JP2002224723A - 板幅制御方法および板幅変化予測式の学習方法 - Google Patents

板幅制御方法および板幅変化予測式の学習方法

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JP2002224723A JP2001029158A JP2001029158A JP2002224723A JP 2002224723 A JP2002224723 A JP 2002224723A JP 2001029158 A JP2001029158 A JP 2001029158A JP 2001029158 A JP2001029158 A JP 2001029158A JP 2002224723 A JP2002224723 A JP 2002224723A
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Atsushi Ishii
篤 石井
Shigeru Ogawa
茂 小川
Kenji Yamada
健二 山田
Yasuyuki Takamachi
恭行 高町
Tsuyoshi Higo
剛志 比護
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比してより高精度に板幅変化量を予測
し板幅を制御することによって、板幅精度を向上させる
こと。 【解決手段】 制御対象竪ロール圧延機より下流側の圧
延機群の各圧延機と各圧延機間、仕上最終圧延機からコ
イラー間において生じる圧延材の板幅変化量の長手方向
分布を演算し、これら演算板幅変化量の合計の長手方向
分布に基づき、該制御対象竪ロール圧延機の開度を圧延
材の長手方向に渡って演算し設定する板幅制御方法にお
いて、圧延材の成分元素の含有量の関数として表現した
補正因子および補正項のいずれか一方または双方を用い
て補正した板幅変化予測式に基づき、該圧延機群の各圧
延機と各圧延機間、該仕上最終圧延機から該コイラー間
において生じる圧延材の板幅変化量の長手方向分布を演
算し、該制御対象竪ロール圧延機の開度の長手方向分布
を演算し設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延における
板幅制御方法および板幅変化予測式の学習方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延における板幅は、粗圧延機群、
仕上圧延機群、仕上圧延機間および仕上最終圧延機から
コイラー間のランアウトテーブル上において種々の要因
によって変化する。従来の板幅制御方法としては、上記
のような板幅変化量を測定または予測演算し、この測定
値または予測演算値に基づいて、粗水平ロール圧延機ま
たは仕上ロール圧延機入口に設置してある竪ロール圧延
機の開度を制御して板幅を制御する方法が知られてい
る。
【0003】例えば、コイラー前または仕上圧延機出側
に設置された板幅計より板幅を測定し、この測定値に基
づき、粗竪ロール圧延機の開度を制御し板幅を制御する
特開昭60−203315号公報に示されている方法、
また、仕上圧延における板幅変化量を、圧延起因および
クリープ変形起因の変化に分けて、圧延材の板厚、圧下
率、スタンド間張力、圧延材変形抵抗、圧延材温度、ス
タンド間通過時間、板クラウン比率変化量を板幅変化の
予測パラメータとして用いて演算する特許第29686
37号公報などに示される方法、また、ランアウトテー
ブル上のネッキングよる幅落ちの量、位置および長さの
実績値を用いて次圧延材の幅落ちを予測する学習を行な
い、粗バ−の該当部分の幅を予測された幅落ちに見合う
量まで竪ロール圧延機で広げる特開昭62−68617
号公報に示されている方法等がある。
【0004】さらに、板幅制御を行う竪ロール圧延機よ
り下流の粗・仕上圧延機およびランアウトテーブル上で
生じる全ての板幅変化を、先端・後端部、定常部の長手
方向の各位置で予測・演算し、竪ロール圧延機の開度パ
ターンの長手方向分布を予め設定・制御する特開平11
−285718号方法に示されている方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法において、板幅計に基づくフィードバック制御を行
う方法の場合は、検出端と制御端が離れているため制御
の遅れが生じ、先端、後端の非定常部、定常部のスキッ
ドマーク部における高精度な板幅制御を行うことは不可
能であること、また、予測演算値に基づきフィードフォ
ーワードで制御する方法の場合は、板幅制御を行う竪ロ
ール圧延機より下流の粗・仕上圧延機およびランアウト
テーブル上で生じる全ての板幅変化を高精度に予測し、
この予測値に基づき予め竪ロール圧延機の開度を設定す
ることが必要であるが、上記従来法の場合、板幅制御に
使用される板幅変化予測式が、特定鋼種あるいは代表鋼
種に関して、ラボ実験、実機実験あるいは数値解析等の
検討結果から求められた式であり、圧延材の成分元素の
種類によっては、圧延機内、圧延機間およびランアウト
テーブル上での板幅変化挙動が異なってくるため、板幅
変化の予測誤差が大きくなる等の問題があった。
【0006】そこで、発明者らは、実機圧延操業時の様
々な成分元素を含む圧延材に関して、従来の板幅変化予
測式の計算値と実測値との比較を行い、板幅変化に及ぼ
す成分元素の影響を調査し、これらの成分元素の含有量
と板幅変化量との関係を明らかにした。そして、これら
の知見に基づき、鋼種毎に板幅変化予測式を開発すると
いうような煩雑な作業を行わなくとも、従来の板幅変化
予測式に対して成分元素の関数である補正因子および補
正項を用いることによって、種々の鋼種に対して利用で
きるような板幅制御方法を考案した。さらに、より高精
度な板幅変化量の予測および板幅制御を実現するため
に、板幅実測値に基づく上記板幅変化予測式の補正因子
および補正項を学習する方法を発明した。
【0007】以上のように本発明では、成分元素の影響
を考慮した補正因子および補正項を用いて補正を行った
板幅変化予測式を用い、さらに、板幅実測値によりこれ
ら補正因子および補正項を学習することにより、従来に
比してより高精度な板幅変化量の予測および板幅制御が
可能となり、板幅精度および歩留の向上が実現できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来法の欠点を有利に排除しうる熱間圧延における板幅
制御法および板幅変化予測式の学習方法であり、請求項
1では、制御対象竪ロール圧延機より下流側の圧延機群
の各圧延機と各圧延機間、仕上最終圧延機からコイラー
間において生じる圧延材の板幅変化量の長手方向分布を
演算し、これら演算板幅変化量の合計の長手方向分布に
基づき、該制御対象竪ロール圧延機の開度を圧延材の長
手方向に渡って演算し設定する板幅制御方法において、
圧延材の成分元素の含有量の関数として表現した補正因
子および補正項のいずれか一方または双方を用いて補正
した板幅変化予測式に基づき、該圧延機群の各圧延機と
各圧延機間、該仕上最終圧延機から該コイラー間におい
て生じる圧延材の板幅変化量の長手方向分布を演算し、
該制御対象竪ロール圧延機の開度の長手方向分布を演算
し設定することを特徴とする板幅制御方法を開示し、請
求項2では、板幅変化予測式を補正する補正因子および
補正項は、塑性変形起因の板幅変化とクリープ変形起因
の板幅変化毎に分離して演算することを特徴とする請求
項1記載の板幅制御方法を開示し、請求項3では、板幅
変化予測式を補正する補正因子および補正項は、圧延材
の相変態前と相変態後毎に分離して演算することを特徴
とする請求項1または請求項2記載の板幅制御方法開示
し、請求項4では、請求項1、請求項2または請求項3
記載の板幅制御方法において用いられる板幅変化予測式
の補正因子および/または補正項を、仕上圧延機間およ
び/または仕上圧延機の後面で測定される板幅実績値に
基づいて、学習することを特徴とする板幅変化予測式の
学習方法を開示し、請求項5では、仕上圧延機間および
/または仕上圧延機の後面で測定される温度および/ま
たは板クラウン実績値に基づいて、板幅変化予測式の補
正因子および/または補正項の学習をすることを特徴す
る請求項4記載の板幅変化予測式の学習方法を開示して
いる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の原理について詳細
に説明する。先ず、従来から行われている圧延条件から
板幅変化量を算出する演算過程について説明する。特許
第2968637号公報においては、FEM解析より仕
上圧延時に生じる板幅変化は、ロールバイト(以下RB
と略記)入口近傍、RB内およびスタンド間の3つの領
域で生じることが示されている。この内、RB入口、R
B内において生じる板幅変化△WFPは、圧延による塑性
変形が起因で生じるものであり、板幅変化の影響因子と
して出側板厚h、圧下率r、入、出側張力σi、σo
クラウン比率変化量Ccr(Ch/h−CH/H、CH 、C
h :入、出側のクラウン量、H、h:入、出側板厚)、
変形抵抗値kf があり、下記(1)式によって求められ
る。 △WFP=ΔWFP(h,r,σi,σo,Ccr,kf) =ΔWFP1(h,r,σi,σo,Ccr,kf)+ΔWPF2(h,r, σi,σo,Ccr,kf) (1) ここで、ΔWFP1 はRB入口における演算板幅変化量、
ΔWPF2 はRB内における演算板幅変化量である。尚、
板幅変化量の符号は、板幅拡がりの方向をプラス、板幅
縮みの方向をマイナスとこれ以降定義することとする。
【0010】また、スタンド間での板幅変化ついては、
短時間で生じるクリープ変形であると考えられ、スタン
ド間に生じる演算板幅変化量△WFCは、スタンド間張力
(出側張力で定義)σo 、圧延材温度T、スタンド間通
過時間t、板幅Wなどの関数として一般的に下記(2)
式のように表わされる。 △WFC=△WFC(σo,T,t,W) (2) したがって、RB入口、RB内およびスタンド間におい
て生じる板幅変化量の総和△WF は下記(3)式のよう
に算出される。 △WF=△WFP1+△WPF2+△WFC=△WFP+△WFC (3)
【0011】次に、上記(1)〜(3)式より計算され
る板幅変化量と実機における実測の板幅変化量とを、材
料成分毎に比較し、板幅変化に及ぼす材料成分の影響を
調査した結果について説明する。実機の板幅変化量は、
仕上圧延機の入側および出側に設置された板幅計から測
定された板幅の差から求め、仕上圧延における各種圧延
条件に基づき、上記(1)〜(3)式より各スタンドお
よび各スタンド間の板幅変化量を計算し、これらの総和
と、上記実測板幅変化量との比較を行った。尚、圧延材
の変形抵抗値に関しては、実測の圧延荷重より、逆算す
る方法で算出した。
【0012】図3(a)から図3(c)は、板幅変化量
の実測値−計算値の差と材料成分元素の含有量との関係
を示したものである。これらより、板幅変化量の実測値
−計算値の差は、種々の成分元素の量に依存して増減す
ることがわかる。モデル式中の変形抵抗値については、
実測荷重からの逆算値を用いているので、このような成
分元素による差異は、主としてクリープ変形特性の相違
に起因して生じるものと考えられる。すなわち、スタン
ド間における板幅変化は、クリープ変形起因の変化であ
るので成分元素の違いが、直接、板幅変化特性に影響を
及ぼすが、RB入口およびRB内における板幅変化に関
しても以下の理由により、クリープ変形特性の相違が影
響することが考えられる。つまり、RB入口およびRB
内における板幅変化予測式は、FEM解析結果に基づき
得られた予測式であるが、実際は、クリープの影響でF
EM解析結果より、予変形域のRB入口の領域が大きく
なり、逆にRB内の領域が小さくなることが想到され、
これによってRB入口およびRB内におけるトータルの
幅広がり量が小さくなることが考えられる。
【0013】従って、より高精度な予測を実現するため
には、上記(1)〜(3)式の演算の中で材料成分の影
響を炭素量および変抵抗値として考慮するだけではな
く、クリープ変形特性に及ぼす材料成分の影響を考慮し
て演算することが必要であるが、実操業で使用されるす
べての鋼種についてクリープ引張実験を行い、鋼種毎に
予測式を作成していたのでは、莫大な費用と時間を必要
とし現実的に不可能となる。
【0014】そこで本発明では、このような材料成分の
影響を考慮するために、補正因子αおよび補正項βを下
記(4)、(5)式に示すように圧延材の成分元素の含
有量の関数として定義し、上記(1)〜(3)式より算
出される板幅変化量を、補正因子および補正項のいずれ
か一方または双方を用いて補正することによって、すべ
ての鋼種に関して高精度な板幅変化量の予測を実現可能
にしている。 α=α(C1,C2,・・,CN) (4) β=β(C1,C2,・・,CN) (5) ここで、C1 〜CN は、圧延材に含まれる1〜N個の成
分元素の含有量で、図3(a)から図3(c)で示した
ような成分元素C、Si、Mn等の含有量を示す。この
補正因子αおよび補正項βのいずれか一方または双方
を、例えば、下記(6)、(7)、(8)式に示すよう
に、上述の板幅変化予測式の(1)〜(3)式に加算あ
るいは乗算し、演算板幅変化量を補正する。 △WF′=αF・△WF=αF・(△WFP+△WFC) (6) △WF′=△WF+βF=△WFP+△WFC+βF (7) △WF′=αF・△WF+βF=αF・(△WFP+△WFC)+βF (8) ここで、αF は仕上圧延における板幅変化予測式の鋼種
成分元素の関数として表現された補正因子、βF は同上
の補正項、△WF′は、αF 、βF のいずれか一方また
は双方により補正された演算板幅変化量である。
【0015】さらに、本発明の請求項2で開示している
ように、メカニズムの異なる塑性変形起因の板幅変化と
クリープ変形起因の板幅変化毎に分離して板幅変化予測
式の補正因子および補正項を演算することにより、より
高精度な板幅変化予測が可能となる。この場合、仕上圧
延における板幅変化予測式の塑性変形による影響項の補
正因子をαFP、補正項をβFP、クリープ変形による影響
項の補正因子をαFC、補正項をβFCとすると、これらを
用いて補正した式は、下記(9)式のようになる。 △WF′=(αFP・△WFP+βFP)+(αFC・△WFC+βFC) (9) ただし、αFP、βFP、αFC、βFCは(4)、(5)式で
定義したような成分元素の含有量の関数である。また、
上記(6)、(7)式で示したように、補正因子または
補正項のいずれか一方のみを使用して補正を行っても良
い。尚、塑性変形起因の板幅変化挙動に関しては、RB
入口およびRB内の板幅変化予測式毎に、あるいは板幅
変化の要因項毎に補正因子および補正項を定義し補正す
ることによって、より高精度な板幅変化の予測も期待で
きる。
【0016】また、粗圧延における板幅変化予測式に関
しても、上述の仕上圧延の場合と同様に、成分元素の関
数として表現した補正因子および補正項を用いて、下記
(10)式のように補正を行う。粗圧延機における板幅
変化予測式は、例えば、昭和54年度塑性加工春季講演
論文集(1979)第489〜496頁で述べられてい
るような予測式を用いて演算しても良い。この際、圧下
率、板厚、板幅、変形抵抗値等の圧延条件を考慮して演
算することは言うまでもない。 △WR′=αR・△WR+βR (10) ここで、αR は粗圧延における板幅変化予測式の鋼種成
分元素の関数として表現された補正因子、βR は同上の
補正項であり、△WR は、粗圧延における板幅変化予測
式より演算された板幅変化量を示し、△WR′は、
αR 、βR により補正された演算板幅変化量である。
尚、上述の粗圧延における板幅変化予測式は、圧延材の
先端部、定常部、後端部毎に異なる板幅変化予測式で演
算するのが一般的であるが、補正因子および補正項につ
いても各予測式毎に定義し補正することによって、より
高精度な板幅変化予測が期待できる。
【0017】また、仕上最終圧延機からコイラー間のラ
ンアウトテーブル上で生じる板幅変化に関しては、相変
態領域の600〜900℃において生じるクリープ変形
起因の挙動と考えられていることから、板幅変化予測式
にはこの温度域における上記(2)式と同様のクリープ
式に基づく予測式が用いられる。この場合、ランアウト
テーブル上における板幅変化予測式の補正因子を
αROT 、補正項をβROT とすると、これまでと同様に補
正式は下記(11)式のようになる。 △WROT′=αROT・△WROT+βROT (11) ここで、△WROT は、ランアウトテーブル上の板幅変化
予測式より演算された板幅変化量を示し、△WROT
は、αROT 、βROT により補正された演算板幅変化量で
ある。
【0018】尚、発明者らのクリープ実験による検討
で、鋼種によっては相変態前後においてクリープ変形挙
動が大幅に異なることが確認されており、板幅変化予測
式は、相変態前と相変態後毎のクリープ式を用いること
が必要であり、その補正因子および補正項に関しても相
変態前と相変態後毎に分離し演算することにより、より
高精度な板幅変化の予測が期待できる。そこで、本発明
の請求項3では、圧延材の相変態前と相変態後毎に分離
して板幅変化予測式の補正因子および補正項を演算する
方法を開示している。この場合、補正因子および補正項
は、下記(12)式のようになる。
【0019】
【数1】 ここで、TROT はランアウトテーブル上の圧延材の温
度、TT は圧延材の相変態温度であり、αROT1、βROT1
は相変態前の補正因子および補正項、αROT2、βRO T2
相変態後の補正因子および補正項を示す。
【0020】次に、以上のような補正因子および補正項
によって補正された板幅変化予測式に基づき、板幅制御
を行う過程について説明する。図1に示すように、o
(オー)台の粗水平ロール圧延機群3、ランアウトテー
ブル上の冷却装置6、コイラー7、l(エル)台の水平
ロール圧延機を備えた仕上水平ロール圧延機群18およ
び制御対象竪ロール圧延機2より上流に設置された板幅
計8、温度計9、コイラー7入側に設置された板幅計2
0、温度計21、板クラウン計22を有する熱間圧延機
に本発明を適用する場合を考える。11は、制御対象竪
ロール圧延機制御装置、12は、粗水平ロール圧延機制
御装置、13は、仕上水平ロール圧延機制御装置、14
は、冷却制御装置、15は、コイラー制御装置、16
は、演算処理装置である。尚、制御対象竪ロール圧延機
制御装置11には、竪ロール開度制御機能を有し、粗水
平ロール圧延機制御装置12には、クラウン・形状制御
機能、圧下制御機能およびロール周速制御機能を有し、
仕上水平ロール圧延機制御装置13には、圧延機間張力
制御機能、クラウン・形状制御機能、圧下制御機能、ロ
ール周速制御機能およびルーパ制御機能を有し、コイラ
ー制御装置15には、張力制御機能、コイラー周速制御
機能を有する。
【0021】演算処理装置16では、セットアップ計算
において、圧延材の仕上出側目標板厚、目標板クラウ
ン、コイラー巻き取り目標温度等より、制御対象竪ロー
ル圧延機2より下流の粗水平ロール圧延機群の第jr=
1〜第jr=o圧延機における圧下率、ロール周速条
件、仕上水平ロール圧延機群の第jf=1〜第jf=l
圧延機における圧下スケジュール、クラウンスケジュー
ル、各圧延機ロール周速、圧延機間張力、ランアウトテ
ーブル上における冷却装置の冷却条件およびコイラーの
巻き取り速度等の条件が決定される。
【0022】制御対象竪ロール圧延機2より上流に設置
された板幅計8、温度計9において、圧延材の板幅、温
度を長手方向の全長に渡って測定され、演算処理装置1
6へ転送される。演算処理装置16では、この長手方向
の温度測定値および板幅測定値が、図2に示すように、
圧延材の先端部、定常部、後端部について、長手方向に
1−1、n2−1、n3−1に分割され、長手方向に分
割された各分割位置の板幅、温度が記憶される。ここ
で、第i番目の分割位置(i=1〜n1+n2+n 3)の
板幅はMR (i) 、温度はTRO (i) と表すこととする。こ
の温度TRO (i) に基づいて、制御対象竪ロール圧延機2
より下流の粗水平ロール圧延機群3、仕上水平ロール圧
延機群18の各圧延機と各圧延機間、仕上最終第jf=
l水平ロール圧延機からコイラー7間の長手方向の各分
割位置の同一点における圧延材の温度を、セットアップ
計算と同等の計算方法によって演算される。尚、仕上最
終第jf=l水平ロール圧延機からコイラー7間の温度
については、例えば、図1に示すように、仕上最終第j
f=l水平ロール圧延機からコイラー7間をm−1分割
し、各分割区間の平均温度として求められる。
【0023】ここで、圧延材の長手方向の第i番目(i
=1〜n1+n2+n3)の分割位置の同一点に対応する
制御対象竪ロール圧延機2における温度をTRP (i) 、粗
水平ロール圧延機群3の第jr=1〜jr=oにおける
温度をTRH(1) (i) 〜TRH(o) (i) 、仕上水平ロール圧延
機群18の第jf=1〜jf=l圧延機における温度を
FR(1) (i) 〜TFR(l) (i) 、第1−2圧延機間〜第(l
−1)−l圧延機間における温度をTFI(1) (i) 〜T
FI(l-1) (i) 、仕上最終第jf=l水平ロール圧延機か
らコイラー7間をm−1分割した場合の長手方向の各分
割区間の平均温度をTROT(1) (i) 〜TROT(m-1) (i) と表
すこととする。また、圧延材の成分元素の含有量から、
粗水平ロール圧延機群3、仕上水平ロール圧延機群18
および仕上最終圧延機からコイラー7間における板幅変
化予測式の補正因子および補正項が演算される。
【0024】さらに、演算処理装置16においては、こ
れら各位置で予測される圧延材の温度の長手方向分布に
基づき、制御対象竪ロール圧延機2の下流の粗水平ロー
ル圧延機群3、仕上水平ロール圧延機群18の各圧延機
と各圧延機間、仕上最終第jf=l水平ロール圧延機か
らコイラー7間において生じる圧延材の板幅変化量を長
手方向の全長に渡って演算される。
【0025】すなわち、粗水平ロール圧延機群3の第j
r=1〜第jr=o圧延機において生じる板幅変化量に
関しては、長手方向の温度分布TRH(1) (i)〜TRH(o) (i)
(i=1〜n1+n2+n3)に基づき、セットアップ計
算時の圧下率、ロール周速の計算値から、各圧延機の長
手方向の同一点における板厚、圧下率、変形抵抗値等が
演算され、補正因子および補正項によって定義された上
記(10)式を用いることによって、圧延材の長手方向
の第i番目の分割位置に対応した粗水平ロール圧延機群
3において生じる板幅変化量の合計ΔWR(i) が、圧
延材の先端部、定常部、後端部毎に下記(13)式のよ
うに算出される。
【0026】
【数2】
【0027】ここで、△WRT(jr)、△WRM(jr)、△W
RB(jr)は、第jr粗圧延機における圧延材の先端部、定
常部、後端部の補正前の演算板幅変化量を表し、n
1(jr)、n1(jr)+n2(jr)は、第jr圧延
機において生じる圧延材の板幅変化の非定常部と定常部
の境の点を示す。これは、圧延材の延伸のため、粗水平
ロール圧延機群3の各圧延機を通過する際の非定常部と
定常部の境の点(i=n1、n1+n2)が、第1〜oの
各圧延機毎に異なってくるために各圧延機毎に求めるも
のである。また、上記(13)式では、先端部、定常
部、後端部毎の板幅変化予測式において、共通の補正因
子および補正項を使用しているが、各予測式毎に定義し
補正を行っても良い。
【0028】次に、仕上水平ロール圧延機群18におい
て生じる板幅変化量を算出する方法を説明する。上記
(9)式に示すように、塑性変形起因のRB入口および
RB内で生じる板幅変化とクリープ変形起因の圧延機間
で生じる板幅変化についての各々の予測式毎に補正因子
および補正項を演算する方法を用いると、仕上水平ロー
ル圧延機群18において生じる圧延材の長手方向の第i
番目の分割位置に対応した板幅変化量の合計ΔWF
(i) は、第jf=1〜第jr=l圧延機において生じる
板幅変化量および第jf=1−2圧延機間〜第jf=
(l−1)−l圧延機間において生じる板幅変化量の合
計として、下記(14)式のように演算される。
【0029】
【数3】
【0030】ここで、ΔWFP (i) は、第i番目の分割位
置に対応した仕上水平ロール圧延機のRB入口およびR
B内における演算板幅変化量、△WFC (i) は、第i番目
の分割位置に対応した仕上水平ロール圧延機間における
演算板幅変化量を表す。尚、この板幅変化量の演算にお
いては、長手方向の圧延材温度TFR(j) (i)、TFI(j) ( i)
(i=1〜n1+n2+n3)に基づき、セットアップ計
算時の圧下スケジュール、クラウンスケジュール、各圧
延機ロール周速の値から、各圧延機の長手方向の同一点
における板厚、圧下率、変形抵抗値、圧延機間通過時間
および板クラウン比率変化量を算出し演算する。
【0031】また、仕上圧延における板幅変化の予測
は、上記のように定常部の板幅変化予測式を用いれば、
精度的に十分であると考えられるが、例えば、先端部お
よび後端部の非定常部の板幅変化予測式を上記の定常部
の板幅変化予測式に加えれば、より高精度に板幅変化量
の予測することができる。
【0032】次に、仕上最終第jf=l水平ロール圧延
機からコイラー7間で生じる板幅変化量を演算する方法
を説明する。上記(11)式に示すように、ランアウト
テーブル上における板幅変化予測式の補正因子および補
正項を用いると、仕上最終第jf=l水平ロール圧延機
からコイラー7間で生じる圧延材の長手方向の第i番目
の同一点に対応する板幅変化量の合計ΔWROT
(i) は、仕上最終水平ロール圧延機からコイラー7間を
m−1分割した各分割区間の板幅変化量を合計し下記
(15)式のように算出される。
【0033】
【数4】
【0034】ここで、ΔWROT(k) (i) は、第i番目の分
割位置に対応した仕上最終水平ロール圧延機からコイラ
ー7間のランアウトテーブル上で生じるk番目の分割区
間の演算板幅変化量を表す。この場合、仕上最終圧延機
の出側の速度、コイラー巻き取り速度等の条件から、m
−1分割した各分割区間の通過時間、平均張力値を算出
し、圧延材温度TROT(k) (i)(k=1〜m−1)に基づ
き、各分割区間の板幅変化量を演算し、これを合計する
ことより、仕上最終第jf=l水平ロール圧延機からコ
イラー7間の板幅変化が演算される。尚、ランアウトテ
ーブル上において、圧延材の相変態が起きる場合は、上
記(12)式で定義したように、圧延材温度TROT(k)
(i)(k=1〜m−1)に基づき、補正因子および補正
項を相変態前と相変態後毎に演算し、板幅変化予測式の
補正に用いる。
【0035】従って、上記(13)〜(15)式より、
コイラー7における圧延材の板幅の長手方向分布、すな
わち、長手方向の第i番目の分割位置に対応する板幅の
予測値WC (i) は、下記(16)式のようになる。 WC (i)=MR (i)+ΔWR(i)+ΔWF (i)+ΔWROT(i) (16 ) ここで、圧延材の最終目標板幅をWTとすると、制御対
象竪ロール圧延機2における第i番目の分割位置に対応
する圧延材の目標板幅WRT (i)(i=1〜n1+n 2
3)は、演算板幅変化量の合計および圧延材の最終目
標板幅WT に基づき、下記(17)式より演算される。 WRT (i)=MR (i)−(WC (i)−WT) =WT−(ΔWR(i)+ΔWF(i)+ΔWROT(i)) (17 )
【0036】この制御対象竪ロール圧延機2における目
標板幅の長手方向分布WRT (i) を達成するように、制御
対象竪ロール圧延機2における開度設定値の長手方向分
布、すなわち、長手方向の第i番目の分割位置に対応す
る開度設定値ERS (i) は、下記(18)式によって演算
される。 ERS (i)=WRT (i)−ΔSRT (i)−ΔWRE (i) =WT−(ΔWR(i)+ΔWF(i)+ΔWROT(i) +ΔWRE (i)+ΔSRT (i)) (18) ここで、ΔWRE (i) は、粗水平ロール圧延機群3の第j
r=1〜第jr=o圧延機における長手方向の第i番目
の分割位置に対応するドッグボーンによる幅戻り量の合
計量、ΔSRT (i) は、制御対象竪ロール圧延機の長手方
向の第i番目の分割位置に対応する圧延時の幅方向の変
形量を示す。これらのうち、ドッグボーンによる幅戻り
量は、塑性変形起因の変化であることから、これまでの
板幅変化予測式と同様に補正因子および補正項を用いて
補正を行っても良い。
【0037】このように、演算処理装置16において、
演算された開度設定値のパターンE RS (i)(i=1〜n1
+n2+n3)は、制御対象竪ロール圧延機制御装置11
に転送され、これにより、制御対象竪ロール圧延機2の
竪ロールの開度パターンを設定する。制御対象竪ロール
圧延機2において、竪ロール圧延時の圧延荷重が測定可
能な設備であれば、この圧延荷重測定値に基づき、目標
板幅を実現するための粗最終竪ロール圧延機の開度制御
を実施することにより、より高精度な板幅制御が実現で
きることは言うまでもない。
【0038】次に、本発明の請求項4で開示されている
仕上圧延機間および/または仕上圧延機の後面で測定さ
れる板幅実績値に基づく、板幅変化予測式の補正因子お
よび補正項の学習方法について説明する。図1に示した
ような仕上圧延機の後面のコイラー7の入側に設置され
た板幅計20を用いて、補正因子および補正項を学習す
る場合を考える。コイラー7の入側の板幅計20で測定
される板幅の長手方向分布、すなわち、長手方向の第i
番目の分割位置の板幅をMC (i)(i=1〜n1+n2+n
3)とし、粗水平ロール圧延機群3におけるドッグボー
ンによる幅戻り量および制御対象竪ロール圧延機2の変
形量の演算値が正しいとするなら、下記(19)式が得
られる。 MC (i)−MR (i)=ΔWR(i)+ΔWF(i)+ΔWROT(i) (19)
【0039】この(19)式に基づき、粗水平ロール圧
延機群3、仕上水平ロール圧延機群18および仕上最終
水平ロール圧延機からコイラー7間における板幅変化予
測式の補正因子および補正項の学習を行う。具体的に
は、(19)式の両辺の値が等しくなるように、各板幅
変化予測式の補正因子および補正項の定数を算出し、こ
の新たに算出された定数に、あるゲインを掛けて学習前
の定数に加算し学習を行う。尚、この際、各予測式への
配分としては均等に行うか、ある重みを付けて行っても
良い。また、仕上圧延機出側直近、仕上圧延機間に板幅
計の実測値が併用できれば、より精度良く学習ができる
ことは言うまでもない。
【0040】また、本発明の請求項5で開示しているよ
うに、仕上圧延機間および/または仕上圧延機の後面で
測定される温度および/または板クラウン実績値によ
り、上記の板幅変化予測式の補正因子および補正項の学
習を補う方法の説明を行う。図1に示したような仕上後
面のコイラー7の入側に設置された温度計21、板クラ
ウン計22を用いて、補正因子および補正項を学習を補
う場合を考える。コイラー7の入側の温度計21、板ク
ラウン計22で測定される温度、板クラウンの長手方向
分布の実測値に基づき、粗水平ロール圧延機群3、仕上
水平ロール圧延機群18および仕上最終水平ロール圧延
機からコイラー7間における圧延材の温度、板クラウン
の長手方向分布を再計算する。これに基づき板幅変化量
を再計算し、下記(20)式に示すように、再計算した
演算板幅変化量と比較することによって、板幅変化予測
式の補正因子および補正項の学習を行う。 MC (i)−MR (i)=ΔWR(i)+ΔWF(i)+ΔWROT(i) (20 ) ここで、ΔWR(i)、ΔWF(i)、ΔWROT(i)は、仕
上圧延機の後面における温度実測値および板クラウン実
績値に基づき、再計算された粗水平ロール圧延機群、仕
上水平ロール圧延機群、仕上最終水平ロール圧延機から
コイラー間における長手方向の第i番目の分割位置の演
算板幅変化量の合計値である。
【0041】以上、本発明における板幅制御の過程を説
明したが、本発明では成分元素の影響を考慮した補正因
子および補正項を用いて補正を行った板幅変化予測式を
用い、さらに、板幅実測値によりこれら補正因子および
補正項を学習することにより、粗圧延機群、仕上圧延機
群およびランアウトテーブル上で生じる板幅変化の予測
が種々の鋼種に対して可能となり、これらの板幅変化予
測値に基づいて竪ロール圧延機の開度パターンを設定、
制御するので、従来に比して高精度な板幅制御が実現で
き、歩留の向上が実現できる。
【0042】
【実施例】図4に示すように、粗最終水平ロール圧延機
4、制御対象竪ロール圧延機2、ランアウトテーブル上
の冷却装置6、コイラー7、7台の圧延機を備えた仕上
水平ロール圧延機群17および制御対象竪ロール圧延機
2より上流に設置された板幅計8、温度計9、コイラー
7入側に設置された板幅計20、温度計21、板クラウ
ン計22を有する熱間圧延機に、本発明の板幅制御方法
を適用した実施例について説明する。
【0043】11は、制御対象竪ロール圧延機制御装
置、12は、粗水平ロール圧延機制御装置、13は、仕
上水平ロール圧延機制御装置、14は、冷却制御装置、
15は、コイラー制御装置、16は、演算処理装置であ
る。尚、制御対象竪ロール圧延機制御装置11には、竪
ロール開度制御機能を有し、粗水平ロール圧延機制御装
置12には、クラウン・形状制御機能、圧下制御機能お
よびロール周速制御機能を有し、仕上水平ロール圧延機
制御装置13には、圧延機間張力制御機能、クラウン・
形状制御機能、圧下制御機能、ロール周速制御機能およ
びルーパ制御機能を有し、コイラー制御装置15には、
張力制御機能、コイラー周速制御機能を有する。
【0044】演算処理装置16では、セットアップ計算
において、圧延材の仕上出側目標板厚、目標板クラウ
ン、コイラー巻き取り目標温度等より、粗最終水平ロー
ル圧延機4における圧下率、ロール周速条件、仕上水平
ロール圧延機群17の第1〜第7圧延機における圧下ス
ケジュール、クラウンスケジュール、各圧延機ロール周
速、圧延機間張力、ランアウトテーブル上における冷却
装置の冷却条件およびコイラーの巻き取り速度等の条件
が決定される。これらの条件の指令が粗最終水平ロール
圧延機制御装置12、仕上水平ロール圧延機制御装置1
3、冷却制御装置14およびコイラー制御装置15に伝
えられる。
【0045】制御対象竪ロール圧延機2の入側に設定さ
れた板幅計8、温度計9において、圧延材の板幅、温度
を長手方向の全長に渡って測定され、演算処理装置16
へ転送される。このデータを圧延材の先端部、定常部、
後端部について、長手方向にn1−1、n2−1、n3
1に分割され、長手方向に分割された各分割位置 (i
=1〜n1+n2+n3)の板幅、温度が記憶される。た
だし、n1 、n2 、n3 の値は、圧延材の板幅、粗・仕
上圧延機の圧延条件によって異なり、それぞれの条件毎
に設定される。この温度に基づいて、制御対象竪ロール
圧延機2、粗最終水平ロール圧延機4、仕上水平ロール
圧延機群17の各圧延機と各圧延機間、仕上第7水平ロ
ール圧延機からコイラー7間の長手方向の各分割位置の
同一点における圧延材の温度を、セットアップ計算と同
等の計算方法によって演算される。また、圧延材の成分
元素の含有量から、粗最終水平ロール圧延機4、仕上水
平ロール圧延機群18および仕上最終圧延機からコイラ
ー7間における板幅変化予測式の補正因子および補正項
が演算される。
【0046】さらに、演算処理装置16においては、こ
れら各位置で予測される圧延材の温度の長手方向分布に
基づき、粗最終水平ロール圧延機4、仕上水平ロール圧
延機群17の各圧延機と各圧延機間、仕上最終水平ロー
ル圧延機からコイラー間において生じる圧延材の板幅変
化量が、長手方向の各分割位置で(13)式、(14)
式、(15)式の補正因子および補正項により補正され
た板幅変化予測式より演算される。これら演算板幅変化
量の合計の長手方向分布および圧延材の最終目標板幅に
基づき、制御対象竪ロール圧延機2における圧延材の目
標板幅が、長手方向の各分割位置で(17)式により演
算され、最終の目標板幅を達成するように、ドッグボー
ン形状による幅戻り量および制御対象竪ロール圧延機の
変形量を考慮した制御対象竪ロール圧延機2の開度の長
手方向分布が(18)式により演算される。この開度設
定値のパターンは、制御対象竪ロール圧延機制御装置1
1に転送され、制御対象竪ロール圧延機制御装置11に
より、制御対象竪ロール圧延機2の竪ロールの開度パタ
ーンを設定する。ここでは、以上までを本発明の新板幅
制御方法の第1ステップと呼ぶことにする。
【0047】さらに、コイラー7の入側の板幅計20、
温度計21および板クラウン計22で測定される板幅、
温度および板クラウンの長手方向分布の実測値に基づ
き、(20)式より板幅変化予測式の補正因子および補
正項の学習を行い、次ぎの圧延材にこの学習結果を反映
させる板幅制御を実施する。ここでは、これまでを新板
幅制御方法の第2ステップと呼ぶことにする。
【0048】以上のようなシステムを用いて、板幅制御
精度に関して、従来板幅制御方法と本発明の新板幅制御
方法の第1、2ステップとの比較を行った。対象とした
圧延材は、実操業で使用される鋼種をほぼ網羅するそれ
ぞれ1000本ずつであり、コイラー7の入側の板幅計
20で測定したコイル内の板幅の測定結果で評価した。
また、従来制御方法を適用する場合は、板幅変化予測式
の補正因子および補正項を使用せず、板幅制御を行い、
本発明の新板幅制御方法との比較を行った。その結果、
従来板幅制御方法においては、圧延材の長手方向の全長
で定義した板幅の実測値と目標値との差の標準偏差が
1.9mmであったのに対し、本発明の新板幅制御方法の
第1ステップを適用した場合は1.1mm、第2ステップ
を適用した場合は0.7mmと、板幅精度が向上すること
が確認され、本発明の新板幅制御方法の効果が検証され
た。
【0049】尚、上記の実施例では、粗圧延機入側のエ
ッジャーを使用した場合であるが、仕上圧延機入側のエ
ッジャーを有する設備および仕上圧延機間の中間エッジ
ャーを有する設備にも同様に本発明を適用できることは
言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、本発明では
成分元素の影響を考慮した補正因子および補正項を用い
て補正を行った板幅変化予測式を用い、さらに、板幅実
測値によりこれら補正因子および補正項を学習すること
により、粗圧延機、仕上圧延機およびランアウトテーブ
ル上で生じる板幅変化の予測が種々の鋼種に対して可能
となり、これらの板幅変化予測値に基づいて竪ロール圧
延機の開度パターンを設定、制御するので、従来に比し
て高精度な板幅制御が実現でき、歩留の向上が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための装置の構成図。
【図2】板幅および温度測定値の長手方向の分割方法を
説明するための図。
【図3】板幅変化量の実測値と圧延条件より求められる
た板幅変化量と材料成分元素の含有量との関係を示した
図。
【図4】粗最終圧延機入側の制御対象竪ロール圧延機を
使用した場合の本発明の実施例を説明するための装置の
構成図。
【符号の説明】
1 圧延材 2 制御対象竪ロ
ール圧延機 3 粗水平ロール圧延機群 4 粗最終水平ロ
ール圧延機 6 ランアウトテーブル上の冷却装置 7 コイラー 8 制御対象竪ロール圧延機入側の幅計 9 制御対象竪ロール圧延機入側の温度計 11 制御対象竪ロール圧延機制御装置 12 粗水平ロール圧延機制御装置 13 仕上水平ロール圧延機制御装置 14 冷却制御装置 15 コイラー制
御装置 16 演算処理装置 17 7台の圧延機を備えた仕上水平ロール圧延機群 18 1台の圧延機を備えた仕上水平ロール圧延機群 20 コイラー入側に設置された板幅計 21 コイラー入側に配置された温度計 22 コイラー入側に設置された板クラウン計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 健二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 高町 恭行 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 比護 剛志 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4E024 AA08 BB02 BB07 GG10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象竪ロール圧延機より下流側の圧
    延機群の各圧延機と各圧延機間、仕上最終圧延機からコ
    イラー間において生じる圧延材の板幅変化量の長手方向
    分布を演算し、これら演算板幅変化量の合計の長手方向
    分布に基づき、該制御対象竪ロール圧延機の開度を圧延
    材の長手方向に渡って演算し設定する板幅制御方法にお
    いて、圧延材の成分元素の含有量の関数として表現した
    補正因子および補正項のいずれか一方または双方を用い
    て補正した板幅変化予測式に基づき、該圧延機群の各圧
    延機と各圧延機間、該仕上最終圧延機から該コイラー間
    において生じる圧延材の板幅変化量の長手方向分布を演
    算し、該制御対象竪ロール圧延機の開度の長手方向分布
    を演算し設定することを特徴とする板幅制御方法。
  2. 【請求項2】 板幅変化予測式を補正する補正因子およ
    び補正項は、塑性変形起因の板幅変化とクリープ変形起
    因の板幅変化毎に分離して演算することを特徴とする請
    求項1記載の板幅制御方法。
  3. 【請求項3】 板幅変化予測式を補正する補正因子およ
    び補正項は、圧延材の相変態前と相変態後毎に分離して
    演算することを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の板幅制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3記載
    の板幅制御方法において用いられる板幅変化予測式の補
    正因子および/または補正項を、仕上圧延機間および/
    または仕上圧延機の後面で測定される板幅実績値に基づ
    いて、学習することを特徴とする板幅変化予測式の学習
    方法。
  5. 【請求項5】板幅変化予測式の補正因子および/または
    補正項を、仕上圧延機間および/または仕上圧延機の後
    面で測定される温度および/または板クラウン実績値に
    基づき、学習することを特徴する請求項4記載の板幅変
    化予測式の学習方法。
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