JP5747682B2 - 横型連続熱処理炉における金属帯の張力検出方法 - Google Patents
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Description
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、炉内支持ロール間の金属帯のカテナリー量を精度よく検出することができ、これにより炉内張力を高精度に検出することができる炉内張力検出方法を提供することにある。
[1]複数の支持ロールを備え、金属帯が前記支持ロールにより支持されつつ通板する横型連続熱処理炉における金属帯の張力検出方法において、
炉内支持ロール間の中央位置の炉側壁に形成された透孔を通して、パスラインに対して仰角となる角度を設けた方向から光学式カテナリー検出装置により金属帯のカテナリー量を検出し、該検出量に基づき金属帯の炉内張力を求めることを特徴とする横型連続熱処理炉における金属帯の炉内張力検出方法。
[3]上記[1]又は[2]の炉内張力検出方法において、金属帯の板幅Wが500〜600mmであり、光学式カテナリー検出装置により金属帯のカテナリー量を検出する際のパスラインに対して仰角となる角度の大きさ(但し、金属帯の幅方向中央部と光学式カテナリー検出装置の受光部中心とを結ぶ直線aがパスラインと平行な面に対してなす角度θ)が3〜5°、光学式カテナリー検出装置の受光部から光学式カテナリー検出装置側の金属帯エッジ部までの水平距離Lが1000〜2000mmであることを特徴とする横型連続熱処理炉における金属帯の炉内張力検出方法。
ここで、上記光学的カテナリー検出装置(センサ)としては、通常イメージセンサが用いられるが、それ以外の検出装置を用いてもよく、例えば、光電管を縦にいくつか並べた光電管方式の検出装置等を用いてもよい。
図1及び図2は本発明の一実施形態を示すもので、図1は炉体及び設置されたイメージセンサなどを示す斜視図、図2は図1の実施形態を炉体幅方向を縦断面した状態で示す説明図である。
横型焼鈍炉などのような横型連続熱処理炉1の炉内支持ロ−ル3a,3b間の中央位置の炉側壁には、炉内を通板する金属帯5を観察できるような透孔2が設けられている。この透孔2は炉長手方向においてなるべく多数の炉内支持ロール間の中央位置に設けることが望ましい。特に、炉内温度が1200℃以上で板厚が0.1mm程度の金属帯5を熱処理するような炉では、張力異常が即破断に結び付くため、炉長手方向のなるべく多数の位置で張力を検出することが望ましい。そして、この透孔2の炉外側には、該透孔2を通して炉内の金属帯5を側方から観察するイメージセンサ6が設置されている。
金属帯5は炉内の支持ロ−ル3a,3b等と炉外の支持ロール4によって支持され、各支持ロール間でカテナリーを形成する。
炉内雰囲気は1000℃以上の高温であるため金属帯5は赤熱しており、背景の炉内壁(耐火材等)との間に濃淡差が生じる。イメージセンサ6によりこの濃淡差が捉えられ、金属帯5と炉内壁部とを画面上で分離することが可能となり、金属帯エッジの位置の変化量を検出することによりカテナリー量を検出することができる。
なお、このようにパスラインに対して俯角となる角度θを設けた方向から検出を行う方法(図5)は、パスラインに対して仰角となる角度θを設けた方向から検出を行う方法(図2)に較べて、炉内雰囲気中のダスト等で透孔2が汚れることにより視野が制限され、検出精度が低くなる場合があり得るので、両者を較べた場合、後者の方法(図2)の方がより好ましい。また、俯角の場合には、カメラから見て金属帯は凹側の形状となるため、金属帯に映り込んだ炉内構造物の影等がカテナリー量の変化により大きく変化し、検出上の外乱となる可能性もある。
上記のようにして、本発明では金属帯5の炉内カテナリー量がリアルタイム且つ高精度に検出され、このカテナリー量から予め求められているカテナリー量と実張力との関係(例えば、特許文献1の図4参照)に基づき炉内張力が算出される。
ここで、図4(ア)に示すようにパスラインに対する仰角(又は俯角)である角度θは、以下のように定義することができる。
θ:金属帯5の幅方向中央部とイメージセンサ6の受光部中心とを結ぶ直線aがパスラインと平行な面に対してなす角度(°)
θx:イメージセンサ6側の金属帯エッジ部とイメージセンサ6の受光部中心とを結ぶ直線bがパスラインと平行な面に対してなす角度(°)
θy:イメージセンサ6と反対側の金属帯エッジ部とイメージセンサ6の受光部中心とを結ぶ直線cがパスラインと平行な面に対してなす角度(°)
L:イメージセンサ6の受光部からイメージセンサ6側の金属帯エッジ部までの水平距離(mm)
W:金属帯5の板幅(mm)
H:イメージセンサ6の受光部から金属帯5までの垂直距離(mm)
とした場合、
tanθ=H/(L+W/2)
tanθx=H/L
tanθy=H/(L+W)
であり、金属帯5の画像の上下幅hは下式のような値となる。
h=(L+W/2)×(tanθx−tanθy)
なお、角度θ及び距離Lで好適条件を示すとすると、例えば金属帯5の板幅Wが500〜600mm程度である場合には、角度θ:3〜5°、距離L:1000〜2000mm程度が好ましい。
2 透孔
3a,3b 炉内支持ロール
4 炉外支持ロール
5 金属帯
6 イメージセンサ
Claims (3)
- 複数の支持ロールを備え、金属帯が前記支持ロールにより支持されつつ通板する横型連続熱処理炉における金属帯の張力検出方法において、
炉内支持ロール間の中央位置の炉側壁に形成された透孔を通して、パスラインに対して仰角となる角度を設けた方向から光学式カテナリー検出装置により金属帯のカテナリー量を検出し、該検出量に基づき金属帯の炉内張力を求めることを特徴とする横型連続熱処理炉における金属帯の炉内張力検出方法。 - 光学式カテナリー検出装置により検出される金属帯の画像の上下幅hがカメラ視野の1/10以上であり、且つカテナリー許容範囲の上限位置に金属帯がある場合における金属帯の画像の上下幅をhA、カテナリー許容範囲の下限位置に金属帯がある場合における金属帯の画像の上下幅をhB、カテナリー許容範囲の上下中心位置に金属帯がある場合における金属帯の画像の上下幅をhCとした場合に(hA−hB)/hC≧0.05を満足するような条件で、光学式カテナリー検出装置により金属帯のカテナリー量を検出することを特徴とする請求項1に記載の横型連続熱処理炉における金属帯の炉内張力検出方法。
- 金属帯の板幅Wが500〜600mmであり、光学式カテナリー検出装置により金属帯のカテナリー量を検出する際のパスラインに対して仰角となる角度の大きさ(但し、金属帯の幅方向中央部と光学式カテナリー検出装置の受光部中心とを結ぶ直線aがパスラインと平行な面に対してなす角度θ)が3〜5°、光学式カテナリー検出装置の受光部から光学式カテナリー検出装置側の金属帯エッジ部までの水平距離Lが1000〜2000mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の横型連続熱処理炉における金属帯の炉内張力検出方法。
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