JP2540666B2 - スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法 - Google Patents

スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法

Info

Publication number
JP2540666B2
JP2540666B2 JP2404425A JP40442590A JP2540666B2 JP 2540666 B2 JP2540666 B2 JP 2540666B2 JP 2404425 A JP2404425 A JP 2404425A JP 40442590 A JP40442590 A JP 40442590A JP 2540666 B2 JP2540666 B2 JP 2540666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stand
thickness
plate thickness
stands
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2404425A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0569022A (ja
Inventor
谷 直 治 芳
山 高 次 植
取 英 夫 香
谷 達 雄 岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2404425A priority Critical patent/JP2540666B2/ja
Publication of JPH0569022A publication Critical patent/JPH0569022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2540666B2 publication Critical patent/JP2540666B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の圧延スタンドを
有する連続圧延機による、ストリップの熱延板厚制御方
法に関するものである。
【0002】
【従来技術】n段連続圧延機(n≧2)によるストリッ
プの熱間圧延においては、従来、厚み計は、最終スタン
ド出側のみに設けており、各スタンド直下における板厚
は、圧延荷重測定値から間接的に求める方式が一般的で
あった。このときの第jスタンド(j=1,2,・・
・,n)における出側板厚計算式(ゲ−ジメ−タ式)は
つぎの公知の式で表わされる。
【0003】 hGJ=SJ−(PJ/MJ)+εJ (1) ただし、hGJ:出側板厚推定値(ゲ−ジメ−タ板厚)
〔mm〕, SJ:ロ−ル間隙〔mm〕, PJ:圧延荷重〔ton〕, MJ:圧延機剛性係数(ミル定数)〔ton/mm〕, εJ:ロ−ルの熱膨張,圧延油膜などの影響に対する補
正項〔mm〕 (いずれも第jスタンドにおける値)。
【0004】各スタンドにおいては、上のhGJが該スタ
ンド出側目標板厚になるようにロ−ル圧下位置を操作す
ることにより行なう板厚制御(ゲ−ジメ−タAGC)と
ともに、材料先端が最終スタンド出側厚み計通過後は、
該厚み計による板厚測定値が目標板厚になるように、各
スタンドのロ−ル圧下位置をフィ−ドバック修正するこ
とにより行なう板厚制御(モニタ−AGC)を併せて実
行する。
【0005】しかしながら、上記ゲ−ジメ−タ式は、M
JやεJの値の不正確さにより誤差を生じることが多く、
また最終スタンド出側厚み計による測定値に基づくフィ
−ドバック制御にはかなりのむだ時間があり、したがっ
て高精度の板厚制御は実現困難である。精度の低下は特
に材料先端部において大きい。この問題に対処するため
には、中間のスタンドの入り側にさらに厚み計を設け、
該厚み計による板厚測定値を用いて、下流スタンドにお
いて板厚のフィ−ドフォワ−ド制御を行なう方式が有効
であり、従来から提案されている。
【0006】このような方式の代表的なものが、特開昭
63−220915号公報に記述されている。該公報に
は、材料先端がスタンド間厚み計を通過したときに、該
厚み計による板厚測定値とそれより上流のスタンドにお
ける圧延荷重から、材料先端における板厚と変形抵抗と
を分離して検出し、しかるのちに、これら検出値と、前
もって材料の初期デ−タから求めておいた板厚および変
形抵抗の設定値との誤差値に基づいて、下流スタンドの
ロ−ル圧下位置と、ロ−ル回転数(またはロ−ル周速)
の設定値を修正することが述べられている。
【0007】この公報についてもう少し詳しく述べる。
まず準備として、第jスタンドにおける圧延荷重Pj
変形抵抗kFJ〔Kg/mm2〕との関係は、つぎの公知
の式(Simsの式)で表わされる。
【0008】
【数1】
【0009】ただし hi:第iスタンド出側板厚(i=j−1,j)〔m
m〕, Rj’:第jスタンドにおける偏平後のロ−ル半径〔m
m〕, QPj:圧下力関数(hj-1 ,hjの関数), B:板幅〔mm〕。
【0010】また、第jスタンドにおいて、圧延荷重P
j ,入り側板厚Hj(hj-1),出側板厚hj ,変形抵
抗kFjとの間に、公知の次式が成り立つ。
【0011】 ΔPj=(δP/δhj)Δhj+(δP/δHj)ΔHj +(δP/δkFj)ΔkFj (3) ただしΔは、実績値と、設定計算時の推定値との偏差を
表わす。
【0012】ここでjを該厚み計算直前のスタンド番号
とすると、該公報においては上式を用いて、変形抵抗の
予測誤差ΔkFjは次式で表わされる。
【0013】
【数2】
【0014】一方、各スタンドの変形抵抗誤差に関して
は、誤差率ΔkFj/kFjがスタンドによらずにほぼ等し
いとして、次式の成立を仮定する。
【0015】 ΔkFi/kFi=ΔkFj/kFj (i≠j) (5) これにより、該厚み計より下流の第iスタンドにおける
変形抵抗誤差ΔkFiに起因する圧延荷重誤差ΔPdiは、 ΔkFi=(ΔkFj/kFj)kFi (6a) ΔPdi=(ΔkFi/kFi)Pi 〔(2)式を参照〕 (6b) と表わされる。このΔPdiと、板厚測定値hjに基づく
下流スタンド出側板厚偏差予測値Δhdi〔(1)のゲ−
ジメ−タ式から求める〕とから、下流スタンドにおける
ロ−ル圧下位置修正量ΔSdiは次式で計算される。
【0016】
【数3】
【0017】以上が該公報の概略内容である。ロ−ル回
転数の計算についての説明は省略する。
【0018】ここでスタンド間厚み計の数は1台以上で
多いほど望ましいが、台数が増せば、設置,保守の費用
増大を招くため、通常は該公報第1図にあるように、中
間に1台のみ設置される。設置位置は、該厚み計による
先端板厚測定から下流スタンドのロ−ル圧下位置修正完
了までの最大所要時間(板厚誤差が最も大きい場合の所
要時間)を考慮して、最終スタンド入り側よりも1〜2
スタンド上流側とするのが通常である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた従来技術
(特開昭63−220915号公報)の課題は、まず第
一に材料先端板厚をスタンド間厚み計で測定するタイミ
ングが不適切なことである。
【0020】すなわち該公報では、材料先端が該厚み計
を通過した時点において、先端板厚を推定しているが、
先端がスタンド間厚み計を通過してからその直後のスタ
ンド(ここでは第5スタンド)にかみこむまでの間は、
該厚み計を通過中の材料部分は無張力であるため、振
動,反り,曲りなどにより、板厚測定に誤差を生じやす
い。
【0021】つぎに第二の課題は、前述のようにスタン
ド間厚み計が最終スタンド入り側よりも上流側に設置さ
れている通常の場合は、材料がスタンド間厚み計を通過
した時点においてのみ該厚み計より下流のスタンドにお
けるロ−ル圧下位置を修正しても、それによって最終ス
タンドの出側板厚を目標に一致させるのは困難なことで
あり、これは以下の〈理由1〉,〈理由2〉による。
【0022】〈理由1〉 該厚み計を材料先端が通過したときに上流スタンドにお
ける測定値に基づき算出した、材料先端の変形抵抗誤差
〔(6a)式のΔkFj〕は下流スタンドにそのまま適用
し難い。
【0023】これはさらにつぎの〈理由1−1〉,〈理
由1−2〉による。
【0024】〈理由1−1〉 (4)式において、ΔHjの値を満足できる精度で求め
ることは非常に困難である。該公報にも述べてあるよう
に、ΔHj=0とする方がよい場合すらある。(4)式
においてΔHjの変動が変形抵抗誤差ΔkFjに与える影
響は大きく、したがって求めたΔkFjの値も満足できる
精度とはなり難い。
【0025】〈理由1−2〉 異なるスタンドにおける変形抵抗誤差に関する(5)式
は厳密には成立しない。すなわち変形抵抗の誤差は材料
温度の推定誤差を大きな要因として生じることが多い
が、この温度推定誤差の割合はスタンドごとに多少異な
り、その他、スタンド固有の誤差要因(ロ−ル偏芯な
ど)も存在する。したがって、たとえ該厚み計直前スタ
ンドにおける変形抵抗誤差ΔkFjの値がほぼ正確に推定
できたとしても、(5)式で求めた下流スタンドにおけ
る値ΔkFiは、通常不正確なものとなる。このようなΔ
Fiの値の不正確さは、(6b),(7)式からわかる
ように、第iスタンド出側板厚〔=第(i+1)スタン
ド入り側板厚〕の予測に誤差を生じさせる。
【0026】〈理由2〉 (1)式の説明で述べたようにゲ−ジメ−タ式が誤差を
含み、しかもこの誤差率(目標板厚に対する誤差の割
合)は、通常、スタンドごとに異なる。これも板厚偏差
の予測に誤差を生じさせる。
【0027】なお、該公報においても、スタンド間厚み
計を圧延機中間に1台だけでなく、その下流側最終スタ
ンドまでの全スタンド間に設置して、そのおのおのにお
いて、材料先端が通過したときに先端板厚を測定し、そ
の結果に基づいてそのスタンドより下流側スタンドのロ
−ル圧下位置を調整すれば、第二の課題は解決するが、
この方法は前に述べたように費用増大を招き好ましくな
い。
【0028】本発明は、これらの課題を考慮してなされ
たものである。その目的は最終スタンド出側板厚精度の
向上であり、スタンド間厚み計による被圧延材料先端板
厚の測定タイミングを適正化することと、該厚み計より
も下流の各スタンドを材料先端が通過するたびに、通過
したスタンドよりも下流の各スタンドのロ−ル圧下位置
を修正することにより実現する。
【0029】
【問題点を解決するための手段】本願発明は、前述のよ
うな従来制御の課題を解決するものであり、第mスタン
ド(1≦m<n)出側のスタンド間に厚み計を設け、被
圧延材料先端が該厚み計より下流の1つ目のスタンド
〔第(m+1)スタンド〕を通過した時点において、該
厚み計による板厚測定値と該スタンド入り出側における
マスフロ−一定の式とに基づいて、材料先端の板厚偏差
(目標値との差)を求め、また、第1〜第(m+1)の
各スタンドにおける、被圧延材料先端通過時の圧延荷重
測定値と、マスフロ−一定の式から推定した入り出側板
厚とに基づいて、材料先端の変形抵抗推定値を求め、し
かるのちに、求めた板厚偏差と変形抵抗推定値とを用い
て、最終スタンド出側板厚が目標値に等しくなるよう
に、該厚み計よりも下流のスタンドのロ−ル圧下位置を
おのおの所定の割合でフィ−ドフォワ−ド修正するとと
もに、スタンド間における被圧延材料長が変動しないよ
うに、各スタンドのロ−ル回転数を修正し、その後被圧
延材料先端がさらに下流の第jスタンド(ただし最終ス
タンドを除く;m+1<j<n)を通過した各時点にお
いて、該スタンドより1つ上流側スタンドでの被圧延材
料先端出側板厚と該スタンド入り出側におけるマスフロ
−一定の式とに基づいて、材料先端の板厚偏差(目標値
との差)を求め、また、第jスタンドにおける、被圧延
材料先端通過時の圧延荷重測定値と入り出側板厚とに基
づいて、材料先端の変形抵抗推定値を修正し、しかるの
ちに、求めた板厚偏差と変形抵抗推定値とを用いて、最
終スタンド出側板厚が目標値に等しくなるように、該厚
み計よりも下流のスタンドのロ−ル圧下位置をおのおの
所定の割合でフィ−ドフォワ−ド修正するとともに、ス
タンド間における張力や被圧延材料長が変動しないよう
に、各スタンドのロ−ル回転数を修正する。
【0030】本願のもう1つの発明は、被圧延材料先端
が該厚み計より下流の各スタンド〔第jスタンドとする
(m<j≦n)〕を通過後は、所定のサンプリング周期
で、該スタンドより1つ上流側スタンドでの被圧延材料
先端出側板厚と該スタンド入り出側におけるマスフロ−
一定の式とに基づいて、材料先端の板厚偏差(目標値と
の差)を求め、しかるのちに、求めた板厚偏差を用い
て、最終スタンド出側板厚が目標値に等しくなるよう
に、該スタンドのロ−ル圧下位置を修正するとともに、
スタンド間における張力や被圧延材料長が変動しないよ
うに、各スタンドのロ−ル回転数を修正する。以下、本
発明について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0031】
【作用】本発明の対象プラントは、ストリップの熱間連
続圧延機であり、その一例を図5に示す。同図におい
て、スタンドはF1からF7まで7基あり、被圧延材料
1が図の左から右へ圧延される。材料板厚は第4〜第5
スタンド間のスタンド間厚み計3Aと、第7スタンド出
側の厚み計3Bとで測定され、また各スタンドの圧延荷
重は圧延荷重検出器2A〜2Gで測定され、これらの測
定値は演算装置6へ入力される。演算装置6において
は、後述の方式により、各スタンドのロ−ル圧下位置設
定値とロ−ル回転数設定値とが求められ、おのおの、ロ
−ル圧下位置検出・制御器4A〜4G,ロ−ル回転数検
出・制御器5A〜5Gへ出力される。各スタンドのロ−
ル圧下位置とロ−ル回転数とは、材料先端が第1スタン
ドを通過するまでは、F1〜F7スタンドの板厚スケジ
ュ−ル(各スタンド出側板厚目標値)に基づいて行われ
た設定計算で得られた値に設定されており、先端が第1
スタンド通過後は、演算装置6により修正される。
【0032】本発明はこの演算装置6における板厚制御
方法に関するものであり、つぎの2つに分けることがで
きる。
【0033】 スタンド間厚み計および第5,第6ス
タンドを先端が通過した各時点において、下流のスタン
ドに対して行なう出側板厚の予測制御(かみこみ前の制
御)。 第5〜第7スタンドにおいて、先端通過後尾端抜け
までの間に行なう、該スタンド出側板厚制御(かみこみ
中の制御)。
【0034】以下、上記,について詳細に説明す
る。
【0035】 被圧延材料先端板厚予測制御 以下これに関連する処理を、タイミング別に1)〜3)
で述べる。
【0036】1)先端が第1,第2,・・・,第4スタ
ンドを通過したとき:これらの各時点における処理のブ
ロック線図を図2に示す。図に示すように各時点におい
ては、まずつぎの公知のマスフロ−一定則により、先端
の当該スタンド出側板厚推定値hAi(i=1,・・・,
4)を求める。
【0037】 hAi=hAi-i ・VINi/VOUTi (8) ここで VINi=VOUTi-1 (i≧2) (9) VOUTi= VRi ・(1+fi) (10) ただし、 hA0:第1スタンド出側板厚基準値〔mm〕, VINi:第iスタンド入り側材料速度〔mm/s〕, VOUTi:第iスタンド出側材料速度〔mm/s〕, VRi:第iスタンドロ−ル周速〔mm/s〕, fi:第iスタンド先進率。
【0038】上式において、先進率fiは圧延理論にお
ける公知の理論式より計算し、(10)式でVOUTiを求
めるのに用いるが、スタンド出側における材料速度が直
接測定可能ならば、VOUTiに関しては(10)式の代わ
りに測定値を用いる。測定値を用いる場合は、VINi
,VOUTiの精度が向上し、板厚精度の向上に一層有利
となる。
【0039】ここで、(8)式で用いるVINi ,V
OUTiの値の精度が低いと見なされた場合は、(1)式で
求められたゲ−ジメ−タ板厚hGiと(8)式右辺の値と
の重み付き平均値を板厚推定値hAiとする。
【0040】また、スタンド間にル−パ−が設置されて
いる場合は、(9)式において、ル−パ−角度変化によ
るスタンド間材料長変化を考慮して補正を加える必要が
ある。
【0041】2)材料先端が第5スタンドを通過したと
き: この時点において該厚み計位置の材料板厚が初めて測定
され、この値をhM4とする。このときの処理のブロック
線図を図1に示す。処理はつぎのa)〜e)の手順で行
なわれる。
【0042】a)材料先端の第1〜第3スタンド出側板
厚hMi(i=1,・・・3)の計算: これらのスタンドの出側板厚は(8)式のhAiで求めら
れているが、得られたhM4を用いて下記のように修正を
行なう。修正後の板厚はhMiとする。
【0043】 hMi=hAi−ΔhA4 ・(hA0−hAi)/(hA0−hA4) (11) ここで ΔhA4=hA4−hM4 (12) b)第5スタンド出側板厚: つぎの式により求める。
【0044】 hM5=hM4 ・VIN5/VOUT5 (マスフロ−一定則) (13) VIN5 ,VOUT5の計算は、(9),(10)式と同様
である。
【0045】c)変形抵抗比rKFの計算: rKFは、各スタンドにおける変形抵抗比の重み付き平均
値として、次式により求める。
【0046】
【数4】
【0047】 ここで rKFi=kFMi/kFTi (i=1,・・・,5) (15) ただし、 rKFi:材料先端の第iスタンドにおける変形抵抗比, kFMi:同上における実際の変形抵抗〔kg/mm2〕 〔第iスタンドの圧延荷重測定値Pi ,入り側板厚hMi-1 , 出側板厚hMi ,ロ−ル圧下位置測定値Siを用いて求める。〕, kFTi:同上における変形抵抗の計算値(理論値)〔kg/mm2〕 〔入り側板厚hMi-1 ,出側板厚hMi ,ロ−ル圧下位置測定値Si を用いて、公知の圧延理論式より求める。ここで材料温度について は、実測値または推定値を用いる。〕, Wi:適当な重み値(Wi >0)。
【0048】d)第6,第7スタンドロ−ル圧下位置Δ
i(i=6,7)のフィ−ドフォワ−ド修正: ΔSi は次式を用いて、i=6,7に対して順次求め
る。
【0049】
【数5】
【0050】ここで
【0051】
【数6】
【0052】 また、i=6のときは ΔhMi=Δhi ・(1−gSAi) (23) (i=7のときの計算に用いる) ただし、 Δhi:第iスタンド出側板厚偏差(板厚の目標値との
差)〔mm〕 (第iスタンドのロ−ル圧下位置を修正しな
い場合), ΔhMi:同上
〔mm〕 (第iスタンドのロ−ル圧下位置を(16)式
により修正した場合), ΔPdi:材料先端の第iスタンドにおける圧延荷重誤差
〔kg/mm2〕 第iスタンドまでの圧延荷重測定値に基づく予測値と理
論値との差), hRi:第iスタンド出側板厚目標値
〔mm〕, PTi:第iスタンド圧延荷重理論値(圧延理論式から求
める)
〔kg/mm2〕, Mi:第iスタンド圧延機剛性係数(ミル定数とも呼ば
れる)
〔kg/mm2〕, Qi:第iスタンド材料塑性係数
〔kg/mm2〕, gSAi:第iスタンドロ−ル圧下位置修正ゲイン,0≦
SAi≦1, gPi:第iスタンド圧延荷重ゲイン,0≦gPi≦1。
【0053】gSAiは、第iスタンドにおいて何もしな
い場合にその出側に生じると予想される板厚偏差Δhi
の中で、ロ−ル圧下位置修正により補正する量の割合
(gSAi=1のとき、修正後の板厚偏差を0とするよう
に修正する)を表わし、gPiは、第jスタンドまでの測
定値から求めた変形抵抗比rKFをどの程度第iスタンド
に反映させるかを表わす(gPi=1ならば100%反
映)。gSAiに関しては、たとえば〔gSA6 ,gSA7
=〔0.8,1.0〕と設定したときは、第6スタンド
で板厚偏差の80%を補正し、第7スタンドで残りの偏
差の100%を補正するように、それぞれのロ−ル圧下
位置を修正する。このgSAiは、ロ−ル圧下位置の修正
が材料の最終スタンド出側クラウンや形状に与える影響
も考慮して設定する。
【0054】また、gPiに関しては、第1〜第jスタン
ドのおのおのにおける変形抵抗誤差(kFMi−kFTi
(i=1,・・・,j)のばらつきが小さければ、この
誤差は各スタンド共通の要因で生じたと見なして、gPi
を1に近くし、ばらつきが大きければ、誤差はスタンド
固有の要因で生じたと見なして、gPiは0に近くする。
【0055】e)先端予測マスフロ−補正(第1〜第6
スタンドのロ−ル回転数VRiの修正): 前項d)までの処理により、第6,7スタンドにおける
材料先端の出側板厚予測値hMi(i=6,7)が求めら
れた。このhMiは一般に設定計算時の板厚スケジュ−ル
とは異なるため、第5〜第6および第6〜第7スタンド
間において、マスフロ−にアンバランスが生じることが
予測される。これを是正するために、第7スタンドを基
準スタンド(ピボットスタンド)として、VRi(i=
1,・・・,6)を修正する。VRiの修正量ΔVRiは次
式を用いて、i=6,5,・・・,1と順に求める。
【0056】
【数7】
【0057】ここで
【0058】
【数8】
【0059】ただし ΔrMFi:第iスタンドにおける入り出側板厚比変化
率, ri:第iスタンドのロ−ル径 〔mm〕, gMFi:マスフロ−修正ゲイン。
【0060】3)材料先端が第6スタンドを通過したと
き: このときの処理のブロック線図を図3に示す。処理はつ
ぎのa)〜d)に分かれる。
【0061】a)第5スタンド出側板厚: つぎの式により求める。
【0062】 hM5=hM4 ・VIN5/VOUT5 (マスフロ−一定則) (26) VIN5 ,VOUT5の計算は、(9),(10)式と同様
である。
【0063】b)変形抵抗比 rKFの再計算: (15)式と同様にして、第6スタンドにおける変形抵
抗比rKF6を求め、その後(14)式と同様にして、r
KFを再計算する。
【0064】c)第7スタンドロ−ル圧下位置のフィ−
ドフォワ−ド修正: (16)式と同様にして、ロ−ル圧下位置の修正量ΔS
7を求める。
【0065】d)先端予測マスフロ−補正: (24)式と同様にして、第1〜第6スタンドのロ−ル
回転数VRiを修正する。
【0066】以上が先端板厚予測制御の説明である。
【0067】 被圧延材料先端通過後の板厚制御(か
みこみ中の制御): 第jスタンド(j=5,6,7)を先端が通過した後
は、該スタンドにおいて所定のサンプリング周期で、ロ
−ル圧下位置SjをΔSjだけ修正することにより、出側
板厚hMjを目標値hRjに制御する。ここでhMjは、
(8)式のhAiと同様に次式で求める。材料先端が第7
スタンド出側の厚み計を通過した後は、該厚み計による
測定値を用いて、(27)式で求めたhMjの値を修正す
る。
【0068】 hMj=hMj-1 ・VINj/VOUTj (27) ただし hMj-1は、材料上同一点の第(j−1)〜第j
スタンド間における値である。またロ−ル圧下位置の修
正量ΔSjは、たとえばPI(比例+積分)制御則を用
いる場合は、次式で求める。
【0069】
【数9】
【0070】ただし、
【0071】
【数10】
【0072】 gSBj:ロ−ル圧下位置修正の積分ゲイン; 0≦gSBj≦1, gSCj:比例制御ゲイン; 0≦gSCj
【0073】gSBj ,gSCjの値は適当に定める。また
(δhj/δSj)の値は(20)式と同様にして求めら
れる。
【0074】一方ΔSjの修正に伴って、第(j−1)
〜第jスタンド間のマスフロ−が乱れるため、前項
2) e)と同様にして、第1〜第(j−1)の各スタ
ンドのロ−ル回転数を修正する。
【0075】
【実施例】本発明によるスタンド間厚み計を用いた熱延
板厚制御方法の実施例を以下に示す。この例では、板幅
1063mm,圧延前板厚29.5mmの鋼板の熱間圧
延に際して、第1から第7までのそれぞれのスタンドに
おける、板厚スケジュ−ル(各スタンド出側板厚目標
値),材料先端の変形抵抗比〔(15)式のrKFi〕,
ゲ−ジメ−タ板厚誤差率〔(1)式の誤差の、板厚目標
値に対する割合〕を表1のように設定した。
【0076】ここで第1〜第5スタンドにおいては、ロ
−ル圧下位置を初期設定値から変更しないものとし、第
6スタンド以降は、つぎのように修正する。
【0077】 ・第5スタンドを材料先端が通過したとき: 第6,第7スタンドのロ−ル圧下位置修正; 第1〜第6スタンドロ−ル速度修正 ・第6スタンドを材料先端が通過したとき: 第7スタンドのロ−ル圧下位置修正, 第1〜第6スタンドロ−ル速度修正。
【0078】ただし、ロ−ル圧下位置修正ゲインは、
〔gSA6 ,gSA7〕=〔0.7,1.0〕とする。
【0079】 表1 実施例の圧延条件等 スタンド番号 1 2 3 4 5 6 7 板厚スケジュ−ル(mm) 14.31 7.56 4.31 2.70 1.86 1.40 1.18 剛性係数M〔103kg/mm3〕 600 600 600 600 600 600 600 塑性係数Q〔103kg/mm3〕 110 430 900 1800 3260 5050 4450 変形抵抗比 1.08 1.09 1.10 1.12 1.15 1.16 1.17 ケ-ジメ-タ誤差率 0.02 0.00 -0.02 0.01 -0.01 -0.02 -0.01 また、従来方式との比較のために、表1の条件のもと
で、以下の2つの比較例についてもその実施例を示す。 比較例1:第5〜第7スタンドのロ−ル圧下位置を変更
しない方式 (スタンド間厚み計を用いない場合)。 比較例2:同上ロ−ル圧下位置を、材料先端がスタンド
間厚み計を通過した時点において1回だけ、該厚み計に
よる測定値を用いて修正し、また、第1〜第6スタンド
ロ−ル速度も修正する方式(特開昭63−220915
号公報の方式)。
【0080】図4に、本発明,比較例1,比較例2のそ
れぞれについて、第5〜第7スタンド出側における材料
先端の板厚偏差の計算結果を示す。第6,第7スタンド
において板厚偏差はそれぞれ異なる。図からわかるよう
に、第5スタンド出側の板厚偏差は、いずれの場合も、
約160μmであったが、最終の第7スタンドにおける
板厚偏差は、比較例1の場合の110μmに対して比較
例2では、40μm,さらに本発明では、15μmと減
少している。変形抵抗誤差率やゲ−ジメ−タ誤差(率)
がスタンドごとに異なるために、スタンド間厚み計を材
料先端が通過した時点においては、第7スタンド出側に
おける板厚偏差の予測に誤差を生じることが、比較例2
と本発明との違いの理由である。すなわち、比較例2で
は、この予測誤差がそのまま実際の最終スタンド出側板
厚の誤差として現れるが、本発明では、先端がスタンド
間厚み計よりも下流の各スタンドを通過するたびに、上
の予測誤差を修正する。
【0081】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、スタン
ド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法において、材料先
端が該厚み計を通過した時点において求めた、該厚み計
より下流のスタンドにおける先端板厚の予測に誤差が含
まれる場合においても、その後下流スタンドを材料先端
が通過した各時点において、そこで新らしく得られた測
定値に基づいて、板厚予測誤差の修正,ロ−ル圧下位置
の修正を行なうため、最終スタンド出側の板厚精度を従
来よりも向上させることができる。また、該厚み計より
も下流の各スタンドにおける、先端通過後尾端抜けまで
の板厚制御においては、該スタンド出側板厚を、スタン
ド間厚み計による測定値や該スタンドにおける各種測定
値に基づいて、つねに推定しながら制御するため、各ス
タンド出側板厚を目標値にほぼ一致させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の計算方法を示す図である。
【図2】 本発明の計算方法を示す図である。
【図3】 本発明の計算方法を示す図である。
【図4】 材料先端の各スタンド出側板厚偏差の、制御
方式による違いを表わす図である。
【図5】 本発明の方法を用いる対象プラントの一例と
しての、熱間連続圧延機を表わす図である。
【符号の説明】
1被圧延材料 2:圧延荷重検出器 3:厚み計 4:ロ−ル圧下位置検出・
制御器 5:ロ−ル回転数検出・制御器 6:演算装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n基,n≧2,の圧延スタンドを有する
    連続圧延機による、スタンド間厚み計を用いた熱延板厚
    制御方法において、 第mスタンド,1≦m<n,出側のスタンド間に厚み計を
    設け、 被圧延材料先端が該厚み計より下流の1つ目のスタン
    ド,第(m+1)スタンド,を通過した時点に、該厚み
    計による板厚測定値と該スタンド入り出側におけるマス
    フロ−一定の式とに基づいて、目標値に対する材料先端
    の板厚偏差を求め、また、第1〜第(m+1)の各スタ
    ンドにおける、被圧延材料先端通過時の圧延荷重測定値
    と、マスフロ−一定の式から推定した入り出側板厚とに
    基づいて、材料先端の変形抵抗推定値を求め、これらの
    板厚偏差と変形抵抗推定値とを用いて、最終スタンド出
    側板厚が目標値に等しくなるように、該厚み計よりも下
    流のスタンドのロ−ル圧下位置をおのおの所定の割合で
    フィ−ドフォワ−ド修正するとともに、スタンド間にお
    ける被圧延材料長が変動しないように、各スタンドのロ
    −ル回転数を修正し、 その後被圧延材料先端がさらに下流の第jスタンド,た
    だし最終スタンドを除く;m+1<j<n,を通過した
    各時点に、該スタンドより1つ上流側スタンドでの被圧
    延材料先端出側板厚と該スタンド入り出側におけるマス
    フロ−一定の式とに基づいて、材料先端の板厚偏差(目
    標値との差)を求め、また、第jスタンドにおける、被
    圧延材料先端通過時の圧延荷重測定値と入り出側板厚と
    に基づいて、材料先端の変形抵抗推定値を修正し、これ
    らの板厚偏差と変形抵抗推定値とを用いて、最終スタン
    ド出側板厚が目標値に等しくなるように、該厚み計より
    も下流のスタンドのロ−ル圧下位置をおのおの所定の割
    合でフィ−ドフォワ−ド修正するとともに、スタンド間
    における被圧延材料長が変動しないように、各スタンド
    のロ−ル回転数を修正する、 ことを特徴とする、スタンド間厚み計を用いた熱延板厚
    制御方法。
  2. 【請求項2】 n基,n≧2の圧延スタンドを有する連
    続圧延機による、スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制
    御方法において、 第mスタンド,1≦m<n,出側のスタンド間に厚み計
    を設け、 被圧延材料先端が該厚み計より下流の各スタンドj,m
    <j≦n,を通過後は、所定のサンプリング周期で、該
    スタンドより1つ上流側スタンドでの被圧延材料先端出
    側板厚と該スタンド入り出側におけるマスフロ−一定の
    式とに基づいて、目標値に対する材料先端の板厚偏差を
    求め、 しかるのちに、求めた板厚偏差を用いて、最終スタンド
    出側板厚が目標値に等しくなるように、該スタンドのロ
    −ル圧下位置を修正するとともに、スタンド間における
    被圧延材料長が変動しないように、各スタンドのロ−ル
    回転数を修正する、 ことを特徴とする、スタンド間厚み計を用いた熱延板厚
    制御方法。
JP2404425A 1990-12-20 1990-12-20 スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法 Expired - Lifetime JP2540666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2404425A JP2540666B2 (ja) 1990-12-20 1990-12-20 スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2404425A JP2540666B2 (ja) 1990-12-20 1990-12-20 スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0569022A JPH0569022A (ja) 1993-03-23
JP2540666B2 true JP2540666B2 (ja) 1996-10-09

Family

ID=18514102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2404425A Expired - Lifetime JP2540666B2 (ja) 1990-12-20 1990-12-20 スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2540666B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0569022A (ja) 1993-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0311847B2 (ja)
JP2540666B2 (ja) スタンド間厚み計を用いた熱延板厚制御方法
JPS6149722A (ja) 鋼ストリツプの板厚制御方法
JP2803573B2 (ja) テーパー鋼板の製造方法
CN114466711B (zh) 冷连轧机的控制系统
JPH09276915A (ja) 連続圧延機におけるダイナミックセットアップ方法
JP3062017B2 (ja) 熱間圧延における板厚制御方法
JP3400965B2 (ja) 板厚制御装置
JPH048122B2 (ja)
JP2968647B2 (ja) 熱間圧延における板幅制御法
JPH0636929B2 (ja) 被圧延材の板幅制御方法
JPH08187504A (ja) テーパー鋼板の製造方法
JP3491602B2 (ja) 連続圧延機における板厚制御方法
JP2950182B2 (ja) テーパー鋼板の製造方法
JP3040044B2 (ja) 熱延鋼板の板幅制御方法
JP2003211212A (ja) 熱間仕上げ圧延機における板幅制御方法
JPH06114428A (ja) 熱間連続圧延機の先端板厚制御方法
JP2697723B2 (ja) 熱間連続圧延方法
JP3451919B2 (ja) 熱間連続圧延機におけるスタンド間張力制御方法
JP3152524B2 (ja) 熱間連続圧延における被圧延材の板厚制御方法
JP3350294B2 (ja) タンデムミルの制御方法および制御装置
JPH0929316A (ja) 熱間仕上圧延におけるセットアップ方法
JPH05104123A (ja) 熱間連続圧延方法
JPH07178427A (ja) 熱間圧延における板幅制御方法
JPH06335719A (ja) 連続圧延機の速度制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960430