JPH1177122A - 冷間圧延機のダル圧延制御方法 - Google Patents

冷間圧延機のダル圧延制御方法

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JPH1177122A
JPH1177122A JP9238305A JP23830597A JPH1177122A JP H1177122 A JPH1177122 A JP H1177122A JP 9238305 A JP9238305 A JP 9238305A JP 23830597 A JP23830597 A JP 23830597A JP H1177122 A JPH1177122 A JP H1177122A
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JP
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rolling
roll
dull
load
stand
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JP9238305A
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Inventor
Yukio Kimura
幸雄 木村
Yasuhiro Sotani
保博 曽谷
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロール偏平が大きい場合であっても安定した圧
延を行ない、またロール偏平が小さい場合には高範囲な
圧延条件に対して板破断や絞りの発生を防止すること。 【解決手段】設定される圧延条件に対して塑性係数また
はワークロール偏平比を計算し、この塑性係数またはワ
ークロール偏平比があらかじめ設定された所定の値より
も大きい場合には、前段スタンドのブライト圧延ロール
2による圧延荷重に基づいて最終スタンドのダル圧延ロ
ール1による目標圧延荷重を設定し、塑性係数またはワ
ークロール偏平比が上記あらかじめ設定された所定の値
よりも小さい場合には、上記設定される圧延条件に応じ
て圧延理論モデルにより計算される圧延荷重を最終スタ
ンドのダル圧延ロール1による目標圧延荷重として設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最終スタンドにダ
ル圧延ロールを用いると共に、最終スタンドよりも上流
側の前段スタンドにブライト圧延ロールを用いて、被圧
延材の圧延を連続的に行なう連続式冷間圧延機のセット
アップ制御方法に係り、特にロール偏平が大きい場合で
あっても安定した圧延が行なえるようにした冷間圧延機
のダル圧延制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、被圧延材の圧延を連続的に行
なう連続式冷間圧延機のセットアップ制御においては、
各スタンド毎に、板厚目標値、張力設定値、被圧延材の
変形抵抗、摩擦係数といった圧延条件を用いて、理論モ
デル(例えば、“板圧延の理論と実際”日本鉄鋼協会昭
和59年発行2.4章)による圧延荷重の計算が行なわ
れ、この圧延荷重値に基づいて、ロールギャップ、ロー
ル速度等の設定値が求められている。
【0003】ところが、薄鋼板を製造する冷間圧延機の
最終スタンドでは、ロール表面を粗くしたダル圧延ロー
ルによる圧延が行なわれていることが多く、ブライト圧
延ロールを使用した場合に比べて、圧延荷重の予測誤差
が非常に大きくなることが問題となっている。
【0004】これに対して、例えば“特公平8−112
43号公報”に記載されているように、ダル圧延を行な
う最終スタンドの目標圧延荷重を、上記理論モデルを用
いずに、最終スタンドよりも上流側の前段スタンドのブ
ライト圧延ロールによる圧延荷重に基づいて設定する方
法が知られている。
【0005】すなわち、使用する前段スタンドのブライ
ト圧延ロールによる圧延荷重としては、実績データから
算出されたものを用いること、最終スタンドのダル圧延
ロールによる圧延荷重の目標値として、前段スタンドと
の荷重バランス係数を用いること等が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダル圧延ロ
ールによる圧延は、鋼板の表面にある程度の粗さを付与
することを目的として行なわれているものであり、ロー
ル表面は平均粗さ1μm以上の表面仕上げとなってお
り、摩擦係数が非常に高く、圧下率を大きくとることが
できない。
【0007】従って、最終スタンドのダル圧延において
は、圧下率として通常6%以下の設定となっている。通
常のセットアップ計算では、目標仕上板厚や原板厚から
各スタンドにおける板厚変化量を設定し、圧延理論モデ
ルに基づく圧延荷重計算と先進率の計算が、以下のよう
な式を用いて行なわれている。
【0008】 P(i) =P(hin(i),hout(i),tb(i),tf(i),k(i),μ(i),R' (i),…) (1) f(i) =f(hin(i),hout(i),tb(i),tf(i),k(i),μ(i),R' (i),…) (2) 但し、P:圧延荷重 f:先進率 hin :入側板厚 hout:出側板厚 tb:後方張力 tf:前方張力 k:変形抵抗 μ:摩擦係数 R´:偏平ロール半径 添字(i) :第(i) スタンド そして、このようにして計算される圧延荷重に基づい
て、ロールギャップの設定が行なわれる。
【0009】一方、(i) スタンドのロール速度Vr(i)
の設定は、 Vr(i) ×(1+f(i))×hout(i) =一定 (3) となるマスフロー一定則に基づいて行なわれている。
【0010】ところが、摩擦係数が大きいダル圧延にお
いては、ロール偏平や圧下率の微小な変動に対して、計
算される圧延荷重が大きく変動する場合があり、圧延荷
重の予測を精度よく行なうことができないといった問題
点がある。
【0011】また、一方で、例えば“特公平8−112
43号公報”に記載されている技術では、このようなダ
ル圧延に対する目標圧延荷重の設定を、圧延理論に基づ
くモデル式を使用せず、前段スタンドのブライト圧延ロ
ールによる圧延荷重を指標として行なっている。
【0012】ただし、このような方法においても、以下
のような問題点がある。すなわち、通常行なわれている
セットアップ計算では、予測した板厚に対応したロール
ギャップとロール速度の設定が行なわれるのに対して、
上記“特公平8−11243号公報”に記載されている
技術によれば、板厚と無関係な圧延荷重が目標値とされ
る。
【0013】従って、最終スタンドにおける荷重を一定
に保つ制御を行なう場合には、目標値通りの圧延荷重と
なるものの、その時の板厚は当初の設定から大きく外れ
る可能性がある。
【0014】そして、圧延中の板厚が目標値から外れた
場合には、上記マスフロー一定則から予測されたロール
速度は誤差を有することになり、これによってスタンド
間張力の大きな変動を誘起する。
【0015】特に、完全連続式冷間圧延機では、スタン
ド間張力の変動によって溶接部の板破断や絞りが発生
し、作業能率や歩留りの大幅な低下を招くことになる。
また、上記“特公平8−11243号公報”に記載され
ている実施例では、板厚の実績値を採取して、圧下率を
計算し、これを指数平滑処理して設定テーブルに格納す
ることが示されており、学習機能によって上記の問題点
はある程度軽減されるものの、幅広い鋼種、サイズ等の
圧延を行なう圧延機では、非常に多くの実績データを採
取する必要が生じることになる。
【0016】本発明は、上記のような問題点を解決する
ために成されたもので、その目的は、ロール偏平が大き
い場合であっても安定した圧延を行なうことができ、ま
たロール偏平が小さい場合には高範囲な圧延条件に対し
て板破断や絞りの発生を防止することが可能な冷間圧延
機のダル圧延制御方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、最終スタンドにダル圧延ロールを用いると共に、
最終スタンドよりも上流側の前段スタンドにブライト圧
延ロールを用いて、被圧延材の圧延を連続的に行なう連
続式冷間圧延機のセットアップ制御方法において、請求
項1の発明では、設定される圧延条件に対して塑性係数
を計算し、この塑性係数があらかじめ設定された所定の
値よりも大きい場合には、前段スタンドのブライト圧延
ロールによる圧延荷重に基づいて最終スタンドのダル圧
延ロールによる目標圧延荷重を設定し、塑性係数が上記
あらかじめ設定された所定の値よりも小さい場合には、
上記設定される圧延条件に応じて圧延理論モデルにより
計算される圧延荷重を最終スタンドのダル圧延ロールに
よる目標圧延荷重として設定するようにしている。
【0018】従って、請求項1の発明の冷間圧延機のダ
ル圧延制御方法においては、設定圧延条件に対応する塑
性係数が、あらかじめ設定された所定の値よりも大きい
場合には、前段スタンドのブライト圧延ロールによる圧
延荷重を基に最終スタンドのダル圧延ロールによる目標
圧延荷重を設定し、また塑性係数が所定の値よりも小さ
い場合には、設定圧延条件に対応して圧延理論モデルに
より計算される圧延荷重を最終スタンドのダル圧延ロー
ルによる目標圧延荷重として設定することにより、ロー
ル偏平が大きい場合であっても、安定した圧延を行なう
ことができる。また、ダル圧延であってもロール偏平が
小さい場合には、圧延理論モデルから計算される荷重の
誤差は小さいため、伸び率の推定誤差による張力変動が
抑制されることで、高範囲な圧延条件に対して板破断や
絞りの発生を防止することができる。
【0019】一方、請求項2の発明では、設定される圧
延条件に対してワークロール偏平比を計算し、ワークロ
ール偏平比があらかじめ設定された所定の値よりも大き
い場合には、前段スタンドのブライト圧延ロールによる
圧延荷重に基づいて最終スタンドのダル圧延ロールによ
る目標圧延荷重を設定し、ワークロール偏平比が上記あ
らかじめ設定された所定の値よりも小さい場合には、上
記設定される圧延条件に応じて圧延理論モデルにより計
算される圧延荷重を最終スタンドのダル圧延ロールによ
る目標圧延荷重として設定するようにしている。
【0020】従って、請求項2の発明の冷間圧延機のダ
ル圧延制御方法においては、設定圧延条件に対応するワ
ークロール偏平比が、あらかじめ設定された所定の値よ
りも大きい場合には、前段スタンドのブライト圧延ロー
ルによる圧延荷重を基に最終スタンドのダル圧延ロール
による目標圧延荷重を設定し、またワークロール偏平比
が所定の値よりも小さい場合には、設定圧延条件に対応
して圧延理論モデルにより計算される圧延荷重を最終ス
タンドのダル圧延ロールによる目標圧延荷重として設定
することにより、ロール偏平が大きい場合であっても、
安定した圧延を行なうことができる。また、ダル圧延で
あってもロール偏平が小さい場合には、圧延理論モデル
から計算される荷重の誤差は小さいため、伸び率の推定
誤差による張力変動が抑制されることで、高範囲な圧延
条件に対して板破断や絞りの発生を防止することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明の考え方について述
べる。本発明者等は、ダル圧延ロールを用いた冷間圧延
における荷重予測精度について詳細な検討を行なった結
果、以下のような知見を得た。
【0022】すなわち、ダル圧延ロールによる圧延で
は、鋼板とロール間の摩擦係数が高く、また圧下率が小
さいために、圧延ロールの偏平が非常に大きくなる。圧
延理論モデル式に基づく圧延荷重計算では、ロール偏平
量を正しく予測することが重要となるものの、偏平量が
大きい場合には、ロール形状が円弧からずれること、ロ
ールバイト入出口における材料の弾性変形域が偏平に大
きな影響を与えること等が、予測誤差の原因となってい
ることが分かった。
【0023】図6は、このような状況に関して、ダル圧
延時のロール偏平と圧延荷重との関係を模式的に示す図
である。図6に示すように、前述の式(1)で表わされ
る塑性特性曲線の傾きdp/dh(板厚変化に対する圧
延荷重の変化;塑性係数と称する)が大きい場合には、
前述の式(1)で表わされる圧延荷重式の曲線とロール
偏平式の曲線との交点で設定される圧延荷重が大きくな
る。
【0024】また、塑性係数が大きい場合には、図6中
の圧延荷重式とロール偏平式の曲線の傾きが近づくこと
から、塑性係数の小さな誤差があっても、計算される圧
延荷重が大きく変化することが分かる。
【0025】一方、図7は、このような状況に関して、
ダル圧延時の圧下率と圧延荷重との関係を模式的に示す
図である。図7に示すように、塑性係数が大きい場合
に、微小な圧下率変化に対して荷重が敏感に変化するこ
とが分かる。
【0026】以上のように、目標とする圧下率に対応す
る塑性係数が大きい場合には、ロール偏平が大きく、圧
延理論モデルによる計算を行なっても、高い精度で圧延
荷重の予測を行なうことは困難となる。
【0027】そこで、このような領域に対しては、最終
スタンドの目標圧延荷重を、前段スタンドにおける圧延
荷重に基づいて設定する。一方、目標とする圧下率に対
応する塑性係数が小さい場合には、上記のような問題は
発生せず、ダル圧延ロールを用いる場合であっても、圧
延理論モデルによる計算で高い予測精度を確保すること
は可能である。さらに、設定圧下率に適合した圧延荷重
の予測と、対応したロール速度の設定が可能であるた
め、張力の大きな変動やそれによる板破断や絞りといっ
た事故も防止できるといった利点がある。
【0028】従って、設定圧下率に対応した塑性係数に
よって、上述の両者の方法を使い分けることによって、
より高い精度で冷間圧延機の設定計算を行なうことが可
能となる。
【0029】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。図1は、本発明によるダル圧延制御方法を実施する
ための連続式冷間圧延機における最終スタンドとその上
流側の2つの前段スタンドを模式的に示す図である。
【0030】図1において、連続式冷間圧延機は、最終
スタンド(i) にダル圧延ロール1を用いると共に、最終
スタンド(i) よりも上流側の2つの前段スタンド(i-1)
,(i-2) にブライト圧延ロール2を用いて、被圧延材
3の圧延を連続的に行なうようになっている。
【0031】一方、ダル圧延ロール1、各ブライト圧延
ロール2にそれぞれ対応して、圧延機制御装置4を備え
ている。さらに、各圧延機制御装置4に対してセットア
ップを行なうセットアップ制御装置5を備えている。
【0032】このセットアップ制御装置5は、ダル圧延
設定計算装置6、および2つのブライト圧延設定計算装
置7からなっている。ここで、ブライト圧延設定計算装
置7は、各スタンド(i-1) ,(i-2) 毎に、板厚目標値、
張力設定値、被圧延材の変形抵抗、摩擦係数といった、
設定されるブライト圧延条件に応じて、圧延理論モデル
による圧延荷重と先進率の計算を行ない、これらの値に
基づいて、各ブライト圧延ロール2に対するロールギャ
ップとロール速度を設定する設定計算機能を有してい
る。
【0033】ダル圧延設定計算装置6は、板厚目標値、
張力設定値、被圧延材の変形抵抗、摩擦係数といった、
設定されるダル圧延条件に対して、塑性係数またはワー
クロール偏平比を計算し、この塑性係数またはワークロ
ール偏平比があらかじめ設定された所定の値よりも大き
い場合には、上記ブライト圧延設定計算装置7により計
算される前段スタンド(i-1) ,(i-2) のブライト圧延ロ
ール2による圧延荷重に基づいて、最終スタンド(i) の
ダル圧延ロール1による目標圧延荷重を設定し、また上
記塑性係数またはワークロール偏平比が上記あらかじめ
設定された所定の値よりも小さい場合には、上記設定さ
れるダル圧延条件に応じて圧延理論モデルにより計算さ
れる圧延荷重を、最終スタンド(i) のダル圧延ロール1
による目標圧延荷重として設定する設定計算機能を有し
ている。
【0034】次に、以上のように構成した本実施の形態
の連続式冷間圧延機におけるセットアップ制御方法につ
いて説明する。図1において、セットアップ制御装置5
のダル圧延設定計算装置6では、各スタンド(i-1) ,(i
-2) 毎に、設定されるブライト圧延条件(板厚目標値、
張力設定値、被圧延材の変形抵抗、摩擦係数等)に応じ
て、圧延理論モデルによる圧延荷重と先進率を計算し、
これらの値に基づいて、各ブライト圧延ロール2に対す
るロールギャップとロール速度を設定する。
【0035】これにより、各ブライト圧延ロール2の圧
延機制御装置4では、この設定されたロールギャップと
ロール速度となるように、各ブライト圧延ロール2に対
してセットアップを行なう。
【0036】一方、セットアップ制御装置5のダル圧延
設定計算装置6では、設定されるダル圧延条件(板厚目
標値、張力設定値、被圧延材の変形抵抗、摩擦係数等)
に対して、塑性係数またはワークロール偏平比を計算す
る。
【0037】そして、この塑性係数またはワークロール
偏平比が、あらかじめ設定された所定の値よりも大きい
場合には、上記ブライト圧延設定計算装置7により計算
される前段スタンド(i-1) ,(i-2) のブライト圧延ロー
ル2による圧延荷重に基づいて、最終スタンド(i) のダ
ル圧延ロール1による目標圧延荷重を設定する。
【0038】具体的には、圧延理論モデルから計算され
る塑性係数またはロール偏平比R´/Rが所定の値を超
える場合には、前段スタンド(i-1) ,(i-2) のブライト
圧延ロール2による圧延荷重に対して、例えばある比率
を掛けた圧延荷重を、最終スタンド(i) のダル圧延ロー
ル1による目標圧延荷重として設定を行なう。
【0039】また、上記塑性係数またはワークロール偏
平比が、あらかじめ設定された所定の値よりも小さい場
合には、設定されるダル圧延条件に応じて圧延理論モデ
ルにより計算される圧延荷重を、最終スタンド(i) のダ
ル圧延ロール1による目標圧延荷重として設定する。
【0040】そして、これらの値に基づいて、ダル圧延
ロール1に対するロールギャップとロール速度を設定す
る。これにより、ダル圧延ロール1の圧延機制御装置4
では、この設定されたロールギャップとロール速度とな
るように、ダル圧延ロール1に対してセットアップを行
なう。
【0041】なお、図2は、上記ダル圧延制御の設定計
算方法を示すフローチャートである。以上のようにし
て、連続式冷間圧延機のセットアップ制御を行なう。
【0042】(実施例)以下に、5スタンドの4Hi式
連続冷間圧延機において、仕上板厚0.5〜3.5mm
の普通鋼を対象とした場合の実施例を示す。
【0043】本圧延機において、最終スタンド(i) にの
み平均粗さ1μmのダル圧延ロール1を使用し、前段ス
タンド(i-1) ,(i-2) ではブライト圧延ロール2を使用
している。なお、最終スタンド(i) のワークロール径は
550φである。
【0044】図4は、従来技術による実施例であり、板
破断と絞り発生件数の分布例を示している。図4におい
て、ケース1は、全ての対象材について圧延理論モデル
による計算結果に基づいて設定計算を行なったものであ
り、ケース2は、全ての対象材について前段スタンド(i
-1) ,(i-2) の圧延荷重に対して、比率として0.8を
掛けた圧延荷重を、最終スタンド(i) の目標圧延荷重と
した結果である。
【0045】ケース1において、板厚が薄い領域に板破
断や絞り発生が多発するのは、圧延理論モデルによる計
算結果が誤差を有するためであり、図5に示すように、
塑性係数が高い圧延条件において、大きな誤差が生じ易
い。
【0046】一方、ケース2において、板厚が厚い領域
で板破断や絞り発生が多発するのは、ロール速度の設定
に大きな誤差を生じ易いためである。そこで、本実施の
形態においては、設定されるダル圧延条件に対して、塑
性係数が7000tonf/mm 以下であれば、圧延理論モデ
ルから計算される圧延荷重を目標値として、この値を超
える場合には、前段スタンド(i-1) ,(i-2) の圧延荷重
に対して、比率として0.8を掛けた圧延荷重を、最終
スタンド(i) の目標圧延荷重としている。
【0047】図3は、本実施の形態による板破断、絞り
低減結果を示す図である。図3から分かるように、本実
施の形態によって、高範囲の板厚に対して、安定な圧延
を実現する設定計算を行なうことが可能となった。
【0048】また、図5は、ダル圧延時の圧延理論モデ
ルによる予測と実績荷重との関係を示す図である。図5
において、塑性係数の他に、ワークロールの偏平比につ
いて実績値を示しているが、塑性係数に代えて、ロール
偏平比R´/Rを用いるようにしてもよく、ロール偏平
比が3.0以下である場合には、圧延理論モデルから計
算される圧延荷重を目標値とし、ロール偏平比が3.0
を超える場合には、前段スタンド(i-1) ,(i-2) の圧延
荷重に対して、比率として0.8を掛けた圧延荷重を、
最終スタンド(i) の目標圧延荷重とした場合についても
同様な効果を示す。
【0049】上述したように、本実施の形態の連続式冷
間圧延機におけるセットアップ制御方法では、以下のよ
うな効果が得られるものである。すなわち、通常の圧延
理論から圧延荷重を設定する前述した従来のような方法
では、ロール偏平が大きくなるようなケ一スに対して、
圧下率や変形抵抗のわずかな変化による計算圧延荷重の
変動が大きく、コイル毎の設定条件のわずかな差によっ
て目標圧延荷重が大きく変化して、圧延が安定しない場
合がある。
【0050】この点、本実施の形態では、このようなケ
ースをあらかじめ予測して、設定方法を変更するように
しているので、ロール偏平が大きい場合であっても、安
定した圧延を行なうことが可能となる。
【0051】また、ダル圧延であってもロール偏平が小
さい場合には、圧延理論モデルから計算される圧延荷重
の誤差は小さいため、伸び率の推定誤差による張力変動
が抑制されることで、高範囲な圧延条件に対して板破断
や絞りの発生を防止することが可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、設
定される圧延条件に対して塑性係数またはワークロール
偏平比を計算し、この塑性係数またはワークロール偏平
比があらかじめ設定された所定の値よりも大きい場合に
は、前段スタンドのブライト圧延ロールによる圧延荷重
に基づいて最終スタンドのダル圧延ロールによる目標圧
延荷重を設定し、塑性係数またはワークロール偏平比が
上記あらかじめ設定された所定の値よりも小さい場合に
は、上記設定される圧延条件に応じて圧延理論モデルに
より計算される圧延荷重を最終スタンドのダル圧延ロー
ルによる目標圧延荷重として設定するようにしているの
で、ロール偏平が大きい場合であっても安定した圧延を
行なうことができ、またロール偏平が小さい場合には高
範囲な圧延条件に対して板破断や絞りの発生を防止する
ことが可能な冷間圧延機のダル圧延制御方法が提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるダル圧延制御方法を実施するため
の連続式冷間圧延機における最終スタンドと上流側の前
段スタンドの一実施の形態を模式的に示す図。
【図2】同一実施の形態におけるダル圧延制御の設定計
算方法を示すフローチャート。
【図3】同一実施の形態による板破断、絞り低減結果を
示す図。
【図4】従来技術による板破断と絞り発生件数の分布例
を示す図。
【図5】ダル圧延時の圧延理論モデルによる予測と実績
荷重との関係を示す図。
【図6】ダル圧延時のロール偏平と圧延荷重との関係を
模式的に示す図。
【図7】ダル圧延時の圧下率と圧延荷重との関係を模式
的に示す図。
【符号の説明】
1…ダル圧延ロール、 2…ブライト圧延ロール、 3…被圧延材、 4…圧延機制御装置、 5…セットアップ制御装置、 6…ダル圧延設定計算装置、 7…ブライト圧延設定計算装置、 (i) …最終スタンド、 (i-1) ,(i-2) …前段スタンド。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終スタンドにダル圧延ロールを用いる
    と共に、前記最終スタンドよりも上流側の前段スタンド
    にブライト圧延ロールを用いて、被圧延材の圧延を連続
    的に行なう連続式冷間圧延機のセットアップ制御方法に
    おいて、 設定される圧延条件に対して塑性係数を計算し、 前記塑性係数があらかじめ設定された所定の値よりも大
    きい場合には、前記前段スタンドのブライト圧延ロール
    による圧延荷重に基づいて前記最終スタンドのダル圧延
    ロールによる目標圧延荷重を設定し、 前記塑性係数が前記あらかじめ設定された所定の値より
    も小さい場合には、前記設定される圧延条件に応じて圧
    延理論モデルにより計算される圧延荷重を前記最終スタ
    ンドのダル圧延ロールによる目標圧延荷重として設定す
    るようにしたことを特徴とする冷間圧延機のダル圧延制
    御方法。
  2. 【請求項2】 最終スタンドにダル圧延ロールを用いる
    と共に、前記最終スタンドよりも上流側の前段スタンド
    にブライト圧延ロールを用いて、被圧延材の圧延を連続
    的に行なう連続式冷間圧延機のセットアップ制御方法に
    おいて、 設定される圧延条件に対してワークロール偏平比を計算
    し、 前記ワークロール偏平比があらかじめ設定された所定の
    値よりも大きい場合には、前記前段スタンドのブライト
    圧延ロールによる圧延荷重に基づいて前記最終スタンド
    のダル圧延ロールによる目標圧延荷重を設定し、 前記ワークロール偏平比が前記あらかじめ設定された所
    定の値よりも小さい場合には、前記設定される圧延条件
    に応じて圧延理論モデルにより計算される圧延荷重を前
    記最終スタンドのダル圧延ロールによる目標圧延荷重と
    して設定するようにしたことを特徴とする冷間圧延機の
    ダル圧延制御方法。
JP9238305A 1997-09-03 1997-09-03 冷間圧延機のダル圧延制御方法 Pending JPH1177122A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021058923A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 日本製鉄株式会社 冷間圧延における材料特性の推定方法および計算装置、制御方法および制御装置、冷間圧延板の製造方法および製造設備

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JP2021058923A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 日本製鉄株式会社 冷間圧延における材料特性の推定方法および計算装置、制御方法および制御装置、冷間圧延板の製造方法および製造設備

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