試験化合物とを含有するNa-HEPES緩衝液の添加、およびpH非感受性BCECF蛍光(λex 439nm、λem 538nm)に正規化されたBCECF蛍光(λex 505nm、λem 538nm)におけるpH感受性変化の監視によって開始した。初速度を平均の2つ以上の反復としてプロットし、pIC50値を、GraphPad Prismを使用して推定した。
腸管ナトリウムおよびリン酸塩吸収の阻害。尿中ナトリウム濃度および便形状を測定して、腸管の管腔からのナトリウムの吸収を阻害する選択された例示的な化合物の能力を評価した。8週齢のSprague-Dawleyラットを、Charles River Laboratories(Hollister,CA)から購入し、ケージ当たり2匹収容し、研究開始前の少なくとも3日間順応させた。研究全体を通して、動物に、Harlan Teklad Global 2018齧歯動物用飼料(Indianapolis,IN)および水を自由に供給し、午前6時から午後6時の標準的な明/暗サイクルで維持した。研究当日、午後4時~午後5時に、ラットの群(n=6)に、10mL/kgの体積において試験化合物またはビヒクル(水)を経口強制飼養で投与した。
用量投与後、動物を個々の代謝ケージに入れ、同様に自由に、食事形態で同じ飼料を供給し、水を与えた。投与後16時間で、尿試料を採取し、便形状を2つの独立した観察結果によって評価した。便形状を、ケージの採取漏斗における最も湿潤な観察結果までの糞便水分の増加に関連する一般的なスケール(1、正常な塊;2、水分により採取漏斗の側面に付着する塊;3、正常な塊形状の喪失;4、ブロッティングパターンを伴う形状の完全な喪失;5、明らかな液状の糞便流)に従ってスコアリングした。ラットの便形状スコア(FFS)を、群(n=6)内のすべてのラットについて両方の観察スコアを平均することによって決定した。ビヒクル群の平均は、1であった。
尿試料については、体積を重量測定で決定し、3,600×gで遠心分離した。上清を、脱イオン化Milli-Q水中で100倍に希釈し、次いで、イオンクロマトグラフィーによる分析の前に、0.2μM GHP Pall AcroPrepフィルタプレート(Pall Life Sciences、Ann Arbor,MI)を通して濾過した。10マイクロリットルの濾過された各抽出物を、Dionex ICS-3000イオンクロマトグラフシステム(Dionex、Sunnyvale,CA)に注入した。IonPac CS12A 2mm i.d.×250mm、8μM粒径の陽イオン交換カラム(Dionex)上で、溶離液として25mMのメタンスルホン酸を使用したイソクラティック法によって、陽イオンを分離した。Li、Na、NH 、K、Mg2+、およびCa2+を含有する陽イオン標準混合物(Dionex)から調製された標準物質を使用して、ナトリウムを定量化した。16時間の期間における各群についての排尿されたナトリウムの平均質量を決定し、ビヒクル群は、通常、約21mgのナトリウムを排尿した。試験群のラットについての尿中Na(uNa)を、ビヒクル平均のパーセンテージとして表し、ダネットの事後検定を伴った一元配置分散分析を利用することによって、ビヒクル群の平均値と比較した。
実施例2
尿毒症関連血管石灰化のラットモデルにおける効果
慢性腎疾患(CKD)は、複数の病原性機序を有し、進行性CKDは、しばしば、ミネラル代謝障害(例えば、高リン血症、高カルシウム血症)および血管石灰化を特徴とする。したがって、血管石灰化を特徴とするCKDの尿毒症ラットモデルにおけるCpd 002の有効性を試験するために研究を実施した。このモデルは、腎機能不全、ならびに高リン血症および血管石灰化を促進するための定期的な活性ビタミンD投与を特徴とする(Lopez et al.,J.Am.Soc.Nephrol.17:795-804,2006を参照されたい)。研究は、次のように処置されたSpraque-Dawleyラットを利用した:切除による6分の5の腎摘出、定期的なカルシトリオール投与(活性ビタミンD)80ng/kg、腹腔内 3/週、および精製された0.9% P食餌(無機リン)の供給。
ラットを、0.8~1.5mg/dLの血清クレアチニンレベルおよび体重により2つの実験群に階層化し、粉末化ビヒクル食餌またはCpd 002(0.065mg/g試料)を混合した同じ食餌を、飼料中薬物で供給し、毎週の体重および選択された血清パラメータ、毎日の臨床観察、およびエンドポイントの石灰化について監視した。
選択された実験群に、登録時(0日目)にビヒクル(n=12)またはCpd002(n=12)を供給した。初期体重および血清リン、血清カルシウム、血清クレアチニン、および血中尿素窒素などの選択された血清パラメータは、両群について同等であった。
27日目からの選択されたエンドポイントの血漿パラメータは、血漿クレアチニンの低減、血漿リンの低減、および血漿FGF-23の低減を示した。
エンドポイントの心臓および腎臓の残留重量は、心臓および腎臓の残部の肥大が、Cpd 002処置されたラットにおいて減少したことを示した。血漿クレアチニンの低減を考慮すると、これらの結果は、Cpd 002処置されたラットにおける腎臓の残部が、より少ない質量でより高い機能性を有することを示唆している。
エンドポイントのクレアチニンクリアランス(CCr)および血漿アルドステロンレベルは、Cpd 002による処置が腎臓機能の喪失を防いだことを示唆し、アルドステロンの増加は、Na摂取量の減少と一致するある程度の体液減少を示唆する。
エンドポイントの血管および軟組織石灰化は、Cpd 002による処置が、特に石灰化に感受性が高い胃内のカルシウムおよびリンを低減し、また大動脈ミネラル含量によって測定される血管石灰化も低減したことを示した。
全体的に、Cpd 002は、腎臓機能を改善し、心臓肥大および腎肥大の両方を低減し、抗高リン酸血症効果を示し、関連する血管石灰化を低減することが示された。これらの効果および瀕死の減少は、死亡率転帰の改善傾向を伴い、治療群で観察された。Cpd 002からの利点は、体液過剰および血行動態に対するその効果に部分的に起因し得るが、このモデルにおける血管石灰化は、食餌性リン酸塩に非常に感受性が高いため、異所性石灰化の低減は、リン酸塩吸収の低減を指す。
実施例3
アデニン誘発性尿毒症ラットモデルにおける効果
Cpd 002の効果を、アデニン誘発性尿毒症ラットモデルで試験した。ラットに、腎炎誘導段階中に0.75%のアデニンと1.2%のリンとを含む食餌を供給した。処置段階中の基礎食餌は、2週間にわたる0.3%のアデニンと0.6%のリンとを含む通常の飼料であった。ラットは、最初の5日間ペアフィードし(群1および2から群3、4日間の間隔をあけて)、その後、自由に給餌した。処置群は、次のとおりであった:ビヒクル、n=10;Cpd 002、2mg/kg/日、飼料中薬物、n=10;およびCpd 002、5mg/kg/日、飼料中薬物、n=12。血清マーカーおよび腎臓機能について毎週の測定を行った。
Cpd 002は、早期の時点で血清リンおよび血清クレアチニンを低減した。ここで、このアデニン誘発性モデルは、腎機能の段階的な回復を特徴とする急性腎傷害であると考えられる。したがって、早期の時点での効果は、有意である。
3週目からの器官重量収集データは、このモデルにおけるCpd 002による治療が、より少ない心臓および腎臓の再形成傾向、ならびに最大用量での心臓および腎臓石灰化の低減傾向を示したことを示した。
実施例4
腎摘出ラットにおける高塩分の給餌による腎機能不全に対する効果
Cpd 002の効果は、CKDの食餌性塩誘発性、部分的腎アブレーションモデルで試験された。研究設計は、WO2014/169094に記載されており、これは、リンの尿中排泄に対するCpd 002の効果を示す。この研究では、Cpd 002は、血圧、体液過剰、アルブミン尿、ならびに心臓および腎臓肥大を改善し、またリンの尿中排泄も有意に低減した。これらのデータは、腎機能および血管機能の改善に対するCpd 002のリン低下効果への相加的寄与を示唆する。
実施例5
ラットにおけるリン酸塩およびカルシウムの尿中排泄に対する効果
化合物002の活性を、ラットの尿中のリンおよびカルシウムレベルに対するその効果について試験した。ラットに、表E7のスケジュールに従って投与した。
Figure 2022533251000075
ラットを、個々の代謝ケージに一晩、16時間(暗所で、典型的な給餌期間)保持し、翌日の朝、リン酸塩およびカルシウムレベルの分析のために尿を採取した。研究設計は、WO2014/169094に示されている。結果が図3Aおよび3Bに示される。これらの結果は、Cpd 002が、ビヒクルのみの対照と比較して尿中リン量を低減したことを示す。Cpd 002の投与量の増加もまた、48mg/kgのRenvela(登録商標)と比較して、尿中リン量を有意に低減した。
実施例6
健康志願者での7日間の反復投与研究における、15、30、および60mg BID用量での食餌性リンの低減における活性の評価
健康な男性および女性対象における化合物002(CPD002)の異なる投与レジメンのナトリウムおよびリン排泄に対する安全性、忍容性、および薬力学的活性(PD)を評価するために、第1相、単一施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照研究を設計した。
対象を、登録前の3週間以内にスクリーニングし、スクリーニング評価を完了する順番でコホートに順次割り当てた。15名の対象の各コホートは、-5日目の夕食前に臨床薬理施設(CPU)にチェックインした。対象は、CPUにとどめられ、Na+標準化された食事(約1500mg/食事)が提供された。
各コホートにおいて、12名がCPD002を投与され、3名がプラセボを投与されるように無作為化した。1~7日目に、約240mLの非炭酸水とともにCPD002の用量を対象に投与した(1日2回に応じて、適切な食事の直前に[bid、朝食、夕食])。投与後10分以内に標準化された食事を対象に提供した。
研究集団の選択-組み入れ基準。対象は、以下の基準のすべてを満たす場合、研究への組み入れに適格であった。
1.19~65歳(これらを含む)の健康な男性または女性。
2.18~29.9kg/m(これらを含む)の体格指数(BMI)。
3.スクリーニング時の既往歴、身体検査、または臨床検査評価に臨床的に有意な異常がない。
4.プロトコルを理解し、かつ順守することができる。
5.インフォームドコンセントに署名する意思があり、かつそれができる。
6.女性は妊娠しておらず、授乳しておらず、かつ卵胞刺激ホルモン(FSH)検査で確認された場合に少なくとも12か月閉経後であったか、少なくとも90日間、外科的に不妊であったか(例えば、適切な証拠書類を伴う、卵管結紮術、子宮摘出術、両側卵巣摘出術)、またはインフォームドコンセントへの署名時から研究終了の45日後まで、次の避妊法のうちの1つを使用することに同意したかのいずれか:殺精子剤を用いた子宮内デバイス、殺精子剤を含む女性用コンドーム、殺精子剤を含む避妊用スポンジ、殺精子剤を含むペッサリー、殺精子剤を含む子宮頸部キャップ、殺精子剤を含む男性用コンドームを使用することに同意する男性の性的パートナー、不妊の性的パートナー、禁欲、殺精子剤を含む膣内システム(例えば、NuvaRing(登録商標)、または殺精子剤を含む経口、埋め込み型、経皮、もしくは注射可能な避妊薬。
7.男性は、不妊であったか、禁欲していたか、またはチェックインから最後の研究訪問の45日後まで、次の承認された避妊法のうちの1つを使用することに同意したかのいずれか:殺精子剤を含む男性用コンドーム、不妊の性的パートナー、女性の性的パートナーによる、殺精子剤を含む子宮内デバイス、殺精子剤を含む女性用コンドーム、殺精子剤を含む避妊用スポンジ、殺精子剤を含む膣内システム(例えば、NuvaRing)、殺精子剤を含むペッサリー、殺精子剤を含む子宮頸部キャップ、または経口、埋め込み型、経皮、もしくは注射可能な避妊薬の使用。
研究集団の選択-除外基準。対象は、以下の基準のうちのいずれかを満たす場合、研究から除外された。
1.胃腸系の臨床的に症候性の生化学的または構造的異常の診断または治療。
2.虫垂切除術または胆嚢摘出術を除く、小腸または結腸の任意の手術。
3.重大な心臓血管、呼吸器、腎臓、肝臓、胃腸、血液、代謝、内分泌、神経、精神の疾患、または対象が無事に試験を完了することを妨げる可能性がある任意の状態の臨床的証拠。
4.過去7日間で2日以上の軟便(6または7のBSFS)。
5.肝機能障害(正常上限[ULN]の1.5倍を超えるアラニンアミノトランスアミナーゼ[ALT]もしくはアスパラギン酸アミノトランスアミナーゼ[AST])、または腎障害(ULNを超える血清クレアチニン)。
6.治験責任医師によって決定される、スクリーニング時の臨床的に有意な検査結果。
7.皮膚の非黒色腫悪性腫瘍を除く、任意の悪性腫瘍の証拠または治療。
8.治験責任医師の意見によって、対象がプロトコルの要件を満たすことができないか、もしくその意思がない場合、または結果を解釈不可能にする状態を有した場合。
9.治験責任医師の意見によって、研究の結果に影響を与えた可能性がある食餌。
10.利尿薬、糞便の硬さおよび/もしくは胃腸管運動に影響を及ぼすことが既知であった薬剤(食物繊維サプリメント(研究によって要求される場合を除く)、下痢止め、下剤、制酸剤、オピエート、麻酔薬、運動促進剤、かん腸剤、抗生物質、プロバイオティクス薬もしくはサプリメントを含む)、またはNa+、カリウム、塩化物、または重炭酸塩製剤を含有する塩もしくは電解質サプリメントの、CPUチェックイン(-5日目)からCPUチェックアウト(9日目)までの使用。
11.-5日目の前30日以内の治験薬の使用。
12.スクリーニング中のウイルス学的検査(活性B型肝炎感染[HBsAg]、C型肝炎感染[HCV]、もしくはヒト免疫不全ウイルス[HIV])、アルコール、または薬物乱用検査が陽性。
13.閉経後の女性に対するホルモン補充療法(HRT)およびホルモン避妊薬を除き、CPUへの入院前7日以内の任意の処方薬の使用、または任意の処方薬もしくは非処方薬の長期使用の必要性。
14.研究登録から12か月以内の、喫煙、アルコール乱用、違法薬物使用、重大な精神疾患、オピオイドへの身体的依存、または薬物乱用もしくは依存の既往。
15.研究登録前8週間以内に、重大な失血(450mL超)があったか、または1単位以上の血液もしくは血漿を提供した。
療法または評価からの対象の排除。対象は、いかなる時点においても、いかなる理由でも、かつさらなる治療を侵害することなく、自由に研究を中止することができた。治験責任医師の判断により、継続的参加が対象または研究データの完全性に許容できないリスクをもたした場合、治験責任医師は、対象を排除することが可能であった。早期に離脱した対象は、治験依頼者との協議の間、入れ替えられることが可能であった。
有効性評価-人口統計学的特徴および他のベースライン特徴。研究に登録されたすべての対象は、研究処置を受け、全員が、少なくとも1回のベースライン後PD評価を受けた。
研究に登録された対象の全体およびコホート別の人口統計学的特徴の概要が、以下の表E8に提供される。コホート全体で(特に性別および人種の点で)、ある程度のばらつきが観察された。しかしながら、ほとんどのコホートのベースライン特徴は、全集団のベースライン特徴を反映していた。
スクリーニング時に実施された身体検査中に、いずれの対象についても臨床的に有利な異常所見は認められなかった。
Figure 2022533251000076
スクリーニングおよび治療期間のイベントスケジュールが、以下の表E9に提供される。
Figure 2022533251000077
治験薬。CPD002カプセルまたは対応するプラセボカプセルを、15mgの倍数またはプラセボで約240mLの非炭酸水とともに投与した。CPD002は、非晶質のオフホワイト色の粉末であり、白色、サイズ0のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルとして供給された。各カプセルは、15mgのCPD002を含有した。カプセルを不透明白色高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルに包装した(10/ボトル)。製剤を賦形剤なしで製剤化した。
プラセボを、メチルセルロースで充填された白色、サイズ0のHPMCカプセルとして供給した。カプセルを不透明白色HDPEボトルに包装した(10/ボトル)。
対象を処置群に割り当てる方法。臨床研究組織の統計学者は、その標準作業手順書(SOP)およびGCP基準を反映した無作為化計画に従って、無作為化スキームを準備した。
インフォームドコンセントを取得した後、対象を、スクリーニング評価を完了する順番でコホートに順次割り当てた。
各コホート内で、コンピュータ生成された無作為化スケジュールを使用して、対象を活性CPD002またはプラセボに4:1の比率で無作為に割り当てた。
対象が無作為化に適格であるとみなされると、次の利用可能な無作為化番号を順次割り当て、対象は、無作為化スケジュールに示された処置を受けた。早期に離脱した対象は、治験依頼者との協議の間、入れ替えられることができた。入れ替え対象は、元の対象と同じ盲検処置を受けた。
各対象に対する用量の選択およびタイミング。対象を、スクリーニング評価を完了する順番で、各々15名の対象からなるコホートに順次割り当て、無作為割り当てに基づいてCPD002またはプラセボのいずれかを投与した。表E10は、各コホートに対する実際の投与レジメンを提供する。これは、適応設計プロトコルであったため、各コホートの投与レジメンは、以前のコホートからの盲検結果に基づいていた。
Figure 2022533251000078
朝食および夕食の直前に投与を行った。対象は、最大で2時間前までの水を除いて、朝食時の投与前8時間から何かを食べることも飲むことも許可されなかった。投与の約10分後に標準化された食事を対象に供給した。
標準化された食餌は、各食事に対して約1500mgのNa+含量を含んだ。食餌性リンは測定されず、所定値に設定もされなかった。これは、典型的な値、すなわち1日当たり750mg~1250mgの範囲内にあると予想された。
対象は、食事に加えることができる塩はなかった。薬物投与前に規定される場合を除き、水分摂取は自由であった(かつ記録された)。対象は、研究参加中に激しい身体活動(例えば、コンタクトスポーツ)を控えることになっていた。
盲検化。処置を二重盲検様式で行った。生成物を分注する責任がある治験施設の薬剤師、および血漿CPD002の生体分析を行う責任がある生物分析検査室の技術者のみが、割り当てられた処置に関する知識を有していた。
コホート間の安全性レビューのために、研究を非盲検化しなかった。
第三者は、不正アクセスを防止するための適切な管理下で、講じられた安全な場所に無作為化スケジュールを維持した。
非盲検の封筒の1セット(個々の対象処置割り当てを含む密封された封筒)をCPUで保管した。
最終コホートからすべてのデータを収集し、データベースをロックした後のみ、研究を非盲検化した。
以前の療法および併用療法。これは、健康対象における研究であった。除外基準に規定された以前の療法がある対象は、研究への参加に適格ではなかった。
閉経後の女性に対するHRTおよびホルモン避妊薬を除き、AEの治療に必要でない限り、研究中に併用薬の使用は禁止された。
開始日および停止日、用量および投与経路、頻度および適応症を含む、過去30日間に参加者が摂取したすべての以前の薬剤(処方薬および市販薬)、ビタミンおよびミネラルサプリメント、ならびにハーブをCRFに記録した。手順のために摂取された薬剤も含んだ。
処置コンプライアンス。治験薬の全用量をクリニックスタッフの監督下で投与し、投与時間および用量をCRFに記録した。臨床スタッフは、薬物投与後に対象の口腔および手を調べて、カプセルが飲み込まれたかを確認した。
有効性変数。研究は、3週間のスクリーニング期間、続いて5日間のベースライン評価、7日間の二重盲検処置期間からなり、安全性およびPD評価のための2日間のフォローアップを伴った。処置期間の14日後、安全性フォローアップのために対象に電話で連絡した。
対象は、治験薬の初回用量の投与の5日前にCPUに入院し、処置期間中に施設にとどめられ、9日目に解放された。
安全性評価を-5日目から実施し、身体検査、バイタルサイン 12誘導ECG、定期的な血清化学検査、血液学検査、および尿検査、ならびにAE報告を含んだ。薬力学的評価を-4日目から9日目まで毎日実施し、尿中および糞便中Na+排泄、最初の便通までの時間、ならびに糞便パラメータ(硬さ、重量、および頻度)を含んだ。薬力学的検査評価(血漿レニン、アルドステロン、およびNT-プロBNP)を、-4、-1、3、6、および9日目に採取した。
検査評価。臨床検査(血液学検査、化学検査、尿検査)用の血液および尿試料を、スクリーニング中(組み入れ/除外基準を満たすため)、ならびに-4日目および9日目の起床後および朝食前に採取した。
さらに、アルコール/薬物スクリーニング、FSH検査(閉経後の女性のみ)、および妊娠検査(すべての女性)のために、スクリーニング時および-5日目に血液を採取した。HBsAg、HCV、およびHIVに対するウイルス学的スクリーニングを、スクリーニング時に実施した。
薬力学的変数。以下のPDパラメータを、潜在的な薬剤活性のシグナルとして監視した:
・糞便中Na+排泄
・糞便中リン排泄
便通。研究参加者に、便通がある直前に研究担当者に通知するよう指示した。研究スタッフは、各便通の時間を記録し、糞便パラメータ(例えば、硬さ、重量)を評価した。トイレを離れる前に起こった便通を1回の便通とみなした。すべての便通を、総Na+およびP分析のためにCPUによって採取、計量、および保管した。採取は、24時間間隔であった。
薬力学的分析-糞便中ナトリウムおよびリン分析方法。ヒト糞便試料を硝酸で処理して、ナトリウムおよびリン含量の検査室での決定前に、事前に消化された試料(以下、事前消化物)を得た。事前消化物を、100℃の硝酸、続いて100℃の塩酸でさらに消化し、脱イオン水で希釈した。イットリウムを内部標準として消化物に添加した。較正基準および品質管理試料を、同じ手順で消化した。ナトリウムおよびリン濃度を、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-OES)法によって決定した。分析物およびイットリウムの光強度を、SCD(アレイ)検出器で測定した。分析物対イットリウム強度比を、計器ソフトウェアを介して溶液濃度に変換した。各試料中の総ナトリウムおよびリン含量を、事前消化プロセス中に得られた試料体積および測定された濃度を使用して計算した。
結果。データの非盲検化後に、糞便中および尿中PおよびNaの薬力学的測定を、プラセボ群(各コホートに組み込まれた3名の対象×3コホート=9名の対象)、および3つの処置群にそれぞれ割り当てた。データはWO2014/169094に例示されており、これは、7日間の処置期間(1日目~7日目)にわたって平均され、mEq/日として報告される、Naの中間の1日平均糞便中排泄(+/-SE)を示す。7日間の処置期間(1日目~7日目)にわたって平均され、mEq/日として報告される、リンの中間の1日平均糞便中排泄(+/-)。統計分析を一元配置ANOVAによって実施した;(*);p<0.05、(**);p<0.01、(***);p<0.001。
実施例7
健康志願者での7日間の反復投与クロスオーバー研究における、15mg BID用量での食餌性リンの低減における活性の評価
3方向クロスオーバー設計を利用して、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール)の投与を受けている健康な男性および女性対象において、4日間、1日2回投与されたCPD002の3つの異なる製剤についてのCPD002の薬力学を評価するために、第1相、単一施設、無作為化、3方向クロスオーバー、非盲検研究を設計した。多くの潜在的な患者が、胃食道逆流性疾患(GERD)の治療のためにPPIまたはH2アンタゴニストのいずれかを摂取する。しかしながら、CPD002製剤のインビトロ溶解プロファイルは、高pHの影響を受ける場合があり、より遅いおよび/または不完全な溶解が時々観察される。胃内pHの上昇との関連で薬剤の薬力学的活性を評価するために、本研究の対象は、-5日目に始まり処置期間全体を通してオメプラゾールの投与を受けることが求められた。
対象を、登録の3週間以内にスクリーニングした。各対象に、-5日目に開始してオメプラゾール20mgを1日2回投与した。対象は、-2日目の夕食前に、臨床薬理施設(CPU)にチェックインした。各対象に、CPUにいる間、Na+含量について標準化された食餌を与えた。CPD002の3つの製剤のうちの1つを約240mLの非炭酸水とともにBIDで、1~4日目、7~10日目、および13~16日目(毎回異なる製剤)に、対象に投与した。投与後約5分以内に、朝食および/または夕食を対象に供給した。各処置期間の間に2日間の休薬期間があった。
CPUにとどめられている間、CPU手順に従ってNa+標準化された食事を提供した。薬力学的評価には、24時間尿中ナトリウムおよびリン、ならびに糞便中ナトリウムおよびリンの測定値が含まれた。
少なくとも18名の健康な男性および女性対象を、本研究で無作為化した。
対象選択基準-組み入れ基準。
1.19~65歳(これらを含む)の健康な男性または女性。
2.18~29.9kg/m2(これらを含む)の体格指数。
3.スクリーニング時の既往歴、身体検査、または臨床検査評価に臨床的に有意な異常がない。
4.プロトコルを理解し、かつ順守することができる。
5.インフォームドコンセントに署名する意思があり、かつそれができ、任意の研究特有の手順の前に、書面によるインフォームドコンセントに署名および日付を記入している。
6.妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時および施設への入院時に妊娠検査が陰性でなければならず、授乳中であってはならない。
7.研究に組み入れられる妊娠の可能性がある女性は、スクリーニングからフォローアップ訪問まで、妊娠を回避する2つの効果的な方法を使用しなければならない(経口、経皮、もしくは埋め込み型避妊薬、子宮内デバイス、殺精子剤を含む女性用コンドーム、殺精子剤を含むペッサリー、子宮頸部キャップ、または性的パートナーによる殺精子剤を含むコンドームの使用を含む)。
8.スクリーニング時に確認された妊娠の可能性がない女性は、以下の基準のうちのいずれかを満たさなければならない。
a.少なくとも12か月以上の無月経と定義される、閉経後;すべての外因性ホルモン治療の停止後、ならびに閉経後範囲のLHおよびFSHレベル、または
b.卵管結紮術ではなく、子宮摘出術、両側卵巣摘出術、または両側卵管摘出術による不可逆的な避妊手術の証拠書類。
9.男性は、不妊であるか、禁欲しているか、またはチェックインから最後の研究訪問の45日後まで、次の承認された避妊法のうちの1つを使用することに同意する、のいずれかでなければならない:殺精子剤を含む男性用コンドーム、不妊の性的パートナー、女性の性的パートナーによる、殺精子剤を含むIUD、殺精子剤を含む女性用コンドーム、殺精子剤を含む避妊用スポンジ、殺精子剤を含む膣内システム(例えば、NuvaRing(登録商標))、殺精子剤を含むペッサリー、殺精子剤を含む子宮頸部キャップ、または経口、埋め込み型、経皮、もしくは注射可能な避妊薬の使用。
10.任意の遺伝子研究に組み入れるために、患者は、上記の組み入れ基準のすべてを満たし、かつ遺伝子試料採取および分析についてインフォームドコンセントを提供しなければならない。
除外基準。対象は、以下の基準のうちのいずれかを満たす場合、研究から除外された。
1.胃腸(GI)管の臨床的に症候性の生化学的または構造的異常の診断または治療。
2.虫垂切除術もしくは胆嚢摘出術、または薬剤の吸収、分布、代謝、または排泄を妨げることが知られている任意の他の状態を除く、小腸または結腸の任意の外科手術。
3.重大な心臓血管、呼吸器、腎臓、肝臓、胃腸、血液、代謝、内分泌、神経、精神の疾患、または対象が無事に試験を完了することを妨げる可能性があるか、もしくは対象に対する安全性リスクを示す、任意の状態の臨床的証拠。
4.治験責任医師によって判断される重度のアレルギー/過敏症の既往、もしくは進行中のアレルギー/過敏症、またはCPD002と類似の化学構造またはクラスを有する薬剤に対する過敏症の既往。
5.過去7日間で2日以上の軟便(6または7のブリストル便形状スコア)。
6.肝機能障害(正常上限[ULN]の1.5倍を超えるアラニンアミノトランスアミナーゼ[ALT]もしくはアスパラギン酸アミノトランスアミナーゼ[AST])、または腎障害(ULNを超える血清クレアチニン)。
7.治験責任医師によって決定される、スクリーニング時の臨床的に有意な検査結果。
8.皮膚の非黒色腫悪性腫瘍を除く、任意の悪性腫瘍の証拠または治療。
9.治験責任医師の意見によって、対象がプロトコルの要件を満たすことができないか、もしくその意思がなく、これが結果を解釈不可能にする場合。
10.利尿薬、糞便の硬さおよび/もしくはGI運動に影響を及ぼすことが既知である薬剤(食物繊維サプリメント(研究によって要求される場合を除く)、下痢止め、下剤、制酸剤、オピエート、麻酔薬、運動促進剤、かん腸剤、抗生物質、プロバイオティクス薬もしくはサプリメントを含む)、またはナトリウム、カリウム、塩化物、または重炭酸塩製剤を含有する塩もしくは電解質サプリメントの、CPUチェックイン(-2日目)からCPUチェックアウト(17日目)までの使用。
11.-2日目の前30日以内の治験薬の使用。
12.スクリーニング中のウイルス学的検査(活性B型肝炎感染、C型肝炎感染、もしくはヒト免疫不全ウイルス)、アルコール、または薬物乱用検査が陽性。
13.閉経後の女性に対するホルモン補充療法およびホルモン避妊薬を除き、CPUへの入院前7日以内の任意の処方薬の使用、または任意の処方薬もしくは非処方薬の長期使用の必要性。
14.研究登録から12か月以内の、喫煙、アルコール乱用、違法薬物使用、重大な精神疾患、オピオイドへの身体的依存、または薬物乱用もしくは依存の既往。
15.研究登録前8週間以内に、重大な失血(450mL超)があったか、または1単位以上の血液もしくは血漿を提供した。
治験薬。CPD002-HClカプセル、CPD002-HCl錠剤、およびCPD002遊離塩基錠剤。CPD002ビス-HCl塩は、非晶質のオフホワイト色の粉末である。CPD002遊離塩基は、白色の結晶性固体である。CPD002は、白色、サイズ0のHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルまたは円形の白色錠剤のいずれかとして提示される。カプセルを、14mgのCPD002遊離塩基に相当するCPD002二塩酸塩式量に基づいて、15mgの投与量強度で製造した。本研究全体で同等の投与量強度を確実にするために、二塩酸塩および遊離塩基の両方の錠剤を、遊離塩基に基づいて14mgを反映する投与量強度で製造した。カプセルおよび錠剤を、白色HDPE(高密度ポリエチレン)ボトルに包装した。CPD002のカプセルおよび錠剤を、使用するまで元の包装で冷蔵(2~8℃)保管した。錠剤の構成成分が、以下の表E11に記載される。
Figure 2022533251000079
用量および投与経路。CPD002カプセルまたは錠剤、15mg(14mgの遊離塩基当量)を、約240mLの非炭酸水とともに、処置期間当たり4日間連続で朝食および夕食の前に1日2回、POで投与し、処置の間に2日間の休薬期間があった。オメプラゾール20mg BIDを、-5日目から開始してスクリーニングされた対象に投与した。すべての対象に、16日目の治験薬の最終投与まで毎日、CPD002の摂取の1時間前にオメプラゾール20mgを1日2回投与した。以下の表E12を参照されたい。
Figure 2022533251000080
対象が無作為化に適格であるとみなされると、次の利用可能な無作為化番号を順次割り当て、対象は、無作為化スケジュールに示された一連の処置を受けた。治験薬の全用量をクリニックスタッフの監督下で投与し、投与時間および用量を症例報告書(CRF)に記録した。臨床スタッフは、薬物投与後に対象の口腔および手を調べて、カプセルが飲み込まれたかを確認した。
水分および食物摂取量。研究に参加する対象に、近似のナトリウム含量(各食事に対して約1500mg)を有する標準化された食餌を与えた。食餌性リンは測定されず、所定値に設定もされなかった。これは、典型的な値、すなわち1日当たり750mg~1250mgの範囲内にあると予想された。対象は、食事に加えることができる塩、またはスパイスもしくはソースを含有する任意の他のナトリウムはなかった。
薬物投与前に規定される場合を除き、水分摂取は自由であった。毎日のメニュー(食物および水分)は、各処置期間中に類似していた。
薬力学的変数。以下のパラメータを、潜在的な薬剤活性のシグナルとして監視した。
・尿中ナトリウム排泄(毎日)
・糞便中ナトリウム排泄(毎日)
便通および採尿を、上述のように実施し(実施例8)、3つの剤形の薬力学的活性を次のように評価した。ベースラインが最初の休薬期間、すなわち6日目および7日目に確立された1名の対象を除いて、リンまたはナトリウムのベースラインの糞便中排泄を、-1日目~0日目の間のリンまたはナトリウムの1日平均糞便中排泄として確立した。処置後のリンまたはナトリウムの1日糞便中排泄を、4日間の処置期間にわたって糞便中リンまたはナトリウム排泄を平均化することによって測定した。同じ方法を尿に使用した。
結果。結果は、WO2014/169094に示されている。統計分析を一元配置ANOVAによって実施した;(*);p<0.05、(**);p<0.01、(***);p<0.001。
リンの中間の1日平均排泄(+/-SE)は、WO2014/169094に示されている。ベースラインが最初の休薬期間、すなわち6日目および7日目(「投与前」と称される)に確立された1名の対象を除いて、リンまたはナトリウムのベースラインの糞便中排泄を、-1日目~0日目の間のリンまたはナトリウムの1日平均糞便中排泄として確立した。15mg BID HCl錠剤による処置後のリンの1日糞便中排泄を、4日間の処置期間にわたって糞便中リンまたはナトリウム排泄を平均化することによって測定した。
ベースラインが最初の休薬期間、すなわち6日目および7日目(「投与前」と称される)に確立された1名の対象を除いて、ナトリウムのベースラインの糞便中排泄を、-1日目~0日目の間のナトリウムの1日平均尿中排泄として確立した。3つの形態の製剤による処置後のナトリウムの1日尿中排泄を、4日間の処置期間にわたって尿中ナトリウム排泄を平均化することによって測定した。
ベースラインが最初の休薬期間、すなわち6日目および7日目(「投与前」と称される)に確立された1名の対象を除いて、リンのベースラインの糞便中排泄を、-1日目~0日目の間のリンの1日平均尿中排泄として確立した。3つの形態の製剤による処置後のリンの1日尿中排泄を、4日間の処置期間にわたって尿中ナトリウム排泄を平均化することによって測定した。
実施例8
CP002の薬力学に対するRenvela(登録商標)の効果
健康な男性および女性対象において、4日間、1日2回、POで投与されたCP002の薬力学的活性に対するRenvela(登録商標)の効果を評価するために、第1相、単一施設、無作為化、非盲検研究を設計した。
対象を、登録の3週間以内にスクリーニングした。18名の対象が-2日目の夕食前にCPUにチェックインした。各対象に、CPUにいる間、Na+含量について標準化された食餌を与えた。1~4日目および7~10日目に、15mgのCP002 BIDを対象に投与した。投与後約5分以内に、朝食および/または夕食を対象に供給した。(無作為に割り付けられた)2つの処置期間のうちの1つの間に、朝食、昼食、および夕食(1~4日目または7~10日目のいずれか)と一緒にRenvela(登録商標)800mg錠剤を1錠、対象に投与した。各処置期間の間に2日間の休薬期間があった。CPUにとどめられている間、CPU手順に従ってNa+標準化された食事を提供した。薬力学的評価には、24時間糞便中ナトリウムおよびリン測定値が含まれた。
治験薬の対象選択基準および説明は、実施例9(上記参照)に記載されたものと同じであった。評価および手順のスケジュールが、以下の表E13に示される。
Figure 2022533251000081
薬力学的変数。リンまたはナトリウムのベースラインの糞便中排泄を、-1日目~0日目の間のリンまたはナトリウムの1日平均糞便中排泄として確立した。処置後のリンまたはナトリウムの1日糞便中排泄を、4日間の処置期間にわたって糞便中リンまたはナトリウム排泄を平均化することによって測定した。ナトリウムおよびリン分析方法を、実施例8(上記参照)に記載されるように実施した。
結果。データは、WO2014/169094に示されている。一元配置ANOVA、続いてテューキーの多重比較検定によって実施される統計分析;(*);p<0.05、(**);p<0.01、(***);p<0.001。対投与前。
ここで、ナトリウムのベースラインの糞便中排泄を、-1日目~0日目の間(「投与前」と称される)のリンまたはナトリウムの1日平均糞便中排泄として確立した。15mg BID HCl錠剤による処置後のナトリウムの1日糞便中排泄を、4日間の処置期間にわたって糞便中ナトリウム排泄を平均化することによって測定した。
リンの中間の1日平均糞便中排泄(+/-SE)は、WO2014/169094に示されている。リンのベースラインの糞便中排泄を、-1日目~0日目の間(「投与前」と称される)のリンの1日平均糞便中排泄として確立した。15mg BID HCl錠剤による処置後のリンの1日糞便中排泄を、4日間の処置期間にわたって糞便中リン排泄を平均化することによって測定した。
実施例9
テナパノールおよびセベラマーの併用治療
動物
合計で48匹の、到着時に約250gの体重がある約8週齢のオスのSprague Dawley(SD)ラット(Envigo、Livermore,CA)を、研究群に割り当てる前に、48時間の順応期間にわたって、マイクロアイソレーターケージに、ケージ当たり2匹収容した。動物を、逆転させた12時間の明/暗サイクル(午前7時~午後7時の暗サイクル)を利用して、温度(65~75°F)および湿度(35~55%)に制御された施設に収容した。ラットは、研究の期間中、追加の0.4%の無機リンを入れた標準的な齧歯動物用飼料(1:1のナトリウム:カリウム塩、TD.160470、1.1%w/wの総リン含量、Harlan-Teklad、Madison,WI)、および脱イオン飲料水に自由にアクセスできた。体重を、研究開始時および研究の残りの期間にわたって毎日記録した。実験動物の管理と使用に関するガイドライン(National Research Council,2011)に従って、動物を維持した。動物実験委員会によって承認されたプロトコルに基づき、研究を実施した。
研究設計
ラットを、様々な量のセベラマー(0~3%w/w)を含有する食餌が与えられた8群(n=6/群)のうちの1つに無作為に割り当て、以下の表に示される研究割り当てに従って、11日間連続でビヒクル(0.01% Tween80)またはテナパノール(0.15mg/kg)を1日2回、経口強制投与した。
Figure 2022533251000082
ビヒクルを経口投与し、セベラマーなしで食餌を提供したラット(群1)は、対照群としての役割を果たした。処置群には、テナパノール単独(0.15mg/kg、bid)、セベラマー単独(飼料中0.75、1,5、または3%w/w)、およびテナパノール(0.15mg/kg、bid)と各用量レベルのセベラマー(飼料中0.75、1,5、または3%w/w)との組み合わせにより処置された群が含まれた。
動物を、最初の5処置日にわたって対で収容しながら、ホームケージで投与した。処置6日目に、すべての動物を、研究の残りの期間にわたって代謝ケージに個々に収容し、0~3%のセベラマーw/wを含有する食餌への自由なアクセスを提供し続け、ビヒクルまたはテナパノールを1日2回投与した。代謝ケージへの2日間の順応後、24時間の食物摂取量、水分摂取量、および尿量を、最後の4処置日にわたって測定および記録した。尿中ナトリウムおよびリン濃度を、イオンクロマトグラフィー(IC)によって測定した。24時間尿中ナトリウムおよびリン排泄を、イオン濃度に24時間尿量を乗じることによって計算した。また、尿中イオン排泄を、食物摂取量の日内変動を説明するために、1日食餌性イオン摂取量に正規化した。血清ナトリウムおよびリン酸塩の測定(Alera、Alpha Wassermann、West Caldwell,NJ)のために、イソフルラン麻酔下の心臓穿刺によって末端血液試料を採取して、ナトリウムおよびリン酸塩の腎クリアランスの計算を可能にして、腎臓のイオン処理をさらに評価した。
投与溶液および食餌製剤
0.03mg/mLの濃度のテナパノール(Ardelyx,Fremont CA)を含有する投与溶液を、0.1% Tween 80ビヒクルに適切な重量のテナパノールを添加することによって毎週新鮮にした。用量体積は、すべての群に対して5mL/kgであった。リン酸塩を入れた標準的な齧歯動物用飼料を、ミキシングボウルに計量した。適量の炭酸セベラマー(Renvela、Genzyme)を、ミキシングボウル中の粉末食餌(セベラマー0、0.75、1.5、または3%w/w)に添加し、スタンドミキサー(KitchenAid)上に置き、撹拌2の速度に10分間設定した。
用量投与
動物に、1日2回(bid)、経口(po)で、消灯直前(午前7時)および暗サイクルの最中(午後2時)に、標準的な胃管栄養針(38mm、20G)を用いて投与した。動物を、投与のために保持ケージまたは代謝ケージから取り出し、次いで元のケージに直ちに戻した。
イオンクロマトグラフィーによる尿中イオン分析
尿試料を、電気伝導度検出器を伴ったイオンクロマトグラフィーシステム(Thermo Fisher Scientific ICS-3000またはICS-5000+)上で、ナトリウムおよびリン含量について分析した。陽イオンのクロマトグラフ分離を、25mMのメタンスルホン酸を使用したイソクラティック溶出を用いて、IonPac CS12A(Thermo Fisher)2×250mm分析カラムを使用して実施した。陰イオンのクロマトグラフ分離を、35mMの水酸化カリウムを使用したイソクラティック溶出を用いて、IonPac AS18(Thermo Fisher)2×250mm分析カラムを使用して実施した。濃度を、保持時間およびピーク面積に基づいて、各分析物イオンについて標準曲線(10mMの塩酸中で調製)から補間した。
統計分析
各群についてのすべてのデータセットは、平均±SEMによって表される。複数の比較を補正し、個々の群の比較を可能にするために、一元配置ANOVA、続いて、テューキーの事後検定を用いて統計分析を実施した。群間の統計的有意性に、ビヒクル群と比較して、*、P<0.05;**、P<0.01;および***、P<0.001の印を付けた。BLISS独立性モデルを使用して、テナパノールおよびセベラマーの組み合わせが独立していたか、相乗的であったか、または拮抗的であったかを統計的に決定した。BLISS独立性モデルは、単独で投与された各個々の薬剤の観察された効果に基づく確率論の完全加法性を使用して計算された、予測された組み合わせへの応答を比較する以下の方程式によって定義され、併用治療の観察された効果と比較され:
ab,P=Y+Y-Y
式中、Y=用量Aにおける薬剤Aの有効性%、Y=用量Bにおける薬剤Bの有効性%、Yab,P=組み合わせの予測された有効性、およびYab,O=組み合わせの観察された有効性である。
また、予測された組み合わせ有効性を観察された組み合わせ有効性と比較することであり、Yab,O>Yab,P=相乗効果、Yab,O=Yab,P=独立(加法性)、およびYab,O<Yab,P=拮抗作用である。
結果
体重、食物摂取量に対する効果、および投与されたセベラマー用量の計算
体重および食物摂取量は、対照と比較して、テナパノール、セベラマー、または併用治療による有意な影響を受けなかった。セベラマーを食餌混合物として投与した場合、食物中で送達されるセベラマーの実際の用量を、食物消費量に基づいて計算した。食物中のセベラマー含量の増加に伴ったセベラマー用量の線形増加があり、セベラマー用量は、経時的に安定しており、テナパノールの同時投与は、食物中で消費されるセベラマーの用量に有意な影響を与えなかった。結果として、セベラマーの用量は、セベラマーを消費するテナパノール処置群と非テナパノール処置群との間で十分に一致し、組み合わせ効果の直接的な比較を可能にした。研究最終日に投与されたセベラマー用量が、体表面積変換(1/7)に基づくヒト等価用量への変換とともに、以下の表に要約される。
Figure 2022533251000083
推奨されるセベラマーのヒト開始用量は、2.4~4.8g/日であり、したがって、用量変換に基づいて、ラットにおける0.75%のセベラマー用量は、推奨されるセベラマーのヒト開始用量とほぼ同等である。
尿中リン排泄に対する効果
処置の最後の4日間にわたる24時間尿中リン排泄が、図4Aに示され、明確にするために、最終処置日が、図4Bに示される。テナパノール処置単独は、ビヒクル対照と比較して、尿中リン排泄を有意に減少させた。セベラマーは、尿中リン排泄を有意に、かつ用量依存的に減少させ、テナパノールと組み合わせて、尿中リン排泄を用量依存的に減少させ、これにより、組み合わせによる低減は、すべてのセベラマー用量レベルにわたって、テナパノールまたはセベラマー単独の等価用量のいずれかよりも有意に大きかった。処置の最後の4日間にわたる1日摂取量の任意の変動を説明するための、食餌性リン摂取量への尿中リン排泄の正規化が、図4Cに示され、明確にするために、最終処置日が、図4Dに単独で示される。テナパノールまたはセベラマー単独の等価用量と比較して、テナパノールおよびセベラマーの組み合わせの増強された尿中リンの低下は、この分析によって確認され、交絡の影響として食餌性リン摂取量の変動を除外する。
BLISS独立性モデルを使用して、テナパノールとセベラマーとの間の相互作用を評価し、以下の表に要約する。
Figure 2022533251000084
各処置群についての4日間の採取期間全体にわたる平均尿中リン排泄を、この分析に使用して、収集されたすべてのデータ点が、組み合わせ効果の評価に含まれたことを確実にした。次いで、ビヒクル対照(群1)と比較して観察された併用治療による尿中リン排泄の低減を、BLISSモデルに基づく予測された併用治療による尿中リン排泄の低減と比較した。観察された併用治療による尿中リン排泄の低減は、テナパノールと組み合わせたすべてのセベラマー用量のBLISSモデルによる単剤効果に基づいて予測された低減よりも大きく、相乗効果の指標であった。テナパノールとの予測された組み合わせ効果(47.2%低減)からの観察された組み合わせ効果(64.8%低減)の差は、最低(0.75%w/w)のセベラマー用量で最大であった。これは、テナパノールおよびセベラマーが相乗的に作用して、特により低く、臨床的に意義のあるセベラマー用量で、腸管リン酸塩吸収の指数である尿中リン排泄を低減することを示唆する。
尿中ナトリウム排出に対する効果
テナパノール処置は、ビヒクル対照と比較して尿中ナトリウム排泄を有意に減少させたが、セベラマー単独は、尿中ナトリウム排泄に有意な影響を与えなかった。また、テナパノールは、すべての用量のセベラマーと同時投与された場合、対照と比較して尿中ナトリウム排泄を有意に低減した。0.75%および1.5%w/wの用量のセベラマーは、テナパノールのナトリウム低下効果の大きさに有意な影響を与えなかった。しかしながら、最高用量のセベラマー(3%w/w)は、テナパノールのナトリウム低下効果を穏やかだが有意に弱めた。処置の最後の4日間にわたる1日摂取量の任意の変動を説明するための、食餌性ナトリウム摂取量への尿中ナトリウム排泄の正規化は、尿中ナトリウム排泄の観察が、ナトリウム摂取量の変動によって交絡されなかったことを実証した。BLISSモデルにより、テナパノールおよび3%w/wのセベラマーの組み合わせで観察された尿中ナトリウム低下が、個々の薬剤処置に基づいて予測された尿中ナトリウム低下よりも少ないことが確認され(以下の表)、ヒトにおける約20g/日のセベラマーに相当し、かつおそらく臨床的に意義のない、高用量のセベラマー(3%w/w)が、テナパノールのナトリウム低下の薬力学的効果を弱めることを示す。
Figure 2022533251000085
リンおよびナトリウムの腎クリアランスに対する効果
テナパノールおよびセベラマー単独は、リンの腎クリアランスを有意に減少させ、腸管リン吸収の減少に直面した適切な腎応答を反映している。テナパノールと組み合わせて、セベラマーは、リンクリアランスをさらに、かつ用量依存的に低減し、これにより、組み合わせによる低減は、テナパノールまたはセベラマー単独の等価用量のいずれかよりも有意に大きかった。テナパノール単独は、ナトリウムの腎クリアランスを有意に減少させ、腸管リン吸収の減少に直面してナトリウムを保存する適切な腎応答を反映している。セベラマー単独は、腸管ナトリウム吸収に影響を与えなかったため、腎臓のナトリウム処理には影響を及ぼさなかった。ナトリウムの腎クリアランスは、テナパノールと組み合わせた場合、0.75%または1.5%w/wでのセベラマーによって有意な影響を受けなかった。しかしながら、テナパノール単独と比較して、3%w/wでのセベラマーとの組み合わせは、有意により高いナトリウムの腎クリアランスをもたらし、この高用量のセベラマーと組み合わせた場合に、テナパノールのナトリウム低下の薬力学的効果が弱められたことを反映している。

Claims (16)

  1. リン酸塩結合剤と組み合わせた有効量の上皮リン酸塩輸送阻害剤を投与することを含む、患者において血清リン酸塩を低下させるための方法であって、投与される前記リン酸塩結合剤の量が、単剤として投与される量よりも少ない、方法。
  2. リン酸塩結合剤が、セベラマー、炭酸ランタン、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、酢酸カルシウム/炭酸マグネシウム、MCI-196、クエン酸第二鉄、スクロオキシ水酸化鉄、ヒドロキシ炭酸マグネシウム鉄、水酸化アルミニウム、APS1585、SBR-759、およびPA-21からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記上皮リン酸塩輸送阻害剤が、上皮細胞のpHを低下させる化合物である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記化合物が、NHE3阻害剤、グアニル酸シクラーゼC受容体(GC-C)アゴニスト、P2Yアゴニスト、アデノシンA2b受容体アゴニスト、可溶性グアニル酸シクラーゼアゴニスト、アデニル酸シクラーゼ受容体アゴニスト、イミダゾリン-1受容体アゴニスト、コリン作動性アゴニスト、プロスタグランジンEP4受容体アゴニスト、ドーパミンD1アゴニスト、メラトニン受容体アゴニスト、5HT4アゴニスト、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体アゴニスト、炭酸脱水酵素阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、および腺腫において下方制御される(DRAまたはSLC26A3)アゴニストからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記上皮リン酸塩輸送阻害剤が、式(I)または(IX)の構造を有するNHE3阻害剤であり、
    Figure 2022533251000086

    式中、
    NHEが、(i)ヘテロ原子含有部分と、(ii)それに直接または間接的に結合した環状もしくは複素環骨格または支持体部分と、を含む、NHE結合小分子であり、前記ヘテロ原子含有部分が、任意に前記骨格または支持体部分と縮合して縮合二環構造を形成し得る、置換グアニジニル部分および置換複素環部分から選択され、
    Zが、前記NHE結合小分子への付着のための少なくとも1つの部位をその上に有する部分であり、得られるNHE-Z分子が、それを実質的に不透過性または実質的に全身的に生体利用不可能にする、全体的な物理化学的特性を有し、
    Eが、1以上の値を有する整数である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記化合物が、オリゴマー、デンドリマー、またはポリマーであり、さらに、Zが、直接、または連結部分Lを介して間接的に、のいずれかでの、複数のNHE結合小分子への付着のための2つ以上の部分をその上に有するコア部分であり、前記化合物が、式(X)の構造を有し、
    Figure 2022533251000087

    式中、Lが、前記コアを前記NHE結合小分子に接続する結合またはリンカーであり、nが、2以上の整数であり、さらに、各NHE結合小分子が、他と同じであり得るかまたは異なり得る、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記NHE結合小分子が、式(IV)の構造:
    Figure 2022533251000088

    またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有し、
    式中、
    各R、R、R、R、およびRが、独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRが、独立して、H、または前記NHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、前記NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とし、
    が、H、C-Cアルキル、または前記NHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、
    が、存在しないか、またはHおよびC-Cアルキルから選択され、
    Ar1およびAr2が、独立して、芳香環またはヘテロ芳香環を表す、請求項6に記載の方法。
  8. 前記NHE結合小分子が、以下の構造:
    Figure 2022533251000089

    またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有し、
    式中、
    各R、R、およびRが、独立して、H、ハロゲン、-NR(CO)R、-(CO)NR、-SO-NR、-NRSO、-NR、-OR、-SR、-O(CO)NR、-NR(CO)OR、および-NRSONRから選択され、式中、RおよびRが、独立して、H、または前記NHE結合小分子をLに連結する結合から選択され、ただし、少なくとも一方が、前記NHE結合小分子をLに連結する結合であることを条件とする、請求項6に記載の方法。
  9. 前記NHE結合小分子が、以下の構造のうちの1つ:
    Figure 2022533251000090

    またはその立体異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容される塩を有する、請求項6に記載の方法。
  10. 前記NHE3阻害剤が、
    Figure 2022533251000091

    またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
  11. 上皮リン酸塩輸送阻害剤とリン酸塩結合剤とを含む医薬組成物であって、投与される前記リン酸塩結合剤の量が、単剤として投与される量よりも少ない、医薬組成物。
  12. 前記上皮リン酸塩輸送阻害剤が、テナパノールである、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記リン酸塩結合剤の量が、単剤として投与される量の50%である、請求項11に記載の組成物。
  14. 前記リン酸塩結合剤の量が、単剤として投与される量の約40%である、請求項11に記載の組成物。
  15. 前記リン酸塩結合剤の量が、単剤として投与される量の約30%である、請求項11に記載の組成物。
  16. 前記リン酸塩結合剤の量が、単剤として投与される量の約20%である、請求項11に記載の組成物。
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