JP3408926B2 - 冷間タンデム圧延方法および冷間タンデム圧延設備 - Google Patents

冷間タンデム圧延方法および冷間タンデム圧延設備

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JP3408926B2 JP15444696A JP15444696A JP3408926B2 JP 3408926 B2 JP3408926 B2 JP 3408926B2 JP 15444696 A JP15444696 A JP 15444696A JP 15444696 A JP15444696 A JP 15444696A JP 3408926 B2 JP3408926 B2 JP 3408926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4スタンド以上の
冷間圧延機による鋼等の薄板の冷間タンデム圧延方法
と、その圧延設備に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間タンデム圧延設備は大規模かつ高価
な生産設備であり、生産コストを低減するためには、1
ラインあたりの生産量を多くすることが重要であり、こ
の観点で、圧延速度をできる限り高速化することが重要
な課題である。冷間圧延において圧延速度を増大させる
際の最大の障害はヒートスクラッチである。ヒートスク
ラッチはワークロールと圧延材との金属接触による焼付
き疵であり、ロールバイト内の界面温度が上昇しロール
バイト内で油膜破断が生じた結果発生すると考えられて
いる。ヒートスクラッチが発生すると製品に表面欠陥を
生じ製品歩留が低下するばかりか、ヒートスクラッチの
生じた圧延機のワークロール組み替えが必要なため生産
性が著しく低下することになる。
【0003】そこでこれまでにもヒートスクラッチ発生
防止のための努力がなされてきており、例えば特開平5
−98283号公報に開示されているように耐焼付き性
に優れた圧延潤滑油を使用する方法や、特開昭56−1
11505号公報に開示されているようにクーラント量
を制御して板やワークロールの温度を低下させる方法、
あるいは特開昭60−49802号公報に開示されてい
るように、圧下スケジュールや張力を変更することが考
案されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したようなヒート
スクラッチ防止のための従来技術のうち、耐焼付き性に
優れた圧延潤滑油は圧延潤滑油のコストアップの問題が
あり、クーラントによる板およびロール温度制御は応答
性に問題がある。また、圧下スケジュールを変更する方
法は板厚精度が一時的に悪化するという問題があり、張
力を変更する場合、張力を増大する方向に変更すること
になるが、単に張力を増大した場合、板破断の頻度が増
大し、かえって生産性が低下する危険性がある。
【0005】本発明の目的は、以上のようなヒートスク
ラッチ防止の従来技術の問題点を解決できる冷間タンデ
ム圧延方法および冷間タンデム圧延設備を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】ヒートスクラッチは圧延
材とロール間の界面温度が上昇することで発生するの
で、最も有効な防止手段は、圧延材とロール間の界面温
度を低くすることである。この観点から上記した従来技
術のうちクーラント量制御が適切のように思えるが、ク
ーラントによる冷却はあくまでも圧延材とロールが接触
しているロールバイトの外側における制御である。一
方、ヒートスクラッチの原因となる熱はロールバイト内
で発生するので、ロールバイト外からの冷却による効果
には限界がある。この意味でロールバイト内における発
熱量の低減技術が重要となる。圧延材とロールとの界面
の摩擦係数が低減できるような潤滑油を使用した場合、
摩擦発熱量が減少して界面温度を低下させることが可能
であるが、摩擦係数を下げると圧延材とロールとのスリ
ップやチャタリング等の圧延作業上の問題を生ずるの
で、この方法にも大きな障壁が存在する。次に、圧延張
力を増大させる方法であるが、圧延張力を増大させる
と、図6に示したように圧延荷重が低下し、摩擦発熱が
減少して界面温度を低下させることができる。さらに圧
延荷重低減に伴う圧延材とロール間の界面圧力の低下に
よっても直接的にヒートスクラッチ防止効果を期待する
ことができる。このように圧延張力を増大させることは
ヒートスクラッチ防止に大きな効果が期待できるが、上
述したように圧延張力を増大すると、一般に、板破断の
危険性が増すため、現状の操業技術のまま高張力化する
ことは最終的な生産性向上につながらない。以上のよう
な問題認識に基づいて創意工夫した結果、本発明では、
板破断の発生率を悪化させることなく圧延張力を増大、
すなわち高張力化し、その結果、圧延速度の大幅増大、
すなわち高速化・高生産性を実現できる冷間タンデム圧
延方法および冷間タンデム圧延設備を開発した。
【0007】板破断は殆どの場合、板端部に存在する微
小な疵等の欠陥を起点として、板端部の圧延張力が大き
くなったときに発生するため、高速化のため単に圧延張
力を増大させると板端部の張力も増大して板破断の危険
性が増すことになる。したがって、板端部近傍の圧延張
力を大きくすることなしに断面平均圧延張力を上げるこ
とができれば板破断の危険性を増すことなしに全体とし
て高張力化することが可能となる。これはすなわち圧延
張力の板幅方向分布を制御することになり板形状制御の
問題となる。しかしながら、現状の冷間タンデム圧延設
備では、板形状制御は、最終製品の形状品質の問題であ
るという認識の下、タンデム圧延機のうち最下流の圧延
機のみで実施されている程度であり、その他の圧延機出
側では積極的な板形状制御は実施されていない。このよ
うに積極的な板形状制御が実施されていない圧延機では
必然的にある程度の形状不良が発生する。例えば、図7
(a)は、急峻度が2.5%の中伸び形状となっている
冷延鋼板における圧延張力の板幅方向分布を模式的に示
している。なお、急峻度とは、板の形状不良の程度を表
現する指標で、無張力時の形状不良による波高さを波の
ピッチで規格化した値として定義される。図7(a)で
は、圧延張力を板幅方向に平均した平均張力を10.8
kgf/mm2 としており、このとき板中央部の張力は零で
あるが、板端部の張力は32.4 kgf/mm2 と高い値と
なっている。仮にこの板端部張力が破断限界に近い値で
あるとした場合、形状不良の急峻度を1.8%に制御す
るだけで、図7(b)に示すように同じ板端部張力の値
で平均張力を倍増することが可能となる。図7の場合、
最も圧延圧力が高く発熱量の多いのは板幅中央部であ
り、図7(b)のように板の形状不良を改善し、中伸び
側の急峻度ばらつきを半減するだけで、板幅中央部の張
力を、図7(a)の零から16.2 kgf/mm2 にまで大
きくすることができ、板幅中央部の圧延圧力を大幅に低
減することができると共に、板幅全体にわたる平均張力
を大幅に増すことができる。このように板端部の圧延張
力を大きくすることなく平均張力を大きくできるので、
前述のように、圧延圧力が低減されヒートスクラッチの
発生を防止することが可能となる。
【0008】以上のことから、本発明では、従来は最終
製品の品質指標で最終スタンドのみの課題であった形状
制御を、少なくとも後段の3スタンドの圧延機、好まし
くは全ての圧延機において、圧延材全長にわたって高い
精度で実施し、その結果、板破断を頻発させることなく
圧延張力を増大して高速圧延を実現するという基本思想
に基づいている。
【0009】ところで、従来技術では板形状制御を実施
するとき、当該圧延機の下流側に板形状測定装置を配備
し、該板形状測定装置による板形状測定結果に基づい
て、当該圧延機の板形状制御装置を制御するというフィ
ードバック制御が一般的である。しかしながら、このよ
うなフィードバック制御を主体とする形状制御法を採用
する場合、当該圧延機のロールバイトから板形状制御装
置の位置まで圧延材が移送される時間が制御上の無駄時
間になるため、例えば、タンデム圧延機に供給される圧
延素材の板厚の板幅方向分布が変動したとき板形状が乱
れるが、その部分が当該圧延機の下流の板形状測定装置
に達するまで形状制御を実施することができない。この
ような場合に前述のように高張力化していると上記無駄
時間の間に板破断を生じる可能性が非常に高くなる。し
たがって圧延張力を高める目的で中間スタンドを含めて
形状制御する場合には上記のように有意な無駄時間のあ
る形状制御法は採用できない。
【0010】このような従来技術の問題点に対処するた
め、本発明における第一の発明の冷間タンデム圧延方法
では、4スタンド以上の冷間圧延機からなるタンデム圧
延機を有する冷間タンデム圧延設備を用いた冷間タンデ
ム圧延方法であって、該冷間タンデム圧延設備に供給さ
れる素材の板厚の板幅方向分布を長手方向に測定し、該
板厚分布測定値に基づいて、該測定部の各圧延機への移
送時間を考慮し、各冷間圧延機出側における所望の板形
状を実現するための、任意の時点における各冷間圧延機
におけるメカニカル板クラウンの目標値を求め、当該時
点におけるロールプロフィルの測定値または推定値およ
び圧延荷重測定値に基づいて上記メカニカル板クラウン
目標値を達成するための形状制御装置の制御目標値を演
算し、該制御目標値にしたがって各冷間圧延機の形状制
御装置を操作する。
【0011】ここで各圧延機とは、好ましくは全ての圧
延機であるが、板形状が乱れやすく、また板破断の発生
頻度の高い下流側の圧延機に限定してもよい。この場合
でも、下流側すなわち後段の少なくとも3スタンドの圧
延機は高速化のための高張力化が必要となるので本発明
の方法による形状制御を実施すべきである。また、ここ
で言うメカニカル板クラウンとは、圧延機の弾性変形か
ら決まる板クラウンであり、圧延材と作業ロールとの間
に作用する圧延荷重の幅方向分布が均一であるときに圧
延機の変形から決まる上下作業ロール間の間隙分布すな
わち板厚分布を、板幅中心の板厚と任意の幅方向位置の
板厚との差、すなわち板クラウンで表現したものであ
る。メカニカル板クラウンは、例えば、特公平3−72
364号公報に開示されているように、圧延機のロール
寸法とロールプロフィル、圧延材の板幅、入・出側板厚
および圧延荷重を含む圧延条件と、クラウン形状制御装
置の設定値が与えられれば、圧延機の弾性変形を計算す
ることによって、理論的に正確に求められる物理量であ
る。冷間圧延の場合、板端部の一部を除いて圧延素材の
板幅方向板厚分布は圧延されてもほぼ相似形を保持する
ことがわかっているから、圧延素材の板厚の板幅方向分
布が既知であれば、各圧延機の出側板厚分布は、板幅中
心の板厚を基準として圧延素材の板厚分布に相似とする
ことによって高精度に予測することができる。この予測
された出側板厚分布とメカニカル板クラウンが一致する
ような圧延条件を実現することができれば、メカニカル
板クラウンの定義から圧延荷重の板幅方向分布は均一と
なる。圧延荷重分布が均一になるということは、圧延張
力の板幅方向分布も均一となるので、このとき板形状は
フラットとなる。したがって、所望の板形状がフラット
である場合は、当該圧延機の出側板厚に関して圧延素材
の板厚分布に相似となるようにメカニカル板クラウンの
目標値を設定すればよく、所望の板形状が中伸びの場合
は、メカニカル板クラウンの目標値を素材板厚分布の相
似形よりも小さい側に設定し、所望の板形状が端伸びの
場合は、相似形よりも大きい側にメカニカル板クラウン
の目標値を設定すればよい。
【0012】図8には、入側板クラウンCH を入側板厚
Hで除した入側板クラウン比率CH/Hと、メカニカル
板クラウンCを出側板厚hで除したメカニカル板クラウ
ン比率C/hとの差異、すなわちクラウン比率偏差を横
軸にとり、これと張力の板幅方向偏差で表現した板形状
Λ2 ,Λ4 との関係を示している。図8は本発明者らが
開発した圧延解析モデルによる計算機シミュレーション
で算出した結果であるが、この圧延解析結果が実測値と
よく一致することは既に確認している板形状Λ2 は、
板端部の張力と板幅中央の張力との差異、板形状Λ4
は、板幅をbとするとき、板中央からb/(2√2)の
位置の張力と板幅中央の張力との差異を表している。こ
のように張力差で表現した板形状Λと急峻度λとは、そ
の絶対値が圧延材のヤング率Eを介して次式のような既
知の関係式で一対一に対応している。
【0013】 |Λ|=E(π|λ|/2)2 (1) なお、Λ,λともにその符号は端伸び側を正とするよう
に決められる。板破断の観点から重要なのは板端の張力
であり、その観点からは図8の板形状のうちΛ2に注目
すべきであるが、図8よりクラウン比率偏差が零であれ
ばΛ2 も零になることがわかる。すなわち、板端部に着
目して形状フラットすなわち張力差零を目標とすると
き、図8の横軸のクラウン比率偏差を零とするようにメ
カニカル板クラウンの目標値を決めればよいことがわか
る。冷間圧延の素材となる熱延板には、通常、30μm
程度の板クラウンの変動が存在している。素材板厚を3
mmとするとき、この板クラウンの変動は、10.0×1
-3のクラウン比率の変動となり、この素材板クラウン
の変動を全く考慮しないで冷間圧延を実行した場合、図
8より、張力差にして10 kgf/mm2 弱の板形状の変動
を生じることがわかる。これは製品としての板形状とし
ても無視できない形状不良であり、本発明のように形状
制御が高張力化のための手段とは言う形状制御精度とし
ても容認できない板形状の変動である。したがって、本
発明においては圧延素材の板幅方向板厚分布を長手方向
に連続的に測定して、常に素材の板厚分布を考慮して目
標とする板形状が達成できるように、例えば、図8のよ
うな関係を予め調べた上で、目標とするメカニカル板ク
ラウンを設定することによって、圧延材全長にわたる高
精度形状制御を可能とするものである。
【0014】以上のことから、第一発明では圧延素材の
板厚の板幅方向分布を素材の長手方向に測定し、その測
定部の各圧延機への移送時間を考慮した上で、各圧延機
におけるメカニカル板クラウンの目標値を上記のように
して決定して、その目標値を達成するための形状制御装
置の制御目標値を演算し、この制御目標値にしたがって
各冷間圧延機の形状制御装置を操作することによって圧
延材全長にわたって常に高精度な形状制御が可能とな
る。ここで形状制御装置とは、ロールベンディング装置
やロールの軸方向シフト装置あるいはロールクロス装置
やロールプロフィル可変装置等のいわゆるクラウン形状
制御装置を意味する。ところで、目標とするメカニカル
板クラウンを実現するときに、最も大きな外乱となるの
が圧延中に種々の要因で変動する圧延荷重と、熱膨張や
摩耗によって次第に変動するロールプロフィルである。
そこで、本発明では圧延荷重については、圧延荷重測定
装置によって測定した測定値を用い、ロールプロフィル
についてはロールプロフィル測定装置による測定値また
はサーマルクラウン予測モデルおよびロール摩耗予測モ
デルによる推定値を用いて、目標とするメカニカル板ク
ラウンを実現するための形状制御装置の制御目標値を決
定する。以上のように構成することによって、従来の形
状制御方法では不可能であった圧延材全長にわたる時間
遅れのない高精度な形状制御が可能となり、この結果、
板破断を生じることなく高張力化することができ、ヒー
トスクラッチを発生することなく圧延速度を大幅に増大
することが可能となる。
【0015】また、第二の発明では、各冷間圧延機出側
の所望の板形状が、フラット形状から通板に支障のない
程度の端伸び形状の間とすることを特徴とする本第一の
発明の冷間タンデム圧延方法を開示している。本発明の
最も大きな効果は冷間圧延の生産性を高めることであ
り、そのためには圧延張力を破断限界近くにまで高めて
高速化によるヒートスクラッチの発生を防止しなくては
ならない。本第一の発明の方法を採用して形状制御を実
施する場合、所望の板形状としては形状フラットを狙う
のが基本となるが、本発明の高精度形状制御によっても
板形状の変動を完全に零にすることは不可能である。こ
のとき上記のように破断限界近くまで高張力化している
状態では、中伸び方向への僅かな板形状の変動があった
場合でも、板端部の圧延張力が板中央部よりも極めて大
きくなり破断事故になる可能性が高くなる。しかしなが
らこのような場合にも、本第二の発明のように所望の板
形状を端伸び側にしておけば、ある程度の板形状の変動
があっても、板端部の張力が板中央部よりも大きくなる
ことを防ぐことが可能となり、板破断事故を防いで高生
産性を達成することができる。
【0016】第三の発明では、各冷間圧延機出側の所望
の板形状が、上流側がフラット形状から通板に支障がな
い程度の中伸び形状の間で、下流側がフラット形状から
通板に支障がない程度の端伸び形状の間とすることを特
徴とする本第一の発明の冷間タンデム圧延方法を開示し
ている。ここで、上流側とは少なくとも最上流側の圧延
機出側を意味し、下流側とは少なくとも最下流圧延機の
すぐ上流側の圧延機出側を意味している。このような板
形状となるようにメカニカル板クラウンの目標値を設定
することにより、上記本第二の発明の効果により、板破
断を生じやすい下流側の圧延機では、板破断の危険を回
避して高張力化することが可能となり、上流側の圧延機
で中伸び形状を狙うことにより、板端部近傍の圧延荷重
を低減してエッジドロップを低減するという更に新たな
効果を得ることが可能となる。
【0017】第四の発明の冷間タンデム圧延設備は、本
第一から第三の冷間タンデム圧延方法を実施するための
4スタンド以上の冷間圧延機からなるタンデム圧延機と
その周辺設備からなる冷間タンデム圧延設備であって、
タンデム圧延機入側に設けた圧延素材の板厚の板幅方向
分布を長手方向に連続的に測定する板厚分布測定装置
と、少なくともタンデム圧延機の入側および出側に設け
た圧延素材の板幅を長手方向に連続的に測定する板幅測
定装置と、タンデム圧延機入側に設けた圧延材速度測定
装置と、少なくとも後段の3スタンドの圧延機、好まし
くは全ての冷間圧延機に設けた圧延荷重測定装置および
板形状制御装置と、全ての冷間圧延機間に設けた板速度
測定装置および板厚測定装置の何れか一方または双方
と、タンデム圧延機出側に設けた板厚測定装置と板形状
測定装置とを有する。
【0018】第一の発明の説明で述べたように、第4の
発明においては板形状不良の原因となる圧延素材の板厚
分布の長手方向変動を予め測定することによって、各冷
間圧延機に備えられている板形状制御装置によって板形
状が乱れないようなフィードフォワード制御を実施する
ことができる。この圧延素材の板幅方向板厚分布につい
ては、冷間圧延の前工程である熱間圧延工程や酸洗工程
において予め測定しておき、そのデータを冷間圧延時に
用いる方法も可能であるが、これらの前工程から冷間圧
延工程に至るまでには、複数の圧延素材を溶接接合する
ために圧延素材の一部を切断するなどの作業が入るた
め、この方法では予め測定された板厚分布の長手方向位
置を各冷間圧延機において正確に把握することは非常に
困難で、このため十分な形状制御精度が得られない。そ
こで上記本第四の発明においては、冷間タンデム圧延機
入側に圧延素材の板厚の板幅方向分布を長手方向に連続
的に測定できる板厚分布測定装置と、少なくともタンデ
ム圧延機の入側および出側に設けた圧延素材の板幅を長
手方向に連続的に測定する板幅測定装置と、圧延材速度
測定装置を配備するものであり、これにより、長手方向
の板幅分布、板幅方向の板厚分布とその長手方向位置を
高精度に把握することが可能となり、形状制御精度が飛
躍的に向上することになる。
【0019】第四の発明において、板形状制御装置と
は、ロールベンディング装置、ロールシフト装置、ロー
ルクーラント制御装置やロールクラウンの機械的可変装
置を含むロールプロフィル変更装置、ロールクロス機構
等の圧延板の形状あるいは幅方向板厚分布を制御できる
装置一般を指し、本発明では上記したメカニカル板クラ
ウンの目標値を達成するための制御手段として用いられ
る。本発明では、上記したような種々の板形状制御装置
のうち二つ以上の装置を併用してもよく、また該板形状
制御装置は、板形状が乱れやすい、板破断の発生頻度が
高い、さらにヒートスクラッチが発生しやすいスタンド
という点で、少なくとも後段3スタンドの圧延機には配
備される。さらに、少なくとも板形状制御装置を有する
各圧延機には圧延荷重測定装置が備えられており、この
ため圧延素材の変形抵抗の長手方向変動やロール偏心等
が原因で圧延荷重が変動しメカニカル板クラウンが変動
して生ずる板形状変動に対しても、直接圧延荷重変動を
測定して目標とするメカニカル板クラウンを達成するよ
うに応答の速いフィードバック制御を実施することによ
り対処できる。圧延荷重測定装置は従来の形状制御で用
いられている圧延機下流側の板形状測定装置とは異な
り、本質的な無駄時間のない計測装置であるので上記の
ようなフィードバック制御でも十分な制御効果が期待で
きる。また、タンデム圧延設備の上流側の圧延機で測定
された圧延荷重変動から、圧延材固有の変形抵抗の変動
を分離し、その下流側の圧延機における変形抵抗変動を
予測して制御するというフィードフォワード制御も有効
に作用する。さらに、第四の発明では、全ての圧延機間
に板速度測定装置および板厚測定装置の何れか一方また
は双方を備えている。板厚測定装置を有する場合は、こ
れによって各圧延機間の板厚を正確に直接測定でき、ま
た板速度測定装置を有する場合は、タンデム圧延機入側
の板厚と、各圧延機間における板速度の測定値とにより
マスフロー一定則によって各圧延機間の板厚を正確に推
算することができる。このようにして各圧延機間の板厚
を正確に把握することができれば、タンデム圧延機入側
で板幅方向板厚分布を測定したときの圧延材の測定部が
各圧延機に到達する移送時間をマスフロー一定則から正
確に推測することが可能となり、第一から第三の発明の
冷間タンデム圧延方法における圧延素材の板幅方向板厚
分布測定値に基づく各圧延機におけるメカニカル板クラ
ウンの目標値の設定を、時間的なずれを生ずることなく
正確に実行することが可能となる。これに加えて第四の
発明では、タンデム圧延機出側に板厚測定装置および板
形状測定装置を配備している。これは既に説明したよう
に第一から第三の発明の冷間タンデム圧延方法では、目
標とするメカニカル板クラウンを実現するための制御目
標値を演算する際にロールプロフィルの測定値または推
定値を用いており、これらの測定値または推定値に必然
的に含まれているある程度の誤差を補正するため、ロー
ルプロフィル変化をオンラインで学習するためである。
すなわち第四の発明の冷間タンデム圧延設備は、最下流
圧延機を含めて各圧延機出側の板厚を測定または高精度
に推測することができるので、当該時点で把握している
ロールプロフィルを考慮したゲージメータ式による板厚
演算結果と、前述板厚測定装置の板厚実測値または板速
度測定装置の板速度測定値から高精度に推測した板厚推
測値との差から、ミルセンターにおけるロール直径変化
を分離抽出して前記ロールプロフィル実測値または推定
値の学習による補正が実施できる。また、このようなミ
ルセンターにおけるロール直径変化の把握から、ミルセ
ンター以外のロール胴長方向の位置についても、ミルセ
ンター位置に関して相似形に学習することでロールプロ
フィルとしての実用的な学習が可能である。さらにタン
デム圧延機出側には板形状測定装置が配備されているの
で、少なくとも最下流圧延機については、板幅の範囲全
体にわたるロールプロフィル学習が可能となり高精度な
板形状制御が可能となる。
【0020】さらに、第四の発明の冷間タンデム圧延設
備は、少くともタンデム圧延機の入側および出側に、好
ましくは全ての圧延機間に板幅測定装置を備えるもので
ある。第一〜第三の発明の冷間タンデム圧延方法は、高
張力化によってヒートスクラッチを発生させずに従来に
ない高速圧延を実現するというものであるが、高張力圧
延すると板幅が従来圧延の場合よりも縮小する。この量
は高々数mm程度であるので、製品板幅に対して供給する
圧延素材の板幅をやや大きくすることで対処できる。こ
の圧延中の板幅変動は圧延張力の板幅方向分布の影響を
大きく受ける。すなわち板幅方向平均張力が同じであっ
ても板端部の張力が大きく板中央部の張力が小さい場合
の方が、その逆の場合に比べて板幅縮み量が大きくなる
のである。このような張力分布は板破断の危険性も大き
くなるので本発明が指向する高張力圧延にとって好まし
いものではない。第四の発明のように少なくともタンデ
ム圧延機の前後に板幅測定装置を配備していれば、タン
デム圧延機に供給される圧延素材の板幅とタンデム圧延
機出側の板幅を測定することによってタンデム圧延にお
ける板幅変化を測定することができ、上記のように板端
部近傍の張力が高くなる危険な兆候をいち早く検知する
ことが可能となる。さらに全ての圧延機間にも板幅測定
装置を有する場合、最も板幅縮み量が大きく板破断の危
険性の高い圧延機を特定することが可能となる。このよ
うな板幅の変動に対しては、各圧延機または特定の圧延
機に配備されている形状制御装置をやや端伸び側に操作
することによって板破断の危険を回避することができ
る。また、形状制御装置を操作する代わりに、タンデム
圧延機の各スタンドのロール回転速度配分を変更するこ
とにより圧延張力をやや緩和する方向に操作して板破断
の危険を回避することもできる。逆に、板幅縮み量が予
想していた量よりも小さい場合は、各スタンドのロール
回転速度配分を上の例とは逆方向に操作して圧延張力を
より高めてヒートスクラッチの危険を回避するという使
い方も可能である。また、全ての圧延機間にも板幅測定
装置を備えていれば、高張力化して板幅変化がマスフロ
ー一定則におよぼす影響が無視できなくなる場合におい
ても、板幅実測値を用いて正確なマスフロー計算が可能
となり、前記した板厚推定や、圧延素材における板幅方
向板厚分布の各測定位置の移送時間の推定精度を大幅に
改善することも可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明の構成を詳細に説明する。図1は本発明における第一
の発明の冷間タンデム圧延方法のアルゴリズムを示す。
まず、圧延素材の板幅方向板厚分布を長手方向に測定す
る。この測定は、冷間タンデム圧延機入側で行うことが
好ましいが、前工程である熱間圧延工程や酸洗工程で実
施したデータを利用することも可能である。ただし、以
下ではタンデム圧延機入側に幅方向板厚分布測定装置を
有する好ましい実施形態について説明する。また、長手
方向に測定するとは、板幅方向に板厚計を走査させ圧延
素材の長手方向に連続的に板幅方向板厚分布を測定して
もよいが、例えば、圧延素材の板厚変動が長手方向に2
0m周期程度で発生する場合、その数分の一以下すなわ
ち5m程度以下の周期で板幅方向に板厚計を走査させ、
圧延素材の長手方向に、周期的に板幅方向板厚分布を測
定してもよい。この程度の周期で測定データを得ること
ができれば、圧延素材の板厚分布の長手方向変動を実用
的な精度で追跡可能となるからである。
【0022】次に各冷間圧延機出側の目標形状を設定す
る。この目標形状は通常は形状フラットとする。これ
は、形状フラット圧延が実現できれば板幅方向の圧延張
力はほぼ均一となるので、圧延圧力分布は板幅方向にほ
ぼ均一となり、高張力化しても板端部に局部的に高い張
力が発生することもなく、また、板幅方向の一部分にお
いて張力が弱く圧延圧力が高くなってヒートスクラッチ
が発生する可能性も少ないからである。しかしながら、
極限までの高速化を狙って圧延張力を増大しようとする
場合は、僅かな形状変動による板破断の危険性を回避す
ることを優先して板端部の圧延張力を低めに設定するこ
とが有利となる。第二の発明では、このような作用を得
るために板形状の目標をフラットから通板に支障がない
程度の端伸び形状の間に設定する。
【0023】ところで、高生産性以外に全幅にわたる板
厚精度向上を狙う場合、エッジドロップ低減技術が重要
となる。エッジドロップとは圧延板の板端部近傍で生じ
る局部的な板厚減少のことで、エッジドロップは冷間圧
延においても変化し得ることが知られている。本発明に
よる高張力圧延を実施した場合、圧延荷重が通常の圧延
に比べて低下し作業ロール偏平量が小さくなるためエッ
ジドロップは小さくなる。図9には圧延張力が圧延後の
板プロフィルにおよぼす影響をモデル圧延機を用いて検
討した結果を示すが、圧延張力の増大によって明確にエ
ッジドロップが低減することがわかる。この効果をさら
に拡大したい場合、第三の発明のように、冷間タンデム
圧延機の上流側の圧延機で所望の板形状を中伸び形状に
設定すればよい。図10には圧延前後のクラウン比率変
化と圧延後のエッジドロップの関係を示しているが、図
より、クラウン比率が圧延によって小さくなる。すなわ
ち中伸び形状側の圧延を実施することによりエッジドロ
ップを低減できることがわかる。冷間タンデム圧延機に
おいてエッジドロップを大きく変更できるのは板厚が比
較的大きい上流側の圧延機であることが知られており、
しかも板破断は上流側の圧延機で生じることはほとんど
ないため、上流側ではエッジドロップ低減を優先して、
例えば、急峻度にして−1.5%程度の中伸び側の板形
状の目標を設定し、下流側では板破断防止を優先して、
例えば、急峻度にして1.5%程度の端伸び側の板形状
の目標を設定し、最下流圧延機では製品の板形状精度を
優先して板形状フラットを目標とする操業形態をとるこ
とによって、全長全幅板厚精度と生産性、そして製品の
板形状の全てにわたって現状を大幅に改善した圧延が可
能となる。
【0024】上記のようにして各冷間圧延機の所望の板
形状を設定した後、メカニカル板クラウンの目標値の長
手方向分布を演算する。これには図8に例示しているク
ラウン比率偏差と板形状の関係を用いる。例えば、板形
状フラットに近い目標として、板端の張力と板中央の張
力との差Λ2 を零にすることを目標とする場合、図8よ
りクラウン比率偏差を零とすればよいことがわかり、目
標値とするメカニカル板クラウンCは、圧延素材の板ク
ラウンをCH 、板厚をH、当該圧延機出側板厚をhとす
るとき、C=hCH /Hで与えられる。本第二あるいは
第三の発明の場合は、フラット形状以外の板形状を所望
の板形状として目標値を設定することになるが、その場
合は、例えば、図8の縦軸の板形状を表現する張力差の
目標値から横軸のクラウン比率偏差の値cを読みとり、
C=h(CH /H−c)によってメカニカル板クラウン
の目標値を決めればよい。何れにしても、このようにし
て決められるメカニカル板クラウンの目標値は圧延素材
の板厚分布の関数として与えられるため、各冷間圧延機
に対して、圧延材の板厚分布の長手方向変化に対応して
メカニカル板クラウン目標値の長手方向分布が求められ
ることになる。
【0025】次に、タンデム圧延機入側の板厚分布測定
装置から当該圧延機までの圧延材の移送時間を演算す
る。これは、例えば次のようにして行う。タンデム圧延
機入側の板厚分布測定装置からタンデム圧延機の第1号
圧延機までの距離をL0 、第1号圧延機と第2号圧延機
との距離をL1 、第i−1号圧延機と第i号圧延機との
距離をLi-1 とし、圧延素材の板厚をh0 、第1号圧延
機出側板厚をh1 、第i号圧延機出側板厚をhi とする
とき、タンデム圧延機入側の板厚分布測定装置から今考
えている第i号圧延機までに存在する圧延材の体積Vi
は単位幅あたり次式で与えられる。
【0026】
【数1】
【0027】一方、タンデム圧延機入側の圧延材の速度
をv0 とするとき、タンデム圧延機入側に供給される圧
延素材の体積は単位時間・単位幅あたりh0 0 で与え
られるから、タンデム圧延機入側の板厚分布測定装置の
位置から今考えている第i号圧延機までの材料の移送時
間ti は次式で与えられる。 ti =Vi /(h0 0 ) (3) なお、v0 については、加減速度は、時々刻々変化する
から、そのような場合には板厚分布測定後のv0 の変化
を考慮し、h0 0 を時間積分して入側の圧延素材の供
給量を求め、その供給量がVi に達した時刻までが移送
時間となる。また、上記の例では、Vi を求める際に、
ロールバイトの幾何学的形状および圧延による板幅変
化、さらには各圧延機間板厚の経時変化を無視している
が、これらの影響が無視できないような圧延操業条件の
場合には、これらの影響も考慮して計算すべきことは言
うまでもない。
【0028】先に求めておいた板幅方向板厚分布の長手
方向測定結果に基づくメカニカル板クラウン目標値の長
手方向分布から、以上のようにして求めた移送時間を考
慮して現時点における各圧延機のメカニカル板クラウン
目標値を抽出する。次にメカニカル板クラウンの目標値
を達成するための各冷間圧延機の形状制御装置の制御目
標値を、当該圧延機の圧延荷重測定結果とロールプロフ
ィル推定結果または測定結果に基いて演算する。これ
は、例えば作業ロールベンディング装置を形状制御装置
とした場合、次のようにして実施する。特公平3−72
364号公報の第21段の式(35)に記述されている
ように、メカニカル板クラウンCは、圧延荷重をP、ロ
ールベンディング力をFとして次式のような計算式で与
えられることがわかっている。
【0029】 C=CP ・P+CF ・F+C0 (4) ここで、CP ,CF はミルディメンジョンや圧延条件に
依存する既知関数であり、C0 はロールプロフィルの影
響項である。したがって、圧延荷重の測定値Pとロール
プロフィルの推定値または測定値があれば、式(4)よ
り次式でロールベンディング力の制御目標値が計算され
る。
【0030】 F=(C−CP ・P−C0 )/CF (5) なお、形状制御装置として、ロールシフト装置、ロール
プロフィル変更装置、ロールクロス機構等の他の装置を
使用する場合でも、形状制御装置の制御目標値を求める
方法は同様であり、違いは、上記の例では式(4)に相
当するメカニカル板クラウンの計算式の中の形状制御装
置の設定値の依存項の形だけである。
【0031】以上のようにして各冷間圧延機の形状制御
装置の制御目標値が求まれば、次にこの目標値にしたが
って各冷間圧延機の形状制御装置の制御を実行する。上
記のような形状制御のパフォーマンスは、タンデム圧延
機出側あるいは、冷間圧延機間の板形状が測定できれ
ば、これらの測定値から板形状を判断することができ、
この判断に基づいて高張力化しても板破断が生じないと
判定される場合は高張力化して高速圧延を実行する。さ
らに高張力化した後でも、板破断を生じる前兆は圧延に
よる板幅変化に顕著に現れるので板幅変化を観察するこ
とにより、板破断を生じない高張力化の限界を見極める
ことが可能となる。現状の冷間タンデム圧延では、特に
下流側の圧延機の張力は変形抵抗の10〜20%程度の
圧延張力しか付加していないが、本発明の方法によれ
ば、例えば、板破断を生じることなく変形抵抗の50%
程度の圧延張力を付加することが可能となり、その結
果、最高圧延速度は現状の2000m/分前後から30
00m/分以上に高速化することが可能となる。
【0032】このようにして高張力・高速圧延が順調に
進行している間にも、各圧延機のロールプロフィルは熱
膨張および摩耗によって変化して行く。このような変化
は、ロールサーマルクラウン予測モデルとロール摩耗予
測モデルにより推測することが可能であるが、これらの
予測モデルに完全な精度を期待することは一般に困難で
ある。したがってロールプロフィルについても直接測定
を実施することが好ましいことは言うまでもないが、こ
れが不可能な場合、図1のアルゴリズムの最下段に示し
たようにロールプロフィル変化の学習を行う。すなわち
各圧延機出側の板厚測定結果または推定結果とタンデム
圧延機出側の板形状測定結果のデータとを分析すること
により、各圧延機のロールプロフィル変化の推定モデル
の学習を実行し、ロールプロフィル推定精度を常にリフ
レッシュすることで、形状制御精度の悪化を防止して高
生産性を維持できることになる。
【0033】ところで、形状フラット以外の目標形状を
狙う場合の圧延方法としては、上記した方法以外にも次
のような手法が採用可能である。例えば、端伸び側の板
形状を目標として形状制御するとき、目標とする端伸び
形状を圧延張力分布に置き換え、その張力分布が実現さ
れたときの圧延荷重分布を計算し、中凹形となるその圧
延荷重分布を与えて圧延機の弾性変形の計算を実施して
目標とするメカニカル板クラウンを求めるという方法を
採用してもよい。この場合、メカニカル板クラウンの定
義がこれまでの例とは異なるが、圧延機側の変形特性を
代表するという物理的意味は普遍であり、以下に説明す
るように実現される制御は前記の板幅方向均一圧延荷重
に基づくメカニカル板クラウンを用いた制御と物理的に
全く等価である。
【0034】すなわち板幅方向均一圧延荷重に基づくメ
カニカル板クラウンを用いた前記の方法では、例えば、
端伸び形状を狙う場合、Λ2 の目標値としては正の値と
なるので図8の関係から読みとるクラウン比率偏差の目
標値cは負の値となる。したがって前出のC=h(CH
/H−c)よりメカニカル板クラウンの値はクラウン比
率一定圧延の場合よりも大きな値となる。このため圧延
機としては板端部の圧下率を板中央部の圧下率よりも大
きくしようし、その結果、板端部近傍の材料が余分とな
って張力が負側すなわち張力が減少し圧延荷重が上昇し
て中凹形の圧延荷重分布となり、結果的には圧延機側の
変形が圧延素材の板厚分布にほぼ相似形に適合すること
になる。つまり上述した板形状による張力分布起因の中
凹形の圧延荷重分布を考慮したメカニカル板クラウンを
採用する方法は、このような圧延荷重分布変化を予めメ
カニカル板クラウン側に考慮することが異なるだけで物
理的には同じことを行っていることになる。どちらの手
法でも、圧延材素材の板厚分布と圧延機側の変形特性を
代表するメカニカル板クラウンとの整合性を考慮した板
形状制御という点では変わるところはない。
【0035】また、圧延素材の板厚分布から、各圧延機
出側の板厚分布を推定するとき、冷間圧延においても変
化する余地のあるエッジドロップ部を除いたボディクラ
ウン部分のみを抽出し、対応するメカニカル板クラウン
もエッジドロップ部を除いたボディクラウン部分のみを
抽出する方法を採用してもよい。この場合のエッジドロ
ップの分離の手法としては、例えば、エッジドロップが
顕著となる板端部近傍を除いた板幅方向板厚分布を板中
心を原点とする幅方向座標の4次式で表される曲線で近
似し、その4次曲線からの板端部近傍の板厚偏差をエッ
ジドロップとし、該4次曲線で表される板厚分布をボデ
ィクラウンとする方法が採用できる。
【0036】図2は、第四の発明に基づく冷間タンデム
圧延設備の好ましい実施形態の例を示している。図2で
は#1から#6までの6スタンドの冷間圧延機を有する
冷間タンデム圧延設備の例を示しているが、この例で
は、タンデム圧延機出側に形状測定装置1と板厚測定装
置5f、タンデム圧延機入側に幅方向板厚分布測定装置
3と板速度測定装置6とを有し、#1と#4〜#6の各
圧延機に板形状制御装置2a〜2dおよび圧延荷重測定
装置4a〜4dを配備し、全ての圧延機間には板厚測定
装置5a〜5eを配備している。幅方向板厚分布測定装
置3は圧延板の幅方向の少なくとも3点以上の位置にお
ける板厚を素材の長手方向に連続的に測定できる装置で
あっても、あるいは板厚分布の長手方向変動の周期より
も短い周期で素材の幅方向にスキャンする方式のいわゆ
るプロフィルメータであってもよい。金属薄板8は圧延
方向9の向きに圧延される。金属薄板8の圧延前の幅方
向板厚分布は幅方向板厚分布測定装置3によって測定さ
れ、この板厚分布測定結果に基づいて、図1で説明した
ように、所望の板形状を達成するための各圧延機のメカ
ニカル板クラウンの目標値を決め、該目標値を達成する
ように各圧延機の板形状制御装置2a〜2dを制御する
という板形状のフィードフォワード制御が実施できる。
このときタンデム圧延機入側に板速度測定装置6と各圧
延機間に板厚測定装置5a〜5eとを有することで、先
に説明したようにタンデム圧延機入側の板厚分布測定装
置3から形状制御を実施する任意の圧延機までの圧延材
の移送時間を正確に予想して板厚分布測定装置3の測定
結果を正確なタイミングで反映した制御が可能となる。
また、各圧延機に配備した圧延荷重測定装置4a〜4d
によって圧延素材の変形抵抗の変動や摩擦係数の変動に
伴う圧延荷重変動を時々刻々検出することが可能とな
り、この圧延荷重の変動がメカニカル板クラウンにおよ
ぼす影響を補償するための各圧延機の板形状制御装置2
a〜2dを用いたフィードバック制御が実施できる。一
般にヒートスクラッチが発生しやすいのは冷間タンデム
圧延機の中でも圧延速度が高速となる後段3スタンドの
圧延機であり、高速圧延のためには後段3スタンドの圧
延張力は前段よりも高く設定する必要がある。そのため
少なくとも後段3スタンドでは形状制御精度を特に高く
する必要があるが、図2の実施形態では、#4〜#6の
圧延機に圧延荷重測定装置4b〜5dと板形状制御装置
2b〜2dを有しているので、#4〜#6の圧延機の形
状制御精度を特に高めることが可能である。また、特に
#6の最終スタンド出側の板形状は直接製品の板形状と
なるので、板形状測定装置1を配備し、直接形状制御精
度をチェックしながらロールプロフィル予測モデルの学
習をすることができるように構成されている。
【0037】このように図2の冷間タンデム圧延設備で
は種々の外乱に対しても常に時間遅れなく高精度な板形
状制御が実現できる。この結果、板破断を生じることな
く圧延張力を高くすることが可能となり、既に説明した
ようにヒートスクラッチを発生することなく高速圧延が
実現できる。なお、板形状制御装置は、図2では作業ロ
ールベンディング装置を想定して図示しているが、既に
述べたように、ロールシフト装置、ロールプロフィル変
更装置、ロールクロス機構等の圧延板の形状あるいは幅
方向板厚分布を制御できる装置であれば何れを用いても
よく、また二つ以上の形状制御手段を併用してもよい。
また、図2では、#1と#6の圧延機が6段圧延機で、
#2〜#5が4段圧延機となっているが、このようなミ
ル型式および配列はどのようなものでも本発明は共通に
適用できることは言うまでもなく、特に図2では#2,
#3の圧延機には冷間圧延機にとっては標準装備とも言
える圧延荷重測定装置を配備していないが、これは本発
明の圧延方法の観点からは省略しても差し支えないこと
を示しているまでで、全ての圧延機に圧延荷重測定装置
が配備されていることが好ましいことは言うまでもな
い。なお、図2の実施形態では#1圧延機にも圧延荷重
測定装置4aと板形状制御装置2aを有しているが、こ
れは、#1圧延機前後の高張力化を狙ったものではな
く、#1圧延機の板形状制御装置をエッジドロップ制御
の目的で使用することを意図した装備である。
【0038】図3は、第四の発明に基づく冷間タンデム
圧延設備の他の実施形態の例を示している。図3は図2
の実施形態と比べて、各冷間圧延機間に板厚測定装置で
はなく板速度測定装置6b〜6fを配備しており、さら
に#6圧延機出側にも板速度測定装置6gを配備してい
る。この例のように圧延機間に板速度測定装置を配備す
る場合は、タンデム圧延機出側には板速度測定装置6g
と板厚測定装置5の両方を配備することが好ましい。こ
のような構成とすることによってタンデム圧延機入側の
板厚と板速度の測定結果とタンデム圧延機出側の板厚と
板速度の測定結果とを比較することによって、圧延によ
る板幅変化を推定することも可能となり、前記したよう
な各圧延機間の板速度測定値から各圧延機間の板厚を推
定する際のマスフロー一定則の精度を改善することが可
能となるからである。このように図3の実施形態によっ
ても各圧延機間の板厚を高精度に推定することによって
図2の実施形態と同様の圧延操業が可能となる。
【0039】図4は、#1〜#4の4スタンドの冷間圧
延機を有する冷間タンデム圧延設備であり、全ての圧延
機に板形状制御装置2a〜2dと圧延荷重測定装置4a
〜4dが配備され、全ての圧延機間およびタンデム圧延
機の出側に板厚測定装置5a〜5dが配備されている。
またタンデム圧延機入側には幅方向板厚分布測定装置3
と板速度測定装置6、タンデム圧延機出側には板形状測
定装置1が配備されている。このように全ての圧延機間
およびタンデム圧延機の出側に板厚測定装置を配備する
ことにより、全ての圧延機においてロールプロフィルの
高精度な学習が実施でき形状制御精度が向上することを
通じて、全スタンド高張力化によって圧延速度を飛躍的
に高めることが可能となる。なお、ここで板厚測定装置
5a〜5dの測定結果は、圧延材の移送時間の演算に用
いる他、ロールプロフィル学習にも用いるものであるか
ら、板厚測定装置5a〜5dが板幅方向に走査でき板厚
の幅方向分布を測定できる構造であればさらに好ましい
ことは言うまでもない。
【0040】図5は、第四の発明に基づく冷間タンデム
圧延設備の実施形態の例を示すもので、#1〜#4の4
スタンドの冷間圧延機を有するタンデム圧延設備におい
図4では明示的な記載が省略されている、タンデム
圧延機の入側および出側、さらに各冷間圧延機間に圧延
材の板幅を長手方向に連続的に測定できる板幅測定装置
7a〜7eが配備されている例を示している。なお、図
2、図3においても、この板幅測定装置7の図示は省略
されている。一般に圧延張力を高くすると板幅が減少す
ることが知られている。したがって本発明の目的のよう
に高張力化して高速圧延を実行する場合、従来の冷間圧
延操業の場合と同じ素材板幅では製品板幅が不足するこ
とになるので、予め高張力化による幅縮み量を予測・計
算して適切な素材板幅を選ぶ必要がある。しかしなが
ら、このようにして決められた圧延素材の目標板幅か
ら、板幅が変動している場合には、所定の製品板幅が得
られなくなることがあるので、このような場合は、入側
の板幅測定装置7aにより予め入側板幅変動を検出し、
圧延張力を微調整することにより、所定の製品板幅を得
るようにすることが好ましい。各圧延機出側のおよびタ
ンデム圧延機出側の板幅測定装置7b〜7eは、このと
きの圧延張力の微調整による効果を確認し補正するもの
である。また、各圧延機入側の板幅測定装置による板幅
測定値と出側の板幅測定装置による同一点の板幅測定値
を比較することにより当該圧延機によって与えられた板
幅変化量を把握することができ、この板幅変化量が板幅
減少側に急激に変化した場合、板端部近傍に局部的に大
きな張力が作用していて板破断の危険性が増大している
ことを表しているので、このような時には形状制御装置
を端伸び側に操作することによって板破断を未然に防ぐ
ことができる。各冷間圧延機間に板幅測定装置が配備さ
れていない場合でも、タンデム圧延機入側の板幅測定装
置による板幅測定値とタンデム圧延機出側の板幅測定装
置による同一点の板幅測定値を比較することによりタン
デム圧延機全体で生じた板幅変化を検出することが可能
となり、タンデム圧延機全体の板形状制御装置の操作に
より板破断防止を図ることが可能である。さらに各圧延
機出側の板幅を測定することによって、既に説明したよ
うに圧延材の移送時間を演算する際のマスフロー一定則
の精度を向上することも可能となり、本発明の形状制御
の精度を高めることが可能となる。以上のように、図5
のようなタンデム圧延機の入側および出側、さらに各冷
間圧延機間に板幅測定装置を配備した冷間タンデム圧延
設備を用いることによって高精度な製品板幅精度を実現
しながら、安定した高張力・高速圧延が実現できる。
【0041】ところで、本発明では、冷間タンデム圧延
機の板形状制御を高精度化することによって、板破断を
発生させることなく高張力化し、その結果、ヒートスク
ラッチを発生させることなく高速圧延を実現する冷間タ
ンデム圧延設備を開示している。したがって、高張力化
を可能とするため、必要に応じて、強力な捲き取り装置
やブライドルロールを採用したり、高速化を可能ならし
める強力な電動機や高速回転特性に優れた軸受けを採用
すること等の設備設計上の工夫を伴うことは言うまでも
ない。
【0042】
【発明の効果】本発明の冷間タンデム圧延設備を用いる
ことにより、高張力化でも板破断しない圧延操業を実現
できることになり、高張力化効果によって圧延荷重が低
減し、ヒートスクラッチを発生することなしに高速圧延
が実施でき、従来設備を用いた場合に比べ飛躍的に高い
生産性で冷延薄板を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明請求項1,2および3の冷間タンデム圧
延方法の好ましい実施形態のアルゴリズムを示す図。
【図2】6台の冷間圧延機を有する冷間タンデム圧延設
備の本発明請求項4による好ましい実施形態を示す図。
【図3】6台の冷間圧延機を有する冷間タンデム圧延設
備の本発明請求項4による他の好ましい実施形態を示す
図。
【図4】4台の冷間圧延機を有する冷間タンデム圧延設
備の本発明請求項4による好ましい実施形態を示す図。
【図5】図4において図示を省略した板幅測定装置を図
示し、4台の冷間圧延機を有する冷間タンデム圧延設備
の本発明請求項4による好ましい実施形態を示す図。
【図6】圧延張力とヒートスクラッチ発生との関係を示
す図。
【図7】本発明における圧延張力の板幅方向分布と板形
状の関係の一実施例を示す図でa)は急峻度が2.5
%、b)は急峻度が1.8%の場合を示す。
【図8】本発明におけるクラウン比率偏差と板形状の関
係の一実施例を示す図。
【図9】本発明における圧延後の板プロフィルにおよぼ
す圧延張力の影響の一実施例を示す図。
【図10】本発明におけるエッジドロップにおよぼすク
ラウン比率変化の影響の一実施例を示す図。
【符号の説明】
1…板形状測定装置 2…板形状制御装置 3…幅方向板厚分布測定装置 4…圧延荷重測定装置 5…板厚測定装置 6…板速度測定装置 7…板幅測定装置 8…金属薄板 9…圧延方向 10…圧延張力分布
フロントページの続き (56)参考文献 藤井岱輔他,八幡製鉄所新冷延工場に おける新技術,新日鉄技報,新日本製鐵 株式会社,1992年11月30日,347号,83 −87頁 山本晋康他,冷間圧延における高精度 形状・エッジドロップ制御技術の開発, 第43回塑性加工連合講演会論文II,日 本塑性加工学会,1992年 9月1日, 679−682頁 蔵田喜輝他,八幡製鉄所新冷延設備の 概要,材料とプロセス,日本鉄鋼協会, 1991年 3月 5日,VoL.4 (1991),No.2,531頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4スタンド以上の冷間圧延機からなるタ
    ンデム圧延機を有する冷間タンデム圧延設備を用いた冷
    間タンデム圧延方法であって、該冷間タンデム圧延設備
    に供給される素材の板厚の板幅方向分布を長手方向に測
    定し、該板厚分布測定値に基づいて、該測定部の各圧延
    機への移送時間を考慮し、各冷間圧延機出側における所
    望の板形状を実現するための、任意の時点における各冷
    間圧延機におけるメカニカル板クラウンの目標値を求
    め、当該時点における各冷間圧延機のロールプロフィル
    の測定値または推定値および圧延荷重測定値に基づいて
    上記メカニカル板クラウン目標値を達成するための形状
    制御装置の制御目標値を演算し、該制御目標値にしたが
    って各冷間圧延機の形状制御装置を操作することを特徴
    とする冷間タンデム圧延方法。
  2. 【請求項2】 各冷間圧延機出側の所望の板形状が、フ
    ラット形状から通板に支障がない程度の端伸び形状の間
    に設定されることを特徴とする請求項1に記載の冷間タ
    ンデム圧延方法。
  3. 【請求項3】 各冷間圧延機出側の所望の板形状が、上
    流側がフラット形状から通板に支障がない程度の中伸び
    形状の間で、下流側がフラット形状から通板に支障がな
    い程度の端伸び形状の間に設定されることを特徴とする
    請求項1に記載の冷間タンデム圧延方法。
  4. 【請求項4】 4スタンド以上の冷間圧延機からなるタ
    ンデム圧延機を有する冷間タンデム圧延設備であって、
    タンデム圧延機入側に設けた圧延素材の板厚の板幅方向
    分布を長手方向に測定する板厚分布測定装置と、少なく
    ともタンデム圧延機の入側および出側に設けた圧延素材
    の板幅を長手方向に連続的に測定する板幅測定装置と、
    タンデム圧延機入側に設けた圧延材速度測定装置と、
    なくとも後段の3スタンドの圧延機に設けた圧延荷重測
    定装置および板形状制御装置と、全ての冷間圧延機間に
    設けた板速度測定装置および板厚測定装置の何れか一方
    または双方と、タンデム圧延機出側に設けた板厚測定装
    置と板形状測定装置とを有することを特徴とする冷間タ
    ンデム圧延設備。
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