JP2012071330A - 連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 連続鋳造機で鋳造されている鋳片の表面温度を、鋳片表面に残留する二次冷却水、二次冷却水から生成される水蒸気及び水蒸気の凝縮した白水煙の影響を受けることなく、赤外線感知式表面温度測定器によって精度良く測定する。
【解決手段】 本発明の鋳片表面温度の測定方法は、測定波長が5.0μm以下、赤外線吸収率が20%以下である赤外線感知式表面温度測定器13によって連続鋳造中の鋳片10の表面温度を測定する、連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法であって、前記表面温度測定器の集光レンズ16と鋳片表面との距離を100〜800mmの範囲内とし、且つ、前記表面温度測定器から鋳片に向かって10NL/min以上の気体を噴射し、該気体によって前記集光レンズと鋳片表面との間及び鋳片の被測温箇所から二次冷却水及び蒸気を排斥する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、連続鋳造機で鋳造されている鋳片の表面温度を赤外線感知式表面温度測定器によって測定する方法に関する。
鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼を一旦タンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼を滞在させた状態で、タンディッシュ内の溶鋼を、タンディッシュ底部に設置した浸漬ノズルを介して鋳型に注入している。鋳型内に注入された溶鋼は冷却されて鋳型との接触面に凝固シェルを形成し、この凝固シェルを外殻とし、内部に未凝固溶鋼を有する鋳片は、鋳型下方に設けられた二次冷却帯において、鋳片表面に噴射される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって冷却されながら鋳型下方に連続的に引き抜かれ、やがて中心部までの凝固が完了する。中心部までの凝固の完了した鋳片を所定の長さに切断して、圧延用素材である鋳片が製造されている。
二次冷却帯において、鋳造中の鋳片の表面温度を目標範囲に維持することは鋳片品質確保の基本的な手段であり、鋳片の表面から放射される放射光のエネルギーを測定して鋳片表面温度を測定する、放射温度計などの表面温度測定器を用いて鋳造中の鋳片の表面温度を測定することが従来から行われてきた(例えば、特許文献1を参照)。但し、二次冷却帯には、溶鋼静圧による鋳片の膨らみを抑制するための鋳片支持ロールが鋳造方向に150〜400mmの間隔で配置されていて、隣り合うロールの間隔が狭い上に、二次冷却水が鋳片表面に残留したり、蒸気が発生したりすることで、表面温度の測定精度は高くはなかった。また、長期間に亘って安定して測定することも困難であった。
しかし、近年、増産や高機能材料の要望に伴い、ダイナミック制御やアクティブ制御を可能とする、高機能を有する連続鋳造機が求められている。そのためにも連続鋳造機内で精度良く且つ安定して鋳片表面の測温を行うことは重要となっている。また、増産を目的として鋳片の鋳造速度を上昇すると、図1に示すように、鋳造中の鋳片の幅方向の一部で表面温度が低くなる過冷却が発生、この過冷却部分が表面割れの原因となることが分っている。このためにも連続鋳造機内で鋳片幅方向に表面温度を二次元的に把握することが重要になっている。尚、図1は、過冷却のスラブ鋳片における温度ムラの発生状況(図1(A))と、冷却後のスラブ鋳片の表面割れの発生状況(図1(B))との関係を示す図である。
冷却中の鋼材表面温度を放射温度計によって測定する場合に、鋼材の表面に存在する処理溶液により放射エネルギーが吸収されることによる誤差を解決して測定する方法として、特許文献2及び特許文献3が提案されている。特許文献2及び特許文献3に提案される測定方法は、被測温鋼材と放射温度計との間に光導波路としての水柱を形成し、当該水柱を介して被測温鋼材表面からの放射光を放射温度計で検出して、被測温鋼材の表面温度を測定するという方法である。
また、連続鋳造中の鋳片表面温度を測定する装置として、特許文献4には、鋳片表面に対向する開口をその先端に有し、鋳片表面からの放射光をその内部に取り込むライトガイド及びこれの基礎に配された集光レンズからなる集光部と、該集光部に光ファイバーを介して接続し、前記集光レンズにより集光された放射光を鋳片表面温度に関連する電気信号に変換する光電変換部と、前記ライトガイドの内部にガスを吹き込み、前記開口から噴出せしめるパージ手段と、を有する表面温度測定器が提案され、また、特許文献5には、鋳片表面温度を検出するように適応される温度センサーと、該温度センサーに接続され、温度センサーで監視される鋳片表面の残留物を除外・排斥するためのパージ・ガスを供給するパージ・ガス系統と、を備えた表面温度測定器が提案されている。
実開昭58−49236号公報 特開昭59−100224号公報 特開2008−164626号公報 特開平4−162949号公報 特開2007−296583号公報
連続鋳造機内で赤外線感知式表面温度測定器によって鋳片の表面温度を非接触で測定する場合は、以下の事項が問題となる。即ち、鋳片表面上に残留する二次冷却水は、放射光を屈折させるために正確な温度測定の妨げとなる。また、鋳片との熱交換によって二次冷却水から生成される水蒸気は、赤外線を吸収するために、これも温度測定の妨げとなる。また更に、連続鋳造機の二次冷却帯での鋳片の冷却中には白い水煙のようなものが発生するが、これは水蒸気ではなくて、空気中のチリや埃を凝縮核として水蒸気が凝縮したもので、ここでは「白水煙」と称するが、これも光を散乱させるので、赤外線感知式表面温度測定器による温度測定の妨げとなる。
このような問題を抱える連続鋳造機での鋳片表面温度の測定手段として、前記特許文献2〜5を検証すれば、水柱を介して測定する特許文献2、3は、二次冷却に加えて更に水中によって鋳片表面を冷却することになり、鋳片表面温度の不均一化を増大させる原因となることから鋳造中の鋳片の表面温度測定には適切ではない。また、鋳片幅方向で二次元に測定することも困難である。
特許文献4、5は、パージ用ガスを噴射して鋳片表面の残留水や蒸気を除外・排斥しているが、確実なパージを行うための空気の流量、並びに、精度の高い測定を可能とするための鋳片と表面温度測定器との距離が開示されていない。パージ用空気の流量が不十分であると、鋳片表面の二次冷却水を除外することは不可能であるし、また、表面温度測定器が鋳片から離れすぎていると、パージしているとはいえども蒸気の影響を受けやすく、また、水蒸気の凝縮した白水煙によって放射光が表面温度測定器と鋳片との間で散乱して測定ができなくなる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、連続鋳造機で鋳造されている鋳片の表面温度を、鋳片表面に残留する二次冷却水、二次冷却水から生成される水蒸気及び水蒸気の凝縮した白水煙の影響を受けることなく、赤外線感知式表面温度測定器によって精度良く測定する方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法は、測定波長が5.0μm以下、赤外線吸収率が20%以下である赤外線感知式表面温度測定器によって連続鋳造中の鋳片の表面温度を測定する、連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法であって、前記表面温度測定器の集光レンズと鋳片表面との距離を100〜800mmの範囲内とし、且つ、前記表面温度測定器から鋳片に向かって10NL/min以上の気体を噴射し、該気体によって前記集光レンズと鋳片表面との間及び鋳片の被測温箇所から二次冷却水及び蒸気を排斥することを特徴とする。
第2の発明に係る連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法は、第1の発明において、前記赤外線感知式表面温度測定器として、測定赤外線波長が1.33μm以下、1.5〜1.8μm、2.0〜2.4μm、3.4〜4.8μmの赤外線感知式表面温度測定器を使用することを特徴とする。
第3の発明に係る連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法は、第1または第2の発明において、前記赤外線感知式表面温度測定器を鋳片の幅方向で往復移動させることを特徴とする。
本発明によれば、測定波長が5.0μm以下、赤外線吸収率が20%以下である赤外線感知式表面温度測定器を用い、該表面温度測定器の集光レンズと鋳片表面との距離を100〜800mmの範囲内とし、且つ、前記表面温度測定器から鋳片に向かって10NL/min以上の気体を噴射しつつ鋳片表面温度を測定するので、鋳片表面に残留する二次冷却水、二次冷却水から生成される水蒸気及び水蒸気の凝縮した白水煙の影響を受けることなく、精度良く且つ長期間に亘って安定して連続鋳造中の鋳片の表面温度を測定することが実現される。また、精度良く且つ長期間に亘って安定して鋳片表面温度を測定することが実現されることから、鋳片の表面欠陥の発生防止や表面温度計を利用したダイナミック制御が可能になるという副次的効果も発現する。
過冷却のスラブ鋳片における温度ムラの発生状況と、冷却後のスラブ鋳片の表面割れの発生状況との関係を示す図である。 本発明を適用する垂直曲げ型のスラブ連続鋳造設備の概略図である。 図2に示す赤外線感知式表面温度測定器の概略図である。 水蒸気層を通過した赤外線の吸収割合と赤外線の波長との関係を示す図である。 鋳片の表面温度分布の測定結果を本発明例と比較例とで対比して示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図2は、本発明を適用する垂直曲げ型のスラブ連続鋳造設備の概略図、図3は、図2に示す赤外線感知式表面温度測定器の概略図である。
図2に示すように、スラブ連続鋳造機1には、溶鋼9を注入して凝固させ、鋳片10の外殻形状を形成するための鋳型5が設置され、この鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼9を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。一方、鋳型5の下方には、サポートロール、ガイドロール及びピンチロールからなる複数対の鋳片支持ロール6が配置されている。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール6の間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置された二次冷却帯が構成され、二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって鋳片10は引き抜かれながら冷却されるようになっている。
タンディッシュ2の底部には、溶鋼9の流量を調整するためのスライディングノズル3が設置され、このスライディングノズル3の下面には、浸漬ノズル4が設置されている。また、鋳片支持ロール6の下流側には、鋳造された鋳片10を搬送するための複数の搬送ロール7が設置されており、この搬送ロール7の上方には、鋳造される鋳片10から所定の長さの鋳片10aを切断するためのガス切断機8が配置されている。
鋳片10の上面側であって、二次冷却帯の隣り合う鋳片支持ロール6の間隙には、鋳片10の表面温度を測定するための赤外線感知式表面温度測定器13が設置されている。赤外線感知式表面温度測定器13は、図3に示すように、セグメントフレーム20に固定された支持金具22に保持される往復スライダー21に対して移動可能に配置される変換器14と、変換器14と接続する光ファイバー15と、光ファイバー15の他端に接続する集光レンズ16と、上端が変換器14と密着し、光ファイバー15及び集光レンズ16を覆い、下端が開放した保護カバー17と、を備えている。保護カバー17の上部には、パージ用気体を導入するためのガス導入管18が設置されている。
即ち、鋳片10の表面から放射される放射光を集光レンズ16で集め、集められた放射光は光ファイバー15を経由して変換器14に送られ、変換器14に送られた放射光は、変換器14に配置される、例えばSi半導体などからなる放射光検知素子によってその強度が検出され、検出強度に基づいて鋳片表面温度に変換され、かくして鋳片10の表面温度が測定されるようになっている。保護カバー17は、光ファイバー15及び集光レンズ16を保護すると同時に、ガス導入管18から導入されたパージ用気体を鋳片表面に向けて噴出する役割を担うものである。
この赤外線感知式表面温度測定器13は、往復スライダー21を左右に自走することで、鋳片10の幅方向全面の表面温度を測定可能となっている。また、この赤外線感知式表面温度測定器13は二次冷却帯の鋳造方向任意の位置に取り付けられるように構成されている。尚、図3では、鋳片10を支持するセグメントとして、鋳片10の上面側のみを表示しているが、鋳片10の下面側も同様の構造になっている。また、図3において、符号19は、上面側のセグメントフレーム20と下面側のセグメントフレーム(図示せず)とを所定の間隔で連結するためのタイロッドである。
本発明においては、集光レンズ16と鋳片10の表面との距離を100〜800mmの範囲内とする。これは、二次冷却によって生じる白水煙(空気中のチリや埃を凝縮核として水蒸気が凝縮したもの)を避けるためである。鋼の連続鋳造では1500℃以上の溶鋼を取り扱っており、連続鋳造機内での鋳片10の表面温度は600〜1100℃になる。一方、白水煙は、二次冷却によって生成した水蒸気が、大気圧下で100℃以下となってチリや埃などを凝縮核として凝縮するものであるので、大気温度が100℃以上であれば凝縮せず、白水煙は発生しない。鋳片のサイズにもよるが、スラブ幅が900mm以上の一般的なスラブを鋳造するスラブ連続鋳造機では、鋳片表面から800mm以内であれば大気温度は殆ど100℃以上であることが分った。これに基づき集光レンズ16と鋳片表面との距離の上限を800mmとした。一方、集光レンズ16と鋳片表面との距離を100mm以上とする理由は、鋳片10からの熱により、集光レンズ16や光ファイバー15などが溶解・劣化することを防止するためである。
また、本発明においては、保護カバー17から噴出するパージ用気体の流量を10NL/min以上とする。これは、集光レンズ16と鋳片表面との間の蒸気を除外・排斥するのみならず、被測温箇所である鋳片表面に残留する冷却水及び鋳片表面から剥がれたスケールなどを確実に吹き飛ばすためである。当然、パージ用気体の流量が多ければ除外・排斥効果が高く、従って、パージ用気体の流量は50NL/min程度が最適である。
また更に、本発明においては、赤外線感知式表面温度測定器13として、測定波長が5.0μm以下、赤外線の吸収率が20%以下である赤外線感知式表面温度測定器を用いる。測定波長が5.0μmを超えると水蒸気の影響が強くなり、測定精度が低下し、また、赤外線の吸収率が20%以下の波長領域を使用することで、水蒸気による影響も抑制できることによる。
また、測定精度をより一層高めるために、測定波長が1.33μm以下、1.5〜1.8μm、2.0〜2.4μm、3.4〜4.8μmの赤外線感知式表面温度測定器を使用することが好ましい。水蒸気層を通過した赤外線の吸収割合と赤外線の波長との関係を図4に示す。図4は、文献1(伝熱工学(下)、原著者:J.P.ホールマン、著者:平田賢、発行所:ブレイン図書出版株式会社、発行所:丸善株式会社、昭和63年9月3日第1版第5刷発行、P.308)に記載された図であり、測定波長が1.33μm以下、1.5〜1.8μm、2.0〜2.4μm、3.4〜4.8μmの範囲で、赤外線の吸収が少ないことを示している。
図4において、波長が0.8μmから4μmまでの範囲は、蒸気温度127℃、水蒸気層の厚さ109cmでの測定値で、波長が4μmから34μmまでは、(a)蒸気温度127℃、水蒸気層の厚さ109cmでの測定値、(b)蒸気温度127℃、水蒸気層の厚さ104cmでの測定値、(c)蒸気温度127℃、水蒸気層の厚さ32.4cmでの測定値、(d)蒸気温度81℃、水蒸気層の厚さ4cmでの測定値、(e)室温、水蒸気層の厚さ7cmでの測定値である。
鋳片10からの放射光の検知素子をSi半導体、PbS半導体、InGaAs半導体の何れか1種とすることで、赤外線感知式表面温度測定器13の測定波長を前記範囲内とすることができる。特に、Si半導体は水蒸気を良く透過するので、検知素子として好ましい。
この構成のスラブ連続鋳造機1において、取鍋からタンディッシュ2に溶鋼9を注入してタンディッシュ2に所定量の溶鋼9を滞留させ、次いで、タンディッシュ2に滞留させた溶鋼9を、浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入する。鋳型内の溶鋼上には、保温剤、潤滑剤、酸化防止剤などとして機能するモールドパウダー(図示せず)を添加する。
鋳型5に注入された溶鋼9は、鋳型5で冷却されて凝固シェル11を形成し、内部に未凝固相12を有する鋳片10として、鋳型5の下方に設けられた複数対の鋳片支持ロール6に支持されつつ、ピンチロールの駆動力により鋳型5の下方に連続的に引き抜かれる。鋳片10は、これらの鋳片支持ロール6を通過する間、二次冷却帯で冷却され、凝固シェル11の厚みを増大し、やがて内部までの凝固を完了する。内部までの凝固を完了した鋳片10は、ガス切断機8によって切断されて鋳片10aとなる。
このような連続鋳造操業において、赤外線感知式表面温度測定器13を用いて鋳片10の表面温度を測定する。その際に、赤外線感知式表面温度測定器13を鋳片幅方向に往復移動させながら測温してもよく、また、一定の位置に固定して測温してもよい。これは、鋳片10の表面温度を測定する目的に応じて決めればよい。
このようにして鋳片10の表面温度を測定することにより、鋳片表面に残留する二次冷却水、二次冷却水から生成される水蒸気及び水蒸気の凝縮した白水煙の影響を受けることなく、精度良く且つ長期間に亘って安定して連続鋳造中の鋳片10の表面温度を測定することが実現される。
尚、図2では、赤外線感知式表面温度測定器13が、鋳造方向の一箇所に設置されているが、鋳造方向の二箇所以上としてもよく、また、同じ位置に鋳片幅方向に2基以上並べて配置してもよい。また、図2に示す連続鋳造機は垂直曲げ型連続鋳造機であるが、本発明は垂直曲げ型連続鋳造機に限定されるものではなく、湾曲型連続鋳造機であってもまた垂直型連続鋳造機であっても、上記と同様に本発明を適用することができる。
図2に示すスラブ連続鋳造機における本発明の実施例を説明する。
使用したスラブ連続鋳造機の設備長は45mであり、厚み250mm、幅2000mmのスラブ鋳片の鋳造が可能な設備である。鋳型の上端から鋳型の下端までが1mであり、鋳型直下から機端までの44mの範囲が二次冷却帯であり、この二次冷却帯を、およそ11m毎に、鋳型直下側から機端側に向いて、第1冷却ゾーン、第2冷却ゾーン、第3冷却ゾーン、第4冷却ゾーンの4つの二次冷却ゾーンに分け、それぞれの二次冷却ゾーン毎に冷却条件を設定した。図2において、A−A’位置からB−B’位置直上の鋳片支持ロールまでの範囲が第1冷却ゾーン、B−B’位置からC−C’位置直上の鋳片支持ロールまでの範囲が第2冷却ゾーン、C−C’位置からD−D’位置直上の鋳片支持ロールまでの範囲が第3冷却ゾーン、D−D’位置から機端の鋳片支持ロールまでの範囲が第4冷却ゾーンである。二次冷却帯の各二次冷却ゾーンにはエアーミストスプレーノズルが配置されており、このエアーミストスプレーノズルから噴射されるエアーミストにより、鋳片は冷却される。
この構成のスラブ連続鋳造機を用い、鋳片からの放射光の検知素子をSi半導体とする赤外線感知式表面温度測定器を、集光レンズと鋳片表面との距離が300mmとなるように、第2冷却ゾーンと第3冷却ゾーンとの間に設置し、保護カバーから噴出するパージ用空気の流量を30NL/minとし、鋳片幅方向に往復移動させながら、鋳片の表面温度を測定した(本発明例)。使用した赤外線感知式表面温度測定器は、測定波長が3.5〜4.8μm、赤外線吸収率が0〜10%である。片道5秒、一往復10秒で赤外線感知式表面温度測定器を往復させた。鋳造開始から15分経過した時点において鋳型内に注入した部位に相当する鋳片の表面温度分布の測定結果を図5に実線で示す。
また比較のために、ハンディタイプの二次元赤外線放射温度計を用い、第2冷却ゾーンと第3冷却ゾーンとの隙間を、セグメント上から望み込んで鋳片表面温度の分布を測定した(比較例)。この二次元赤外線放射温度計の測定波長は5.5〜14μmである。本発明例による測定後1分後に、この二次元赤外線放射温度計で測定した鋳片の表面温度分布を図5に破線で示す。
図5からも明らかなように、比較例では、水蒸気や鋳片表面の残留冷却水に邪魔されて、ところどころで表面温度が落ちこんでいるのに比べて、本発明例では、表面温度の落ち込みが全くなく、水蒸気や冷却水に影響することなく測定できることが分った。
実施例1で使用したスラブ連続鋳造機を用い、赤外線感知式表面温度測定器の設置位置、放射光検知素子の材質及び集光レンズと鋳片表面との距離を変更して赤外線感知式表面温度測定器を設置し、更に、パージ用空気流量を変更し、これらの影響を調査する試験(水準1〜9)を行った。表1に試験条件及び試験結果を示す。
表1に示すように、パージ用空気流量を10NL/min以上とし、且つ、集光レンズと鋳片表面との距離を100〜800mmとすることで、精度良く測定することが可能であった。また、放射光検知素子は、Si半導体、InGaAs半導体、PbS半導体では精度の良い測定が可能であり、一方、測定波長が7.5〜14μmと長いマイクロボロメーターでは測定が不可能であった。表1の備考欄には、本発明の範囲の試験は「本発明例」と表示し、それ以外の試験は「比較例」と表示している。
1 スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 鋳片支持ロール
7 搬送ロール
8 ガス切断機
9 溶鋼
10 鋳片
11 凝固シェル
12 未凝固相
13 赤外線感知式表面温度測定器
14 変換器
15 光ファイバー
16 集光レンズ
17 保護カバー
18 ガス導入管
19 タイロッド
20 セグメントフレーム
21 往復スライダー
22 支持金具

Claims (3)

  1. 測定波長が5.0μm以下、赤外線吸収率が20%以下である赤外線感知式表面温度測定器によって連続鋳造中の鋳片の表面温度を測定する、連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法であって、前記表面温度測定器の集光レンズと鋳片表面との距離を100〜800mmの範囲内とし、且つ、前記表面温度測定器から鋳片に向かって10NL/min以上の気体を噴射し、該気体によって前記集光レンズと鋳片表面との間及び鋳片の被測温箇所から二次冷却水及び蒸気を排斥することを特徴とする、連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法。
  2. 前記赤外線感知式表面温度測定器として、測定赤外線波長が1.33μm以下、1.5〜1.8μm、2.0〜2.4μm、3.4〜4.8μmの赤外線感知式表面温度測定器を使用することを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法。
  3. 前記赤外線感知式表面温度測定器を鋳片の幅方向で往復移動させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の連続鋳造機内での鋳片表面温度の測定方法。
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