JP2021058923A - 冷間圧延における材料特性の推定方法および計算装置、制御方法および制御装置、冷間圧延板の製造方法および製造設備 - Google Patents
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Description
金属板材の圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、ワークロールのロール回転速度、入側板速度および出側板速度を検出する検出工程と、
検出工程において検出された、入側板厚、ロール回転速度、入側板速度および出側板速度に基づいて、金属板材の実績先進率および出側板厚を算出する算出工程と、
圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、算出工程において算出された実績先進率および出側板厚、予め設定された金属板材の板幅およびワークロールのロール径に基づいて、圧延理論式を用いた収束演算を行い、金属板材の摩擦係数を算出する摩擦係数演算工程と、
圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、実績先進率および出側板厚、板幅およびロール径、ならびに摩擦係数に基づいて、金属板材の変形抵抗を算出する変形抵抗演算工程と、
圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、実績先進率および出側板厚、板幅およびロール径、摩擦係数ならびに変形抵抗に基づいて、金属板材の塑性係数を算出する塑性係数演算工程と、
を有し、
f(μi)を先進率を表す関数、faを実績先進率としたとき、f(μi)=faとなる場合にJ(μi)=0となる評価関数J(μi)について収束演算を行うことで摩擦係数を算出することを特徴とする。
(2)上記(1)の推定方法では、Pを圧延荷重、qfを前方張力、qbを後方張力、h1を入側板厚、h2を出側板厚、wを金属板材の板幅、Rwをロール径、Rdを扁平ロール径、Eをワークロールのヤング率、νをワークロールのポアソン比としたとき、関数f(μi)は、圧延理論式に基づいて、下記の式1から式5で表されてもよい。
摩擦係数の初期値μ0を設定する初期値設定工程と、
関数f(μi)が下記の式6を満たすかどうかを判定する判定工程と、
評価関数J(μi)を計算する評価関数計算工程と、
評価関数J(μi)の微係数J’(μi)を下記の式7より求める微係数算出工程と、
評価関数J(μi)および微係数J’(μi)に基づき、下記の式8で表される更新式より修正摩擦係数μi+1を算出する修正摩擦係数算出工程と、
を有し、
判定工程において、初期値μ0から順次演算を行い、f(μi)が下記の式6を満たすか否かを判定し、
判定工程において、f(μi)が下記の式6を満たす場合、μiを摩擦係数として決定し、
判定工程において、f(μi)が下記の式6を満たさない場合、評価関数計算工程、微係数算出工程および修正摩擦係数算出工程を実施し、修正摩擦係数μi+1に基づく関数f(μi+1)について再度判定工程を実施し、
関数f(μi)が下記の式6を満たすまで、評価関数計算工程、微係数算出工程、修正摩擦係数算出工程および判定工程を繰り返してもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の推定方法では、変形抵抗演算工程において、下記の式9を用いて変形抵抗を算出してもよい。
(5)上記(4)に記載の推定方法では、塑性係数演算工程において、下記の式10を用いて塑性係数を算出してもよい。
上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の推定方法によって得られた、摩擦係数、変形抵抗および塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、自動板厚制御を行うことを特徴とする。
金属板材の圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、ワークロールのロール回転速度、入側板速度および出側板速度を検出する検出部と、
検出部で検出された、入側板厚、ロール回転速度、入側板速度および出側板速度に基づいて、金属板材の実績先進率および出側板厚を算出する算出部と、
圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、算出部で算出された実績先進率および出側板厚、予め設定された金属板材の板幅およびワークロールのロール径に基づいて、圧延理論式を用いた収束演算を行い、金属板材の摩擦係数を算出する摩擦係数演算部と、
圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、実績先進率および出側板厚、板幅およびロール径、ならびに摩擦係数に基づいて、金属板材の変形抵抗を算出する変形抵抗演算部と、
圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、実績先進率および出側板厚、板幅およびロール径、摩擦係数ならびに変形抵抗に基づいて、金属板材の塑性係数を算出する塑性係数演算部と、
を備え、
摩擦係数演算部において、
f(μi)を先進率を表す関数、faを実績先進率としたとき、f(μi)=faとなる場合にJ(μi)=0となる評価関数J(μi)について収束演算を行うことで摩擦係数を算出することを特徴とする。
(9)上記(8)の計算装置では、Pを圧延荷重、qfを前方張力、qbを後方張力、h1を入側板厚、h2を出側板厚、wを金属板材の板幅、Rwをロール径、Rdを扁平ロール径、Eをワークロールのヤング率、νをワークロールのポアソン比としたとき、関数f(μi)は、圧延理論式に基づいて、下記の式1から式5で表されてもよい。
初期値設定部と、
評価関数計算部と、
微係数算出部と、
修正摩擦係数算出部と、
判定部と、
を備え、
初期値設定部で摩擦係数の初期値μ0を設定し、
評価関数計算部で評価関数J(μi)を計算し、
微係数算出部で評価関数J(μi)の微係数J’(μi)を下記の式7より求め、
修正摩擦係数算出部で評価関数J(μi)および微係数J’(μi)に基づき、下記の式8で表される更新式より修正摩擦係数μi+1を算出し、
判定部で、初期値μ0から順次演算を行い、f(μi)が下記の式6を満たすか否かを判定し、
判定部で、f(μi)が下記の式6を満たすと判定された場合、μiを摩擦係数として決定し、
判定部で、f(μi)が下記の式6を満たさないと判定された場合、評価関数J(μi)の計算、微係数J’(μi)の算出、修正摩擦係数μi+1の算出を行い、修正摩擦係数μi+1に基づく関数f(μi+1)について再度判定を行い、
関数f(μi)が下記の式6を満たすまで、評価関数J(μi)の計算、微係数J’(μi)の算出、修正摩擦係数μi+1の算出および関数f(μi)の判定を繰り返してもよい。
(11)上記(8)から(10)のいずれか一項に記載の計算装置では、変形抵抗演算部で、下記の式9を用いて変形抵抗を算出してもよい。
(12)上記(11)に記載の計算装置では、塑性係数演算部で、下記の式10を用いて塑性係数を算出してもよい。
計算装置で得られた、摩擦係数、変形抵抗および塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、自動板厚制御を行う制御部とを備えることを特徴とする。
計算装置で得られた、摩擦係数、変形抵抗および塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、自動板厚制御を行う制御装置と、
を備えることを特徴とする。
まず、本実施形態に係る推定方法が用いられる圧延設備(冷間圧延板の製造設備)について図1を用いて説明する。図1に示すように、圧延設備1は、一対のワークロール2を備えるスタンド3を含む。ロール回転速度計4は、ワークロール2の回転速度を検出できる。ロール回転速度計4は、ワークロール2の一方又は双方に設けられていてもよい。
本実施形態に係る推定方法は、金属板材の冷間圧延において、金属板材の材料特性を推定するための推定方法であって、金属板材の圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、ワークロールのロール回転速度、入側板速度および出側板速度を検出する検出工程と、検出工程において検出された、入側板厚、ロール回転速度、入側板速度および出側板速度に基づいて、金属板材の実績先進率および出側板厚を算出する算出工程と、圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、算出工程において算出された実績先進率および出側板厚、予め設定された金属板材の板幅およびワークロールのロール径に基づいて、圧延理論式を用いた収束演算を行い、金属板材の摩擦係数を算出する摩擦係数演算工程と、圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、実績先進率および出側板厚、板幅およびロール径、ならびに摩擦係数に基づいて、金属板材の変形抵抗を算出する変形抵抗演算工程と、圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、入側板速度および出側板速度、実績先進率および出側板厚、板幅およびロール径、摩擦係数ならびに変形抵抗に基づいて、金属板材の塑性係数を算出する塑性係数演算工程とを有する。
本発明の一実施形態に係る制御方法では、上記実施形態の推定方法によって得られた、摩擦係数、変形抵抗および塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、被圧延材の板厚について自動板厚制御を行う。
本発明の一実施形態に係る製造方法では、上記実施形態の推定方法によって得られた、摩擦係数、変形抵抗および塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、被圧延材の板厚について自動板厚制御を行い、これにより冷間圧延板の製造を行う。
冷間圧延板の製造設備は、6台の圧延スタンドを備え、5番目のスタンドを制御対象のスタンドとした。被圧延材(鋼材)の板幅を1274mm、ワークロールのロール径を272.5mmとした。
Claims (14)
- 金属板材の冷間圧延において、金属板材の材料特性を推定するための推定方法であって、
前記金属板材の圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、ワークロールのロール回転速度、入側板速度および出側板速度を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された、前記入側板厚、前記ロール回転速度、前記入側板速度および前記出側板速度に基づいて、前記金属板材の実績先進率および出側板厚を算出する算出工程と、
前記圧延荷重、前記前方張力、前記後方張力、前記入側板厚、前記入側板速度および前記出側板速度、前記算出工程において算出された前記実績先進率および前記出側板厚、予め設定された前記金属板材の板幅および前記ワークロールのロール径に基づいて、圧延理論式を用いた収束演算を行い、前記金属板材の摩擦係数を算出する摩擦係数演算工程と、
前記圧延荷重、前記前方張力、前記後方張力、前記入側板厚、前記入側板速度および前記出側板速度、前記実績先進率および前記出側板厚、前記板幅および前記ロール径、ならびに前記摩擦係数に基づいて、前記金属板材の変形抵抗を算出する変形抵抗演算工程と、
前記圧延荷重、前記前方張力、前記後方張力、前記入側板厚、前記入側板速度および前記出側板速度、前記実績先進率および前記出側板厚、前記板幅および前記ロール径、前記摩擦係数ならびに前記変形抵抗に基づいて、前記金属板材の塑性係数を算出する塑性係数演算工程と、
を有し、
f(μi)を先進率を表す関数、faを前記実績先進率としたとき、f(μi)=faとなる場合にJ(μi)=0となる評価関数J(μi)について収束演算を行うことで摩擦係数を算出する
ことを特徴とする推定方法。 - 前記収束演算として、
摩擦係数の初期値μ0を設定する初期値設定工程と、
前記関数f(μi)が下記の式6を満たすかどうかを判定する判定工程と、
前記評価関数J(μi)を計算する評価関数計算工程と、
前記評価関数J(μi)の微係数J’(μi)を下記の式7より求める微係数算出工程と、
前記評価関数J(μi)および前記微係数J’(μi)に基づき、下記の式8で表される更新式より修正摩擦係数μi+1を算出する修正摩擦係数算出工程と、
を有し、
前記判定工程において、前記初期値μ0から順次演算を行い、f(μi)が下記の式6を満たすか否かを判定し、
前記判定工程において、f(μi)が下記の式6を満たす場合、μiを前記摩擦係数として決定し、
前記判定工程において、f(μi)が下記の式6を満たさない場合、前記評価関数計算工程、前記微係数算出工程および前記修正摩擦係数算出工程を実施し、前記修正摩擦係数μi+1に基づく関数f(μi+1)について再度判定工程を実施し、
前記関数f(μi)が下記の式6を満たすまで、前記評価関数計算工程、前記微係数算出工程、前記修正摩擦係数算出工程および前記判定工程を繰り返す
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の推定方法。
- 金属板材の冷間圧延において、
請求項1から5のいずれか一項に記載の推定方法によって得られた、前記摩擦係数、前記変形抵抗および前記塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、自動板厚制御を行う
ことを特徴とする制御方法。 - 請求項6に記載の制御方法によって決定される制御ゲイン又はロールギャップの調整量に基づいて、自動板厚制御を行う
ことを特徴とする冷間圧延板の製造方法。 - 金属板材を冷間圧延するためのスタンドから構成される圧延機で用いられる、板厚の制御のために前記金属板材の材料特性を推定するための計算装置であって、
前記金属板材の圧延荷重、前方張力、後方張力、入側板厚、ワークロールのロール回転速度、入側板速度および出側板速度を検出する検出部と、
前記検出部で検出された、前記入側板厚、前記ロール回転速度、前記入側板速度および前記出側板速度に基づいて、前記金属板材の実績先進率および出側板厚を算出する算出部と、
前記圧延荷重、前記前方張力、前記後方張力、前記入側板厚、前記入側板速度および前記出側板速度、前記算出部で算出された前記実績先進率および前記出側板厚、予め設定された前記金属板材の板幅および前記ワークロールのロール径に基づいて、圧延理論式を用いた収束演算を行い、前記金属板材の摩擦係数を算出する摩擦係数演算部と、
前記圧延荷重、前記前方張力、前記後方張力、前記入側板厚、前記入側板速度および前記出側板速度、前記実績先進率および前記出側板厚、前記板幅および前記ロール径、ならびに前記摩擦係数に基づいて、前記金属板材の変形抵抗を算出する変形抵抗演算部と、
前記圧延荷重、前記前方張力、前記後方張力、前記入側板厚、前記入側板速度および前記出側板速度、前記実績先進率および前記出側板厚、前記板幅および前記ロール径、前記摩擦係数ならびに前記変形抵抗に基づいて、前記金属板材の塑性係数を算出する塑性係数演算部と、
を備え、
前記摩擦係数演算部において、
f(μi)を先進率を表す関数、faを前記実績先進率としたとき、f(μi)=faとなる場合にJ(μi)=0となる評価関数J(μi)について収束演算を行うことで摩擦係数を算出する
ことを特徴とする計算装置。 - 前記摩擦係数演算部において、
初期値設定部と、
評価関数計算部と、
微係数算出部と、
修正摩擦係数算出部と、
判定部と、
を備え、
前記初期値設定部で摩擦係数の初期値μ0を設定し、
前記評価関数計算部で前記評価関数J(μi)を計算し、
前記微係数算出部で前記評価関数J(μi)の微係数J’(μi)を下記の式7より求め、
修正摩擦係数算出部で前記評価関数J(μi)および前記微係数J’(μi)に基づき、下記の式8で表される更新式より修正摩擦係数μi+1を算出し、
前記判定部で、前記初期値μ0から順次演算を行い、f(μi)が下記の式6を満たすか否かを判定し、
前記判定部で、f(μi)が下記の式6を満たすと判定された場合、μiを前記摩擦係数として決定し、
前記判定部で、f(μi)が下記の式6を満たさないと判定された場合、前記評価関数J(μi)の計算、前記微係数J’(μi)の算出、前記修正摩擦係数μi+1の算出を行い、前記修正摩擦係数μi+1に基づく関数f(μi+1)について再度判定を行い、
前記関数f(μi)が下記の式6を満たすまで、前記評価関数J(μi)の計算、前記微係数J’(μi)の算出、前記修正摩擦係数μi+1の算出および前記関数f(μi)の判定を繰り返す
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の計算装置。
- 請求項8から12のいずれか一項に記載の計算装置と、
前記計算装置で得られた、摩擦係数、変形抵抗および塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、自動板厚制御を行う制御部とを備える
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項8から12のいずれか一項に記載の計算装置と、
前記計算装置で得られた、摩擦係数、変形抵抗および塑性係数に基づいて、制御の対象となるスタンドのワークロールの制御ゲイン又はロールギャップの調整量を決定して、自動板厚制御を行う制御装置と、
を備えることを特徴とする冷間圧延板の製造設備。
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