JP6011208B2 - 熱間圧延設備列およびそれを用いた熱電発電方法 - Google Patents

熱間圧延設備列およびそれを用いた熱電発電方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延工程におけるスラブ、粗バーおよび熱延鋼帯の輻射による熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する熱電発電装置を備えた熱間圧延設備列およびそれを用いた熱電発電方法に関するものである。
異種の導体または半導体に温度差を与えると、高温部と低温部との間に起電力が生じることは、ゼーベック効果として古くから知られており、このような性質を利用し、熱電発電素子を用いて熱を直接電力に変換することも知られている。
近年、製鉄工場等の製造設備では、例えば、上記のような熱電発電素子を用いた発電により、これまで廃熱として棄ててきたエネルギー、例えば、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯などの鋼材の輻射による熱エネルギーを利用する取組みが推進されている。
熱エネルギーを利用する方法としては、例えば、特許文献1には、受熱装置を高温物体に対峙して配置し、高温物体の熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、回収する方法が記載されている。
特許文献2には、廃熱として処理されている熱エネルギーに、熱電素子モジュールを接触させて電気エネルギーに変換し、回収する方法が記載されている。
特開昭59−198883号公報 特開昭60−34084号公報
しかしながら、特許文献1では、板状のスラブ連鋳ラインに適用できる旨の記載があるものの、実操業におけるスラブの温度変化や、スラブ量の変動による放出熱量(熱エネルギー)の変動など、操業条件の変動による熱源温度の変化については考慮されていない。
また、特許文献2では、モジュールを、熱源に対して固定する必要があるため、熱間圧延設備のように、移動する熱源に対しては、当該技術を適用できないという問題がある。
さらに、従来の熱電発電方法では、鋼材の先端もしくは後端などが熱源になる非定常状態において、鋼板の高さ変動などに起因する装置の破損を防ぐため、熱電発電装置を鋼材の遠方にしか設置することができない。そして、鋼材の遠方に設置したのでは、高温物体の熱エネルギーをうまく熱電発電装置に伝えられずに、効率的な電気エネルギーの変換ができないという問題があった。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、熱源が移動(流動)する熱間圧延設備において、放出状態が変動するスラブ、粗バーおよび熱延鋼帯の熱エネルギーを、効率良く電気エネルギーに変換して回収することができる、熱電発電装置を備えた熱間圧延設備列を、それを用いた熱電発電方法と共に提供することを目的とする。
発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、熱エネルギーの放出状態に応じて、熱源と熱電発電ユニットの距離を効果的に調整することによって、高効率な熱電発電を行うことができることを知見し、新たな製鉄所における熱利用が可能な熱電発電装置を備えた熱間圧延設備列を、それを用いた熱電発電方法と共に開発した。
本発明は上記知見に立脚するものである
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.加熱されたスラブを粗圧延して粗バーとする粗圧延機と、粗バーを仕上げ圧延して熱延鋼帯とする仕上げ圧延機とを備えた熱間圧延設備列において、
スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一に対峙して配置された熱電発電ユニットと、該熱電発電ユニットの一体移動を行う移動手段とを具える熱電発電装置を、粗圧延機前から熱延鋼帯搬送路に至るまでの、スラブ搬送路、粗圧延機、粗バー搬送路、仕上げ圧延機および熱延鋼帯搬送路のいずれかの位置に備えることを特徴とする熱間圧延設備列。
2.前記熱電発電装置が、さらに、前記熱電発電ユニットの出力に応じて、該熱電発電ユニットの稼働非稼働を判断する稼動判断手段を具えることを特徴とする前記1に記載の熱間圧延設備列。
3.前記熱電発電ユニットを、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて設置することを特徴とする前記1または2に記載の熱間圧延設備列。
4.前記熱電発電ユニットを、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、高温部に対して低温部では近接して設置することを特徴とする前記1乃至3のいずれかに記載の熱間圧延設備列。
5.前記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、低温部に対して高温部を密に配置することを特徴とする前記1乃至4のいずれかに記載の熱間圧延設備列。
6.前記移動手段が、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の温度および/または熱電発電ユニットの出力を測定して求めた温度および/または出力に応じて、該熱電発電ユニットと該スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一との距離の制御を司ることを特徴とする前記1乃至5に記載の熱間圧延設備列。
7.前記熱電発電装置が、さらに熱反射材を備えることを特徴とする前記1乃至6のいずれかに記載の熱間圧延設備列。
8.前記熱電発電装置が、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の外周部を囲む形状になることを特徴とする前記1乃至7のいずれかに記載の熱間圧延設備列。
9.前記熱電発電装置は、少なくとも1箇所の開口部が設けられたことを特徴とする前記1乃至8のいずれかに記載の熱間圧延設備列。
10.前記1乃至9のいずれかに記載の熱間圧延設備列を用い、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の熱を受熱して熱電発電を行うことを特徴とする熱電発電方法。
本発明に従うことで、熱電発電ユニットと熱源(スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯)とを、発電効率の良い状態に保持することができるため、発電効率が効果的に向上する。その結果、従来に比べて、熱源から放出される熱エネルギーを、高いレベルで回収することができる。
本発明の一実施形態を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電ユニットの断面図である。 本発明の一実施形態を説明する他の模式図である。 本発明の一実施形態を示す熱電発電装置の説明図である。 本発明の一実施形態を示す他の熱電発電装置の説明図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電装置の設置場所を示す図である。 鋼材と熱電発電ユニットとの距離に対する発電出力比の関係を表したグラフである。 本発明に従う熱電発電ユニットの設置例を示す図である。 本発明に従う熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置例を示す断面図である。 (a)および(b)は、本発明に従う反射材付きの熱電発電装置の設置例を示す図である。 (A)および(B)は、本発明に従う熱電発電ユニットの他の設置例を示す図である。
以下、本発明を、具体的に説明する。
図1は、本発明の熱電発電装置の一実施形態を説明する模式図である。図中、1は熱電発電ユニット、2は移動手段、3は熱電発電装置、4はテーブルローラーおよび5は熱源である。
本発明において、熱電発電装置3は、熱源5に対峙して配置された熱電発電ユニット1と、熱電発電ユニットの移動手段2とを具備している。なお、通常、熱源5はテーブルローラーの上面にある。
本発明における熱源は、熱間圧延装置におけるスラブ、粗バーおよび熱延鋼帯(以下、単にスラブ等とも呼称する)である。
また、本発明の熱電発電装置は、スラブ等の幅方向および長手方向に少なくとも一つの、熱電発電ユニットを具備している。そして、その熱電発電ユニットは、以下に示すような、スラブ等に対峙する受熱手段と、少なくとも一つの熱電発電モジュールと、放熱手段とを有する。
受熱手段は、材質にもよるが、熱電素子の高温側温度プラス数度から数十度、場合によっては数百度程度の温度になる。それ故、受熱手段は、その温度で、耐熱性や、耐久性を持つものであればよい。例えば、銅や銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミックスの他、一般の鉄鋼材料を用いることができる。
なお、アルミニウムは融点が低いため、熱源に応じた熱設計を行い、熱に耐えられる場合に使用することができる。また、セラミックスは、熱伝導率が小さいため、受熱手段の中で温度差がついてしまうが、スラブ等とスラブ等の間に熱源が無い状態が発生する箇所においては、蓄熱効果も期待できるので使用することが可能である。
他方、放熱手段は、従来公知のものでよく、特別の制限はないが、フィンを具備した冷却デバイスや、接触熱伝達を活用した水冷デバイス、沸騰熱伝達を活用したヒートシンク、冷媒流路を有した水冷板等が好ましい形態として例示される。
また、熱電発電ユニットの低温側をスプレー冷却などで水冷しても、低温側は効率よく冷却される。特に、熱電発電ユニットを熱源より下方に設置する場合には、スプレー冷却を適用しても、スプレーを適切に配置すれば、残水はテーブル下に落下して、熱電発電ユニットの高温側を冷却することなく、熱電発電ユニットの低温側は効率よく冷却される。スプレー冷却を行う場合には、スプレー冷媒が接触して冷却される側が放熱手段となる。
本発明に用いられる熱電発電モジュール8は、図2に示すように、熱電素子6であるP型およびN型の半導体を数十〜数百対の電極7で接続した熱電素子群が二次元的に配列されており、さらにその両側に配置した絶縁材9とからなる。また、上記熱電発電モジュール8は、両側もしくは片側に熱伝導シートや保護板を具備していても良い。さらにその保護板がそれぞれ、受熱手段10や放熱手段11を兼ねていても良い。
受熱手段10および/または放熱手段11である冷却板自体が絶縁材であったり、表面に絶縁材が被覆されたりしている場合は、絶縁材9の代替としても良い。図中、1は熱電発電ユニット、6は熱電素子、7は電極、9は絶縁材および8は熱電発電モジュールであり、10は受熱手段および11は放熱手段である。
本発明では、受熱手段と熱電発電モジュールの間や、放熱手段と熱電発電モジュールの間、そして絶縁材と保護板の間などに、部材同士の熱接触抵抗を低減し、熱電発電効率の一層の向上を図るために、前述した熱伝導シートを設けることができる。この熱伝導シートは、所定の熱伝導率を有しており、熱電発電モジュールの使用環境下で用いることができるシートであれば、特に制限はないが、グラファイトシート等が例示される。
なお、本発明に従う熱電発電モジュールの大きさは、1×10−2以下とすることが好ましい。モジュールの大きさを上述程度とすることで熱電発電モジュールの変形を抑制することができるからである。より好ましくは、2.5×10−3以下である。
また、熱電発電ユニットの大きさは、1m以下とすることが好ましい。ユニットを1m以下とすることで熱電発電モジュールの相互間や、熱電発電ユニット自体の変形を抑制することができるからである。より好ましくは、2.5×10−1以下である。
本発明では、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一に対峙して配置された熱電発電ユニットと、該熱電発電ユニットの一体移動を行う移動手段とを具える熱電発電装置を、粗圧延機前から熱延鋼帯搬送路に至るまでの、スラブ搬送路、粗圧延機、粗バー搬送路、仕上げ圧延機および熱延鋼帯搬送路のいずれかの位置に備えている。
また、本発明では、複数の熱電発電ユニットを有する熱電発電装置としても良く、このように複数の熱電発電ユニット有する場合は、少なくとも一つの熱電発電ユニットに移動手段を有していれば良い。
ここで、本発明における熱電発電装置は、上記熱電発電ユニットの一体移動が可能な移動手段を有しており、この移動手段によって、熱電発電ユニットとスラブ等との距離を制御することができる。距離制御は、パワーシリンダを用いて行うことが好適である。
上記移動手段は、図1および3に示すように、熱電発電ユニットを一体で上下に昇降移動できるものが挙げられる。また、前後左右に移動できるものであっても、特に問題無く使用できる。
また、上記移動手段は、図4に示すようなスライド式や図5に示すような開閉式の移動を司る移動手段としても良い。なお、温度変動が少ないところでは、距離を制御する手段が、例えば、ボルトで熱電発電ユニットを固定したり、スライド式のボルトで熱電発電ユニットを固定したりしたものであって、当該ボルトを緩めてから移動させ、再び締めることによって熱電発電ユニットを移動させるなどの手動移動手段であっても構わない。
さらに、前述したようなスプレー冷却を行う場合、スプレー冷却装置自体は、熱電発電ユニット等と一体として移動させても移動させなくても良い。
本発明では、熱電発電ユニットの距離の調整、もしくは温度計を動作させるために、熱電発電装置により変換された電力の一部または全てを使用しても良い。熱電発電装置により生成される電力と、熱電発電ユニットを稼動させる消費電力を、それぞれ予測する電力予測手段を備え、生成電力と消費電力に基づき、熱電発電ユニットを稼動させるか、させないかを判断する稼動判断手段を備えることが好ましい。
すなわち、生成される電力予測により、熱電発電ユニットを稼動させる電力が、発電電力より小さいと予測される場合は、熱電発電ユニットを動作させなくてよい。さらに、熱電素子の耐熱温度を超えることが予測される場合は、熱電発電ユニットを、少なくとも耐熱温度以下となるまで退避させるのが好ましい。
また、上記稼働判断手段は、熱電発電ユニットの出力に応じ、発電領域から非発電領域への移動の可否を判断することができる。
本発明では、熱源として、熱間圧延ラインにおけるスラブ等の輻射による熱エネルギーを用いる。熱間圧延ラインとは、図6に示すような、加熱炉、粗圧延機、仕上げ圧延機、巻取機で構成されている。なお、熱間圧延工程とは、熱間圧延ラインの前工程または加熱炉において1000〜1200℃程度に加熱された約20〜30tの鋼塊(スラブ)を、粗圧延機で粗バーとし、さらに仕上げ圧延機で、板厚:1.2〜25mm程度の熱延鋼帯とする工程である。
ここに、本発明において、仕上げ圧延機内の鋼材は、熱延鋼帯と言う。
本発明では、移動手段に加えて、上記したスラブ等(熱電発電ユニットが対峙した位置および温度測定に適した近傍を含む)の温度(以下、単にスラブ等の温度と言う)および/または熱電発電ユニットの出力に応じて設置された熱電発電ユニットを有することができる。上掲図6に示したように、かかる熱電発電ユニットを、粗圧延機前から仕上げ圧延機を経て熱延鋼帯搬送路までのいずれかの位置(図中A乃至E)に、スラブ等の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて設置することで、実操業における熱源の温度変動等に対応して、効率的な発電をすることができる。
なお、本発明における熱電発電装置(熱電発電ユニット)の設置は、スラブ等の熱源の上方に限らず下方にも設置することができ、設置箇所も1箇所に限らず、複数箇所でも良い。
熱電発電ユニットが高い稼働率を維持するためには、スラブ等に近接する時間が長い場所に、熱電発電ユニットを設置することが好ましい。例えば、加熱炉から出たスラブが粗圧延機に到達するまでの搬送テーブル上(図6A)で、加熱時などに表面に生成した酸化スケールを取り除くデスケーリング装置の入側あるいは出側や、スラブの幅調整を行うサイジングプレス付近、粗圧延機付近(図6B)、または仕上げ圧延機前で粗バーが比較的長時間滞留する仕上げ圧延前のデスケーリング装置より上流側(図6C)、仕上げ圧延機内(図6D)、熱延鋼帯搬送路上(図6E)などが挙げられる。
また、仕上げ圧延機前の、粗圧延機から仕上げ圧延機に粗バーを搬送する間には、粗バーの温度低下抑制のために、カバーで搬送テーブルを覆う場所がある。このカバーは、開閉可能であって、温度低下を抑制する場合はカバーを閉じ、圧延機を使用しない場合はカバーを開けるような使用方法が常法である。
上記のカバーに、本発明に従う熱電発電ユニットを取り付けることができる。
ここでの粗バーの温度は、おおよそ1100℃前後であるが、片側を冷却して発電に必要な温度差を確保するため、受熱手段および放熱手段を設けることで熱電ユニットの発電効率は効果的に向上する。
熱源であるスラブ等が熱電発電装置とわずかな空間を保って通過する時には電気が生じ、熱電発電装置近傍に熱源がない時には熱から電気への変換効率が悪化するが、そのような場合は、パワーコンディショナー等を介し、系統電力と連系させれば、生じた電気を問題なく利用できる。なお、独立電源として使用する場合は、太陽光発電と同様に、蓄電池を用いて、生じた電力の変動を吸収して使用することができる。
また、熱電発電装置の上流側に温度計を設置し、この温度計の測定値に応じて、熱電発電ユニットとスラブ等との距離を制御することができる。かかる機能を有することで、製品ロットの切り替えなど、スラブ等の温度に変動などがあった場合でも、その温度変動等に適格に対応して、熱電発電を行うことができ、結果的に、熱電発電の効率が向上する。
なお、前述した温度計は、放射温度計などの非接触型が好ましいが、ラインが断続的に止まる場合には、止まる都度、熱電対を接触させて測ることもできる。測定の頻度としては、温度計をラインに設置して自動で定期的に測定することが望ましいが、製造条件が変更された場合に、作業者が手動で測定することとしても良い。
そして、熱源の温度と、最も熱電発電の効率のよい距離との関係をあらかじめ求めておけば、上記の温度計の測定値に応じて、例えば、図1および3に示したように熱電発電ユニット1と熱源5との距離を、その温度変動に応じて適切に制御することができる。
さらに、熱電発電ユニットの出力に応じて、熱電発電ユニットとスラブ等との距離を制御することができる。図7に、鋼材から熱電発電ユニットまでの距離と、定格出力時の発電出力比を1とした場合の発電出力比との関係を表したグラフを、鋼材の温度を850,900および950℃、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュール間隔を70mmとして調査した結果を示す。
上掲図7に示したような関係を求めることで、熱電発電ユニットの出力に応じて、鋼材と熱電発電ユニットの距離を調節することが可能である。本発明では、上記した鋼材の代わりに熱源をスラブ等とし、熱電発電ユニットの出力が大きくなるように熱電発電ユニットとスラブ等との距離を調整する。その際、実測出力を用いても良いし、スラブ等の温度などから予測される出力値を用いても良い。
上述したように熱電発電ユニットの出力は、定格出力となるように設定するのが好ましいが、熱電素子が壊れないように、熱電発電ユニットの耐熱温度上限を考慮して設定する必要がある。耐熱上限を考慮した場合は、発電出力比の目標を適宜下げることができるが、0.7程度までとすることが好ましい。
スラブ等に対峙させて熱電発電ユニットを設置する場合は、熱源と熱電発電ユニットとの距離に特別の制限はないが、30〜800mm程度の範囲が好ましい。なお、上面部分が熱電発電ユニットより大きく開いていても問題はない。
本発明では、スラブ等のサイズや品種に応じて、あらかじめ熱電発電ユニットの位置を設定しておいてもよい。また、サイズや品種に応じた熱電発電ユニット毎の出力電力実績から、あらかじめ熱電発電ユニットの位置を設定してもよい。さらに、熱電発電ユニット毎の出力電力実績からおよび/または温度などより予測される出力電力予測から、サイズ、品種に応じてあらかじめ熱電発電ユニットの設置場所を設定しても良い。加えて、設備導入時に、熱電発電ユニットと熱源であるスラブ等との距離や、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置を決定しておいても良い。
例えば、スラブのサイズが幅:900mmで、温度が1200℃の場合は、熱電発電ユニットとスラブとの距離を720mmに、またスラブのサイズが幅:900mmで、温度が1100℃の場合は、上記距離を530mmに移動させると、最も効率の良い熱電発電を行うことができる。
また、熱延鋼帯の温度が1000℃の場合は、熱電発電ユニットと熱延鋼帯との距離を280mmに、また熱延鋼帯の温度が950℃の場合は、上記距離を90mmに移動させると、最も効率の良い熱電発電を行うことができる。
本発明では、図8に示すように、熱電発電ユニットを、スラブ等の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じた距離に設置することができる。というのは、かかる設置態様とすることで、単に平坦に熱電発電ユニットを設置した場合に比べて、熱電発電ユニットの移動距離や回数を減らすことすることができ、電力コストを下げることができるからである。
例えば、図8の中央部分は、熱源がスラブや粗バーの場合、ユニットとの距離を720mmとして、端部分の距離を640mmに移動させて制御し、また、熱源が熱延鋼帯の場合、ユニットとの距離を280mmとして、端部分の距離を200mmに移動させて制御すると、効率良く熱電発電が行える。
幅方向の温度分布は、スラブ等端部より板厚から板厚の2倍程度の位置(以下、幅端部という)で急激に低下する場合が多いので、熱電発電ユニットを予め移動させて制御することが好ましい。というのは、上記幅端部では、熱電発電ユニットを移動させる電力に対して、得られる電力が少ないという結果になる可能性が大きいためである。
上記した熱電発電ユニットの出力等に応じて設置する実施形態は、熱電発電ユニットを、楕円の半割形状に設置することができるので、熱電発電ユニットが無い場合に比べ、熱流の挙動が変化するため、保温効果に優れるという特長を有し、その結果、熱エネルギーの回収効率に優れた熱電発電装置とすることができる。
なお、この実施形態に対し、前述した熱電発電ユニットとスラブ等との距離を制御する手段を付加することで、実操業における熱源の温度変動等があった場合でも、さらに効率良く対応することができる熱電発電装置とすることができる。
本発明における熱電発電装置は、図9に示すように、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置密度を、スラブ等の温度、温度分布、形態係数および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、低温部に対して高温部を密とすることができる。かかる装置もまた、温度の変更があまりない連続ラインに向いている。というのは、スラブ等の幅方向(スラブ等の進行方向に直角な方向)の温度分布および/または熱電発電ユニットの出力を、あらかじめ測定して、上記した配置密度に反映することで、単に一定間隔で熱電発電ユニットを設置した場合に比べて、熱電発電ユニットの発電効率を最適化することができるからである。
上記配置密度を変更した具体的な例としては、スラブ等の直上部(中央部分)、すなわち高温部においては、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを密に配置し、スラブ等の端部分、すなわち低温部においては、幅方向の熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを疎に配置すれば、個々の熱電発電ユニットの発電効率を、効果的に向上させた熱電発電装置とすることができる。
例えば、図9において、熱源がスラブや粗バーの場合、鋼材温度:1200℃、熱電発電ユニットと鋼材間距離:640mmとすると、ユニット中央部分の熱電発電モジュールの配置を55mm間隔、端部分は60mm間隔とし、また、熱源が熱延鋼帯で、鋼材温度:1000℃、熱電発電ユニットと鋼材間距離:280mmの場合、ユニット中央部分の熱電発電モジュールの配置を60mm間隔で、端部分は63mm間隔とすると、効率良く熱電発電が行える。また、前掲図7に示した熱電発電ユニット中の熱電発電モジュール間隔をパラメータとして熱電発電ユニットの出力を調査し、調査した結果を、本発明の熱電発電モジュール間隔設定のためのデータとして用いても良い。
上記の実施形態は、ユニット中の熱電発電モジュールの配置を粗密にしても良いし、ユニット自体を粗密に設置しても良い。
また、上記配置密度の変更は、特に、スラブ等の上方向に設備の設置裕度が無い場合に向いている。なお、この実施形態も、熱電発電ユニットとスラブ等との距離を制御する手段にさらに付加することで、実操業における熱源の温度変動等があった場合であっても、適切に熱電発電ユニットとスラブ等との距離を制御しつつ、一層効率良く発電できる。
本発明における、熱電発電ユニットの出力に応じとは、スラブ等の温度に対応して位置を変更したり、熱電発電モジュールの疎密度を変更したりすることであるが、熱電発電ユニットを初期位置に設置した際などに、ユニット間の出力差があった場合、出力が小さいユニットを出力が大きくなる位置に動かす、具体的には、スラブ等に対して近接して設置するという対応も含まれる。また、温度に応じとは、単にスラブ等の温度を基準とするだけではなく、スラブ等の温度分布や形態係数も基準にすることができる。
本発明における熱電発電装置は、図10aおよびbに示すように、さらに、熱を集約する熱反射材を備えることができる。図中、12は熱反射材である。かかる熱反射材を用いることによって、個々の熱電発電ユニットに対する集熱効果が上がり、効率の良い熱電発電を行うことができる。
なお、熱反射材は、図10aに示したように、スラブ等(熱源5)の両脇(図中、スラブ等の進行方向は、図面奥から手前である。)に、設置するのが、集熱効率の点で好ましい。
本発明における熱反射材の形状は、平面や、曲面、またV字やU字の断面を持つものであっても良い。なお、熱反射材は平面〜凹面を持つものが良いが、凹面の熱反射材への入射角によって焦点における収差が変化するので、所定の入射角に対して最も収差が少なくなるように最適な熱反射材形状(曲率)を有するよう、一の熱反射材または複数の熱反射材面群を設置することが好ましい。
この実施形態は、図10に示したように、熱電発電ユニットの任意の箇所に集熱をさせることができるので、以下に述べるように、熱電発電装置の設置裕度が一層向上するという利点がある。
例えば、図10aに示したように、熱電発電ユニットにバランスよく熱を集めることで、熱電発電ユニットを従来公知の設置位置とした熱電発電装置を用いても、個々の熱電発電ユニットの発電効率を最適化することができる。さらに、図10bに示したように、任意の箇所に集約した熱エネルギーを、熱電発電ユニットに照射することができる。この実施形態の利点は、熱電発電ユニットの設置面積が限られている場合や、大面積の熱電発電ユニットが入手できない場合などでも、熱電発電ユニットを移動させ、かつ熱反射材12を適切に動かすことで効率の良い熱電発電を行うことができるところにある。また、熱反射材12は、駆動部を設け、外部信号により角度を変えることで、上記の集熱箇所を変更することもできる。
従って、本発明におけるスラブ等の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて設置された熱電発電ユニットとは、距離設定されたユニットのみならず、上述したような熱反射材によって、距離や角度の変更を行うことができるユニットが含まれる。
なお、本発明における熱反射材としては、熱エネルギー(赤外線)を反射できるものであれば特に定めはなく、鏡面仕上げをした鉄などの金属や耐熱タイル等に錫メッキを施したものなど、設置場所、物品の調達コスト等を考慮して、適宜選択することができる。
さらに、熱反射材12の設置場所は、上掲した図10aおよびbのようにスラブ等の両サイドが考えられるが、熱電発電ユニットの設置位置に応じて、スラブ等の下部や上部に設置することもできる。
図11(A)および(B)に、本発明に従う熱電発電ユニットの設置例を示す。
本発明における熱電発電ユニットは、図11(A)および(B)に示したように、スラブ等(熱源5)の外周部を囲む形状とすることもできる。
本発明で、スラブ等の側面や下面に熱電発電ユニットを設置する場合は、スラブ等からの熱による対流影響から、熱電発電装置とスラブ等との距離:dsを、その上面の距離:duと比して、ds≦duの関係を満足するように設置することが好ましい。
従って、図中例示した、距離:aおよびcは、上述した距離:duに相当するものとすれば、距離:bおよびdは、上述した距離:dsに相当するものとなる。なお、図中同一の記号で表したbは、それぞれが異なる距離であっても良いが、それぞれの距離が上記duおよびdsの関係を満足していることが重要である。
このように、本発明では、特に、上述したような、スラブ等の外周部を囲む熱電発電ユニットの場合、スラブ等(熱源)と熱電発電ユニットとの距離を、同一装置内であっても、適宜変えることができる。
熱電発電ユニットを全面に設置しない場合は、熱源の熱を外部に放出させないよう板(保温板)を設置すると、効率的な熱電発電を行うことができる。保温板の材質は、鉄やインコネルなどの金属(合金)やセラミックス等、一般的に高温物の保温板として使用されているものであって、設置場所の温度に耐えられるものであれば、特に制限はないが、板の放射率は小さいものとし、熱源からの放射熱が、板に吸収されることを低減して、熱電発電ユニットへ向かうようにすることが好ましい。
図11(A)にしたように、本発明にかかる熱電発電装置は、その移動手段を用いて少なくとも1箇所の開口部を設けることができる。
この開口部は、通常、熱電発電ユニットで覆われているが、操業開始時には、この開口部から熱電発電ユニットを移動し、熱電発電装置を損傷させることなく、スラブ等が安定搬送できるようにしている。なお、この実施形態は、複数の熱電発電装置を用いて、熱源を囲むこととしても良い。
本発明では、前記した移動手段を用いることで、スラブ等の先端もしくは後端などが熱源になる非定常状態においては、鋼板の高さ変動などに起因する装置の破損を防ぐため、発電領域から退避位置に移動したり、再度発電領域に移動したりすることができる。
通板初期などでは、図1に示すように、スラブ等が熱電発電装置に衝突しないように、パスラインから1000mm以上上昇させた状態に位置させる。ついで、スラブ等の高さ変動が小さくなった際には、熱電発電装置を移動装置により、図3に示したように、スラブ等に近接させた状態とする。これにより、従来に比べ著しく効率的な熱電発電が可能となる。なお、比較的板厚が厚いものや、連続的に通材され、スラブ等の高さ変動が小さい場合は、熱電発電装置を、スラブ等に連続的に近接させた状態とする。スラブ等と熱電発電装置は10mm以上離すことが好ましい。
移動距離が大きくなると設備費も増大するため、上下に移動する場合は、3000mm遠方まで移動可能であればよい。好ましくは10mmから1000mmである。
熱電発電装置の上流側および/または下流側に距離センサを取り付け、距離センサの値を利用して、熱電装置の位置をフィードフォワードおよび/またはフィードバック制御してもよい。
また、上記した実施形態は、それぞれ任意に組み合わせることができる。例えば、距離の調整だけで、最適な熱電発電効率を得ようとした場合に、熱電発電ユニットが極端に大きな曲率の楕円弧状の設置となるときなどには、熱反射材を用いる実施形態などを組合せて、その曲率を緩和することもできる。
もちろん、本発明は、全ての実施形態を同時に備えることにしても良いのは言うまでもない。
本発明に従う熱電発電方法は、図6に示すように、スラブを粗圧延して粗バーとする粗圧延機と、粗バーを仕上げ圧延して熱延鋼帯とする仕上げ圧延機とを備えた熱間圧延設備列において、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一に対峙して配置された熱電発電ユニットと、該熱電発電ユニットの一体移動を行う移動手段とを具える熱電発電装置を、粗圧延機前から熱延鋼帯搬送路に至るまでの、スラブ搬送路、粗圧延機、粗バー搬送路、仕上げ圧延機および熱延鋼帯搬送路のいずれかの位置に設置して行うものである。
また、本発明に従う熱電発電方法は、図1、3乃至5および8乃至11に示したような形態の熱電発電装置を用いるものである。すなわち、熱電発電ユニットの一体移動が可能な移動手段を有する熱電発電装置を基本構成とし、その熱電発電ユニットは、さらに、スラブ等の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて設置されたり、スラブ等の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、高温部より低温部で近接させて設置されたり、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを、スラブ等の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、低温部より高温部で密に配置されたり、熱反射材を備えたり、スラブ等の外周部を囲んだり、少なくとも1箇所の開口部を設けたりすることができる。
なお、実施の際、前述した複数の実施形態にかかる熱電発電装置を併せて用いることもできる。
本発明に従う熱電発電装置の効果を確認するために、図2に示した構成で、1mの面積を有する熱電発電ユニットを用い、熱電発電ユニットを図6のCの位置に設置し、それぞれの熱電発電ユニットの出力を確認する試験を実施した。
発明例1として、粗バーの通板開始時、熱電発電装置と粗バーとの距離を3000mmとし、粗バー先端が通過した後、熱電発電装置を移動させ、粗バーとの距離を720mmに制御する試験を実施した。なお、粗バー温度が幅方向中央でほぼ1200℃、幅端部(粗バーの幅端面から幅方向におよそ80mm以内の範囲を示す。以下、単に幅端部と言った場合は、同じ範囲を意味する。)温度が1100℃で、幅:900mm、厚み:40mmの粗バーを使用した。
その結果、定格出力に対し、75%の出力を得た。また、幅端は62%の出力であった。
発明例2として、粗バーの通板開始時、熱電発電装置と粗バーとの距離を3000mmとし、粗バー先端が通過した後、熱電発電装置を移動させた。粗バーとの距離を720mmに制御する試験を実施した。なお、粗バー温度が幅方向全体にわたってほぼ1200℃で、幅:900mm、厚み:40mmの粗バーを使用した。
その結果、定格出力に対し、幅方向ほぼ定格出力どおり発電となったが、幅端部では83%の出力であった。
発明例3として、熱電発電ユニットを図8に示す構成とし、中央部分は、熱電発電ユニットとスラブとの距離を720mmに、幅端部はその距離を640mmに制御する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ大きさで同様の温度分布のものを用いた。
その結果、幅方向全体でほぼ定格出力が得られた。
発明例4として、熱電発電ユニットを図9に示す構成とし、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールを中央部分では55mm間隔に配置し、幅端部では60mm間隔配置とし、ユニットとスラブとの距離を640mmに制御する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ大きさで同様の温度分布のものを用いた。
その結果、幅方向でほぼ定格出力が得られた。
発明例5として、熱電発電ユニットおよび熱源の外周を図10(a)に示す構成とし、熱電発電ユニットに熱を集約する熱反射材を配置する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ大きさで同様の温度分布のものを用いた。
その結果、熱電発電ユニットはほぼ定格出力を得ることができた。
発明例6として、さらに、粗バーの外周部を囲むように、4つの熱電発電ユニットを有する熱電発電装置を設置する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ大きさで同様の温度分布のものを用いた。
その結果、熱電発電ユニットの数が増え、発明例4と比較しても2.2倍の出力が得られた。
発明例7として、粗バー上面の熱電発電ユニットのみ移動可能とし、図11(A)に示したような開口部を設ける制御を実施した。
すなわち、粗バーの通板開始時は上面を開口部とし、安定通板後は上面の熱電発電装置を粗バーに近接させる試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2同じ大きさで同様の温度分布のものを用いた。
その結果、定格出力が得られるとともに、他の熱電発電ユニットは可動させないため、当該熱電発電ユニットを可動させる分の操業コストが低減できた。
比較例は、上記発明例1と同じ熱電発電ユニットを用いて、上記発明例1と同じ場所に熱電発電ユニットを設置した。この設置の際、熱電発電装置が壊れないよう熱電発電装置と粗バーの距離を3000mmとして試験を行った。なお、粗バーは上記発明例2同じ大きさで同様の温度分布のものを用いた。
その結果、定格出力の1%程度しか出力が得られなかった。
上記した発明例および比較例の結果から、本発明を用いた熱間圧延設備列の優れた発電効果が確認できた。なお、以上の実施例は、粗バーの上方における移動手段付きの熱間圧延設備列を用いて、粗バーの温度や設置場所近傍の温度に応じて熱電発電ユニットの設置場所等を変更したが、スラブおよび熱延鋼帯の温度や、熱電発電ユニットの出力に応じて、設置場所や設置形態等を変更しても、本発明に従う限り、同様の結果が得られることを確認している。
本発明によれば、スラブ等から発生する熱を、効果的に電力へと変換できるので、製造工場における省エネルギー化に貢献する。
1 熱電発電ユニット
2 移動手段
3 熱電発電装置
4 テーブルローラー
5 鋼材
6 熱電素子
7 電極
8 熱電発電モジュール
9 絶縁材
10 受熱手段
11 放熱手段
12 熱反射材

Claims (9)

  1. 加熱されたスラブを粗圧延して粗バーとする粗圧延機と、粗バーを仕上げ圧延して熱延鋼帯とする仕上げ圧延機とを備えた熱間圧延設備列において、
    スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一に対峙して配置された熱電発電ユニットと、該熱電発電ユニットの一体移動を行う移動手段とを具える熱電発電装置を、粗圧延機前から熱延鋼帯搬送路に至るまでの、スラブ搬送路、粗圧延機、粗バー搬送路、仕上げ圧延機および熱延鋼帯搬送路のいずれかの位置に備え
    前記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールが、前記スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の低温部と高温部に配置されており、
    前記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールが、前記スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の幅方向温度分布に応じて、低温部より高温部において密に配置されていることを特徴とする熱間圧延設備列。
  2. 前記熱電発電装置が、さらに、前記熱電発電ユニットの出力に応じて、該熱電発電ユニットの稼働非稼働を判断する稼動判断手段を具えることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延設備列。
  3. 前記熱電発電ユニットを、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じて設置することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間圧延設備列。
  4. 前記熱電発電ユニットを、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の温度および/または熱電発電ユニットの出力に応じ、高温部に対して低温部では近接して設置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱間圧延設備列。
  5. 前記移動手段が、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の温度および/または熱電発電ユニットの出力を、測定して求めた温度および/または出力に応じて、該熱電発電ユニットと該スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一との距離の制御を司ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱間圧延設備列。
  6. 前記熱電発電装置が、さらに熱反射材を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱間圧延設備列。
  7. 前記熱電発電装置が、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の外周部を囲む形状になることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱間圧延設備列。
  8. 前記熱電発電装置は、少なくとも1箇所の開口部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱間圧延設備列。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱間圧延設備列を用い、スラブ、粗バーおよび熱延鋼帯のうち少なくとも一の熱を受熱して熱電発電を行うことを特徴とする熱電発電方法。
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