JP2021014986A - 電流センサ及び電流センサの製造方法 - Google Patents

電流センサ及び電流センサの製造方法 Download PDF

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宣孝 岸
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Abstract

【課題】電流センサにおける出力信号の温度ドリフトを抑制する。【解決手段】測定対象の電流(I)によって生じる信号磁場(Bsig)に基づき出力信号(Vout)を出力する電流センサ(1)が提供される。電流センサは、少なくとも一つの磁気センサ(2)と、温度検出部(11)と、増幅部(12)と、オフセット調整部(13)とを備える。磁気センサは、信号磁場に応じたセンサ信号を生成する。温度検出部は、周囲の温度を検出する。増幅部は、検出された温度に対応する増幅率(G(T))において、センサ信号を増幅して出力信号を生成する。オフセット調整部は、出力信号のオフセットを調整する。オフセット調整部は、信号磁場がない状態の出力信号と、温度に対応する増幅率との間に成立する関係(式(6))に従って、オフセットを調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、電流によって生じる磁場に基づいて電流を測定する電流センサ、及びその製造方法に関する。
特許文献1は、電流センサに対する簡単な調整で高い電流測定精度を実現することを目的とする電流センサの製造方法を開示している。特許文献1の電流センサは、センサ出力におけるオフセットの温度特性の補正とオフセットの大きさの補正とを切り分けて行うための第1及び第2の増幅補正回路を備えている。特許文献1の製造方法は、オフセットの温度特性が温度の一次の式で表すことができるという前提に基づき、電流センサの第1及び第2の増幅補正回路に対して第1及び第2の補正量を設定している。
国際公開第2014/006914号
本発明の目的は、測定対象の電流によって生じる磁場に基づき出力信号を出力する電流センサにおいて、出力信号の温度ドリフトを抑制することができる電流センサ、及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る電流センサは、測定対象の電流によって生じる信号磁場に基づき出力信号を出力する。電流センサは、少なくとも一つの磁気センサと、温度検出部と、増幅部と、オフセット調整部とを備える。磁気センサは、信号磁場に応じたセンサ信号を生成する。温度検出部は、周囲の温度を検出する。増幅部は、検出された温度に対応する増幅率において、センサ信号を増幅して出力信号を生成する。オフセット調整部は、信号磁場がない状態の出力信号における基準値からのオフセットを調整する。オフセット調整部は、信号磁場がない状態の出力信号と、温度に対応する増幅率との間に成立する関係に従って、オフセットを調整する。
本発明に係る電流センサの製造方法は、電流センサを準備する工程と、第1の温度における電流センサの出力信号を測定する工程とを含む。本方法は、第1の温度とは異なる第2の温度における電流センサの出力信号を測定する工程と、第1の温度における出力信号の測定結果と第2の温度における出力信号の測定結果とに基づいて、オフセット調整部を設定する工程とを含む。
本発明に係る電流センサ及びその製造方法によると、オフセット調整部の設定により、測定対象の電流によって生じる磁場に基づき出力信号を出力する電流センサにおいて、出力信号の温度ドリフトを抑制することができる。
実施形態1に係る電流センサの構成を示す図 電流センサにおけるバイアス磁石の配置例を示す図 電流センサにおける磁気センサの構成を例示する回路図 電流センサの温度ドリフトについての知見を説明するための図 電流センサの実装ばらつきの配置例を示す図 電流センサの温度補償を説明するための図 実施形態1に係る電流センサの設定方法を説明するためのフローチャート 電流センサにおけるオフセット電圧のモニタ方法を説明するための図 実施形態2に係る電流センサの構成を示す図 実施形態2に係る電流センサの外観を例示する斜視図 電流センサが取り付けられるバスバーの外観を示す斜視図 実施形態2に係る電流センサの動作を説明するための図 実施形態3に係る電流センサの構成を示す図 検証実験における電流センサの構成を示す図 電流センサの検証実験の実験結果を示すグラフ 実施形態4に係る電流センサの構成を示す図
以下、添付の図面を参照して本発明に係る電流センサ及びその製造方法の実施形態を説明する。
各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施形態2以降では実施形態1と共通の事項についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しない。
(実施形態1)
実施形態1では、一つの磁気センサの温度補償を行う電流センサについて説明する。
1.構成
実施形態1に係る電流センサの構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る電流センサ1の構成を示す図である。
本実施形態に係る電流センサ1は、図1に示すように、磁気センサ2と、温度センサ11と、増幅部12と、オフセット調整部13と、制御部14と、記憶部15とを備える。電流センサ1は、測定対象の電流Iが流れるバスバー等の近傍に設置される。
電流センサ1は、電流Iが流れることによって発生する磁場Bsig(以下「信号磁場」という)を磁気センサ2で検出して、電流Iを測定する。本実施形態の電流センサ1においては、後述するように、磁気センサ2を磁気バイアスするバイアス磁石が用いられる(図2参照)。
磁気センサ2は、例えば磁気抵抗素子で構成され、固有の感度軸および磁電変換利得を有する。磁気センサ2は、感度軸の方向に沿った磁場を感知して、磁電変換利得に従って感知した磁場をセンサ電圧Vinに変換する。センサ電圧Vinは、本実施形態におけるセンサ信号の一例である。磁気センサ2の構成の詳細については後述する。
温度センサ11は、例えば半導体温度センサであり、周囲の温度Tを検出して検出結果の信号を制御部14に出力する。温度センサ11は、本実施形態における温度検出部の一例である。温度センサ11として、例えばサーミスタ、熱電対、リニア正温度係数抵抗器、白金測温抵抗体などの種々の感温素子が用いられてもよい。
増幅部12は、例えば差動増幅器で構成される。増幅部12は、増幅率G(T)を調整可能な増幅率調整回路を含む。増幅部12は、増幅率調整回路において設定された増幅率G(T)に従い、磁気センサ2から入力されるセンサ電圧Vinを増幅して、出力電圧Voutを生成する。出力電圧Voutは、本実施形態における電流センサ1の出力信号の一例である。増幅部12は、シングルエンドの増幅器で構成されてもよい。
オフセット調整部13は、出力電圧Voutにおけるオフセット電圧を調整する回路である。オフセット電圧は、信号磁場Bsigがない状態における出力電圧Voutの基準値からのずれを示す電圧である。本実施形態では、オフセット調整部13は増幅部12の出力側に設けられる。オフセット調整部13は、例えば可変電圧源およびバッファアンプ等を含む。オフセット調整部13は、可変電圧源に設定される値の電圧Vofs(オフセット調整値)を生成し、生成した電圧を増幅部12の出力に加えることによって、オフセット電圧を調整する。
制御部14は、電流センサ1の全体動作を制御する。制御部14は、例えばソフトウェアと協働して所定の機能を実現するCPU等を含む。制御部14は、記憶部15に格納されたデータ及びプログラムを読み出して種々の演算処理を行い、各種の機能を実現する。また、制御部14は、A/D(アナログ/デジタル)変換器およびD/A(デジタル/アナログ)変換器などを含んでもよい。例えば、制御部14は、温度センサ11からの信号に基づいて、増幅部12の増幅率調整回路を制御したり、オフセット調整部13の可変電圧源を制御したりする。
記憶部15は、制御部14の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体であり、例えばフラッシュメモリで構成される。例えば、記憶部15は、増幅率G(T)及びオフセット調整値Vofsを温度Tと関連付けたデータテーブル等を格納する。
なお、制御部14は、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路や再構成可能な電子回路などのハードウェア回路であってもよい。制御部14は、CPU、MPU、マイコン、DSP、FPGA、ASIC等の種々の半導体集積回路で構成されてもよい。
1−1.バイアス磁石について
電流センサ1におけるバイアス磁石20について、図2を用いて説明する。図2は、電流センサ1におけるバイアス磁石20の配置例を示す図である。
本実施形態に係る電流センサ1は、図2に示すように、二つのバイアス磁石20をさらに備える。バイアス磁石20は、磁気センサ2をバイアスするための磁場Bbis(以下「バイアス磁場」という)を発生させる磁場源の一例である。バイアス磁石20としては、例えば、フェライトやSmCoなどのバルク磁石、或いは薄膜磁石などを用いることができる。
図2の配置例において、二つのバイアス磁石20は、磁気センサ2を介して対向する位置に配置されている。磁気センサ2は、バイアス磁石20間の中央の位置において、感度軸が信号磁場Bsigの方向に平行になる向きに配置されている。二つのバイアス磁石20は、各々の長手方向が、磁気センサ2の感度軸と平行になる向きに配置されている。以上の配置は、電流センサ1の製造時における実装精度などを考慮して適宜、許容誤差の範囲内で行われる。
また、図2の例においては、各バイアス磁石20におけるN極とS極とが、各々の幅方向において並んでいる。二つのバイアス磁石20においては、一方のN極と他方のS極とが対向している。
以上のバイアス磁石20によると、バイアス磁石20間の領域におけるバイアス磁場Bbisは、磁気センサ2の近傍において感度軸の方向に交差するように形成される。磁気センサ2において感度軸に直交する磁場が印加されることにより、磁気センサ2のダイナミックレンジを調整することができる。
以上の説明では、電流センサ1において二つのバイアス磁石20を用いる例を説明した。電流センサ1におけるバイアス磁石は、二つに限らず、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。また、磁気センサ2のバイアス以外の用途の磁石(磁場源)が、電流センサ1において用いられてもよい。
1−2.磁気センサについて
電流センサ1における磁気センサ2の構成の詳細について、図3を用いて説明する。図3は、電流センサ1における磁気センサ2の構成を例示する回路図である。
図3の例において、磁気センサ2は、4つの磁気抵抗素子21を含む。各磁気抵抗素子21は、例えばAMR(Anisotropic Magneto Resistance)素子である。磁気センサ2は、例えば電源電圧Vddで定電圧駆動される。本例の磁気センサ2において、4つの磁気抵抗素子21はホイートストンブリッジ回路を構成し、二つの接続点の間の電圧差としてセンサ電圧Vinを出力する。
以上の磁気センサ2の構成は一例であり、特にこれに限定されない。例えば、磁気センサ2は、2つの磁気抵抗素子によるハーフブリッジ回路で構成されてもよい。また、磁気センサ2の磁気抵抗素子21はAMR素子に限らず、例えばGMR(Giant Magneto Resistance)、TMR(Tunnel Magneto Resistance)、BMR(Balistic Magneto Resistance)、CMR(Colossal Magneto Resistance)等の種々のMR素子であってもよい。
また、磁気センサ2として、ホール素子を有する磁気素子、磁気インピーダンス効果を利用するMI(Magneto Impedance)素子を有する磁気素子又はフラックスゲート型磁気素子などが用いられてもよい。また、磁気センサ2の駆動方法としては、定電流駆動、パルス駆動などが採用されてもよい。
2.動作
以上のように構成される電流センサ1の動作について、以下説明する。
本実施形態に係る電流センサ1の基本的な動作について説明する。電流センサ1において、磁気センサ2は、信号磁場Bsig等の感知した磁場に応じてセンサ電圧Vinを生成する。電流センサ1は、磁気センサ2のセンサ電圧Vinに基づき次式(1)の演算を行って、出力電圧Voutを出力する。
Vout=G(T)×Vin+Vofs …(1)
具体的に、電流センサ1の増幅部12は、増幅率G(T)においてセンサ電圧Vinを増幅して、出力電圧Voutを生成する。さらに、オフセット調整部13は、オフセット調整値Vofsを、式(1)に示すように出力電圧Voutに含める。
本実施形態では、上式(1)の演算に用いる増幅率G(T)及びオフセット調整値Vofsが、制御部14によって制御される。これにより、出力電圧Voutが信号磁場Bsigに対して次式(2)を満たすように、電流センサ1の温度補償が行われる。
Vout=k×Bsig …(2)
上式(2)において、kは、電流センサ1の出力電圧Voutと測定対象の電流Iに基づく信号磁場Bsigとの間の単位換算のための定数である。
電流センサ1において、温度センサ11は随時、周囲の温度Tを検出する。制御部14は、温度センサ11による検出結果の温度Tに基づいて、記憶部15から温度Tに対応する増幅率G(T)及びオフセット調整値Vofsを読み出す。制御部14は、読み出した増幅率G(T)を増幅部12に設定すると共に、読み出したオフセット調整値Vofsをオフセット調整部13に設定する。
以上の動作により、電流センサ1は、温度補償を行いながら信号磁場Bsigを検出して、信号磁場Bsigに対応する電流Iを精度良く測定できる。本実施形態では、電流センサ1の記憶部15に予め格納しておく増幅率G(T)及びオフセット調整値Vofsを、適切な値に設定することにより、温度補償の精度を良くする。本実施形態に係る電流センサ1の温度補償の詳細については後述する。
2−1.温度ドリフトについて
以上のような電流センサ1の温度補償について、本願発明者は鋭意研究を重ね、温度ドリフトの課題に関する知見を得た。本願発明者の知見について、図4,5を用いて説明する。図4は、電流センサの温度ドリフトについての知見を説明するための図である。
図4(a)は、オフセット電圧V0(T)の温度ドリフトを有する電流センサの入出力特性を例示するグラフである。図4(a)のグラフは、種々の温度Tにおいて信号磁場Bsig(横軸)を入力したときに電流センサが出力電圧Vout’(縦軸)を出力する入出力特性の特性線を示している。オフセット電圧V0(T)は、温度Tにおいて信号磁場Bsig=0のときの出力電圧Vout’における基準値「0」からのずれを示す。
図4(a)では、例えば特定の温度T1のみのオフセット電圧V0(T1)の測定結果を用いて、電流センサにおけるオフセット調整値が設定された場合を想定している。また、電流センサの増幅率G(T)は適切に設定されたことを想定している(式(1),(2)参照)。このことから、特性線の傾きが種々の温度Tにわたって一定になっている。
図4(a)においては、上記のオフセット調整を行った特定の温度T1よりも高温T’になると、オフセット電圧V0(T’)が「0」からずれている。また、同温度T1よりも低温T”になったときにも、オフセット電圧V0(T”)が「0」からずれている。すなわち、電流センサにおいては、オフセット電圧V0(T)が温度Tに応じて変動し、温度ドリフトを生じるという課題がある。
以上のような温度ドリフトの課題は、本願発明者の研究により明らかとなった。本願発明者は本課題を解決するべく鋭意解析を行い、その結果、電流センサ1について図4のような特性モデルを見出した。図4(b)は、電流センサ1の特性モデルを示すグラフである。
図4(b)のグラフは、電流センサ1における磁気センサ2(図1)が、種々の温度Tにおいて入力された信号磁場Bsig(横軸)に応じてセンサ電圧Vin(縦軸)を出力する入出力特性の特性線を示している。磁気センサ2からのセンサ電圧Vinは増幅率G(T)による増幅前(補正前)であることから(式(1)参照)、図4(b)に示すセンサ電圧Vinの特性線は、別々の温度Tにおいて異なる傾きを有している。
図4(b)の特性モデルは、高温T’から低温T”にわたる各々のセンサ電圧Vinの特性線は、温度Tに応じて傾きが変化しながら、一つの交点P1において交わるというモデルである。本願発明者は、AMR素子で構成される多数の磁気センサ2の入出力特性を解析することによって本特性モデルを見出した。また、磁気センサ2を備える個々の電流センサ1が固有の交点P1を有することを解明した。本特性モデルは、次式(3)のように表すことができる。
Vin=A(T)×(Bsig+Bofs)−V1 …(3)
上式(3)において、A(T)は、温度Tにおける磁気センサ2の磁電変換利得であり、図4(b)の特性線の傾きに対応する。また、Bofs,V1は、個々の電流センサ1において固有のパラメータであり、交点P1の座標(−Bofs,−V1)に対応する。以下、Bofsをオフセット磁場といい、V1を電圧パラメータという。
上記の特性モデルによると、式(3)のセンサ電圧Vinに対するオフセット電圧V0(T)を算出できる。そこで、本実施形態では、式(3)に対するオフセット電圧V0(T)を打ち消すようなオフセット調整値Vofsを設定する(詳細は後述)。これにより、電流センサ1における温度ドリフトを抑制できる。
2−1−1.オフセット磁場について
上記の特性モデルにおいて、オフセット磁場Bofsは、バイアス磁石20及び磁気センサ2の実装ばらつき等に起因すると考えられる。図5(a)〜(e)に、実装ばらつきの配置例を示す。
図5(a)は、二つのバイアス磁石20が、互いに平行な向きからずれて配置された配置例を示している。電流センサ1においては、バイアス磁石20間のバイアス磁場Bbisの方向と信号磁場Bsigの方向とが直交するような配置が理想的だが(図2参照)、実装上、例えば図5(a)に示すように理想的な配置からずれる場合が想定される。この場合、バイアス磁場Bbisにおいて信号磁場Bsigと同じ方向の成分、或いは感度軸の方向に平行な成分が、オフセット磁場Bofsになると考えられる。
また、電圧パラメータV1は、オフセット磁場Bofsを打ち消すような信号磁場Bsig(=−Bofs)を電流センサ1に入力したときに磁気センサ2が出力するセンサ電圧Vin(=−V1)に対応している。電圧パラメータV1は、磁気センサ2における磁気抵抗素子21(図3)の温度特性なども含めたばらつき等に起因すると考えられる。
図5(b)は、図5(a)の例とは異なる向きで、バイアス磁石20がずれた配置例を示す。図5(c)は、バイアス磁石20の位置がずれた配置例を示す。図5(d)は、バイアス磁石20に対して磁気センサ2の向きがずれた配置例を示す。図5(e)は、バイアス磁石20に対する磁気センサ2の位置がずれた配置例を示す。
図5(a)〜(e)に示すように、電流センサ1における実装ばらつきの状態は多岐にわたり、各々の状態に応じてオフセット磁場Bofsは様々な値を取り得ると考えられる。よって、各パラメータBofs,V1は個々の電流センサ1の固有の値となり、電流センサ1間でばらつくことが想定される。そこで、本実施形態では、電流センサ1の製造検査時などにおいて、個々のオフセット磁場Bofsを定量的に計測する代わりに、各電流センサ1のオフセット調整値Vofsを容易に設定する方法を提供する。以下、本実施形態に係る電流センサ1の動作の詳細について説明する。
2−2.温度補償について
本実施形態に係る電流センサ1における温度補償の詳細について、図6を用いて説明する。図6は、電流センサ1の温度補償を説明するための図である。
図6(a)は、磁気センサ2の磁電変換利得A(T)の温度特性の一例を示す。図6(b)は、図6(a)の磁電変換利得A(T)に対する増幅率G(T)を示す。図6(c)は、図6(b)の増幅率G(T)に応じたオフセット調整値Vofsを示す。
図6(a)の例において、磁気センサ2の磁電変換利得A(T)は、温度Tに応じて非線形に変化している。磁電変換利得A(T)の温度特性は、例えば、種々の温度Tにわたって共通の信号磁場Bsigを磁気センサ2に入力して得られるセンサ電圧Vinによって計測できる。
本実施形態に係る電流センサ1において、図6(a)の磁電変換利得A(T)に対して設定される増幅率G(T)及びオフセット調整値Vofsを、それぞれ図6(b),(c)に示す。
本実施形態において、増幅率G(T)(図6(b))は、電流センサ1の出力電圧Voutにおいて磁電変換利得A(T)の温度Tによる変動(図6(a))を補正するために、次式(4)を満たすように設定される。
G(T)=k/A(T) …(4)
上式(4)の増幅率G(T)は、例えば磁電変換利得A(T)の計測結果に基づき算出可能であり、電流センサ1の記憶部15において温度Tに関連付けて格納される。上式(4)の増幅率G(T)によると、電流センサ1の出力電圧Vout(式(1)参照)は、式(3)のセンサ電圧Vinに対して次式(5)のように算出される。
Vout=k×Bsig+k×Bofs−V1×G(T)+Vofs …(5)
本実施形態では、上式(5)において信号磁場Bsig=0の状態の出力電圧Vout(即ちオフセット電圧V0(T))が基準値「0」となるように、オフセット調整値Vofsを設定する。すなわち、オフセット調整値Vofsは、次式(6)が成立するように設定される。
Vofs=−k×Bofs+V1×G(T) …(6)
上式(6)において、右辺の第1項「−k×Bofs」と第2項の「V1」との2変数は、上述のように(図4参照)、個々の電流センサ1において固有の値となる。このため、図6(c)に示すように、オフセット調整値Vofsの温度変化は、増幅率G(T)(図6(b))に応じた関数形になり、別々の電流センサ1間ではばらつくこととなる。
式(6)のオフセット調整値Vofsは、個々の電流センサ1に対して上記の2変数の値を求めることにより、式(6)から算出可能である。電流センサ1の記憶部15には、例えば、式(6)のオフセット調整値Vofsが温度Tに関連付けて格納される。記憶部15には、求めた2変数の値が格納されてもよい。この場合、制御部14は、温度センサ11が検出した温度Tに対応する増幅率G(T)と格納された2変数の値とに基づき式(6)の演算を行って、リアルタイムにオフセット調整値Vofsを算出してもよい。
以上のような増幅率G(T)及びオフセット調整値Vofsが、電流センサ1による電流の測定時に温度Tに応じて適用されることにより、電流センサ1の温度補償を精度良く行うことができる。例えば、図6(a)の例のように磁気センサ2の磁電変換利得A(T)の温度依存性が非線形な場合であっても、増幅率G(T)により信号磁場Bsigに対する出力電圧Voutの傾きが一定となるように補正できる。さらに、オフセット調整値Vofsにより、オフセット電圧V0(T)の非線形な温度変動を打ち消して、電流センサ1の温度ドリフトを抑制することができる。
2−3.電流センサの製造方法について
以上のようなオフセット調整値Vofs及び増幅率G(T)は、例えば電流センサ1の量産時において、個々の電流センサ1に設定される。以下、電流センサ1の製造時において、オフセット調整値Vofs及び増幅率G(T)を設定する方法について、図7,8を用いて説明する。図7は、電流センサ1の設定方法を説明するためのフローチャートである。
図7のフローチャートは、電流センサ1の製造出荷時における検査段階等において、出荷前の電流センサ1が準備された状態において開始される。電流センサ1は、上述した基本的な動作が実行可能な状態にまで準備される。本フローチャートにおける各処理は、例えば検査者が所定の制御装置(例えばPC又は各種検査装置)を用いて実施される。以下では、本方法を実施する際の環境温度をT1(第1の温度の一例)とする。
図7のフローチャートにおいて、まず、準備された電流センサ1に対する増幅率G(T)の設定を行う(S1)。ステップS1において、制御装置は、電流センサ1の記憶部15に、増幅率G(T)を温度Tに関連付けて書き込む。例えばG(T)=G0×E(T)として、温度Tの関数E(T)に関しては全ての電流センサ1又は同じロットの電流センサ1に同一の値を設定する。また、係数G0に関しては、例えば個々の電流センサ1に対して、環境温度T1における出力電圧Vout等に基づき個別に調整する。
次に、環境温度T1における電流センサ1のオフセット電圧V0(T1)に基づいて、オフセット調整値Vofsの初期設定を行う(S2)。ステップS2では、信号磁場Bsig=0の状態における電流センサ1の出力電圧Vout(=V0(T1))を測定し、オフセット電圧V0(T1)が「0」になるように、オフセット調整値Vofsに初期値Vofs0が設定される。初期値Vofs0は、例えば次式(7)の関数形において設定される。
Vofs0=V10×G(T) …(7)
上式(7)において、V10は、電圧パラメータV1の初期値である。上式(7)では、式(6)の第1項の初期値が「0」になっている。
次に、電流センサ1に温度負荷をかけて、環境温度T1から電流センサ1の温度Tを変化させる(S3)。ステップS3において、変化後の温度T(第2の温度の一例)は、特に特定の温度となるように制御される必要はなく、環境温度T1から異なっていればよい。例えば、熱風を送風して電流センサ1を環境温度T1よりも高温にしたり、冷風を送風して電流センサ1を環境温度T1よりも低温にしたりする等、簡便な方法を用いることができる。
次に、変化後の温度Tにおける電流センサ1のオフセット電圧V0(T)を測定する(S4)。ステップS4におけるオフセット電圧V0(T)は、初期値Vofs0等のオフセット調整値Vofsが設定された状態の電流センサ1の出力電圧Voutに基づいて測定される。
次に、測定されたオフセット電圧V0(T)の絶対値|V0(T)|が、所定のしきい値Vthよりも大きいか否かを判断する(S5)。しきい値Vthは、電流センサ1において温度ドリフトを許容する許容誤差などの観点から適宜、設定される。
|V0(T)|>Vthである場合(S5でYes)、オフセット電圧V0(T)がドリフトしており、設定中のオフセット調整値Vofsは変化後の温度Tにおいてずれていると考えられる。そこで、上述の式(6)における2変数の値の配分を変更するように、オフセット調整値Vofsを更新する(S6)。ステップS6は、制御装置が、電流センサ1に設定中のオフセット調整値Vofsを、次式(8)のように書き換えることによって行われる。
Vofs=Vofs+ΔBofs×k(1−G(T)/G(T1)) …(8)
上式(8)において、左辺は更新後のオフセット調整値を示し、右辺第1項は更新前のオフセット調整値(例えばVofs0)を示す。また、右辺第1項のΔBofsは、オフセット調整値Vofsをインクリメント又はデクリメントするための所定の絶対値を有する微小量である。微小量ΔBofsの絶対値は、例えば記憶部15に記録可能な値の最小単位に基づき設定される。
ステップS6において、微小量ΔBofsの符号は、オフセット電圧V0(T)の温度ドリフトの正負に応じて選択される。例えば、制御装置は、V0(T)>Vthのときには式(8)の右辺第2項が負となり、V0(T)<Vthのときには同項が正となるように、微小量ΔBofsの符号を選択する。
オフセット調整値Vofsが更新されると(S6)、更新後のオフセット調整値Vofsを用いて再度、オフセット電圧V0(T)の測定が行われる(S4)。これにより、|V0(T)|≦Vthとなるまで、微小量ΔBofs毎のオフセット調整値Vofsの更新が繰り返される(S4〜S6)。
|V0(T)|≦Vthになると(S5でNo)、図7のフローチャートによる電流センサ1の設定方法は終了する。
以上の設定方法によると、更新後のオフセット調整値Vofsは、しきい値Vth分の許容誤差の範囲内で、式(6)を満たすこととなる。このように、環境温度T1及び温度負荷時の温度T(≠T1)における電流センサ1の出力の測定結果に基づいて、個々の電流センサ1に適切なオフセット調整値Vofsを設定できる。また、以上のような設定は、温度Tを正確に制御するようなことなく、容易に実施することができる。
また、上記のステップS1の工程によると、複数の電流センサ1に対する増幅率G(T)の設定を容易に行える。増幅率G(T)の温度特性については、オフセット磁場Bofs等よりも電流センサ1間のばらつきが小さいと想定されることから、ステップS1により、式(4)に従う増幅率G(T)を精度良く設定できる。
また、以上の設定方法は、電流センサ1の種々のキャリブレーションと共に行われてもよい。例えばステップS2等において、環境温度T1における電流センサ1の各種出力を測定することにより、磁気センサ2等の各種パラメータが調整されてもよい。
また、上記のステップS3,S4は、オフセット電圧V0(T)の変化をモニタするように行われてもよい。この方法について、図8を用いて説明する。図8は、オフセット電圧V0(T)のモニタ方法を説明するための図である。
図8(a)は、オフセット電圧V0(T)が正にドリフトする場合を例示するグラフである。図8(b)は、オフセット電圧V0(T)が負にドリフトする場合を例示するグラフである。
図8の方法では、電流センサ1をバスバー等に取り付け、例えば正弦波形の交流電流をバスバーに流す。この際、バスバーに通電することにより温度上昇が起こる。このため、オフセット電圧V0(T)の温度ドリフトがある場合、図8(a),(b)に示すように、電流センサ1の出力電圧が変動することとなる。例えば出力電圧の正弦波形における中点の電圧を計測することにより、オフセット電圧V0(T)をモニタすることができる。
以上のようなモニタ方法は、例えば電流センサがバスバーと一体的に構成される場合、電流値のキャリブレーション工程などに適用することができる。これにより、電流センサ1の製造時において、オフセット調整値Vofsの設定を行い易くすることができる。
3.まとめ
以上のように、本実施形態に係る電流センサ1は、測定対象の電流Iによって生じる信号磁場Bsigに基づき出力信号として出力電圧Voutを出力する。電流センサ1は、磁気センサ2と、温度検出部の一例の温度センサ11と、増幅部12と、オフセット調整部13とを備える。磁気センサ2は、信号磁場Bsigに応じたセンサ信号としてセンサ電圧Vinを生成する。温度センサ11は、周囲の温度Tを検出する。増幅部12は、検出された温度Tに対応する増幅率G(T)において、センサ電圧Vinを増幅して出力電圧Voutを生成する。オフセット調整部13は、信号磁場Bsigがない状態の出力電圧Voutにおける基準値「0」からのオフセット電圧V0(T)を、オフセット調整値Vofsにより調整する。オフセット調整部13は、信号磁場Bsigがない状態の出力電圧Vout(=V0(T))と、温度Tに対応する増幅率G(T)との間に成立する関係(式(6))に従って、オフセット電圧V0(T)を調整するようにオフセット調整値Vofsを生成する。
以上の電流センサ1によると、例えば出力電圧Voutにおけるオフセット電圧V0(T)が非線形な温度特性を有する場合であっても、オフセット調整部13によりオフセット電圧V0(T)の温度ドリフトを抑制することができる。
本実施形態において、増幅部12の増幅率G(T)は、磁気センサ2がセンサ電圧Vinを生成するための磁電変換利得A(T)の温度Tに応じた変動を補正するように設定される(式(4)参照)。これにより、磁電変換利得A(T)が非線形な温度依存性を有していても、精度良く温度補償を行うことができる。
また、本実施形態において、電流センサ1は、磁場源の一例のバイアス磁石20をさらに備える。バイアス磁石20は、磁気センサ2の近傍にバイアス磁場Bbisを発生させる。オフセット調整部13は、信号磁場Bsigがない状態の出力電圧Vout(=V0(T))と、バイアス磁場Bbis中のオフセット磁場Bofs及び温度Tに対応する増幅率G(T)との間に成立する関係(式(6))に従って、オフセット電圧V0(T)を調整するようにオフセット調整値Vofsを生成する。これにより、オフセット電圧V0(T)の温度ドリフトの要因としてオフセット磁場Bofsが電圧パラメータV1と共に潜在するような場合であっても、精度良く温度補償を行うことができる。
また、本実施形態において、オフセット調整値Vofs(或いは対応するオフセット電圧V0(T))は、オフセット磁場Bofsに応じた第1の成分である式(6)の第1項と、増幅率G(T)の温度による変動に応じた第2の成分である同式の第2項とを含む。第1及び第2の成分を考慮してオフセット調整を行うことにより、精度良く温度ドリフトを抑制することができる。
また、本実施形態において、オフセット調整部13は、増幅部12の出力側に設けられる。電流センサ1は、温度センサ11によって検出された温度Tに基づいて、オフセット調整部13を制御する制御部14をさらに備える。本実施形態では、制御部14の制御により、電流Iの測定時の温度ドリフトが抑制される。
また、本実施形態において、電流センサ1は、増幅率G(T)を示す情報を記憶する記憶部15をさらに備える。記憶部15に記憶された情報を用いて、制御部14は増幅部12を制御することができる。
また、本実施形態において、バイアス磁石20は、発生させるバイアス磁場Bbisの方向が信号磁場Bsigの方向に交差するように、磁気センサ2の近傍に配置される。バイアス磁場Bbisにより、電流センサ1のダイナミックレンジを確保することができる。
本実施形態に係る電流センサ1の製造方法は、電流センサ1を準備する工程を含む。本工程は、磁気センサ2と、温度センサ11と、増幅部12と、オフセット調整部13とを備えるおように電流センサ1を準備する。本方法は、第1の温度T1における電流センサ1の出力電圧Voutを測定する工程(S2)と、第2の温度T(≠T1)における電流センサ1の出力電圧Voutを測定する工程(S4)とを含む。本方法においては、第1の温度T1における出力電圧Voutの測定結果と第2の温度Tにおける出力電圧Voutの測定結果とに基づいて、オフセット調整部13を設定する(S6)。本方法によると、二つの温度T1,Tにおける測定結果に基づいて、オフセット調整部13の設定を容易行うことができる。
また、本実施形態に係る電流センサ1の製造方法において、電流センサ1には、磁気センサ2の近傍にバイアス磁場Bbisを発生させるバイアス磁石20が設けられている。このような電流センサ1に対して、式(6)に従うオフセット調整値Vofsを、特にオフセット磁場Bofsを計測することなく容易に設定することができる。なお、本方法は、バイアス磁石20を備えていない電流センサに対して適用されてもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、一つの磁気センサを備える電流センサについて説明した。実施形態2では、二つの磁気センサを備える電流センサについて、図9〜12を参照して説明する。
図9は、実施形態2に係る電流センサ1Aの構成を示す図である。本実施形態に係る電流センサ1Aは、実施形態1の電流センサ1と同様の構成において、一つの磁気センサ2の代わりに第1及び第2の磁気センサ2A,2Bを備える。さらに、電流センサ1Aは、図9に示すように、各磁気センサ2A,2Bに接続される二つの増幅器12A、12Bを備える。
第1及び第2の磁気センサ2A,2Bは、実施形態1の磁気センサ2と同様に構成され、それぞれのセンサ電圧V01,V02を生成する。各磁気センサ2A,2Bは、各々の増幅器12A、12Bを介して増幅部12に接続される。
第1の磁気センサ2Aに対する増幅器12Aは、ゲインG11を有し、電圧V11(=G11×V01)を出力する。第2の磁気センサ2Bに対する増幅器12Bは、ゲインG12を有し、電圧V12(=G12×V02)を出力する。各ゲインG11,G12は、例えば温度に依存しない一定値である。各ゲインG11,G12は、適宜調整される。
本実施形態において、各磁気センサ2A,2Bのセンサ電圧V01,V02は、各々の増幅器12A、12Bを介して、入力電圧Vin(=V11−V12)として増幅部12に差動入力される。本実施形態に係る電流センサ1Aにおいても、実施形態1と同様にオフセット調整値Vofs及び増幅率G(T)を設定することにより、精度良く温度補償を行うことができる。
図10は、本実施形態に係る電流センサ1Aの外観を例示する斜視図である。電流センサ1Aは、例えば図10に示すように、測定対象の電流が流れるバスバー3に取り付けられる。以下、バスバー3の幅方向を「X方向」とし、長手方向を「Y方向」とし、厚さ方向を「Z方向」とする。電流センサ1Aの測定対象の電流は、バスバー3をY方向に沿って流れることとなる。
図11は、図10の電流センサ1Aが取り付けられるバスバー3の外観を示す斜視図である。バスバー3は、図11に示すように、第1の流路31と第2の流路32とに分岐している。図10の電流センサ1Aにおいて、第1及び第2の磁気センサ2A,2Bは、第1及び第2の流路31,32間で、X方向に並んで配置される。また、本実施形態の電流センサ1Aにおいては、例えば実施形態1と同様の二つのバイアス磁石20(図2)が、各磁気センサ2A,2Bを介してY方向に並ぶように配置される。
図12は、本実施形態に係る電流センサ1Aの動作を説明するための図である。図12は、図10のA−A’断面近傍における各流路31,32及び各磁気センサ2A,2Bを示している(図11参照)。
図12では、バスバー3の長手方向(Y方向)において電流が+Y向きに流れた際に、第1の流路31近傍に生じる信号磁場B1と、第2の流路32近傍に生じる信号磁場B2とを例示している。バスバー3においては、電流が分流して第1の流路31と第2の流路32とに流れることにより、図12に示すように、第1の流路31近傍の信号磁場B1は第1の流路31の周囲を周回し、第2の流路32近傍の信号磁場B2は第2の流路32の周囲を周回する。
本実施形態に係る電流センサ1Aでは、第1の流路31と第2の流路32とにおいて電流が同じ向き(例えば+Y向き)に流れるため、第1の流路31近傍の信号磁場B1と第2の流路32近傍の信号磁場B2とは、同じ周回方向を有する(例えば時計回り)。このことから、第1及び第2の流路31,32間の領域においては、図12に示すように、第1の流路31近傍の信号磁場B1のX成分と第2の流路32近傍の信号磁場B2のX成分とが、互いに逆向きになる。よって、上記の領域に配置された第1及び第2の磁気センサ2A,2Bには、互いに逆相の信号磁場B1,B2が入力されることとなる。
第1の磁気センサ2Aは、第1の流路31近傍の信号磁場B1の検出結果として、入力された磁場に応じたセンサ電圧V01を生成する(図9参照)。第2の磁気センサ2Bは、第2の流路32近傍の信号磁場B2の検出結果として、入力された磁場に応じたセンサ電圧V02を生成する。
ここで、各磁気センサ2A,2Bに入力される磁場には、信号磁場B1,B2だけでなく、外乱磁場のようなノイズも含まれることが想定される。このようなノイズは、第1及び第2の磁気センサ2A,2Bの配置位置を近接させることにより、各磁気センサ2A,2Bに対して、同相(同じ向きで且つ同程度の大きさ)で入力されると考えられる。
そこで、本実施形態に係る電流センサ1A(図9)においては、増幅部12において、各センサ電圧V01,V02に対応する電圧V11,V12を差動増幅する。これにより、それぞれの磁気センサ2A,2Bの出力電圧に同相で含まれ得るノイズを相殺して、測定対象の電流による信号磁場を精度良く検出できる。これにより、電流センサ1Aにおいて、測定対象の電流の大きさを精度良く測定することができる。
以上のように、本実施形態に係る電流センサ1Aは、二つの磁気センサ2A,2Bを備える。増幅部12は、二つの磁気センサ2A,2Bからのセンサ信号に対応する電圧V11,V12を差動増幅する。本実施形態に係る電流センサ1Aにおいても、差動増幅に基づく出力電圧Voutにおけるオフセット電圧V0(T)の温度ドリフトを抑制することができる。
上記の実施形態1,2では、一つ又は二つの磁気センサを備える電流センサについて説明したが、電流センサは、三つ以上の磁気センサを備えてもよい。この場合においても、電流センサの出力信号の温度ドリフトを抑制することができる。
(実施形態3)
実施形態1,2では、オフセット調整部13が増幅部12の出力側に設けられた。実施形態3では、オフセット調整部が増幅部の入力側に設けられる電流センサについて、図13〜15を参照して説明する。
図13は、実施形態3に係る電流センサ1Bの構成を示す図である。本実施形態に係る電流センサ1Bでは、実施形態2の電流センサ1Aと同様の構成において、オフセット調整部13の代わりに、増幅部12の入力側に位置するオフセット調整部13Aを備える。本実施形態のオフセット調整部13Aは、例えば、実施形態1,2と同様に可変電圧源等を含み、増幅部12の二つの入力端子の一方に接続される。
本実施形態のオフセット調整部13Aは、入力電圧Vin=0時の増幅部12の入力端子間の電圧差を制御して、増幅部12の出力電圧Voutのオフセット調整を行う。例えば、オフセット調整部13Aは、可変電圧源において設定された値の電圧Vzdc(入力オフセット調整値)を生成し、生成した電圧を入力電圧Vinに加える。これにより、増幅部12の出力電圧Voutの増分は、「G(T)×Vzdc」となる。そこで、本実施形態では、入力オフセット調整値Vzdcを、次式(30)を満たすように設定する。
Vzdc=−k×Bofs/G(T)+V1 …(30)
上式(30)の入力オフセット調整値Vzdcによると、式(6)のオフセット調整値Vofsを増幅部12の出力側で用いた場合と同様の効果が得られることとなる。よって、本実施形態に係る電流センサ1Bによっても、実施形態1,2と同様にオフセット電圧V0(T)の温度ドリフトを抑制することができる。
以上のような電流センサ1Bについて、本願発明者は、温度ドリフトを抑制する効果の検証実験を行った。本願発明者の検証実験について、図14,15を用いて説明する。
図14は、検証実験における電流センサ1Bの構成を示す図である。本実験においては、TI社製のプログラマブルゲイン・オフセットアンプを用いて、電流センサ1Bを構成した。具体的には、図14に示すように、二つのPGA309と、一つのPGA308とを使用した。増幅率G(T)による温度補償は、各PGA309において行った。また、入力オフセット調整値Vzdcは、一方のPGA309に設定した。磁気センサとしてはAMR素子のホイートストンブリッジ回路を用いた。
本実験では、図14の電流センサ1Bに、図7と同様の設定方法において入力オフセット調整値Vzdcを設定した場合の温度ドリフトの抑制効果を検証した。まず、環境温度T1下において入力オフセット調整値Vzdcの初期値Vzdc0を次式(31)のように設定した(図7のS2参照)。
Vzdc0
=Vm/Gout1−V0out/G(T)+Gfr1×V0AMR …(31)
上式(31)において、Vmは、理想的な中点電位であり、Vm=2.5Vとした。また、Gout1,Gfr1は、図14のPGA309中の各種アンプのゲインである。また、V0AMR,V0outは、図14の磁気センサ及びPGA309におけるオフセット成分である。
上記のような環境温度T1下の初期値Vzdc0の設定後に、ドライヤを用いて電流センサ1Bを加熱した(図7のS3)。電流センサ1Bのオフセット電圧V0(T)をモニタしながら、次式(32)のように入力オフセット調整値Vzdcを更新した(S4〜S6)。
Vzdc=Vzdc+ΔV(1−G(T1)/G(T)) …(32)
上式(32)において、ΔVは、入力オフセット調整値Vzdcに対する微小量である。入力オフセット調整値Vzdcの更新は、オフセット電圧V0(T)の温度ドリフトを極小にするように、微小量ΔVのインクリメント(又はデクリメント)を繰り返すことによって行った(図7のS4〜S6)。
以上の方法によって入力オフセット調整値Vzdcを決定し、決定した入力オフセット調整値Vzdcを電流センサ1Bに設定した状態で、オフセット電圧V0(T)の温度特性を測定した。以上の検証実験の実験結果を、図15に示す。
図15は、電流センサ1Bの検証実験におけるオフセット電圧の温度特性の測定結果を示すグラフである。図15の横軸は温度[℃]であり、縦軸は信号磁場がないときの出力電圧[V]、即ちオフセット電圧V0(T)である。
図15においては、入力オフセット調整値Vzdcが、環境温度T1下の初期値Vzdc0(式(31))から更新せずに設定された場合と、温度負荷をかけて式(32)の更新を行った場合との各々の温度特性を示している。図15に示すように、環境温度T1下のVzdc0のみの補正では110mV温度ドリフトが観測された一方、式(32)の更新後のVzdcの補正によると、温度ドリフトが5mV以下にまで低減された。以上のように、本実施形態の電流センサ1Bにおいて、簡易な設定方法によって温度ドリフトを抑制可能であることが確認できた。
以上のように、本実施形態に係る電流センサ1Bにおいて、オフセット調整部13Aは、増幅部12の入力側に設けられる。このような場合においても、例えば電流センサ1Bの制御部14が、温度センサ11によって検出された温度Tに基づいて、オフセット調整部13Aを制御することにより、実施形態1,2と同様に温度ドリフトを抑制することができる。
以上の説明では、電流センサ1Bにおいて、増幅部12の入力側のオフセット調整部13Aを、出力側のオフセット調整部13の代わりに設ける例を説明した。これに限らず、本実施形態に係る電流センサ1Bにおいて、増幅部12入力側と出力側との双方にオフセット調整部13A,13が設けられてもよい。
(実施形態4)
実施形態1〜3では、制御部14が温度Tに応じて増幅部12及びオフセット調整部13,13Aを制御した。実施形態4では、制御部を備えずに温度補償を行う電流センサについて説明する。
図16は、本実施形態に係る電流センサ1Cの構成を示す図である。本実施形態に係る電流センサ1Cは、実施形態2の電流センサ1Aと同様の構成において、オフセット調整部13の代わりに、図16に示すように、第1及び第2の調整部13a,13bを含んだオフセット調整部13Bを備える。第1の調整部13aは、本実施形態の電流センサ1Cにおける増幅部12Aの入力側に設けられる。第2の調整部13bは、増幅部12Aの出力側に設けられる。
また、本実施形態に係る電流センサ1Cは、例えば図9のような制御部14、記憶部15及び温度センサ11を備えておらず、増幅部12Aの増幅率を設定する増幅率設定回路16を備える。増幅率設定回路16は複数の抵抗器16a,16b,16cを含み、抵抗器16a〜16cの一つ又は複数は、サーミスタなどの各種の感温素子で構成される。増幅率設定回路16の抵抗器16a〜16cは、本実施形態における温度検出部の一例である。
増幅率設定回路16の抵抗器16a〜16cは、増幅部12Aの増幅率が、周囲の温度Tに応じて磁気センサ2A,2Bの温度特性を補正する増幅率G(T)となるように(式(4)参照)、各抵抗値の温度係数を設定される。これにより、特にデジタル制御等を行わずに、増幅率G(T)の温度補償を行うことができる。
本実施形態のオフセット調整部13Bにおいて、第1及び第2の調整部13a,13bは、例えばそれぞれ可変電圧源で構成される。第1の調整部13aは、可変電圧源において設定された値の電圧Vadj1(第1の調整値)を生成する。第2の調整部13aは、同様に設定された値の電圧Vadj2(第2の調整値)を生成する。これにより、オフセット調整部13Bは、電流センサ1Cの出力電圧Voutに、次式(40)のオフセット調整値Vofsを含める。
Vofs=G(T)×Vadj1+Vadj2 …(40)
そこで、本実施形態では、第1の調整値Vadjが式(6)の第2項の「V1」に合致し、第2の調整値Vadj2が同式の第1項「−k×Bofs」に合致するように、オフセット調整部13Bの第1及び第2の調整部13a,13bを設定する。これにより、特にデジタル制御等を行わずに、オフセット電圧V0(T)の温度ドリフトを抑制することができる。
上記のオフセット調整部13Bの設定は、例えば実施形態1と同様の設定方法(図7)を用いて行うことができる。具体的に、図7のステップS6において、次式(41),(42)のように第1及び第2の調整値Vadj1,Vadj2を更新する。
Vadj1=Vadj1+ΔV …(41)
Vadj2=Vadj2−G(T)×ΔV …(42)
上式(41),(42)を用いて微小量ΔVずつ調整することにより、第1及び第2の調整値Vadj1,Vadj2を適切な値に設定することができる。
以上のように、本実施形態に係る電流センサ1Cにおいて、オフセット調整部13Bは、増幅部12Aの入力側に設けられる第1の調整部13aと、増幅部12Aの出力側に設けられる第2の調整部13bとを備える。第1の調整部13aは、出力電圧Voutのオフセット電圧V0(T)において、式(6)の第2項に対応する成分を調整する。第2の調整部13bは、同式の第1項に対応する成分を調整する。これにより、式(6)に従うオフセット調整を実現して、温度ドリフトを精度良く抑制することができる。
以上の説明では、電流センサ1Cにおいてオフセット調整値Vofsと増幅率G(T)との双方が、制御部14による制御なしに行われる例を説明した。これに限らず、例えば、本実施形態に係る電流センサ1Cにおいて、オフセット調整値Vofsと増幅率G(T)との一方は制御部14によって制御されるようにしてもよい。
(他の実施形態)
上記の実施形態1では、電流センサ1の設定方法(図7)における各処理が、電流センサ1外部の制御装置により実行される例を説明した。これに限らず、例えば上記の処理の一部又は全てが電流センサ1の制御部14によって実行されてもよい。例えば、制御部14は記憶部15への書込みを実行可能に構成されてもよい。
また、図7のステップS6におけるオフセット調整値Vofsの更新後、オフセット電圧V0(T)を再度、測定する例を説明したが、オフセット電圧V0(T)の再計測は省略されてもよい。例えば、初期値Vofs0に基づくオフセット電圧V0(T)の測定時における電流センサ1のセンサ電圧Vinを取得して制御装置に記録しておき、新たなオフセット調整値Vofsによるオフセット電圧V0(T)を算出するようにしてもよい。
また、オフセット調整値Vofsの初期値Vofs0を式(7)のように設定する例を説明したが(図7のS2)、初期値Vofs0の設定はこれに限らない。例えば、初期値を「Vofs0=Bofs0×k」と設定し、ステップS6では式(7)の代わりに、オフセット調整値を「Vofs=Vofs+ΔBofs×k(G(T1)−G(T))」というように更新してもよい。
また、図7のステップS2〜S6では、微小量ΔBofs毎にオフセット調整値Vofsを更新する例を説明した。これに限らず、例えば2つの温度T1,Tにおける出力電圧Voutの測定結果に基づいて、上述した式(6)中の2変数を算出するようにしてもよい。
上記の各実施形態では、磁場源としてバイアス磁石20について説明したが、電流センサにおける磁場源はバイアス磁石に限らない。例えば、電流センサにおける磁場源は、GMR素子又はTMR素子で構成される磁気センサにおけるピン層などであってもよい。この場合、磁場源と磁気センサとは、一体的に構成される。このような磁場源を備える電流センサにおいても、オフセット調整部が、信号磁場がない状態の出力信号と、磁場源による磁場及び温度に対応する増幅率との間に成立する関係に従って、オフセットを調整することにより、温度ドリフトを抑制することができる。
また、上記の各実施形態では、電流センサが磁場源を備える場合について説明したが、電流センサは磁場源を備えていなくてもよい。例えば、電流センサにおける磁気センサをホール素子などで構成する場合、磁場源を用いなくてもよい。また、磁気センサにおける磁気抵抗素子等の素子自体の形状磁気異方性が、実質的に磁場源となり得る場合も想定される。このような場合においても、上記の各実施形態と同様に、オフセット調整部が、信号磁場がない状態の出力信号と、温度に対応する増幅率との間に成立する関係に従って、オフセットを調整することにより、温度ドリフトを抑制することができる。
また、上記の各実施形態では、出力信号及びセンサ信号が出力電圧Vout及びセンサ電圧Vinである例を説明した。電流センサにおける出力信号及びセンサ信号は電圧信号に限らず、電流信号であってもよい。また、出力信号及びセンサ信号は、種々のアナログ信号又はデジタル信号であってもよい。本実施形態に係る電流センサによると、各種の出力信号におけるオフセットの温度ドリフトを抑制することができる。
1,1A〜1C 電流センサ
11 温度センサ
12,12A 増幅部
13,13A,13B オフセット調整部
14 制御部
15 記憶部
2,2A,2B 磁気センサ
20 バイアス磁石

Claims (11)

  1. 測定対象の電流によって生じる信号磁場に基づき出力信号を出力する電流センサであって、
    前記信号磁場に応じたセンサ信号を生成する少なくとも一つの磁気センサと、
    周囲の温度を検出する温度検出部と、
    検出された温度に対応する増幅率において、前記センサ信号を増幅して前記出力信号を生成する増幅部と、
    前記信号磁場がない状態の出力信号における基準値からのずれであるオフセットを調整するオフセット調整部とを備え、
    前記オフセット調整部は、前記信号磁場がない状態の出力信号と、前記温度に対応する増幅率との間に成立する関係に従って、前記オフセットを調整する
    電流センサ。
  2. 前記増幅部の増幅率は、前記磁気センサが前記センサ信号を生成するための磁電変換利得の温度に応じた変動を補正するように設定された
    請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記磁気センサの近傍に磁場を発生させる磁場源をさらに備え、
    前記オフセット調整部は、前記信号磁場がない状態の出力信号と、前記磁場源による磁場及び前記温度に対応する増幅率との間に成立する関係に従って、前記オフセットを調整する
    請求項1又は2に記載の電流センサ。
  4. 前記オフセットは、前記磁場源による磁場に応じた第1の成分と、前記増幅率の温度による変動に応じた第2の成分とを含む
    請求項3に記載の電流センサ。
  5. 前記オフセット調整部は、
    前記増幅部の入力側に設けられ、前記第2の成分を調整する第1の調整部と、
    前記増幅部の出力側に設けられ、前記第1の成分を調整する第2の調整部と
    を備える請求項4に記載の電流センサ。
  6. 前記磁場源は、発生させる磁場の方向が前記信号磁場の方向に交差するように、前記磁気センサの近傍に配置される
    請求項3〜5のいずれか1項に記載の電流センサ。
  7. 前記オフセット調整部は、前記増幅部の出力側に設けられ、
    前記温度検出部によって検出された温度に基づいて、前記オフセット調整部を制御する制御部をさらに備える
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の電流センサ。
  8. 前記増幅率を示す情報を記憶する記憶部をさらに備える
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の電流センサ。
  9. 前記電流センサは、二つの磁気センサを備え、
    前記増幅部は、前記二つの磁気センサからのセンサ信号を差動増幅する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の電流センサ。
  10. 測定対象の電流によって生じる信号磁場に応じたセンサ信号を生成する磁気センサと、周囲の温度を検出する温度検出部と、検出された温度に対応する増幅率において前記センサ信号を増幅して出力信号を生成する増幅部と、前記信号磁場がない状態の出力信号における基準値からのずれであるオフセットを調整するオフセット調整部とを備えた電流センサを準備する工程と、
    第1の温度における前記電流センサの出力信号を測定する工程と、
    第1の温度とは異なる第2の温度における前記電流センサの出力信号を測定する工程と、
    前記第1の温度における出力信号の測定結果と前記第2の温度における出力信号の測定結果とに基づいて、前記オフセット調整部を設定する工程と
    を含む電流センサの製造方法。
  11. 前記電流センサには、前記磁気センサの近傍に磁場を発生させる磁場源が設けられている
    請求項10に記載の電流センサの製造方法。
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