JP2008126305A - 冷間タンデム圧延における板厚制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】最終スタンド15で圧延荷重およびロールベンディング力を測定し、これら測定値に基づいてミルストレッチ式により最終スタンド出側板厚を絶対値で推定し、最終スタンド出側板厚の目標値と前記推定値の偏差に基づいて圧下位置を変更して板厚を制御すると共に、圧下位置を変更する前に任意の一定周期毎に当該スタンド出側の張力を測定しておき、最終スタンド15の出側板厚偏差が特定の範囲内の定常圧延条件であるときの張力を一定の目標値として当該スタンド出側の張力を制御する。
【選択図】図2
Description
ここで、AGCは「オート・ゲージ・コントロール」の略である。
・ 単に絶対値ゲージメーターAGCを導入すると張力変化の問題がある
・ 変形抵抗変動がある場合、1スタンド目で生じた板厚変動を、最終スタンドやその 前のスタンドで取り除くことが難しい。
・ 変形抵抗変動がある場合、セットアップ技術を向上させてもセットアップ後の制御 の必要がある。
・ 変形抵抗変動がある場合、マスフローAGC、BISRA AGC、モニターAG Cでは精度と応答速度が不充分であるので、変形抵抗変動によって生じる板厚変動 を制御できない。
・ 変形抵抗変動がある場合、変形抵抗変動によって生じる板厚変動を制御するために 絶対値AGCをどのスタンドで使用したらよいのか等の検討がなされていなかっ た。
(1)本発明の冷間タンデム圧延における板厚制御方法は、最終スタンドでワークロールに圧下力とベンディング力を付与し、最終スタンド出側から張力を付与する冷間タンデム圧延における板厚制御方法において、最終スタンドで圧延荷重およびロールベンディング力を測定し、これら測定値に基づいてミルストレッチ式により最終スタンド出側板厚を絶対値で推定し、最終スタンド出側板厚の目標値と前記推定値の偏差に基づいて圧下位置を変更して板厚を制御すると共に、圧下位置を変更する前に任意の一定周期毎に当該スタンド出側の張力を測定しておき、当該最終スタンドの出側板厚偏差が特定の範囲内の定常圧延条件であるときの張力を一定の目標値として当該スタンド出側の張力を制御することを特徴としている。
1)入側板厚、入側板速度および出側板速度を用いるマスフローによる推定法。
2)ミル伸びをミル定数で考慮する相対値ゲージメーター板厚推定法。
3)ミル伸びの非線形性を考慮した絶対値ゲージメーター板厚推定法。
4)板厚計による測定法。
h=hL(P0)+ΔMS(P−P0)+Δh …(1)
また、ミルストレッチは荷重P、ミル定数Mを用いて式(2)で表される。
MS(P)=(P−P0)/M …(2)
h=S+MS(P) …(3)
設定計算で計算される荷重とベンディング力である.また基準近傍とはミルストレッチ曲線で接線の傾きを求めておけば線形補完が可能となることを念頭においており,明確な定義はないが,線形補完による補償が可能な範囲をさす.ベンディング力に関しても同様である
h=S+MS(Pm0、Fm0)+KP×(P−Pm0)+KF×(F−Fm0)
…(4)
ここで、hは板厚、Sは無負荷時のギャップ、MS(Pm0、Fm0)は荷重Pm0、ベンディング力Fm0時のミルストレッチ、KP、KFはミルストレッチに及ぼす圧延荷重とベンディング力の影響係数である。
Δh=KP×ΔP+KF×ΔF …(5)
ΔC=CP×ΔP+CF×ΔF …(6)
ここでΔhは板厚変化量、ΔCは任意のクラウン定義点のクラウン変化量、CP、CFは当該クラウン定義点のクラウンに及ぼす圧延荷重とベンディング力の影響係数である。
A 従来通りの第1スタンドに圧下制御および第1スタンド出側板厚計からのモニター 制御、第2スタンド以降に最終スタンド出側板厚計からのモニターフィードバック による張力制御を配置した制御
B 全スタンドに本発明のミルストレッチモデルに基づく絶対値ゲージメーターAGC を配置した制御(形状制御なし) ただし、スタンド間は張力一定制御
C 制御Bと同様で形状制御ありの制御
D 制御Cと同様で潤滑油による形状制御ありの制御
E 最終スタンドに本発明のミルストレッチモデルに基づく絶対値ゲージメーターAG Cを配置した制御(形状制御なし) ただし、第2スタンド以降の中間スタンドを 張力AGCを配置した制御
F 制御Eと同様で形状制御ありの制御
G 制御Fと同様で潤滑油による形状制御ありの制御
16〜20 ワークロール 21〜25 中間ロール
26〜30 バックアップロール 31〜35 油圧圧下装置
36〜40 ロードセル 41〜45、86 ACモーター
46〜50 ワークロールベンダー 51〜55 潤滑油供給装置
56〜60 流量調節弁 61〜63 X線板厚計
71〜76 テンションメーター 78 板形状計
80 板厚・形状制御装置 82 ブライドルロール
84 巻取りリール
Claims (10)
- 最終スタンドでワークロールに圧下力とベンディング力を付与し、最終スタンド出側から張力を付与する冷間タンデム圧延における板厚制御方法において、最終スタンドで圧延荷重およびロールベンディング力を測定し、これら測定値に基づいてミルストレッチ式により最終スタンド出側板厚を絶対値で推定し、最終スタンド出側板厚の目標値と前記推定値の偏差に基づいて圧下位置を変更して板厚を制御すると共に、圧下位置を変更する前に任意の一定周期毎に当該スタンド出側の張力を測定しておき、当該最終スタンドの出側板厚偏差が特定の範囲内の定常圧延条件であるときの張力を一定の目標値として当該スタンド出側の張力を制御することを特徴とする冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 最終スタンド出側から張力を付与する手段として、ブライドルロールまたは巻取りリールを用い、前記ブライドルロールまたは前記巻取りリールの周速を調整して前記最終スタンド出側張力を制御することを特徴とする請求項1に記載の冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 最終および最終から2スタンド目でワークロールに圧下力とベンディング力を付与し、最終スタンド出側から張力を付与する冷間タンデム圧延における板厚制御方法において、最終および最終から2スタンド目で圧延荷重およびロールベンディング力を測定し、これら測定値に基づいてミルストレッチ式によりそれぞれのスタンドの出側板厚を絶対値で推定し、それぞれのスタンドの出側板厚の目標値と前記推定値の偏差に基づいて圧下位置を変更して板厚を制御すると共に、圧下位置を変更する前に任意の一定周期毎に最終スタンド入出側張力を測定しておき、当該両スタンド出側板厚偏差が特定の範囲内の定常圧延条件であるときの最終スタンド入出側張力を一定の目標値として当該両張力を制御することを特徴とする冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 最終スタンド出側から張力を付与する手段として、ブライドルロールまたは巻取りリールを用い、最終スタンドのワークロール周速並びに前記ブライドルロールまたは前記巻取りリールの周速を調整して前記最終スタンド入出側張力を制御することを特徴とする請求項3に記載の冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 全スタンドに圧下力とベンディング力を付与し、最終スタンド出側から張力を付与する冷間タンデム圧延における板厚制御方法において、全スタンドで圧延荷重およびロールベンディング力を測定し、これら測定値に基づいてミルストレッチ式によりそれぞれのスタンドの出側板厚を絶対値で推定し、それぞれのスタンドの出側板厚の目標値と前記推定値の偏差に基づいて圧下位置を変更して板厚を制御すると共に、圧下位置を変更する前に任意の一定周期毎に全スタンド出側張力を測定しておき、全スタンド出側板厚偏差が特定の範囲内の定常圧延条件であるときの全スタンド出側張力を一定の目標値として全スタンド出側張力を制御することを特徴とする冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 最終スタンド出側から張力を付与する手段として、ブライドルロールまたは巻取りリールを用い、第一スタンド以外の全スタンドでワークロール周速を調整すると共に、前記ブライドルロールまたは前記巻取りリールの周速を調整して前記スタンド出側張力を制御することを特徴とする請求項5に記載の冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 前記ミルストレッチ式により最終スタンド出側板厚を絶対値で推定する方法は、圧下制御対象スタンドでキスロール締め込みから得られるミルの変形特性からロール系の変形成分とそれ以外の変形成分を分離抽出し、前記キスロール締め込み時のロール系の変形成分を通板時のロール系の変形成分に置き換えて当該負荷時のミルストレッチを計算し、無負荷時のロールギャップと該ミルストレッチから圧下制御対象スタンドの出側板厚を絶対値で推定する方法であることを特徴とする請求項1から6項のいずれか1項に記載の冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 前記ミルストレッチ式により最終スタンド出側板厚を絶対値で推定する板厚制御方法において、圧延荷重およびベンディング力の圧下制御対象スタンドの出側板厚に及ぼす影響係数、基準圧延荷重時のミルストレッチ、並びに、任意のクラウン定義点における圧延荷重およびベンディング力の圧下制御対象スタンドの出側クラウンに及ぼす影響係数を予め算出しておき、板厚目標値および目標クラウンとなるように前記影響係数を用いて圧下制御対象スタンドの出側板厚およびクラウンを制御することを特徴とする請求項1から7項のいずれか1項に記載の冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 定常状態において制御周期毎に圧下制御対象スタンドの出側板厚を推定および測定し、これら板厚の推定値および測定値との間に差がある場合に、次回の計算で板厚の推定値に該差分を加算して板厚を推定することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
- 前記ミルストレッチ式によって求められたミルストレッチは、予め基準圧延荷重および基準ベンディング力時のミルストレッチ、並びに、これら基準圧延荷重および基準ベンディング力近傍のミルストレッチに及ぼす圧延荷重およびベンディング力の影響係数をそれぞれ求め、圧延荷重およびベンディング力の前記基準値からの変化量に基づいて求められることを特徴とする請求項1から9項のいずれか1項に記載の冷間タンデム圧延における板厚制御方法。
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