JP3776622B2 - 押出急冷時の製品温度制御方法 - Google Patents

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    • B21C31/00Control devices, e.g. for regulating the pressing speed or temperature of metal; Measuring devices, e.g. for temperature of metal, combined with or specially adapted for use in connection with extrusion presses

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金(以下、単にアルミと言う)を、押出直後にオンラインで急冷する際、製品に必要な強度などの機械的性質や表面品質が、安定して、かつ押出製品の押出方向にわたって均一に得られる、押出急冷時の製品温度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
押出によりアルミ製品を製造する場合、製品の強度などの機械的性質を高めるため、押出直後の押出製品を、プラテン内等にて、オンラインで、かつ、強制的に、水や、水と空気との混合物(ミスト)などの冷媒により急冷することが行われている。そして、この押出急冷を行う場合には、押出製品の強度などの機械的性質や表面品質が押出方向にわたって安定して、かつ均一に得られることが重要な課題である。
【0003】
ところで、押出急冷によって、製品に必要な焼入れ強度を確保し、かつ、押出方向にわたって強度等の機械的性質が均一なアルミ押出製品を得るためには、以下の条件を満足する必要がある。
▲1▼押出急冷前(押出直後)の押出製品温度を、必要な焼入れ強度を確保するために、溶体化温度以上に保持すること。
▲2▼押出急冷前(押出直後)の押出製品の全長温度を、押出方向にわたって強度等の機械的性質が均一な押出製品を得るために、一定に保持すること。
▲3▼必要な焼入れ強度を確保するために、製品表面温度を一定とするために、急冷時の冷却速度を一定値以上に、しかも変動を少なくすること。
【0004】
しかし、実際の押出では、押出急冷前の押出製品温度は、押出材料の成分・形状等の条件や押出条件によって異なってくる。また、仮に押出急冷前の押出製品温度が一定だとしても、実際の急冷時の冷却条件も、冷却速度などのばらつきがあり、やはり、押出製品の押出方向にわたる機械的性質や表面品質に影響してくる。
【0005】
したがって、これら押出条件のばらつきを踏まえて、急冷後の押出製品の機械的性質や表面品質を均一化するためには、押出直後にオンラインで製品を急冷するに際し、まず、急冷前と急冷後の押出製品温度を、各々連続的に、しかも正確に測定することが、どうしても必要となる。
そして、次に、この測定結果に基づき、押出速度および/またはビレットの加熱温度を調整することにより、急冷前の押出製品温度を溶体化温度以上に保持する一方、冷却速度を調節して、焼入れ強度を確保し、かつ、急冷後の押出製品温度を、押出方向にわたって一定に保持することが必要になる。
【0006】
従来より、アルミを押出急冷する際、この急冷前と急冷後の押出製品温度を、各々連続的に測定すること自体は公知である。例えば、特開平6−277747号公報のように、押出急冷を行う際に、押出機の出側で急冷装置の入り側と、急冷装置の出側に、押出製品の温度を測定する温度計を各々設け、この温度情報から、予め設定した目標冷却速度パターンに合わせるべく、急冷装置の各冷却ゾーンの冷媒の噴射量や噴射タイミングを調節することが提案されている。
【0007】
しかしながら、実際に、押出急冷時のアルミ製品の温度を測定しようとする場合には、考慮すべき課題(後述する)が多くあり、この課題に対する工夫が必要であるにも関わらず、当該公報には、押出製品の温度を測定する具体的方法や、温度計の種類や構造についての具体的な記載は一切無い。
【0008】
一方、アルミの押出急冷ならずとも、アルミ押出時の製品温度を測定する具体的な手段自体は、従来から種々提案されている。アルミ押出時の製品温度が測定されるのは、アルミ押出時の製品の機械的性質や表面品質と、アルミ製品温度とが密接に関係しているからであり、例えば、押出製品の焼きつきなどの表面欠陥の発生防止などを目的として、押出後の製品温度を非接触式温度計により連続的に測定し、製品温度を表面欠陥が発生しない温度以下に抑え、かつ生産性を向上しようとする方法が種々提案されている。
【0009】
この中で代表的なものは、特開平3−151116号や特開平3−128116号、特開61−119324号、あるいは特開平4−89128号などに開示されており、図8に、これら技術の概略を示す。図8の通り、押出プレス1において、コンテナ20内のビレット3は、ステム21により後方から押され、プラテン22により支持されたダイスを通して、製品2に押出されるが、この際、前記従来技術では、非接触温度計4’をプラテン22の背面乃至後方に設けている。
【0010】
そして、ダイス24の出側での押出製品2の温度を、赤外線放射温度計などの非接触式温度計4’により測定し、この測定製品温度が、例えば、事前に設定した表面欠陥限界温度以下となるよう、押出プレスの押出速度やビレット加熱温度を制御するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、まず、これらの従来技術は、全て通常の押出工程を対象としており、本発明のような押出直後のアルミ製品を、オンラインで強制的に、水などの冷媒により急冷する押出急冷技術を対象としていない。したがって、押出急冷時の製品の温度制御の際に考慮すべき課題(後述する)に対して、何らの考慮も払われておらず、押出急冷には適用できない。
【0012】
例えば、図8のように、ダイス4出側に水冷装置(シャワー)23を設け、押出後に押出製品2を水冷する場合には、製品の温度計測域に水蒸気が立ち込めるため、プラテン22の背面乃至後方での非接触式温度計による押出製品温度の測定は、実質的に不可能である。また、水冷後の押出製品は、比較的低温となっており、特に、アルミのような放射率の低い金属材料を測定する場合、放射温度計では、この低温側で温度測定の誤差が出やすい。
【0013】
更に、このような不正確なデータを基に、ビレット加熱温度や押出速度あるいは冷却速度などを制御すると、前記押出急冷の3つの必要条件をいずれも満足できず、必要な焼入れ強度を確保し、かつ、押出方向にわたって強度等の機械的性質が均一な押出製品は得られない。また、押出製品の表面欠陥を多発させたり、プレスの生産性が極端に落ちたりする問題も起こりうる。
【0014】
したがって、本発明は、これら従来技術の問題を克服し、アルミを押出直後にオンラインで急冷する際、製品に必要な強度などの機械的性質や表面品質が、安定して、かつ押出製品の押出方向にわたって均一に得られる、押出急冷時の製品温度制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このための本発明の手段は、押出直後にアルミニウムまたはアルミニウム合金製品を急冷する際、急冷前と急冷後の押出製品温度を各々測定し、該測定結果に基づき、急冷前の押出製品温度を溶体化温度以上に保持するとともに、急冷後の押出製品温度を押出方向にわたって一定に保持する製品温度制御方法であって、急冷前の押出製品温度を、押出工具に設けた測温用孔を介して、非接触式温度計で測定し、更に急冷後の押出製品温度を押出プレスの下流側に設けた接触式温度計で測定し、前記急冷前の押出製品温度を、少なくとも押出時のビレット加熱温度、ダイス加熱温度、押出速度、押出荷重の実測値より予測し、該予測温度により、前記非接触式温度計による測定値を補正することである。
【0016】
本発明では、この温度測定結果に基づき、急冷前の押出製品温度を溶体化温度以上に保持するために、押出速度および/またはビレットの加熱温度を調整するのが好ましい。
【0017】
また、急冷後の押出製品温度を押出方向にわたって一定に保持するために、急冷の際の冷却速度を調整するのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の押出急冷時の製品温度制御方法を押出プレスに適用した例を図1を用いて説明する。図1は押出プレスと本発明の温度制御方法、特に製品温度測定の方法との関係を示す説明図である。同図の押出プレス1において、コンテナ20内のビレット3は、ステム21により後方から押され、プラテン22やボルスター25等により支持されたダイス24を通して、製品2に押出される。
【0020】
本実施例では、急冷前の押出製品温度は、押出工具のボルスター25上に設けられた非接触式温度計4で測定され、また、急冷後の押出製品温度は、押出プレスの下流側に設けられた接触式温度計10で測定する。
【0021】
非接触式温度計4で測定された、急冷前の押出製品温度は、押出速度制御装置30、ビレット加熱温度制御装置31に情報として送られ、この情報に基づいて押出速度、ビレット加熱温度を調節して、急冷前の押出製品温度を溶体化温度以上に保持する。
【0022】
また、接触式温度計10で測定された、急冷後の押出製品温度は、前記急冷前の押出製品温度とともに、冷却速度制御装置32に情報として送られ、この情報に基づいて、水冷装置9の冷却水量や圧力等を調節して冷却速度を制御し、急冷後の押出製品温度を押出方向にわたって一定に保持する。
【0023】
次に、急冷前の押出製品温度の測定について詳述する。
急冷前=押出直後の押出製品温度の測定域は、図1の通り、ダイス24、ボルスター25、プラテン22等の押出工具と、水冷装置30により囲まれ、外部からは、直接見ることができない領域である。
このため、非接触式温度計を設けようとすると、必然的に、前記工具類に測温用の孔を設けて、この測温孔より、製品温度を測定する必要があるが、この場合に以下の課題が生じる。
【0024】
▲1▼温度計が、ボルスターなどの高温となっている工具の影響により、使用限界以上となる。具体的には、アルミ合金の押出の場合、工具の温度は300℃以上となるのに対し、温度計の使用可能温度範囲は、通常150℃以下である。
▲2▼水冷時に生じる水蒸気が、測温孔に入り込み、製品の見かけ上の放射率が変化し、測定精度に悪影響を及ぼす。
▲3▼ボルスターなどの工具は、頻繁に交換されるため、温度計の取り付けや着脱に工夫が必要である。
【0025】
これらの課題に対し、急冷前の押出製品温度測定の本発明の実施態様は以下の通りである。図1および図2に示す通り、非接触式温度計4は、ボルスター25などの押出工具に設けた測温用孔6の上端に保持具5により設けられている。
前記▲1▼および▲3▼の課題に対し、保持具5は、断熱材8bを介して、ボルスター25に、着脱自在にはめ込まれ、また温度計4も、断熱材8aを介して、保持具5に着脱自在にはめ込まれ、ボルスターなどの高温となっている工具の熱影響を受けないようにしている。なお、非接触式温度計を設ける場所は、必ずしも、本例のボルスター内のみではなく、工具構造に応じて、押出工具内の適宜の場所が選択されうる。
【0026】
また、前記▲2▼の課題に対し、保持具5の途中には、測温用孔6に向けて、エアー配管7が設けられており、このエアー配管7より、測温用孔6に空気が供給され、製品の水冷により発生する水蒸気が測温用孔6の下方から入らないようになっている。このエアーは、測温用孔6内を冷却し、温度計4の押出製品2の温度測定を確実なものにしている。なお、エアー以外に不活性ガス等の気体を用いても構わない。このように構成することにより、プラテン22の背面乃至後方で、非接触式温度計により押出製品温度の測定を行う、前記従来技術のような、製品の温度計測域に水蒸気が立ち込め、押出製品温度の測定が不可能となる事態は防止される。なお、押出製品の冷却用に、不活性ガス等の、水以外の冷媒による急冷の場合には、水の場合の前記水蒸気の問題はないので、測温用孔や治具等を冷却する目的の他は、この配管は不要となる。
【0027】
非接触式温度計の種類は、赤外線放射温度計など、所謂非接触式の温度計であれば、いずれも適用可能である。一般的な押出の場合、押出材の材種、形状などにより押出製品の表面の放射率が変化し、非接触式温度計の放射率を、これらの条件に合わせて、逐一変えることが難しい。したがって、非接触式の温度計での、押出材の各ロッドの正確な温度測定は難しい。しかし、本発明のような押出急冷の場合には、対象とする押出合金の種類や形状、押出速度や温度の範囲が一定範囲内に納まるため、放射率が大きく変化することはなく、放射式による非接触式の温度計でも正確な温度測定が可能である。
【0028】
また、非接触式の温度計でも、押出製品温度の相対的変化量については、ばらつきが少ないことを本発明者等は知見している。更に、非接触式の温度計は、本発明に重要な、押出製品の押出方向(製品長手方向)の連続的な温度測定が可能という利点もある。
【0029】
非接触式温度計による急冷前の押出製品温度の測定例を、図7に示す。
図7は、アルミA6061合金を、通常の押出条件で押出した際に、図1、2に示した非接触式温度計(赤外線放射温度計)で、押出直後の製品温度を測定し、接触式温度計による測定値により検証したチャート図である。押出条件は、DC鋳造法により150mmφビレットを溶製後、470℃×8時間の均質化熱処理を施し、押出温度500℃、押出速度10m/分で、厚さ2mm、幅100mmの平板材の押出とした。同図から、本発明に係わる非接触式温度計の測定結果Aは、目標溶体化温度Cに対し、接触式温度計の測定結果Bとほぼ同じ、±10℃の精度で測定できることが分かる。
【0030】
次に、急冷後の押出製品温度の測定について詳述する。
従来技術の項で述べた通り、非接触式温度計では、急冷後の押出製品温度を精度良く測定することは困難である。また、他の押出条件からの押出製品温度の予測も、急冷後の製品では、冷却過程の因子が入り、また冷却過程で、急激な温度変化があるために難しい。したがって、必然的に、接触式の温度計による測定にならざるを得ないが、この場合、製品に疵をつけないことが必須であって、このためには、製品の押出速度に追随して、温度計自身が移動することが必要である。
【0031】
これらの課題に対する、急冷後の押出製品温度の測定の実施態様を説明する。図1、図3に示す通り、接触式温度計10は、押出プレスの下流側、即ち、プラテン22の背面に設けた移動用のレール15に、上下方向移動装置13と水平(押出)方向移動装置14を介して載置されている。接触式温度計10は、先端に、製品に疵がつくのを防止する製品保護材(軟質材)12と、製品との接触状態を関知する圧力センサ11と、水冷装置(シャワー)30によって冷却(焼入れ)された押出製品2の温度(急冷直後の温度)を計測する熱電対16とからなる。製品保護材12は、ゴム、プラスチィック、布、不織布等の、押出製品の硬度より低い軟質の材料が適宜選択されて用いられる。
【0032】
図4a〜eに、この接触式温度計10の温度(急冷直後の温度)を測定動作を示す。図4aは接触式温度計10の待機状態を示し、図4bは温度測定の開始状態を示し、圧力センサー11により、製品との接触状態や接触圧力を検出しながら、温度計10(熱電対16)を製品に接触させる。
図4cは、温度計10が、製品に接触しながら、押出速度に合わせて、押出方向に移動している状態を示す。押出条件にもよるが、この移動時間は約5秒程度である。
図4dは、測温が終了し、温度計10(熱電対16)を製品より離した状態を示し、図4eは、温度計10(熱電対16)を前記図4aの待機状態位置まで戻している状態を示す。そして、温度測定中は、この図4a〜eの動作を繰り返して押出製品の押出方向(長手方向)の温度分布を測定する。
なお、この実施態様は、温度の完全な連続測定ではないが、押出時の製品温度は、そう極端に変化することはないので、約10秒程度の測温間隔が空いても、ほぼ連続的な測定と見なして問題ない。
【0033】
更に、急冷前の押出製品温度の測定について、急冷前の押出製品温度の予測による測定方法を説明する。前記した通り、本発明のような押出急冷の場合、一般的な押出に比して、対象とする押出合金の種類や形状、押出速度や温度の範囲が比較的狭い範囲内に納まるため、放射率が大きく変化することは少なく、放射式に代表される非接触式の温度計でも正確な温度測定が可能である。しかし、逆に前記押出条件が大きく変化した場合には、一般的な押出と同様に、測定精度に影響を受けるし、また、押出製品によっては、更に測定精度を上げる必要も出てくる。したがって、これらの課題に対応するために、非接触式温度計の温度測定と、急冷前の押出製品温度の予測とを組み合わせる。
【0034】
急冷前の押出製品温度の予測は、非接触式温度計のように、連続的に押出製品温度の測定はできないが、比較的精度良く測定できる他の押出条件の値から、前記した非接触型の温度計と同等に、製品温度を精度良く予測できる。精度良く測定できる押出条件は、少なくとも押出時のビレット加熱温度、ダイス加熱温度、押出速度、押出荷重の実測値が選択される。
【0035】
図5を用いて、急冷前の押出製品温度の予測方法について詳細に説明する。
図5において、製品温度を予測のための手段は、ビレット加熱装置41より搬出されるビレット3の温度と、ダイス加熱装置42より搬出されるダイス24の温度とを測定する温度測定装置35と、押出中の押出荷重および押出速度を測定する検出器36、37と、これらの測定した温度、荷重、速度よりダイス出口部での製品温度を予測する製品温度予測装置38aとを備える。
そして、この予測製品温度と設定製品温度とを比較し、ビレット加熱温度および押出速度の最適条件を決定する押出条件決定装置38bを備える。また、この決定情報に基づいてビレット加熱温度および押出速度を調節する、ビレット加熱温度調節器40および押出速度調節器39とを備える。なお、製品温度予測装置38aと、押出条件決定装置38bとは、各々マイクロコンピュータにて形成される。
【0036】
製品温度予測装置8a内では、押出直後の製品温度θsを予測する。この製品温度θsの予測に使う式は、計算時間が少なく、実生産への実用性が優れている点(勿論予測精度も良い)から、押出中の熱量のバランス式より求めた予測式により行うのが好ましい。
この際、押出の諸条件のうち、押出時のビレット加熱温度θb、ダイス加熱温度θd、押出速度V、押出荷重Fの実測値は、予測するのに最低必要な実測値となる。製品温度の予測に使う、押出比や、ビレット断面積等の、その他の押出条件は、予め設定されている値が使用できる。
なお、これらの実測値だけでは、製品温度の予測に十分な精度が得られない場合は、押出中のビレットの温度変化を考慮する必要があり、コンテナ温度の影響を式に組み入れることも必要になる。
【0037】
この押出中の熱量のバランス式を基本に、押出の諸条件のうち、押出時のビレット加熱温度θb、ダイス加熱温度θd、押出速度V、押出荷重F等の、精度良く実測できる値を用いた予測式を、次に示す。
予測式1:θs=1/2(θb+θd)+(Fs・St・J-1)/〔C・ρ・V+(hdb・Sb・Δt)/2〕
但し、θs:製品温度(℃)、θb:ビレット加熱温度(℃)、θd:ダイス加熱温度(℃)、Fs:押出終荷重(kgf)、St:押出ストローク(m)、J:熱の仕事当量〔kgf・m/kcal〕、C:押出製品の比熱〔kcal/( kg・℃)〕、ρ:押出製品の密度〔kg/(m3 )〕、V:押出製品の体積(m3 )、hdb:ビレットから工具への熱の通過率〔kcal/( m2 ・min・℃)〕、Sb:ビレット断面積(m2 )、Δt:押出時間(s)、
【0038】
ここで、予測式1のVおよびΔtは、V=St・Sb、Δt=(R・St)/v、但し、v:押出速度(m/s)、R:押出比、で置き換えられるので、前記式は、予測式2として、次の通り表すことができる。
予測式2:θs=1/2(θb+θd)+(Fs・J-1)/〔C・ρ・Sb+(hdb・Sb・R)/2v〕
【0039】
この予測式2による製品温度の精度を確認した結果を図6に示す。
図6は、予測式2による製品温度予測値と、接触式、非接触式の温度計を用いた製品温度の実測値とを比較した説明図である。図6では、横軸に、基準押出速度からの速度増加幅をとるとともに、縦軸に、限界製品温度(押出欠陥が発生しない限界設定温度)θmaxからの温度差をとっている。
図6から明らかな通り、製品1の場合は、白丸の接触式の温度計を用いた製品温度の実測値と、黒丸の本発明の予測式1による製品温度予測値とは±10℃以内の精度で一致している。これに対し、非接触式の温度計を用いた場合は、金属表面光沢の影響のためか、測定値の振動幅が大きく、測定値を特定できなかったため、図2にプロットしていない。
【0040】
また、製品2の場合は、横軸の速度増加幅が約4.2の場合は、ビレット温度を約20℃下げており、黒丸の本発明の予測式1による製品温度予測値は、この温度降下に対応しており、白丸の接触式の温度計を用いた製品温度の実測値と、±10℃以内の精度で一致している。これに対し、黒四角の非接触式の温度計を用いた場合は、前記温度降下に対応できず、より高い温度を測定結果として示している。この結果から、本発明の予測式1による製品温度予測値は、接触式の温度計を用いた製品温度の実測値と良く一致し、予測精度が高いことが分かる。
【0041】
非接触式の温度計による押出中の製品温度の測定は、押出製品中の温度の相対的な変化については、ばらつきが少ないものの、実際の製品温度の絶対値はばらつく場合があるので、製品温度の絶対値の測定精度を上げる場合には、製品温度予測値を用いて、非接触式の温度計による押出製品の連続的な温度測定値を補正する。
【0042】
例えば、押出ビレット1本目の、非接触式の温度計により押出製品を連続的に温度測定した結果の平均値が560℃であり、前記製品温度予測式を用いた押出製品の温度予測値が520℃であった場合、押出ビレット2本目からは、非接触式の温度計による連続的な温度測定値から、両者の差40℃を引いた温度を、製品温度として取り扱う。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の温度制御方法によれば、金属を押出直後にオンラインで急冷する際、生産性を落とさず、製品に必要な強度などの機械的性質や表面品質が、安定して、かつ押出製品の押出方向にわたって均一に得られる。
また、この効果を、従来のアルミ押出製品の製造プロセスを、著しく変更したり、製造コストの増加を招かずに達成することができる点で工業的な価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施態様を示し、押出プレスと温度計との関係の説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施態様を示し、非接触式温度計の説明図である。
【図3】図3は、本発明の実施態様を示し、接触式温度計の説明図である。
【図4】図4(a)〜(e)は、本発明の実施態様を示し、接触式温度計の動作の説明図である。
【図5】図5は、本発明の実施態様を示し、押出プレスと製品温度予測装置との関係の説明図である。
【図6】図6は、本発明の実施態様を示し、温度予測値と実測値との比較を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明の実施態様を示し、非接触式温度計の製品温度の測定精度を示す説明図である。
【図8】図8は、従来技術を示し、押出プレスと非接触式温度計との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1;押出プレス、2;押出製品、3;ビレット、4;非接触式温度計、
5;温度計保持具、6;測定孔、7;エアー供給配管、8a、8b;断熱材、
9;水冷装置、10;接触式温度計、11;圧力センサー、12;製品保護材、13;上下方向移動装置、14;押出(水平)方向移動装置、
15;接触式温度計移動用レール、16;熱電対、20;コンテナ、
21;ステム、22;プラテン、24;ダイス、25;ボルスター、
36;押出荷重検出器、37;押出速度検出器、38a;製品温度予測装置、
38b;押出条件決定装置、39;押出速度調節器、
40;ビレット加熱温度調節器、41;ビレット加熱装置、
42;ダイス加熱装置、

Claims (4)

  1. 押出直後にアルミニウムまたはアルミニウム合金製品を急冷する際、急冷前と急冷後の押出製品温度を各々測定し、該測定結果に基づき、急冷前の押出製品温度を溶体化温度以上に保持するとともに、急冷後の押出製品温度を押出方向にわたって一定に保持する製品温度制御方法であって、急冷前の押出製品温度を、押出工具に設けた測温用孔を介して、非接触式温度計で測定し、更に急冷後の押出製品温度を押出プレスの下流側に設けた接触式温度計で測定し、前記急冷前の押出製品温度を、少なくとも押出時のビレット加熱温度、ダイス加熱温度、押出速度、押出荷重の実測値より予測し、該予測温度により、前記非接触式温度計による測定値を補正することを特徴とする押出急冷時の製品温度制御方法。
  2. 押出速度および/またはビレットの加熱温度を調整することにより、急冷前の押出製品温度を溶体化温度以上に保持する請求項1に記載の押出急冷時の製品温度制御方法。
  3. 急冷の冷却速度を調整することにより、急冷後の押出製品温度を押出方向に渡って一定に保持する請求項1又は2に記載の押出急冷時の製品温度制御方法。
  4. 前記測温用孔内にガスを流通させる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の押出急冷時の製品温度制御方法。
JP08170799A 1999-03-25 1999-03-25 押出急冷時の製品温度制御方法 Expired - Lifetime JP3776622B2 (ja)

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