JP5920208B2 - 連続鋳造設備列およびそれを用いた熱電発電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造工程における熱間スラブの熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する熱電発電装置を備えた熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造設備列およびそれを用いた熱電発電方法に関するものである。
異種の導体または半導体に温度差を与えると、高温部と低温部との間に起電力が生じることは、ゼーベック効果として古くから知られており、このような性質を利用し、熱電発電素子を用いて熱を直接電力に変換することも知られている。
近年、製鉄工場等の製造設備では、例えば、上記のような熱電発電素子を用いた発電により、これまで廃熱として棄ててきたエネルギー、例えば、熱間スラブなどの鋼材の輻射による熱エネルギーを利用する取組みが推進されている。
熱エネルギーを利用する方法としては、例えば、特許文献1には、受熱装置を高温物体に対峙して配置し、高温物体の熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、回収する方法が記載されている。
特許文献2には、廃熱として処理されている熱エネルギーに、熱電素子モジュールを接触させて電気エネルギーに変換し、回収する方法が記載されている。
特開昭59−198883号公報 特開昭60−34084号公報
しかしながら、特許文献1では、板状のスラブ連鋳ラインに適用できる旨の記載があるものの、実操業におけるスラブの温度変化や、スラブ量の変動による放出熱量(熱エネルギー)の変動など、操業条件の変動による熱源温度の変化については考慮されていない。
また、特許文献2では、モジュールを、熱源に対して固定する必要があるため、連続鋳造設備のように、移動する熱源に対しては、モジュールが設置できないという問題がある。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、熱源が移動(流動)する連続鋳造設備において、放出状態が変動する熱間スラブの熱エネルギーを、効率良く電気エネルギーに変換して回収することができる熱電発電装置を備えた連続鋳造設備列およびそれを用いた熱電発電方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、熱エネルギーの放出状態に応じて、熱源と熱電発電ユニットの距離などの配置位置を調整することによって、高効率な熱電発電を行うことができることを知見し、新たな製鉄所における熱利用が可能な熱電発電装置を備えた連続鋳造設備列を、それを用いた熱電発電方法と共に開発した。
本発明は上記知見に立脚するものである
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.スラブ冷却装置とスラブ切断装置とを備えた熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造設備列において、
スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の上流、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のうちから選んだ少なくとも一の位置で、該熱間スラブに対峙し、該熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて移動可能に設置された熱電発電ユニットを有する熱電発電装置を備え
前記熱電発電ユニットを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、高温部に対して低温部では近接して設置することを特徴とする連続鋳造設備列。
2.スラブ冷却装置とスラブ切断装置とを備えた熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造設備列において、
スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の上流、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のうちから選んだ少なくとも一の位置で、該熱間スラブに対峙し、該熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて移動可能に設置された熱電発電ユニットを有する熱電発電装置を備え、
前記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、低温部に対して高温部を密に配置することを特徴とする連続鋳造設備列。
3.スラブ冷却装置とスラブ切断装置とを備えた熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造設備列において、
スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の上流、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のうちから選んだ少なくとも一の位置で、該熱間スラブに対峙し、該熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて移動可能に設置された熱電発電ユニットを有する熱電発電装置を備え、
前記熱電発電ユニットを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、高温部に対して低温部では近接して設置し、かつ前記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、低温部に対して高温部を密に配置することを特徴とする連続鋳造設備列。
4.前記熱電発電装置が、熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力を測定して求めた温度および/または出力に応じて、該熱電発電ユニットと該熱間スラブとの距離を制御する移動手段を有することを特徴とする前記1乃至3のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
5.前記熱電発電装置が、さらに熱反射材を備えることを特徴とする前記1乃至4のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
6.前記熱電発電装置が、熱間スラブの外周部を囲む形状になることを特徴とする前記1乃至5のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
7.前記熱電発電装置は、少なくとも1箇所の開口部が設けられたことを特徴とする前記1乃至6のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
8.前記熱電発電装置が、さらに、熱電発電ユニットの一体移動を行う移動手段を備えることを特徴とする前記1乃至7のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
9.前記熱電発電装置が、さらに、前記熱電発電ユニットの出力に応じて、熱電発電ユニットの稼働非稼働を判断する稼動判断手段を具えることを特徴とする前記1乃至8のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
10.前記1乃至9のいずれかに記載の熱電発電装置を備えた連続鋳造設備列を用い、スラブの熱を受熱して熱電発電を行うことを特徴とする熱電発電方法。
11.スラブ切断装置出側に熱電発電装置を備えた連続鋳造設備列を用い、前記熱電発電装置に対峙した熱間スラブの搬送速度を、連続鋳造速度以上、連続鋳造速度の1.1倍以下の速度にすることを特徴とする前記10に記載の熱電発電方法。
12.前記連続鋳造設備列の稼動判断手段を用いて、熱電発電ユニットの稼働を制御することを特徴とする前記10または11に記載の熱電発電方法。
本発明に従うことで、熱電発電ユニットと熱源(熱間スラブ)とを、発電効率の良い状態に保持することができるため、発電効率が効果的に向上する。その結果、従来に比べ、熱間スラブから放出される熱エネルギーを、高いレベルで回収することができる。
本発明の一実施形態に従う熱電発電装置の設置例を示す図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電ユニットの断面図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電装置の設置場所を示す図である。 鋼材と熱電発電ユニットとの距離に対する発電出力比の関係を表したグラフである。 本発明の一実施形態に従う熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置を示す断面図である。 aおよびbは、本発明に従う反射材付きの熱電発電装置の設置例を示す図である。 (A)および(B)は、本発明に従う熱電発電ユニットの他の設置例を示す図である。
以下、本発明を、具体的に説明する。
図1は、本発明の熱電発電装置の一実施形態を説明する模式図である。図中、1は熱電発電ユニットおよび2は熱源である。
本発明において、熱電発電装置は、熱源2に対峙して、熱源2の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて配置された熱電発電ユニット1を具備している。
本発明における熱源は、連続鋳造装置における熱間スラブ(以下、単にスラブとも言う)である。
また、本発明の熱電発電装置は、スラブの幅方向および長手方向に少なくとも一つの、熱電発電ユニットを具備している。そして、その熱電発電ユニットは、スラブに対峙する受熱手段と、少なくとも一つの熱電発電モジュールと、放熱手段とを有する。
上記受熱手段は、材質にもよるが、熱電素子の高温側温度プラス数度から数十度、場合によっては数百度程度の温度になる。それ故、受熱手段は、その温度で、耐熱性や、耐久性を持つものであればよい。例えば、銅や銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミックスの他、一般の鉄鋼材料を用いることができる。
なお、アルミニウムは融点が低いため、熱源に応じた熱設計を行い、熱に耐えられる場合に使用することができる。また、セラミックスは、熱伝導率が小さいため、受熱手段の中で温度差がついてしまうが、スラブとスラブの間に熱源が無い状態が発生する箇所においては、蓄熱効果も期待できるので使用することが可能である。
他方、放熱手段は、従来公知のものでよく、特別の制限はないが、フィンを具備した冷却デバイスや、接触熱伝達を活用した水冷デバイス、沸騰熱伝達を活用したヒートシンク、冷媒流路を有した水冷板等が好ましい形態として例示される。
また、低温側をスプレー冷却などで水冷しても、熱電発電ユニットの低温側は効率よく冷却される。特に、熱電発電ユニットを熱源より下方に設置する場合には、スプレー冷却を適用しても、スプレーを適切に配置すれば、残水はテーブル下に落下して、加熱面を冷却することなく、熱電発電ユニットの低温側は効率よく冷却される。スプレー冷却を行う場合には、スプレー冷媒が接触して冷却される側が放熱手段となる。
本発明に用いられる熱電発電モジュール5は、図2に示すように熱電素子3であるP型およびN型の半導体を数十〜数百対の電極4で接続した熱電素子群が二次元的に配列されており、その両側に配置した絶縁材6とからなる。また、上記熱電発電モジュール5は、両側もしくは片側に熱伝導シートや保護板を具備していても良い。さらにその保護板がそれぞれ、受熱手段7や放熱手段8を兼ねていても良い。
また、受熱手段および/または冷却板自体が絶縁材であったり、表面に絶縁材が被覆されたりしている場合は、絶縁材の代替としても良い。本発明の一実施形態に伴う熱電発電ユニット1は、熱電発電モジュールと、その外側に設けた受熱手段7および放熱手段8からなる。
また、熱電発電出力用の配線群も備えている。熱電発電ユニットの温度をモニタリングする熱電対を備えていても良い。
本発明では、受熱手段と熱電発電モジュールの間や、放熱手段と熱電発電モジュールの間、そして絶縁材と保護板の間などに、部材同士の熱接触抵抗を低減し、熱電発電効率の一層の向上を図るために、前述した熱伝導シートを設けることができる。この熱伝導シートは、所定の熱伝導率を有しており、熱電発電モジュールの使用環境下で用いることができるシートであれば、特に制限はないが、グラファイトシート等が例示される。なお、保護板の外側に受熱手段と放熱手段とを有することができる。
なお、本発明に従う熱電発電モジュールの大きさは、1×10−2以下とすることが好ましい。モジュールの大きさを上述程度とすることで熱電発電モジュールの変形を抑制することができるからである。より好ましくは、2.5×10−3以下である。
また、熱電発電ユニットの大きさは、1m以下とすることが好ましい。ユニットを1m以下とすることで熱電発電モジュールの相互間や、熱電発電ユニット自体の変形を抑制することができるからである。より好ましくは、2.5×10−1以下である。本発明では、上記した熱電発電ユニットを複数個同時に用いることができる。
発明者らは、様々な製造プロセスから発生する熱エネルギーを回収する技術を検討してきたが、前述したように、単に、熱源に対向して熱電発電装置を配置しただけでは、実操業における熱源の温度変動等に対応できないため、効率的な発電は難しいことを知見した。
本発明では、スラブ(熱電発電ユニットが対峙した位置および温度測定に適した近傍を含む)の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて設置された熱電発電ユニットを有している。
図3に示すように、かかる熱電発電ユニットを、連続鋳造装置のスラブ切断装置14の上流側やスラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のいずれかの位置(図中A)に、それぞれのスラブの温度に応じて移動可能に設置することで、実操業における熱源の温度変動等に対応して、効率的な発電をすることができる。
連続鋳造装置とは、図3に示したような、取鍋とタンディッシュと鋳型とスラブ冷却装置と矯正ロール等ローラー群とスラブ切断装置とで構成されている。なお、図中、9は取鍋、10はタンディッシュ、11は鋳型、12はスラブ冷却装置、13は矯正ロール等ローラー群、14はスラブ切断装置、15は温度計、16は熱電発電装置および17はダミーバーテーブルである。
また、熱電発電ユニットを、調整用スラブを回収する、いわゆるダミーバーテーブル17下面に、取り付けることも、設備の構造物を増やさないという点で好ましい。
連続鋳造工程は、高炉で作られた溶鋼が二次精錬を経て取鍋に入れられ、連続鋳造機の最上部に運ばれるところから始まる。そして、最上部の取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入する。その後、溶鋼はタンディッシュの底部から鋳型へと注がれ、鋳型に接触した溶鋼は、表面から凝固し、冷却工程を経て熱間スラブとなる。そして、さらに熱間スラブを切断する切断工程等から成っている。
ここで、本発明に従う熱電発電装置は、効率的に発電を行うため、熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御できることが重要である。例えば、図3に示すように、スラブを連続鋳造する連続鋳造装置のライン上で、熱電発電装置16の上流側に温度計15を設置し、この温度計の測定値に応じて、スラブに対峙して設置された熱電発電ユニットとスラブ表面との距離を制御することができる構成としても良い。なお、熱電発電ユニットの配置は、常法に従えばよいが、例えば、図1に示す配置になるものが好ましい。本発明では、温度差に起因する熱電発電ユニットの出力に応じて設置することも可能である。すなわち、発電出力が大きくなるように熱電発電ユニットと熱源であるスラブ(鋼板)の距離を調整する。実測出力を用いても良いし、温度などから予測される出力値を用いても良い。他に、スラブ温度が同じであっても、スラブの板厚の変動によって、熱電発電ユニットとスラブの距離が変わらないよう、熱電発電ユニットが可動することも好ましい。
なお、本発明における熱電発電装置(熱電発電ユニット)の設置は、スラブの上方に限らず下方にも設置することができ、設置箇所も1箇所に限らず、複数箇所でも良い。また、熱電発電ユニットは、ローラー群の脇や、下部にも設置することもできる。
かかる構成とすることで、スラブの幅方向などに、温度分布があった場合でも、また例えば、製品ロットの切り替え等で温度変動等があった場合でも、その温度変動に対応して、熱電発電ユニットとスラブ表面との距離を制御して熱電発電を行うことができ、結果的に、熱電発電の効率が向上する。また、鋳造開始もしくは終了時などの非定常状態においては、スラブの高さ変動などに起因する装置の破損を防ぐため、熱電発電装置自体を、発電領域から退避位置に移動したり、その後発電するときには、再度発電領域に移動したりすることが好ましい。
また、熱電発電装置が高い稼働率を維持するためには、熱源に長時間対峙する場所に、熱電発電装置を設置することが好ましい。例えば、連続鋳造装置のスラブ切断装置の上流側やスラブ切断装置の下面などが挙げられる。ここで、熱源であるスラブが熱電発電装置近傍を通過する時には電気が生じ、熱電発電装置近傍に熱源がない時には熱から電気への変換効率が悪化するが、そのような場合は、パワーコンディショナー等を介し、系統電力と連系させれば、生じた電気を問題なく利用できる。なお、独立電源として使用する場合は、太陽光発電と同様に、蓄電池を用いて、生じた電力の変動を吸収して使用することができる。
また、熱電発電装置の上流側に温度計を設置し、この温度計の測定値に応じて、熱電発電ユニットと熱間スラブとの距離を制御することができる。かかる機能を有することで、製品ロットの切り替えなど、熱間スラブの温度に変動などがあった場合でも、その温度変動等に適格に対応して、熱電発電を行うことができ、結果的に、熱電発電の効率が向上する。
なお、上記の温度計は、放射温度計などの非接触型が好ましいが、ラインが断続的に止まる場合には、止まる都度、熱電対を接触させて測ることもできる。測定の頻度としては、温度計をラインに設置して自動で定期的に測定することが望ましい。
そして、スラブの温度と最も熱電発電の効率のよい距離との関係をあらかじめ求めておけば、上記の温度計の測定値に応じて、上記した熱電発電ユニットとスラブ表面との距離を、その温度変動に応じて適切に変更することができる。
本発明では、スラブのサイズや品種に応じて、あらかじめ熱電発電ユニットの位置を設定しておいてもよい。また、サイズや品種に応じた熱電発電ユニット毎の出力電力実績から、あらかじめ、熱電発電ユニットの設置位置を設定してもよい。さらに、熱電発電ユニット毎の出力電力実績からおよび/または温度などより予測される出力電力予測から、サイズ、品種に応じてあらかじめ熱電発電ユニットとスラブ表面との距離を設定しても良い。加えて、設備導入時に、熱電発電ユニットと熱源であるスラブとの距離や、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置を決定しておいても良い。
例えば、スラブのサイズが幅:900mmで、温度が1000℃の場合は、熱電発電ユニットとスラブとの距離を280mmに、またスラブのサイズが幅:900mmで、温度が975℃の場合は、上記距離を200mmに制御すると、最も効率の良い熱電発電を行うことができる。
さらに、熱電発電ユニットの出力に応じて、熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御することができる。図4に、鋼材から熱電発電ユニットまでの距離と、定格出力時の発電出力比を1とした場合の発電出力比との関係を表したグラフを、鋼材の温度を850,900および950℃、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュール間隔を70mmとして調査した結果を示す。
上掲図4に示したような関係を求めることで、熱電発電ユニットの出力に応じて、鋼材と熱電発電ユニットの距離を調節することが可能である。本発明では、上記した鋼材の代わりに熱源をスラブとし、熱電発電ユニットの出力が大きくなるように熱電発電ユニットとスラブとの距離を調整する。その際、実測出力を用いても良いし、スラブの温度などから予測される出力値を用いても良い。
上述したように熱電発電ユニットの出力は、定格出力となるように設定するのが好ましいが、熱電素子が壊れないように、熱電発電ユニットの耐熱温度上限を考慮して設定する必要がある。耐熱上限を考慮した場合は、発電出力比の目標を適宜下げることができるが、0.1程度とする。それより小さいと効率的な熱電発電が行えないからである。また、この発電出力比は、0.5程度までとすることが好ましく、0.7程度までとすることがさらに好ましい。出力は温度差の2乗に比例するので、上記発電出力比は、温度差が定格出力時の温度差に対し、それぞれ3割、7割、8割程度に相当する。
本発明では、図1に示すように、熱電発電ユニット1を、熱源2の温度や、幅方向温度分布、形態係数および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、高温部より低温部で近接させて設置した熱電発電装置とすることが好ましい。すなわち、熱電発電ユニットを、スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、高温部に対して低温部では近接して設置することもできる。
かかる装置は、特に、温度の変更があまりない連続ラインに向いている。というのは、スラブの幅方向(スラブの進行方向に直角な方向)の温度分布および/または熱電発電ユニットの出力を、あらかじめ測定して、上記の距離に反映することで、単に平坦に熱電発電ユニットを設置した場合に比べて、熱電発電ユニットの発電効率を最適化することができるからである。
例えば、図1の中央部分は、スラブの場合、ユニットとの距離を280mmとして、端部分の距離を200mmに制御すると、効率良く熱電発電が行える。
ここに、幅方向の温度分布は、スラブの板厚分程度の位置で急激に低下する場合が多いので、特に、スラブ端部であってスラブの板厚に相当する部分について上記したように距離を制御することが好ましい。
通常、スラブの端部は温度が低く、図1に示すような実施形態の場合、熱電発電ユニットの設置箇所の形状を、楕円を半割したような形状とすることができるので、熱源を包み込む効果があり、熱流の挙動が変化するため保温効果に優れるという特長を有し、その結果、熱エネルギーの回収効果に優れた熱電発電装置とすることができる。
なお、この実施形態に対し、熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御する手段を付加すれば、実操業における熱源の温度変動等があった場合でも、適切に熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御して、一層効率良く発電できる熱電発電装置とすることができる。
本発明における熱電発電装置は、図5に示すように、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置密度を、スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて、低温部に対して高温部を密に配置したりすることができる。
かかる装置もまた、温度の変更があまりない連続ラインに向いている。というのは、スラブの幅方向(スラブの進行方向に直角な方向)の温度分布および/または熱電発電ユニットの出力を、あらかじめ測定して、上記した配置密度に反映することで、単に一定間隔で熱電発電ユニットを設置した場合に比べて、熱電発電ユニットの発電効率を最適化することができるからである。
上記配置密度を変更した具体的な例としては、スラブの直上部(中央部分)、すなわち高温部においては、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを密に配置し、スラブの端部分、すなわち低温部においては、幅方向の熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを疎に配置すれば、個々の熱電発電ユニットの発電効率を、効果的に向上させた熱電発電装置とすることができる。
例えば、図5において、熱源がスラブの場合、ユニット中央部分の熱電発電モジュールの配置を70mm間隔で、端部分は83mm間隔とすると、効率良く熱電発電が行える。また、前掲図4に示した熱電発電ユニット中の熱電発電モジュール間隔をパラメータとして熱電発電出力を調査し、その間隔を設定しても良い。
なお、上記の実施形態は、ユニット中の熱電発電モジュールの配置を粗密にしても良いし、ユニット自体を粗密に設置しても良い。
また、上記配置密度の変更は、特に、スラブの上方向に設備の設置裕度が無い場合に向いている。なお、この実施形態も、熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御する手段を付加すれば、実操業における熱源の温度変動等があった場合に、適切に熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御し、一層効率良く発電できる。
本発明における、熱電発電出力に応じとは、スラブの温度に対応して位置を変更したり、熱電発電モジュールの疎密度を変更したりすることが含まれるが、熱電発電ユニットを初期位置に設置した際などに、ユニット間の出力差があった場合、出力が小さいユニットを出力が大きくなるように動かす、すなわち、スラブに対して近接して設置するという対応も含まれる。また、温度に応じとは、単にスラブの温度を基準とするだけではなく、スラブの温度分布や形態係数を基準にすることができる。
この実施形態に対し、前述した熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御する方式を付加すれば、実操業における熱源の温度変動等があった場合でも、さらに効率良く対応できる熱電発電装置とすることができる。
また、上記の実施形態は、特に、スラブの上方向に設備の設置裕度が無い場合に向いている。なお、この実施形態も、熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御する手段を付加すれば、実操業における熱源の温度変動等があった場合でも、適切に熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御し、一層効率良く発電できる。
本発明における熱電発電装置は、図6に示すように、さらに、熱を集約する熱反射材を備えることができる。図中、18は熱反射材である。かかる熱反射材を用いることによって、個々の熱電発電ユニットに対する集熱効果が上がり、効率の良い熱電発電を行うことができる。
なお、熱反射材は、図6に示したように、スラブ(熱源2)の両脇(図中、スラブの進行方向は、図面奥から手前である。)に、設置するのが好ましい。
本発明における熱反射材の形状は、平面や、曲面、またV字やU字の断面を持つものでも良い。なお、熱反射材は平面〜凹面を持つものが良いが、凹面の熱反射材への入射角によって焦点における収差が変化するので、所定の入射角に対して最も収差が少なくなるように最適な熱反射材形状(曲率)を有するよう、一の熱反射材または複数の熱反射材面群を配置することが好ましい。
この実施形態は、図6(b)に示したように、熱電発電ユニットの任意の箇所に集熱をさせることができるので、以下に述べるように、熱電発電装置の設置裕度が一層向上するという利点がある。
また、図6(a)に示したように、熱電発電ユニットにバランスよく熱を当てることで、熱電発電ユニットを通常配置とした熱電発電装置を用いても、個々の熱電発電ユニットの発電効率を最適化することができる。さらに、図6(b)に示したように、任意の箇所に集約した熱エネルギーを、熱電発電ユニットに当てることができる。この実施形態の利点は、熱電発電ユニットの設置面積が限られている場合や、大面積の熱電発電ユニットが入手できない場合、熱電発電ユニットが上下できない場合などでも、熱反射材18を適切に動かすことで効率の良い熱電発電を行うことができるところにある。すなわち、熱反射材18は、駆動部を設け、外部信号により角度を変えることで、上記の集熱箇所を変更することもできる。
すなわち、本発明におけるスラブの温度に応じて設置された熱電発電ユニットとは、ユニット自身の距離設定のみならず、上述したような熱反射材の距離や角度の変更を行ったユニットをも含むものである。
さらに、熱反射材18の設置場所は、上掲した図6(a)および(b)のようにスラブの両サイドが考えられるが、熱電発電ユニットの設置位置に応じて、スラブの下部や上部に設置することもできる。
なお、本発明における熱反射材としては、熱エネルギー(赤外線)を反射できるものであれば特に定めはなく、鏡面仕上げをした鉄などの金属や耐熱タイル等に錫メッキなど、設置場所、物品の調達コスト等を考慮して、適宜選択することができる。
図7(A)および(B)として、本発明に従う熱電発電ユニットの設置例を示す。
本発明における熱電発電ユニットは、図7(A)および(B)として示したように、スラブ(熱源2)の外周部を囲む形状とすることもできる。
また、図7(A)にしたように、本発明にかかる熱電発電装置は、少なくとも1箇所の開口部を設けることができる。
本発明で、スラブの側面や下面に熱電発電ユニットを設置する場合は、スラブからの対流影響から、熱電発電装置とスラブとの距離:dsを上面の距離:duと比して、ds≦duとし設置することが好ましい。
従って、図中例示した、距離:aおよびcは、上述した距離:duに相当するものとすれば、距離:bおよびdは、上述した距離:dsに相当するものとなる。なお、図中同一の記号で表したbは、それぞれが異なる距離であっても良いが、それぞれの距離が上記duおよびdsの関係を満足していることが重要である。
このように、本発明では、熱源と熱電発電ユニットとの距離を、同一装置内であっても、適宜変えることができる。
熱電発電ユニットを全面に設置しない場合は、熱源の熱を外部に放出させないよう板(保温板)を設置すると、効率的な熱電発電を行うことができる。保温板の材質は、鉄やインコネルなどの金属(合金)やセラミックス等、一般的に高温物の保温板として使用されているものであって、設置場所の温度に耐えられるものであれば、特に制限はないが、板の放射率は小さいものとし、熱源からの放射熱が、板に吸収されることを低減して、熱電発電ユニットへ向かうようにすることが好ましい。
スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の位置では、熱源であるスラブが常に存在するので、熱電発電の出力量が大きくなる。そのため、熱電発電装置の設置位置として好ましい。
一方、スラブ切断装置出側ではスラブ切断から次のスラブ切断までの間、熱源であるスラブが熱電発電ユニット近くを通過する割合が間欠的になり、熱電発電出力量が小さくなる。そのため、例えば、切断後のスラブ搬送を連続鋳造速度と同等とし、熱源であるスラブが熱電発電装置近傍に位置するようにし、熱電発電出力量を大きくすることが好ましい。スラブの搬送速度をV、連続鋳造速度をVとすれば、V≧Vを満足すればよく、V≦V≦1.1Vとなる条件が更に好ましい。熱電発電装置近傍をスラブが抜けた後は、従来プロセス程度に、スラブの搬送速度を上げて搬送すると、物流への影響が無視できると同時に効率の良い熱電発電が行えるため、そのように搬送することが好ましい。なお、本発明で熱電発電装置近傍とは、熱電発電ユニットがスラブから受ける熱量で、スラブ切断装置の位置より90%程度減少するところまでを言う。熱量がそれ未満では、効率的な熱電発電が行えないからである。
本発明は、熱電発電ユニットの一体移動を行う移動手段を備えることができる。この移動手段によって、熱電発電ユニットとスラブとの距離を制御することができる。距離制御は、パワーシリンダを用いて行うことが好適である。
上記の移動する手段としては、熱電発電ユニットを一体で上下に昇降移動できるものが挙げられる。また、前後左右に移動できるものであっても、特に問題はなく使用できる。
温度変動が少ないところでは、距離を制御する手段として、例えば、熱電発電ユニットなどを、鉄板にボルトで固定し、熱電発電ユニットの移動時には、当該ボルトを緩めて適宜移動させ、再び、当該ボルトで固定するなどの手段を採用しても構わない。また、本発明では、複数の熱電発電ユニットを有する熱電発電装置としても良く、このように複数の熱電発電ユニット有する場合は、少なくとも一つの熱電発電ユニットに移動手段を有していれば良い。
また、製造開始もしくは終了時などの非定常状態においては、スラブの高さ変動などに起因する装置の破損を防ぐため、発電領域から非発電領域の退避位置に移動させたり、再度発電領域に移動させたりすることができる。
本発明では、熱電発電ユニットの距離の調整、もしくは温度計を動作させるために、熱電発電装置により変換された電力の一部または全てを使用しても良い。熱電発電装置により生成される電力と、熱電発電ユニットを稼動させる消費電力を、それぞれ予測する電力予測手段を備え、生成電力と消費電力に基づき、熱電発電ユニットを稼動させるか、させないかを判断する稼動判断手段を備えることが好ましい。
すなわち、生成される電力予測により、熱電発電ユニットを稼動させる電力が、発電電力より小さいと予測される場合は、熱電発電ユニットを動作させなくてよい。さらに、熱電素子の耐熱温度を超えることが予測される場合は、熱電発電ユニットを、少なくとも耐熱温度以下となるまで退避させるのが好ましい。
また、上記稼働判断手段は、熱電発電ユニットの出力に応じ、発電領域から非発電領域への移動の可否を判断することができる。
上記したそれぞれの実施形態は、任意に組み合わせることができる。例えば、距離の変更だけで最適な熱電発電効率を得ようとすると、極端に大きな曲率の楕円弧状の設置としなければならない場合などには、熱反射材を用いる実施形態を組合せて、その曲率を緩くすることもできる。
もちろん、本発明は、全ての実施形態の機能を同時に備えていても良いことは言うまでもない。
本発明に従う熱電発電方法は、図2に示すように、熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造装置と、熱間スラブを冷却するスラブ冷却装置と、熱間スラブを切断するスラブ切断装置とを備えた連続鋳造設備列における、スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の上流、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のうちから選んだ少なくとも一の位置に、設置熱電発電ユニット7をスラブの温度に応じて設置した熱電発電装置を用いて行うものである。
その際、前述した実施形態に従うことが重要であるが、例えば、スラブ切断装置の上流側に昇降機能付きで設置することもまたスラブ切断装置の下面に設置することもできる。さらには、調整用スラブを回収する、いわゆるダミーバーテーブル下面に、取り付けることも、設備の構造を増やさないという点で好ましい。
また、本発明に従う熱電発電方法は、図1および5乃至7に示したように、熱電発電ユニットや熱電発電モジュールの配置を変更したり、熱反射材を設置したり、稼動判断手段を用いて、熱電発電ユニットの稼働を制御したりする熱電発電装置を有した連続鋳造設備列を用いることができる。その際、前述した複数の実施形態にかかる熱電発電装置を同時に用いることもできる。
〔実施例1〕
発明例1は、熱間スラブ温度が1000℃の場合、熱電発電ユニットと熱間スラブとの距離を280mmに、熱間スラブ温度が975℃の場合、上記距離を200mmに、それぞれ制御した。一方、比較例1は、上記距離を525mmに固定した。なお、スラブの厚さは250mm、幅は900mmとした。
それぞれ、1mの面積を有する熱電発電ユニットを設置し、熱間スラブ温度が1000℃で0.5時間、熱間スラブ温度が975℃で0.5時間の熱電発電を行った。 なお、本実施例は、図3に記載の熱電発電装置の設置場所において実施した。
その結果、発明例1では、5kWの発電することができたのに対し、比較例1では、熱間スラブ温度が変化した際に発電量が低下して、2kWの発電量となった。
〔実施例2〕
発明例2は、図1に示した構成とし、中央部分は、熱電発電ユニットと熱間スラブとの距離を280mmに、端部分はその距離を200mmに制御した。一方、比較例2は、単純に熱電発電ユニットを平面的に設置した。
それぞれ、1mの面積を有する熱電発電ユニットを設置し、熱間スラブ中央部温度が1000℃で1時間の熱電発電を行った。なお、本実施例は、図3に記載の熱電発電装置の設置場所において実施した。
その結果、発明例2では、5kWの発電量を達成したのに対し、比較例2では、2kWの発電量にとどまった。
〔実施例3〕
発明例3は、熱電発電ユニット中の熱電モジュールの配置を、図5の中央部分で58mm間隔とし、端部分で60mm間隔とした。比較例3は、単純に熱電発電モジュールを67mm間隔で配置した。なお、熱電発電ユニットとスラブとの距離を640mmとした。
それぞれ、1mの面積を有する熱電発電ユニットを設置し、熱間スラブ中央部温度が1000℃で1時間の熱電発電を行った。なお、本実施例は、図3に記載の熱電発電装置の設置場所において実施した。
その結果、発明例3では、5kWの発電量を達成したのに対し、比較例3では、2kWの発電量にとどまった。
〔実施例4〕
発明例4は、図6aに示した構成とし、熱電発電ユニットを平面的に設置し、さらに熱を集約する熱反射材を設置した。比較例4は、単純に熱電発電ユニットを平面的に設置し、熱反射材を設置しなかった。
それぞれ、1mの面積を有する熱電発電ユニットを設置し、熱間スラブ温度が1000℃で1時間の熱電発電を行った。なお、本実施例は、図3に記載の熱電発電装置の設置場所において実施した。
その結果、発明例4では、5kWの発電量を達成したのに対し、比較例4では、2kWの発電量にとどまった。
〔実施例5〕
発明例5は、熱間スラブの直上において、熱間スラブ中央部温度が1000℃の場合、熱電発電ユニットと熱間スラブとの距離を280mmに、熱間スラブ中央部温度が975℃の場合、その距離を200mmに制御した。さらに、熱電発電ユニットの端においては、上記距離を、熱間スラブ中央部温度が1000℃の場合、200mmに、975℃の場合、90mmに、それぞれ制御した。
1mの面積を有する熱電発電ユニットを用い、熱間スラブ中央部温度が1000℃で0.5時間、熱間スラブ中央部温度が975℃で0.5時間の熱電発電を行ったところ、発明例5では、熱間スラブ中央部温度が1000℃の場合と、975℃の場合の両方の合計で6kWの発電量を実現した。なお、本実施例は、図3に記載の熱電発電装置の設置場所において実施した。
〔実施例6〕
発明例6は、熱電発電ユニット中の熱電モジュールを中央部分では58mm間隔に配置し、端部分では60mm間隔配置とし、さらに、熱間スラブ中央部温度が1000℃の場合、ユニットと熱間スラブとの距離を200mmに、また熱間スラブ中央部温度が950℃の場合は、その距離を40mmに制御した。
1mの面積を有する熱電発電ユニットを用い、熱間スラブ中央部温度が1000℃で0.5時間、熱間スラブ中央部温度が950℃で0.5時間の熱電発電を行ったところ、発明例6では、熱間スラブ中央部温度が1000℃の場合と、950℃の場合の両方の合計で6kWの発電量を実現した。なお、本実施例は、図3に記載の熱電発電装置の設置場所において実施した。
〔実施例7〕
発明例7は、熱間スラブ中央部温度が1000℃の場合、熱電発電ユニットと熱間スラブとの距離を200mmに、熱間スラブ中央部温度が950℃の場合、その距離を40mmに制御した。さらに、熱電発電ユニットの端部における上記距離を、それぞれ、90mm、20mmに制御した。加えて、熱電発電ユニット中の熱電モジュールを中央部分は58mm間隔に配置し、端部分は60mm間隔に配置した。
1mの面積を有する熱電発電ユニットを用い、熱間スラブ中央部温度が1000℃で0.5時間、熱間スラブ中央部温度が950℃で0.5時間の熱電発電を行ったところ、発明例7では、熱間スラブ中央部温度が1000℃の場合と、950℃の場合の両方の合計で7kWの発電量を実現した。なお、本実施例は、図3に記載の熱電発電装置の設置場所において実施した。
上記した実施例の結果から、本発明を用いた連続鋳造設備列の優れた発電効果が確認できた。なお、以上の実施例は、熱間スラブの温度に応じて熱電発電ユニットの設置場所等を変更したが、熱電発電ユニットの出力に応じて熱電発電ユニットの設置場所を決定しても同様の結果が得られることはいうまでもない。
本発明によれば、スラブから発生する熱を、効果的に電力へと変換できるので、製造工場における省エネルギー化に貢献する。
1 熱電発電ユニット
2 熱源
3 熱電素子
4 電極
5 熱電発電モジュール
6 絶縁材
7 受熱手段
8 放熱手段
9 取鍋
10 タンディッシュ
11 鋳型
12 スラブ冷却装置
13 矯正ロール等ローラー群
14 スラブ切断装置
15 温度計
16 熱電発電装置
17 ダミーバーテーブル
18 熱反射材

Claims (12)

  1. スラブ冷却装置とスラブ切断装置とを備えた熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造設備列において、
    スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の上流、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のうちから選んだ少なくとも一の位置で、該熱間スラブに対峙し、該熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて移動可能に設置された熱電発電ユニットを有する熱電発電装置を備え
    前記熱電発電ユニットを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、高温部に対して低温部では近接して設置することを特徴とする連続鋳造設備列。
  2. スラブ冷却装置とスラブ切断装置とを備えた熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造設備列において、
    スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の上流、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のうちから選んだ少なくとも一の位置で、該熱間スラブに対峙し、該熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて移動可能に設置された熱電発電ユニットを有する熱電発電装置を備え、
    前記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、低温部に対して高温部を密に配置することを特徴とする連続鋳造設備列。
  3. スラブ冷却装置とスラブ切断装置とを備えた熱間スラブを連続鋳造する連続鋳造設備列において、
    スラブ冷却装置出側からスラブ切断装置の上流、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のうちから選んだ少なくとも一の位置で、該熱間スラブに対峙し、該熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて移動可能に設置された熱電発電ユニットを有する熱電発電装置を備え、
    前記熱電発電ユニットを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、高温部に対して低温部では近接して設置し、かつ前記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを、熱間スラブの幅方向温度分布に応じ、低温部に対して高温部を密に配置することを特徴とする連続鋳造設備列。
  4. 前記熱電発電装置が、熱間スラブの温度および/または熱電発電ユニットの出力を測定して求めた温度および/または出力に応じて、該熱電発電ユニットと該熱間スラブとの距離を制御する移動手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
  5. 前記熱電発電装置が、さらに熱反射材を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
  6. 前記熱電発電装置が、熱間スラブの外周部を囲む形状になることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
  7. 前記熱電発電装置は、少なくとも1箇所の開口部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
  8. 前記熱電発電装置が、さらに、熱電発電ユニットの一体移動を行う移動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
  9. 前記熱電発電装置が、さらに、前記熱電発電ユニットの出力に応じて、熱電発電ユニットの稼働非稼働を判断する稼動判断手段を具えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の連続鋳造設備列。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の熱電発電装置を備えた連続鋳造設備列を用い、スラブの熱を受熱して熱電発電を行うことを特徴とする熱電発電方法。
  11. スラブ切断装置出側に熱電発電装置を備えた連続鋳造設備列を用い、前記熱電発電装置に対峙した熱間スラブの搬送速度を、連続鋳造速度以上、連続鋳造速度の1.1倍以下の速度にすることを特徴とする請求項10に記載の熱電発電方法。
  12. 前記連続鋳造設備列の稼動判断手段を用いて、熱電発電ユニットの稼働を制御することを特徴とする請求項10または11に記載の熱電発電方法。
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