JPH05138224A - ヒートストリーク発生防止方法 - Google Patents

ヒートストリーク発生防止方法

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JPH05138224A
JPH05138224A JP3333962A JP33396291A JPH05138224A JP H05138224 A JPH05138224 A JP H05138224A JP 3333962 A JP3333962 A JP 3333962A JP 33396291 A JP33396291 A JP 33396291A JP H05138224 A JPH05138224 A JP H05138224A
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Japan
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rolling
temperature
rolled
temp
roll
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Withdrawn
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JP3333962A
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English (en)
Inventor
Kenji Hara
健治 原
Atsushi Aizawa
敦 相沢
Kazunari Nakamoto
一成 中本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B38/00Methods or devices for measuring, detecting or monitoring specially adapted for metal-rolling mills, e.g. position detection, inspection of the product
    • B21B38/006Methods or devices for measuring, detecting or monitoring specially adapted for metal-rolling mills, e.g. position detection, inspection of the product for measuring temperature
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/46Roll speed or drive motor control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度センサーロールを使用して接触式で被圧
延材の板温を測定し、得られた温度情報に基づき圧延条
件を設定し、表面性状に優れた圧延材を高生産性で製造
する。 【構成】 異なる表面深さで腹痛の熱電対が埋め込まれ
た温度検出ブロックが装着された温度センサーロール1
0を使用して被圧延材60の板温を測定し、測定値から
圧延ロールバイト直下にある被圧延材60の板温Tv
演算する。この板温Tv とヒートストリーク発生温度T
s との温度差ΔTが小さくなるように、圧延ロールバイ
ト直下にある被圧延材60の数値計算によって求めた計
算板温Tvcに基づいて圧延速度の増減量を算出する。算
出された増減量は、指令装置54から圧延速度設定装置
55に入力され、圧延機70のワークロール72の回転
速度を制御する。 【効果】 温度センサーロール10で求められた板温T
v は、外乱要因の影響を受けることなく、安定したレベ
ルにある。そのため、ヒートストリーク発生限界直下の
圧延条件を設定することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯等の金属帯を冷間
圧延する際、温度センサーロールを使用してヒートスト
リークの発生を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯等の金属帯を冷間圧延するとき、ワ
ークロールと被圧延材との間に焼付きが発生し、ヒート
ストリークと呼ばれる表面損傷が被圧延材に発生するこ
とがある。また、この焼付きによってワークロールの表
面も損傷され、その疵が後続する被圧延材の表面に転写
されることにもなる。
【0003】ヒートストリークの発生は、主として油膜
の破断によって生じる焼付きに起因する。たとえば、強
圧下率或いは高速で冷間圧延を行うとき、圧延油の潤滑
性が不足していたり、クーラントの冷却効果が小さかっ
たりすると、摩擦熱,塑性変形等に基づく発熱,潤滑切
れに起因した発熱等によって圧延ロールバイト直下の被
圧延材の板温が上昇する。その結果、圧延ロールバイト
内の油膜圧力や油膜温度の上昇を招き、油膜破断が生
じ、ワークロールと被圧延材との間の金属間接触による
焼付きを発生させることになる。
【0004】ヒートストリークは、製品の表面品質の悪
化,歩留りの低下等を始めとして、多くの悪影響の原因
となる。そこで、ヒートストリークの発生を抑制するた
め、圧延中のロールバイト直下にある被圧延材の板温を
設定値以下に管理することが必要とされる。
【0005】しかしながら、ヒートストリークを未然に
防止するための適切な板温センサーは、これまでのとこ
ろ提案されていない。そこで、経験的な予測から安全領
域内で圧下率,圧延速度等の圧延条件を設定し、圧延を
行っているのが現状である。そのため、圧延設備の能力
をフルに活用した操業ができず、生産能率を低下させる
一因となっていた。
【0006】また、一部では、圧延機出側に配置した赤
外線放射温度計によって、被圧延材の板温を直接測定し
て管理する方法が試みられている(特開昭62−199
209号公報参照)。この方法においては、赤外線を測
定波長域とする放射温度計を筒状容器に収容し、筒状容
器の開口側に遮光板及び気体供給ノズルを設けている。
気体供給ノズルから噴出された圧縮空気により圧延油の
蒸気油膜を吹き飛ばした状態で、被圧延材の板温を被接
触で測定する。そして、測定値に基づき圧延条件を制御
して、板温が設定値を超えないように管理している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】赤外線放射温度計によ
る測定が行われる雰囲気は、圧延油の蒸気等で汚れた状
態にあるのが通常である。また、被圧延材の表面が圧延
油膜で覆われており、板表面の放射率が圧延状況に応じ
て変動する。しかも、板表面の放射率は、被圧延材の鋼
種や酸洗度によっても変動し、測定精度に対する外乱要
因となっている。そのため、一定条件下で放射率を設定
することができず、また実際の板温に対応した放射率変
動パターンを求めることも困難である。その結果、赤外
線放射温度計を使用した板温測定では、高精度の測定値
を望めず、ヒートストリークの発生予測も信頼性に欠け
るものであった。
【0008】そこで本発明者等は、被圧延材の板温を接
触式で直接測定することができる温度センサーロールを
開発し、その一部を特願平2−78217号で紹介し
た。この温度センサーロールは、異なる表面深さで複数
の熱電対を組み込んでいる。それぞれの熱電対で検出さ
れた温度情報から温度センサーロール内部の熱勾配が判
り、温度センサーロール表面すなわち被圧延材の板温が
測定される。そして、測定値に基づいて、圧延ロールバ
イト直下にある被圧延材の板温が演算される。
【0009】新しく提案した温度センサーロールによる
とき、外乱等の影響を受けずに安定したレベルで、圧延
ロールバイト直下にある被圧延材の板温を求めることが
可能となる。したがって、求められた板温に基づいてヒ
ートストリークの発生を予測することも、信頼性が高い
ものとなる。
【0010】本発明は、先願で紹介した温度センサーロ
ールの特性を更に活用し、温度センサーロールで求めら
れた高精度の温度情報をフィードバックし、ヒートスト
リーク発生温度を管理温度として圧延速度,圧下率等の
圧延条件を制御することにより、圧延設備の能力をフル
に発揮させながら、ヒートストリークの発生を未然に防
止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のヒートストリー
ク発生防止方法は、その目的を達成するため、互いに接
近した複数の熱電対をそれぞれ異なる表面深さで埋め込
んだ温度検出ブロックを温度センサーロールに装着さ
せ、被圧延材に接触するように前記温度センサーロール
を配置し、前記熱電対によって測定された温度情報から
演算した圧延ロールバイト直下の前記被圧延材の板温T
v を測定時に圧延条件から予め求められたヒートストリ
ーク発生温度Ts と比較し、温度差ΔT(=Ts −Tv)
が小さくなるように、圧延速度,圧下率等の圧延条件を
ヒートストリーク発生限界直下に設定することを特徴と
する。
【0012】
【作 用】本発明者等は、被圧延材の板温を精度良く測
定し、圧延速度の制御によってヒートストリークの発生
を未然に防止する方法について調査・検討した。板温測
定には、先願で提案した温度センサーロールを使用し
た。この温度センサーロールは、胴長方向及び円周方向
に関して可能な限り接近させ且つ異なる表面深さで複数
の熱電対を埋め込んだ温度検出ブロックを装着してい
る。それぞれの熱電対で検出された温度情報から、圧延
ロールバイト直下にある被圧延材の板温Tv が演算され
る。
【0013】得られた圧延ロールバイト直下にある被圧
延材の板温Tv を、ヒートストリーク発生温度Ts と比
較する。そして、圧延速度の制御によって温度差ΔT
(=Ts −Tv)が小さくなるように、圧下率,圧延速度
等の圧延条件を制御する。ここで、圧延条件から圧延ロ
ールバイト直下の被圧延材の計算板温Tvcを予め数値計
算しておき、温度差ΔTが開いたとき、計算板温Tvc
上昇させるように圧下率及び/又は圧延速度を大きくす
る。逆に、温度差ΔTが極めて小さくなったとき圧下率
及び/又は圧延速度を小さくする。これにより、ヒート
ストリークの発生が未然に防止され、且つ能力をフルに
活かした圧延設備の稼動が可能となる。
【0014】異なる表面深さで埋め込まれた複数の熱電
対によって得られる温度情報は、温度センサーロール表
面の熱伝導,被圧延材から温度センサーロールへの熱伝
達及び温度センサーロール内部における熱伝導の影響を
取り込んだものである。そこで、複数の熱電対で測定さ
れた温度情報を基にして、温度勾配及びその時間的変化
から逆に板温を測定することができる。このようにして
求められた板温は、赤外線放射温度計による測定とは異
なり、外乱要因の影響を受け難く、高い信頼性をもった
値となる。
【0015】そして、温度センサーロールにより求めら
れたロールバイト直下にある被圧延材の板温Tv とヒー
トストリーク発生温度Ts との温度差ΔTが小さく、且
つ被圧延材の板温Tv がヒートストリーク発生温度Ts
以下になるように、圧延ロールバイト直下の被圧延材の
板温Tv を圧延条件の変動によって制御する。このと
き、温度センサーロールにより求められたロールバイト
直下の被圧延材の板温Tv とヒートストリーク発生温度
s との温度差ΔTを、数値計算により算出したロール
バイト直下の被圧延材の計算板温Tvcから引いた板温変
化量に相当する圧延速度を算出する。
【0016】ヒートストリークは、圧下率,圧延速度等
と高い相関関係を持っているヒートストリーク発生温度
s を超えるときに発生する。このヒートストリーク発
生温度Ts は、圧下率,圧延速度等の関数として実験的
に求めることができる。また、圧下率,圧延速度等の圧
延条件によって昇温する被圧延材の温度も、予め圧延条
件の関数として算出することができる。算出された計算
板温Tvcを基にして、逆に圧延ロールバイト直下にある
被圧延材の板温を変動させる圧延条件を設定することが
できる。
【0017】そこで、温度センサーロールによって求め
られたロールバイト直下における被圧延材の板温Tv
ヒートストリーク発生温度Tsとを比較し、両者の温度
差ΔTが小さくなるように、圧延条件から数値計算によ
って算出したロールバイト直下の被圧延材の計算板温T
vcに基づいて圧下率,圧延速度等の圧延条件の変動量を
設定するとき、ヒートストリークの発生が未然に防止さ
れると共に、高能率で圧延設備を稼動させることが可能
となる。
【0018】以下、図面を参照しながら、本発明を具体
的に説明する。なお、以下の説明においては、板温Tv
を変動させる条件として圧延速度を採用している。しか
し、これに拘束されることなく、圧下率或いは圧延速度
と圧下率の両者によって板温Tv を変動させる方式を採
用することも可能である。
【0019】本発明は、図1に概略を示した設備構成を
使用して実施される。圧延後の板温Tr からロールバイ
ト直下における被圧延材の板温Tv を演算する板温演算
システムは、温度センサーロール10,送信機20,受
信機30,A/D変換器40及び演算器50を備えてい
る。温度センサーロール10内部の温度情報は、送信機
20でFM変換されて伝送され、受信機30で受信され
る。受信された温度情報は、A/D変換器40でデジタ
ル情報に変換され、演算装置50に取り込まれる。な
お、温度センサーロール10で得られた温度情報は、電
波を使用するワイヤレス方式に代え、スリップリング方
式等によって受信機30に伝送することもできる。
【0020】温度センサーロール10は、図2に示すよ
うに、複数の熱電対11a,11bを埋め込んだ温度検
出ブロック12を装着している。一方の熱電対11aの
検出端子は、他方の熱電対11bの検出端子に比較し
て、温度センサーロール10の周面から浅い位置に配置
されている。また、熱電対11a及び11bは、温度セ
ンサーロール10の胴長方向及び円周方向に関して可能
な限り互いに接近した位置に設けられている。なお、一
つの温度検出ブロック12に、3対以上の熱電対を埋め
込んでも良い。
【0021】熱電対11a,11bを備えた温度検出ブ
ロック12は、温度センサーロールの胴長方向に沿って
複数個配置することも可能である。複数個の温度検出ブ
ロックを胴長方向に配置する時、圧延ロールバイト直下
にある被圧延材60の板温について板幅方向に関する温
度分布を演算することができる。また温度検出ブロック
12を円周方向に沿って複数個配置することもできる。
円周方向に複数個配置することにより、温度センサーロ
ール10が1回転する毎に、多数の測定点で被圧延材6
0の板温を測定することが可能となり、演算結果の精度
が向上する。
【0022】熱電対11a,11bで検出された温度セ
ンサーロール10内部の温度情報は、補償導線13を介
して送信機20に入力される。送信機20は、温度セン
サーロール10のロールチョック近傍に設けられてい
る。
【0023】演算装置50の演算装置51では、図3に
示すように、A/D変換器40から入力された温度情報
に基づいて、圧延機70の圧延ロールバイト直下にある
被圧延材60の板温Tv を演算する。演算装置50に
は、測定時の圧下率,圧延速度等から予想されるヒート
ストリーク発生温度Ts が予め入力されている。圧延ロ
ールバイト直下にある被圧延材60の板温Tv は、演算
装置50のヒートストリーク発生判定装置52でヒート
ストリーク発生温度Ts と比較される。比較演算結果で
ある板温Tv とヒートストリーク発生温度Ts との温度
差ΔTは、指令装置54に出力される。
【0024】また、演算装置53では、圧延条件を採り
込んだ後述する式(6)〜(11)に基づいて温度測定
時点における計算板温Tvcが算出されている。この計算
板温Tvcも、指令装置54に出力される。
【0025】圧延ロールバイト直下にある被圧延材60
の板温Tv がヒートストリーク発生温度Ts よりも高い
と判定されたとき、ヒートストリークの発生が予測され
たものとして、その時点における圧延速度の増減量を指
令装置54で演算する。このとき、圧延速度の増減量
は、圧延ロールバイト直下にある被圧延材60の板温T
v とヒートストリーク発生温度Ts との差ΔTを、測定
時の圧下率,圧延速度等の圧延条件から数値計算によっ
て求めた圧延ロールバイト直下にある被圧延材60の計
算板温Tvcから引いた値になるように設定する。
【0026】算出された圧延速度の増減量は、指令装置
54から圧延速度設定装置55を介して圧延機70に送
られ、バックアップロール71及びワークロール72の
回転数を制御する。
【0027】次いで、温度センサーロール10内部の温
度情報に基づき、圧延ロールバイト直下にある被圧延材
60の板温Tv を演算する手順を説明する。
【0028】温度センサーロール10の周面からの深さ
がX1 ,X2 (X1 <X2 )である2点と、2点を結ぶ
直線上にある温度検出ブロック12表面上の点に関する
熱伝導を考える。温度センサーロール10の表面温度T
f 及び温度センサーロール10表面の熱流束qは、それ
ぞれ次式(1)及び(2)で表される。
【0029】 Tf =AT1 +BT2 +CT'1+DT'2 ・・・・(1) q=ET1 +FT2 +GT'1+HT'2 ・・・・(2) ただし、T'1及びT'2は、それぞれT1 及びT2 の時間
tに関する1階の導関数dT1 /dt及びdT2 /dt
である。また、A〜Hは、表面深さX1 ,X2及び温度
検出ブロック12の材質によって定まる定数である。
【0030】温度検出ブロック12が被圧延材60に接
触しているとき、被圧延材60の板温Tr は、被圧延材
60と温度センサーロール10との間の熱伝達率をa1
とすると、次式(3)で表される。 Tr =Tf +q/a1 ・・・・(3)
【0031】また、圧延ロールバイト直下にある被圧延
材60の板温Tvは、クーラント又は外気の温度をT
c ,被圧延材60の板厚をh,被圧延材60の密度をρ
p ,被圧延材60の比熱をCp ,被圧延材60が圧延ロ
ールバイト直下から温度センサーロール10に達するま
での時間をt,被圧延材60とクーラント又は外気との
熱伝達率をa2 とするとき、次式(4)及び(5)で表
される。 Tv =(Tr −Tc )・exp(K)+Tc ・・・・(4) K=−2a2 t/ρpp h ・・・・(5)
【0032】したがって、式(1)〜(5)に基づい
て、温度センサーロール10内部の2点における温度T
1 及びT2 から、圧延機70の圧延ロールバイト直下に
ある被圧延材60の板温Tv を演算することができる。
また、3対以上の熱電対が埋め込まれた温度検出ブロッ
ク12を使用する場合には、温度検出ブロック12内部
の測定点が3点以上となるので、任意の2点の温度につ
いて前述した手順で圧延機70の圧延ロールバイト直下
にある被圧延材60の板温Tv を演算し、この演算を複
数回行う。これら演算値の平均値を採ることにより、演
算精度を高めることができる。
【0033】このようにして、圧延機70の圧延ロール
バイト直下にある被圧延材60の板温Tv を常時演算に
よって求める。そして、演算結果である板温Tv を、測
定時の圧下率,圧延速度等から予想されるヒートストリ
ーク発生温度Ts と比較し、ヒートストリークの発生予
測を判定する。
【0034】また、圧延ロールバイト直下にある被圧延
材60の板温上昇をワークロール72と被圧延材60と
の間の摩擦熱による温度上昇Tf 及び被圧延材60が加
工を受けて発熱する温度上昇Td によるものと考え、圧
延条件を採り込んだ式(6)〜(11)に基づいてそれ
ぞれの温度上昇Tf 及びTd を演算装置53で演算す
る。そして、圧延ロールバイト直下にある被圧延材60
の計算板温Tvcを算出する。
【0035】
【数1】
【0036】ただし、上式(6)〜(11)における各
記号は、次の通りである。 h0:被圧延材60の入側板厚 h1:被圧延材6
0の出側板厚 σm:被圧延材60に加えた平均張力 Km:被圧延材6
0の平均変形抵抗 λr:ワークロール72の熱伝導率 λp:被圧延材6
0の熱伝導率 ap:被圧延材60の温度伝導率 ar:ワークロー
ル72の温度伝導率 b:被圧延材60の板幅 Vr:ワークロー
ル72の周速 Tin:圧延前の被圧延材60の板温 P:圧延荷重 r:圧下率 μ:摩擦
係数 L':ワークロール72扁平後の接触弧長 R':ワークロール72扁平後の曲率半径
【0037】そして、式(12)及び(13)に示すよ
うに、圧延中のロールバイト直下にある被圧延材60の
計算板温Tvcから圧延中のロールバイト直下にある被圧
延材60の板温Tv とヒートストリーク発生温度Ts
の温度差ΔTを引いた圧延中のロールバイト直下にある
被圧延材の計算板温Tvc’になるように、式(6)〜
(11)に基づいて圧延速度増減量を演算する。ただ
し、式(12)のTA は、目標温度を示す。 ΔT=Tv −TA ・・・・(12) Tvc’=Tvc−ΔT ・・・・(13)
【0038】次いで、指令装置54で圧延速度増減量を
決定し、圧延速度設定装置55によって圧延速度を設定
する。このように、温度センサーロール10により求め
られた圧延ロールバイト直下にある被圧延材60の板温
v ,圧延条件によって予め算出されている圧延ロール
バイト直下にある被圧延材60の計算板温Tvc及び実験
的に求められているヒートストリーク発生温度Ts に基
づいて、圧延条件を制御する。そして、変動後の圧延条
件によって定まる計算板温Tvc’を、新たな制御ファク
ターとして使用する。
【0039】すなわち、本発明においては、圧延機70
の圧延ロールバイト直下にある被圧延材60の板温Tv
を温度センサーロール10で常時測定し、測定時の圧下
率,圧延速度等の圧延条件から予測されるヒートストリ
ーク発生温度Ts と比較する。そして、圧延ロールバイ
ト直下にある被圧延材60の板温Tv がヒートストリー
ク発生温度Ts より高いと判定されたとき、直ちに圧延
速度を適正値に減速する。その結果、圧延機70の能力
をフルに発揮させた操業が可能となり、生産能率が向上
する。
【0040】また、図2に示した温度センサーロール1
0は、圧延時の板温を演算するものに限らず、その他の
分野にも使用することが可能である。たとえば、熱処理
炉内の搬送ラインに沿って温度センサーロール10を配
置するとき、炉内を通過する材料の温度及び温度変化を
正確に測定することができる。そして、得られた温度情
報に基づき、熱処理炉内における材料の温度制御を高精
度で行うことが可能となる。
【0041】
【実施例】図3に示した4段圧延機70に本発明を適用
した実施例を説明する。温度センサーロール10とし
て、周面からそれぞれ0.3mm及び0.8mmの深さ
で熱電対11a及び11bを埋め込んだ温度検出ブロッ
ク12を装着したものを使用した。温度センサーロール
10を圧延機70の下流側に配置し、被圧延材60とし
てオーステナイト系ステンレス鋼を圧下率20%,30
%及び圧延速度500m/分,600m/分で圧延し
た。この条件下におけるヒートストリーク発生温度Ts
は、約150℃から170℃であることが実験的に予め
得られている。
【0042】圧延ロールバイト直下にある被圧延材60
の板温Tv の変化を、温度センサーロール10からの温
度情報に基づき演算した。その結果を、図4に示す。ま
た、表1には、ヒートストリークが発生しない条件で圧
延した実績圧延速度を示す。なお、図4及び表1共に、
赤外線放射温度計を使用して測定した板温Tv 及び実績
圧延速度を従来法として併せ示している。
【0043】
【表1】
【0044】図4から明らかなように、赤外線放射温度
計を使用した方法で求められた板温Tv は、約±30℃
のバラツキをもって不安定に変動していた。これは、赤
外線放射温度計による測定値が圧延雰囲気及び圧延後の
板表面変化等に起因した外乱要因の影響を受けたものと
考えられる。このように不安定に変動する板温Tv から
ヒートストリークの発生を予測することは困難である。
そこで、板温変動の下限をヒートストリーク発生温度T
s 以下に維持するため、表1に示す低いレベルに圧延速
度を管理し設定することを余儀なくされた。このよう
に、ヒートストリークの発生予測に信頼性が欠けるた
め、圧延能率が著しく低下した。
【0045】これに対し、本発明法によって求められた
圧延ロールバイト直下にある被圧延材60の板温Tv
は、約165℃のレベルで安定していた。そこで、板温
v を実験的に求められているヒートストリーク発生温
度Ts (=170℃)と比較し、圧延速度をヒートスト
リーク発生限界直下に制御した。これにより、圧延ロー
ルバイト直下にある被圧延材60の板温Tv がヒートス
トリーク発生温度Ts 以下で、且つ可能な限りヒートス
トリーク発生温度Ts に近い温度となるような圧延条件
下で、被圧延材60を圧延することができた。
【0046】圧延された被圧延材60は、ヒートストリ
ークの発生が表面に検出されず、優れた表面性状を呈す
るものであった。しかも、圧延速度は、表1に示したよ
うに圧下率20%のとき33%,圧下率30%のとき1
7.5%も高くすることができた。すなわち、既存圧延
設備の能力を下げることなく、高品質のステンレス鋼帯
を製造することができた。
【0047】また、圧下率及び圧延速度を種々変化させ
て、ヒートストリークの発生傾向を調査したところ、図
5に示す関係があることが判った。そして、本発明法に
よるとき、図4に示すように圧延ロールバイト直下にあ
る被圧延材60の板温Tv が安定したレベルで正確に求
められるため、ヒートストリーク発生限界ぎりぎりの圧
延条件下での操業が可能となった。すなわち、生産性を
上げるために高圧下率及び/又は高圧延速度での圧延が
行われ、しかも表面性状に優れた冷延鋼板が得られた。
【0048】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、異なる表面深さで複数の熱電対を埋め込んだ温度検
出ブロックが装着された温度センサーロールを使用し、
この温度センサーロールに接触する被圧延材の板温を測
定し、測定値から圧延ロールバイト直下にある被圧延材
の板温を演算することによって、被圧延材の板温を正確
に把握している。このようにして得られた板温は、赤外
線放射温度計を使用して得られた板温のように外乱要因
等によって影響を受けることがなく、安定したレベルの
値となる。そこで、この板温とヒートストリーク発生温
度とを比較することにより、ヒートストリーク発生予測
を精度良く行われ、歩留りの良い操業が行われる。ま
た、ヒートストリーク発生限界に近い圧延条件下での操
業が可能となるため、圧延設備の能力をフルに活かし、
生産性を高めた圧延が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が実施される板温演算システム
【図2】 使用される温度センサーロールの構造を示
す。
【図3】 板温の演算及び圧延速度の設定を行う制御ブ
ロック
【図4】 本発明実施例において測定した圧延ロールバ
イト直下にある被圧延材の板温変化を、赤外線放射温度
計で測定した板温の変化と比較して示したグラフ
【図5】 圧延速度及び圧下率がヒートストリークの発
生に与える影響を示したグラフ
【符号の説明】
10 温度センサーロール 11a,11b 熱電対 12 温度検出ブロック 20 送信機
30 受信機 40 A/D変換器 50 演算器
60 被圧延材 70 圧延機 72 ワークロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに接近した複数の熱電対をそれぞれ
    異なる表面深さで埋め込んだ温度検出ブロックを温度セ
    ンサーロールに装着させ、被圧延材に接触するように前
    記温度センサーロールを配置し、前記熱電対によって測
    定された温度情報から演算した圧延ロールバイト直下の
    前記被圧延材の板温Tv を測定時に圧延条件から予め求
    められたヒートストリーク発生温度Ts と比較し、温度
    差ΔT(=Ts −Tv )が小さくなるように、圧延速
    度,圧下率等の圧延条件をヒートストリーク発生限界直
    下に設定することを特徴とするヒートストリーク発生防
    止方法。
JP3333962A 1991-11-21 1991-11-21 ヒートストリーク発生防止方法 Withdrawn JPH05138224A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009255097A (ja) * 2008-04-11 2009-11-05 Ueno Tekkusu Kk 熱間または温間圧延機
KR101466178B1 (ko) * 2013-10-30 2014-11-27 현대제철 주식회사 소재온도 측정장치
CN104874613A (zh) * 2015-05-27 2015-09-02 武汉科技大学 通过轧机速度补偿实现热连轧机架间秒流量平衡的方法
CN107185970A (zh) * 2017-06-07 2017-09-22 燕山大学 一种接触式可测温板形检测装置
CN113843286A (zh) * 2021-08-31 2021-12-28 欧开来 一种光纤传感智能监测系统

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