JP5831118B2 - 鋼の連続鋳造方法及び装置 - Google Patents
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連続鋳造においては鋳片の温度管理が極めて重要であり、曲げ・矯正部といった鋳片に機械的歪が付与される箇所では脆化温度範囲に鋳片表面温度が入らないように二次冷却条件が調整される。
この鋳片幅方向における最終凝固位置が許容値を超えると、場合によっては未凝固部分が封じ込められたり、完全凝固後も厚み方向に引張応力を受けたりすることにより、鋳片軸心部が完全に一体とならない場合が生じる可能性が高くなる。
特許文献1においては、溶鋼温度、溶鋼成分および連続鋳造機の二次冷却帯での鋳片冷却水の注水履歴を基に凝固厚みを鋳造方向に複数点計算し、凝固厚み計算値が鋳造方向で減少する場合に減少開始位置から鋳片の完全凝固位置までの間を中心割れ発生危険部位と判定する方法が提案されている。
しかしながら、幅の広いスラブ鋳造時などにおいては凝固が遅れる幅方向の位置がエッジ付近から幅センターまで様々なパターンを持つことが経験的に知られている。このことは鋳片幅方向の凝固の進行が鋳片幅方向の二次冷却不均一や未凝固溶鋼の流動状況などで大きく変化することを示しており、このような場合において凝固厚みを鋳造方向に複数点計算するという特許文献1の方法では鋳片幅方向の凝固厚みを予測しきれず、中心割れ等を確実に防止することは難しい。
これらの方策は鋳造速度を一定にして最終凝固位置(クレーターエンド位置)が一定箇所となる場合にはある程度の効果が期待されるが、鋳造速度の変化や溶鋼過熱度の変化により最終凝固位置が大きく変化する場合にはロール圧下設備を複数持つか、ロール圧下位置を可動にすることが必要となることから、コスト面等を考慮すると効果的な対策とは言えない。
また、上述したように凝固遅れにより未凝固溶鋼の封じ込めが生じる位置は、鋳片幅方向で様々なパターンがあるため、特許部文献2の方策を効果的に行うためには凸型ロールの凸部位置を中心割れ発生位置にあわせる必要があるが、この点でも実施が困難と言える。
最終凝固位置を検出する方法としては、超音波を用いて最終凝固位置を検出する方法、オンライン凝固伝熱解析からクレーターエンド形状を算出する方法などがあり、一般的に利用されている。
しかしながら、超音波を用いて最終凝固位置を検出する方法は、鋳造方向に超音波センサを複数点設置し、加えて幅方向に超音波センサを多数羅列するか、幅方向に往復走行させる機構が必要となり、装置のコストが莫大となる。しかも最終凝固位置検出の精度は溶鋼温度や溶鋼成分の影響をかなり受けるため、精度上の問題が残る。
しかしながら、最終凝固位置での溶鋼封じ込めやその後の復熱等での未圧着状態の残存は、定常的なスプレイ冷却の強度差以外にロール溜まり水やロール垂水の影響などを強く受けるため、鋳片温度の実績値を介在させること無しには予測不可能なケースが多数生じることが課題と言える。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
該放射温度計による鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、凝固シェル厚d(mm)とスラブ全厚D(mm)に対して少なくともd/D=0.1〜0.4を満たす冷却帯範囲で鋳片に対する冷却強度を調整し、前記鋳片幅方向温度差が150℃以内となるようにすることを特徴とするものである。
該放射温度計による鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、軸心部固相率fsc=0.2〜0.8に相当するロールセグメントにおける平均ロールギャップ勾配R(mm/m)を下式の範囲を満たすように調整することを特徴とするものである。
ΔT_width/R≦500(℃・m/mm)
ただし、
鋳片幅方向温度差ΔT_widthは鋳片8m長さ当りの平均値を50℃ピッチで分類した値
R≦0.6mm/m
鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0(=D2/2K2(D:スラブ全厚(mm)、K:凝固定数(mm・min-1/2))の前後5mの範囲内に鋳片全幅を覆うように設置された放射温度計と、凝固シェル厚d(mm)とスラブ全厚D(mm)に対して少なくともd/D=0.1〜0.4を満たす冷却帯範囲に設置された二次冷却装置と、該放射温度計の測定値を入力して前記二次冷却装置の鋳片に対する冷却強度を調整する冷却水量制御装置とを備え、
該冷却水量制御装置は、前記放射温度計による測定値から鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、前記二次冷却装置の冷却強度を調整し、前記鋳片幅方向温度差が150℃以内となるようにすることを特徴とするものである。
鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0(=D2/2K2(D:スラブ全厚(mm)、K:凝固定数(mm・min-1/2))の前後5mの範囲内に鋳片全幅を覆うように設置された放射温度計と、該放射温度計の測定値を入力して該測定値に基づいて平均ロールギャップ勾配を調整するロールギャップ勾配制御装置とを備え、
該ロールギャップ勾配制御装置は、放射温度計による鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、軸心部固相率fsc=0.2〜0.8に相当するロールセグメントにおける平均ロールギャップ勾配R(mm/m)を下式の範囲を満たすように調整することを特徴とするものである。
ΔT_width/R≦500(℃・m/mm)
ただし、
鋳片幅方向温度差ΔT_widthは鋳片8m長さ当りの平均値を50℃ピッチで分類した値
R≦0.6mm/m
図1に基づいて本実施の形態の連続鋳造装置1を構成する機器を概説する。図1において、2は取鍋、3はタンディッシュ、5は鋳型、7はサポートロール、9は二次冷却装置の二次冷却スプレイ、11は放射温度計、13は該放射温度計の測定値を入力して二次冷却スプレイ9の冷却強度を制御する冷却水量制御装置を示している。
図1においては、鋳型5から鋳片15がサポートロールによって保持されながら引き抜かれている様子が示されており、15aは未凝固の部位を示し、15bは凝固した部位を示している。そして、15cが最終凝固位置を示している。
該冷却水量制御装置13は、放射温度計11による測定値から鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、二次冷却スプレイ9の鋳片に対する冷却強度を調整し、前記鋳片幅方向温度差が150℃以内となるようにすることを特徴とするものである。
以下、本実施の形態の特徴部分を説明する。
放射温度計11は、鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0の前後5mの範囲内に鋳片全幅の温度測定可能なように設置されている。このようにした理由を以下説明する。なお、鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0の前後5mの範囲は図1において矢印Aで示した範囲である。
最終凝固位置の形状は、図2(a)の模式図を示すように、通常は幅方向にほぼ一定のフラット型であるが、図2(b)〜(d)に示すように、M字型、W字型と呼ばれるような幅方向の局所的な位置の最終凝固位置が平均値に対して大きく前後する異常な凝固状態が、主に二次冷却時の不適正により発生することが知られている。
そこで、発明者は連鋳機鋳造方向で1つの定点位置で幅方向温度を測定するのが、最も運用上は負荷が小さく、かつ二次冷却水の水量制御を行うための指標として問題がないことを知見した。
この点、トーチ手前の連鋳機機端位置で温度測定することは比較的容易であり、サーモグラフィー等で一般的に実施されているが、機端位置はある程度手前の位置で二次冷却が完了していることが通例であり、その後の復熱により幅方向温度差が不鮮明となってしまうことが問題に残る。
すなわち鋳造速度1.5m/min以下の比較的鋳造速度が遅い場合には曲げ型連鋳機もしくは垂直曲げ型連鋳機において最終凝固位置は矯正点前後位置になるため、強冷却はそれほど必要とならず、比水量も1.0〜1.8L/kgと小さい。従って幅方向温度差も50℃以上発生することは稀であり、最終凝固位置の幅方向分布もほぼフラットとなり断面欠陥の発生はほとんどないことが確認されてきた。
このことから、問題となる鋳造速度2.0m/min以上の下限値である鋳造速度2.0m/minにおける鋳造時の最終凝固位置L2.0の前後5m以内を温度測定位置とすることで、温度ムラという問題発生の有無を効果的に検出できるのである。
一般に連続鋳造機においては、鋳片の凝固シェルの厚みd(mm)はd=K(t)1/2という式で示されるように、経過時間t(min)の1/2乗に比例することが知られており、その比例係数K(mm・min-1/2)を凝固定数と呼んでいる。この凝固係数は、鋼種毎に決定される鋳造溶鋼の温度、二次冷却水量、二次冷却水温度、スラブ幅、そして二次冷却水の水量配分パターン等の鋳造条件によってそれぞれ異なる値である。Kの値は27〜30(mm・min-1/2)程度である。
従って、鋳造速度Vc(m/min)で鋳造した場合の鋳型内湯面から凝固完了位置までの長さl′(m)は、鋳片の厚さD(mm)とすると、D=2dの関係からl′=Vc・(D/2K)2で与えられる。
ここで、Vc=2.0(m/min)を代入することで、L2.0=D2/2K2となる。
なぜなら、放射温度計の設置位置が二次冷却帯の範囲内にある場合、二次冷却水に起因する蒸気やスラブ上面に水膜が存在する場合があり、このような場合には、サーモグラフィーではなく鋳片幅全体をカバーできる走査型のSi単色放射温度計もしくはSi単色放射温度計を幅方向全体に往復走行させて測定する方法を採用することが望ましい。この理由は、サーモグラフィーに採用される7.5〜20μm波長の測定装置では蒸気や水膜が存在すると精度の良い温度測定が困難であるからである。
なお、蒸気や水膜をエアパージする機構などを付加した密閉フードをセグメント間に配置し、1μm以下の短波長のSi素子による温度測定装置を密閉フードの上部に設置するようにするのが安定した温度測定のためには有効である。
冷却水量制御装置13は、放射温度計11の測定値を入力して、凝固シェル厚d(mm)とスラブ全厚D(mm)に対して少なくともd/D=0.1〜0.4を満たす冷却帯範囲に設置された二次冷却スプレイ9の二次冷却水量を制御する。なお、前記冷却範囲は図1において、矢印Bで示した範囲である。
制御方法としては、放射温度計11による測定値から鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、二次冷却スプレイ9の噴射水量を調整し、鋳片幅方向温度差が150℃以内となるようにする。
なお、冷却強度の調整を行う方法として、二次冷却スプレイ9の噴射水量の調整の他、幅切量の調整、あるいは水量密度の調整などでもよい。
上記のような制御を行うようにしている理由を以下に説明する。
この位置は、
・脆化温度範囲の幅が大きくなる上、ロールピッチが急増するため内部割れが発生しやすい。
・湾曲帯でのロールチョック部への垂れ水による過冷却が発生しやすい。
・凝固シェルの成長速度が大きく、強冷却と緩冷却とでクレーターエンド位置が大きく変化しやすい。
などの理由から、最終凝固位置の位置や形状に影響の非常に大きな冷却ゾーンといえる。
その結果、断面欠陥が多発するような場合には、幅方向温度差が150℃超えと高位になっており、そのときのクレーターエンド位置は幅方向で約3mの差が生じていることが明らかになった。
断面欠陥は、その後の鋳造速度の低下や溶鋼温度の変化により未凝固部分の溶鋼が閉じ込められる現象であるが、幅方向温度差が150℃以下の場合には、若干の幅方向の最終凝固位置(クレーターエンド位置)の揺らぎは発生するが未凝固溶鋼の封入は全く発生しなかった。
評価結果を図3に示す。図3は、縦軸が断面結果発生指数、横軸が幅方向温度差(ΔT_width(℃))をそれぞれ示している。尚、本発明者らは幅方向温度差ΔT_widthの同定にあたり、測定範囲を両鋳片コーナーより鋳片半厚D/2(mm)を差し引いた範囲、すなわちD/2〜(W-D/2)(mm)(ただしW:全幅(mm))の範囲と規定した。このようにした理由は、鋳片コーナー部は長辺面と短辺面の両面から冷却されるため、鋳片コーナー部の温度を含めると長辺面の最終凝固に対応した温度評価が適正にできなくなることを避けるためである。
図3のグラフから分かるように、幅方向温度差150℃超えで断面欠陥の発生が急激に顕著になることが確認できた。断面欠陥の発生位置が前述した図2(b),(c),(d)のような特定幅位置の周期性がみられたことから、本断面欠陥は最終凝固位置が遅れた箇所に対応することが推定された。
尚、断面欠陥の評価は、トーチカット後のスラブ断面を目視観察し、1/2厚位置に隙間・空隙が観察された場合を断面欠陥発生と判定し、
断面欠陥発生指数(断面欠陥発生比率)=断面欠陥発生スラブ枚数/対象スラブ調査枚数
として定義した。
尚、断面欠陥指数は、幅方向温度差150℃超えで何ら対策を講じなかった場合の発生比率の累積数を1としたときの相対評価として定義した。
上記の結果は、矯正点以降の冷却を弱めても幅方向の最終凝固点の差の改善には効果が小さく、幅方向の凝固シェル厚の成長速度に差異が生じている湾曲部の冷却を緩冷却化することが必要であることを示すものと考えられる。
これらの方法による具体的な量は以下の通りである。
・冷却水量を変更(10〜20%程度)
・幅切量を変更(0〜200mm程度)
上記のように冷却強度を調整することで断面欠陥発生防止を図ることができる。上記のように冷却水量や幅切量の数値に幅があるのは実際の冷却においては水温やマシーンプロフィール、ノズルの種類等により二次冷却水量設定値が同じでも実際の鋳片温度に差が生じる場合が多いことに起因する。
連続鋳造注において放射温度計11によって鋳片表面温度を計測し、その計測値を冷却水量制御装置13に入力する。冷却水量制御装置13は、放射温度計11の測定値に基づいて鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超えるかどうかを判定し、前記値が150℃を超える場合には、d/D=0.1〜0.4を満たす冷却帯範囲に設置されている冷却スプレイ9に対して冷却強度を調整を行う。冷却強度調整方法の具体的な内容は、上述したように、冷却水量の変更(10〜20%程度)や、幅切量を変更(0〜200mm程度)等である。
本実施の形態の鋼の連続鋳造装置及び方法を図5に基づいて説明する。なお、図5において、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態に係る鋼の連続鋳造装置20は、タンディッシュ3から鋳型5に溶鋼を連続的に注入して鋳片15を連続鋳造する鋼の連続鋳造装置1であって、鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0の前後5mの範囲内に鋳片全幅を覆うように設置された放射温度計11と、放射温度計11の測定値を入力して該測定値に基づいて平均ロールギャップ勾配を調整するロールギャップ勾配制御装置21とを備え、ロールギャップ勾配制御装置21は、放射温度計による鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、軸心部固相率fsc=0.2〜0.8に相当するロールセグメントにおける平均ロールギャップ勾配R(mm/m)を下式(1)の範囲を満たすように調整することを特徴とするものである。
ΔT_width/R≦500(℃・m/mm) ・・・・(1)
(鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)、平均ロールギャップ勾配 R(mm/m))
軸心部固相率は凝固伝熱計算によりスラブ幅中央・厚み中央位置の温度を計算し、その温度が液相線温度と固相線温度の間にある場合、その比率より算出した。
軸心部固相率fsc=0.2〜0.8に相当するロールセグメントとは、「軸心部固相率fsc=0.2〜0.8」に相当する鋳片を含む位置にあるロールセグメントであり、例えば、図5において図示するようなロールセグメントが相当する。
本実施の形態において特定した平均ロールギャップ勾配の範囲は後述する実施例に示した結果から決定したものである(図6参照)。
断面割れの発生有無は、鋳造後トーチ切断後の断面からサンプルを採取し、凝固組織のマクロエッチングから調査した。
成分はC/0.15%の中炭素鋼に統一し、鋳造速度は1.6〜2.3m/minで実施した。
また実験時に軸心部固相率fsc=0.2〜0.8に相当する位置のセグメントのロールギャップを変更し、平均ロールギャップ勾配を0.1〜0.6mm/mの範囲で変更し、その影響も評価した。
断面割れの発生有無は、鋳造後トーチ切断後の断面からサンプルを採取し、凝固組織のマクロエッチングから調査した。
尚、8m長さ当たりで幅方向温度差ΔT_width(℃)を平均化したのは、本実施例のスラブのトーチ切断長が概ね8m長さに対応付けるためである。超音波による内面欠陥を探傷できる検査装置を有する場合には連続的にスラブや製品の欠陥位置を確認できるため、このような場合には、時事刻々と変化する幅方向温度差を測定し、製品もしくはスラブ位置と対応付けるのがより好ましい。
図中においては、断面欠陥が発生したものを▲印、断面欠陥が発生しなかったものを○印で示した。
2 取鍋
3 タンディッシュ
5 鋳型
7 サポートロール
9 二次冷却スプレイ
11 放射温度計
13 冷却水量制御装置
15 鋳片
15a 鋳片における未凝固部位
15b 鋳片における凝固部位
15c 鋳片における最終凝固位置
20 鋼の連続鋳造装置(実施の形態2)
21 ロールギャップ勾配制御装置
Claims (4)
- 鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0(=D2/2K2(D:スラブ全厚(mm)、K:凝固定数(mm・min-1/2))の前後5mの範囲内に鋳片全幅を測定できる放射温度計を設置し、
該放射温度計による鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、凝固シェル厚d(mm)とスラブ全厚D(mm)に対して少なくともd/D=0.1〜0.4を満たす冷却帯範囲で鋳片に対する冷却強度を調整し、前記鋳片幅方向温度差が150℃以内となるようにすることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。 - 鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0(=D2/2K2(D:スラブ全厚(mm)、K:凝固定数(mm・min-1/2))の前後5mの範囲内に鋳片全幅を測定できる放射温度計を設置し、
該放射温度計による鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、軸心部固相率fsc=0.2〜0.8に相当するロールセグメントにおける平均ロールギャップ勾配R(mm/m)を下式の範囲を満たすように調整することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
ΔT_width/R≦500(℃・m/mm)
ただし、
鋳片幅方向温度差ΔT_widthは鋳片8m長さ当りの平均値を50℃ピッチで分類した値
R≦0.6mm/m - タンディッシュから鋳型に溶鋼を連続的に注入して鋳片を連続鋳造する鋼の連続鋳造装置であって、
鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0(=D2/2K2(D:スラブ全厚(mm)、K:凝固定数(mm・min-1/2))の前後5mの範囲内に鋳片全幅を覆うように設置された放射温度計と、凝固シェル厚d(mm)とスラブ全厚D(mm)に対して少なくともd/D=0.1〜0.4を満たす冷却帯範囲に設置された二次冷却装置と、該放射温度計の測定値を入力して前記二次冷却装置の鋳片に対する冷却強度を調整する冷却水量制御装置とを備え、
該冷却水量制御装置は、前記放射温度計による測定値から鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、前記二次冷却装置の冷却強度を調整し、前記鋳片幅方向温度差が150℃以内となるようにすることを特徴とする鋼の連続鋳造装置。 - タンディッシュから鋳型に溶鋼を連続的に注入して鋳片を連続鋳造する鋼の連続鋳造装置であって、
鋳造速度が2.0m/minとした場合に最終凝固位置となる位置L2.0(=D2/2K2(D:スラブ全厚(mm)、K:凝固定数(mm・min-1/2))の前後5mの範囲内に鋳片全幅を覆うように設置された放射温度計と、該放射温度計の測定値を入力して該測定値に基づいて平均ロールギャップ勾配を調整するロールギャップ勾配制御装置とを備え、
該ロールギャップ勾配制御装置は、放射温度計による鋳片幅方向温度差ΔT_width(℃)が150℃超える場合に、軸心部固相率fsc=0.2〜0.8に相当するロールセグメントにおける平均ロールギャップ勾配R(mm/m)を下式の範囲を満たすように調整することを特徴とする鋼の連続鋳造装置。
ΔT_width/R≦500(℃・m/mm)
ただし、
鋳片幅方向温度差ΔT_widthは鋳片8m長さ当りの平均値を50℃ピッチで分類した値
R≦0.6mm/m
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