JP2003290807A - 冷間タンデム圧延における板幅制御方法 - Google Patents

冷間タンデム圧延における板幅制御方法

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JP2003290807A
JP2003290807A JP2002090319A JP2002090319A JP2003290807A JP 2003290807 A JP2003290807 A JP 2003290807A JP 2002090319 A JP2002090319 A JP 2002090319A JP 2002090319 A JP2002090319 A JP 2002090319A JP 2003290807 A JP2003290807 A JP 2003290807A
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Atsushi Aizawa
敦 相沢
Kenji Hara
健治 原
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 板幅の異なる金属板を連続的に冷間圧延す
る、中間ロールシフト位置が後続被圧延材に対する適正
値になるまでの間においても、板幅変動を抑制し、一定
板幅で製造する。 【解決手段】 冷間タンデム圧延機で板幅の異なる金属
板を連続して冷間圧延する際に、各スタンドにおける圧
延速度の変化に応じた圧延荷重の変化量,張力の変化
量,中間ロールシフト位置の変化量及びワークロールベ
ンダー力と中間ロールベンダー力の変更量を変数として
最終スタンド出側の板幅変動を表す数式モデルを予め作
成し、圧延速度と圧延荷重との関係を表す関係式から各
スタンドの圧延荷重の変化量,張力の変化量及び中間ロ
ールシフト位置の変化量を前記数式モデルに代入し、最
終スタンド出側の板幅変動量が目標値に一致するように
ベンダー力の一つ又は両方を補正する。スタンド間張力
を板厚制御手段として用いない場合、形状制御手段の制
御量に加えて各スタンド間張力を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製造品種の変更点前後
で圧延速度が変化する場合に圧延速度の変化に応じて圧
延条件を制御することにより、板幅変動を抑制し、板幅
公差を満足する冷延金属板を高歩留で製造する板幅制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続圧延機を用いた連続冷間圧延は、冷
間圧延能力や歩留を向上させる上で有効な製造方法であ
る。連続冷間圧延で製造種類を変更する場合、冷間圧延
条件の設定値が変更点で走間設定変更されている。製造
種類の変更点は、被圧延材の材質や寸法が変更される個
所であり、先行被圧延材と後続被圧延材との連結部であ
る溶接点に一致することが多い。しかし、1種類の被圧
延材から板厚の異なる数種類の冷間圧延材を製造する場
合等、溶接点以外に製造種類の変更点を設定することも
ある。
【0003】圧延条件が変更される製造品種の変更点前
後では、圧延速度が変化し、定常部に比較して低速で圧
延される。圧延速度の変化に伴って板幅変動が生じ、減
速時に板幅が広く、増速時に板幅が狭くなる。ところ
が、板幅精度に対するユーザの要求が厳しくなっている
昨今、板幅公差を外れると板幅不良の冷延板と扱われる
ことから、歩留向上やコスト低減を図るため一定した板
幅の冷延板を製造することが望まれている。板幅を目標
値に調整するため、圧延速度の変化に応じてスタンド間
張力を制御する方法が特開平5−76916号公報に開
示されている。しかし、減速部での幅広がりを防止する
ためにスタンド間張力を増加させることが要求され、通
常の操業条件下でも破断しやすい連続圧延時の先行被圧
延材と後続被圧延材との連結部で破断の危険性が一層高
くなる。また、スタンド間張力の増加が板厚の減少に作
用し、板厚制御と干渉し合うことも欠点である。
【0004】他方、特開平10−296312号公報で
は、板クラウン比率が大きくなる条件下で圧延すると板
幅が広がり、板クラウン比率が小さくなる条件下で圧延
すると板幅が狭くなる板クラウン比率/板幅変動量の相
関関係を利用して、形状制御手段で板クラウン比率を制
御することにより板幅変動量を目標値に調整している。
具体的には、鋼種,板厚,板幅毎に被圧延材の板幅変動
に対する圧延荷重と形状制御手段の影響及び圧延速度と
圧延荷重との関係を各スタンド毎に予め求めておき、圧
延速度の変更に伴って各スタンドで生じる板幅変動の和
が所定範囲に収まるように形状制御手段の制御量を各ス
タンド毎に算出制御している。しかし、圧延荷重及び形
状制御手段が板幅変動に及ぼす影響が各スタンド毎に単
独で把握され、影響度が後段側スタンドで変化すること
に関しては検討されていない。そのため、より高精度で
板幅変動を抑制するためには、一層の改善が必要とされ
る。
【0005】また、製造品種の変更点前後では、圧延速
度の変化に伴って板厚が変動するので、スタンド間張力
の変更によって板厚を制御することもあるが、スタンド
間張力の変更は板幅変動にも影響を及ぼす。スタンド間
張力の変更に起因する板幅変動は、圧延荷重の変化に応
じた板クラウン比率の変化(換言すると、板幅方向に関
する張力分布の変化)や板幅方向に沿った張力の一律変
化等に拠るものである。しかし、特開平10−2963
12号公報では、板幅方向に関する張力分布の変化によ
る影響しか考慮されていないため、張力の変更量が大き
い条件下では板幅変動を精度良く抑制することが困難で
ある。さらには、開示されている形状制御手段のみによ
る板幅制御では、形状制御手段の仕様範囲を超える場合
に板幅変動を十分に抑制できない。
【0006】そこで、本発明者等は、圧延速度の変化に
起因した板幅変動を精度良く制御できるような冷間タン
デム圧延における板幅制御方法について検討し、各スタ
ンドにおける圧延荷重の変化量、各スタンド間における
張力の変化量及び各スタンドにおける形状制御手段の変
更量が最終スタンド出側の板幅変動量に及ぼす影響を取
り込んだ数式モデルを使用することにより、製造品種の
変更点前後での圧延速度の変化に対応して各スタンドに
おける形状制御手段の制御量及び各スタンド間における
張力を補正する方法を開発し、特願2001−1886
05号として出願した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先願で提案した板幅制
御により、先行被圧延材と後続被圧延材の板幅差が小さ
い場合には、板幅変動を精度良く抑制できるようになっ
た。しかし、実際には形状制御手段のうち、通常応答性
の低い中間ロールシフトの制御量を冷間圧延される金属
板の板幅に対応した適正値に固定し、応答性の高いワー
クロールベンダーと中間ロールベンダーで板幅を制御し
ている。中間ロールシフト位置を適正値に固定した操業
により板幅が一定の金属板を連続圧延する場合には問題
はないが、板幅が異なる金属板を連続的に圧延する切換
え時には、後続被圧延材に対する適正な中間ロールシフ
ト量になるまでに遅れが発生する。そのため、中間ロー
ルのシフトが完了するまでの間、板幅が大きく変動した
り、或いは途中スタンドで形状不良による板破断が生じ
ることがあった。
【0008】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、中間ロールのシフトに伴い、形状
制御手段であるワークロールベンダー力と中間ロールベ
ンダー力の一つ又は両方を制御することにより、板幅の
異なる金属板を連続的に冷間圧延する際、中間ロールシ
フト位置が後続被圧延材に対する適正値になるまでの間
においても、板幅変動を精度良く抑制し、一定板幅の冷
延材を高歩留で製造することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の冷間タンデム圧
延における板幅制御方法は、その目的を達成するため、
冷間タンデム圧延機で板幅の異なる金属板を連続して冷
間圧延する際に、各スタンドにおける圧延速度の変化に
応じた圧延荷重の変化量,各スタンド間張力の変化量,
各スタンドにおける中間ロールシフト位置の変化量及び
各スタンドにおけるワークロールベンダー力と中間ロー
ルベンダー力の一つ又は両方の変更量を4つまたは5つ
の変数として最終スタンド出側の板幅変動を表す数式モ
デルを予め作成するとともに、予め作成した圧延速度と
圧延荷重との関係を表す関係式から算出される各スタン
ドの圧延荷重の変化量,各スタンド間張力の変化量及び
各スタンドの中間ロールシフト位置の変化量を前記数式
モデルに代入し、最終スタンド出側の板幅変動量が目標
値に一致するように各スタンドのワークロールベンダー
力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方を補正するこ
とを特徴とする。板厚制御手段としてスタンド間張力を
用いない場合、各スタンドにおけるワークロールベンダ
ー力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方の制御量に
加えて各スタンド間張力を補正することにより、最終ス
タンド出側の板幅変動量を目標値に一致させる。
【0010】
【実施の態様】本発明者等は、冷間タンデム圧延機で板
幅の異なる金属帯板を連続して冷間圧延する際、圧延速
度及び中間ロールシフト位置の変化に応じて各スタンド
における形状制御手段の制御量及び各スタンド間におけ
る張力を補正することにより、板幅変動を精度良く抑制
できる板幅制御方法を種々検討した。その結果、各スタ
ンドにおける圧延速度の変化に伴う圧延荷重の変化量,
各スタンド間における張力の変化量,各スタンドにおけ
る中間ロールシフト位置の変化量及び各スタンドにおけ
る形状制御手段であるワークロールベンダー力と中間ロ
ールベンダー力の一つ又は両方の変更量が最終スタンド
出側の板幅変動量と比例関係にあることに着目した。そ
して、最終スタンド出側の板幅変動量に各スタンドにお
けるワークロールベンダー力と中間ロールベンダー力の
一つ又は両方の変更量が及ぼす影響を取り込んだ数式モ
デルを使用すると、板幅が変更される製造品種の変更点
前後で圧延速度及び中間ロールシフト位置が変わった場
合でも板幅変動が精度良く抑制されることを見出した。
【0011】圧延速度の減少に応じて圧延荷重が増加す
ると当該スタンドで板幅が増加するが、圧延荷重増加に
よる影響は後段スタンドになるほど小さくなる。例え
ば、図1に示すように、No.1スタンドで圧延速度の
減少に応じて圧延荷重が増加するとNo.1スタンド出
側の板幅が増加するが、その影響度はNo.2スタンド
以降で小さくなる。また、図2に示すように、No.1
−No.2のスタンド間張力が増加するとNo.1,N
o.2スタンド出側で板幅が減少するが、その影響度は
No.3スタンド以降で小さくなる。
【0012】さらに、中間ロールシフト位置の変化量が
大きくなると(テーパー端が外側に移動すると)、当該
スタンドで板幅が減少するが、その影響度は後段スタン
ドになるほど小さくなる。例えば、図3に示すように、
No.1スタンドで中間ロールシフト位置の変化量を大
きくするとNo.1スタンド出側の板幅が減少するが、
その影響度はNo.2スタンド以降で小さくなる。さら
にまた、形状制御手段の制御量が増加すると当該スタン
ドで板幅が減少するが、その影響度は後段スタンドにな
るほど小さくなる。例えば、図4に示すように、No.
1スタンドでワークロールベンダー力が増加するとN
o.1スタンド出側の板幅が減少するが、その影響度は
No.2スタンド以降で小さくなる。
【0013】そして、最終スタンド出側の板幅変動量
は、圧延速度の変化に伴う圧延荷重の変化量,スタンド
間張力の変化量,中間ロールシフト位置の変化量,ワー
クロールベンダー力の変更量及び中間ロールベンダー力
の変更量とほぼ直線関係にある。図5に示す関係から、
最終スタンド出側の板幅変動量は、式(1)で予測でき
る。式中、iは上流スタンド側からiスタンド目の圧延
機,nはスタンド数,ΔWは最終スタンド出側の板幅変
動量,ΔPiはiスタンドにおける圧延速度の変化に応
じた圧延荷重の変化量,ΔTiは(i−1)スタンドと
iスタンド間の張力変化量,Δδiはiスタンドにおけ
る中間ロールシフト位置の変化量,ΔFWiはiスタン
ドにおけるワークロールベンダー力の変更量,ΔFI
はiスタンドにおける中間ロールベンダー力の変更量,
ai,bi,ci,di,eiは影響係数を示す。
【0014】
【0015】影響係数ai,bi,ci,di,ei
は、板幅,板厚,鋼種等の製造品種によって定まる定数
であり、実験又はロールの弾性変形解析及び素材の塑性
変形解析とを連成させた解析モデルを用いたシミュレー
ションでそれぞれ求められる。そこで、板幅,板厚,鋼
種等の各区分及びスタンド毎に影響係数ai,bi,c
i,di,eiのテーブルを設定し、或いは板幅,板
厚,鋼種等の関数として影響係数ai,bi,ci,d
i,eiを数式化できる。
【0016】圧延速度と圧延荷重との関係をみると、図
6に示すように、高速域では圧延荷重に及ぼす圧延速度
の影響は小さいが、圧延速度がある値より遅くなると圧
延速度の減少と共に圧延荷重が増加する。そこで、板
幅,板厚,鋼種等の各区分及びスタンド毎に圧延速度と
圧延荷重との関係を表す関係式を予め求めておき、圧延
速度の変化によって生じる圧延荷重の変化量を式(1)
に代入するとき、圧延速度の変化に応じた板幅変動量を
予測できる。
【0017】圧延速度の変化に起因する板厚変動に対し
てスタンド間張力の変更による板厚制御をしない場合、
各スタンドにおけるワークロールベンダー力と中間ロー
ルベンダー力の一つまたは両方の制御量及び各スタンド
間における張力を、式(1)に基づいて次のように補正
する。各スタンド間における圧延速度の変化に応じた圧
延荷重の変化量ΔPi及び中間ロールシフト位置の変化
量Δδiを式(1)に代入し、最終スタンド出側の板幅
変動量ΔWが0となるように、各スタンドのワークロー
ルベンダー力と中間ロールベンダー力の一つまたは両方
の変更量ΔFWi,ΔFIi及び各スタンド間における張
力変化量ΔTiを算出し、ワークロールベンダー力と中
間ロールベンダー力の一つまたは両方及び張力を補正す
る。
【0018】式(1)で最終スタンド出側の板幅変動量
ΔWが0となる各スタンドのワークロールベンダー力と
中間ロールベンダー力の変更量ΔFWi,ΔFIi,及び
各スタンド間における張力変化量ΔTiの組合せは無数
にあるが、各スタンドにおいて圧延速度及び中間ロール
シフト位置の変化に応じた板クラウン比率の変化(換言
すると、形状の変化)が小さくなるように、スタンド毎
に圧延速度の変化に応じた圧延荷重の変化量ΔPi及び
中間ロールシフト位置の変化量Δδiを式(2)に代入
し、最終スタンド出側の板幅変動に及ぼす影響量ΔWi
が0となるワークロールベンダー力と中間ロールベンダ
ー力の変更量ΔFWi,ΔFIi,及び各スタンド間にお
ける張力変化量ΔTiを算出し、ワークロールベンダー
力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方及び張力を補
正することが好ましい。 ΔWi=aiΔPi+biΔTi+ciΔδi+diΔFWi+eiΔFIi ・・・・(2) また、スタンド間張力による板幅制御は板厚制御と干渉
し合うことから、形状制御手段の仕様範囲を超えない場
合、形状制御手段による板幅制御に重点をおくことが好
ましい。
【0019】圧延速度の変化に応じた板厚変動に対して
スタンド間張力の変更によって板厚制御される場合、各
スタンドにおける圧延速度の変化に伴う圧延荷重の変化
量ΔPi,中間ロールシフト位置の変化量Δδi及び各
スタンド間の張力変化量ΔTiを式(1)に代入し、最
終スタンド出側の板幅変動量ΔWが0となるように各ス
タンドにおけるワークロールベンダー力と中間ロールベ
ンダー力の変更量ΔF Wi,ΔFIiを算出し、ワークロ
ールベンダー力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方
を補正する。
【0020】式(1)で最終スタンド出側の板幅変動量
ΔWが0となるワークロールベンダー力と中間ロールベ
ンダー力の変更量ΔFWi,ΔFIiの組合せは無数にあ
るが、各スタンドにおける圧延速度及び中間ロールシフ
ト位置の変化に応じた板クラウン比率の変化(換言する
と、形状の変化)が小さくなるように、スタンド毎に圧
延速度の変化に応じた圧延荷重の変化量ΔPi,中間ロ
ールシフト位置の変化量Δδi及び各スタンド間の張力
変化量ΔTiを式(2)に代入し、最終スタンド出側の
板幅変動に及ぼす影響量ΔWiが0となるワークロール
ベンダー力と中間ロールベンダー力の変更量ΔFWi,
ΔFIiを算出し、ワークロールベンダー力と中間ロー
ルベンダー力の一つ又は両方を補正することが好まし
い。
【0021】
【実施例】実施例1:スタンド間張力を板厚制御手段と
して用いず、スタンド間張力の変更によって圧延速度及
び中間ロールシフト位置の変化に起因する板幅変動が制
御される場合を例にとって本発明を具体的に説明する。
本実施例では、6段圧延機を4スタンド備えた冷間タン
デム圧延機1(図7)を用い、板厚2.5mm,板幅1
120mm及び板厚2.5mm,板幅1220mmの低
炭素鋼帯を板厚0.6mmまで冷間圧延した。定常部の
圧延速度は最終スタンド出側で1000m/分,低速部
の圧延速度は最終スタンド出側で150m/分であっ
た。なお、操業にあたっては先行被圧延材の最終部で中
間ロールのシフトを開始し、後続被圧延材への切替え時
には後続被圧延材に対しての適正シフト量になるように
タイミングを設定した。また、形状制御手段のうち、ワ
ークロールベンダーのみを板幅制御手段として用いた。
【0022】移動中の中間ロールのシフト位置を上位コ
ンピュータ2に入力した。また、定常部の圧延速度及び
低速部の目標圧延速度を上位コンピュータ2に予め入力
しておき、圧延速度と圧延荷重の関係を示す関係式に基
づいてプロセスコンピュータ3で各スタンドの圧延荷重
変化量を予測した。そして、式(2)に従ってスタンド
毎に最終スタンド出側の板幅変動に及ぼす影響量ΔWi
が0となるワークロールベンダー力の変更量ΔFWi及
び各スタンド間の張力変化量ΔTiを算出し、圧延速度
及び中間ロールの移動速度に同期させてワークロールベ
ンダー4及びスタンド間張力Tを所定値に変更した。圧
延後の板幅を板幅計で測定し、先行被圧延材の中間ロー
ルの移動部(圧延速度の変更部と、それに対応した中間
ロールの移動部の位置関係を図8に示す)において定常
部に対する板幅変動量を求めた。この場合、0.3mm
の範囲に板幅変動量が抑えられていた(図9a)。
【0023】他方、圧延速度の変化に起因する板幅変動
のみを考慮し、中間ロールシフト位置の変化に起因する
板幅変動を考慮していない従来の板幅制御方法(特願2
001−188605号)によるとき、最大で0.7m
mを超える板幅変動が生じた(図9b)。
【0024】実施例2:スタンド間張力を板厚制御手段
として使用するとき、中間ロールのシフト位置,定常部
の圧延速度及び低速部の目標圧延速度に加えて低速部に
おける目標張力変更量を上位コンピュータ2に予め入力
し、次の手順でワークロールベンダー力を補正すること
により、先行被圧延材の中間ロールの移動部においても
板幅精度が大幅に向上した冷延鋼帯を製造できた。被圧
延材として板厚2.4mm,板幅980mm及び板厚
2.4mm,板幅1080mmの低炭素鋼帯を用い、
0.6mmまで連続冷間圧延した。定常部の圧延速度は
最終スタンド出側で1000m/分,低速部の圧延速度
は最終スタンド出側で150m/分であった。上位コン
ピュータ2には中間ロールのシフト位置,定常部の圧延
速度,低速部の目標圧延速度及び低速部における目標張
力変更量を予め入力しておき、圧延速度と圧延荷重との
関係を表す関係式に基づいて各スタンドの圧延荷重変化
量をプロセスコンピュータ3で予測した。予測結果に応
じ式(2)に従ってスタンド毎に最終スタンド出側の板
幅変動に及ぼす影響量ΔWiが0となるワークロールベ
ンダー力の変更量ΔFWiを算出し、圧延速度及び中間
ロールの移動速度に同期させてワークロールベンダー4
を所定値に変更した。
【0025】得られた冷延鋼帯の板幅を測定した結果、
圧延速度の変更部に板幅変動が生じていたが、0.3m
m以内の極めて狭い範囲に板幅変動量が抑えられていた
(図10a)。他方、圧延速度の変化に起因する板幅変
動のみを考慮し、中間ロールシフト位置の変化に起因す
る板幅変動を考慮していない従来の板幅制御方法(特願
2001−188605号)によるとき、最大で0.7
mmを超える板幅変動が生じた(図10b)。
【0026】上記2つの実施例の対比から明らかなよう
に、中間ロールシフト位置の変化に起因する板幅変動を
考慮した数式モデルでワークロールベンダー4を制御す
ることにより、或いはさらにスタンド間張力Tをも制御
することによって、板幅が異なる金属板を連続して冷間
圧延する際の中間ロールの移動時においても、板幅精度
が大幅に向上した冷延鋼帯を高生産性で製造できること
を確認した。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の板幅制
御方法では、各スタンドにおける圧延速度の変化量,各
スタンド間の張力変化量、各スタンドにおける中間ロー
ルシフト位置の変化量及び各スタンドにおけるワークロ
ールベンダー力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方
の変更量が最終スタンド出側の板幅変動に及ぼす影響を
取り込んだ数式モデルを用い、圧延速度及び中間ロール
シフト位置の変化に応じて各スタンドにおけるワークロ
ールベンダー力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方
及び各スタンド間の張力を補正している。したがって、
中間ロールシフト位置が後続被圧延材に対する適正値に
なるまでの間においても、板幅精度良好で板幅が一定の
冷延金属帯が高歩留で製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 No.1スタンドにおける圧延速度の減少に
応じた圧延荷重の増加が板幅変動に及ぼす影響を表した
グラフ
【図2】 No.1−No.2スタンド間の張力の増加
が板幅変動に及ぼす影響を表したグラフ
【図3】 No.1スタンドにおける中間ロールシフト
位置の増加が板幅変動に及ぼす影響を表わしたグラフ
【図4】 No.1スタンドにおけるワークロールベン
ダー力の増加が板幅変動に及ぼす影響を表したグラフ
【図5】 圧延速度の変化に応じた圧延荷重の増加
(a),スタンド間張力の増加(b),中間ロールシフ
ト位置の増加(c),ワークロールベンダー力の増加
(d),中間ロールベンダー力の増加(e)が最終スタ
ンド出側の板幅変動に及ぼす影響を表したグラフ
【図6】 圧延速度と圧延荷重との関係を示すグラフ
【図7】 実施例で使用した冷間タンデム圧延機の概略
【図8】 中間ロールの移動部と圧延速度の変更部の位
置関係を示すグラフ
【図9】 本発明法(a)及び従来法(b)で製造した
冷延鋼帯の板幅変動量を比較したグラフ
【図10】 本発明法(a)及び従来法(b)で製造し
た冷延鋼帯の板幅変動量を比較したグラフ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間タンデム圧延機で板幅の異なる金属
    板を連続して冷間圧延する際に、各スタンドにおける圧
    延速度の変化に応じた圧延荷重の変化量,各スタンド間
    張力の変化量,各スタンドにおける中間ロールシフト位
    置の変化量及び各スタンドにおけるワークロールベンダ
    ー力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方の変更量を
    4つまたは5つの変数として最終スタンド出側の板幅変
    動を表す数式モデルを予め作成するとともに、予め作成
    した圧延速度と圧延荷重との関係を表す関係式から算出
    される各スタンドの圧延荷重の変化量,各スタンド間張
    力の変化量及び各スタンドの中間ロールシフト位置の変
    化量を前記数式モデルに代入し、最終スタンド出側の板
    幅変動量が目標値に一致するように各スタンドのワーク
    ロールベンダー力と中間ロールベンダー力の一つ又は両
    方を補正することを特徴とする冷間タンデム圧延におけ
    る板幅制御方法。
  2. 【請求項2】 冷間タンデム圧延機で板幅の異なる金属
    板を連続して冷間圧延する際に、各スタンドにおける圧
    延速度の変化に応じた圧延荷重の変化量,各スタンド間
    張力の変化量,各スタンドにおける中間ロールシフト位
    置の変化量及び各スタンドにおけるワークロールベンダ
    ー力と中間ロールベンダー力の一つ又は両方の変更量を
    4つまたは5つの変数として最終スタンド出側の板幅変
    動を表す数式モデルを予め作成するとともに、予め作成
    した圧延速度と圧延荷重との関係を表す関係式から算出
    される各スタンドの圧延荷重の変化量及び各スタンドの
    中間ロールシフト位置の変化量を前記数式モデルに代入
    し、最終スタンド出側の板幅変動量が目標値に一致する
    ように各スタンドのワークロールベンダー力と中間ロー
    ルベンダー力の一つ又は両方及び各スタンド間張力を補
    正することを特徴とする冷間タンデム圧延における板幅
    制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101758506B1 (ko) * 2015-12-22 2017-07-17 주식회사 포스코 이폭 용접부를 포함하는 강판의 압연 장치 및 방법
CN109530434A (zh) * 2018-12-11 2019-03-29 佛山市诚德新材料有限公司 一种不锈钢带的冷轧系统

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