JP2014172052A - 鋳片の温度分布測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳片の幅方向端部の位置を特定して、鋳片幅方向の温度分布を得る鋳片の温度分布測定方法を提供する。
【解決手段】連続鋳造中の鋳片10表面の幅方向の温度分布を計測する鋳片の温度分布測定方法において、鋳片10までの距離が、鋳片10の厚み方向に1〜4m、かつ、鋳片10の幅方向に400〜1400mmとなる位置に、温度測定装置11の計測部12を配置し、温度測定装置11の計測によって得た鋳片10の幅方向に沿った温度分布Tの中で、最高温度が600℃を超える山状で温度測定装置11に最も近い温度領域Aを検索し、温度分布Tの中で、温度領域Aに比べて温度測定装置11から遠く、温度領域Aに最も近い谷状で、最低温度が温度領域Aの最高温度より50℃以上低い温度領域Bを特定し、温度領域Bの最低温度の位置に鋳片10の幅方向端部が位置していると定める。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続鋳造設備の二次冷却帯における鋳片表面の幅方向の温度分布を計測する鋳片の温度分布測定方法に関する。
二次冷却帯において連続鋳造中の鋳片表面の幅方向の温度分布を計測することは、鋳片に表面割れ等が発生するのを防止するためや、鋳片に表面割れが発生しているのを検出するために重要である。そして、鋳片幅方向の温度分布を基にして鋳片の表面割れを防止する具体的な方法が特許文献1に記載されている。
この方法は、鋳片幅方向の温度分布を計測できることが前提となっているが、実際に、正確な鋳片の幅方向の温度分布を得るには解決すべき課題が存在し、その課題の一つを解決する方法が特許文献2に記されている。
特許文献2には、連続鋳造器の二次冷却帯において、鋳片に冷却水が吹き付けられて鋳片の周りに発生する水蒸気が、鋳片の正確な温度計測を妨げるという課題が記載されている。そして、この課題を、ノズルからの冷却水の噴霧を一時的に停止して水蒸気の発生を抑制した状態にした後、鋳片の表面温度を計測することで解決している。
なお、特許文献2には、単に、鋳片の表面温度を計測すると記されているだけで、鋳片の幅方向の温度分布を計測する旨の記載はない。
特開2009−50913号公報 特開2009−195959号公報
しかしながら、特許文献1、2には、鋳片の幅方向端部の位置をどのように検出するかについての記載がない。そして、鋳片の幅方向端部の位置が特定できなければ、温度の各計測点が鋳片の幅方向のどの位置に対応するかが定まらず、正確な鋳片の幅方向の温度分布を得ることはできない。
一般的に、一つの連続鋳造機において、幅の異なる鋳片が連続鋳造されるので、鋳片幅方向の端部の位置は一定ではなく、鋳片幅方向の端部の位置は、鋳片ごとに特定する必要がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、鋳片の幅方向端部の位置を特定して、鋳片幅方向の温度分布を得る鋳片の温度分布測定方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る鋳片の温度分布測定方法は、連続鋳造中の鋳片表面の幅方向の温度分布を計測する鋳片の温度分布測定方法において、前記鋳片までの距離が、該鋳片の厚み方向に1〜4m、かつ、該鋳片の幅方向に400〜1400mmとなる位置に、温度測定装置の計測部を配置し、前記温度測定装置の計測によって得た前記鋳片の幅方向に沿った温度分布Tの中で、最高温度が600℃を超える山状で前記温度測定装置に最も近い温度領域Aを検索し、前記温度分布Tの中で、前記温度領域Aに比べて前記温度測定装置から遠く、前記温度領域Aに最も近い谷状で、最低温度が前記温度領域Aの最高温度より50℃以上低い温度領域Bを特定し、前記温度領域Bの最低温度の位置に前記鋳片の幅方向端部が位置していると定める。
本発明に係る鋳片の温度分布測定方法において、前記温度測定装置は、測定波長が0.5〜2.0μmの走査型放射温度計であるのが好ましい。
本発明に係る鋳片の温度分布測定方法は、鋳片までの距離が、鋳片の厚み方向に1〜4m、かつ、鋳片の幅方向に400〜1400mmとなる位置に、温度測定装置の計測部を配置し、温度測定装置の計測によって得た鋳片の幅方向に沿った温度分布Tの中で、最高温度が600℃を超える山状で温度測定装置に最も近い温度領域Aを検索し、温度分布Tの中で、温度領域Aに比べて温度測定装置から遠く、温度領域Aに最も近い谷状で、最低温度が温度領域Aの最高温度より50℃以上低い温度領域Bを特定し、温度領域Bの最低温度の位置に鋳片の幅方向端部が位置していると定める。
従って、温度測定装置により、鋳片の長辺表面及び短辺表面を捉えた上で、鋳片表面の温度特性から確実に鋳片の幅方向端部を特定でき、その結果、鋳片の長辺表面の幅方向の温度分布を安定的に得ることが可能である。
本発明の一実施の形態に係る鋳片の温度分布測定方法が適用される温度測定装置と鋳片の位置関係を示す説明図である。 温度分布Tを模式的に示すグラフである。 実施例に係る温度分布を示すグラフである。 (A)、(B)は、比較例に係る温度分布を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る鋳片の温度分布測定方法が適用される鋳片10は、断面が矩形であり、本実施の形態では、幅(長辺の長さ)が800〜1700mm、厚み(短辺の長さ)が200〜300mmである。
鋳片10は、鋳片10から離れた位置に配された温度測定装置11を用いて、連続鋳造中に長辺表面の鋳片10の幅方向の温度分布が計測される。
鋳片10の長辺表面の温度分布を計測するにあたっては、その計測結果が正確であるか否かが温度測定装置11の配置により左右されることが、論理的検証及び実験的検証によって確認されている。なお、ここでいう”正確”とは、計測された鋳片10の長辺表面の温度分布を基にすることで、鋳片10の長辺表面の割れが確認でき、更に、鋳片10の長辺表面の割れを防止する制御が行える範囲で、計測誤差が収められていることを意味する。
以下、鋳片10の長辺表面の鋳片10の幅方向の温度分布を正確に計測するための温度測定装置11の位置について説明する。
鋳片10の厚み方向の異なる位置において、温度計測についての環境が同じであれば、鋳片10と温度測定装置11の距離が長くなることにより温度測定装置11の計測精度が低下し、反対に、その距離が短くなることにより温度測定装置11の計測精度が上がる。従って、単純に鋳片10と温度測定装置11の距離のみに着目すると、温度測定装置11を鋳片10に近づけることで温度測定装置11の計測精度が上がることになる。
そこで、温度測定装置11の計測範囲(視野範囲)内に鋳片10の温度情報が存在し、かつ、その温度情報が鋳片10の幅方向の温度分布の正確な計測結果を得るのに必要な精度であることを前提に、鋳片10の厚み方向における温度測定装置11と鋳片10(の長辺表面)の距離の上限値を検証した。この検証においては、温度測定装置11として想定される走査型放射温度計やCCDカメラを採用することを条件とした。そして、検証の結果、鋳片10の厚み方向における温度測定装置11と鋳片10の距離は4m以下にすべきことが確認された。
なお、鋳片10の厚み方向における温度測定装置11と鋳片10の距離が4mを超えると、温度測定装置11の設置角度の僅かなずれが、温度測定装置11の計測範囲内に鋳片10全体の温度情報を捉えられない事象を招き得ることも確認している。
一方、鋳片10の長辺表面の温度分布が測定される連続鋳造の2次冷却帯においては、鋳片10に冷却水が吹き付けられるため、鋳片10周りで水蒸気が発生している。
そして、この水蒸気は、鋳片10に近い位置で多く存在しているので、水蒸気の影響による計測精度の低下を防止する観点からすると、温度測定装置11は、鋳片10から遠ざけるのが好ましいといえ、検証の結果、鋳片10の厚み方向における温度測定装置11と鋳片10の距離は1m以上にすべきことが確認された。
また、鋳片10は、連続鋳造設備のロールで鋳片10が支持されることによって凝固シェルが膨らむ、所謂、バルジングによって、長辺表面及び短辺表面が外側に膨らんでいる。
鋳片10の短辺表面は鋳片10の幅方向外側に膨らんでいることから、たとえ、鋳片10の幅方向において、温度測定装置11を鋳片10と同じ位置(鋳片10の短辺と長辺が接するエッジ部)に配置しても、温度測定装置11は、鋳片10の長辺表面に加えて、鋳片10の短辺表面も捉えることが種々の検証によって確認された。そのため、温度測定装置11の計測により得られた温度分布(以下、「温度分布T」ともいう)には、鋳片10の短辺表面の温度も含まれていることを前提にして、温度分布Tの中で鋳片10の長辺表面にあたる部分を特定する必要があり、鋳片10の幅方向において温度測定装置11を鋳片10に近づけ過ぎると、鋳片10の長辺表面を安定的に特定できないことが判明した。
そして、検証の結果、鋳片10の厚み方向の温度測定装置11と鋳片10の距離を1〜4mとする前提では、鋳片10の幅方向の温度測定装置11と鋳片10(の短辺表面)の最短距離は400mmにすべきことが確認された。その詳しい理由については後述する。
更に、鋳片10の厚み方向における温度測定装置11の位置を一定に保った状態で、温度測定装置11を鋳片10の幅方向において鋳片10から遠ざけると、鋳片10の長辺表面全体に対する温度測定装置11の計測点が少なくなって計測精度が低下することになる。
検証の結果、鋳片10の厚み方向の温度測定装置11と鋳片10の距離を1〜4mとする条件においては、鋳片10の幅方向における温度測定装置11と鋳片10の距離が1400mmを超えると、必要とする計測精度を確保できないことが確認された。
本願の発明者らは、これらの検証結果から、鋳片10までの距離が、鋳片10の厚み方向に1〜4m、かつ、鋳片10の幅方向に400〜1400mmとなる位置(以下、「所定の設置位置」ともいう)に温度測定装置11の計測部12を配置することで、鋳片10の長辺表面の鋳片10の幅方向の温度分布を正確に計測できることを確認した。
ここで、計測部12は、温度測定装置11が有する複数の部材、部品において、温度を検出する際の視点となる部材又は部品を意味し、例えば、温度計のレンズである。
また、所定の設置位置を決定するにあたっては、温度測定装置11として考えられるCCDカメラや放射温度計等、複数種の温度計を用い、これら全てについて、正確な温度分布が得られることを確認した。
ところで、所定の設置位置に温度測定装置11の計測部12を配置すると、温度測定装置11は、鋳片10の長辺表面に加えて、鋳片10の短辺表面も捉え、更に、鋳片10以外のバックグランドの温度も計測することになる。
以下、このことを前提にして、鋳片10の長辺表面について鋳片10の幅方向の温度分布を得る鋳片の温度分布測定方法について説明する。
まず、所定の設置位置に温度測定装置11の計測部12を配置した後、温度測定装置11によって、予め定められた幅の温度計測を行い、鋳片10の幅方向に沿った温度分布Tを得る。
温度測定装置11に走査型放射温度計を用いる場合、温度測定装置11を鋳片10の幅方向に走査することで、温度分布Tを得ることができる。また、温度測定装置11にCCDカメラを用いる場合、温度測定装置11の計測によって得られた平面状の温度分布から、鋳片10の長さ方向の特定の位置の温度を取得することによって、鋳片10の幅方向に沿った温度分布Tを得ることが可能である。
温度分布Tにおいて、温度測定装置11に近い側を一側、温度測定装置11から遠い側を他側とすると、温度分布Tには、一側から他側に向かって順に、バックグランド、鋳片10の短辺表面、鋳片10の長辺表面、及び、バックグランドそれぞれにあたる部分が並んでいる。従って、これらの各部分から鋳片10の長辺表面にあたる部分を特定する必要がある。
温度分布Tの一側及び他側に存在する各バックグランドの温度は、鋳片10より低温で、600℃を超えることはなく、また、鋳片10の短辺表面の最高温度は約800℃であることが、経験的に確認されている。
そして、図2に示すように、鋳片10の短辺表面の温度は、鋳片10の厚み方向において、両端部から中央部に向かって温度が高くなり、鋳片10の長辺表面の温度も、鋳片10の幅方向において、両端部から中央部に向かって温度が高くなっている。更に、鋳片10の短辺表面の最高温度は、鋳片10の短辺表面の両端部(鋳片10の長辺表面の端部でもある)に比べ、少なくとも70℃高いことが確認されている。
また、これらの温度特性に加えて、鋳片10の表面の温度は、鋳片10表面の疵や、鋳片10の場所による冷却状態の相違が影響して、温度が低くなった部分が存在することがある。
これらを考慮して、温度分布Tから、鋳片10の短辺と長辺が接する鋳片10の幅方向端部(エッジ部)の位置を特定するロジックを確立した。
温度分布Tを得た後に、いかにして鋳片10の幅方向端部を特定するかを記すことにより、このロジックについての説明も行う。なお、本実施の形態では、このロジックを用いた鋳片10の幅方向端部の特定が、ソフトウェアを搭載したコンピュータによって行われる。
コンピュータは、温度分布Tを得て、温度分布Tの中で、最高温度が600℃を超える山状で、かつ、温度測定装置11に最も近い温度領域Aを検索し、この温度領域Aの最高温度が鋳片10の短辺表面の最高温度であるという認定をする。
600℃を超えるとしたのは、温度分布Tにおいて一側のバックグランドに対応する部分に山状の温度領域があった場合に、これを温度領域Aと誤認しないためである。また、鋳片10の短辺表面の最高温度が約800℃であることから、800℃より200℃低い600℃を閾値とすることにより、温度領域Aを確実に検索可能にしている。
ここで、鋳片10の短辺表面が鋳片10の厚み方向で両端部から中央部に向かって温度が高くなる温度特性を考慮すると、温度分布T内に山状の温度領域Aを確実に出現させるには、鋳片10の短辺表面の鋳片10の厚み方向の一端部から中央部及び中央部から他端部の各間に複数の温度計測点を設けることが重要である。
そして、そのためには、温度測定装置11の計測部12と鋳片10の距離が鋳片10の厚み方向において1〜4mの範囲に保たれていることを前提にすると、鋳片10の幅方向において計測部12を鋳片10から400mm以上離すことが必要であることが確認された。これは、温度測定装置11の計測部12を、鋳片10の幅方向で鋳片10に近づけ過ぎると、鋳片10の短辺表面のバルジングの影響により、鋳片10の短辺表面の鋳片10の厚み方向両端部の一方を温度測定装置11の計測部12が捉えられないことがあるためである。
温度領域Aを特定した後、コンピュータは、温度分布Tの中で、温度領域Aに比べて温度測定装置11から遠く、かつ、温度領域Aに最も近い谷状で、最低温度が温度領域Aの最高温度より50℃以上低い温度領域を温度領域Bとして特定する。これによって、温度分布Tの中で、鋳片10の幅方向端部の温度を含む温度領域Bが認定される。
温度領域Aの最高温度より50℃以上低温とすることにより、温度分布B以外の谷状の温度領域を温度領域Bとして判定するのを回避している。そして、鋳片10の短辺表面が鋳片10の厚み方向において両端部から中央部に向かって高温になることを考慮し、温度領域Aに比べて温度測定装置11から遠く、かつ、温度領域Aに最も近いという条件を入れて、確実に温度領域Bを特定できるようにしている。
温度領域Bを特定した後、コンピュータは、温度領域Bの最低温度の位置に鋳片10の幅方向の一側の端部が位置していると定め、次に、温度分布Tの中で、鋳片10の幅方向の他側の端部を特定し、鋳片10の長辺表面の鋳片10の幅方向の温度分布を得る。
なお、鋳片10の幅方向の他側の端部の位置を特定する方法は特に限定されない。例えば、鋳片10の幅方向他側の端部位置の特定は、温度測定装置11が走査型放射温度計であるときは、隣り合う温度計測点の温度差が80℃以上であることを判定基準にしてもよいし、あるいは、温度測定装置11の種類によらず、600℃以上の温度から急激に温度が低下していることを判定基準にすることもできる。
ここで、温度測定装置11として、測定波長が0.5〜2.0μmの走査型放射温度計を採用することにより、測定波長が他の値である走査型放射温度計に比べ、実際の温度分布に近い温度分布を得られることが確認されている。これは、鋳片10周りには水蒸気が発生し、鋳片10への冷却水の吹き付けにより鋳片10表面には水膜が存在している環境下において、水分子が吸収する波長帯を避けて温度計測が行われるためと考えられる。
また、温度測定装置11にCCDカメラを用いた場合は、走査型放射温度計に比べて、実際の温度分布との差異が大きく、実際の温度分布に対して±20℃のバラつきがあったことが認められたが、これは、連続鋳造における鋳片10の温度管理において問題のないレベルであった。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
図3、図4(A)、(B)はそれぞれ、測定波長が0.5〜2.0μmの走査型放射温度計の計測によって得た温度分布であり、縦軸は温度、横軸は各温度計測点の位置を示している。横軸に記された番号が大きいほど、温度計測点が、鋳片の幅方向において走査型放射温度計から遠いことを意味する。
図3は、所定の設置位置に走査型放射温度計の計測部を配置して計測した温度分布である。具体的には、鋳片と計測部の距離が、鋳片の幅方向に446mm、鋳片の厚み方向に2mである。
これに対し、図4(A)、(B)は、所定の設置位置の範囲外に走査型放射温度計の計側部を配置して計測した温度分布である。具体的には、図4(A)は、鋳片の幅方向において計測部と鋳片の距離を100mmとした際の温度分布であり、図4(B)は、同距離を1500mmとした温度分布である。なお、図4(A)、(B)の温度分布は、いずれも鋳片の厚み方向における走査型放射温度計の計測部と鋳片の距離が2mである。
図3より、走査型放射温度計の計測部を所定の設置位置に配置することで、最高温度が600℃を超える山状の温度領域Aと、温度領域Aに隣接し、最低温度が温度領域Aの最高温度787℃より50℃以上低温の547℃を有する谷状の温度領域Bとが、温度分布T中で特定できることが分かる。図3の温度分布Tにおいては、温度領域Bの最低温度の位置で温度計測点の番号が92にあたる位置が鋳片の幅方向端部(走査型放射温度計に近い側の端部)である。
従って、本発明の鋳片の温度分布測定方法を採用することによって、鋳片の幅方向端部の位置が特定可能であることが確認できた。
一方、図4(A)の温度分布においては、温度領域Aと見られる山状の温度領域の隣りに、谷状の温度領域Bが確認できない。走査型放射温度計の計測部が、所定の設置位置よりも、鋳片の幅方向において鋳片に近いため、図4(A)の温度分布では、鋳片幅方向の端部と鋳片の短辺表面で鋳片幅方向の端部より約100℃高温の部分とが1つの温度計測点で捉えられた結果、谷状の温度領域が明確に現れていない。
従って、走査型放射温度計の計測部を、鋳片の幅方向において鋳片に近づけ過ぎると、鋳片の幅方向端部位置を特定できないことが分かる。
そして、図4(B)の温度分布においては、温度領域A及び温度領域Bが認められるものの、鋳片の長辺表面にあたる部分に対し、温度計測点の数が26点と少なく、鋳片の温度分布の計測に必要とされる精度を得ることができなかった。これは、走査型放射温度計の計測部が、鋳片の幅方向において鋳片から離れ過ぎ、鋳片の長辺表面にあたる部分に十分な数の温度計測点を確保できなかったことによるものである。
また、走査型放射温度計の計測部を、鋳片の厚み方向において、鋳片から4mを超えて離した場合、及び、鋳片の厚み方向において、走査型放射温度計の計測部を鋳片に対し、1mより近づけた場合では、鋳片の温度管理上求められる温度分布の計測精度を得られないことが確認されている。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、鋳片は、幅が800〜1700mm、厚みが200〜300mmの大きさに限定されない。
10:鋳片、11:温度測定装置、12:計測部

Claims (2)

  1. 連続鋳造中の鋳片表面の幅方向の温度分布を計測する鋳片の温度分布測定方法において、
    前記鋳片までの距離が、該鋳片の厚み方向に1〜4m、かつ、該鋳片の幅方向に400〜1400mmとなる位置に、温度測定装置の計測部を配置し、
    前記温度測定装置の計測によって得た前記鋳片の幅方向に沿った温度分布Tの中で、最高温度が600℃を超える山状で前記温度測定装置に最も近い温度領域Aを検索し、
    前記温度分布Tの中で、前記温度領域Aに比べて前記温度測定装置から遠く、前記温度領域Aに最も近い谷状で、最低温度が前記温度領域Aの最高温度より50℃以上低い温度領域Bを特定し、
    前記温度領域Bの最低温度の位置に前記鋳片の幅方向端部が位置していると定めることを特徴とする鋳片の温度分布測定方法。
  2. 請求項1記載の鋳片の温度分布測定方法において、前記温度測定装置は、測定波長が0.5〜2.0μmの走査型放射温度計であることを特徴とする鋳片の温度分布測定方法。
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