JP2021011556A - 印刷インキ用バインダー及びそれを用いた印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラスチックフィルムと印刷インキとの密着性、耐ボイル性や耐ブロッキング性などの物性を低下することが無く、アルコール系溶剤比率を高くすることが可能な印刷インキ用バインダーと、それを用いた印刷インキ組成物を提供する。【解決手段】 ポリエステルポリオールとポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー(a)と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれるエタノールアミン類(b)及び鎖伸長剤(c)から得られるポリウレタン樹脂(A)、及びエステル系溶剤とアルコール系溶剤の混合溶剤(B)を含有する印刷インキ用バインダーであって、前記ポリウレタン樹脂(A)の水酸基価が10〜30mgKOH/gで、前記混合溶剤(B)のエステル系溶剤/アルコール系溶剤の質量比が、15/85〜50/50であり、25℃の粘度が300〜1500mPa・sである印刷インキ用バインダー。【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチックフィルムの印刷インキ用バインダーとそれを用いた印刷インキ組成物に関し、特にポリウレタン樹脂を主成分とする印刷インキ用バインダーとそれを用いた印刷インキ組成物に関する。
近年、被包装物の多様化、包装技術の高度化に伴い、包装材料として各種のプラスチックフィルムが開発され、被包装物に適したものが適宜選択され使用されるようになってきている。ところで、プラスチックフィルムを包装材料に使用するにあたってはプラスチックフィルムの装飾又は表面保護のために印刷が施されるが、適用される印刷インキには、これら種々のプラスチックフィルムに対する密着性が良好である等の高度な性能が要求されている。
従来から印刷インキに用いられる印刷インキ用バインダーとして、ポリウレタンが多く用いられている。一般に、ポリウレタンをバインダーとする印刷インキは、ポリエステルフィルム及びナイロンフィルムに対しては単独で優れた密着力を有するが、汎用フィルムであるポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムに対する密着力は不充分である。このため、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムに印刷する場合には、密着力を補うためにポリウレタンに塩素化ポリプロピレン系樹脂を配合させ溶剤にトルエンを用いたトルエン型印刷インキが使用されてきた。
しかしながら、環境に配慮したインキが望まれており、印刷インキ中にトルエン等の芳香族系溶剤を使用しないことが必要になってきた。当該非芳香族系溶剤型印刷インキ(一般に「ノントルエン型印刷インキ」と呼ばれている)においては、溶剤としてメチルエチルケトンや酢酸エチル等の非芳香族系溶剤を主溶剤に使用するが、塩素化ポリプロピレン系樹脂がインキ中に溶解しにくいため、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムに対して十分な密着性が得られない問題があった。
この対応として、例えば、特許文献1には、高分子ジオール、ジイソシアネート化合物及び鎖伸長剤を反応せしめて得られるポリウレタンを主として含有してなる印刷インキ用バインダーとして、高分子ジオールの構成成分として、2,4−ジアルキル−1,5−ペンタンジオールを含有することを特徴とする印刷インキ用バインダーが開示されている。
現在では、エステル系溶剤とアルコール系溶剤の混合溶剤が主流であるが、近年、環境面からエステル系溶剤も極力含まない印刷インキの要望が高まっている。
しかしながら、アルコール系溶剤は芳香族系、ケトン系の溶剤やエステル系溶剤と比較して溶解力が低く、混合比率を高くするためには使用できるポリウレタンに制限がある。
アルコール系溶剤に可溶な樹脂にすると、耐ボイル性や耐ブロッキング性等の物性が劣ることがある。
特開2000−26782号公報
本発明は、印刷インキ用バインダーとして使用した際に、プラスチックフィルムと印刷インキとの密着性、耐ボイル性や耐ブロッキング性などの物性を低下することが無く、アルコール系溶剤比率を高くすることが可能な印刷インキ用バインダーと、それを用いた印刷インキ組成物を提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、特定の構成成分を有するポリウレタン樹脂を印刷インキ用バインダーとして使用した印刷インキは、印刷適性、耐ブロッキング性等の物性を低下させることなく、基材との密着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明の印刷インキ用バインダーは、[1]ポリエステルポリオールとポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー(a)と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれるエタノールアミン類(b)及び鎖伸長剤(c)から得られるポリウレタン樹脂(A)、及びエステル系溶剤とアルコール系溶剤の混合溶剤(B)を含有する印刷インキ用バインダーであって、前記ポリウレタン樹脂(A)の水酸基価が10〜30mgKOH/gで、前記混合溶剤(B)のエステル系溶剤とアルコール系溶剤の質量比が、15/85〜50/50であり、25℃の粘度が300〜1500mPa・sである印刷インキ用バインダーを提供するものである。
また、[2]前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が500〜5000で、前記ウレタンプレポリマー(a)は、前記ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートを反応させる際のイソシアネート基(NCO)とヒドロキシル基(OH)のモル比(NCO/OH)が 1.4〜3.0である上記[1]に記載の印刷インキ用バインダーである。
また、[3]鎖伸長剤(c)が、ジアミン類、水酸基を有するジアミン類又は、グリコールである上記[1]又は[2]に記載の印刷インキ用バインダーである。
更に、[4]前記エタノールアミン類(b)が、ジエタノールアミンである上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の印刷インキ用バインダーである。
加えて、本発明の印刷インキ組成物は、[5]上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の印刷インキ用バインダーを含有する印刷インキ組成物である。
上記構成による本発明の印刷インキ用バインダーを使用すれば、プラスチックフィルムと印刷インキとの密着性、耐ボイル性や耐ブロッキング性などの物性を低下することが無く、アルコール系溶剤比率を高くすることが可能な印刷インキ用バインダーを提供できる。
(ポリエステルポリオール)
本発明において、ポリエステルポリオールは、一般にポリウレタン樹脂用として知られている従来から公知のポリエステルポリオールを使用できる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和及び不飽和の各種公知の低分子グリコール類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類、ダイマー酸を還元して得られるダイマージオールなどと、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸、これらに対応する酸無水物、ダイマー酸などを脱水縮合して得られるポリエステルポリオール類、環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。これらポリエステルポリオールは1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
なお、ポリエステルポリオールのうち、グリコール類と二塩基酸とから得られるポリエステルポリオールの場合には、該グリコール類の一部を以下の各種ポリオールに置換することができる。各種ポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明において、ポリエステルポリオールの数平均分子量は、本発明の印刷インキ用バインダー、印刷インキ組成物の性能を鑑み、500〜5000である。好ましくは700〜4000である。更に好ましくはその数平均分子量は1000〜3000である。数平均分子量が500未満になると印刷適性が低下する傾向があり、また5000を超えると溶剤への溶解性、乾燥性及び耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により決定される値である。GPCの測定には、テトラヒドロフランを溶媒として、流量1.0ml/minで、日立化成株式会社製HPLC用充填カラム「GL−A160−S」、「GL−A150−S」及び「GL−A130−S」を連結使用して、カラム温度40℃、検出器に示差屈折率計を用いて測定する。
(エタノールアミン類(b))
本発明において、エタノールアミン類(b)とは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。その中でも、ジエタノールアミンが好ましい。なお、これらのエタノールアミン類は、2種類以上を併用してもよい。
(ポリイソシアネート)
本発明において、ポリイソシアネート(化合物)とは、芳香族、脂肪族又は脂環族の各種公知のポリイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表例として挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(アルコール系溶剤)
本発明において、アルコール系溶剤とは、例えば、1級アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール等が、2級アルコールとしては2−プロパノール、2−ブタノール等が、3級アルコールとしては2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール等の炭素数1〜7の脂肪族アルコール類が挙げられる。また、工業用アルコールに分類される変性アルコールを使用できる。なお、これらのアルコール系溶剤は2種類以上を併用して用いてもよい。
(エステル系溶剤)
本発明において、エステル系溶剤とは、エステル結合を内部に持つ溶剤で、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の非芳香族系溶剤である。
エステル系溶剤とアルコール系溶剤の質量比は、エステル系溶剤/アルコール系溶剤=15/85〜50/50である。アルコール系溶剤を比較的多くし、エステル系溶剤は、極力含まないようにする。
(鎖伸長剤(c))
本発明において、鎖伸長剤(c)は、各種公知のものを使用することができる。例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジアミン、ダイマージアミン等のジアミンが挙げられる。その他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類、前記ポリエステルポリオールの項で述べたグリコール及びそれ以外のグリコールなどが挙げられる。これら鎖伸長剤は1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(ポリウレタン樹脂(A)、印刷インキ用バインダー)
本発明において、ポリウレタン樹脂(A)を製造する方法としては、まずポリエステルポリオール、とポリイソシアネート(化合物)を反応せしめてなる両末端にイソシアネート基(NCO)を有するウレタンプレポリマー(a)を調整し、次いでこれを鎖伸長剤(c)とエタノールアミン類(b)と反応させる2段法、ならびに各成分を一度に反応させる1段法のいずれの方法をも採用しうるが、均一なポリマー溶液を得る目的には前者の方法(2段法)が好ましい。
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートを反応させる際のイソシアネート基(NCO)とヒドロキシル基(OH)のモル比(NCO/OH)は、1.4〜3.0の範囲であり、好ましくは1.6〜2.4の範囲であり、更に好ましくは、NCO/OH比が1.6〜2.0の範囲である。
NCO/OHのモル比が 1.4未満の場合、これを用いて反応せしめて得たウレタン樹脂は、耐ブロッキング性、耐ボイル性に劣る。一方、NCO/OHのモル比が3.0を超えて大きい場合は、これを用いて反応せしめて得たウレタン樹脂は、粘度が高く作業性に劣る。
上記反応に際しては、反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応において使用される触媒であるアミン触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等)、チタン系触媒(テトラブチルチタネート等)などを使用してもよい。触媒の使用量はポリウレタン樹脂に対して通常0.1質量%以下である。
本発明において、ポリウレタン樹脂(A)は、水酸基価が10〜30mgKOH/g、好ましくは10〜20mgKOH/gである。水酸基価が10〜30mgKOH/gの範囲とすることで、アルコール系溶剤への溶解性を向上させることができ、印刷インキの印刷適性、耐ブロッキング性等の物性を低下させることが無く、基材との密着性に優れる印刷インキ用バインダーを提供できる。
更に、ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量は、通常3,000〜100,000の範囲とするのがよい。数平均分子量が3,000に満たない場合には、これをビヒクルとして用いた印刷インキの乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度等が低下し易くなる。一方、100,000を超える場合にはポリウレタン樹脂(A)の粘度が上昇したり、印刷インキの光沢が低下しやすくなる。なお、ポリウレタン樹脂(A)の樹脂固形分濃度は特に制限はされないが、インキ製造時の作業性等を考慮して適宜決定すればよく、通常は15〜60質量%、粘度は50〜100000mPa・s(25℃)の範囲に調整するのが実用上好適である。
また、本発明では必要に応じて、本発明の主成分である前記ポリウレタン樹脂(A)の他に以下に示すような樹脂を副成分として併用しうる。例えば、本発明以外のポリウレタン樹脂、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ケトン樹脂等が挙げられる。
(印刷インキ組成物)
かくして得られた本発明の印刷インキ用バインダーには、着色剤、溶剤、更に必要に応じてインキ流動性及びインキ表面皮膜を改良するための界面活性剤、ワックス、その他添加剤を適宜配合し、ボールミル、アトライター、サンドミル等の通常のインキ製造装置を用いて混練することにより印刷インキ組成物を製造することができる。なお、印刷インキ組成物中の本発明のバインダーの配合量は印刷インキ組成物中、その樹脂固形分が3〜20質量%になるように配合するのが好ましい。
以下に、実施例及び比較例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、部及び%は質量基準である。
[実施例1](バインダー樹脂Aの合成)
撹拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、ポリエステルポリオールとして数平均分子量2000のポリエステルポリオールA(株式会社クラレ製 クラレポリオールP2010(以下、A1という))500部と、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート122部を仕込み、窒素気流下に105℃で3時間反応させ、ウレタンプレポリマー(a)を製造した後、希釈溶剤として酢酸エチル217部を添加した。
次いで、鎖伸長剤(c)としてイソホロンジアミン20.5部、エタノールアミン類(b)としてジエタノールアミン6.3部、酢酸エチル14部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー(a)420部を加え、65℃で3時間反応させた後、イソプロピルアルコール291部を添加した。
こうして得られたポリウレタン樹脂は、樹脂固形分濃度が45%、粘度が600mPa・s/25℃であった。また、ポリウレタン樹脂の水酸基価は20mgKOH/gであるバインダー樹脂A(印刷インキ用バインダー)を得た。
[実施例2](バインダー樹脂Bの合成)
実施例1と同様の器具を用意し、丸底フラスコに数平均分子量4000のポリエステルポリオールA(株式会社クラレ製 クラレポリオールP4010(以下、A2という))500部とイソホロンジイソシアネート56部を仕込み、窒素気流下に105℃で3時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、希釈溶剤として酢酸エチル112部を添加した。
次いで、イソホロンジアミン8.2部、ジエタノールアミン3.1部、酢酸エチル14部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー371部を加え、65℃で3時間反応させた後、イソプロピルアルコール284部を添加した。
こうして得られたポリウレタン樹脂は、樹脂固形分濃度が45%、粘度が350mPa・s/25℃であった。また、ポリウレタン樹脂の水酸基価は11mgKOH/gであるバインダー樹脂Bを得た。
[実施例3](バインダー樹脂Cの合成)
実施例1と同様の器具を用意し、丸底フラスコに、実施例1と同様のポリエステルポリオールA1を500部とイソホロンジイソシアネート89部を仕込み、窒素気流下に105℃で3時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、希釈溶剤として酢酸エチル199部を添加した。
次いで、イソホロンジアミン6.9部、ジエタノールアミン7.2部、酢酸エチル13部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー394部を加え、65℃で3時間反応させた後、イソプロピルアルコール265部を添加した。
こうして得られたポリウレタン樹脂は、樹脂固形分濃度が45%、粘度が350mPa・s/25℃であった。また、ポリウレタン樹脂の水酸基価は25mgKOH/gであるバインダー樹脂Cを得た。
[比較例1](バインダー樹脂Dの合成)
実施例1と同様の器具を用意し、実施例1と同様のポリエステルポリオール500部とイソホロンジイソシアネート122部を仕込み、窒素気流下に105℃で3時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、希釈溶剤として酢酸エチル216部を添加した。
次いで、イソホロンジアミン25部、酢酸エチル14部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー419部を加え、65℃で3時間反応させた後、イソプロピルアルコール289部を添加した。
こうして得られたポリウレタン樹脂は、樹脂固形分濃度が45%、粘度が800mPa・s/25℃であった。また、ポリウレタン樹脂の末端水酸基価は0mgKOH/gであるバインダー樹脂Dを得た。
[比較例2](バインダー樹脂Eの合成)
実施例1と同様の器具を用意し、数平均分子量6000のポリエステルポリオール(株式会社クラレ製 クラレポリオールP6010)500部とイソホロンジイソシアネート33部を仕込み、窒素気流下に105℃で3時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、希釈溶剤として酢酸エチル176部を添加した。
次いで、イソホロンジアミン2.6部、ジエタノールアミン3.9部、酢酸エチル11部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー354部を加え、65℃で3時間反応させた後、イソプロピルアルコール235部を添加した。
こうして得られたポリウレタン樹脂は、樹脂固形分濃度が45%、粘度が200mPa・s/25℃であった。また、ポリウレタン樹脂の水酸基価は15mgKOH/gであるバインダー樹脂Eを得た。
[比較例3](バインダー樹脂Fの合成)
実施例1と同様の器具を用意し、丸底フラスコに、実施例1と同様のポリエステルポリオール500部とイソホロンジイソシアネート133部を仕込み、窒素気流下に105℃で3時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、希釈溶剤として酢酸エチル370部を添加した。
次いで、イソホロンジアミン21部、ジエタノールアミン11.4部、酢酸エチル14部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー429部を加え、65℃で3時間反応させた後、イソプロピルアルコール300部を添加した。
こうして得られたポリウレタン樹脂は、樹脂固形分濃度が45%、粘度が350mPa・s/25℃であった。また、ポリウレタン樹脂の水酸基価は35mgKOH/gであるバインダー樹脂Fを得た。
〔外観(アルコール溶解性)〕
合成した6種のポリウレタン樹脂の外観を目視にて確認しアルコール系溶剤への溶解性を下記基準により評価した。
○:透明(溶解性良好)
×:白濁(溶解性劣る)
〔印刷インキ組成物の調整〕
チタン白(ルチル型)31部、6種の合成したバインダー樹脂(印刷インキ用バインダー)A〜Fの樹脂29部、酢酸エチル28部、イソプロピルアルコール12部からなる組成の混合物をそれぞれ練肉して白色元インキを調製した。この白色元インキ100部に、酢酸エチル35部及びイソプロピルアルコール15部を加えて粘度を調整し、6点の白色印刷インキを調製した。
〔試料の作製〕
得られた6点の白色印刷インキを、グラビア印刷機(ロータリーコーター,RKプリントコートインスツルメント社製)により、コロナ放電処理ナイロン(NY)フィルムの放電処理面、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム及び2軸延伸ポリプロピレン(OPP)の片面に印刷して、80℃で乾燥し、印刷フィルムを得た。得られた印刷フィルムを密着性、耐ブロッキング性の試験に供した。
また、OPP印刷フィルムの印刷面にラミネート用接着剤を塗布し、接着剤塗布面と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を熱ロールラミネータで貼り合わせて、ラミネートフィルムを作製し、10cm×15cmの長方形に切り揃える。作製したラミネートフィルムのLLDPE面を重ね合わせて3辺をヒートシールテスターで封着した。残りの1辺から水/油=1/1(質量比)を30g入れた後、この1辺も封着し、パウチ体とした。得られたパウチ体を耐ボイル試験に供した。
〔密着性〕
上記印刷フィルムを24時間放置後、印刷面にセロハンテープを貼り付け、角度90°で急速に剥したときの印刷皮膜の外観(残存状態)を下記の基準で観察評価した。評価結果は表1に示した。
◎−−−−印刷皮膜の95%以上がフィルムに残った。
○−−−−印刷皮膜の80%以上〜95%未満がフィルムに残った
△−−−−印刷皮膜の50%以上〜80%未満がフィルムに残った。
×−−−−印刷皮膜の50%未満がフィルムに残った。
〔耐ブロッキング性〕
上記印刷フィルムの印刷面が内側になるように折り曲げ、2.0N(200gf)/cmの荷重を掛け、40℃で24時間放置した後の印刷面同士の付着状態を観察し、以下の基準で評価した。評価結果は表1に示した。
◎−−−−接触面積のうち0%以上〜5%未満の付着あり。
○−−−−接触面積のうち5%以上〜20%未満の付着あり。
△−−−−接触面積のうち20%以上〜50%未満の付着あり。
×−−−−接触面積のうち50%以上の付着あり。
〔耐ボイル性〕
作製したパウチ体を、98℃の水中に、1時間浸漬させた後のパウチ体の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。評価結果は表1に示した。
○−−−−フクレ・ハガレ無し
△−−−−フクレ・ハガレが一部発生
×−−−−フクレ・ハガレが全面に発生
Figure 2021011556
表1に示したとおり、本発明の実施例1〜3の印刷インキ用バインダーを用いた印刷インキでは、プラスチックフィルムと印刷インキとの密着性、耐ボイル性や耐ブロッキング性などの物性を低下することが無く良好である。
しかしながら、エタノールアミンを使用してない比較例1のバインダー樹脂Dを用いた印刷インキでは、アルコール系溶剤への溶解性が劣っていた。
ポリエステルポリオールの数平均分子量6000の比較例2のバインダー樹脂Eを用いた印刷インキでは、粘度が低く、耐ブロッキング性、耐ボイル性が劣っていた。
水酸基価が35mgKOH/gの比較例3のバインダー樹脂Fを用いた印刷インキでは、密着性、耐ブロッキング性が劣っていた。
以上の結果から、被印刷物としてのポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種プラスチックフィルムに対し密着性に優れ、アルコール系溶剤比率の高い印刷インキ用バインダー及びそれを用いてなる印刷インキ組成物を提供できることが分かる。

Claims (5)

  1. ポリエステルポリオールとポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー(a)と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれるエタノールアミン類(b)及び鎖伸長剤(c)から得られるポリウレタン樹脂(A)、及びエステル系溶剤とアルコール系溶剤の混合溶剤(B)を含有する印刷インキ用バインダーであって、前記ポリウレタン樹脂(A)の水酸基価が10〜30mgKOH/gで、前記混合溶剤(B)のエステル系溶剤とアルコール系溶剤の質量比が、15/85〜50/50であり、25℃の粘度が300〜1500mPa・sである印刷インキ用バインダー。
  2. ポリエステルポリオールの数平均分子量が500〜5000で、前記ウレタンプレポリマー(a)は、前記ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートを反応させる際のイソシアネート基(NCO)とヒドロキシル基(OH)のモル比(NCO/OH)が、1.4〜3.0である請求項1に記載の印刷インキ用バインダー。
  3. 鎖伸長剤(c)が、ジアミン類、水酸基を有するジアミン類又は、グリコールである請求項1又は請求項2に記載の印刷インキ用バインダー。
  4. 前記エタノールアミン類(b)が、ジエタノールアミンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷インキ用バインダー。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷インキ用バインダーを含有する印刷インキ組成物。
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