JP2012110917A - 薄鋼板用連続鋳造鋳片の欠陥検出方法および欠陥検出装置 - Google Patents

薄鋼板用連続鋳造鋳片の欠陥検出方法および欠陥検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】連続鋳造した薄鋼板の素材となる鋳片(スラブ)表面に発生した割れ性の欠陥を、鋳造特後の段階で、精度よく予測し、検出することが可能な薄鋼板用の連続鋳造鋳片の欠陥検出方法と欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】連続鋳造鋳片表面の幅方向の温度分布を定期的に測定し、鋳片表面の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間における最高温度と最低温度との差を算出し、あるいは、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間における最高温度と最低温度との差を算出し、算出した上記温度差が両幅端部側のいずれかでも、予め設定した閾値以上であるとき、あるいは、上記温度差が予め設定した閾値以上である連続回数が2回以上の所定回数以上であるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定する連続鋳造鋳片の欠陥検出方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱延鋼板や冷延鋼板等の素材となる連続鋳造した鋳片(スラブ)の表面欠陥をオンラインで検出する連続鋳造鋳片の欠陥検出方法とその欠陥検出装置連に関するものである。
熱延鋼板や冷延鋼板等の素材となる方形広幅の連続鋳造鋳片(以降、「鋳片」あるいは「スラブ」とも称す。)の表面にはさまざまな欠陥が発生するが、割れ性の欠陥としては縦割れと横割れが知られている。縦割れは、鋳造方向と平行に起こる表面割れであり、連続鋳造鋳型内でのモールドパウダーの不均一流入などに起因した鋳型内の不均一凝固等によって生ずると考えられている。一方、横割れは、鋳造方向に直交する方向に起こる表面割れであり、連続鋳造機の二次冷却帯における不均一冷却等に起因するものと考えられている。
上記縦割れや横割れ等の鋳片表面の欠陥は、製品品質を著しく低下させるため、その発生を無くすことが必要である。しかし、予測し得ない何らかの原因で表面欠陥が発生した場合には、欠陥が発生した鋳片を、他の健全な鋳片と区別し、適切な処理を施してから、次工程である熱間圧延に供することが必要不可欠である。
例えば、鋳片表面に発生した欠陥が、その後の熱間圧延工程における加熱炉でのスケール、あるいは、粗圧延や仕上圧延でのスケールとして除去されないような重度の欠陥である場合には、その表面欠陥を有する鋳片を他の鋳片と弁別し、室温まで一旦冷却し、スカーフィングやグラインダー研削などで表面手入れを施した後、再加熱して熱間圧延し、一方、表面欠陥がないか熱間圧延工程で除去し得る程度の軽度の欠陥しか有しない鋳片は、連続鋳造後、そのまま、いわゆる熱片のままで熱間圧延することが行われている。
逆に、重欠陥を有する鋳片が、無欠陥または軽欠陥の鋳片に混入すると、熱間圧延後の鋼板表面に欠陥が発生し、製品歩留りが低下すると共に、その後の工程に大きな混乱をもたらす。逆に、重欠陥を有する鋳片中に無欠陥または軽欠陥の鋳片が混入すると、不要の鋳片まで冷片にし、表面手入れすることになるので、歩留り低下やエネルギーロスが大きくなる。
したがって、鋳片表面に発生した欠陥は、連続鋳造した直後に検出することが望ましい。しかし、鋳造直後の鋳片は、赤熱状態にあり、その表面に発生した欠陥の有無を直接検出することは難しい。そこで、鋳片の表面欠陥に結びつく定量可能な因子を測定することで、鋳片の表面欠陥の発生を間接的に予測する方法が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、連続鋳造機の二次冷却帯で鋳片表面の幅方向温度分布を測定し、表面温度の高低の山谷区間内での温度山谷差ΔTを算出し、ΔTが表面割れ発生臨界応力を上回る値となる温度差以上であり、かつ、山谷区間内に鋼の延性低下温度域が存在するときに、鋳片に表面割れが発生したと予測する連続鋳造鋳片の表面割れ予測方法が開示されている。また、特許文献2には、連続鋳造した鋳片表面の熱画像を撮影し、撮影した熱画像の温度プロファイルに基づき、過去の熱画像の温度プロファイルと鋳片表面の欠陥との対応関係とを参照して鋳片表面の欠陥を検出する連続鋳造鋳片の欠陥検出方法が開示されている。
特開2009−050913号公報 特開2009−066602号公報
上記特許文献1や2に記載された技術を実機の連続鋳造機に適用することによって、鋳片表面に発生した欠陥を間接的に予測あるいは検出することがそれなりに可能になった。しかし、近年、製品の表面品質に対する要求は極めて厳格化してきており、それに伴って、素材となる鋳片にも厳しい表面品質が要求されるようになってきている。そのため、上記特許文献1や2の技術では、それらの要求に十分に応えることができなくなってきているのが実情である。
そこで、本発明の目的は、連続鋳造した薄鋼板の素材となる鋳片(スラブ)表面に発生した割れ性の欠陥を、鋳造特後の段階で、従来よりも精度よく予測し、検出することが可能な薄鋼板用の連続鋳造鋳片の欠陥検出方法と欠陥検出装置を提供することにある。
上記に説明したように、近年では、薄鋼板用の連続鋳造鋳片(スラブ)に発生した表面欠陥をより精度よく検出することが、従来にも増して要求されるようになってきている。しかし、鋳片表面に発生した欠陥を直接的に検出することが難しい現状では、表面欠陥をより正確に検出するためには、表面欠陥と、より相関関係の強い定量可能な間接的因子を見出すことが重要となる。そこで、発明者らは、上記間接的因子について鋭意検討を重ねた結果、鋳片幅方向の特定部位、具体的には、鋳片幅方向両側端部と、両側端部からスラブ全幅の1/3の範囲内における鋳片表面の最高温度と最低温度の差が、鋳片表面に発生する欠陥とよい相関があることを新規に見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、連続鋳造鋳片表面の幅方向の温度分布を定期的に測定し、鋳片表面の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間における最高温度と最低温度との差を算出し、算出した温度差が両幅端部側のいずれかでも予め設定した閾値以上であるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定する連続鋳造鋳片の欠陥検出方法である。
本発明の欠陥検出方法は、上記温度差が、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間における最高温度と最低温度との差であることを特徴とする。
また、本発明の欠陥検出方法は、上記温度差が予め設定した閾値以上である連続回数が2回以上の所定回数以上であるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定することを特徴とする。
また、本発明は、連続鋳造した薄鋼板用鋳片表面の幅方向の温度分布を定期的に測定する測温装置と、上記測定した幅方向温度分布に基づいて、予め設定された鋳片幅方向の範囲内における鋳片表面の最高温度と最低温度の差を算出する温度差算出装置と、上記算出した温度差が予め設定した閾値以上になるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定する判定装置とを備える連続鋳造薄板鋳片の欠陥検出装置である。
本発明の欠陥検出装置は、予め設定された鋳片幅方向の範囲が、鋳片表面の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間、または、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の欠陥検出装置における上記判定装置は、算出した温度差が予め設定した閾値以上である連続回数が2回以上の所定回数以上であるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定するものであることを特徴とする。
本発明によれば、薄板用の連続鋳造鋳片(スラブ)の表面に発生した割れ性欠陥を、鋳造直後に精度よく検出し、欠陥発生スラブと無欠陥スラブとの弁別することができるので、製品鋼板における表面欠陥の発生を大幅に低減できるだけでなく、欠陥発生に伴う製造工程におけるエネルギーロスや工程の外乱を大幅に低減することができる。
分割されたサポートロールを説明する図である。 本発明において、鋳片表面の最高温度と最低温度の差を算出する範囲を説明する図である。 本発明の欠陥検出装置を備えた連続鋳造機の概略図である。 鋳片表面の幅方向温度分布の測定結果の一例を示す図である。
薄鋼板用の連続鋳造鋳片(スラブ)の表面に発生する割れ性欠陥には、縦割れと横割れがある。このうち、縦割れは、鋳造方向に連続して発生するため、従来の欠陥検出方法でも比較的容易に検出することができる。しかし、横割れは、鋳造方向に断続的に発生するため、連続して発生しない限り、従来の方法では検出することが難しい。したがって、割れ性の欠陥検出精度を高めるには、横割れを精度良く検出することが重要な課題となる。
横割れは、先述したように、主に連続鋳造機の二次冷却帯における不均一冷却に起因するものと考えられている。連続鋳造機の二次冷却帯で用いられるサポートロールは、通常、軸方向に幾つかに分割されており、各分割ロールの両側には、ロールチョックが配設されている。このロールチョック部位は、鋳片とロールが接触していない空隙部となっており、二次冷却帯で噴射された冷却水がこの部位を集中して流れ出るため、この部位の鋳片表面は強冷却される。その結果、ロールチョック部位は、その他の部位と比較して鋳片表面温度が大きく低下し、不均一冷却を引き起こすことになる。
そこで、実機の連続鋳造機では、図1に示したように、サポートロールの分割位置を、配設されたロールごとに変えることで不均一冷却の解消を図っているが、現状設備では、どうしても鋳片幅方向の中央部分が過冷却となる。その結果、その他の部分、すなわち、鋳片の幅方向中央部分を除く両幅端部側は、鋳片の幅方向中央部と比較して鋳片表面温度が高くなり、二次冷却帯以降における鋳片の矯正(曲げや曲げ戻し)によって鋳片表面に割れが生じて、各種表面欠陥が発生したりする。
また、鋳片表面が高温となる鋳片の両幅端部側は、鋳片内部の凝固も遅れてスラブ幅方向の凝固むらを引き起こし、スラブのクレータエンド形状(凝固完了位置の幅方向形状)がW字型となる。このW字型の下に凸となる部分にはPやS等の偏析が大きくなるため、製品板のこの部分の加工性が低下し、加工ユーザーでプレス加工等されたときに割れを生ずるという問題もある。
発明者らは、鋳片表面の割れに起因した製品鋼板(熱延鋼板、冷延鋼板)の表面欠陥の幅方向発生位置および加工ユーザーでの割れ発生位置を調査したところ、上記鋳片の幅方向の温度分布と極めて強い関係があり、鋳片幅方向中央部を除く表面温度が高い両幅端部側、具体的には、鋳片幅方向の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間に表面欠陥が多く発生していることが明らかとなった。そして、さらに調査した結果、両幅端部側に発生する割れ性欠陥は、サポートロールの分割位置や、冷却水の噴射むらなどに起因して、あるいはさらに、冷却水量のむらや、鋳込速度の変動等に起因して、この部分における鋳片表面の温度不均一が発生し、鋳片表面の最高温度と最低温度の温度差がある値(閾値)以上となったときに発生する傾向があることが明らかとなった。
したがって、鋳片幅方向中央部を除く両幅端部側、具体的には、鋳片幅方向の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置との間の鋳片表面温度を測定し、その範囲における最高温度と最低温度の温度差を求めることで、表面欠陥の発生の有無を判定できることがわかった。さらに、鋳片の両幅端部側の中でも、両幅端部は、抜熱が二方向であるため、温度が低下し易く、温度高低差も生じ易いものの、表面欠陥の発生には繋がり難い。したがって、両幅端部から全幅の1/10の範囲を除いて鋳片表面の最高温度と最低温度との温度差を算出する方が、鋳片の表面欠陥をより正確に検出することができることもわかった。図2は、上記温度差を算出する範囲を説明したものであり、(a)は、温度差測定範囲を、鋳片表面の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間をした場合、また、(b)は、温度差測定範囲を、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間とした場合を示している。本発明は、上記知見に基づき、さらに検討を重ねて開発したものである。
本発明の連続鋳造鋳片の欠陥検出方法および検出装置について具体的に説明する。
図3は、本発明の連続鋳造鋳片の欠陥検出装置が組み込まれた連続鋳造機の概略図である。図3において、符号1は連続鋳造機、2はタンディッシュ、3は溶鋼流量を調節するスライディングノズル、4は浸漬ノズル、5は鋳型、6はサポートロール、7はガイドロール、8はピンチロール、9は鋳造された鋳片、10は鋳造された鋳片を所定の長さに切断するトーチカッター、11は鋳片を切断したスラブ、12は鋳片やスラブを搬送するための複数の搬送ロールである。
また、符号21は鋳片表面の幅方向の温度分布を測定する測温装置としての熱画像撮影装置、22は鋳片表面の幅方向の温度分布を記録するデータ記録装置、23は連続鋳造機を制御するコンピュータである。なお、このコンピュータ23は、データ記録装置22が記録した鋳片表面の幅方向の温度分布データに基づいて、鋳片表面の温度差を算出する温度差算出装置と、その結果に基づいて欠陥発生の有無を判定する判定装置でもある。
タンディッシュ2から浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入された溶鋼18は、鋳型5で冷却されて凝固シェル14を形成し、内部に未凝固相15を有する鋳片9として、鋳型5の下方に設けられたサポートロール6およびガイドロール7に支持されつつ、ピンチロール8の駆動力により鋳型5の下方に連続的に引抜かれる。鋳型5の出口から1〜4m程度はなれた位置に配置された複数対のガイドロール7は、鋳片9の支持・案内方向を鉛直方向から湾曲方向へと方向を変える上部矯正帯16を構成しており、鋳型5から垂直方向に引き抜かれた鋳片9は、この上部矯正帯16で次第に半径が一定の円弧状に曲げられて湾曲部をなす。他方、湾曲部以降に配置される複数対のガイドロール7は、鋳片9の支持・案内方向を、湾曲方向から水平方向へと逆方向に変える下部矯正帯17を構成し、鋳片9は、この下部矯正帯17で次第に平板状に曲げ戻される。
鋳片9は、サポートロール6やガイドロール7、ピンチロール8の鋳片支持ロールを通過する間、二次冷却帯の冷却水で冷却され、やがて内部までの凝固を完了する。凝固を完了した鋳片は、トーチカッター10によって所定の長さに切断されてスラブ11となる。スラブ11は、搬送ロール12によって熱間圧延工程あるいはスラブ手入れ工程等の次工程に搬送される。なお、鋳造方向に隣り合って配設されているサポートロール6、ガイドロール7およびピンチロール8の間隙には、水あるいはエアーミストなどのスプレーノズル(図示せず)が配設されて二次冷却帯が構成されている。そして、この二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(二次冷却水)によって、鋳片は引抜かれながら冷却される。
そして、図3に示した本発明に係る連続鋳造機では、上記のようにして鋳造された鋳片9の上面の熱画像が、鋳片支持ロールの最終ロールとトーチカッター10との間に設置された熱画像撮影装置21によって撮影される。なお、鋳片の表面割れは、不均一冷却に起因して発生する鋳片の内部応力や内部偏析によって引き起こされると考えられ、その発生位置は、主に鋳片に曲げ変形が加えられる上部矯正帯16および下部矯正帯17であると考えられる。したがって、熱画像撮影装置は、下部矯正帯の直後に設置することが好ましいが、冷却水が飛散したり蒸気が籠もる雰囲気では測定に不向きであるので、連続鋳造機の最終ロール(機端)とトーチカッターの間に設置するのが望ましい。
なお、図3の例は、噴霧した二次冷却水が不均一に流れ、二次冷却が不均一になりやすい鋳片9の上面側のみの熱画像を撮影しているが、鋳片の上面と下面の両面の熱画像を撮影しても構わない。鋳片の上面の熱画像を撮影する熱画像撮影装置21の設置位置は、鋳片の上方あるいは斜め上方から鋳片の熱画像が撮影できる位置とするのが好ましい。同様に、鋳片の下面の熱画像を撮影するための熱画像撮影装置(図示せず)の設置位置も、鋳片の下方あるいは斜め下方から鋳片の熱画像が撮影できる位置とするのが好ましい。
ここで、熱画像撮影装置21は、鋳片が放射する赤外線の強度を測定して鋳片の表面温度を測定する放射温度計であればよく、例えば、サーモビュア、赤外線カメラ、赤外放射温度計等を用いることができる。なお、鋳片の幅方向の温度分布を測定する必要があることから、鋳片の幅方向にスキャン(走査)できることが必要である。ただし、熱画像撮影装置がサーモビュア、赤外線カメラの場合には、鋳片の表面温度の二次元分布を測定できるので、スキャンできなくてもよい。
熱画像撮影装置21で撮像した熱画像は、デジタルデータに変換し、鋳片表面の幅方向全幅の温度分布として把握する。熱画像撮影装置による撮像は、所定のサンプリング時間ごと、例えば2〜4秒ごとに定期的に行うのが好ましい。鋳片表面の幅方向の温度分布データは、所定のサンプリング時間ごとにデータ記録装置22に取り込まれる。図4に、データ記録装置に記録した鋳片表面の幅方向の温度分布のデータの一例を示した(幅方向位置の0と1は、幅端部を示す。)。
鋳片表面の幅方向の温度分布データは、データ記録装置22からコンピュータ23に送られる。なお、このコンピュータ23には、鋳片表面の最高温度と最低温度の差を算出するべき鋳片幅方向の範囲、すなわち、図2(a)に示した、鋳片表面の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間、または、図2(b)に示した、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間、のいずれかが予め設定されており、コンピュータ23は、上記測定温度分布データに基づいて、上記設定範囲内における鋳片表面の最高温度と最低温度の温度差(図4に示したΔT、ΔT)を算出する。なお、コンピュータ23による鋳片表面の最高温度と最低温度の差の算出は、所定のサンプリング周期ごとに行われる。
次に、コンピュータ23は、算出した温度差が、両幅端部側のいずれか一方でも予め設定された閾値以上か否かを判定し、温度差が閾値以上である場合、あるいは、上記温度差が閾値以上となる回数が2回以上の所定の設定回数以上連続して発生した場合には、鋳片9に欠陥が発生していると判断し、上記条件を満たさない場合は、欠陥発生なしと判定する。なお、上記温度差の閾値あるいは所定の連続発生回数は、鋳造する鋼種や、鋳造寸法、鋳造条件(鋳造速度、冷却パターン等)、連続鋳造機の特性等によって変化するため、一概には決定できないので、過去における鋳片温度と表面欠陥との関係から設定するのが好ましい。上記温度差の閾値や連続発生回数を適正に設定することによって、鋳片表面に発生した欠陥の誤検出を大幅になくすことができる。
因みに、表1に示した成分組成を有する極低炭素鋼を250mm厚の鋳片(スラブ)とする場合における温度差の閾値の好適範囲は150〜200℃の範囲であり、要求される品質レベルに応じて上記範囲内で閾値を設定するのが好ましい。また、連続発生回数については、2〜60回の範囲とするのが好ましいが、回数が多いほど水滴やスケール等による誤判定を無くすことができ、判定精度が向上するので、5〜60回の範囲とするのがより好ましい。
Figure 2012110917
本発明の鋳片の欠陥検出方法は、上記のようにして予め設定しておいた鋳片幅方向の特定範囲における表面温度分布に基づいて、鋳造中における錆片の表面欠陥の有無を間接的に検出する。そして、このようにして欠陥発生が検出された鋳片と、そうでない健全な鋳片とを弁別し、それぞれを適切に処理する。すなわち、欠陥発生と判定された鋳片(スラブ)は、冷却して冷片とした後、表面検査および/または表面手入れしてから、熱間圧延し、一方、欠陥発生無し判定された鋳片(スラブ)は、熱片のまま熱間圧延に供する。なお、連続鋳造で鋳造された鋳片の移動距離は、別途、メジャーロール(図3の13)によって測定され、コンピュータ23に取り込まれるので、そのデータをコンピュータから参照することにより、欠陥発生と判定された鋳片部分が、トーチカッターで切断されたどのスラブに対応しているかは容易に判別することができる。
なお、本発明についての上記説明は、薄鋼板用の鋳片(スラブ)を鋳造する連続鋳造機を例にとって行ったが、本発明が対象とする鋳片は、スラブに限定されるものではなく、ブルームやビレットであってもよく、したがって、いずれの連続鋳造機にも本発明を適用することができる。ただし、鋳片表面に対する品質要求が厳しいスラブを製造する連続鋳造機に適用することが、最も効果が大きく好ましい。また、連続鋳造機の型式には、鋳片の引き抜き方向の違いにより、垂直型連続鋳造機、垂直曲げ型連続鋳造機、全湾曲型連続鋳造機および水平連続鋳造機などがあるが、何れの形式であっても本発明を適用することができる。さらに、鋳型内あるいは二次冷却帯に存在する鋳片の未凝固相の流動を制御する電磁撹拌装置や電磁ブレーキ装置、中心偏析や内部割れ防止のために凝固末期の鋳片をロールで軽圧下する圧下装置などを配設した連続鋳造機であっても、本発明を適用することができることは勿論である。
図3に示した本発明の機能を備えた垂直曲げ型スラブ連続鋳造機で、表1に示した成分組成を有する極低炭素鋼を、鋳造速度1.6m/minで連続鋳造し、厚み250〜260mm、幅1000〜2100mmの鋳片とした。
その際、連続鋳造機の出側の鋳片支持ロールの最終ロールとトーチカッターとの間に設置したサーモビュア(測温装置)で、鋳片上面幅方向の表面温度を全幅にわたって、測定周期を3秒として測定し、測定した鋳片表面の温度分布データは、測定の都度、連続鋳造機に備えられた、温度差算出装置と欠陥発生有無を判定する判定装置を兼ね備えるコンピュータ(図3の23)に取り込んだ。
なお、このコンピュータには、鋳片表面の最高温度と最低温度の温度差を求める鋳片幅方向の範囲を、図2(b)のように、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間とすることを予め設定しておき、測定するごとに温度差を算出した。また、このコンピュータには、表1に示した鋼の過去における鋳片表面の欠陥発生実績を元にして、鋳片表面の欠陥発生有無を判定する温度差の閾値として190℃を、また、連続発生回数の閾値を10回とし、上記閾値以上であるときに表面欠陥が発生したと判定するよう、欠陥判定基準を設定しておいた。
そして、上記コンピュータで表面欠陥発生と判定されたスラブは、オフラインとして冷却し、表面検査および表面手入れした後、熱間圧延に供した。一方、表面欠陥無しと判定されたスラブは、熱片のまま熱間圧延に供した。
上記条件で、表1に示した極低炭素鋼の連続鋳造鋳片の表面欠陥検査を約1ヶ月間実施し、本発明を適用する前後における熱延鋼板での欠陥発生率を比較した。その結果、本発明の鋳片の欠陥検出方法を適用した場合には、スラブの表面欠陥に起因する熱延鋼板の表面欠陥の発生率は、本発明を適用する前の20%まで低減することができた。一方、鋳片表面に欠陥発生と判定されたスラブは、欠陥検出精度の向上により増加したが、それらのスラブのいずれにも何らかの表面欠陥の発生が確認されており、誤検出はほとんどなかった。
本発明の技術は、鋼の連続鋳造に限定されるものではなく、凝固時に偏析が発生する金属や合金の連続鋳造にも適用することができる。
1:連続鋳造機 2:タンディッシュ
3:スライディングノズル 4:浸漬ノズル
5:鋳型(モールド) 6:サポートロール
7:ガイドロール 8:ピンチロール
9:鋳片 10:トーチカッター
11:スラブ 12:搬送ロール
13:メジャーロール 14:凝固シェル
15:未凝固相 16:上部矯正帯
17:下部矯正帯 18:溶鋼
21:熱画像撮影装置 22:データ記録装置
23:コンピュータ 24:冷却ムラ(過冷却部)

Claims (6)

  1. 連続鋳造鋳片表面の幅方向の温度分布を定期的に測定し、鋳片表面の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間における最高温度と最低温度との差を算出し、算出した温度差が両幅端部側のいずれかでも予め設定した閾値以上であるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定する連続鋳造鋳片の欠陥検出方法。
  2. 上記温度差が、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間における最高温度と最低温度との差であることを特徴とする請求項1に記載の薄鋼板用連続鋳造鋳片の欠陥検出方法。
  3. 上記温度差が予め設定した閾値以上である連続回数が2回以上の所定回数以上であるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の薄鋼板用連続鋳造鋳片の欠陥検出方法。
  4. 連続鋳造した薄鋼板用鋳片表面の幅方向の温度分布を定期的に測定する測温装置と、
    上記測定した幅方向温度分布に基づいて、予め設定された鋳片幅方向の範囲内における鋳片表面の最高温度と最低温度の差を算出する温度差算出装置と、
    上記算出した温度差が予め設定した閾値以上になるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定する判定装置とを備える連続鋳造薄板鋳片の欠陥検出装置。
  5. 予め設定された鋳片幅方向の範囲が、鋳片表面の両幅端部と両幅端部から全幅の1/3位置の間、または、鋳片表面の両幅端部から全幅の1/10位置と両幅端部から全幅の1/3位置の間のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の連続鋳造薄板鋳片の欠陥検出装置。
  6. 上記判定装置は、算出した温度差が予め設定した閾値以上である連続回数が2回以上の所定回数以上であるときに鋳片表面に欠陥が発生したと判定するものであることを特徴とする請求項4または5に記載の連続鋳造薄板鋳片の欠陥検出装置。
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