JP5832697B2 - 熱電発電装置およびそれを用いた熱電発電方法 - Google Patents

熱電発電装置およびそれを用いた熱電発電方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼材の輻射による熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する熱電発電装置およびそれを用いた熱電発電方法に関するものである。
異種の導体または半導体に温度差を与えると、高温部と低温部との間に起電力が生じることは、ゼーベック効果として古くから知られており、このような性質を利用し、熱電発電素子を用いて熱を直接電力に変換することも知られている。
近年、製鉄工場等の製造設備では、例えば、上記のような熱電発電素子を用いた発電により、これまで廃熱として棄ててきたエネルギー、例えば、鋼材の輻射による熱エネルギーを利用する取組みが推進されている。
熱エネルギーを利用する方法としては、例えば、特許文献1には、受熱装置を高温物体に対峙して配置し、高温物体の熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、回収する方法が記載されている。
特許文献2には、廃熱として処理されている熱エネルギーに、熱電素子モジュールを接触させて電気エネルギーに変換し、回収する方法が記載されている。
特開昭59−198883号公報 特開昭60−34084号公報
しかしながら、特許文献1では、スラブ連鋳ラインに適用できる旨の記載があるものの、実操業におけるスラブの温度分布や、スラブ量の変動による放出熱量(熱エネルギー)の変動など、操業中の熱源のばらつきについては全く考慮されていない。
また、特許文献2では、モジュールを、熱源に対して固定する必要があるため、移動する熱源に対しては、モジュールが設置できないという問題がある。
さらに、従来の熱電発電方法では、鋼材の先端もしくは後端などが熱源になる非定常状態において、鋼材の高さ変動などに起因する装置の破損を防ぐため、熱電発電装置を鋼材の遠方にしか設置することができない。そして、鋼材の遠方に設置したのでは、高温物体の熱エネルギーをうまく熱電発電装置に伝えられず、効率的な電気エネルギーの変換ができないという問題があった。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、各種の製造プロセス、特に、熱源が流動する連続鋳造ラインやスラブ連鋳ラインなどにおいて、操業中の熱源の発生状態にばらつきがある場合であっても、発生した熱エネルギーを、安定して電気エネルギーに変換して回収することができる熱電発電ユニットを備える熱電発電装置を、それを用いた熱電発電方法と共に提供することを目的とする。
発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、熱エネルギーの放出状態に応じ、熱源と熱電発電ユニットの距離などを効果的に調整することによって、高効率な熱電発電を行うことができることを知見し、特に、鋼材の製造ラインにおける、効率的な熱利用が可能な熱電発電装置を、それを用いた熱電発電方法と共に開発した。
本発明は上記知見に立脚するものである
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.鋼材の輻射による熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電ユニットを備える熱電発電装置において、
上記熱電発電装置は、上記熱電発電ユニットの一体移動が可能な移動手段を有し、かつ上記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールまたは熱電素子を、該熱電発電ユニットの出力に応じ、出力の低い低温部より出力の高い高温部で密に配置する熱電発電装置。
2.前記熱電発電ユニットが、前記鋼材に対峙し、かつ該熱電発電ユニットの出力に応じて設置されている前記1に記載の熱電発電装置。
3.前記熱電発電ユニットを、該熱電発電ユニットの出力に応じ、出力の高い高温部より出力の低い低温部で近接させて設置する前記1または2に記載の熱電発電装置。
.前記熱電発電装置が、熱反射材を備える前記1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
.前記熱電発電ユニットを、さらに、該熱電発電ユニットの温度および/または鋼材の温度に応じて設置する前記1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
.前記移動手段が、鋼材の温度、熱電発電ユニットの温度、および該熱電発電ユニットの出力のうち少なくとも一つを測定して求めた温度および/または出力に応じて、該熱電発電ユニットと該鋼材との距離を制御する移動手段である前記1乃至のいずれかに熱電発電装置。
.前記熱電発電装置が、前記鋼材の外周部を囲む形状になる前記1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
.前記熱電発電装置は、少なくとも1箇所の開口部が設けられた前記1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
.前記1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置を用い、鋼材の熱を受熱して熱電発電を行う熱電発電方法。
10.前記熱電発電ユニットが、熱電発電ユニットの温度をモニタリングする機構を備えると共に、該機構がモニタリングした温度が熱電発電ユニットの許容温度に達したときに、熱電発電ユニットの温度を、上記許容温度以下に保持するよう熱電発電ユニットを移動させる位置調整機構を備える前記1に記載の熱電発電装置。
11.前記モニタリングする機構が熱電対を有し、該熱電対が熱電発電ユニットの受熱板の温度を計測する位置に配置されている前記10に記載の熱電発電装置。
12.前記熱電発電ユニットが、鋼材に対峙し、かつ該熱電発電ユニットの温度および/または出力に応じて設置されている前記10に記載の熱電発電装置。
13.前記10乃至12のいずれかに記載の熱電発電装置を用いて、鋼材の熱を受熱して発電し、該発電した電気エネルギーを用いて該熱電発電装置の熱電発電ユニットを移動させる熱電発電方法。
本発明によれば、熱電発電ユニットと熱源とを、発電効率の良い距離等に保持することができるため、発電効率が向上し、従来に比べて、製造ラインから発生する熱エネルギーを高いレベルで回収することができる。
本発明の一実施形態を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電ユニットの断面図である。 本発明の一実施形態を説明する他の模式図である。 本発明の一実施形態を示す熱電発電装置の説明図である。 本発明の一実施形態を示す他の熱電発電装置の説明図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電装置の設置例を示す図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電装置の他の設置場所を示す図である。 本発明の一実施形態に従う熱電発電装置の他の設置場所を示す図である。 鋼材と熱電発電ユニットとの距離に対する発電出力比の関係を表したグラフである。 本発明に従う熱電発電ユニットの設置例を示す図である。 本発明に従う熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置例を示す断面図である。 管材と熱電発電ユニットとの距離に対する発電出力比の関係を表したグラフである。 (a)および(b)は、本発明に従う反射材付きの熱電発電装置の設置例を示す図である。 (a)および(b)は、本発明に従う反射材付きの熱電発電装置の他の設置例を示す図である。 (A)乃至(D)は、本発明に従う熱電発電ユニットの他の設置例を示す図である。 熱電発電ユニットに、温度モニタリング機構を取付けた例を示す図である。
以下、本発明を、具体的に説明する。
図1は、本発明の熱電発電装置の一実施形態を説明する模式図である。図中、1は熱電発電ユニット、2は移動手段、3は熱電発電装置、4はテーブルローラーおよび5は鋼材である。
本発明において、熱電発電装置3は、熱源である鋼材5に対峙して配置された熱電発電ユニット1と、熱電発電ユニットの移動手段2とを具備している。なお、通常、鋼材5はテーブルローラーの上面にある。
本発明における鋼材は、製鉄所や加工工場などで加熱され、600〜1300℃程度の温度になった鉄系金属であれば、特に制限はないが、連続鋳造機における熱間スラブや、熱間圧延装置におけるスラブ、粗バー、熱延鋼帯、および鍛接管設備における板材や管材、並びにその他鋼管、棒鋼、線材および軌条などの条鋼など(以下、単に鋼材と呼称する)が、好適例である。
また、本発明の熱電発電装置は、鋼材の幅方向および長手方向に少なくとも一つの、熱電発電ユニットを具備している。そして、その熱電発電ユニットは、鋼材に対峙する受熱手段と、少なくとも一つの熱電発電モジュールと、放熱手段とを有する。
受熱手段は、材質にもよるが、熱電素子の高温側温度プラス数度から数十度、場合によっては数百度程度の温度になる。それ故、受熱手段は、その温度で、耐熱性や、耐久性を持つものであればよい。例えば、銅や銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミックス、カーボンの他、一般の鉄鋼材料を用いることができる。
他方、放熱手段は、従来公知のものでよく、特別の制限はないが、フィンを具備した冷却デバイスや、接触熱伝達を活用した水冷デバイス、沸騰熱伝達を活用したヒートシンク、冷媒流路を有した水冷板等が好ましい形態として例示される。
また、熱電発電ユニットの低温側をスプレー冷却などで水冷しても、低温側は効率よく冷却される。特に、熱電発電ユニットを熱源より下方に設置する場合には、スプレー冷却を適用しても、スプレーを適切に配置すれば、残水はテーブル下に落下して、熱電発電ユニットの高温側を冷却することなく、熱電発電ユニットの低温側は効率よく冷却される。スプレー冷却を行う場合には、スプレー冷媒が接触して冷却される側が放熱手段となる。
本発明に用いられる熱電発電モジュール8は、図2に示すように、熱電素子6であるP型およびN型の半導体を数十〜数千対の電極7で接続した熱電素子群が二次元的に配列されており、さらにその両側に配置した絶縁材9とからなる。また、上記熱電発電モジュール8は、両側もしくは片側に熱伝導シートや保護板を具備していても良い。さらにその保護板がそれぞれ、受熱手段10や放熱手段11を兼ねていても良い。
受熱手段10および/または放熱手段11である冷却板自体が絶縁材であったり、表面に絶縁材が被覆されたりしている場合は、絶縁材9の代替としても良い。図中、1は熱電発電ユニット、6は熱電素子、7は電極、9は絶縁材および8は熱電発電モジュール、10は受熱手段および11は放熱手段である。
本発明では、受熱手段と熱電発電モジュールの間や、放熱手段と熱電発電モジュールの間、そして絶縁材と保護板の間などに、部材同士の熱接触抵抗を低減し、熱電発電効率の一層の向上を図るために、前述した熱伝導シートを設けることができる。この熱伝導シートは、所定の熱伝導率を有しており、熱電発電モジュールの使用環境下で用いることができるシートであれば、特に制限はないが、グラファイトシート等が例示される。
なお、本発明に従う熱電発電モジュールの大きさは、1×10-22以下とすることが好ましい。モジュールの大きさを上述程度とすることで熱電発電モジュールの変形を抑制することができるからである。より好ましくは、2.5×10-32以下である。
また、熱電発電ユニットの大きさは、1m2以下とすることが好ましい。ユニットを1m2以下とすることで熱電発電モジュールの相互間や、熱電発電ユニット自体の変形を抑制することができるからである。より好ましくは、2.5×10-12以下である。
本発明における熱電発電装置は、上記熱電発電ユニットの一体移動が可能な移動手段を有しており、この移動手段によって、熱電発電ユニットと鋼材との距離を制御することができる。距離制御は、パワーシリンダを用いて行うことが好適である。
上記移動手段は、図1および3に示すように、熱電発電ユニットを一体で上下に昇降移動できるものが挙げられる。また、前後左右に移動できるものであっても、特に問題無く使用できる。
なお、温度変動が少ないところでは、距離を制御する手段が、例えば、ボルトで熱電発電ユニットを固定したり、スライド式のボルトで熱電発電ユニットを固定したりしたものであって、当該ボルトを緩めてから移動させ、再び締めることによって熱電発電ユニットを移動させるなどの手動移動手段であっても構わない。
また、上記移動手段は、図4に示すようなスライド式や図5に示すような開閉式の移動を司る移動手段としても良い。
さらに、前述したようなスプレー冷却を行う場合、スプレー冷却装置自体は、熱電発電ユニット等と一体として移動させても移動させなくても良い。
本発明では、移動手段に加えて、鋼材に対峙し、熱電発電ユニットの出力に応じて設置された熱電発電ユニットを有することができる。
図6に示すように、かかる熱電発電ユニットを、連続鋳造装置のスラブ切断装置17の上流側やスラブ切断装置内、スラブ切断装置の下面およびスラブ切断装置出側のいずれかの位置(図中A)、または図7に示すように、粗圧延機前から仕上げ圧延機を経て熱延鋼帯搬送路までのいずれかの位置(図中B乃至F)、さらに、図8に示すように、鍛接管ラインの加熱炉から成形鍛接機に至るまでの鋼板搬送路(図中G)や、管材搬送路(図中H)に、それぞれの鋼材の温度に応じて設置することで、実操業における熱源の温度変動等に対応して、さらに効率的な発電をすることができる。なお、図6中、12は取鍋、13はタンディッシュ、14は鋳型、15はスラブ冷却装置、16は矯正ロール等ローラー群、17はスラブ切断装置、18は温度計、19は熱電発電装置および20はダミーバーテーブルである。また、図8中、21は鋼板、22は管材、23は加熱炉、24は成形鍛接機、25は熱間レデューサ、26はロータリーホットソー、27はクーリングベット、28はサイザー、29はストレートナーである。
また、熱電発電ユニットを、調整用スラブを回収する、いわゆるダミーバーテーブル20下面に取り付けることも、設備の構造物を増やさないという点で好ましい。
ここに、鋼材の温度は、サイズ、品種に応じて、ある程度同様であるため、サイズや品種ごとに、あらかじめ熱電発電ユニットの設置場所を設定しておくこともできる。また、熱電発電ユニット毎の出力電力実績からおよび/または温度などから予測される出力電力予測値から、サイズ、品種に応じてあらかじめ熱電発電ユニットの設置位置を設定しても良い。加えて、設備導入時に、熱電発電ユニットと熱源である鋼材との距離や、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールの配置を決定しておいても良い。
なお、本発明における熱電発電装置(熱電発電ユニット)の設置は、鋼材の上方に限らず下方や側面にも設置することができ、設置箇所も1箇所に限らず、複数箇所でも良い。
また、本発明では、図6に示したように、熱電発電装置19の上流側に温度計18を設置し、この温度計の測定値に応じて、熱電発電ユニットと鋼材との距離を制御することができる。かかる機能を有することで、例えば、製品ロットの切り替えなど、鋼材に温度変動などがあった場合でも、その温度変動などに適格に対応して熱電発電を行うことができるので、熱電発電の効率が一層向上する。
なお、前述した温度計は、放射温度計などの非接触型が好ましいが、ラインが断続的に止まる場合には、止まる都度、熱電対を接触させて測ることもできる。測定の頻度としては、温度計をラインに設置して自動で定期的に測定することが望ましいが、製造条件が変更された場合に、作業者が手動で測定することとしても良い。
そして、鋼材の温度と、最も熱電発電の効率のよい距離との関係をあらかじめ求めておけば、上記の温度計の測定値に応じて、例えば、図3に示した熱電発電ユニット1と鋼材5との距離を、その温度変動に応じて適切に制御することができる。
本発明は、さらに、熱電発電ユニットの出力に応じて、熱電発電ユニットと鋼材との距離を制御することも可能である。すなわち、発電出力が大きくなるように熱電発電ユニットと熱源である鋼材との距離を調整する。その際、実測出力を用いても良いし、鋼材の温度などから予測される出力値を用いても良い。
上述した熱電発電ユニットの出力を測定した例として、図9に、鋼材からの熱電発電ユニットの距離と、定格出力時の発電出力比を1とした場合の発電出力比との関係を、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュール間隔および鋼材の温度をパラメータとして調査した結果として示す。同図より、50mm角の熱電発電モジュールを70mm間隔に設置した熱電発電ユニットを具備した熱電発電装置を用いると、鋼材の温度が950℃の場合は、熱電発電ユニットと鋼材等との距離を340mmに、また、900℃の場合は、160mmに移動させ、設置すると、発電出力比が1となり、効率の良い熱電発電を行うことができることが分かる。すなわち、本発明では、図9のような関係を求めて、図中の発電出力比が1(定格出力)になるように距離を設定することが好ましい。
上述したように熱電発電ユニットの出力は、定格出力となるように設定するのが好ましいが、熱電素子が壊れないように、熱電発電ユニットの耐熱温度上限を考慮して設定する必要がある。耐熱温度上限を考慮した場合は、発電出力比の目標を適宜下げることができるが、0.7程度までとすることが好ましい。
本発明では、図10に示すように、熱電発電ユニットを、鋼材の温度(以下、熱電発電ユニットが対峙した位置の温度および温度測定に適した位置の温度並びにそれらの近傍の温度を含む)や、温度分布、形態係数に応じた距離、熱電発電ユニットの温度および出力のうちから選択した少なくとも一つに応じ、出力の高い高温部より出力の低い低温部で近接させて設置することができる。かかる設置は、特に、温度の変更があまりない連続ラインに向いている。というのは、鋼材の幅方向(鋼材の進行方向に直角な方向)の温度分布を、あらかじめ測定して上記の距離に反映することができ、単に平坦に熱電発電ユニットを設置した場合に比べて、熱電発電ユニットの発電効率を一層向上させることができるからである。
例えば、図10の中央部分は、ユニットと鋼材の距離を340mmに、鋼材の端部分では距離を160mmに移動させると、効率良く熱電発電が行える。
鋼材幅方向の温度分布は、鋼材の中心部分から比べると、鋼材の幅端より板厚から板厚の2倍程度に相当する位置(以下、幅端部という)で急激に低下する場合が多い。そこで、特に、幅端部について、熱電発電ユニットを移動させる、すなわち近づけるなどの制御をすることが好ましい。というのは、上記幅端部は、当該部分を移動させる電力に対して、得られる電力が少ないという結果になる可能性があるためである。
通常、鋼材の幅端部は、上述したように温度が低いものの、上記した熱電発電ユニットの出力等に応じて設置する実施形態では、熱電発電ユニットの設置する場合の形状を、例えば、楕円を半割したような形状とすることができるので、熱源を包み込む効果があり、熱流の挙動が変化するため保温効果に優れるという特長を有し、その結果、熱エネルギーの回収効果に優れた熱電発電装置とすることができる。
本発明では、この実施形態に対し、熱電発電ユニットと鋼材との距離を制御する移動手段を有しているので、実操業における熱源の温度変動等があった場合でも、適切に熱電発電ユニットと鋼材との距離を制御して、一層効率良く発電できる熱電発電装置とすることができる。
また、図11に示すように、本発明における熱電発電装置は、鋼材の温度、温度分布、形態係数、熱電発電ユニット温度および出力のうちから選択した少なくとも一つに応じて、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールまたは熱電素子の配置密度を、出力の低い低温部に対して出力の高い高温部を密とすることもできる。かかる配置もまた、温度の変更があまりない連続ラインに向いている。というのは、鋼材の幅方向(鋼材の進行方向に直角な方向)の温度分布を、あらかじめ測定して、上記した配置密度に反映することで、単に一定間隔で熱電発電モジュールまたは熱電素子を配置した場合に比べ、熱電発電ユニットの発電効率が一層向上するからである。
鋼材の直上部、すなわち出力の高い高温部においては、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールまたは熱電素子を密に配置し、鋼材の端部、すなわち出力の低い低温部においては、幅方向の熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールまたは熱電素子を疎に配置すれば、個々の熱電発電ユニットの発電効率を、効果的に向上させた熱電発電装置とすることができる。
例えば、鋼材温度:900℃、熱電発電ユニットと鋼材間距離:153mmの場合、図11の中央部分は、熱電発電ユニットの設置を70mm間隔とし、端部分は78mm間隔とすると、効率良く熱電発電が行える。また、前掲図9に示した熱電発電ユニット中の熱電発電モジュール間隔をパラメータとして、最適な熱電発電モジュール間隔を調査して設定しても良い。
上記の実施形態は、上述したように、ユニット中の熱電発電モジュールまたは熱電素子の配置を粗密にしても良いし、ユニット自体を粗密に設置しても良い。
また、上記の熱電発電モジュールまたは熱電素子の配置密度を変更する実施形態は、特に、鋼材の上方向に設備の設置裕度が無い場合に向いている。なお、この実施形態も、熱電発電ユニットと鋼材との距離を制御する移動手段にさらに付加することで、実操業における熱源の温度変動等があった場合でも、適切に熱電発電ユニットと鋼材との距離を制御しつつ、一層効率良く発電できる熱電発電装置とすることができる。
ここに、本発明における熱電発電ユニットの出力に応じとは、鋼材の温度に対応して位置を変更したり、熱電発電モジュールまたは熱電素子の配置密度を変更したりすることであるが、熱電発電ユニットを初期位置に設置した際などに、ユニット間の出力差があった場合、出力が小さいユニットを出力が大きくなる位置に動かす、具体的には、鋼材に対して近接して設置するという対応も含まれる。また、温度に応じとは、単に鋼材の温度を基準とするだけではなく、鋼材の温度分布や形態係数も基準にすることができる。
また、熱源として管材を用いた時に、熱電発電出力で制御した場合の事例を説明する。
図12に、管材からの熱電発電ユニットの距離と発電出力比との関係を、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュール間隔および管材の温度をパラメータとして調査した結果として示す。例えば、熱電発電モジュール間隔が80mmで、管材の温度が1150℃の場合は、熱電発電ユニットと管材等との距離を150mmに、また管材の温度が1000℃の場合は、上記距離を60mmに移動させ制御すると、最も効率の良い熱電発電を行うことができる。
本発明における熱電発電装置は、図13(a)および(b)に示すように、さらに、熱を集約する熱反射材を備えることができる。図中、30は熱反射材であり、1は、熱電発電ユニットである。かかる熱反射材30を用いることによって、個々の熱電発電ユニット1に対する集熱効率が上がり、さらに効率の良い熱電発電を行うことができる。
なお、熱反射材は、図13(a)に示したように、鋼材5の両脇(図中、鋼材の進行方向は、図面奥から手前である。)に、設置するのが、集熱効率の点で好ましい。
また、図13(b)に示したように、4枚の反射材と2個の熱電発電ユニットを組合せることもできる。
さらに、熱反射材30の設置場所は、上掲した図13(a)および(b)のように鋼材5の両サイドが考えられるが、熱電発電ユニットの設置位置に応じて、鋼材の下部や上部に設置することもできる。
本発明における熱反射材の形状は、平面や、曲面、またV字やU字の断面を持つものであっても良い。なお、熱反射材は平面〜凹面を持つものが良いが、凹面の熱反射材への入射角によって焦点における収差が変化するので、所定の入射角に対して最も収差が少なくなるように最適な熱反射材形状(曲率)を有するよう一の熱反射材または複数の熱反射材面群を設置することが好ましい。
本発明では、上記熱反射材は、保温板を兼ねることができる。勿論、熱反射材の外側に、さらに、熱反射材を覆うように、保温板を設置しても良い。
また、上掲した図13や、以下に説明する図14では、別途設置する場合の保温板を記載してはいないが、反射材全体を覆う形や、熱電発電ユニットおよび反射材の設置場所を開口部とする形の保温板とすることができる。
なお、熱反射材を用いた実施形態は、熱電発電ユニットの任意の箇所に集熱をさせることができるので、以下に述べるように、熱電発電装置の設置裕度が一層向上するという利点がある。
例えば、図14(a)に示したように、熱電発電ユニット1にバランスよく熱を集めることで、熱電発電ユニットを通常の平面設置とした熱電発電装置を用いても、個々の熱電発電ユニットの発電効率を一層向上させることができる。さらに、図14(b)に示したように、任意の箇所に集約した熱エネルギーを、熱電発電ユニット1に照射することができる。この実施形態の利点は、熱電発電ユニットの設置面積が限られている場合や、所望の面積の熱電発電ユニットが入手できない場合などでも、熱電発電ユニットを移動させ、かつ熱反射材30を適切に動かすことで効率の良い熱電発電を行うことができるところにある。すなわち、熱反射材30は、駆動部を設けて外部信号により角度を変えて、上記の集熱箇所を変更することもできる。
従って、本発明における鋼材の温度、熱電発電ユニットの温度および出力のうちの少なくとも一つに応じて設置された熱電発電ユニットとは、距離設定されたユニットのみならず、上述したような熱反射材によって、距離や角度の変更を行うことができるユニットが含まれる。
本発明における熱反射材としては、熱エネルギー(赤外線)を反射できるものであれば特に定めはなく、鏡面仕上げをした鉄などの金属や耐熱タイル等に錫メッキを施したものなど、設置場所、物品の調達のし易さ等を考慮して、適宜選択することができる。
図15(A)乃至(D)に、本発明に従う熱電発電ユニットの設置例を示す。
本発明における熱電発電ユニットは、図15(A)乃至(D)に示したように、鋼材の外周部を囲む形状とすることもできる。特に、この実施形態は、ラインで製造される管材や棒鋼、線材などのように、鋼材が連続的に絶え間なく搬送されて、鋼を支持するローラーテーブル或いは圧延機などが無い区間が多く存在する場所であって、鋼材下や側面にも空間が存在する箇所に適用することが好ましい。
本発明で、鋼材の側面や下面に熱電発電ユニットを設置する場合は、鋼材からの熱による対流影響から、熱電発電装置と鋼材の側面や下面との距離:dsを、熱電発電装置と鋼材の上面との距離:duとの関係で、ds≦duを満足するように設置することが好ましい。
従って、図15(A)乃至(C)中例示した、距離:a、cおよびeは、上述した距離:duに相当するものとすれば、距離:b、dおよびfは、上述した距離:dsに相当するものとなる。なお、図中同一の記号で表したb、eおよびfは、それぞれが異なる距離であっても良く、それぞれの距離が上記duおよびdsの関係を満足していることが重要である。
また、図15(D)中例示した、g、h、iおよびjは、さらに4段階に距離調整をした例を示している。そして、それぞれの距離は、g<h<i<jの関係を満足すれば良い。従って、熱源を、熱電発電ユニットで外周部を囲む形状とする場合には、下面を最も近接させ、上面に向かうに連れて徐々に離すことが好ましい。なお、図15(D)中同一の記号で表したhおよびiは、それぞれが異なる距離であっても良い。
このように、本発明では、鋼材の外周部を囲む熱電発電ユニットの場合、鋼材(熱源)と熱電発電ユニットとの距離を、同一装置内であっても、適宜変えることができる。
熱電発電ユニットを全面に設置しない場合は、熱源の熱を外部に放出させないよう板(保温板)を設置すると、効率的な熱電発電を行うことができる。保温板の材質は、鉄やインコネルなどの金属(合金)やセラミックス等、一般的に高温物の保温板として使用されているものであって、設置場所の温度に耐えられるものであれば、特に制限はないが、板の放射率は小さいものとし、熱源からの放射熱が、板に吸収されることを低減して熱電発電ユニットへ向かうようにすることが好ましい。
図15(A)に示したように、本発明にかかる熱電発電装置は、その移動手段を用いて少なくとも1箇所の開口部を設けることができる。
この開口部は、通常、熱電発電ユニットで覆われているが、操業開始時には、この開口部から熱電発電ユニットを移動し、熱電発電装置を損傷させることなく、鋼材が安定搬送できるようにしている。なお、この実施形態は、複数の熱電発電装置を用いて、熱源を囲むこととしても良い。
本発明では、前記した移動手段を用いることで、鋼材の先端もしくは後端などが熱源になる非定常状態においては、鋼材の高さ変動などに起因する装置の破損を防ぐため、発電領域から退避位置に移動したり、再度発電領域に移動したりすることができる。
鋼材の通材初期などでは、図1に示すように、鋼材が熱電発電装置に衝突しないように、パスラインから1000mm以上上昇させた状態に位置させる。ついで、鋼材の高さ変動が小さくなった際には、熱電発電装置を移動装置により、図3に示したように、鋼材に近接させた状態とする。また、比較的板厚が厚いものや、連続的に通材され、鋼材の高さ変動が小さい場合には、図3に示したように、熱電発電装置を鋼材に近接させた状態とする。鋼材と接触して熱電発電装置が破損したり、鋼材を傷つけたりしないよう、鋼材と熱電発電装置は10mm以上離すことが好ましい。
しかしながら、移動距離が大きくなると設備費も増大してしまう。そのため、上下に移動する場合は、3000mm程度遠方まで移動可能であれば十分である。好ましい移動距離は10mmから1000mmである。
さらに、本発明の熱電発電装置では、熱電発電装置の上流側および/または下流側に距離センサを取り付け、距離センサの値を利用して、熱電発電装置の位置を、フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御により設定してもよい。
上記したそれぞれの実施形態は、任意に組み合わせることができる。例えば、距離の調整だけで、最適な熱電発電効率を得ようとした場合に、熱電発電ユニットが極端に大きな曲率の楕円弧状の設置となるときなどには、熱反射材を用いる実施形態などを組合せて、その曲率を緩和することもできる。
さらに、本発明は、図16に示すように、熱電発電ユニットに、温度モニタリングをする、温度モニタリング機構を備えることができる。この温度モニタリング機構は、温度センサ、例えば熱電対を用いて、鋼材や管材から受熱している熱電発電ユニットの温度が許容温度範囲(例えば、熱電発電モジュールの耐熱温度があげられ、本発明のBiTe系モジュールでは、280℃までであって、特に、効率的に発電できる250〜280℃)に入っているか否かをモニタする。モニタリングの結果、熱電発電ユニットの許容温度に達した場合には、許容温度以下に保持するよう、鋼材と熱電発電ユニットとの距離を手動または自動で調整する、位置調整機構を備えている。
すなわち、位置調整機構は、熱電発電装置が耐熱温度を超えて破壊されないよう、好ましくは、温度センサからの情報から熱電発電ユニットの温度が許容温度に達した場合に、自動で位置を調整する。例えば、図4,5のように移動させることが好ましい。
また、上記位置調整機構は、熱電発電ユニットに、温度モニタリング機構である温度センサ、例えば熱電対を取付けて、鋼材や管材から受熱している熱電発電ユニットの温度が効率的に発電できる温度、例えば、250〜280℃に入っているか否かをモニタし、外れた場合には、鋼材と熱電発電ユニットとの距離を手動または自動で調整する機構を備えている。なお、上記位置調整機構は、移動手段と兼ねることができる。
もちろん、本発明は、上記温度モニタリング機構や、位置調整機構に加え、他の全ての実施形態を適宜備えることができるのは言うまでもない。
本発明に従う熱電発電方法は、鋼材の輻射による熱エネルギーを、電気エネルギーに変換するものである。それ故、例えば、図6乃至8に示すような製造ラインにおいて、図1または図3乃至5、図10乃至11或いは13乃至16に示したような形態の熱電発電装置、すなわち、熱電発電ユニットの一体移動が可能な移動手段を有する熱電発電装置を基本構成として、その熱電発電ユニットを、鋼材の温度、熱電発電ユニットの温度、および該熱電発電ユニットの出力のうち少なくとも一つに応じて設置したり、鋼材の温度、熱電発電ユニットの温度、および該熱電発電ユニットの出力のうち少なくとも一つに応じ、出力の高い高温部より出力の低い低温部で近接させて設置したり、熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールまたは熱電素子を、鋼材の温度、熱電発電ユニットの温度、および該熱電発電ユニットの出力のうち少なくとも一つに応じ、出力の低い低温部より出力の高い高温部で密に配置したり、熱反射材を備えたり、鋼材の外周部を囲んだり、少なくとも1箇所の開口部が設けられた構成になったりしている。
なお、本発明に従う熱電発電装置を用いて、鋼材の熱を受熱して発電し、この発電した電気エネルギーを用いて該熱電発電装置の熱電発電ユニットを移動させることもできる。また、本発明に従う熱電発電方法を実施する際には、前述した複数の実施形態にかかる熱電発電装置を適宜組合せて用いることができる。
本発明に従う熱電発電装置の効果を確認するために、50mm角の熱電発電モジュールを70mm間隔に設置した熱電発電ユニットを具備した熱電発電装置であって、1m2の面積を有する熱電発電装置を用い、熱電発電ユニットを図7に示したCの位置に設置し、それぞれの熱電発電ユニットの出力を確認する試験を実施した。
発明例1として、粗バーの通板開始時、熱電発電装置と粗バーとの距離を3000mmとし、粗バー先端が通過した後、熱電発電装置を移動させ、粗バーとの距離を775mmに制御する試験を実施した。なお、鋼材温度が幅方向中央でほぼ1100℃、幅端部(幅端からおよそ80mm以内の範囲)温度が1050℃で、幅:900mm、厚み:40mmの粗バーを使用した。
その結果、定格出力に対し、75%の出力を得た。また、幅端部は60%の出力であった。
発明例2として、粗バーの通板開始時、熱電発電装置と粗バーとの距離を3000mmとし、粗バー先端が通過した後、熱電発電装置を移動させた。粗バーとの距離を670mmに制御する試験を実施した。なお、鋼材温度が幅方向全体にわたってほぼ1100℃で、幅:900mm、厚み:40mmの粗バーを使用した。
その結果、定格出力に対し、幅方向ほぼ定格出力どおり発電となったが、幅端部では80%の出力であった。
発明例3として、図10に示す構成とし、中央部分は、熱電発電ユニットとスラブとの距離を670mmに、幅端部はその距離を580mmに制御する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ温度分布のものを用いた。
その結果、幅方向全体でほぼ定格出力が得られた。
発明例4として、図11に示す構成とし、熱電発電ユニット中の熱電モジュールを中央部分では70mm間隔に配置し、幅端部では79mm間隔配置とし、ユニットとスラブとの距離を670mmに制御する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ温度分布のものを用いた。
その結果、幅方向でほぼ定格出力が得られた。ただし、発明例3と比較して幅端部で熱電発電モジュールの個数が少なくなったため、総出力は発明例3より小さくなった。
発明例5として、熱電発電ユニット中の熱電モジュールを中央部分では63mm間隔に配置し、幅端部では70mm間隔配置とし、ユニットとスラブとの距離を580mmに制御する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ温度分布のものを用いた。
その結果、幅方向でほぼ定格出力が得られた。この場合、発明例3と比較して熱電発電モジュールの個数が多いため、総出力は発明例3より大きくなった。
発明例6として、図13(a)に示す構成とし、熱電発電ユニットに熱を集約する熱反射材を配置する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ温度分布のものを用いた。
その結果、熱電発電ユニットはほぼ定格出力を得ることができた。
発明例7として、さらに、粗バーの外周部を囲むように、4つの熱電発電装置を設置する試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ温度分布のものを用いた。
その結果、熱電発電ユニットの数が増え、発明例4と比較しても2.1倍の出力が得られた。
発明例8として、粗バー上面の熱電発電ユニットのみ移動可能とし、開口部を設ける制御を実施した。
すなわち、粗バーの通板開始時は上面を開口部とし、安定通板後は上面の熱電発電装置を粗バーに近接させる試験を実施した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ大きさで同様の温度分布のものを用いた。
その結果、装置を破損させること無く、全熱電発電装置でほぼ定格出力が得られた。
発明例9では、熱電発電ユニットに取り付けた温度モニタリング機構を用い、受熱板温度が250〜280℃の範囲になるよう移動手段で距離を調整した。なお、粗バーは上記発明例2と同じ温度分布のものを用いた。その結果、幅方向全体でほぼ定格出力が得られた。
発明例10では、熱電発電ユニットに取り付けた温度モニタリング機構を用い、試験を実施した。受熱板温度が280℃を超えたので、自動的に移動手段が働き、熱電発電ユニットを熱源から遠方に退避させた。その結果、熱電発電モジュールは耐熱温度以下で運用でき、性能を維持できた。
比較例1は、上記発明例1と同じ熱電発電ユニットおよび粗バーを用いて、上記発明例1と同じ場所に熱電発電ユニットを設置した。この設置の際、熱電発電装置が破損しないよう熱電発電装置と粗バーの距離を3000mmとして試験を行った。その結果、定格出力の1%程度しか出力が得られなかった。
比較例2では、長期間の使用により熱電発電性能が劣化した熱電発電モジュールを含んだ熱電発電ユニットが含まれていた装置を使用していた際、出力をモニタリングしていたが、温度をモニタリングしていなかったので、一部の熱電発電モジュールが許容温度超となり、一部の熱電発電装置が破損した。
以上の発明例および比較例の結果から、本発明に従う熱電発電装置の効果が確認できた。なお、以上の実施例は、非定常状態の回避や、鋼材である粗バーの温度に応じて熱電発電ユニットの設置場所を移動させたが、その他、連続鋳造における熱間スラブや、熱間圧延装置におけるスラブや、熱延鋼帯、および鍛接管設備における板材や管材、並びにその他鋼管、棒鋼、線材および軌条などの条鋼の温度に応じて移動したり、また熱電発電ユニットの出力に応じて移動したり、さらには、外周部を囲んだ熱電発電装置や、開口部を有する熱電発電装置を移動したりしても同様の結果が得られることを確認している。
本発明によれば、鋼材から発生する熱を、効果的に電力へと変換できるので、製造工場における省エネルギーに貢献する。
1 熱電発電ユニット
2 移動手段
3 熱電発電装置
4 テーブルローラー
5 鋼材
6 熱電素子
7 電極
8 熱電発電モジュール
9 絶縁材
10 受熱手段
11 放熱手段
12 取鍋
13 タンディッシュ
14 鋳型
15 スラブ冷却装置
16 矯正ロール等ローラー群
17 スラブ切断装置
18 温度計
19 熱電発電装置
20 ダミーバーテーブル
21 鋼板
22 管材
23 加熱炉
24 成形鍛接機
25 熱間レデューサ
26 ロータリーホットソー
27 クーリングベット
28 サイザー
29 ストレートナー
30 熱反射材

Claims (13)

  1. 鋼材の輻射による熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電ユニットを備える熱電発電装置において、
    上記熱電発電装置は、上記熱電発電ユニットの一体移動が可能な移動手段を有し、かつ上記熱電発電ユニット中の熱電発電モジュールまたは熱電素子を、該熱電発電ユニットの出力に応じ、出力の低い低温部より出力の高い高温部で密に配置する熱電発電装置。
  2. 前記熱電発電ユニットが、前記鋼材に対峙し、かつ該熱電発電ユニットの出力に応じて設置されている請求項1に記載の熱電発電装置。
  3. 前記熱電発電ユニットを、該熱電発電ユニットの出力に応じ、出力の高い高温部より出力の低い低温部で近接させて設置する請求項1または2に記載の熱電発電装置。
  4. 前記熱電発電装置が、熱反射材を備える請求項1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
  5. 前記熱電発電ユニットを、さらに、該熱電発電ユニットの温度および/または鋼材の温度に応じて設置する請求項1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
  6. 前記移動手段が、鋼材の温度、熱電発電ユニットの温度、および該熱電発電ユニットの出力のうち少なくとも一つを測定して求めた温度および/または出力に応じて、該熱電発電ユニットと該鋼材との距離を制御する移動手段である請求項1乃至のいずれかに熱電発電装置。
  7. 前記熱電発電装置が、前記鋼材の外周部を囲む形状になる請求項1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
  8. 前記熱電発電装置は、少なくとも1箇所の開口部が設けられた請求項1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の熱電発電装置を用い、鋼材の熱を受熱して熱電発電を行う熱電発電方法。
  10. 前記熱電発電ユニットが、熱電発電ユニットの温度をモニタリングする機構を備えると共に、該機構がモニタリングした温度が熱電発電ユニットの許容温度に達したときに、熱電発電ユニットの温度を、上記許容温度以下に保持するよう熱電発電ユニットを移動させる位置調整機構を備える請求項1に記載の熱電発電装置。
  11. 前記モニタリングする機構が熱電対を有し、該熱電対が熱電発電ユニットの受熱板の温度を計測する位置に配置されている請求項10に記載の熱電発電装置。
  12. 前記熱電発電ユニットが、鋼材に対峙し、かつ該熱電発電ユニットの温度および/または出力に応じて設置されている請求項10に記載の熱電発電装置。
  13. 請求項10乃至12のいずれかに記載の熱電発電装置を用いて、鋼材の熱を受熱して発電し、該発電した電気エネルギーを用いて該熱電発電装置の熱電発電ユニットを移動させる熱電発電方法。
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