JP6354703B2 - 連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法および連続鋳造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造された鋳片の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電装置を有する連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法、およびそのような方法を実施する連続鋳造設備に関する。
製鉄所の中では、省エネルギーが積極的に進められており、新たな要素技術が実用プロセスへと適用されている。その中で、製鉄所の製鋼工程における連続鋳造プロセスにおいては、溶融した約1550℃の鋼を冷却して鋳片を製造する。連続鋳造された鋳片はトーチカッターで所定の長さに切断するが、切断までの間に、鋳片のエッジ部の表面温度は約600℃まで冷却されており、鋳片の表面温度が鋳込み開始からトーチカッターで切断するまで最大約1000℃も降下するため、省エネルギーの観点から鋳片の顕熱を有効活用することが求められている。このような鋳片の顕熱を有効利用する技術として、近年、異種の導体または半導体に温度差を与えることにより、高温部と低温部との間に起電力が生じるゼーベック効果として知られる物理現象により熱を直接電力に変換する手法を用いたものが提案されている(特許文献1、2)。
一方、連鋳鋳片は鋳型による一次冷却の後に、二次冷却と呼ばれるスプレーノズルによる水の直接冷却が行われている。この二次冷却の際に、二次冷却ノズルチップの先端がゴミなどで詰まって鋳片の冷却が不十分になったり、または大量の水で鋳片を冷却した時に過冷却が発生して鋳片表面に横割れが生じたりするといった品質上の問題が発生することがある。このため、鋳造後の鋳片は直接加熱炉に装入することができず、加熱炉の原単位を悪化させているのが現状である。
連続鋳造のように鋼の大量生産に関わる設備においては、少しでも生産性を向上させる必要があり、上述のような加熱炉の原単位悪化を抑制するため、連鋳鋳片の製造時に監視を継続し、いち早く表面割れのような鋳片の表面欠陥を発見することが望まれている。
このような技術として、特許文献3には、二次元放射温度計によりスラブ表面の温度を測定し、そのデータを取り込み、温度差から鋳片の品質判定を実施する手法が提案されている。
このような放射温度計を用いてスラブ表面温度を監視する手法は、確かに有効であるが、通常の放射温度計は、一般には、波長が約10μmと長いことから、上述した二次冷却で蒸発した水蒸気が発生し、正しい表面温度が測定できないという問題がある。
これに対し、特許文献4には、特許文献3の問題であった鋳片表面と放射温度計の間に存在する水蒸気を10NL/分以上の流量の気体(例えばエアー)で除去して測定する技術が提案されている。
しかし、この技術では、放射温度計の他に水蒸気を除去する気体を噴射する配管が必要になり、設備として大きくなることなどの問題があり、さらに長期的にはメンテナンスが必要になるなどの問題がある。
また、上記特許文献1、2の技術は、熱電発電装置によって熱回収を行うことのみが記載されており、熱電発電装置を用いた連続鋳造設備において早期に連鋳鋳片の表面欠陥を発見する試みはなされていない。
特開昭59−198883号公報 特開2014−166041号公報 特開2012−110917号公報 特開2012−71330号公報
本発明は、熱電発電装置を有する連続鋳造設備において、水蒸気が存在する雰囲気でも、鋳片表面部位の品質異常を可及的速やかに検出することができる鋳片の品質管理方法、およびそのような方法を実施可能な連続鋳造設備を提供することを課題とする。
本発明者らは、熱電発電装置を有する連続鋳造設備において、連鋳鋳片上に滞留する水蒸気を除去せずに、鋳片表面部位の異常を検出する手法を検討した。その結果、複数の熱電発電ユニットを有する熱電発電装置において、鋳片の幅方向に配列されている熱電発電ユニットの発電量の差から鋳片幅方向の表面温度差を推定することができ、それにより鋳片の品質判定を行うことができるという知見を得た。
本発明は、このような知見に基づくものであり、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)連続鋳造された鋳片の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電装置を有する連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法であって、
前記熱電発電装置は、複数の熱電素子を有する熱電発電モジュールを受熱手段と放熱手段との間に設けてなる熱電発電ユニットを熱源となる鋳片に対峙するように複数配列して構成され、
鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法。
(2)前記熱電発電装置は、鋳片の幅方向に5個以上の熱電発電ユニットが配列され、これら幅方向に配列された熱電発電ユニットの端部の2個を除いた熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする(1)に記載の連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法。
(3)鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を、それら隣り合う熱電発電ユニットのうち発電量が小さい熱電発電ユニットの発電量で除し、得られた値を100倍することで算出された、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の時、その鋳片を保留し、その鋳片を検査して、検出された欠陥のレベルに応じた手入れを行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法。
(4)鋼を連続鋳造する連続鋳造設備本体と、
連続鋳造された鋳片の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電装置と、
鋳片の品質判定を行う品質判定部と
を有し、
前記熱電発電装置は、複数の熱電素子を有する熱電発電モジュールを受熱手段と放熱手段との間に設けてなる熱電発電ユニットを熱源となる鋳片に対峙するように複数配列して構成され、
前記品質判定部は、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする連続鋳造設備。
(5)前記熱電発電装置は、鋳片の幅方向に5個以上の熱電発電ユニットが配列され、
前記品質判定部は、これら幅方向に配列された熱電発電ユニットの端部の2個を除いた熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする(4)に記載の連続鋳造設備。
(6)前記品質判定部は、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を、それら隣り合う熱電発電ユニットのうち発電量が小さい熱電発電ユニットの発電量で除し、得られた値を100倍することで算出された、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の時、その鋳片を保留する指令を発し、
保留された鋳片の検査が行われ、検出された欠陥のレベルに応じた手入れが行われることを特徴とする(4)または(5)に記載の連続鋳造設備。
本発明によれば、連続鋳造された鋳片の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電装置を有する連続鋳造設備において、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて連鋳鋳片の品質判定を行うことにより、水蒸気が存在する雰囲気でも、鋳片幅方向の表面温度差を推定することができ、鋳片表面部位の異常を可及的速やかに検出することができる。その結果、鋳片の顕熱回収を行いながら、表面品質の優れた鋳片を安定して製造することができ、歩留まりの向上、製造コストの低減などの大きな効果を得ることができる。
本発明に係る鋳片の管理方法が適用される連続鋳造設備の概略構成を示す図である。 熱電発電装置を鋳片搬送方向に沿って示す模式図である。 熱電発電装置3を鋳片幅方向に沿って示す模式図である。 熱電発電ユニットの構造を示す断面図である。 熱電発電ユニットにおける熱電発電モジュールの配置例およびサイズを示す図である。 熱電発電装置を構成する熱電発電ユニットにより鋳片の品質判定を行うための装置構成を示す図である。 、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率と鋳片割れ個数との関係を示す図である。 実施例における熱電発電ユニットの配置および熱電発電ユニットと鋳片のサイズを示す図である。 実施例における熱電発電ユニットの配置および熱電発電ユニットと鋳片のサイズを示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る鋳片の管理方法が適用される連続鋳造設備の概略構成を示す図である。
図1に示すように、連続鋳造設備1は、連続鋳造設備本体2と、熱電発電装置3とを有している。
連続鋳造設備本体2は、取鍋12からの溶鋼Lを一旦貯留する中間容器であるタンディッシュ13と、溶鋼を冷却し凝固させる鋳型14と、鋳型14から下方に引き抜かれた鋳片11を冷却させる冷却装置15と、矯正ロール等からなるローラー群16と、凝固した鋳片11を切断する切断装置(トーチカッター)17とを有する。19は鋳片11を搬送するための搬送ローラーである。なお、図示はしていないが、鋳片の温度を測定する温度計および鋳片を引き抜くためのダミーバーに関連した設備(ダミーバーテーブル等)が設けられている。
このように構成される連続鋳造設備1では、一般には、精錬段階で所定の成分に調整された鋼が取鍋12によって運搬され、レードルタレットもしくはスウイングタワーと呼ばれる設備(図示せず)にクレーンにて静置される。その後、取鍋12内の溶鋼は、タンディッシュ13を介して、鋳型14に注入される。注入された溶鋼は、鋳型14にて冷却(一次冷却)され、凝固して鋳片11となり、冷却装置15にて冷却(二次冷却)されながら、矯正ロール等ローラー群16によって引き抜かれる。その後、鋳片は切断装置(トーチカッター)17により所定の鋳込み長さで溶断される。そして、この過程で鋳片11の顕熱が熱電発電装置3により電力に変換される。
熱電発電装置3は、本例では、切断装置17の上流側に設けられているが、ローラー群16の出側から切断装置17の下流側にかけて二点鎖線で示す領域A内の任意の位置に配置することができる。なお、熱電発電装置3の配置位置は、設備が配置できれば領域Aに限らず、ローラー群16に対応する二点鎖線で示す領域Bでもよく、設備が入れば冷却装置15のセグメント内等、鋳型14よりも下流であれば特に限定されない。
次に熱電発電装置3について説明する。
図2は熱電発電装置を鋳片搬送方向に沿って示す模式図、図3は熱電発電装置3を鋳片幅方向に沿って示す模式図である。熱電発電装置3は、複数の熱電発電ユニット21と、熱電発電ユニット21を主に高さ方向に移動させる移動機構22とを有している。複数の熱電発電ユニット21は、搬送ローラー19上に搬送される熱源である鋳片11の上方に対峙して配置されている。熱電発電ユニット21は、鋳片搬送方向に複数、幅方向に複数、マトリックス状に配置されている。移動機構22により、熱電発電ユニット21と鋳片11との距離を調整することができる。移動機構22としては、パワーシリンダを好適に用いることができる。熱電発電ユニット21間の隙間は極力小さいことが好ましく、熱膨張分を考慮した程度の隙間であることが好ましい。
図4は熱電発電ユニットの構造を示す断面図である。熱電発電ユニット21は、熱電素子31としてP型およびN型の半導体が数十〜数千百対の電極32で接続されて二次元に配置された熱電素子群と、その両側に配置された絶縁材33とからなる熱電発電モジュール34が、受熱部35および放熱部36の間に介在された状態で構成されている。熱電発電モジュール34の両側または片側に熱伝導シートや保護板を設けてもよい。
受熱部35は、熱源である鋳片11から熱を受ける受熱手段を構成するものであり、典型的には受熱板として構成されている。受熱部35は、熱電発電装置3の配置位置に応じて数度から数百度程度の温度となる。受熱部35を構成する材料としては、受熱部35が到達する温度で耐熱性や耐久性を持つものであればよい。例えば、銅や銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミックス、カーボン、一般の鉄鋼材料を用いることができる。
放熱部36は、熱源に対する温度差を設けるためのものであり。従来公知のものでよく、特別の制限はないが、フィンを具備した冷却デバイスや、接触熱伝達を活用した水冷デバイス、沸騰熱伝達を活用したヒートシンク、冷媒流路を有した水冷板等が好ましい形態として例示される。
なお、熱電発電ユニットの低温側をスプレー冷却などで水冷しても、低温側は効率よく冷却されるため、冷却デバイスや水冷板等からなる放熱部36の代わりにスプレー冷媒を放熱手段として用いてもよい。特に、熱電発電ユニットを熱源より下方に設置する場合には、スプレー冷却を適用しても、スプレーを適切に配置すれば、残水はテーブル下に落下して、熱電発電ユニットの高温側を冷却することなく、熱電発電ユニットの低温側は効率よく冷却される。
また、上述したような熱電発電モジュール34の両側または片側に設けられた保護板が受熱手段や放熱手段を兼ねてもよい。また、受熱部35を構成する受熱板および/または放熱部36を構成する冷却板が絶縁材であったり、表面に絶縁材が被覆されたりしている場合は、これらを絶縁材33の代替として用いてもよい。
熱電発電ユニット21は、複数の熱電発電モジュール34により構成されている。各熱電発電モジュール34間は直列に接続されて一つの熱電発電ユニットを構成し、電力を取り出すようになっている。熱電発電モジュール34は、例えば図5に示すように、横方向に4個、縦方向に4個マトリックス状に配置されている。図5の例では、熱電発電モジュール34は50mm角であり、熱電発電モジュール34どうしの間隔は10mmで、熱電発電ユニット21の外形は250mm角である。ただし、熱電発電モジュール34は50mmに限定する必要はなく、50mm以上の大きなものや、50mm以下の小さなものにしてもよく、設置する場所の環境に応じて適宜の大きさにすればよい。また、熱電発電モジュール34は、直列に繋がずに、並列に繋いで、外部に電力を供給してもよい。
また鋳片11と熱電発電ユニット21の距離については、近ければ近いほど輻射熱が大きくなり発電量が増加するのは自明である。しかしながら、近すぎると、熱負荷が高いため、熱電発電モジュールの寿命への影響が懸念され、また、操業トラブルで鋳片と発電ユニットが物理的に接触し破損してしまうことが想定される。また熱電発電モジュールの種類によって、発電効率を高めるために最適な温度も存在している。以上のことから鋳片11と熱電発電ユニット21の距離は、状況に応じた適切な値に設定することが望ましい。
次に、熱電発電装置を構成する熱電発電ユニットによる鋳片の品質判定について図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、熱電発電ユニット21からはケーブル(図示せず)が延長されて、得られた電力がケーブルを介して取り出されるとともに、各熱電発電ユニット21の発電量のデータがデータ処理部41に送られ、そこで各熱電発電ユニット21の発電量データが随時記録され、データ処理部41の発電量データが品質判定部42に送られる。データ処理部41に記録された発電量データから鋳片11の温度を推定することができる。
品質判定部42は、鋳片11の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片11の品質判定を行う。すなわち、幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差は、鋳片11のこれらの位置に対応する温度差に対応することになり、この値により鋳片11の品質判定を行うことができる。
鋳片11の品質判定を行うためには鋳片幅方向に少なくとも3つの熱電発電ユニットが必要である。ただし、鋳片11の端部に対応する2つの熱電発電ユニットは発電量が少なくなる傾向にあり、また図6に示すように、鋳片11の幅によっては、端部の2つの熱電発電ユニットの直下に鋳片11が存在しない場合があり、このような場合には、端部の熱電発電ユニットの発電量が他の熱電発電ユニットの発電量よりも一層小さくなる。そのため、端部の2つの熱電発電ユニットを品質判定に用いないことが好ましく、その場合は、鋳片幅方向に5個以上の熱電発電ユニット21が設置されていることが好ましい。これにより、より高精度の品質判定を行うことができる。図6では鋳片幅方向に5個の熱電発電ユニットが設置された例を示しており、左側の熱電発電ユニットから順に21a、21b、21c、21d、21eの符号を付している。この例では、端部の熱電発電ユニット21a、21eは鋳片の品質判定に用いず、中央の熱電発電ユニット21b、21c、21dの3つを鋳片の品質判定に用いる。
鋳片幅方向の熱電発電ユニット21の数は多ければ多いほど、鋳片幅方向の発電量の変化、つまり、幅方向の温度差を細かく検知することができるため、鋳片幅方向の熱電発電ユニット21の数は多いほど好ましい。
品質判定に使用する時の隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率は、まず単純に隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を算出し、その後、その隣り合うユニットの発電量のうち、発電量の小さい熱電発電ユニットの発電量で除し、その値を100倍することによって算出することができる。
鋳片の品質判定の手法としては、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差に基づいて鋳片の検査を行うか否かを判定し、検査により欠陥が発見されたときに所望の手入れを行うようにしてもよいし、発電量の差に基づいて直接に鋳片の手入れを行うか否かを判定してもよい。
好ましい品質判定の手法としては、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の時、その鋳片を保留し、その鋳片を検査して、検出された欠陥のレベルに応じた手入れを行うといった手法を挙げることができる。
図7は、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率と鋳片割れ個数との関係を示す図である。この図から、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の場合に割れ個数が急激に増加することがわかる。このため、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の時に、その鋳片を検査し、検出された欠陥のレベルに応じた手入れを行う。これにより、鋳片の欠陥をより確実に検出することができる。鋳片の手入れの手法としては、溶削、スカーファー、ハンドグラインダー等があり、欠陥のレベルに応じて割れ等の品質欠陥を除去できるものを選択する。
なお、図7において、鋳片の割れ発生の検査方法は、基本的には目視によって判断した。鋳造方向に平行な縦割れは比較的明確に判定が可能であるが、鋳造方向に直行する割れは、オシレーションマークに平行になるため判断が困難となることがある。その場合は、ショットブラストなどでスケールを除去した後に判断した。割れ個数については、5mm以上の割れの個数をカウントすることにより、単位面積あたりの個数を算出した。割れ長さが5mm未満の割れの場合、割れ長さが短いと割れ深さも浅いことから、圧延によって、割れが圧着することより、製品の鋼板で欠陥にならないことがわかっている。
以上のように構成される連続鋳造設備においては、鋳片11が連続鋳造される過程で、鋳片11の顕熱が熱電発電装置3により電力に変換される。このとき、熱電発電装置3は、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて連鋳鋳片の品質判定を行うようにしたので、水蒸気が存在する雰囲気でも、鋳片表面部位の温度差による品質異常を可及的速やかに検出することができる。その結果、鋳片11の顕熱回収を行いながら、表面品質の優れた鋳片を安定して製造することができ、歩留まりの向上、製造コストの低減などの大きな効果を得ることができる。
また、熱電発電装置3を鋳片の幅方向に5個以上の熱電発電ユニット21が配列された構成とし、これら幅方向に配列された熱電発電ユニットの端部の2個を除いた熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことにより、より高精度の品質判定を行うことができる。
さらに、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の時、その鋳片を保留し、その鋳片を検査して、検出された欠陥のレベルに応じた手入れを行うことにより、鋳片の欠陥をより確実に検出することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(試験No.1、2)
試験No.1、2では、鋼種として炭素含有量が0.12%の中炭素鋼を用い、鋳造速度(Vc)をNo.1では1.4m/min、No.2では1.6m/minとして、厚み250mm、幅1950mmの鋳片を連続鋳造した。このときの二次冷却の比水量は、鋳造速度に応じ、試験No.1、2でそれぞれ1.78L/kg、2.17L/kgとした。熱電発電ユニットは鋳片の上方に設置し、図8に示すように、鋳片幅方向の数を7個(No.1−1、No.1−2、No.1−3、No.1−4、No.1−5、No.1−6、No.1−7)とした。熱電発電ユニット一つの幅が250mmであり、幅方向にほぼ隙間なく設置していることから、熱電発電装置全体の幅方向の長さは約1750mmであって、鋳片幅1950mmより狭い。よって、端部の発電ユニットNo.1−1とNo.1−7の発電出力は、スラブの端部の表面温度を表していると考えられる。また熱電発電ユニットと鋳片との距離は275mmとした。
上述の定義により隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率の最大値を求めた結果、試験No.1では熱電発電ユニットNo.1−3とNo.1−4の差で14.3%であり、実際に鋳片に割れは発生しなかった。よって、鋳片を保留することもなく、検査をすることも実施せずに無手入れで次工程の圧延に直送した。
試験No.2では、隣り合う発電ユニットの発電量の差の比率が最大54.5%となり、鋳片を保留し検査したところ、鋳片に割れが発生していることが確認された。そのため鋼板での欠陥発生防止のために、溶削に代表される鋳片の手入れを実施し、割れ部を除去して次工程へ鋳片を搬出することができた。そのため、製品の鋼板で欠陥が発生することはなかった。
(試験No.3、4)
試験No.3、4では、鋼種として炭素含有量が0.06%の低炭素鋼を用い、鋳造速度(Vc)をいずれも1.8m/minとして、厚み250mm、幅1250mmの鋳片を連続鋳造した。このときの二次冷却の比水量は、試験No.3、4でそれぞれ1.64L/kg、2.27L/kgとした。熱電発電ユニットは、試験No.1、2と同じものを用いた。すなわち、鋳片幅方向の数を7個(No.1−1、No.1−2、No.1−3、No.1−4、No.1−5、No.1−6、No.1−7)とした。熱電発電ユニット一つの幅が250mmであり、熱電発電装置全体の幅方向の長さは約1750mmであって、図9に示すように、鋳片幅1250mmより広い。つまり、端部の発電ユニットNo.1−1とNo.1−7の直下には鋳片が存在しない状態である。そのため、ユニットNo.1−1とNo.1−7は出力が小さいため品質判定には使用しなかった。また熱電発電ユニットと鋳片との距離は試験No.1、2と同様に275mmとした。
試験No.1、2と同様に、隣り合う発電ユニットの発電量の差の比率の最大値を求めた結果、試験No.3ではユニットNo.1−4とNo.1−5の差で16.7%であったことより、鋳片を保留することもなく、検査をすることも実施しなかった。
試験No.4では、隣り合う発電ユニットの発電量の差の比率が最大40.0%であったことから、鋳片を保留し検査したところ、鋳片に割れが発生していることが確認された。そのため、試験No.2と同様に、鋼板での欠陥発生防止のために、溶削に代表される鋳片の手入れを実施し、割れ部を除去して次工程へ鋳片を搬出した。そのため、製品の鋼板で欠陥が発生することはなかった。
(試験No.5、6)
試験No.5、6では、鋼種として炭素含有量が0.15%の中炭素鋼を用い、鋳造速度(Vc)をNo.5では1.6m/min、No.6では1.8m/minとして、厚み220mm、幅1950mmの鋳片を連続鋳造した。このときの二次冷却の比水量は、鋳造速度に応じ、それぞれ1.89L/kg、2.23L/kgとした。試験No.1、2と比較すると鋳片厚みが250mmから220mmと薄くなったため、鋳造速度が増大した条件である。熱電発電ユニットは、試験No.1、2と同じものを用いた。すなわち、鋳片幅方向の数を7個(No.1−1、No.1−2、No.1−3、No.1−4、No.1−5、No.1−6、No.1−7)とした。熱電発電ユニット一つの幅が250mmであり、熱電発電装置全体の幅方向の長さは約1750mmである。よって、端部の発電ユニットNo.1−1とNo.1−7の発電出力は、スラブの端部の表面温度を表していると考えられる。また熱電発電ユニットと鋳片との距離は試験No.1、2と同様に275mmとした。
試験No.1、2と同様に、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率の最大値を求めた結果、試験No.5ではユニットNo.1−4とNo.1−5の差で18.8%と20%未満であることから、実際に鋳片に割れは発生しなかった。よって、鋳片を保留することもなく、検査をすることも実施せずに無手入れで次工程の圧延に直送した。
試験No.6では、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が最大31.3%となり、鋳片を保留し検査したところ、鋳片に割れが発生していることが確認された。そのため鋼板での欠陥発生防止のために、溶削に代表される鋳片の手入れを実施し、割れ部を除去して次工程へ鋳片を搬出することができた。そのため、製品の鋼板で欠陥が発生することはなかった。
以上の結果を表1にまとめて示す
1 連続鋳造設備
2 連続鋳造設備本体
3 熱電発電装置
4 テーブルローラー
11 鋳片
12 取鍋
13 タンディッシュ
14 鋳型
15 スラブ冷却装置
16 矯正ロール等ローラー群
17 スラブ切断装置
19 搬送ローラー
21 熱電発電ユニット
22 移動機構
31 熱電素子
32 電極
33 絶縁材
34 熱電発電モジュール
35 受熱部(受熱手段)
36 放熱部(放熱手段)
41 データ処理部
42 品質判定部

Claims (6)

  1. 連続鋳造された鋳片の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電装置を有する連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法であって、
    前記熱電発電装置は、複数の熱電素子を有する熱電発電モジュールを受熱手段と放熱手段との間に設けてなる熱電発電ユニットを熱源となる鋳片に対峙するように複数配列して構成され、
    鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法。
  2. 前記熱電発電装置は、鋳片の幅方向に5個以上の熱電発電ユニットが配列され、これら幅方向に配列された熱電発電ユニットの端部の2個を除いた熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法。
  3. 鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を、それら隣り合う熱電発電ユニットのうち発電量が小さい熱電発電ユニットの発電量で除し、得られた値を100倍することで算出された、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の時、その鋳片を保留し、その鋳片を検査して、検出された欠陥のレベルに応じた手入れを行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続鋳造設備における鋳片の品質管理方法。
  4. 鋼を連続鋳造する連続鋳造設備本体と、
    連続鋳造された鋳片の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電装置と、
    鋳片の品質判定を行う品質判定部と
    を有し、
    前記熱電発電装置は、複数の熱電素子を有する熱電発電モジュールを受熱手段と放熱手段との間に設けてなる熱電発電ユニットを熱源となる鋳片に対峙するように複数配列して構成され、
    前記品質判定部は、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする連続鋳造設備。
  5. 前記熱電発電装置は、鋳片の幅方向に5個以上の熱電発電ユニットが配列され、
    前記品質判定部は、これら幅方向に配列された熱電発電ユニットの端部の2個を除いた熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を求め、その発電量の差に基づいて鋳片の品質判定を行うことを特徴とする請求項4に記載の連続鋳造設備。
  6. 前記品質判定部は、鋳片の幅方向に配列された熱電発電ユニットのうち隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差を、それら隣り合う熱電発電ユニットのうち発電量が小さい熱電発電ユニットの発電量で除し、得られた値を100倍することで算出された、隣り合う熱電発電ユニットの発電量の差の比率が20%以上の時、その鋳片を保留する指令を発し、
    保留された鋳片の検査が行われ、検出された欠陥のレベルに応じた手入れが行われることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の連続鋳造設備。
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