JP3205130B2 - 熱間圧延における板幅制御方法 - Google Patents

熱間圧延における板幅制御方法

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JP3205130B2 JP17400593A JP17400593A JP3205130B2 JP 3205130 B2 JP3205130 B2 JP 3205130B2 JP 17400593 A JP17400593 A JP 17400593A JP 17400593 A JP17400593 A JP 17400593A JP 3205130 B2 JP3205130 B2 JP 3205130B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延における板幅
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱間仕上圧延機の板幅制御方法と
しては、仕上圧延機における板幅変化量を測定または演
算により求め、この測定値または演算値に基づいて張力
制御装置によってスタンド間張力を変化させて板幅を制
御する方法(例えば特開平1-262011号公報),粗圧延機
および/または仕上圧延機入口に設置してあるエッジャ
ーの開度を制御して圧延材料の板幅を制御する方法が知
られている。
【0003】後者のエッジャーの開度により板幅制御を
行う方法については、圧延材の板幅,板厚,スタンド間
張力,材料温度および変形抵抗により仕上圧延時の板幅
変化量を演算し幅制御を行う特開昭62-68616号公報に示
されるような方法,圧延材のクラウン量あるいはクラウ
ン変化量を測定あるいは演算し、このクラウン量あるい
はクラウン変化量より板幅変化量を演算し幅制御を行う
特開昭62-296904号公報あるは特開昭63-299807号公報に
示されるような方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法では、仕上圧延機での板幅変化影響因子として板ク
ラウンの影響を考慮していない場合や、板クラウンの影
響を考慮している場合においてもクラウン変化量の絶対
値で評価しているため、圧延材板厚との関係が不明確で
あり、そのため高精度な板幅変化の予測・制御が困難で
あった。また,板幅計あるいは板クラウン計に基づくフ
ィードバック制御を行っている場合においては、板幅計
および板クラウン計を仕上圧延機出側に設置しているた
め、制御系のむだ時間が大きいなどの問題から迅速かつ
高精度な板幅制御を行うことは困難不可能であった。
【0005】また、板厚および板クラウン精度は、板幅
と同様に圧延材の重要な品質項目であり、総合的寸法精
度を確保するためには、板幅制御と板厚制御・クラウン
制御との非干渉化を図る必要があるが、上述した従来法
においてはこれが行われていない。
【0006】本発明は、上述の問題点を新たな制御方法
によって解消し、従来に比して高精度な板幅制御が可能
な熱間圧延における板幅制御法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、仕上圧延機で
の板幅変化量を、各スタンドにおける圧延材の板厚,圧
下率,スタンド間張力,クラウン比率変化量およびスタ
ンド間通過時間を含む圧延条件の関数である板幅変化予
測式から演算して求め、仕上圧延機入口および/または
スタンド間に設置してあるエッジャーの開度制御によっ
て前記圧延材料の板幅を制御する熱間圧延における板幅
制御方法であって、第一には、前記板幅制御方法におい
て、仕上圧延機スタンド間に設置された板厚計,板クラ
ウン計および板幅計より圧延材の板厚,板クラウン量お
よび板幅を測定し、この測定板厚,測定板クラウン量お
よび仕上圧延機出側の目標板厚,目標板クラウン量に基
づいて、仕上セットアップ機能によって設定されていた
該仕上圧延機各スタンドの圧下位置および/または板ク
ラウン・形状制御量の設定値,前記仕上圧延機スタンド
間における板厚,板クラウン量および板幅の測定後に
正し,同時にこの修正された設定条件に基づいて前記板
幅変化予測式から該板幅計より下流の該仕上圧延機各ス
タンドおよび各スタンド間で生じる板幅変化量を予測演
算し、この演算値と前記測定板幅および前記仕上圧延機
出側の目標板幅に基づいて、前記エッジャー開度量の設
定を変更することを特徴とする板幅制御方法である。
【0008】更に第二は、前記板幅制御方法において、
粗圧延機最終スタンド出側に設置された板厚計,板クラ
ウン計および板幅計より圧延材の板厚,板クラウン量お
よび板幅を測定し、この測定板厚,測定板クラウン量お
よび仕上圧延機出側の目標板厚,目標板クラウン量に基
づいて、仕上セットアップ計算機能において、該仕上圧
延機各スタンドの設定条件を計算し、この設定条件に基
づいて該仕上圧延機各スタンドおよび各スタンド間で生
じる板幅変化量を予測演算し、この演算値と前記粗圧延
機出側の測定板幅および前記仕上圧延機出側の目標板幅
に基づいて、前記仕上圧延機入口およびスタンド間のエ
ッジャー開度量の初期値を設定し、さらに、仕上圧延機
スタンド間に設置された板厚計,板クラウン計および板
幅計より仕上圧延機スタンド間における圧延材の板厚,
板クラウン量および板幅を測定し、この測定板厚,測定
板クラウン量および仕上圧延機出側の目標板厚,目標板
クラウン量に基づいて、仕上セットアップ機能によって
設定されていた該仕上圧延機各スタンドの圧下位置およ
び/または板クラウン・形状制御装置の設定値,前記仕
上圧延機スタンド間における板厚,板クラウン量および
板幅の測定後に修正し,同時にこの修正された設定条件
に基づいて前記板幅変化予測式から該板幅計より下流の
該仕上圧延機各スタンドおよび各スタンド間で生じる板
幅変化量を予測演算し、この演算値と前記仕上スタンド
間の測定板幅および仕上圧延機出側の目標板幅に基づい
て、前記仕上スタンド間のエッジャー開度量の設定を変
更することを特徴とする板幅制御方法である。
【0009】
【作用】以下、本発明の原理について詳細に説明する。
先ず、本発明における板幅変化量の演算過程について説
明する。
【0010】板幅変化は図に示すような3つの領域1
〜3で起こると考えられる。すなわち、ロールバイトR
B入口近傍で幅縮み1が発生し、ロールバイト内で幅広
がり2が発生し、また、スタンド間において幅縮み3が
発生すると考えられる。したがって、仕上圧延機での板
幅変化を予測する場合は、幅変化のメカニズムの異なる
各領域毎に板幅変化特性を把握し予測を行えば、高精度
な予測が可能であると考えられる。そこで本発明では、
高精度な予測を行うために、このような3つの領域毎に
板幅予測を行うというステップを踏む。
【0011】図から図は、ロールバイトRB近傍の
領域について板圧延解析システム(3次元剛塑性FEM
による板変形解析と分割モデルによる汎用のロール変形
解析コードを連成したもの)を用いて、圧下率,張力,
クラウン比率変化および変形抵抗のそれぞれと幅変化量
との関係を解析した結果である。これらの結果からわか
るように、RB入口およびRB内部における幅変化量Δ
およびΔW は、出側板厚h,圧下率r,入・出
側張力Ti ,To ,クラウン比率変化量Crおよび変形
抵抗kf の関数であり、下記(1),(2)式によって
求められる。なお、クラウン比率変化量Crは、 Cr =Ch /h−CH /H Cr :クラウン比率変化量, h:出側板厚, H:入側板厚, CH :入側クラウン量, Ch :出側のクラウン量 である。
【0012】 ΔW =ΔW(h,r,Ti ,To ,Cr ,kf ) ・・・(1) ΔW =ΔW(h,r,Ti ,To ,Cr ,kf ) ・・・(2) ΔW :RB入口における幅変化量, ΔW :RB内部における幅変化量, r:圧下率, Ti :入側張力, To :出側張力, kf :変形抵抗。
【0013】また、スタンド間での板幅変化は、第35回
塑性加工連合講演論文集(1984)第277〜280頁で述べら
れているように、短時間で生じるクリープ変形によるも
のと考えられ、スタンド間に生じる板幅変化量ΔW
は、スタンド出側張力To ,圧延材の炭素含有量C,圧
延材温度T,スタンド間通過時間tなどの関数として表
わされ、下記(3)式のように算出される。
【0014】 ΔW =ΔW (To ,C,T,t) ・・・(3) ΔW :スタンド間に生じる板幅変化量, C:圧延材の炭素含有量, T:圧延材温度, t:スタンド間通過時間。
【0015】したがって、RB近傍およびスタンド間に
おいて生じる板幅変化量の総和ΔWは下記(4)式のよ
うに算出される。
【0016】 ΔW=ΔW +ΔW +ΔW ・・・(4) ΔW:RB近傍およびスタンド間において生じる板幅変化
量の総和, ΔW :RB入口における幅変化量, ΔW :RB内部における幅変化量。
【0017】以上のように〔(1)〜(4)式によ
り〕、板幅変化量ΔWは、圧延材の板厚H,h,圧下率
r,スタンド間張力Ti ,To ,クラウン比率変化量C
r,圧延材変形抵抗R,圧延材温度Tおよびスタンド間
通過時間tの関数であり、これらの量を正確に把握する
ことによって板幅変化予測精度の向上が可能となる。特
に、板厚H,h,板クラウン量CH ,Ch は、圧延材の
重要な品質項目でもあり、これらの高精度化を図ること
によって、板幅変化予測精度も向上し、板幅を含めた全
ての寸法精度の向上が期待できる。
【0018】そこで本発明では、仕上圧延機間に設置さ
れた板厚計,板クラウン計より測定し、これらの量の高
精度化を図るとともに、板クラウン比率変化量Crとい
うパラメータを用いることによって板幅変化予測精度を
向上させ、また、この高精度な予測量に基づくエッジャ
ーによる設定制御を行うことによって、板厚,板クラウ
ン制御など他の制御と干渉しない高精度な板幅制御を実
現させている。
【0019】以下、図に示すフロ−チャ−トに従って
本発明の板幅制御の過程について説明する。図4は、仕
上圧延機間に設置された板厚,板クラウン計および板幅
計の計測結果に基づき、仕上圧延機各スタンドの圧延条
件の変更,板幅変化量の予測演算、および、エッジャー
開度量の変更、を行う本発明の板幅制御過程のフローを
示した図である。No.j−1からNo.jスタンド間
に設置された板厚計,板クラウン計および板幅計によ
り、圧延材の板厚,板クラウン量および板幅が測定され
る。これら測定板厚および測定板クラウン量と、仕上圧
延機出側の目標板厚と目標板クラウン量および材料特性
に基づき、No.jから最終No.kスタンドにおける
圧下スケジュールおよびクラウンスケジュールが修正さ
れ、さらに各スタンドのロール周速およびスタンド間張
力が決定される。すなわち、No.jから最終No.k
スタンドの板厚
【0020】
【数1】
【0021】この制御量ΔWc’に従って、No.jス
タンド前および/またはNo.jスタンド以降に設置さ
れたエッジャーの開度量を修正し、板幅制御を行う。こ
の際、前記と同様にエッジャー開度量は、幅圧下により
生じるドックボーン形状に起因する幅戻り量を考慮する
ことは言うまでもない。この板幅制御方法の場合、板幅
測定装置が仕上スタンド間にあるため該板幅測定装置通
板後の板幅変化量は比較的小さくなり、粗圧延機出側の
板幅測定装置のみに依存する場合に比べで高精度な板幅
制御が可能となる。
【0022】また、粗圧延機出側および仕上スタンド間
に板厚計,板クラウン計,板幅計を有し、仕上圧延機入
口および仕上圧延機スタンド間にエッジャーを有する場
合、まず、粗圧延機出側の測定値に基づいて前記のよう
にエッジャーを含めた仕上圧延機の設定を行う。そして
圧延機先端がスタンド間の板厚計,板クラウン計,板幅
計を通過した後に、これらの測定値に基づく、板厚,板
クラウンに関する下流スタンドのダイナミックセットア
ップを実施し、同時に仕上スタンド間エッジャー開度修
正を実施することにより高精度な板厚,板クラウン,板
幅制御が可能となる。なお、後半のダイナミックセット
アップ時の板幅修正量は、既に粗出側測定値に基づいた
設定を実施した後なので比較的小さく、仕上スタンド間
エッジャーの能力で十分修正できる範囲のものであり、
また、仕上スタンド間エッジャーのみを用いることによ
ってむだ時間の少ない応答性に優れた板幅制御が実現で
きる。
【0023】〔実施例〕 以下、本発明の実施例1を本発明における装置の構成図
を示す図に基づいて説明する。実施例1は、仕上圧延
機No.3〜4スタンド間に板クラウン計12,中間板
幅計13および仕上圧延機入口にエッジャー4を有する
設備に本発明を適用した場合の一実施例である。ただ
し、板クラウン計12は、板厚および板クラウン量の測
定が可能であるものとする。
【0024】圧延材1の先端が仕上圧延機No.3〜4
スタンド間に設置された中間板クラウン計12,中間板
幅計13を通過後、これらの測定装置により、圧延材1
の板厚,板クラウン量,板幅が計測される。演算処理装
置11においては、これらの測定値と仕上圧延機出側の
目標板厚と目標クラウン量および材料特性に基づき、仕
上セットアップ機能において決定されていたNo.4〜
7スタンドでの圧下スケジュール,クラウンスケジュー
ル,ロール周速,スタンド間張力の修正演算が行われ、
直ちにNo.4〜7スタンドの設定条件変更の指令が仕
上圧延機制御装置10に伝えられる。仕上圧延機制御装
置10では、変更指令に従ってNo.4〜7スタンド設
定条件の変更が行われる(以下ではダイナミックセット
アップと称する)。さらに、演算処理装置11において
は、変更したNo.4〜7スタンドの設定条件に従っ
て、No.4〜7スタンドの板厚,圧下率,スタンド間
張力,クラウン比率変化量,温度,変形抵抗,スタンド
間通過時間が演算され、(7)式よりNo.4〜7スタ
ンド間で生じると予想される板幅変化量△W4,7が予
測演算される。この演算量△W4,7と目標板幅Wpお
よび、上記中間板幅計13による板幅測定値Wに基づ
き、(8)式により、板幅制御量ΔWc’が計算され
る。さらに、この板幅制御量ΔWc’およびドックボー
ン形状による幅戻り量の演算値から、エッジャー装置の
開度修正量を演算し、エッジャー制御装置9に伝えられ
る。エッジャー制御装置9においては、上記修正開度量
に基づいて、仕上圧延機入側のエッジャー装置4の開度
量の設定変更を行う。
【0025】以上は、仕上圧延機スタンド間に中間板ク
ラウン計および中間板幅計の両方を有する設備に本発明
を適用した場合であるが、設備のスペース上の制約から
1スタンド間に板クラウン計および板幅計の両方を設置
することが困難な場合には、例えば図に示すように、
No.3〜4スタンド間に中間板クラウン計12,N
o.4〜5スタンド間に中間板幅計13を異なるスタン
ド間に設置して本発明を適用する。この場合、中間板ク
ラウン計12基づく板厚,板クラウン量のダイナミック
セットアップは、No.4〜7スタンドで実施し、この
設定条件に基づく板幅変化量の予測は、中間板幅計13
の下流のNo.5〜7スタンドについて行う。
【0026】なお、上述の実施例1では、仕上圧延機入
口に設置してあるエッジャーによる制御法について述べ
たが、本発明は、粗圧延機入口または仕上圧延機のスタ
ンド間にエッジャーを有する設備に実施しても同様の効
果を得ることができる。
【0027】〔実施例〕 本発明の実施例を本発明における装置の構成図を示す
に基づいて説明する。実施例は、粗圧延機出側に
板クラウン計6,板幅計7,仕上圧延機No.3〜4ス
タンド間に板クラウン計12,中間板幅計13、およ
び、仕上圧延機入口にエッジャー4,仕上スタンド間に
エッジャー1を有する設備に本発明を適用した場合の
一実施例である。ただし、板クラウン計6,12は、板
厚および板クラウン量の測定が可能であるものとする。
【0028】圧延材1の先端が粗圧延機出側に設置され
た板クラウン計6,板幅計7を通過後、これらの測定装
置により、圧延材1の板厚,板クラウン量,板幅が計測
される。演算処理装置11においては、これらの測定値
と目標板厚と目標板クラウン量および材料特性に基づい
て仕上圧延機No.1〜7スタンドでの圧下スケジュー
ル,クラウンスケジュール,およびこれらを具現化する
ための圧下位置,板クラウン・形状制御装置の設定値,
ロール周速,スタンド間張力を決定する仕上セットアッ
プ計算を行い、仕上圧延機制御装置10にこの情報が伝
えられ、各スタンドの圧延条件が設定される。さらに、
演算処理装置11においては、仕上セットアップ計算機
能により決定された仕上圧延機No.1〜7スタンドで
の圧延条件(圧下率,スタンド間張力,クラウン比率変
化,入出側板厚,圧延材温度,変形抵抗,スタンド間通
過時間)よりNo.1〜7スタンド間で生じると予想さ
れる板幅変化量△W1,7が(5)式から予測演算され
る。この演算量△W1,7と仕上圧延機出側の目標板幅
Wpおよび、粗圧延機出側の板幅計7による板幅測定量
に基づき、(6)式により、板幅制御量ΔWcが計算さ
れる。さらに、板幅制御量ΔWcおよびドックボーン形
状による幅戻り量の演算値から、エッジャー装置の開度
量を演算し、エッジャー制御装置9に伝えられる。エッ
ジャー制御装置9においては、上記演算開度量に基づい
て、仕上圧延機入側のエッジャー装置4およびスタンド
間エッジャー14の開度量を設定する。
【0029】
【数2】
【0030】さらに、圧延材1の先端が仕上圧延機N
o.3〜4スタンド間に設置された中間板クラウン計1
2,中間板幅計13を通過後、これらの測定装置によ
り、圧延材1の板厚,板クラウン量,板幅が計測され
る。演算処理装置11においては、これらの測定値と仕
上圧延機出側の目標板厚と目標クラウン量および材料特
性に基づき、上記粗圧延機出側の板クラウン計に基づく
仕上セットアップ機能において決定されていたNo.4
〜7スタンドでの圧下スケジュール,クラウンスケジュ
ール,ロール周速,スタンド間張力の修正演算が行わ
れ、直ちにNo.4〜7スタンドの設定条件変更の指令
が仕上圧延機制御装置10に伝えられる。仕上圧延機制
御装置10では、変更指令に従ってNo.4〜7スタン
ドの設定条件の変更が行われる。さらに、演算処理装置
11においては、変更したNo.4〜7スタンドの設定
条件に従って、No.4〜7スタンドの板厚,圧下率,
スタンド間張力,クラウン比率変化量,温度,変形抵
抗,スタンド間通過時間が演算され、(7)式よりN
o.4〜7スタンド間で生じると予想される板幅変化量
△W4,7が予測演算される。この演算量△W4,7
目標板幅Wpおよび、上記中間板幅計13による板幅測
定値Wに基づき、(8)式により、板幅制御量ΔW
c’が計算される。この板幅制御量ΔWc’およびドック
ボーン形状による幅戻り量の演算値から、スタンド間エ
ッジャー装置の修正開度量を演算し、エッジャー制御装
置15に伝えられる。エッジャー制御装置15において
は、上記修正開度量に基づいて、仕上圧延機No.3〜
4スタンド間のエッジャー装置14の開度量の設定を行
う。
【0031】この仕上スタンド間エッジャーによる設定
制御は、既に粗出側測定値に基づいたエッジャーに設定
を実施した後なので修正量が比較的小さくなることか
ら、仕上スタンド間エッジャーの能力で十分修正できる
範囲であり、また、仕上スタンド間エッジャーのみを用
いることによってむだ時間の少ない応答性に優れた板幅
制御が実現できる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、仕上圧延機
間に設置された板厚計,板クラウン計および板幅計より
圧延材の板厚,クラウン量,板幅を高精度良く求め、板
幅変化量の高精度な予測・制御を行っているので、従来
に比べ板幅精度を向上することができ、歩留を向上させ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1を一態様で実施する装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施例1をもう1つの態様で実施す
る装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施例2を実施する装置の構成を示
すブロック図である。
【図4】 本発明の板幅制御法での通板中の設定変更の
内容を説明するためのフローチャートである。
【図5】 RB入口およびRB出口での圧下率と板幅変
化量との関係を出側板厚h毎に示したグラフである。
【図6】 圧延材の入・出側張力と板幅変化量との関係
を示したグラフである。
【図7】 圧延材の入,出側張力と板幅変化量との関係
を出側板厚毎hに示したグラフである。
【図8】 圧延材のクラウン比率変化量と板幅変化量と
の関係を出側板厚毎hに示したグラフである。
【図9】 圧延材の平面図であり、仕上圧延時の板幅変
化挙動を模式的に示す。
【符号の説明】
1:圧延材 2:粗圧延機のエッ
ジャー 3:粗の水平圧延機 4:仕上圧延機前に
設置されたエッジャー 5:スタンドのロールを備えた仕上圧延機 6:粗圧延機出側板クラウン計(板厚計兼用) 7:延機出側板幅計 8,9:エッジャー制御
装置 10:仕上圧延機制御装置 11:演算処理装置 12:中間板クラウン計(板厚計兼用) 13:中間板幅計 14:仕上スタンド
間エッジャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−68616(JP,A) 特開 昭61−99505(JP,A) 特公 昭59−41805(JP,B2) 特許2968637(JP,B2) 特許2968647(JP,B2) 社団法人日本鉄鋼協会編集/発行「わ が国における最近のホットストリップ製 造技術」(昭和62年8月10日)、第60、 61頁 「第42回塑性加工連合講演会(1991年 9月25〜27日に札幌で開催)に先立って 発行された予稿集」、第315〜318頁 「第39回塑性加工連合講演会(1988年 10月24〜26日に横浜で開催)に先立って 発行された予稿集」、第597〜600頁 社団法人日本鉄鋼協会編集/発行「わ が国における最近のホットストリップ設 備および製造技術の進歩」(昭和51年9 月20日)、第24頁、図1.2.39 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】仕上圧延機での板幅変化量を,各スタンド
    における圧延材の板厚,圧下率,スタンド間張力,クラ
    ウン比率変化量およびスタンド間通過時間を含む圧延条
    の関数である板幅変化予測式から演算して求め,仕上
    圧延機入口および/またはスタンド間に設置してあるエ
    ッジャーの開度制御によって前記圧延材料の板幅を制御
    する熱間圧延における板幅制御方法であって; 仕上圧延機スタンド間に設置された板厚計,板クラウン
    計および板幅計より圧延材の板厚,板クラウン量および
    板幅を測定し,この測定板厚,測定板クラウン量および
    仕上圧延機出側の目標板厚,目標板クラウン量に基づい
    て,仕上セットアップ機能によって設定されていた該仕
    上圧延機各スタンドの圧下位置および/または板クラウ
    ン・形状制御量の設定値を,前記仕上圧延機スタンド間
    における板厚,板クラウン量および板幅の測定後に修正
    し,同時にこの修正された設定条件に基づいて前記板幅
    変化予測式から該板幅計より下流の該仕上圧延機各スタ
    ンドおよび各スタンド間で生じる板幅変化量を予測演算
    し,この演算値と前記測定板幅および前記仕上圧延機出
    側の目標板幅に基づいて,前記エッジャー開度量の設定
    を変更することを特徴とする熱間圧延における板幅制御
    方法。
  2. 【請求項2】仕上圧延機での板幅変化量を,各スタンド
    における圧延材の板厚,圧下率,スタンド間張力,クラ
    ウン比率変化量およびスタンド間通過時間を含む圧延条
    の関数である板幅変化予測式から演算して求め,仕上
    圧延機入口およびスタンド間に設置してあるエッジャー
    の開度制御によって前記圧延材料の板幅を制御する熱間
    圧延における板幅制御方法であって; 粗圧延機最終スタンド出側に設置された板厚計,板クラ
    ウン計および板幅計より圧延材の板厚,板クラウン量お
    よび板幅を測定し,この測定板厚,測定板クラウン量お
    よび仕上圧延機出側の目標板厚,目標板クラウン量に基
    づいて,仕上セットアップ計算機能において,該仕上圧
    延機各スタンドの設定条件を計算し,この設定条件に基
    づいて前記板幅変化予測式から該仕上圧延機各スタンド
    および各スタンド間で生じる板幅変化量を予測演算し,
    この演算値と前記記粗圧延機出側の測定板幅および前記
    仕上圧延機出側の目標板幅に基づいて,前記仕上圧延機
    入口およびスタンド間のエッジャー開度量の初期値を設
    定し,さらに,仕上圧延機スタンド間に設置された板厚
    計,板クラウン計および板幅計より仕上圧延機スタンド
    間における圧延材の板厚,板クラウン量および板幅を測
    定し,この測定板厚,測定板クラウン量および仕上圧延
    機出側の目標板厚,目標板クラウン量に基づいて,仕上
    セットアップ機能によって設定されていた該仕上圧延機
    各スタンドの圧下位置および/または板クラウン・形状
    制御装置の設定値を,前記仕上圧延機スタンド間におけ
    る板厚,板クラウン量および板幅の測定後に修正し,同
    時にこの修正された設定条件に基づいて前記板幅変化予
    測式から該板幅計より下流の該仕上圧延機各スタンドお
    よび各スタンド間で生じる板幅変化量を予測演算し,こ
    の演算値と前記仕上スタンド間の測定板幅および仕上圧
    延機出側の目標板幅に基づいて,前記仕上スタンド間の
    エッジャー開度量の設定を変更することを特徴とする熱
    間圧延における板幅制御方法。
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「第42回塑性加工連合講演会(1991年9月25〜27日に札幌で開催)に先立って発行された予稿集」、第315〜318頁
社団法人日本鉄鋼協会編集/発行「わが国における最近のホットストリップ製造技術」(昭和62年8月10日)、第60、61頁
社団法人日本鉄鋼協会編集/発行「わが国における最近のホットストリップ設備および製造技術の進歩」(昭和51年9月20日)、第24頁、図1.2.39

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