JP2022074949A - 植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品及びその製造方法 - Google Patents

植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】納豆、漬物、酒粕、味噌又は醤油のような、植物を原料とする発酵食品を原料として、濃厚ソース、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような、水中油型乳化油脂食品を製造する。【解決手段】植物発酵食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程S2、前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程S3,S4、前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程S5、並びに、前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程S7、を含んでなることを特徴とする、植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、納豆、漬物、酒粕、味噌又は醤油のような、植物を原料とする発酵食品を原料とした水中油型乳化油脂食品に関する。
豆乳のような植物ミルクを原料とするバター様食品については、下記特許文献1に開示されている。
特開2020-120648号公報
本願の実施態様は、納豆、漬物、酒粕、味噌又は醤油のような、植物を原料とする発酵食品を原料として、濃厚ソース、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような外観の、水中油型乳化油脂食品を製造することを課題とする。
本願の実施態様の植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法は、植物発酵食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程、前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程、前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程、並びに、前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程、を含んでなることを特徴とする。
本願でいう「水中油型乳化油脂食品」とは、常温(25℃)でクリーム状ないし固体状を呈する、O/W型のエマルジョンであって、具体的には濃厚ソース、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような外観及び物理的性状を呈するものをいう。
本願でいう「植物発酵食品」とは、植物を発酵して得られる食品一般をいい、たとえば、納豆、漬物、酒粕、味噌、醤油などが挙げられる。
なお、前記植物発酵食品が固形物の場合、前記水和媒体及び豆類由来非焙煎粉との混和前に粉砕する工程を設けることが望ましい。
本願でいう「水和媒体」とは、水を主成分とした液体であって、植物発酵食品を浮遊させ乳化物とするのを容易にするために使用されるものであって、具体的には、水、甘酒若しくは植物ミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。また、「植物ミルク」とは、堅果、穀物又は豆類由来の乳様液体をいい、具体的には、豆乳、ライスミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク若しくはカシューナッツミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。
本願でいう「豆類由来非焙煎粉」とは、豆類由来の粉であって、焙煎処理が行われていないものをいう。たとえば、乾燥した大豆、大福豆、緑豆、ひよこ豆、そら豆又は落花生などの豆を粉に引いた大豆粉、大福豆粉、緑豆粉、ひよこ豆粉、そら豆粉又は落花生粉などがその例として挙げられる。なお、大豆粉を焙煎して得られる「きな粉」は豆類由来非焙煎粉には該当しない。豆類由来非焙煎粉は、含有する蛋白成分によって植物発酵食品を植物性加工油脂と乳化させるために用いられる。なお、前記豆類由来非焙煎粉は、大豆粉であることが望ましい。
本願でいう「植物性加工油脂」とは、常温で液体である植物由来の食用油、たとえば、大豆油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、綿実油、米糠油、サフラワー油、ピーナッツ油、ごま油、亜麻仁油、オリーブ油、コーン油等を適宜の手段(たとえば、水素添加、エステル交換等)によって融点を調整し常温で固体となるように調整したものをいう。植物性加工油脂としては、融点を32℃前後に調整した、大豆油、パーム油又は菜種油が最も適している。
さらに、前記水中油型乳化物を冷却して固化(クリーム状も含む)させる前に、加熱して殺菌する工程をさらに設けることが望ましい。
本願の実施態様の植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品は、植物発酵食品由来の成分を含む水相と、全体の10~80質量%を占める植物性加工油脂からなる油相とが、水中油型乳化物を形成していることを特徴とする。ここでいう「水中油型乳化油脂食品」、「植物発酵食品」及び「植物性加工油脂」の意義については上述のとおりである。
本願の実施態様によると、納豆、漬物、酒粕、味噌又は醤油のような、植物を原料とする発酵食品を原料として、濃厚ソース、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような、水中油型乳化油脂食品を製造することが可能となる。なお、通常のファットスプレッド、又はマーガリンは油中水型乳化油脂食品であるが、本願の実施態様は乳化型が逆の水中油型乳化油脂食品である。
本願の実施形態における植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法の概要を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本願の実施形態を説明する。
図1は、本願の実施形態における植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法の概要を示すフローチャートである。
本実施形態に係る植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法は、植物発酵食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程、前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程、前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程、並びに、前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程、を含んでなる。
植物発酵食品としては、納豆、漬物、酒粕、味噌又は醤油のような、植物を原料とする発酵食品が挙げられる。
納豆は、その粒の大きさは、大粒、小粒又は挽き割りなどいずれでもよい。また、原料となる豆も、黄大豆、青大豆、黒豆、枝豆等、その種類及び産地は問わない。
漬物は、野菜を素材として菌又は酵母による発酵で得られるものであれば、キムチ、沢庵、奈良漬け、ぬか漬け、すぐき漬け、野沢菜漬け、べったら漬け、ザーサイ、ザワークラウト、ピクルス等、その種類及び産地は問わない。
味噌は、米味噌、麦味噌、大豆味噌又は調合味噌等、使用する麹の種類及び産地は問わない。また、醤油は、濃口醤油、薄口醤油、たまり醤油、再仕込醤油、白醤油等、その種類は問わず、また、圧搾前のもろみを使用してもよい。
本実施形態の製造方法では、まず、植物発酵食品が、たとえば、納豆、漬物、酒粕、味噌又は醤油のもろみのように、十分大きな固形物を含んでいるような場合は、S1に示す原料粉砕工程において、S2の工程で水和媒体と混和される前に、粉砕してペースト状又は液状にする必要がある。この原料粉砕工程は、たとえばフードミキサー等によって行うことが可能であり、粉砕後にそのままそのフードミキサー等に水和媒体及び豆類由来非焙煎粉を投入して混和することで、S2に示す原料混和工程を実施して食品水和物とすることができる。
一方、醤油のように液状で粉砕の必要のない植物発酵食品はS1の工程を経ずにそのまま、S2に示す原料混和工程において、植物発酵食品を直接フードミキサー等に水和媒体及び豆類由来非焙煎粉とともに投入して混和すればよい。水和媒体と混和して食品水和物とすることができる。
ここで、水和媒体は、水を主成分とした液体であって、植物発酵食品を浮遊させ乳化物とするのを容易にするために使用されるものであって、具体的には、水、甘酒若しくは植物ミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。また、「植物ミルク」とは、堅果、穀物又は豆類由来の乳様液体をいい、具体的には、豆乳、ライスミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク若しくはカシューナッツミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。
また、豆類由来非焙煎粉は、植物発酵食品と水和媒体との混合物を、後にS5の乳化工程において植物性加工油脂との乳化状態を安定させるための乳化剤として添加されるものである。豆類由来非焙煎粉としては、大豆粉、大福豆粉、緑豆粉、ひよこ豆粉、そら豆粉又は落花生粉が使用可能であるが、乳化を促進するレシチンを含有することから大豆粉が最も好ましい。
S2の原料混和工程で得られた食品水和物は、S3の水和物加熱工程において、後に加えられる油相としての植物性加工油脂がO/W型に乳化されやすくするために、植物性加工油脂の融点以上の温度、たとえば60℃に加熱しておく。
植物性加工油脂は、常温で液体である植物由来の食用油、たとえば、大豆油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、綿実油、米糠油、サフラワー油、ピーナツ油、ごま油、亜麻仁油、オリーブ油、コーン油等を適宜の手段(たとえば、水素添加、エステル交換等)によって融点を調整し常温で固体となるように調整したものをいう。植物性加工油脂としては、融点を30~40℃に調整した、大豆油、パーム油又は菜種油が最も適している。
このような、たとえば融点32℃程度の植物性加工油脂は、S4の油脂加熱工程において、油脂の融点以上の品温、たとえば60℃に加熱され、液化される。
なお、S3の水和物加熱工程とS4の油脂加熱工程とは別途独立の工程として実施される。
S3の水和物加熱工程で加熱された食品水和物と、S4の油脂加熱工程で加熱された植物性加工油脂とは、S5の乳化工程において、乳化処理に供される。たとえば、乳化タンクにまず加熱された食品水和物を入れ、撹拌しながら加熱された植物性加工油脂を、空気を混入させないように少しずつ投入していく。このとき、食品水和物は全体量のたとえば20質量%以上90質量%以下、好ましくは40質量%以上60質量%以下とし、投入される植物性加工油脂(たとえば、パーム油、大豆油又は菜種油)は全体量のたとえば10質量%以上80質量%以下、好ましくは40質量%以上60質量%以下とするのが望ましい。この乳化工程によって、水中油型乳化物が形成される。この水中油型乳化物の乳化状態を安定化させるために、フードプロセッサー、フードミキサー、コロイドミル、ホモミキサー又はホモゲナイザーなどの加圧式乳化機で乳化の均質化を図ってもよい。
S5の乳化工程で得られた水中油型乳化物は、S7に示す冷却工程で固化される前に、必要に応じてS6に示す殺菌工程に供される。この殺菌工程は、たとえば、水中油型乳化物を90~95℃で60秒程度加熱することで行うことができる。あるいは、原料となる植物発酵食品の性状によっては、65℃付近で30分程度加熱する低温殺菌が適している場合もある。なお、植物発酵食品に含有される菌が、たとえば芽胞を形成する納豆菌や乳酸菌のような耐熱性菌の場合、この殺菌工程を経ても生菌が残存することになる。なお、最終的に得られる水中油型乳化油脂食品を製造後すぐに食したり使用したりするような場合であって、特に殺菌が必要ない場合には、この殺菌工程は省いても差し支えない。また、殺菌工程は水和物加熱工程の後、乳化工程の前に設定することもできる。なお、油脂にはほとんど菌が生息していないので、植物性加工油脂に特別な添加物がない場合、食品水和物のみを殺菌すれば、水中油型乳化食品の殺菌は事実上達成できる。
そして、S7の冷却工程において、水中油型乳化物は適当な容器に充填された状態で、たとえば冷蔵庫などで10℃程度で数時間、望ましくは一晩冷却されることで、油脂成分が固化して、固体状又はクリーム状の水中油型乳化油脂食品が得られる。
上記した各工程を経て得られた植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品では、植物発酵食品由来の成分を含む水相と、全体の10~80質量%を占める植物性加工油脂からなる油相とが、水中油型乳化物を形成している。ここで、水相と油相とが水中油型乳化物を形成していることは、たとえば、水中油型乳化油脂食品を、水又は30℃程度の微温湯に投入すると、油滴として浮遊することなく、水に溶解して分散することで判定できる。また、水相が植物発酵食品由来の成分を含んでいることは、原料となる植物発酵由来食品の性状によって様々な方法で確認することができる。たとえば、原料となる植物発酵食品が、納豆菌又は耐熱性の乳酸菌を含有している場合には、S3の水和物加熱工程及びS6の殺菌工程を経ても生菌が存在しているため、生菌の検出によって原料となった植物発酵食品を特定することができる。また、植物発酵食品の原料となる植物に特有な塩基配列が保持されていれば、水中油型乳化油脂食品のDNA分析によって原料となった植物発酵食品を特定することができる。その他にも、植物発酵食品に特有な成分が保持されていれば、水中油型乳化油脂食品からその成分を検出することで、原料となった植物発酵食品を特定することができる。
(1)実施例1(納豆風味のファットスプレッド)
実施例1では、植物発酵食品として納豆(極小粒 おかめ納豆、タカノフーズ)、水和媒体として豆乳(おいしい無調整豆乳、キッコーマン飲料)、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(そのまま使える大豆粉、みたけ食品工業)、及び植物性加工油脂としてパーム油(融点32℃)を使用した。
前記納豆100gをフードプロセッサー(バイタプレップ3、バイタミックス社、米国)で粉砕し、このぺースト90gに、前記豆乳90g、水90g、及び前記大豆粉9gを混合して食品水和物とした。この食品水和物をフードプロセッサーで撹拌しつつ60℃まで昇温させた。一方、パーム油を別途60℃まで加熱した。
昇温させた食品水和物をそのままフードプロセッサーで撹拌しつつ、上記の加熱したパーム油加工油脂421gをなるべく泡立たせないようにゆっくり注入し、水中油型乳化物を得た。
次に、この水中油型乳化物をゆっくり撹拌しながら、90~95℃で60秒加熱して殺菌した後、容器に充填し、冷蔵庫内(約10℃)で一晩冷却して、納豆由来の水中油型乳化油脂食品を得た。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の60.1質量%を占めた。
この水中油型乳化油脂食品は、JAS規格(JAS 0932:2018)でいうファットスプレッドに該当するものであり、これをトーストした食パンに塗って食したところ、納豆の風味が強く立ち、風味良好な納豆トーストとなったことが確認された。
(2)実施例2(納豆風味のパイ用マーガリン及び練りパイ)
実施例2では、植物発酵食品として納豆(実施例1と同じ)、水和媒体として豆乳(実施例1と同じ)、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(実施例1と同じ)、及び植物性加工油脂として大豆硬化油脂(融点35℃)を使用した。
前記納豆50gをフードプロセッサー(実施例1と同じ)で粉砕し、ペースト状にした。このペーストに前記豆乳72g及び大豆粉3gを混合して食品水和物とした。この食品水和物を、湯煎しながら品温を90℃まで加熱し約1分間保持して殺菌したのち、60℃まで冷却した。一方、大豆硬化油脂を別途60℃まで加熱した。
上記の加熱した食品水和物をT.K.ホモミキサー(特殊機化工業)で3,000rpmで撹拌しつつ、上記の加熱した大豆硬化油脂525gをなるべく泡立たせないようにゆっくり注入し、水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の80.8質量%を占めた。
次に、この水中油型乳化物をゆっくり撹拌しながら、容器に充填し、冷蔵庫内(約10℃)で一晩冷却して、納豆由来の水中油型乳化油脂食品としての、納豆風味のパイ用マーガリンを得た。この水中油型乳化油脂食品は、前記JAS規格でいうマーガリンに該当するものであり、この水中油型乳化油脂食品を、以下のようにパイ生地に混入して成形し、焼成することで、納豆風味のパイが得られる。
すなわち、縦型ミキサー(愛工舎製作所)に強力粉と薄力粉とを1:1で混ぜた小麦粉100質量部を入れ、ミキサーを回転させながら豆乳50質量部を少しずつ注ぎ、小麦粉を投入で水和させつつ混合して生地とした。次に、固化した状態の水中油型乳化油脂食品100質量部をチップ状又は賽の目状に崩してから、食塩2質量部とともに生地に投入して混練し、パイ生地にまとめた。このパイ生地をしばらく休めた後、シーターにて圧延と折りとを繰り返し、成形して200℃のオーブンで焼成してパイを得た。
焼成されたパイは、納豆の風味が強く、薄い層状が大きくパフ化しているが丈夫で崩れにくかった。
(3)実施例3(キムチ風味のホイップクリーム)
実施例3では、植物発酵食品として白菜キムチ(ご飯に合うこくうま、東海漬物)、水和媒体として豆乳(実施例1と同じ)、豆類由来非焙煎粉として枝豆粉、並びに植物性加工油脂としてパーム油80質量%及びパーム核油20質量%の配合油(融点30.6℃)を使用した。
前記白菜キムチ60gをフードプロセッサー(実施例1と同じ)で粉砕しペースト状にした後、前記豆乳490g、前記枝豆粉10g、及び上白糖40gを加えて撹拌し、加熱溶解しながら60℃に昇温し食品水和物を得た。この食品水和物を撹拌しながら、あらかじめ60℃に加温した前記植物性加工油脂400gを泡立たせないようにゆっくり投入して予備乳化を行った。次にこの予備乳化物をコロイドミルに15分間通して、水中油型乳化物のエマルジョンの微細化を行いホイップクリームとした。さらにこのホイップクリームを10℃まで冷却し、さらに冷蔵庫(10℃)で一晩エージングして、水中油型乳化油脂食品としてのキムチ風味のホイップクリームを完成させた。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の40.0質量%を占めた。
このホイップクリーム200gと、上白糖10gとを卓上泡立器で10分間ホイップして、スポンジケーキに塗布すると、甘さと刺激性のある辛みとがマッチしたショートケーキができた。
(4)実施例4(甘酒ホイップクリーム)
実施例4では、植物発酵食品として酒粕、水和媒体として水及びライスミルク(キッコーマン飲料)、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(実施例1と同じ)、並びに植物性加工油脂として実施例3の配合油を使用した。
前記酒粕30g及び水150gをフードプロセッサー(実施例1と同じ)に入れ粉砕しペースト状にした後、前記ライスミルク50g、前記大豆粉1g及び上白糖14gを加えて撹拌し、加熱溶解しながら60度に昇温し食品水和物を得た。この食品水和物を撹拌しながら、あらかじめ60℃に加温した前記植物性加工油脂155gを泡立たせないようにゆっくり投入して予備乳化を行った。次にこの予備乳化物をコロイドミルに15分間通して、水中油型乳化物の油滴の微細化を行いホイップクリームとした。さらにこのホイップクリームを90~95℃で1分間殺菌した後、10℃まで冷却し、さらに冷蔵庫(10℃)で一晩エージングして、水中油型乳化油脂食品としての甘酒風味のホイップクリームを完成させた。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の38.8質量%を占めた。
(5)実施例5(濃厚ソース)
実施例5では、植物発酵食品として醤油(特選丸大豆しょうゆ、キッコーマン食品)及び味噌(無添加円熟こうじみそ、ひかり味噌)、水和媒体として甘酒、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(実施例1と同じ)、並びに植物性加工油脂として菜種油の微水添硬化油(融点25℃)を使用した。
前記醤油28g、前記味噌10g及び前記甘酒10gをフードプロセッサー(実施例1と同じ)に入れ粉砕しペースト状にした後、前記大豆粉2g、上白糖5g及びリンゴ果汁30gを加えて撹拌し、加熱溶解しながら60度に昇温し食品水和物を得た。この食品水和物を撹拌しながら、あらかじめ60℃に加温した前記植物性加工油脂15gを泡立たせないようにゆっくり投入して乳化を行い、水中油型乳化物とした。さらにこの水中油型乳化物を90~95℃で1分間殺菌した後、10℃まで冷却し、さらに冷蔵庫(10℃)で一晩エージングして、水中油型乳化油脂食品としての濃厚ソースを完成させた。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の15.0質量%を占めた。
なお、前記大豆粉の代わりに、同量のピーナツ粉を添加してもよい。
(6)実施例6(味噌風味マーガリン)
実施例6では、植物発酵食品として味噌(実施例5と同じ)、水和媒体として豆乳(実施例1と同じ)、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(実施例1と同じ)、及び植物性加工油脂としてパーム油(実施例1と同じ)を使用した。
前記味噌10gをフードプロセッサー(実施例1と同じ)で粉砕し、これに前記豆乳70g及び前記大豆粉1g混合して食品水和物とした。この食品水和物をフードプロセッサーで撹拌しつつ60℃まで昇温させた。一方、パーム油を別途60℃まで加熱した。
昇温させた食品水和物をそのままフードプロセッサーで撹拌しつつ、上記の加熱したパーム油加工油脂319gをなるべく泡立たせないようにゆっくり注入し、水中油型乳化物を得た。
次に、この水中油型乳化物をゆっくり撹拌しながら、90~95℃で60秒加熱して殺菌した後、容器に充填し、冷蔵庫内(約10℃)で一晩冷却して固化させ、水中油型乳化油脂食品としての、味噌風味マーガリンを得た。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の79.8質量%を占めた。
この味噌風味マーガリン約10gを、ご飯で包み込んでおにぎりとし、これを焼いて表面に焦げ目をつけることで、美味な焼きおにぎりが完成した。
本発明は、納豆、漬物、味噌又は醤油のような、植物を原料とする発酵食品を原料とした、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような、水中油型乳化油脂食品の製造に利用可能である。
S1 原料粉砕工程
S2 原料混和工程
S3 水和物加熱工程
S4 油脂加熱工程
S5 乳化工程
S6 殺菌工程
S7 冷却工程

Claims (7)

  1. 植物発酵食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程、
    前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程、
    前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程、並びに、
    前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程、
    を含んでなることを特徴とする、植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  2. 前記植物発酵食品が固形物の場合、前記水和媒体及び豆類由来非焙煎粉との混和前に粉砕する工程をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  3. 前記水和媒体は、水、甘酒若しくは植物ミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  4. 前記植物ミルクは、豆乳、ライスミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク若しくはカシューナッツミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物であることを特徴とする、請求項3に記載の植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  5. 前記豆類由来非焙煎粉は大豆粉であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  6. 前記水中油型乳化物を冷却して固化させる前に、加熱して殺菌する工程をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  7. 植物発酵食品由来の成分を含む水相と、全体の10~80質量%を占める植物性加工油脂からなる油相とが、水中油型乳化物を形成していることを特徴とする、植物発酵食品由来の水中油型乳化油脂食品。
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