JPH1157828A - 冷間圧延方法 - Google Patents

冷間圧延方法

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JPH1157828A
JPH1157828A JP9223631A JP22363197A JPH1157828A JP H1157828 A JPH1157828 A JP H1157828A JP 9223631 A JP9223631 A JP 9223631A JP 22363197 A JP22363197 A JP 22363197A JP H1157828 A JPH1157828 A JP H1157828A
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JP
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rolling
stand
temperature
heat
speed
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JP9223631A
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English (en)
Inventor
Shunji Kamata
俊二 鎌田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走間変更時には、荷重が高い状態であるため
ヒートストリークが発生し易く、必要以上に低速圧延を
行っているが、可及的に高い圧延速度で安定したドラフ
トスケジュールの変更が可能となる方法を開発する。 【解決手段】 走間変更速度で、各スタンド間の単位荷
重およびロールバイト直下の板温度を計算し、それぞれ
がヒートストリーク発生限界内にくるように各スタンド
の圧下率配分を決定して、次いで圧延速度を上昇させて
同じ計算、操作を行う、そのとき得られた最高圧延速度
で走間変更を行うことによりヒートスリークの発生防止
を図るとともに圧延の生産性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間圧延における
走間変更に際してのドラフトスケジュールの決定操作を
含む冷間圧延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、タンデム圧延機による連続冷
間圧延方法において被圧延材は単一材ではないために、
圧延途中において圧延条件、特に板厚を変更する必要が
ある場合がある。そのようなときにも圧延操作は中断す
ることがないため、所謂走間変更を行うのである。しか
しながら、そのような走間変更時には鋼板表面温度が過
度に上昇し、ヒートストリークと称する表面疵が発生す
ることがある。
【0003】ここに、走間変更とは、連続式冷間タンデ
ム圧延機による圧延途中に、溶接部もしくはコイル内に
おいて、圧下率もしくは張力を変更することによって、
圧延機出側での仕上厚を変更することである。従来にあ
っても圧延条件の途中変更に際してのそのようなヒート
ストリークの発生を防止するための提案がなされてい
る。
【0004】例えば、特開平7−123750号公報には、ロ
ール温度を計測し、温度センサの計測値に基づく伝熱解
析によってロールの最高到達温度を求め、さらにこの最
高到達温度がヒートストリーク発生の臨界温度よりも低
い温度となるように、ロール冷却水量を調整する方法が
開示されている。
【0005】しかし、ロール温度の測定では、ヒートス
トリークとの相関を明確につかめない。なぜなら、ロー
ル交替直後のようにロール温度が十分上昇していない場
合にも、鋼板の変形熱によってヒートストリークが発生
する場合がある。また、ロール冷却による対応のみで
は、即応性に問題があり、結果的にヒートストリークを
発生させてしまう。
【0006】また、特開平4−140256号公報には、冷間
圧延の静的連続圧延理論に基づく従来の計算と併せ、ロ
ール径、ロール速度、圧延荷重、圧下率、濃度、粒径お
よびケン化価の関数である潤滑性を各スタンドについて
計算し、各スタンドにおける潤滑性をほぼ一定にするよ
うに各変数の値を求め、これらの値によりドラフトスケ
ジュールを決定する方法が開示されている。
【0007】しかし、この方法でも、圧延における潤滑
状態は、圧延速度によってもかなり異なり、潤滑性を合
わせることにより、圧下率配分が不利になり、操業に影
響がでる。つまり、タンデムミルなどのように複数のス
タンドからなる圧延機の場合、速度の遅い前段スタンド
と速度の早い後段スタンドとの潤滑条件を合わそうとす
ると、前段スタンドを軽圧下に、後段スタンドは高圧下
にとする必要がある。しかし、これは、材料が軟らかい
前段スタンドで高圧下を行う通常の圧延の場合と全く逆
になり、操業性からも絞り込みなどのトラブルの原因に
なり好ましくない。また、ヒートストリークは、走間変
更時に急激に硬さの異なる被圧延材を対象とする場合に
も発生し、これに対する解決策も十分でない。
【0008】特開平5−138224号公報には圧延ロールバ
イト直下の被圧延材の板温度とヒートストリーク発生温
度とを比較してその温度差ΔTが小さくなるように圧延
速度を増減する方法が開示されている。この場合の板温
度は下流に設けた温度センサロールにより検出されるも
のであるが、圧延速度は圧延ロールバイト直下の被圧延
材の演算による温度によって増減される。温度センサロ
ールにより検出される板温度はロール下流であり、また
演算で求められた圧延ロールバイト直下の被圧延材の板
温度は、ロール直下である。したがって、この方法では
時間遅れが生じ十分な対応がとれない。
【0009】特開平9−19706 号公報にはスタンド出側
の板温度がヒートストリーク発生限界温度以下になるよ
うに圧下率を制御する方法が、また板温度がヒートスト
リーク発生限界温度に等しくなるように圧延速度を制御
する方法が開示されているが、具体的な制御手段につい
ては何等の開示もない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一般的な目的
は、走間変更時にみられる以上のような従来技術の問題
を解決することによって、ヒートストリークの発生防止
を図ったドラフトスケジュールの最適化を可能とする冷
間圧延方法を提供することである。
【0011】本発明のより具体的な目的は、ヒートスト
リークが発生可能な比較的低速である走間変更時の荷重
が高い状態においても、各スタンド間の単位荷重および
ロールバイト直下の板温度を計算し、ヒートストリーク
発生限界内にくるように各スタンドの圧下率配分を決定
してヒートストリークの発生防止を図った冷間圧延方法
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決するために、上述のような従来技術を種々検討し
た結果、板温度とヒートストリーク発生温度との差異を
最小とすることにより圧延効率を最大限に高めることに
着目し、ロールバイト直下の板温度として計算値を用
い、これとヒートストリーク発生温度とを比較し、その
差異に応じて圧延速度を変更し、さらに変更後のロール
バイト直下の板温度を計算で求め、これとヒートストリ
ーク発生温度とを比較し、計算によるロールバイト直下
の板温度がこのヒートストリーク発生温度を越える場
合、圧下率を変更することで上記板温度を低下させ、こ
れを繰り返すことで、最高圧延速度を実現させ、上記温
度差を最小とするにより圧延効率が高められることを知
り、本発明を完成した。
【0013】ここに、本発明は、目標とする製品板厚サ
イズの異なる被圧延材を連続して一連の圧延機に通す連
続冷間圧延方法において、連続圧延中に、圧延機を停止
させることなく板厚サイズを変更する際に、前記被圧延
材の板厚サイズ変更点が任意の第i番目のスタンドを通
過した時点で第i番目のスタンドのドラフトスケジュー
ルを変更する方法であって、走間速度および圧下率を変
数として含む計算式により第i番目のスタンドのロール
バイト直下の、すなわち上・下ロールで挟まれた状態の
被圧延材の計算で求めた板温度(T1)と、変更後の圧延条
件から求めたヒートストリーク発生温度(Ts)とを比較
し、温度差ΔT(=Ts−T1) が可及的小となるようになる
まで圧下率とともに走間速度を変えて計算を繰り返し、
第i番目のスタンドの圧下率および走間速度をヒートス
トリーク発生限界値直下に設定することを特徴とするヒ
ートストリーク発生を防止した冷間圧延方法である。
【0014】ここで計算式とは、下記計算式(T1)であ
り、後述するようにTs0の項に含まれるhw (クーラント
の熱伝達率) は定数と仮定して演算する。
【0015】
【数1】T1 =Ts0+ΔTp +ΔTf 別の面からは、本発明は、目標とする製品板厚サイズの
異なる被圧延材を連続して一連の圧延機に通す連続冷間
圧延方法において、連続圧延中に、圧延機を停止させる
ことなく板厚サイズを変更する際に、前記被圧延材の板
厚サイズ変更点が任意の第i番目のスタンドを通過した
時点で第i番目のスタンドのドラフトスケジュールを変
更する方法であって、予め各スタンドについて仮に変更
時のドラフトスケジュールを決定し、走間速度および圧
下率を変数として含む計算式により計算で求めた各スタ
ンドのロールバイト直下の被圧延材の板温度(T1)と、変
更後の圧延条件から求めたヒートストリーク発生温度(T
s)とを比較し、温度差ΔT(=Ts−T1) を求め、順次、圧
下率とともに走間速度を変えて計算を繰り返し、第i番
目のスタンドについて上記温度差ΔT(=Ts−T1) ≦0と
なったときに、第i番目のスタンドを含め他の圧延スタ
ンドの圧下率を変更することで上記温度差ΔT(=Ts−
T1) >0となるまで計算を繰り返し、このようにして得
られた最高走間速度でのドラフトスケジュールでもって
冷間圧延圧延の走間変更を行うことを特徴とするヒート
ストリーク発生を防止した冷間圧延方法である。
【0016】本発明の好適態様によれば、圧延機スタン
ド間に温度センサを設け被圧延材の板温度を定期的に検
出し、予め求めた計算による温度と比較してクーラント
の新しい熱伝達率を求め、次いでこの新しい熱伝達率定
数で計算式を更新し、この更新した計算式により前記被
圧延材の板温度(T1)を求めるようにしてもよい。
【0017】また、本発明の実施態様によれば、従来は
モータパワー限界で決まっていた最高圧延速度を設定す
るにも、ロールバイト直下の板温度の計算により決定す
ることができる。
【0018】さらに別の態様においては、各スタンドの
出側において板温度を測定し、クーラントの熱伝達率を
学習することにより、圧延油の濃度、成分などの特性が
変化しても対応できる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる板厚変更ス
ケージュール設定操作について具体的に説明する。
【0020】図1は本発明にかかる方法のフローチャー
トであり、ドラフトスケジュールの走間変更に際して
は、まず、S1の段階で電流比配分または圧下率配分に
よりドラフトスケジュールを仮決定する。S2の段階で
はこのようにして仮決定されたドラフトスケジュールに
基づいて所定の走間変更速度における各ロールスタンド
におけるロールバイト直下での板温度を計算する。次い
でS3の段階では計算された板温度が単位幅荷重および
ヒートストリーク発生温度を超えていないかを判断す
る。もし、もし超えているようであれば、段階S4 にお
いて各スタンドでの上下限の圧下率の範囲内でドラフト
スケジュールを変更し、前述の段階S2を繰り返す。
【0021】なお、「単位幅荷重」の計算と本発明にか
かる最高圧延速度の決定には、直接関係はないが、各ス
タンドの圧下率をヒート限界 (油膜破れ原因) を抑える
ためには、単位幅荷重を基本的 (第一条件) にチェック
する必要があるからである。
【0022】圧下率の上限に至ってもヒートストリーク
発生温度を超えない場合には、段階S5 において今度は
走間速度を上げてロールスタンド直下の板温度を再度計
算し、段階S6 において再度ヒートストリーク発生温度
を超えていないかを判断する。もし超えていない場合に
は前述の段階S4と同様にして各スタンドでの上下限の
圧下率の範囲内でドラフトスケジュールを変更し( 段階
S7) 、再度計算を行い段階S6 を繰り返す。これはモ
ータの上限、該当スタンドの単位幅荷重を超えない限度
まで行う。そしてこれらの結果をもとに段階8におい
て、各変更速度でドラフトスケジュールと最高圧延速度
を決定し、計算を終了する。
【0023】ここに、高速または強圧下域で圧延を行っ
た場合に、ロールバイトにおける摩擦熱と塑性変形に基
づく加工熱がクーラントによる冷却能力を上回り、ロー
ルと板の温度が上昇するが、この温度上昇によって油膜
が破断され、その結果、金属間接触を局部的に生じて凝
着し、これがヒートストリークと称する現象である。な
お、このヒートストリークの発生温度は一定の圧延条件
では一定となり、通常130 〜200 ℃の範囲で発生する。
【0024】Ni系ステンレス鋼SUS304などのように、温
度によって、その変形抵抗値が大きく異なるため、低速
部ほど圧延荷重が大きいものや、連続圧延において軟質
材から硬質材のように急激に荷重が増加するものにおい
ては、走間変更時のヒートストリークの抑制が必要であ
った。
【0025】そこで、本発明によれば、図1に示すフロ
ーチャートのように、走間変更時の最適化を図るととも
に、速度においても温度が低くなるように圧下率を考慮
し、最高速度を規定する。
【0026】ここに、本発明によれば冷却圧延における
ロールバイト直下の被圧延材の温度は次の計算方法によ
って求めることができる。ただし、T1 はロールバイト
直下の板温度、T2 はロール出側での板温度である。
【0027】
【数1】 T1 =Ts0+ΔTp +ΔTf ・・・(1)
【0028】
【数2】 T2 =T1 −ΔTc ・・・(2) ここで、 Ts0 :ロールバイト入側直前の材料温度 (初期温度) ΔTp :加工熱による温度上昇分 ΔTf :摩擦熱による温度上昇分 ΔTc :クーラントスタンド間冷却による温度低下ただ
し、後述するようにTs0の項に含まれるTw :クーラン
ト温度は一定値と考える。
【0029】
【数3】
【0030】
【数4】
【0031】
【数5】
【0032】
【数6】
【0033】
【数7】 fb =1−(1+fs)(1−r) ・・・(7)
【0034】
【数8】
【0035】上記式(1) および(2) におけるTs0は下記
式で表わされる。
【0036】
【数9】 Tso=Tw +(T1−Tw)・exp(−2hw・t/δsCsh2) ・・・(9) ここで、 ηP :変形仕事の熱量変換割合 (ηP =0.9 と仮定) A :仕事の熱当量 (1/427 kcal/kg・m) Pm :平均圧延圧力 (ロールバイト入出側での変形抵抗
の平均値とする) h1,h2 :入出側板厚 ρSCS :材料の熱容量 ηf :摩擦熱の圧延材への分配割合 (ηf =0.5 と仮
定) μ :摩擦係数 R :ロール半径 VR :ロール周速 fS :先導率 t :スタンド間材料冷却時間 hw :クーラントの熱伝達率 この式より、ロール周速を走間変更時の速度として、#
1スタンドより順次計算できる。
【0037】ここに、各スタンド間の単位荷重の計算式
を下記に示す。すなわち、Bland & Fordの荷重式とHitc
hcock のロール偏平式を数値計算し、各スタンドの荷重
を算出し、板幅で割ったものが単位荷重である。
【0038】
【数10】
【0039】 P :圧延荷重 (トン) km :平均変形抵抗 (kg/mm2) kb :入側変形抵抗 (kg/mm2) kf :出側変形抵抗 (kg/mm2) ρb :後方張力応力 (kg/mm2) ρf :前方張力応力 (kg/mm2) R' :偏平ロール半径 (mm) h1 :入側板厚 (mm) h2 :出側板厚 (mm) r :圧下率 (=1−h1/h2)(−) B :板幅 (mm) f3 :圧下力関数 (−) μ :摩擦係数 (−)
【0040】
【数11】
【0041】
【数12】
【0042】 R' :偏平ロール半径 (mm) R :ロール半径 (mm) P :圧延荷重 (TON) B :板幅 (mm) h1 :入側板厚 (mm) h2 :出側板厚 (mm) ここに、まず式(12)のPの値を例えば1000トンと仮定し
てR' を求め、次に式(11)の計算式に代入し、式(11)の
Pの値と式(12)のPの値とが一致するまで演算を繰り返
し、一致したときの値が求める圧延荷重Pとなる。
【0043】また、圧延油の特性や濃度によって変化の
あるクーラントの熱伝達係数 (これがロールバイト内の
温度計算の精度を左右する) を求め、上述の式内の係数
値を学習することによって、常に精度よい、温度計算が
でき、ヒートストリーク防止のためのドラフトスケジュ
ールの最適化が図れる。
【0044】このときの板温度の計測は、タングステン
カーバイドの熱電対を用いた接触式温度計を用い、圧延
中の鋼板に非連続的に接触させて、板温度を計測しても
よい。そして実測した板温度が上述の式(1) 、つまり式
(9) から求めた温度に合うようにクーラントの熱伝達
率、つまり係数を補正するのである。
【0045】本発明の最も優れた点は、走間変更速度の
ような比較的低速なところから、高速部までの全域にお
いて、各スタンドの圧下率を変更し、各速度でヒートス
トリーク防止のためのドラフトが得られることと、操業
変化に伴うクーラントの熱伝達係数を板温度を測定する
ことによって、常に逆算し、次計算のために学習できる
ことである。
【0046】なお、「走間変更速度」とは、一般に走間
変更時には、厚み変更に伴うオフゲージ長さが過長にな
るのを防ぐために、定常部に較べて圧延速度を低下させ
るが、このときの圧延速度が「走間変更速度」である。
【0047】したがって、従来の対策のように板温度を
測定し、しきい値を越えてから対策をとる従来方法に比
べ即応性もあり、ヒートストリーク対策としては非常に
有効である。なお、本発明により最高走間圧延速度を決
定した後は、徐々に定常状態の圧延速度に上昇させる。
【0048】
【実施例】本例では、図1に示す本発明に係るドラフト
スケジュールの決定方法のフローチャートにしたがって
走間変更を行った。
【0049】まず、プロセスコンピュータに記憶させた
テーブルにより電流配分あるいは圧下率配分に基づい
て、各スタンドにおけるドラフトスケジュールの仮決定
を行う。次にそのときの走間速度における各スタンドで
のロールバイト直下での板温度の計算を行い、それがヒ
ートストリーク発生範囲内の単位幅荷重 (2.0 T/mm、但
し、材質により異なる) 、ロールバイト直下板温度(180
℃以下)(但し、単位幅荷重、ロールバイト直下板温度は
圧延機によって異なる)であるか否かを判断する。も
し、この単位幅荷重あるいはロールバイト直下板温度
が、ヒートストリーク発生条件をクリアーしなければ、
最終スタンドを除く各スタンドでの圧下率範囲内でドラ
フトスケジュールを変更する。各スタンドの圧下率範囲
は10〜50%であった。
【0050】この条件が満足されれば、次に圧延速度を
上げてミルモータパワーを計算し、かつ、ヒートストリ
ーク発生限界の単位幅荷重、ロールバイト直下板温度の
上限値を越えていないかをチェックする。もし、該当ス
タンドがあれば、上下限の圧下率範囲内でドラフトスケ
ジュールを変更する。したがって、圧延速度に応じて各
スタンドの圧下率目標値を変更することによって、ミル
モータ上限 (ミル限界) までヒートストリークの心配を
することなく圧延条件を変更することができ、これを繰
り返すことにより圧延速度を上げることができる。
【0051】ところで、圧延速度が高くなるにつれ、摩
擦係数、平均圧延圧力が低下するために、摩擦熱による
発熱が軽減される。しかし、一方、冷却時間が短くなる
ために温度が下がり難くなる。つまり、圧延速度によっ
ては、ロールバイト直下の板温度がかなり異なる。そし
てある程度圧延速度が上がると、摩擦係数は一定となる
ため、冷却能力だけが劣化し、板温度が上昇し、ヒート
ストリーク域の温度となる。その温度に達するまでの速
度が最高圧延速度である。
【0052】また、各スタンド出側に設置した板温度計
による実測値より、クーラントの熱伝達率を逆算するた
め、圧延油の変化によっても常に精度よくヒートストリ
ーク限界を予測できる。図2に、走間変更速度が200mpm
の場合と、高速圧延の場合の各スタンドの圧下率目標値
の例を示す。
【0053】走間変更時のように低速圧延時は前段スタ
ンドの荷重増加に伴うヒートストリークの発生を抑える
ために、前段スタンドの圧下率を下げており、一方、高
速圧延時においては圧延速度増加に伴う発熱量増加によ
るヒートストリーク抑制のために、後段スタンドの負荷
を軽減するような圧下率設定を行っている。なお、温度
上昇を加味しないドラフトスケジュール方法の場合に
は、図中、破線で示すように後段の#4スタンドで圧下
率を上げてしまう場合もあり、最適な圧延方法とは言え
ない。
【0054】ここで、#1スタンドから#5スタンドの
タンデム圧延機について、材料の熱容量ρsCs =7800×
0.11(kcal/m3℃) 、クーラント熱容量hw =700(kcal/m
3 ℃) 、そして#5スタンドの走間変更速度:200mpmと
して、式(1) からロールバイト直下の板温度を計算する
と#1スタンドから#4スタンドの鋼板の温度変化は図
3のようになる。なお、板温度はロールかみ込み直後か
らロールバイド直下まで加工熱で急激に上昇するが、そ
の直後、スタンド間では板上への冷却クーラントの噴射
により冷却され、降温する。
【0055】なお、図中、 ○は、板厚3.2 mmから0.935 mmへと圧下率70.8%の各ス
タンドでの板温度 ●は、板厚3.6 mmから0.935 mmへと圧下率74.0%の各ス
タンドでの板温度 △は、板厚4.0 mmから0.935 mmへと圧下率76.6%の各ス
タンドでの板温度 を示す。
【0056】図3の例ではΔ印の場合は、ヒートストリ
ーク発生温度が130 ℃ (圧延機によって異なる) なの
で、#3、#4スタンドがかかっている。しかし、#
1、#2スタンドでは、まだ余裕がある。したがって、
各スタンドのドラフトスケジュールの圧下率を下記のよ
うに変更することにより、下記表1のように#1〜4ス
タンドにおいて、走間変更時のヒートストリークが抑制
される。
【0057】 #1スタンド △5% #2スタンド △3% #3スタンド ▲4% #4スタンド ▲4% 表1はこのときのドラフトスケジュール変更前後のロー
ルバイト直下の板温度の変化 (℃) を示す。
【0058】
【表1】
【0059】次に、同様にしてSUS304鋼板 (幅1030mm)
を板厚3.2 →1.2mm に圧下する場合のドラフトスケジュ
ールの変更例を示す。圧延速度300mpmでの本例は、
計算例である。
【0060】まず、プロセスコンピュータ内のテーブル
(圧下率配分) を使ってドラフトスケジュールを仮決定
する。変更前のドラフトスケジュールは下記表2に示す
通りであった。なお、本例でもヒートストリーク発生限
界温度は130 ℃であった。
【0061】
【表2】
【0062】しかしながら、これでは#4スタンドが13
0 ℃を越えているのでドラフトスケジュールを変更す
る。このときの計算値は表3に示す通りであった。
【0063】
【表3】
【0064】このとき#2スタンドは130 ℃を越えてい
るためヒートストリークが発生することが予測されるた
め再計算して表4のドラフトスケジュールを決定した。
【0065】
【表4】
【0066】変更後ドラフトスケジュールでは、ロール
バイト内の最高板温が130 ℃以下に抑えられている。
【0067】
【発明の効果】本発明は冷間圧延におけるドラフトスケ
ジュールの決定に当たって、走間変更時の低速域と高速
域においてもヒートストリークの発生をチェックするこ
とで、常に安定して圧延できることになり、ヒートスト
リークの発生率が従来の1/3 にできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラフトスケジュールの決定方法のフローチャ
ートである。
【図2】走間変更速度と高速圧延時の各スタンドの圧下
率目標値の例を示すグラフである。
【図3】各圧延スタンドにおける鋼板表面温度の変化を
示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標とする製品板厚サイズの異なる被圧
    延材を連続して一連の圧延機に通す連続冷間圧延方法に
    おいて、連続圧延中に、圧延機を停止させることなく板
    厚サイズを変更する際に、前記被圧延材の板厚サイズ変
    更点が任意の第i番目のスタンドを通過した時点で第i
    番目のスタンドのドラフトスケジュールを変更する方法
    であって、走間速度および圧下率を変数として含む計算
    式により計算で求めた第i番目のスタンドのロールバイ
    ト直下の被圧延材の板温度(T1)と、変更後の圧延条件か
    ら求めたヒートストリーク発生温度(Ts)とを比較し、温
    度差ΔT(=Ts−T1) が可及的小となるようになるまで圧
    下率とともに走間速度を変えて計算を繰り返し、第i番
    目のスタンドの圧下率および走間速度をヒートストリー
    ク発生限界値直下に設定することを特徴とするヒートス
    トリーク発生を防止した冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 目標とする製品板厚サイズの異なる被圧
    延材を連続して一連の圧延機に通す連続冷間圧延方法に
    おいて、連続圧延中に、圧延機を停止させることなく板
    厚サイズを変更する際に、前記被圧延材の板厚サイズ変
    更点が任意の第i番目のスタンドを通過した時点で第i
    番目のスタンドのドラフトスケジュールを変更する方法
    であって、予め各スタンドについて仮に変更時のドラフ
    トスケジュールを決定し、走間速度および圧下率を変数
    として含む計算式により計算で求めた各スタンドのロー
    ルバイト直下の被圧延材の板温度(T1)と、変更後の圧延
    条件から求めたヒートストリーク発生温度(Ts)とを比較
    し、温度差ΔT(=Ts−T1) を求め、順次、圧下率ととも
    に走間速度を変えて計算を繰り返し、第i番目のスタン
    ドについて上記温度差ΔT(=Ts−T1) ≦0となったとき
    に、第i番目のスタンドを含め他の圧延スタンドの圧下
    率を変更することで上記温度差ΔT(=Ts−T1) >0とな
    るまで計算を繰り返し、このようにして得られた最高走
    間速度でのドラフトスケジュールでもって冷間圧延の走
    間変更を行うことを特徴とするヒートストリーク発生を
    防止した冷間圧延方法。
  3. 【請求項3】 圧延機スタンド間に温度センサを設け被
    圧延材の板温度を定期的に検出し、予め求めた計算によ
    る温度と比較してクーラントの新しい熱伝達率を求め、
    次いでこの新しい熱伝達率定数で計算式を更新し、この
    更新した計算式により前記被圧延材の板温度(T1)を求め
    ることを特徴とする請求項1または2記載の冷間圧延方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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