JPH1034218A - 連続圧延機における張力制御方法 - Google Patents

連続圧延機における張力制御方法

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JPH1034218A
JPH1034218A JP8215426A JP21542696A JPH1034218A JP H1034218 A JPH1034218 A JP H1034218A JP 8215426 A JP8215426 A JP 8215426A JP 21542696 A JP21542696 A JP 21542696A JP H1034218 A JPH1034218 A JP H1034218A
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JP
Japan
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rolling
coefficient
friction coefficient
friction
measured
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JP8215426A
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English (en)
Inventor
Eiji Ichimatsu
栄司 一松
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動圧下方式の連続圧延機における加減速時
の摩擦係数変動に伴う張力変動を抑制する。 【解決手段】 圧延速度と摩擦係数および圧延速度と先
進率との関係を予め求めておき、圧延中に測定した板速
度VFとロール周速度VRから実測先進率f1*を演算
し、前記圧延速度と先進率との関係とそのときの圧延速
度(=VR)から得られる演算先進率f1と実測先進率f
1*との差Δf1*を求め、前記圧延速度と摩擦係数との
関係とそのときの圧延速度(=VR)から得られる演算
摩擦係数μ1に、前記差Δf1*に定数αを乗算した値α
・Δf1*を加算して実測摩擦係数μ1*を求め、実測摩
擦係数μ1*から前回求めた摩擦係数μ0*を減算して偏
差Δμ1*を求め、該偏差Δμ1*を比例積分した出力値
に影響係数を乗算してミル常数Mで除算してロールギャ
ップ補正量ΔSを、同様に出力値に影響係数を乗算して
ロール周速度補正量ΔVR/VRを求め、ロールギャップ
ならびにロール周速度をダイナミック制御することによ
って、加減速時の摩擦係数の変動に伴う張力変動を抑制
し、板厚の変動を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板の連続圧延
における加減速時の摩擦係数変動に伴う張力変動を抑制
できる連続圧延機の張力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電動圧下方式の連続圧延機では、前方張
力を測定して張力変度をロール圧下位置調整により一定
張力に制御することは、応答速度の速い油圧圧下機構を
装備していないため不可能である。したがって、電動圧
下方式の連続圧延機では、圧延速度加減速時の摩擦係数
変動に伴う張力変動を抑制するために、張力変動分に応
じてロール周速度とロールギャップを調整する張力一定
制御が行われている。以下本発明では、これを「摩擦係
数補償制御」と称する。この摩擦係数補償制御に用いる
摩擦係数は、ロール表面の損耗状態、ロールの冷却状
態、圧延材の温度、圧延油濃度等により同一品種の圧延
においても変動するため、全く予測することはできな
い。
【0003】一方、金属板の連続圧延における摩擦係数
は、例えば、公知のBland &Fordの圧延理論
式の先進率と圧延荷重に、レーザードップラー方式板速
度計等で測定した先進率と圧延荷重の値を入れることに
よって逆算できることが知られている。逆算した摩擦係
数を前述の摩擦係数補償制御に用いるには、逆算した摩
擦係数と前回求めた摩擦係数との偏差を求め、該偏差に
より生じる張力変動をキャンセルすべくロールギャップ
補正量とロール周速度補正量を演算し、ロールギャップ
ならびにロール周速度をフィードフォワード制御して外
乱を抑制する摩擦係数補償制御が考えられる。
【0004】また、上記により求めた摩擦係数の利用方
法としては、例えば、圧延荷重と先進率を測定して、ロ
ールと材料間の摩擦係数を逆算し、摩擦係数の経時的変
化から圧延ロールの表面状態を判定するワークロール組
替え時期の決定方法(特公平1−6843号公報)、先
進率および圧延荷重を測定し、先進率の測定値が0また
は正であるときは測定先進率を測定値で与え、測定値が
負のときは測定先進率を0として、それぞれ変形抵抗を
未知数として含む先進率および圧延荷重の演算式を測定
先進率と実測圧延荷重に等しく置き、両式を連立させて
変形抵抗を演算する変形抵抗モデル式を作成し、作成し
た変形抵抗モデル式により演算した変形抵抗とスライド
係数、または前記方法で求めた変形抵抗とスライド係数
を含んだ先進率の演算式とにより仮想摩擦係数を演算
し、摩擦係数モデル式を作成し、前記作成した変形抵抗
モデル式および摩擦係数モデル式を用いて変形抵抗およ
び仮想摩擦係数を演算し、さらにこの仮想摩擦係数に基
づき予測先進率を演算し、得られた予測先進率が0また
は正であるときはその予測先進率を先進率とし、予測先
進率が負のときは先進率を0として、前記仮想摩擦係数
を修正し、前記演算により得られた変形抵抗および修正
した摩擦係数に基づき圧延荷重を演算し、得られた圧延
荷重に基づきロールギャップを設定し、前記予測先進率
に基づきロール周速度を演算して得られた値にロール周
速度を設定する方法(特開昭62−72413号公
報)、圧延中に入側および出側板厚、前方および後方張
力、圧延ロール周速度、出側板速度、潤滑油供給量、入
側板温度ならびに圧延荷重を検出し、前記検出量および
予め設定した圧延条件に基づき実測摩擦係数を求め、入
側および出側板厚、圧延ロール周速度、ならびに潤滑油
供給量を変数とする摩擦係数モデル式において各変数の
摩擦係数に対する影響係数を前記実測摩擦係数に基づき
修正し、圧延中に以上の操作を繰り返して前記影響係数
を学習修正し、学習修正した影響係数モデル式に基づき
新たな圧延条件に対応する演算摩擦係数を求め、前記演
算摩擦係数を用いて新たな圧延条件に対応する先進率を
求める先進率予測方法(特公平5−86288号公
報)、前記特公平5−86288号公報の方法により求
めた新たな圧延条件に対応する先進率が許容範囲内とな
るように圧延因子を制御する先進率の制御方法(特公平
4−8122号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
法は、いずれも1コイル毎の圧延間に行われるセットア
ップ制御に関するものである。また、仮にこれらの従来
法をそのままダイナミック制御に応用して、リアルタイ
ム演算を行って逆算した摩擦係数を用いて摩擦係数補償
制御を行ったとしても、張力変動対策としてある程度の
効果を有するが、常に適正な張力制御は行われておら
ず、むしろ張力変動の外乱となることがある。このた
め、上記により逆算した摩擦係数は、そのままでは摩擦
係数補償制御に用いることはできない。しかも、この先
進率から摩擦係数を逆算する方法では、計算が複雑であ
るため時間がかかりすぎ、ダイナミック制御に用いるこ
とはできない。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解
消し、先進率と摩擦係数との緊密な関係を利用し、実測
された先進率と、予め求めた圧延速度と先進率の関係と
圧延速度から得られる演算先進率との差に基づき、予め
求めた圧延速度と摩擦係数の関係から得られる演算摩擦
係数をダイナミック計算により修正し、摩擦係数補償制
御に用いることによって、加減速時の摩擦係数の変動に
伴う張力変動を抑制できる連続圧延機の張力制御方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、先進率
と摩擦係数とは緊密な関係にあることに着目し、この先
進率と摩擦係数との緊密な関係を利用し、圧延速度と摩
擦係数との関係、圧延速度と先進率との関係を予め求め
ておき、圧延中に測定した実測先進率と、圧延速度と先
進率との関係とそのときの圧延速度から得られる演算先
進率との差に定数を乗算したものに、摩擦係数と圧延速
度の関係とそのときの圧延速度から得られる演算摩擦係
数を加算して実測摩擦係数を求め、前回の摩擦係数との
偏差を求めて摩擦係数の変化量とし、この摩擦係数の変
化量に基づいてロールギャップ補正量、ロール周速度補
正量を求め、ロールギャップならびにロール周速度をダ
イナミック制御することによって、加減速時の摩擦係数
の変動に伴う張力変動を抑制できることを究明し、この
発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、圧延速度と摩擦係数
および圧延速度と先進率との関係を予め求めておき、圧
延中に測定した板速度VFとロール周速度VRから実測先
進率f1*を演算し、前記圧延速度と先進率との関係と
そのときの圧延速度(=VR)から得られる演算先進率
1と実測先進率f1*との差Δf1*を求め、前記圧延
速度と摩擦係数との関係とそのときの圧延速度(=
R)から得られる演算摩擦係数μ1に、前記差Δf1
に定数αを乗算した値α・Δf1*を加算して実測摩擦
係数μ1*を求め、実測摩擦係数μ1*から前回求めた摩
擦係数μ0*を減算して偏差Δμ1*を求め、該偏差Δμ
1*を比例積分した出力値に影響係数を乗算してミル常
数Mで除算してロールギャップ補正量ΔSを、同様に出
力値に影響係数を乗算してロール周速度補正量ΔVR
Rを求め、ロールギャップならびにロール周速度をダ
イナミック制御することとしている。このように、圧延
速度と摩擦係数および圧延速度と先進率との関係を予め
求めておき、圧延中に測定した板速度VFとロール周速
度VRから実測先進率f1*を演算し、前記圧延速度と先
進率との関係とそのときの圧延速度(=VR)から得ら
れる演算先進率f1と実測先進率f1*との差Δf1*を
求め、前記圧延速度と摩擦係数との関係とそのときの圧
延速度(=VR)から得られる演算摩擦係数μ1に、前記
差Δf1*に定数αを乗算した値α・Δf1*を加算して
実測摩擦係数μ1*を求め、実測摩擦係数μ1*から前回
求めた摩擦係数μ0*を減算して偏差Δμ1*を求め、該
偏差Δμ1*を比例積分した出力値に影響係数を乗算し
てミル常数Mで除算してロールギャップ補正量ΔSを、
同様に出力値に影響係数を乗算してロール周速度補正量
ΔVR/VRを求めることによって、リアルタイムでロー
ルギャップ補正量ΔSならびにロール周速度補正量ΔV
R/VRを演算することができる。また、求めたロールギ
ャップ補正量ΔSならびにロール周速度補正量ΔVR
Rをダイナミック制御することによって、加減速時の
摩擦係数の変動に伴う張力変動を抑制することができ、
板厚の変動を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】圧延中の先進率fは、公知のBl
and & Fordの下記(1)式により求めること
ができる。また、下記(1)式におけるa、bは下記
(2)式、(3)式で示される。さらに、下記(2)式
中におけるR’は下記(4)式で示される。
【0010】
【数1】
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】この発明においては、前記(1)〜(4)
式中の先進率、圧延荷重に測定値を入れることによっ
て、摩擦係数μを逆算することができる。圧延速度と摩
擦係数との関係は、前記摩擦係数演算を圧延速度0〜最
高圧延速度中10点程度行い、その点を結ぶことによっ
て、図4に示すとおり、圧延速度と摩擦係数の関係を予
め求めることができる。また、圧延速度と先進率の関係
は、図4に示すとおり、測定値よりそのまま得ることが
できる。そこで、過去の多数の操業データから材料別、
ロール材質別の圧延速度と摩擦係数の関係ならびに圧延
速度と先進率の関係を予め求めておくのである。なお、
上記図4は、5スタンドからなる電動圧下方式のタンデ
ムミルを用い、板厚1.9mmの低炭素鋼母材を仕上板
厚0.186mmに圧延した場合の第4スタンドにおけ
る摩擦係数と先進率の速度特性を示すグラフである。
【0015】この発明においては、上記により求めた圧
延速度と摩擦係数の関係ならびに圧延速度と先進率の関
係に基づき、図5の概念図ならびに下記(5)〜(8)
式に示すとおり、ある圧延速度V1において圧延速度と
先進率の関係から得られる演算先進率f1と、レーザー
ドップラー板速度計等により測定した板速度VFと当該
スタンドのロール周速度VR(=V1)から下記(5)式
により実測先進率f1*を求め、下記(6)式により演
算先進率f1と実測先進率f1*の差Δf1*を求め、下
記(7)式に示すとおり、前記差Δf1*に定数αを乗
算したものに、圧延速度と摩擦係数の関係と圧延速度V
1から得られる摩擦係数μ1を加算したものを圧延中の実
測摩擦係数μ1*とする。また、下記(8)式に示すと
おり、圧延中の実測摩擦係数μ1*から前回の摩擦係数
μ0*を減算して実測摩擦係数μ1*の変化量Δμ1*と
する。この実測摩擦係数μ1*の変化量Δμ1*の演算周
期は、例えば、20msec毎に行う。 f1*=VF/VR−1 ……(5)式 Δf1*=f1*−f1 ……(6)式 μ1*=μ1+α・Δf1* ……(7)式 Δμ1*=μ1*−μ0* ……(8)式
【0016】この発明における上記により求めた実測摩
擦係数μ1*の変化量Δμ1*に基づいてロールギャップ
補正量ならびにロール周速度補正量の演算は、図6に示
すとおり、実測摩擦係数μ1*の変化量Δμ1*を比例積
分演算器11に入力して比例積分した出力値に影響係数
(∂P/∂μ)を乗算し、ミル定数Mで除算した量をロ
ールギャップ補正量ΔSとして電動圧下操作部に出力す
る。同様に影響係数(∂f/∂μ)を乗算した量をロー
ル周速度補正量ΔVR/VRとしてミルモータ操作部に出
力し、ロールギャップならびにロール周速度をダイナミ
ック制御する。このように摩擦係数補償制御を行うこと
によって、摩擦係数変動、特に加減速時の摩擦係数の変
動に伴う張力変動をダイナミック制御により抑制するこ
とが可能となる。
【0017】なお、この発明における影響係数(∂P/
∂μ)は、摩擦係数μの変動により生じる圧延荷重Pの
変動量との関係、影響係数(∂f/∂μ)は、摩擦係数
μの変動により生じる先進率fの変動量との関係を示
す。
【0018】
【実施例】以下にこの発明の連続圧延機における張力制
御方法の詳細を実施の一例を示す図1ないし図3に基づ
いて説明する。図1はこの発明の張力制御方法を実施し
た電動圧下方式の5スタンドからなるタンデムミルの第
3〜第5スタンドの概略説明図、図2はこの発明方法に
より摩擦係数補償制御を行った場合の圧延速度、張力計
の測定値と設定値との偏差、ロードセルの測定値と設定
値との偏差、先進率の測定値と計算値、ロールギャップ
補正量、ロール周速度補正量の経時変化を示すグラフ、
図3は前述した(1)〜(4)式により摩擦係数を逆算
して摩擦係数補償制御を行った従来例の場合の圧延速
度、張力計の測定値と設定値との偏差、ロードセルの測
定値と設定値との偏差、先進率の測定値と計算値、ロー
ルギャップ補正量、ロール周速度補正量の経時変化を示
すグラフである。
【0019】5スタンドからなる電動圧下方式のタンデ
ムミルにおいて、板厚2.3mmの低炭素鋼母材を仕上
板厚0.5mm、板幅1001mmに第5スタンドにお
ける圧延速度865m/minで冷間圧延するに際し、
図1に示すとおり、当該第4スタンド1は、圧下スクリ
ューモータ2とミルモータ3とからなり、前方張力をロ
ールギャップの調整により制御することは、油圧圧下装
置を装備していないため、不可能であるので、摩擦係数
補償制御部4によるフィードフォワード制御により外乱
を抑制する摩擦係数補償制御を行っている。この摩擦係
数補償制御における先進率の測定値は、第4スタンド1
のロール周速度VRを図示しないパルスジェネレータ等
により検出し、第4スタンド1と最終スタンド5との間
に設けたレーザードップラー式板速度計6により検出さ
れた実測板速度VFとに基づき、前記(5)式により実
測先進率f1*を摩擦係数補償制御部4で20msec
以内で演算を行っている。また、圧延荷重は、ロードセ
ル7により計測され、前方張力は、張力計8により計測
され、摩擦係数補償制御部4に入力される。
【0020】摩擦係数補償制御部4は、前記(5)式に
より求めた実測先進率f1*と、予め定めた圧延速度と
先進率との関係とそのときの圧延速度(=VR)から得
られる演算先進率f1との差Δf1*を前記(6)式によ
り求める。また、摩擦係数補償制御部4は、前記(7)
式により、予め定めた圧延速度と摩擦係数との関係とそ
のときの圧延速度(=VR)から得られるロールと材料
間の演算摩擦係数μ1に、前記(6)式で求めた実測先
進率f1*と演算先進率f1との差Δf1*に定数αの値
を0.7(実際には調整しながら決定する。)として乗
算した値を加算して摩擦係数μ1*を求め、前記(8)
式により摩擦係数μ1*から前回の摩擦係数μ0*を減算
して摩擦係数の変化量Δμ1*を求め、摩擦係数補償制
御部4の比例積分演算器に入力して比例積分した出力値
に影響係数(∂P/∂μ)を乗算し、ミル定数Mで除算
した量をロールギャップ補正量ΔSとして圧下スクリュ
ーモータ2の操作部に出力し、同様に影響係数(∂f/
∂μ)を乗算した量をロール周速度補正量ΔVR/VR
してミルモータ3の操作部に出力し、ロールギャップな
らびにロール周速度の制御を行うよう構成されている。
【0021】上記本発明例の摩擦係数補償制御を行った
場合の当該第4スタンド1における圧延速度、張力計8
の測定値と設定値との偏差、ロードセル7の測定値と設
定値との偏差、先進率の測定値と計算値、ロールギャッ
プ補正量、ロール周速度補正量の経時変化を測定した。
その結果図2に示す。
【0022】また、比較のため前記により求めた実測先
進率f1*とロードセル7により計測された圧延荷重P
からロールと材料間の摩擦係数μを前記(1)〜(4)
式により逆算し、前記(8)式により前回の摩擦係数μ
0との差Δμを求めて摩擦係数の変化量Δμとし、摩擦
係数補償制御部4の比例積分演算器に入力して比例積分
した出力値に影響係数(∂P/∂μ)を乗算し、ミル定
数Mで除算した量をロールギャップ補正量ΔSaとして
圧下スクリューモータ2操作部に出力し、同様に影響係
数(∂f/∂μ)を乗算した量をロール周速度補正量Δ
Ra/VRaとしてミルモータ3操作部に出力してロール
ギャップならびにロール周速度の制御を行った従来例の
場合、当該第4スタンド1における圧延速度、張力計8
の測定値と設定値との偏差、ロードセル7の測定値と設
定値との偏差、先進率の測定値と計算値、ロールギャッ
プ補正量、ロール周速度補正量の経時変化を測定した。
その結果を図3に示す。
【0023】図2に示すとおり、本発明例の場合は、減
速によって先進率が大きくなったことを計測し、直ちに
摩擦係数の値が計算値より大きくなったとしてロールギ
ャップ補正量制御を十分に行っているため、張力計8の
測定値変動が抑制されている。これに対し、図3に示す
とおり、従来例の場合は、ロールギャップ補正量が足り
ずに張力計8の測定値が減速によって大きくなってい
る。
【0024】
【発明の効果】本発明の連続圧延機における張力制御方
法は、摩擦係数と圧延速度との関係および先進率と圧延
速度との関係を予め求めておき、圧延中の圧延速度と材
料速度から実測先進率を求め、圧延速度と先進率の関係
と圧延速度から求めた演算先進率と実測先進率との差を
求め、圧延速度と摩擦係数との関係と圧延速度から求め
た演算摩擦係数を前記演算先進率と実測先進率との差に
基づいてダイナミックに補正し、補正した摩擦係数と前
回の摩擦係数との差により生じる張力変動をキャンセル
するよう、ロールギャップ補正量ならびにロール周速度
補正量を求めてロールギャップならびにロール周速度を
制御することによって、圧延速度の加減速時の摩擦係数
の変動による張力変動を抑制でき、板厚の変動を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の張力制御方法を実施した電動圧下方式
の5スタンドからなるタンデムミルの第3〜第5スタン
ドの概略説明図である。
【図2】本発明方法により摩擦係数補償制御を行った場
合を示すもので、(a)図は圧延速度の経時変化を示す
グラフ、(b)図は張力計の測定値と設定値との偏差の
経時変化を示すグラフ、(c)図はロードセルの測定値
と設定値との偏差の経時変化を示すグラフ、(d)図は
先進率の測定値と計算値の経時変化を示すグラフ、
(e)図はロールギャップ補正量の経時変化を示すグラ
フ、(f)図はロール周速度補正量の経時変化を示すグ
ラフである。
【図3】測定された先進率と圧延荷重を圧延理論式に入
れて摩擦係数を逆算し、摩擦係数補償制御を行った従来
例の場合を示すもので、(a)図は圧延速度の経時変化
を示すグラフ、(b)図は張力計の測定値と設定値との
偏差の経時変化を示すグラフ、(c)図はロードセルの
測定値と設定値との偏差の経時変化を示すグラフ、
(d)図は先進率の測定値と計算値の経時変化を示すグ
ラフ、(e)図はロールギャップ補正量の経時変化を示
すグラフ、(f)図はロール周速度補正量の経時変化を
示すグラフである。
【図4】先進率と摩擦係数の速度特性の一例を示すグラ
フである。
【図5】本発明の先進率の実測値に基づく摩擦係数の変
化量演算の概念図である。
【図6】摩擦係数補償制御の概念図である。
【符号の説明】 1 第4スタンド 2 圧下スクリューモータ 3 ミルモータ 4 摩擦係数補償制御部 5 最終スタンド 6 レーザードップラー式速度計 7 ロードセル 8 張力計 11 比例積分演算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動圧下方式の連続圧延機における加減
    速時の摩擦係数補償制御による張力制御方法において、
    圧延速度と摩擦係数および圧延速度と先進率との関係を
    予め求めておき、圧延中に測定した板速度VFとロール
    周速度VRから実測先進率f1*を演算し、前記圧延速度
    と先進率との関係とそのときの圧延速度(=VR)から
    得られる演算先進率f1と実測先進率f1*との差Δf1
    *を求め、前記圧延速度と摩擦係数との関係とそのとき
    の圧延速度(=VR)から得られる演算摩擦係数μ1に、
    前記差Δf1*に定数αを乗算した値α・Δf1*を加算
    して実測摩擦係数μ1*を求め、実測摩擦係数μ1*から
    前回求めた摩擦係数μ0*を減算して偏差Δμ1*を求
    め、該偏差Δμ1*を比例積分した出力値に影響係数を
    乗算してミル常数Mで除算してロールギャップ補正量Δ
    Sを、同様に出力値に影響係数を乗算してロール周速度
    補正量ΔVR/VRを求め、ロールギャップならびにロー
    ル周速度をダイナミック制御することを特徴とする連続
    圧延機における張力制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014012294A (ja) * 2012-06-04 2014-01-23 Jfe Steel Corp 金属帯の圧延方法及び圧延装置
CN111545577A (zh) * 2020-04-30 2020-08-18 中冶南方工程技术有限公司 五机架冷连轧机动态变规格阶段的张力控制方法
JP2021058923A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 日本製鉄株式会社 冷間圧延における材料特性の推定方法および計算装置、制御方法および制御装置、冷間圧延板の製造方法および製造設備

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