JP5682205B2 - 連続鋳造鋳片の欠陥検出方法及び欠陥検出システム - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造鋳片の表面欠陥をオンラインで検出する連続鋳造鋳片の欠陥検出方法及び検出システムに関する。
鋼の連続鋳造においては、鋳片の表面に、縦割れ、横割れなどさまざまな欠陥が発生することがある。縦割れは、鋳造方向と平行な方向に割れの面が形成される表面割れである。縦割れは、連続鋳造用鋳型内でのモールドパウダーの流入不均一などによる鋳型内での凝固の不均一に起因するものと考えられている。横割れは、鋳造方向と直交する方向に割れの面が形成される表面割れである。横割れは、二次冷却帯におけるスプレー冷却の不均一に起因すると考えられている。
製品の品質を低下させるので、表面割れは回避しなければならない。根源的には、このような表面欠陥発生の原因を取り除くことが重要ではあるが、予測し得ない原因によって不測に欠陥が発生してしまった鋳片を、他の健全な鋳片と区別して適切な処理を施すことも、実操業においては大切なことである。
例えば、熱間圧延工程(熱間圧延工程加熱炉での加熱、粗圧延、仕上げ圧延、スケールブレーカーなどを含む)において除去不可能な鋳片の表面欠陥については、その表面欠陥を有する鋳片を弁別して冷却するなどしてからスカーフィングやグラインダー研削などによって手入れした後に熱間圧延に供することが行われている。その一方、表面欠陥がないか、熱間圧延工程で除去しうる程度の軽度の表面欠陥しかない鋳片は、熱片のまま熱間圧延工程に供することが行われている。もし、前者の鋳片が後者の処理をする鋳片の群に混入すると、熱間圧延後の鋼材において欠陥が発生し、製品歩留まりが低下すると共に、その後の工程に攪乱をもたらす。逆に、もし、後者の鋳片が前者の処理をする鋳片に混入すると、手入れ不要の鋳片まで冷片にしてしまうので、当然のことながら鋳片を加熱炉にて加熱するためのエネルギーが余分に必要になる。
したがって、鋳造直後の鋳片の表面欠陥を直接的に検出することが望まれる。この段階での鋳片は赤熱しており、その表面における欠陥有無を直接的に検出することは困難である。そこで、鋳片の欠陥に結びつく要因であって、直接的に定量可能な要因を測定することによって、鋳片の表面欠陥の発生を間接的に検出(実際には予測)する方法が幾つか提案されている。
鋳片の横割れを検出する方法として、例えば特許文献1には、連続鋳造機の二次冷却帯で鋳片表面の幅方向温度分布を測定し、表面温度の高低の山谷区間内での温度山谷差△Tを算出し、△Tが表面割れ発生臨界応力を上回る値となる温度差以上であるとき、かつ山谷区間内に鋼の延性低下温度域が存在するときに、鋳片に表面割れが発生したと予測する連続鋳造鋳片の表面割れ予測方法が開示されている(特許文献1、請求項1参照)。鋳片幅方向の表面温度の高低差が大きくなる箇所は、鋳片のエッジ部、及び鋳片の二次冷却スプレー強度の幅方向の不均一が生ずる箇所である。鋳片のエッジ部での温度山谷差、鋳片のエッジ部以外での温度山谷差のうち、最も大きいものを温度山谷差△Tとしている(特許文献1、0036,0037)。
特許文献2には、連続鋳造された鋳片の表面の熱画像を撮影し、撮影した熱画像の温度プロファイルに基づき、過去の熱画像の温度プロファイルと鋳片表面の欠陥との対応関係とを参照して鋳片表面の欠陥を検出する連続鋳造鋳片の欠陥検出方法が記載されている(特許文献2、請求項1参照)。
特開2009−50913号公報 特開2009−66602号公報
上記特許文献1及び特許文献2に記載の発明によれば、鋳片の表面欠陥の発生を間接的に検出(実際には予測)することが可能になる。しかし、近年、鋳片の表面欠陥をより正確に検出することが要請されている。より正確に検出するためには、鋳片の表面欠陥とより相関関係の高い定量可能な要因を見出す必要がある。
そこで本発明は、連続鋳造された鋳片の表面欠陥をより正確に検出することが可能な連続鋳造鋳片の欠陥検出方法及び欠陥検出システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の第一の態様は、連続鋳造された鋳片の幅方向の両端から所定の長さを除いた範囲を鋳片の中央部として予め設定する設定工程と、下部矯正帯以降の鋳片の表面の幅方向の温度分布を測定する測定工程と、測定した温度分布に基づいて鋳片の中央部における最高表面温度と最低表面温度の差を算出する温度差算出工程と、算出した差が予め設定された閾値以上になるとき又は予め設定された前記閾値を超えるとき、鋳片に欠陥が存在すると判断する判断工程と、を備える連続鋳造鋳片の欠陥検出方法である。
本発明の他の態様は、連続鋳造された下部矯正帯以降の鋳片の表面の幅方向の温度分布を測定する測定装置と、連続鋳造された鋳片の幅方向の両端から所定の長さを除いた範囲が鋳片の中央部として予め設定され、測定した温度分布に基づいて鋳片の中央部における最高表面温度と最低表面温度との差を算出し、算出した差が予め設定された閾値以上になるか否か又は前記閾値を超えるか否かを判断するコンピュータと、を備える連続鋳造鋳片の欠陥検出システムである。
鋳片の幅方向の中央部における最高表面温度と最低表面温度との差は、鋳片の表面欠陥(横割れ)と相関関係が高い。連続鋳造の二次冷却帯で用いられるサポートロールは軸方向に分割されており、サポートロールの両端部のロークチョック部位では冷却水の滞留が起こる。特に鋳片の中央部では冷却水の滞留が起こり易く、温度差が生じることが原因で、鋳片の中央部で横割れが生ずると推定される。その一方、鋳片の幅方向の両端部は、抜熱が二方向であり、温度が低下し易く、温度高低差も生じ易いものの、両端部における最高表面温度と最低表面温度の温度差は表面欠陥には繋がりにくい。鋳片の幅方向の両端部を除いた中央部における最高表面温度と最低表面温度との差を算出することによって、鋳片の表面欠陥をより正確に検出することが可能になる。
本発明の一実施形態の連続鋳造鋳片の欠陥検出システムが組み込まれる連続鋳造設備の概略図 データ記録装置が記録した鋳片表面の幅方向の温度分布を示す図 三種類の鋳片の中央部の設定方法を示す図(鋳片の平面図) サポートロールに支持される鋳片を示す概略図
以下に添付図面に基づいて、本発明の一実施形態の連続鋳造鋳片の欠陥検出方法及び欠陥検出システムを説明する。図1は、本発明の一実施形態の連続鋳造鋳片の欠陥検出システムが組み込まれる連続鋳造設備の概略図を示す。
図1において、符号1はスラブ連続鋳造機、2はタンディッシュ、3は流量調整用のスライディングノズル、4は浸漬ノズル、5は鋳型、6はサポートロール、7はガイドロール、8はピンチロール、9は鋳造された鋳片を搬送するための複数の搬送ロール、10は、鋳造される鋳片から所定の長さのスラブを切断するためのトーチカッター、14は、鋳片表面の幅方向の温度分布を測定する測定装置としての熱画像撮影装置、15は、鋳片表面の幅方向の温度分布を記録するデータ記録装置、16は、スラブ連続鋳造機を制御するコンピュータである。このコンピュータ16は、データ記録装置15が記録した鋳片表面の幅方向の温度分布のデータに基づいて鋳片に欠陥があるか否かを判断する。
図1において、タンディッシュ2から浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入された溶鋼は、鋳型5で冷却されて凝固シェル12を形成し、内部に未凝固相11を有する鋳片18として、鋳型5の下方に設けられたサポートロール6及びガイドロール7に支持されつつ、ピンチロール8の駆動力により鋳型5の下方に連続的に引抜かれる。鋳型5の出口から1mないし4m程度はなれた位置に配置される複数対のガイドロール7は、鋳片18の支持・案内方向が鉛直方向から湾曲方向へと方向を変える曲げ帯(上部矯正帯21)を構成している。鋳型5から垂直方向に引き抜かれた鋳片18は、上部矯正帯21で次第に半径が一定の円弧状に曲げられて湾曲部をなす。湾曲部以降に配置される複数対のガイドロール7は、鋳片18の支持・案内方向が湾曲方向から水平方向へと方向を変える矯正帯(下部矯正帯22)を構成している。鋳片18は矯正帯で次第に平板状に曲げ戻される。
鋳片18は、鋳片支持ロール(サポートロール6、ガイドロール7及びピンチロール8)を通過する間、二次冷却帯の二次冷却水で冷却され、やがて内部までの凝固を完了する。凝固完了した鋳片18は、トーチカッター10によって所定の長さに切断されてスラブ18aとなる。スラブ18aは搬送ロール9によって搬送される。なお、鋳造方向に隣り合うサポートロール6、ガイドロール7及びピンチロール8の間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置され、二次冷却帯が構成される。二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(二次冷却水)によって鋳片18は引抜かれながら冷却される。
鋳造された鋳片18の上面の熱画像が、鋳片支持ロールの最終ロールとトーチカッター10との間に設置された熱画像撮影装置14によって撮影される。鋳片18の表面割れは冷却と応力により発生すると考えられ、主に上部矯正帯及び下部矯正帯で発生すると考えられる。下部矯正帯の直後に熱画像撮影装置を設置してもよいが、蒸気がこもる等雰囲気が悪いので、トーチカッター10による切断前の位置(機端)に設置するのが望ましい。本実施形態では、噴霧した二次冷却水が溜りやすいという理由から、二次冷却が不均一になりやすい鋳片18の上面側のみの熱画像を撮影しているが、鋳片18の上面及び下面の双方の熱画像を撮影しても構わない。鋳片18の上面の熱画像を撮影する熱画像撮影装置14の設置位置は、鋳片18の上方或いは斜め横上方から鋳片18の熱画像が撮影できる位置とする。同様に、鋳片18の下面の熱画像を撮影するための熱画像撮影装置(図示せず)の設置位置は、鋳片18の下方或いは斜め横下方から鋳片18の熱画像が撮影できる位置とする。
熱画像撮影装置14は、鋳片18が放射する赤外線の強度を測定して鋳片18の表面の温度を測定する放射温度計である。熱画像撮影装置14としては、サーモビューア、赤外線カメラ、赤外放射温度計等を用いることができる。鋳片18の幅方向の温度分布を測定する必要があることから、鋳片18の幅方向にスキャン(走査)できなければならない。ただし、熱画像撮影装置14がサーモビューア、赤外線カメラの場合には、鋳片18の表面温度の二次元分布を測定できるので、スキャンできなくてもよい。
熱画像撮影装置14は、撮像した熱画像をデジタルデータに変換し、鋳片表面の幅方向の全長の温度分布として把握する。熱画像撮影装置14による撮像は、所定のサンプリング時間毎、例えば2〜4秒毎、好ましくは3秒毎に行われる。鋳片表面の幅方向の温度分布のデータは、所定のサンプリング時間毎にデータ記録装置15に取り込まれる。図2に、データ記録装置が記録した鋳片表面の幅方向の温度分布のデータを示す。
鋳片表面の幅方向の温度分布のデータはデータ記録装置15からコンピュータ16に送られる。コンピュータ16には、鋳片18の幅方向の中央部が予め設定されている。鋳片18の幅方向の中央部は、連続鋳造された鋳片18の幅方向の両端から所定の長さを除いた範囲である。図2に示す例では、幅方向の中央から両端に向かって±500〜600mmの範囲における最高表面温度と最低表面温度との差を算出している。
図3は、三種類の鋳片18の中央部24,25a,25b,26の設定方法を示す。図3(a)は、鋳片18の幅方向の両端から所定の長さα1(すなわち鋳片18の両端部)を除いた範囲を鋳片18の中央部24として設定する例を示す。この例では、オペレータがコンピュータ16に鋳片18の両端部の長さとしてα1を入力する。コンピュータ16は、鋳片18の中央部24として鋳片18の全幅L−2α1の範囲を把握する。
図3(b)は、鋳片18の幅方向の両端から所定の長さβ1(すなわち鋳片18の両端部)を除いた範囲であり、かつ残りの範囲を複数に分割(例えば三等分)し、複数に分割した部分(例えば三等分した部分)のうち両端に位置する二つの部分を中央部25a,25bとして設定する例を示す。この例では、オペレータがコンピュータ16に鋳片18の両端部の長さとしてβ1を入力し、分割数としてβ2(例えば3)を入力する。コンピュータは、鋳片18の中央部25a,25bとして、図3(b)の実線の矢印の範囲内を把握する。すなわち、図3(b)に示す設定例では、鋳片18の幅方向の両端だけでなく、鋳片18の幅方向の中心線を含んだ中心付近も測定範囲から除いて中央部25a,25bとしている。
図3(c)は、鋳片18の幅方向の中央から所定の長さγ1を鋳片18の中央部として設定する例を示す。この例では、オペレータがコンピュータ16にγ1を入力する。γ1は、鋳片18の全幅の1/2よりも小さい値である。コンピュータは、鋳片18の中央部26として、2・γ1の範囲を把握する。
図3(a)及び図3(c)の設定方法は、厚板の鋳片18の表面欠陥を検出するのに適する。厚板の鋳片18は、鋳片18の幅方向の中心を含んだ範囲(中央部の範囲)の温度差が問題になること多いからである。厚板の鋳片18の場合、中央部の範囲は、図3(a)及び図3(c)の設定方法の何れでも±500〜600mmの範囲がよい。厚板の鋳片18の場合、高速鋳造時には二次冷却水量の増大により幅方向の不均一が生じ中央部が過冷却となり、その過冷却により中央部に横割れの原因となる過冷却スジが鋳造方向にまだらに発生することが多い。このまだらに過冷却スジが発生した部分は、熱による引張応力と下部矯正での引張り応力が働くと過冷却スジ上に横割れを発生させるので、中央部の温度を管理する必要がある。
一方、図3(b)の設定方法は、薄板の鋳片18の表面欠陥を検出するのに適する。鋳片幅方向の温度プロファイルは幅方向の中心付近の温度が低下すると共に、中心付近の両側の温度が高くなる場合があり、薄板の場合には、幅方向で凝固が遅れた部分(つまり鋳片温度が高い部分)が中心偏析の問題を生じるため、中心付近を除いた中央部25a,25b(図3参照)を測定するのが望ましい。但し、図3の三種類の鋳片の中央部の温度の設定方法は厚板、薄板に限定されず鋳片の冷却状況により適宜選択すれば良い。
次に、コンピュータ16は、測定した温度分布に基づいて鋳片18の中央部における最高表面温度と最低表面温度の差を算出する。差の算出は、所定のサンプリング周期毎に行われる。データ記録装置15には、所定のサンプリング周期毎に例えば3秒毎に温度分布が記録される。コンピュータ16は、データ記録装置15から所定のサンプリング周期毎に温度分布のデータを取得する。
鋳片18の幅方向の中央部24,25a,25b,26における最高表面温度と最低表面温度との差は、鋳片18の表面欠陥(横割れ)と相関関係が高い。図4に示すように、連続鋳造の二次冷却帯で用いられるサポートロール6は軸方向に分割されており、サポートロール6の両端部のロークチョック部位では冷却水31の滞留が起こる。特に、鋳片18の中央部24,25a,25b,26では冷却水31の滞留が起こり易く、温度差が生じることが原因で、鋳片18の中央部24,25a,25b,26で表面割れが生ずると推定される。その一方、鋳片18の幅方向の両端部は、抜熱が二方向であり、温度が低下し易く、温度高低差も生じ易いものの、両端部の温度差は表面欠陥には繋がりにくい。鋳片18の幅方向の両端部を除いた中央部における最高表面温度と最低表面温度との差を算出することによって、鋳片18の表面欠陥をより正確に検出することが可能になる。
次に、コンピュータ16は、算出した差が予め設定された閾値以上になるか否か又は閾値を超えるか否かを判断する。そして、算出した差が連続して二回以上、この実施形態では連続して十回、閾値以上又は閾値を超えるとき、鋳片18に欠陥が存在すると判断する。閾値は、過去の横割れの実績から定められ、鋼種やスプレーパターンによって異なる。例えば表1に示す化学成分規格の鋼(250mm厚)を鋳造する場合、閾値は150℃〜200℃に設定される。算出した差が連続して二回以上閾値以上又は閾値を超えるか否かを判断することにより、無駄なリジェクト、すなわち表面欠陥がない鋳片18を欠陥があると判断するのをなくすことができる。
Figure 0005682205
本発明では、このようにして予め求めておいた鋳片表面の幅方向の中央部24,25a,25b,26の温度分布に基づいて、現在鋳造中の鋳片18の表面欠陥の有無を間接的に検出する。そして、このようにして欠陥の発生が検出された鋳片18と、そうでない健全な鋳片18とを弁別して、それぞれに適切な処理を施す。すなわち、欠陥の発生が検出された鋳片(スラブ)18aは、強制的に冷却する或いは放冷して冷片としたのちに検査及び/または表面手入れし、その後に熱間圧延工程に供し、一方、欠陥の発生が検出されなかった鋳片(スラブ)18aは熱片のまま熱間圧延工程に供する。鋳片18の移動距離は、別途のメジャーロールによって測定されて、コンピュータ16に取り込まれているので、そのデータをコンピュータ16から参照することにより、得られた温度分布が鋳込み長さのどの位置に相当するものか、またトーチカッター10で切断後のどのスラブ18aの温度分布に対応するかを知ることができる。
上記説明は、スラブ連続鋳造機1について行ったが、本発明が対象とする連続鋳造設備はスラブ連続鋳造機1に限るものでなく、ブルーム連続鋳造機またはビレット連続鋳造機の何れであっても本発明を適用することができる。但し、鋳造後の鋳片を圧延した際にその表面の品質要求が厳しい鋼板の素材となるスラブを製造するスラブ連続鋳造機に適用することが、効果がより大きくなり、好ましい。また、連続鋳造機の型式には、鋳片の引き抜き方向の違いにより、垂直型連続鋳造機、垂直曲げ型連続鋳造機、全湾曲型連続鋳造機及び水平連続鋳造機などの型式があるが、その何れであっても本発明を適用することができる。更には、鋳型内或いは二次冷却帯に存在する鋳片の未凝固相の流動を制御する電磁攪拌装置、電磁ブレーキ装置、更には中心偏析や内部割れ防止のために凝固末期の鋳片をロールによって軽圧下する軽圧下装置などを装着していても、何ら問題なく本発明を適用することができる。
垂直曲げ型スラブ連続鋳造設備を用いて、表1に示す化学成分組成の中炭素普通鋼の鋳片(厚み:260mm、幅:2100mm、鋳造速度:1.6m/min)を鋳造し、その際に、図1に示すように、連続鋳造機の出側の鋳片支持ロールの最終ロールとトーチカッター10との間で、サーモビューア14にて鋳片上面の幅方向の全長にわたって温度分布を測定した。
鋳片18の幅方向の中央から±550mmの範囲を鋳片の幅方向の中央部24,26として設定した(図2,図3参照)。コンピュータ16がサンプリング周期の3秒毎に鋳片18の中央部24,26の最高表面温度と最低表面温度の差を算出した。閾値を190℃に設定し、差が連続して10回以上190℃以上になるとき、鋳片18の表面に欠陥が存在すると判断した。該当するスラブは冷片まで冷却し、検査及び表面手入れした後に熱間圧延工程に供した。一方、条件を外れるスラブは熱片のまま、熱間圧延工程の加熱炉に装入して熱間圧延に供した。その結果、熱間圧延後の鋼板において、スラブの表面欠陥に起因する鋼板表面の欠陥発生は皆無であった。また、無駄なリジェクト、すなわち表面欠陥のない鋳片を表面欠陥があると判断してリジェクトすること、を少なくすることができた。
1…スラブ連続鋳造機
2…タンディッシュ
4…浸漬ノズル
5…鋳型
6…サポートロール
7…ガイドロール
8…ピンチロール
9…搬送ロール
10…トーチカッター
14…サーモビューア,熱画像撮影装置(測定装置)
15…データ記録装置(測定装置)
16…コンピュータ
18…鋳片
21…上部矯正帯
22…下部矯正帯
24,25a,25b,26…鋳片の中央部

Claims (3)

  1. 連続鋳造された鋳片の幅方向の両端から所定の長さを除いた範囲を鋳片の中央部として予め設定する設定工程と、
    下部矯正帯以降の鋳片の表面の幅方向の温度分布を測定する測定工程と、
    測定した温度分布に基づいて鋳片の中央部における最高表面温度と最低表面温度の差を算出する温度差算出工程と、
    算出した差が予め設定された閾値以上になるとき又は予め設定された前記閾値を超えるとき、鋳片に欠陥が存在すると判断する判断工程と、を備える連続鋳造鋳片の欠陥検出方法。
  2. 前記温度差算出工程において、所定のサンプリング周期毎に前記最高表面温度と前記最低表面温度との差を算出し、
    前記判断工程において、算出した前記差が連続して二回以上前記閾値以上になるとき又は前記閾値を超えるとき、欠陥が存在すると判断することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片の欠陥検出方法。
  3. 連続鋳造された下部矯正帯以降の鋳片の表面の幅方向の温度分布を測定する測定装置と、
    連続鋳造された鋳片の幅方向の両端から所定の長さを除いた範囲が鋳片の中央部として予め設定され、測定した温度分布に基づいて鋳片の中央部における最高表面温度と最低表面温度との差を算出し、算出した差が予め設定された閾値以上になるか否か又は前記閾値を超えるか否かを判断するコンピュータと、を備える連続鋳造鋳片の欠陥検出システム。
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