JP2000167614A - 冷間タンデム圧延機における圧延方法 - Google Patents

冷間タンデム圧延機における圧延方法

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JP2000167614A
JP2000167614A JP10348832A JP34883298A JP2000167614A JP 2000167614 A JP2000167614 A JP 2000167614A JP 10348832 A JP10348832 A JP 10348832A JP 34883298 A JP34883298 A JP 34883298A JP 2000167614 A JP2000167614 A JP 2000167614A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を阻害せずにヒートスクラッチの発生
を防止することができる冷間タンデム圧延機における圧
延方法を提供する。 【解決手段】 圧延機出側板厚、圧延荷重、その他を検
出し、これらの検出値に基づいて摩擦係数および変形抵
抗を求める。そして、前記検出値、摩擦係数、および変
形抵抗に基づいてロールバイト出口板温度を推定し、ロ
ールバイト出口板温度がヒートスクラッチ制御目標温度
を超えないようにワークロール速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の冷間圧延
機を有する冷間タンデム圧延機において、生産性を阻害
せずにヒートスクラッチの発生を防止する圧延方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】冷間タンデム圧延機では、ワークロール
速度または圧下率の増大により、ヒートスクラッチが発
生することがある。ヒートスクラッチとは、ロールバイ
ト内のロールと圧延材との界面温度が上昇し、ロールバ
イト内で油膜が破断した結果、ワークロールと圧延材と
の金属接触により発生した焼付ききずのことである。
【0003】ヒートスクラッチが発生すると製品の表面
欠陥が生じるので、製品歩留りが低下するばかりか、ヒ
ートスクラッチの生じたスタンドのワークロール組替え
が必要なため、生産性が著しく低下するという問題があ
った。
【0004】ヒートスクラッチの発生の有無は、圧延中
のロールバイト内の界面上昇温度で予測することができ
る。実操業では、鋼種によって圧延スケジュールは異な
るが、同一鋼種ではほぼ同じ圧延条件(以下、冷却条件
も含む)で圧延されるので、界面上昇温度はスタンド出
側の板温度で代用することができる。したがって、圧延
機出側の板温度を検出して、その値を基に板温度が適正
値になるように制御が行われている。
【0005】スタンド出側の板温度をロールバイト内温
度と見なして制御する上記の方法は、ほぼ同じ圧延条件
(速度、クーラントなど一定)の場合では、有効であ
る。例えば、圧延機ロールバイト出口から板温度検出器
の間で板冷却が行われてない場合(空冷)では大きな問
題はない。また、図2のiスタンドの場合、上下ワーク
ロールはロール冷却装置30によって冷却されている
が、その冷却水は水切り装置32によってストリップS
には当たらないようにされている。したがって、温度検
出器34の測定値にはロール冷却の影響はないので、従
来技術によりiスタンドのヒートスクラッチを防止でき
る。
【0006】しかし、圧延機ロールバイト出口から板温
度検出器の間で板冷却が行われている場合(水冷)では
大きな問題となる。例えば、図2の(i−1)スタンド
の場合では、ストリップSは圧延機出側でストリップ冷
却装置20によって冷却され表面に冷却水が残る。残っ
た冷却水は水切り兼張力検出装置22で水切りが行わ
れ、そののち板温度検出器24でその板温度が測定され
る。したがって、板温度検出器24に及ぼすストリップ
冷却装置20の影響は大きい。冷却水の量が同じでも、
冷却水の温度の影響が出る。水温は夏場で約20℃、冬
場で約5℃程度となり、夏と冬では経験的に従来技術の
制御のヒートスクラッチ制御目標温度TLを水温に応じ
てテーブルで持たせる必要があった。また、このヒート
スクラッチ制御目標温度TL は実験で確認する必要があ
るので、その設定が問題であった。また、大幅にストリ
ップ冷却装置の水量を変化させた場合には水量の影響も
無視できなくなるという問題があった。使用する潤滑油
によっては板表面温度(最高温度)で制御するよりも、
界面上昇温度(圧延機入出側の板の温度差)で制御した
方が精度があがる場合がある。
【0007】ヒートスクラッチ防止に関しては、例えば
特開平5−98283号公報に開示されているように耐
焼付き性に優れた圧延潤滑油を使用する方法や、特開昭
56−111505号公報に開示されているようにクー
ラント量を制御して板やワークロールの温度を低下させ
る方法や、特開平6−63624号公報に開示されてい
るようにワークロール速度を低減する方法などがある。
いずれの方法も、ロールバイト内のワークロールと圧延
材との間の界面温度の上昇を防止するか、またはロール
バイト内の界面温度が上昇しても油膜破断が生じないよ
うにするかの方法に関する。しかし、耐焼付き性に優れ
た圧延潤滑油の使用はコストアップの可能性があり、ク
ーラント量の制御による板およびロール温度制御は、効
果はあるが、その応答性に若干の問題があり、ワークロ
ール速度の低下は生産性が低下するという問題がある。
【0008】生産性の低下および製造コストの上昇を招
かずにヒートスクラッチを防止する方法として、特開昭
60−49802号公報には、圧下スケジュールや張力
を変更することが開示されているものの、ヒートスクラ
ッチの発生をあらかじめ予測すること、その制御量を求
める方法に関しては明らかでない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような生産性
の低下および製造コストの上昇を招くことなくヒートス
クラッチを防止する方法として、圧下スケジュールを変
更する場合、板厚精度が一時的に悪化するという問題が
ある。また、張力を変更する場合、当然ながら高い値に
すれば圧延荷重が減少し、ヒートスクラッチを防止する
効果が得られるものの、張力を高くすると板破断が生じ
ることがあり、圧延状況を見ながら徐々に張力を高くす
るとその応答性が悪くなり、ヒートスクラッチが発生し
たり、板厚精度が悪くなるという問題がある。さらに、
スタンド出側の板温度を検出し、その温度に基づいて張
力を制御する場合、ヒートスクラッチが発生する温度以
上になった場合に制御が行われるので、一時的にヒート
スクラッチが生じてしまう危険性がある。
【0010】この発明は、生産性を阻害せずにヒートス
クラッチの発生を防止する、冷間タンデム圧延機におけ
る圧延方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨は、次の
とおりである。 1)圧延機出側の板温度および板速度、圧延荷重、ワー
クロール速度、圧延機入・出側板厚、圧延機入・出側張
力などを検出し、これらの値を基にロールバイト出口板
温度を推定し、この値に基づいてワークロール速度、張
力などを制御する。 2)圧延機入・出側の板温度、圧延荷重、ワークロール
速度、圧延機入・出側板厚、圧延機入・出側張力などを
検出し、これらの値を基にロールバイト内での板上昇温
度を推定し、この値に基づいてワークロール速度、張力
などを制御する。
【0012】この発明は上記要旨に基づくものであっ
て、第1発明の圧延方法は、ヒートスクラッチが発生し
やすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定スタンド
において次のステップにより圧延を行う冷間タンデム圧
延機における圧延方法。 (イ)スタンド出側板温度、圧延荷重、ワークロール速
度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
ンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水供給
量をそれぞれ検出する第1ステップ (ロ)スタンド出側板温度、スタンド出側板速度、スタ
ンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給量の
検出値から、圧延状態におけるロールバイト出口板温度
f を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト出口推定板温度Tf があらかじ
め設定したヒートスクラッチ制御目標温度TL を超える
場合に、第1ステップの圧延荷重、ワークロール速度、
スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、およびス
タンド入・出側張力の検出値から圧延材の摩擦係数およ
び変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
E ′と、ワークロール速度を変更した場合のロールバ
イト内の板温度上昇Tm ′を求め、TL −Tf ≧Tm
−TE ′となるワークロール速度を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めたワークロール速度を目標値
としてワークロール速度を制御する第5ステップ
【0013】第2発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドにおいて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
スタンド入・出側張力、をそれぞれ検出する第1ステッ
プ (ロ)スタンド入・出側板温度検出値から、圧延状態に
おけるロールバイト入・出口板温度を推定して、ロール
バイトにおける上昇温度ΔTf を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト上昇温度ΔTf があらかじめ設
定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト上昇温度
ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、ワー
クロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側
板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧延材
の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
E ′と、ワークロール速度を変更した場合のロールバ
イト内の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧T
m ′−TE ′となるワークロール速度を求める第4ステ
ップ (ホ)第4ステップで求めたワークロール速度を目標値
としてワークロール速度を制御する第5ステップ
【0014】第3発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドにおいて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
スタンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水
供給量をそれぞれ検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度、スタンド出側板速度、
スタンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給
量の検出値から、圧延状態におけるロールバイト入・出
口板温度を推定して、ロールバイトにおける上昇温度Δ
f を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト上昇温度ΔTf があらかじめ設
定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト上昇温度
ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、ワー
クロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側
板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧延材
の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
E ′と、ワークロール速度を変更した場合のロールバ
イト内の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧T
m ′−TE ′となるワークロール速度を求める第4ステ
ップ (ホ)第4ステップで求めたワークロール速度を目標値
としてワークロール速度を制御する第5ステップ
【0015】第4発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドにおいて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド出側板温度、圧延荷重、ワークロール速
度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
ンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水供給
量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド出側板温度、スタンド出側板速度、スタ
ンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給量の
検出値から圧延状態におけるロールバイト出口板温度T
f を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト出口推定板温度Tf があらかじ
め設定したヒートスクラッチ制御目標温度TL を超える
場合に、第1ステップの圧延荷重、ワークロール速度、
スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、およびス
タンド入・出側張力の検出値から摩擦係数および変形抵
抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
E ′と、張力を変更した場合のロールバイト内の板温
度上昇Tm ′を求め、TL −Tf ≧Tm ′−TE ′とな
る張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力を目標値としてスタン
ドの張力を制御する第5ステップ
【0016】第5発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドにおいて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
スタンド入・出側張力、を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度検出値から圧延状態にお
けるロールバイト入・出側板温度を推定して、ロールバ
イトにおける上昇温度ΔTf を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
温度ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、
ワークロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・
出側板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧
延材の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
E ′と、張力を変更した場合にロールバイト内の板温
度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−TE
となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力を目標値として張力を
制御する第5ステップ
【0017】第6発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドにおいて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
スタンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水
供給量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度、スタンド出側板速度、
スタンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給
量の検出値から圧延状態におけるロールバイト入・出口
板温度を推定して、ロールバイトにおける上昇温度ΔT
f を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
温度ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、
ワークロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・
出側板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧
延材の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
E ′と、張力を変更した場合にロールバイト内の板温
度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−TE
となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力を目標値として張力を
制御する第5ステップ
【0018】第7発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドについて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド出側板温度、圧延荷重、ワークロール速
度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
ンド入・出側張力、板冷却水温度および、板冷却水供給
量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド出側板温度、スタンド出側板速度、スタ
ンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給量の
検出値から圧延状態におけるロールバイト出口板温度T
f を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト出口推定板温度Tf があらかじ
め設定したヒートスクラッチ制御目標温度TL を超える
場合に、圧延荷重、ワークロール速度、スタンド出側板
速度、スタンド入・出側板厚、スタンド入・出側張力の
検出値から圧延材の摩擦係数および変形抵抗を求める第
3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
E ′と、張力を変更した場合にロールバイト内の板温
度上昇Tm ′を求め、TL −Tf ≧Tm ′−TE ′とな
る張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力があらかじめ設定した
板破断が生じるスタンド入側張力σbmaxまたは出側張力
σfmaxを超える場合には、張力を前記スタンド 入側
張力σbmaxまたは出側張力σfmaxに設定するとともに、
この設定した張力 状態でワークロール速度を変更し
た場合におけるロールバイト内の板温度上 昇Tm
を求め、TL −Tf ≧Tm ″−TE ′となるワークロー
ル速度を求め る第5ステップ (ヘ)第5ステップで求めたワークロール速度および入
・出側張力を目標値としてワークロール速度および入・
出側張力を制御する第6ステップ
【0019】第8発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドについて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
スタンド入・出側張力、を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度検出値から、圧延状態に
おけるロールバイト入・出口の板温度を推定し、さらに
ロールバイトにおける上昇温度ΔTf を推定する第2ス
テップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
温度ΔTL を超える場合に、圧延荷重、ワークロール速
度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
ンド入・出側張力の検出値から圧延材の摩擦係数および
変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップにおける検出値、摩擦係数、および
変形抵抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温
度上昇TE ′と、張力を変更した場合のロールバイト内
の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−
E ′となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力があらかじめ設定した
板破断が生じるスタンド入側張力σbmaxまたは出側張力
σfmaxを超える場合には、張力を前記スタンド 入側
張力σbmaxまたは出側張力σfmaxに設定するとともに、
この設定した張力 状態でワークロール速度を変更し
た場合におけるロールバイト内の板温度上 昇Tm
を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ″−TE ′となるワーク
ロール速度を 求める第5ステップ (ヘ)第5ステップで求めたワークロール速度および入
・出側張力を目標値としてワークロール速度および入・
出側張力を制御する第6ステップ
【0020】第9発明の圧延方法は、ヒートスクラッチ
が発生しやすいスタンドをあらかじめ指定し、前記指定
スタンドについて次のステップにより圧延を行う冷間タ
ンデム圧延機における圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
スタンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水
供給量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度、スタンド出側板速度、
スタンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給
量の検出値から、圧延状態におけるロールバイト入・出
口の板温度を推定し、さらにロールバイトにおける上昇
温度ΔTf を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
温度ΔTL を超える場合に、圧延荷重、ワークロール速
度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
ンド入・出側張力の検出値から圧延材の摩擦係数および
変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップにおける検出値、摩擦係数、および
変形抵抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温
度上昇TE ′と、張力を変更した場合のロールバイト内
の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−
E ′となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力があらかじめ設定した
板破断が生じるスタンド入側張力σbmaxまたは出側張力
σfmaxを超える場合には、張力を前記スタンド 入側
張力σbmaxまたは出側張力σfmaxに設定するとともに、
この設定した張力 状態でワークロール速度を変更し
た場合におけるロールバイト内の板温度上 昇Tm
を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ″−TE ′となるワーク
ロール速度を 求める第5ステップ (ヘ)第5ステップで求めたワークロール速度および入
・出側張力を目標値としてワークロール速度および入・
出側張力を制御する第6ステップ
【0021】これらの発明では、圧延機出側板厚、圧延
荷重、その他を検出するとともに、圧延機出側から板表
面温度を検出する温度検出器までの間に板冷却装置が設
置されている場合にはその冷却水の温度および流量を検
出し、これらの検出値に基づいて摩擦係数および変形抵
抗を求める。そして、ロールバイト出口、必要に応じて
入口板温度を求め、これらがヒートスクラッチ制御目標
温度を超えないようにワークロール速度もしくは入・出
側張力、またはワークロール速度および入・出側張力を
制御する。したがって、ロールバイト出口板温度および
/またはロールバイト内上昇板温度をヒートスクラッチ
が発生しない温度以下に高い精度で抑えることができ、
ヒートスクラッチの発生を確実に防ぐことができる。
【0022】第1発明の圧延方法は、制御が簡単であ
る。しかし、ワークロール速度は従来法に比べて高い
が、本発明の他の方法に比べるとワークロール速度低下
分だけ生産性がやや低下し、入側板冷却変更時に制御精
度が若干悪化する。第2および第3の発明の圧延方法
も、制御が簡単である。本発明の他の方法に比べてワー
クロール速度低下分だけ生産性がやや低下するが、入側
板冷却変更時に制御精度が悪化することはない。第4〜
第6の発明の圧延方法では制御がやや複雑になるが、ワ
ークロール速度を高めることができて生産性が向上す
る。第4の発明では入側板冷却変更時に制御精度がやや
悪化するが、第5および第6の発明の圧延方法では入側
板冷却変更時に制御精度が悪化することはない。第7〜
第9の発明の圧延方法では、張力制御量が上限に達した
時であっても、ロールバイト内板温度上昇を所定の範囲
内に抑えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の圧延方法が実
施される冷間タンデム圧延機の例を示している。冷間タ
ンデム圧延機のスタンド数は通常2〜8であり、図1で
は5スタンドを示したが、スタンド数はこれに限定され
るものではない。スタンド1〜5は、ワークロール1
1、中間ロール13およびバックアップロール15から
それぞれ構成されている。ヒートスクラッチの発生しや
すいスタンドは、各スタンドの圧下率、板厚、圧延荷
重、張力、圧延材料、潤滑の条件等によって変わる。通
常、圧延荷重やワークロール速度が大きくなる後段のス
タンドで、ヒートスクラッチが発生しやすい傾向にあ
る。図1の冷間タンデム圧延機では、最終スタンド5が
軽圧下ダル圧延のため、第4スタンド4でヒートスクラ
ッチが多発する状況にある。後段のスタンド以外のスタ
ンドで、ヒートスクラッチが発生する可能性がある場
合、それらのスタンドについてこの発明を適用すること
ができる。なお、各スタンドの入側に、潤滑油供給装置
26が配置されている。最終スタンド5は、ワークロー
ル冷却装置30およびロール冷却用水切り装置32を備
えている。
【0024】図1において、第4スタンド4の圧延機入
側および出側には温度検出器24が水切り兼張力検出装
置22の後に設けられており、圧延中のストリップSの
板温度Tが一定周期で検出されている。温度検出器24
は非接触型のものが好ましく、例えば放射温度計などが
用いられる。第4スタンド4の圧延荷重Pは、ロードセ
ル(図示せず)によって検出される。圧延機入側、出側
の張力(単位面積当たりの力)σb 、σf は、全張力を
板断面積(板厚・板幅)で割って求められる。全張力
は、圧延機入側、出側に設けられた水切り兼張力検出装
置22のロードセル(図示せず)によって検出する。第
4スタンド4の入側および出側には板厚測定装置17、
例えばX線式板厚計が、また、第4スタンド4および第
3スタンド3の出側には板速度計(図示せず)、例えば
レーザー式板速度計が設けられている。これら測定器に
よって、第4スタンド4の入側および出側板厚H、hな
らびに入側および出側板速度VI 、VO がそれぞれ検出
される。第4スタンド4のワークロール速度VR は、ワ
ークロール11を駆動するモーターの回転数を回転数検
出装置(図示せず)により検出し、検出されたモーター
の回転数とワークロール径Dとギア比を用いて演算する
ことによって求められる。また、第4スタンド入側およ
び出側においてストリップSはストリップ冷却装置20
によって冷却されている。
【0025】上記冷間タンデム圧延機において、ワーク
ロール径D、ロール駆動系ギア比、板幅W、素材板厚
(HS :第1スタンド1の入側板厚)、および素材の単
純引張時の降伏応力σy は既知であり、あらかじめ演算
機(図示せず)に入力しておくことができる。なお、こ
の発明の圧延荷重とは、材料の塑性変形に要する荷重の
ことであり、スタンドにベンダー等の形状制御装置があ
る場合にはそれらの力を検出して、前述したロードセル
で得られた荷重からベンダー等の力を除外した荷重のこ
とを意味する。
【0026】つぎに、板温度の推定方法について説明す
る。圧延機出側に設けられた板温度検出器24により、
圧延機出側の板温度は一定周期τ(例えば5s )で検出
され、圧延機ロールバイト出口のストリップ温度TO
推定する。
【0027】ロールバイト出口の板温度TO は、例えば
次のようにして求めることができる。ストリップの温度
変化は例えば式(1)で表わすことができる。
【数1】 したがって、式(1)をTO について整理すると式
(2)が求まる。
【数2】 ここで、Tw :板冷却装置の冷却水温度 TS :板温度検出位置での板温度 VO :圧延機出側の板速度 h :圧延機出側の板厚 ρS :板の密度 CS :板の比熱 hS :板の熱伝達率 T1 :板冷却装置から水切り装置までの距離を板が通過
する時間(T1 =L1 /VO ) L1 :板冷却装置から水切り装置までの距離 である。板の熱伝達率hS は実験を行って、冷却水量
(単位時間単位面積当たりの冷却水供給量)との関係を
あらかじめモデル化する必要がある。式(3)は、所要
のパラメーターを含む熱伝達率モデル式の一般形を示し
ている。
【数3】 ここで、Qw :冷却水の供給量、 W :ストリップの板幅 なお、空冷の場合、空冷時間が約0.5秒以内(ワーク
ロール速度約500m/min 以上)では、空冷による温度
変化は無視できる。したがって、前段スタンドの出側板
温度は、そのまま板温度検出位置の板温度とみなすこと
ができる。
【0028】上記温度データに基づいて定常状態でのロ
ールバイト出口板温度を推定する。例えば、張力の制御
周期(ヒートスクラッチを防止するための張力の制御周
期)を1分と設定し、過去1分間の板温度のデータ(こ
の場合12個、ただし、張力やワークロール速度条件は
一定であるもののデータ)を用いて、最終的には一定値
に漸近する漸近曲線を表す関数に代入し、重回帰を行う
ことによってその関数の定数を決定し、その漸近値を定
常状態におけるロールバイト出口の板温度の推定値Tf
とする。このような最終的には一定値に近づく漸近曲線
を表す関数としては例えば、a・tan h(cX)やa+
b(1−e-cx )等がある。この関数で、a,b,cは
定数であり、最終的にはそれぞれaおよびa+bに漸近
する。したがって、このような関数に測定した温度デー
タを代入し、それぞれの漸近値aあるいはa+bを求
め、これを定常状態におけるロールバイト出口の板温度
の推定値Tf とする。
【0029】また、このような方法の他に、例えば張力
やワークロール速度の制御周期(ヒートスクラッチを防
止するための張力の制御周期)を例えば30秒と設定
し、この制御周期である30秒間に得られた6個の温度
データを直線回帰し、次の張力やワークロール速度の制
御タイミング(次の張力またはワークロール速度の制御
時期)となる30秒後の板温度を推定して板温度の推定
値Tf としてもよい。
【0030】つぎに、ヒートスクラッチ制御温度の設定
について説明する。あらかじめワークロール速度や圧下
率や圧延潤滑条件等を変えた実験によって、ヒートスク
ラッチが発生する最低のロールバイト出口板温度を求
め、これを限界温度TLim とする。この限界温度を、ヒ
ートスクラッチ制御目標温度TL としてもよいが、この
ヒートスクラッチ制御目標温度TL は前述した限界温度
Lim よりも若干低い温度、例えば3〜6℃程度低い温
度に設定することが好ましい。
【0031】このように、ヒートスクラッチが発生しや
すいスタンド、実施例では第4スタンドにおいて、ロー
ルバイト出口の板温度の推定値Tf と前述したヒートス
クラッチ制御目標温度TL とを比較する。
【0032】ΔT=TL −Tf が正の場合には、ヒート
スクラッチは生じる可能性はないので圧延をそのまま続
行する。ΔT=TL −Tf が負の値の場合には、ヒート
スクラッチが生じる可能性があるので、ΔTが正となる
ように張力条件やワークロール速度を変更して圧延を行
う。
【0033】以下に変更する張力および/またはワーク
ロール速度の計算方法について説明する。まず、圧延中
の摩擦係数μと変形抵抗Km を求める。圧延材の変形抵
抗はあらかじめ引張試験によって式(4)に示す定数
a、ε0 ,nの値を求めておく。
【数4】 ここで、σy は圧延材の単純引張時の降伏応力であり、
εはひずみである。ところで、変形抵抗はひずみ速度の
影響や板温度の影響を受けるので、式(4)から求めら
れた変形抵抗Km は必ずしも圧延時の正確な値ではな
い。そこで、この発明では、圧延荷重式および先進率式
を連立させ、圧延時の変形抵抗と摩擦係数を求める。例
えば、 Hill の荷重式を式(5)に示すように変形抵抗
について展解して、変形抵抗を求める。また、 Bland &
Ford の先進率式を式(6)に示すように摩擦係数につ
いて展解し、式(5)で求めた変形抵抗を式(6)に代
入して摩擦係数を求める。式(5)および(6)中で添
字Eは当該スタンドの圧延時における検出値および検出
値に基づく演算値であり、以下の説明ではこれらを含め
て実測値と称する。演算値は、先に述べたようにロード
セルで検出した全張力を板断面積で割る、ロードセルで
検出した圧延荷重からベンディング力を除外するなどし
て求めた値である。
【数5】
【数6】
【0034】上式で未知数は摩擦係数μE と変形抵抗式
mEの中の定数(式(4)中のa)の2個であり、他は
既知数で方程式数は2個である。したがって、この方程
式は解くことができる。なお、演算に当たっては、摩擦
係数μE の初期値として0.05程度が、変形抵抗式中
の定数aの初期値として引張試験によって求められた値
が使われることが好ましい。
【0035】一方、この時のロールバイト出口のロール
と圧延材との界面の上昇温度T′は、例えば小野らの式
を用いれば式(7)で表される。
【数7】 dmaxは変形熱により増加するロールと圧延材との界面
のロールバイト出口の温度上昇であり、式(8)で表さ
れる。Tfmaxは摩擦熱により増加する界面のロールバイ
ト出口の温度上昇であり、式(9)で表される。
【数8】
【数9】 式(4)〜式(5)にそれぞれの当該スタンドの物性値
および実測値、ならびに前述した式(5)、式(6)を
用いる方法で求められた摩擦係数μE および変形抵抗K
mEを代入すれば、当該スタンドのロールバイト出口のロ
ールと圧延材の界面の温度上昇T′の実測値TE ′が求
まる。
【0036】つぎに、ワークロール速度あるいは張力あ
るいは張力とワークロール速度を変えた場合の温度変化
を推定する方法について説明する。先ずワークロール速
度のみを変えた場合について説明する。使用している潤
滑油によってはヒートスクラッチが発生するようなワー
クロール速度領域(ワークロール速度1000m/min 以
上)では摩擦係数に及ぼすワークロール速度の影響は無
視できる場合があるので、その場合には上述した方法で
求められた摩擦係数μE と変形抵抗kmEとワークロール
速度以外は当該圧延スタンドの実測値を用い、式(7)
〜式(9)においてワークロール速度だけを変えた場合
の値を代入することによって、当該スタンドのロールバ
イト上昇温度Tm ′が求まる。
【0037】また、摩擦係数に及ぼすワークロール速度
の影響を無視できない場合には、ワークロール速度に応
じて摩擦係数を補正して計算する必要がある。その場合
の計算方法について説明する。先ず予め実験を行い摩擦
係数に及ぼすワークロール速度の影響を求めモデル式化
する。モデル式としては例えば式(10)で表す。
【数10】 ここで、μO ,Cは定数である。但し、μO はロールの
粗度や圧下率や変形抵抗の影響を受けるもので一定値で
はないがCは一定値である。上述した方法で求めたμE
とその時のワークロール速度VREを用いて、μO ′を式
(11)から求める。
【数11】
【0038】したがって、ワークロール速度を変更した
場合の摩擦係数μは式(12)から容易に求まる。
【数12】
【0039】次に、圧延荷重と先進率を計算する。先進
率および圧延荷重は上述した方法で求められた摩擦係数
μと変形抵抗KmEとワークロール速度VR 以外は当該圧
延スタンドの実測値を用い、ワークロール速度とそれに
対する摩擦係数だけを変えた場合の圧延荷重と先進率を
計算する。圧延荷重は例えば式(13)に示す Hill の
荷重式を用い、先進率は式(14)に示す Bland & For
d の式を用いてそれぞれ計算する。ロール偏平R′は、
式(15)に示すHitchcook の式を用いて計算する。
【数13】
【数14】
【数15】 式(13)とロール偏平の式(15)を用いて収束計算
を行うことにより圧延荷重が求められ、式(14)より
先進率が求まる。これらの値を式(7)〜式(9)に代
入することによってワークロール速度を変更した際のロ
ールバイト出口の界面の温度上昇Tm ′が求まる。
【0040】さらに、張力条件のみを変えた場合の温度
変化を推定する方法について説明する。摩擦係数に及ぼ
す張力の影響は無視できるので、摩擦係数は前述の実測
値μ E を用いてよい。ただし、張力を変えると圧延荷重
および先進率は変化するのでこれらは求める必要があ
る。
【0041】まず、求められた摩擦係数μE と変形抵抗
mEと張力以外は当該圧延スタンドの実測値を用い、張
力だけを変えた場合の圧延荷重Pと先進率fs を計算す
る。なお、張力を変える際、出側張力σf と入側張力σ
b の関係を規定する必要がある。例えば、出側張力と入
側張力は同じ値だけ増加させる、あるいは出側張力の増
加分は入側張力の増加分の50%というような関係を規
定する。
【0042】圧延荷重は例えば式(13)に示す Hill
の荷重式を用い、先進率は式(14)に示す Bland & F
ord の式を用いてそれぞれ計算する。ロール偏平R′は
式(15)に示すHitchcook の式を用いて計算する。但
しこの場合、式中のμはμ E に、σfEとσbEはσf とσ
b に置き換えて計算することとなる。式(13)とロー
ル偏平の式(15)を用いて収束計算を行うことにより
圧延荷重が求められ、式(14)より先進率が求まる。
これらの値を式(7)〜式(9)に代入することによっ
て張力を変更した際のロールバイト出口の界面の温度上
昇Tm ′が求まる。
【0043】このようにして、上記の当該スタンドでの
ロールバイト出口の界面の温度上昇の実測値TE ′と、
ワークロール速度あるいは張力を変更したときのロール
バイト出口の温度上昇の推定値Tm ′が得られる。ロー
ルバイト出口におけるロールと圧延材の界面の温度と圧
延スタンド出側における板温度とは厳密には同じではな
いが、ワークロール速度あるいは張力条件を変化させた
場合の温度変化は同じであるとみなしてよい。したがっ
て、このTm ′とTE ′との差(ΔT′=Tm′−
E ′)と、先に述べたTL とTf との差(ΔT=TL
−Tf )とを比べて、ΔT′がΔT以下(ΔT′≦Δ
T)となるようなワークロール速度あるいは張力条件を
例えばニュートン法などを用いて繰り返し計算によって
求めることができる。当該圧延機のワークロール速度あ
るいは張力設定値を上記のようにして得られたワークロ
ール速度あるいは張力値に変更する。
【0044】張力だけの制御を行う場合、上述の関係を
満たすヒートスクラッチの発生しない張力値をいくつか
求めることができるので、その中から適切な張力値を圧
延状況にあわせて選択すればよいが、それらの張力値の
うち最低の張力値(σbaim、σfaim)を選定し、これに
従って当該圧延スタンドの張力設定値を変更することが
望ましい。また、このようにして求めた張力σbaim、σ
faimが大きな張力となる場合は、予め、板破断が生じる
ことが予想されるのでその場合には張力とワークロール
速度の双方を制御する必要がある。このような場合につ
いて次に説明する。まず、あらかじめ実験を行い、板破
断の生じないスタンド入側および出側の最大張力
σbmax、σfmaxを定めておき、上記のσbaimがσbmax
りも大きい場合、あるいはσfaimがσfmaxよりも大きい
場合、あるいはσbaim、σfaimの双方がσbmax、σfmax
よりも大きい場合は、ヒートスクラッチの発生する温度
上昇を張力とワークロール速度をそれぞれ組み合わせて
制御するようにする必要がある。その場合、まず、当該
圧延スタンドの張力σbaim、σfaimがσbmax、σfmax
超える方の張力を、σbmaxまたはσfmaxに設定する。も
う一方の張力は先に述べた張力の既定条件から簡単に求
まる。このようにして求められた張力値をσ′bmax
σ′fmaxと定義する。
【0045】計算の方法は、ワークロール速度だけを変
更する場合と同様な方法である。ここでは、摩擦係数に
及ぼすワークロール速度の影響を無視できない場合につ
いて説明する。先ずワークロール速度を仮定する。前述
した式(10)〜式(12)よりそのワークロール速度
の場合の摩擦係数が求められる。
【0046】次に、圧延荷重と先進率を計算する。先進
率および摩擦荷重は上述した方法で求められた張力設定
値σ′bmax、σ′fmaxと摩擦係数μとワークロール速度
R以外は当該圧延スタンドの実測値を用い、張力(設
定値)とワークロール速度とそれに対応する摩擦係数だ
けを変えた場合の圧延荷重と先進率を計算する。
【0047】圧延荷重は例えば式(13)に示す Hill
の荷重式を用い、先進率は式(14)に示す Bland & F
ord の式を用いてそれぞれ計算する。ロール偏平R′は
式(15)に示すHitchcook の式を用いて計算する。但
し、この場合、式中のσfEとσbEはσ′fmaxとσ′bmax
に置き換えて計算することとなる。このようにして設定
した張力値で、さらにワークロール速度を変更した場合
の当該圧延スタンドのロールバイト出口の温度上昇
m ″は計算することができる。
【0048】Tm ″とTE ′との差(ΔT″=Tm ″−
E ′)と、先に述べたTL とTfとの差(ΔT=TL
−Tf )とを比べて、ΔT″がΔT以下(ΔT″≦Δ
T)となるようなワークロール速度条件を例えばニュー
トン法などを用いて繰り返し計算によって求めることが
でき、これに従って当該圧延機の張力設定値とワークロ
ール速度設定値を変更するものである。このように張力
制御とワークロール速度制御を併せて行うことによっ
て、広範囲にヒートスクラッチを防止することができ
る。
【0049】なお、これらの制御の際、圧延荷重の変化
量があらかじめ予測できるので、板厚精度や板形状の不
良が発生しないように板厚および形状制御を行うことも
できる。
【0050】以上はヒートスクラッチを圧延機ロールバ
イト出側の板温度で制御する方法について示したが、潤
滑油によってはロールバイト出口の温度ではなく、ロー
ルバイト内での上昇温度で制御する方がよい場合もあ
る。その場合の方法について説明する。この場合には、
圧延機入側でも板の温度Tiを温度検出器によって検出
する。温度検出器から圧延機入側までに水冷していない
場合で、ワークロール速度500m/min 以上ではたとえ
潤滑油が板表面にかかったとしてもロールバイト入口の
板温度に及ぼすそれらの影響は無視できる。したがっ
て、前述のTO の代わりにTO ′=TO −Tiを用いて
同様にやればよい。
【0051】
【実施例】使用した冷間タンデム圧延機は図1に示した
ものと同じ5スタンドからなるタンデム圧延機であり、
ヒートスクラッチが発生するスタンドとしての第4スタ
ンドの圧延条件を表1に示す。
【表1】
【0052】操業条件において、同一サイズのコイルを
同一の圧延条件で大量に圧延して行くと、ワークロール
の平均温度が上昇し、第4スタンド出側の板温度が上昇
して行く。これまでの操業データから、第4スタンド出
側の板温度が約160℃以上であると、ヒートスクラッ
チが多発することが経験的に知られている。そこで、第
1発明を適用し、その効果を実験調査した。
【0053】あらかじめ実験によって求められたヒート
スクラッチが発生する最低のロールバイト出口板温度で
ある限界温度TLim は162℃であり、ヒートスクラッ
チ制御目標温度はTL =162−4=158℃とした。
また、張力の制御周期を30秒、サンプリング時間を5
秒とし、その間の30秒(6個)のデータからロールバ
イト出口の板温度を計算・直線回帰し、30秒後のロー
ルバイト出口板温度を求めてこれを板温度の推定値Tf
とした。
【0054】張力の規定条件としては、入側張力σb
σbs+α、出側張力σf =σfS+αとした。また、板破
断が生じることのない入側および出側の張力の最大値
(σbm ax、σfmax)は(30kgf・mm-2、30kgf・mm-2
と設定した。
【0055】図3、第1発明による効果を示す図であ
る。図3(a)は圧延コイル本数と第4スタンドのロー
ルバイト出口板温度との関係を、また図3(b)は圧延
コイル本数とワークロール速度との関係をそれぞれ示し
ている。図3中の○は従来の圧延方法の場合を、●は本
発明を適用した際の場合をそれぞれ示す(以下の実施例
でも同様に表示する)。図3に示すように、従来の圧延
方法では圧延コイル本数11本目でロールバイト出口板
温度の推定値は160℃以上となり、ヒートスクラッチ
が発生する危険があるので、ワークロール速度を900
m・min -1にまで減速して操業していた。これに対し、第
1発明ではワークロール速度を1100〜1200m・mi
n -1に維持しても、ロールバイト出口温度を150〜1
58℃の範囲に保つことができた。第1発明では、ヒー
トスクラッチを発生させずに、従来法に比べて高速で圧
延することができ、高い生産性を得ることができる。
【0056】図4は、第4発明の実施例を示している。
従来の圧延方法では、ワークロール速度を1200m・mi
n -1に、張力を約12kgf・mm-2に維持して圧延した。そ
の結果、コイル本数11本目でロールバイト出口板温度
の推定値は160℃以上となり、ヒートスクラッチが発
生する危険があったので、ワークロール速度を900m・
min -1にまで減速した。これに対し、第4発明ではワー
クロール速度を1200m・min -1に維持し、図4(b)
に示すように圧延コイル本数11から出側張力を制御し
た。入・出側張力(σbaim、σfaim)を(30kgf・m
m-2、30kgf・mm-2)としたので、限界張力内で制御す
ることができた。その結果、ロールバイト出口温度を1
50〜158℃の範囲に保つことができた。この実施例
ではワークロール速度をまったく減速していないので、
高い生産性を維持したままヒートスクラッチの発生を防
ぐことができた。
【0057】図5は第7発明の実施例を示している。従
来の圧延方法では、上記第4発明の場合と同様の条件で
圧延した。この発明の実施例では、入・出側張力(σ
baim、σfaim)を(20kgf・mm-2、20kgf・mm-2)とし
た。図5(b)に示すように、圧延コイル本数11から
出側張力を制御し、ヒートスクラッチの発生を防いだ。
圧延コイル本数24本目で出側張力が限界張力20kgf・
mm-2に達したので、出側張力を20kgf・mm-2に維持する
とともに、図5(c)に示すようにワークロール速度を
低下させた。この結果、ヒートスクラッチの発生を防止
することができた。出側張力が限界値に達するまではワ
ークロール速度を一定としているので、生産性の低下は
まったくない。
【0058】
【発明の効果】ロールバイト内温度をヒートスクラッチ
が発生しない温度以下に高い精度で抑えることができ、
生産性を阻害せずにヒートスクラッチの発生を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施する冷間タンデム圧延機の一例
を示す構成図である。
【図2】冷間タンデム圧延機中の2スタンドの拡大図で
ある。
【図3】図3(a)は、圧延コイル本数と圧延材のロー
ルバイト出口温度との関係を示すグラフである。図3
(b)は、圧延コイル本数とワークロール速度との関係
を示すグラフである。
【図4】図4(a)は、圧延コイル本数と圧延材のロー
ルバイト出口温度との関係を示すグラフである。図4
(b)は、圧延コイル本数と出側張力との関係を示すグ
ラフである。
【図5】図5(a)は、圧延コイル本数と圧延材のロー
ルバイト出口温度との関係を示すグラフである。図5
(b)は、圧延コイル本数と出側張力との関係を示すグ
ラフである。図5(c)は、圧延コイル本数とワークロ
ール速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 ワークロール 13 中間ロール 15 バックアップロール 17 板厚検出器 20 ストリップ冷却装置 22 水切り兼張力検出装置 24 温度検出器 26 潤滑油供給装置 S 圧延材(ストリップ)
フロントページの続き (72)発明者 高濱 義久 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 Fターム(参考) 4E024 AA07 BB03 BB07 BB08 BB10 CC02 CC03 DD11 DD13 EE01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドにおいて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド出側板温度、圧延荷重、ワークロール速
    度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
    ンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水供給
    量をそれぞれ検出する第1ステップ (ロ)スタンド出側板温度、スタンド出側板速度、スタ
    ンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給量の
    検出値から、圧延状態におけるロールバイト出口板温度
    f を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト出口推定板温度Tf があらかじ
    め設定したヒートスクラッチ制御目標温度TL を超える
    場合に、第1ステップの圧延荷重、ワークロール速度、
    スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、およびス
    タンド入・出側張力の検出値から圧延材の摩擦係数およ
    び変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
    抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
    E ′と、ワークロール速度を変更した場合のロールバ
    イト内の板温度上昇Tm ′を求め、TL −Tf ≧Tm
    −TE ′となるワークロール速度を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めたワークロール速度を目標値
    としてワークロール速度を制御する第5ステップ
  2. 【請求項2】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドにおいて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
    ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
    スタンド入・出側張力、をそれぞれ検出する第1ステッ
    プ (ロ)スタンド入・出側板温度検出値から、圧延状態に
    おけるロールバイト入・出口板温度を推定して、ロール
    バイトにおける上昇温度ΔTf を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト上昇温度ΔTf があらかじめ設
    定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト上昇温度
    ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、ワー
    クロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側
    板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧延材
    の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
    抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
    E ′と、ワークロール速度を変更した場合のロールバ
    イト内の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧T
    m ′−TE ′となるワークロール速度を求める第4ステ
    ップ (ホ)第4ステップで求めたワークロール速度を目標値
    としてワークロール速度を制御する第5ステップ
  3. 【請求項3】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドにおいて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
    ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
    スタンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水
    供給量をそれぞれ検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度、スタンド出側板速度、
    スタンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給
    量の検出値から、圧延状態におけるロールバイト入・出
    口板温度を推定して、ロールバイトにおける上昇温度Δ
    f を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト上昇温度ΔTf があらかじめ設
    定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト上昇温度
    ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、ワー
    クロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側
    板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧延材
    の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
    抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
    E ′と、ワークロール速度を変更した場合のロールバ
    イト内の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧T
    m ′−TE ′となるワークロール速度を求める第4ステ
    ップ (ホ)第4ステップで求めたワークロール速度を目標値
    としてワークロール速度を制御する第5ステップ
  4. 【請求項4】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドにおいて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド出側板温度、圧延荷重、ワークロール速
    度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
    ンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水供給
    量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド出側板温度、スタンド出側板速度、スタ
    ンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給量の
    検出値から圧延状態におけるロールバイト出口板温度T
    f を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト出口推定板温度Tf があらかじ
    め設定したヒートスクラッチ制御目標温度TL を超える
    場合に、第1ステップの圧延荷重、ワークロール速度、
    スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、およびス
    タンド入・出側張力の検出値から摩擦係数および変形抵
    抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
    抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
    E ′と、張力を変更した場合のロールバイト内の板温
    度上昇Tm ′を求め、TL −Tf ≧Tm ′−TE ′とな
    る張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力を目標値としてスタン
    ドの張力を制御する第5ステップ
  5. 【請求項5】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドにおいて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
    ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
    スタンド入・出側張力、を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度検出値から圧延状態にお
    けるロールバイト入・出口板温度を推定して、ロールバ
    イトにおける上昇温度ΔTf を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
    設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
    温度ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、
    ワークロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・
    出側板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧
    延材の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
    抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
    E ′と、張力を変更した場合にロールバイト内の板温
    度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−TE
    となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力を目標値として張力を
    制御する第5ステップ
  6. 【請求項6】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドにおいて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
    ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
    スタンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水
    供給量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度、スタンド出側板速度、
    スタンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給
    量の検出値から圧延状態におけるロールバイト入・出口
    板温度を推定して、ロールバイトにおける上昇温度ΔT
    f を求める第2ステップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
    設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
    温度ΔTL を超える場合に、第1ステップの圧延荷重、
    ワークロール速度、スタンド出側板速度、スタンド入・
    出側板厚、およびスタンド入・出側張力の検出値から圧
    延材の摩擦係数および変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
    抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
    E ′と、張力を変更した場合にロールバイト内の板温
    度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−TE
    となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力を目標値として張力を
    制御する第5ステップ
  7. 【請求項7】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドについて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド出側板温度、圧延荷重、ワークロール速
    度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
    ンド入・出側張力、板冷却水温度および、板冷却水供給
    量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド出側板温度、スタンド出側板速度、スタ
    ンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給量の
    検出値から圧延状態におけるロールバイト出口板温度T
    f を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト出口推定板温度Tf があらかじ
    め設定したヒートスクラッチ制御目標温度TL を超える
    場合に、圧延荷重、ワークロール速度、スタンド出側板
    速度、スタンド入・出側板厚、スタンド入・出側張力の
    検出値から圧延材の摩擦係数および変形抵抗を求める第
    3ステップ (ニ)第3ステップの検出値、摩擦係数、および変形抵
    抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温度上昇
    E ′と、張力を変更した場合にロールバイト内の板温
    度上昇Tm ′を求め、TL −Tf ≧Tm ′−TE ′とな
    る張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力があらかじめ設定した
    板破断が生じるスタンド入側張力σbmaxまたは出側張力
    σfmaxを超える場合には、張力を前記スタンド
    入側張力σbmaxまたは出側張力σfmaxに設定するととも
    に、この設定した張力 状態でワークロール速度
    を変更した場合におけるロールバイト内の板温度上
    昇Tm ″を求め、TL −Tf ≧Tm ″−TE ′となるワ
    ークロール速度を求め る第5ステップ (ヘ)第5ステップで求めたワークロール速度および入
    ・出側張力を目標値としてワークロール速度および入・
    出側張力を制御する第6ステップ
  8. 【請求項8】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドについて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
    ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
    スタンド入・出側張力、を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度検出値から、圧延状態に
    おけるロールバイト入・出口の板温度を推定し、さらに
    ロールバイトにおける上昇温度ΔTf を推定する第2ス
    テップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
    設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
    温度ΔTL を超える場合に、圧延荷重、ワークロール速
    度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
    ンド入・出側張力の検出値から圧延材の摩擦係数および
    変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップにおける検出値、摩擦係数、および
    変形抵抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温
    度上昇TE ′と、張力を変更した場合のロールバイト内
    の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−
    E ′となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力があらかじめ設定した
    板破断が生じるスタンド入側張力σbmaxまたは出側張力
    σfmaxを超える場合には、張力を前記スタンド 入側
    張力σbmaxまたは出側張力σfmaxに設定するとともに、
    この設定した張力 状態でワークロール速度を変更し
    た場合におけるロールバイト内の板温度上 昇Tm
    を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ″−TE ′となるワーク
    ロール速度を 求める第5ステップ (ヘ)第5ステップで求めたワークロール速度および入
    ・出側張力を目標値としてワークロール速度および入・
    出側張力を制御する第6ステップ
  9. 【請求項9】 ヒートスクラッチが発生しやすいスタン
    ドをあらかじめ指定し、前記指定スタンドについて次の
    ステップにより圧延を行う冷間タンデム圧延機における
    圧延方法。 (イ)スタンド入・出側板温度、圧延荷重、ワークロー
    ル速度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、
    スタンド入・出側張力、板冷却水温度、および板冷却水
    供給量を検出する第1ステップ (ロ)スタンド入・出側板温度、スタンド出側板速度、
    スタンド出側板厚、板冷却水温度、および板冷却水供給
    量の検出値から、圧延状態におけるロールバイト入・出
    口の板温度を推定し、さらにロールバイトにおける上昇
    温度ΔTf を推定する第2ステップ (ハ)前記ロールバイト内上昇温度ΔTf があらかじめ
    設定したヒートスクラッチ制御目標ロールバイト内上昇
    温度ΔTL を超える場合に、圧延荷重、ワークロール速
    度、スタンド出側板速度、スタンド入・出側板厚、スタ
    ンド入・出側張力の検出値から圧延材の摩擦係数および
    変形抵抗を求める第3ステップ (ニ)第3ステップにおける検出値、摩擦係数、および
    変形抵抗により圧延状態におけるロールバイト内の板温
    度上昇TE ′と、張力を変更した場合のロールバイト内
    の板温度上昇Tm ′を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ′−
    E ′となる張力を求める第4ステップ (ホ)第4ステップで求めた張力があらかじめ設定した
    板破断が生じるスタンド入側張力σbmaxまたは出側張力
    σfmaxを超える場合には、張力を前記スタンド 入側
    張力σbmaxまたは出側張力σfmaxに設定するとともに、
    この設定した張力 状態でワークロール速度を変更し
    た場合におけるロールバイト内の板温度上 昇Tm
    を求め、ΔTL −ΔTf ≧Tm ″−TE ′となるワーク
    ロール速度を 求める第5ステップ (ヘ)第5ステップで求めたワークロール速度および入
    ・出側張力を目標値としてワークロール速度および入・
    出側張力を制御する第6ステップ
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022546871A (ja) * 2019-09-10 2022-11-09 プライメタルズ・テクノロジーズ・オーストリア・ゲーエムベーハー 複数の圧延機スタンドを有する圧延機トレインにおける圧延材の冷間圧延

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