JP6152942B2 - ラミネート用印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明はラミネート用印刷インキ組成物に関し、更に詳細には塩素を排除・低減し、各種プラスチックフィルム、特にはポリオレフィンフィルムに対し優れた接着性を有するラミネート用印刷インキ組成物に関する。
食品や日用品などの軟包装材料には、印刷インキにて印刷した印刷物にラミネート工程を施したプラスチックフィルムの積層体を用いるのが一般的である。この印刷インキに使用するバインダー樹脂としては、ポリウレタン樹脂が広く使われている。ポリウレタン樹脂は、構成するモノマーまたはポリマー分子、詳細にはポリオール、ジイソシアネート化合物、有機ジアミン等を自由に選択することができるため、硬くて強靱な塗膜から、柔らかくかつ弾性のある塗膜まで広く設計ができ、汎用性が高いためである。
従来、ポリウレタン樹脂はポリエステルフィルム、ナイロンフィルム等に対して良好な接着性を示すものの、ポリエチレンフィルムもしくはポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対しての接着性は十分とは言えなかった。そのため、特開平10−251594のように、ポリオレフィンフィルムへの接着性を補うため、塩素化ポリオレフィン樹脂が配合されてきた。
しかし、環境問題への配慮から、焼却廃棄時に有害物質であるダイオキシンの発生の恐れがある塩素を排除・低減した印刷インキが望まれ、塩素化ポリオレフィン樹脂も使用を控える動きが活発になってきた。そのため、塩素化ポリオレフィン樹脂を使用せず、非塩素系のポリオレフィン樹脂の利用や、ポリウレタン樹脂骨格の工夫を行うことにより、ポリオレフィンフィルムへの接着性向上の検討が行われている。例えば、変性ポリオレフィンを含むポリウレタン樹脂とセルロース誘導体を含む特開2006−306979号公報、プロピレン構造の主鎖を持つ重合体を含有する特開2004−002607号公報、脂環族成分を含むポリウレタン樹脂を含有する特開2009−242646号公報、さらに特定の高分子ジオールを含むポリウレタン樹脂を含有する特開2000−26782号公報である。しかし、これらのインキはトルエン等の芳香族系溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤が使用されている。
芳香族系溶剤やケトン系の溶剤は比較的溶解力が強いため印刷インキにも好んで使われてきたが、これも環境問題への配慮、さらには作業面における配慮から芳香族系溶剤やケトン系の溶剤を使わない印刷インキが望まれている。
さらに近年は、作業工程の効率化が進み、インキを印刷してから印刷物をラミネートするまでの時間が以前より短くなっており、印刷直後から高い接着性が求められる。
印刷直後から高い接着性を付与するために、ラミネート用印刷インキ以外の表刷り用印刷インキの分野では、例えば特開2012−107131号公報のように、バインダー樹脂にダンマル樹脂およびポリアミド樹脂を用いている。しかし、ラミネート用印刷インキではポリアミド樹脂は樹脂が硬すぎるため、良好なラミネート強度を発現できないため、印刷直後から接着性が良好なラミネート用印刷インキが必要とされている。
特開平10−251594号公報 特開2006−306979号公報 特開2004−002607号公報 特開2009−242646号公報 特開2000−26782号公報 特開2012−107131号公報
本発明は、印刷インキ組成物中の塩素を排除・低減し、芳香族系およびケトン系の溶剤をも含まないラミネート用印刷インキ組成物であって、各種プラスチックフィルム、特にはポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から良好な接着性および耐ブロッキング性を有するラミネート用印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記状況を鑑み鋭意検討を重ねた結果、ダンマル樹脂と、ある範囲の[NCO]/[OH]、アミン価のポリウレタン樹脂とを含有するラミネート用印刷インキ組成物は、印刷直後から良好な接着性および耐ブロッキング性を発現することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
下記(1)〜(4)を特徴とするラミネート用印刷インキ組成物に関する。
(1)ダンマル樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含有する。
(2)ポリウレタン樹脂が、ポリオールとジイソシアネート化合物とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミンと反応させてなるポリウレタン樹脂である。
(3)前記ジイソシアネート化合物のイソシアネート基と、前記ポリオールの水酸基との反応におけるモル比[NCO]/[OH]が1.5〜2.5である。
(4)ポリウレタン樹脂のアミン価が1.5〜13.0mgKOH/gである。
さらに、本発明は、
ポリウレタン樹脂(固形分換算)100重量部に対して、ダンマル樹脂(固形分換算)を0.5〜20.0重量部含有することを特徴とする上記ラミネート用印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、
印刷機を用いて、プラスチックフィルムに、上記ラミネート用印刷インキ組成物を印刷してなる印刷物に関する。
さらに、本発明は、
上記印刷物と、基材とを、接着剤を介してラミネートしてなる積層体に関する。
本発明によって、印刷インキ組成物中に塩素を含まず、芳香族系およびケトン系の溶剤をも含まないラミネート用印刷インキ組成物であって、各種プラスチックフィルム、特にはポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から良好な接着性および耐ブロッキング性を有するラミネート用印刷インキ組成物の提供が可能となった。
以下、本発明のラミネート用印刷インキ組成物について説明する。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物は、ダンマル樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含有する。ダンマル樹脂と、ある範囲に含まれるポリウレタン樹脂とを併用することで、ポリオレフィンフィルムへの接着性が、印刷直後から向上し、同時に耐ブロッキング性をも確保できる。
本発明において、ダンマル樹脂とポリウレタン樹脂との比率は、ポリウレタン樹脂(固形分換算)100重量部に対して、ダンマル樹脂(固形分換算)が0.5〜20.0重量部であることが好ましい。この範囲にあることで、ポリオレフィンフィルムへの直後の接着性および耐ブロッキング性のバランスが取りやすい。
本発明におけるダンマル樹脂は、ダマール、ダンマーとも表記され、植物由来の天然樹脂の一種である。詳細には、マレーシア、インドネシアなど東南アジアに生育するフタバガキ科またはカンラン科植物から得られる天然樹脂の一種である。使用する際には適当な有機溶剤に溶解させてワニスとする。本発明においては、メチルシクロヘキサンに溶解させる。
ダンマル樹脂は塩素を含有しないため、印刷インキ組成物に塩素化ポリオレフィン樹脂を使用する場合に比べ、塩素を排除・低減することができる。言い換えると、顔料やその他樹脂(ポリウレタン樹脂、ダンマル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂以外の樹脂)由来の塩素が含まれる場合はあるが、塩素化ポリオレフィン樹脂を使用しないことで、印刷インキ組成物中の塩素含有量を低減する事が可能となる。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、ポリオールとジイソシアネート化合物とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミンと反応させてなるポリウレタン樹脂である。これ以下、ポリオールとジイソシアネート化合物との反応をプレポリマー反応、ウレタンプレポリマーと有機ジアミンとの反応を鎖延長反応と呼ぶ。
本発明において、プレポリマー反応でのジイソシアネート化合物のイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比[NCO]/[OH]は1.5〜2.5である。[NCO]/[OH]が1.5〜2.5の範囲内であると、ポリオレフィンフィルムへの直後の接着性および耐ブロッキング性のバランスが取れ、ダンマル樹脂による接着性向上の効果が発揮される。一方、[NCO]/[OH]が1.5未満であると、ポリウレタン樹脂の皮膜が柔らか過ぎるため、耐ブロッキング性が劣る。さらに、[NCO]/[OH]が2.5以上であると、ポリウレタン樹脂の皮膜が硬くなりすぎ、ダンマル樹脂を添加しても、ダンマル樹脂による接着性向上の効果が得られない。
本発明におけるポリウレタン樹脂のアミン価は1.5〜13.0mgKOH/g、好ましくは3.0〜8.0mgKOH/gである。アミン価が1.5〜13.0mgKOH/gの範囲内であると、ポリオレフィンフィルムへの直後の接着性および耐ブロッキング性が向上する。
本発明におけるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は10000〜100000であることが好ましい。さらに好ましくは20000〜60000である。重量平均分子量が10000〜100000の範囲内であると、ポリオレフィンフィルムへの直後の接着性および耐ブロッキング性が向上する傾向にある。
ポリオールとしては各種公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトン等を用いることができ、それぞれ1種または2種以上を併用してもよい。ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物を脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類、環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類などが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体が挙げられる。ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを併用することが好ましく、さらにはポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールの比率は、ポリエステルポリオール:ポリエーテルポリオールが8:2〜5:5であることが好ましい。
ジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が代表例として挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
有機ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’ −ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの有機ジアミンは単独または2種以上を混合して用いることができるが、イソホロンジアミンが好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂の合成法は、まずプレポリマー反応としてポリオールとジイソシアネート化合物を、必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であれば触媒を用いて10〜100℃の温度で反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、鎖延長反応としてウレタンプレポリマーと有機ジアミンとを、10〜80℃で反応させる。プレポリマー反応および鎖延長反応の終点は、粘度測定、IR測定によるNCOピ−ク、滴定によるアミン価測定等により判断される。
本発明のポリウレタン樹脂に使用される溶剤は、エステル系溶剤とアルコール系溶剤の混合溶剤を含む。エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤など公知の溶剤を使用することが好ましい。
プレポリマー反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオールに対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
鎖延長反応には、反応停止剤を使用してもよい。反応停止剤としては、例えばジ−n−ブチルアミンなどのジアルキルアミン類などの他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、等の水酸基を有するアミン類も用いることができる。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
本発明におけるラミネート用印刷インキ組成物には、着色剤として無機系着色剤および有機系着色剤を使用できる。白色着色剤には、無機系着色剤である酸化チタンを使用するが、顔料表面が塩基性であるものがより好ましい。無機系着色剤として白色着色剤以外には、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などの顔料が挙げられる。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。一方、有機系着色剤としては、一般のインキ、塗料および記録剤などに使用されている有機顔料や染料を挙げることができる。例えば、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などが挙げられる。
着色剤は、印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち印刷インキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
本発明におけるラミネート用印刷インキ組成物は、樹脂、着色剤などを有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を本発明のポリウレタン樹脂組成物、必要に応じて他の化合物などを有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に本発明のポリウレタン樹脂組成物、有機溶剤、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、本発明におけるポリウレタン樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜2重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
本発明の印刷インキ組成物に使用される溶剤は、ポリウレタン樹脂組成物と同様、エステル系溶剤とアルコール系溶剤の混合溶剤を含む。エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤など公知の溶剤を使用することが好ましい。また、他の有機溶剤、例えばメチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤も含んでもよい。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキの粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
本発明における印刷インキ組成物は、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で用いることができる。好ましくは、グラビア印刷である。グラビア印刷では、印刷に適した粘度および濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
本発明の印刷インキ組成物を適用できる基材としては、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートもしくはポリ乳酸等のポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂もしくはABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙もしくはアルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状のものがあり、上記の印刷方式を用いて塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで、印刷物を得ることができる。基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどコート処理が施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
本発明の印刷インキ組成物を印刷した印刷物を、ラミネート加工を施しエージングすれば、ラミネート積層体が得られる。ラミネート加工法としては1)得られた印刷物の印刷面に、必要に応じてアンカーコート剤を塗布後、溶融樹脂を積層する押し出しラミネート法、2)接着剤を塗布後、必要に応じて乾燥させプラスチックフィルムを積層するドライラミネート法等が挙げられる。溶融樹脂としては低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用でき、接着剤としてはイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタネート系等が挙げられる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表す。
なお、水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰のアセチル化試薬にてアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070に従って行った値である。アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、測定方法は既知の方法でよく、一般的にはJIS K0070(1996年)に準じて行われる。分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。アミン価の測定方法は、下記の通りである。
[アミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
計算式1
アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S [mgKOH/g]
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、分子量2000のPPA2000(水酸基価56.1mgKOH/g)173.54部、分子量2000のPPG2000(水酸基価56.1mgKOH/g)74.37部、イソホロンジイソシアネート41.32部、2−エチルヘキサン酸スズ(II)0.03部、酢酸エチル82.5部を仕込み、窒素気流
下に90℃で3時間反応させ、末端イソシアネートプレポリマーの溶液371.76部を得た。次いでイソホロンジアミン10.03部、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン0.58部、ジ−n−ブチルアミン0.16部、酢酸エチル327.50部、イソプロピルアルコール289.97部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶液を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30.0%、重量平均分子量40000、アミン価6.0mgKOH/gのポリウレタン樹脂組成物(PU01)を得た。
[合成例2〜13]
表1の仕込み比にて、合成例1と同様の操作で、ポリウレタン樹脂組成物(PU02〜PU13)を得た。
なお合成には下記の原料を用いた。
PPA2000:ポリ(1,2−プロピレンアジペート)ジオール(数平均分子量2000)
NPG2000:ポリ(ネオペンチルアジペート)ジオール(数平均分子量2000)
PMPA2000:ポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール(数平均分子量2000)
PPG2000:ポリ(1,2−プロピレングリコール)(数平均分子量2000)
IPDI:イソホロンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDA:イソホロンジアミン
AEA:2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン
DBA:ジ−n−ブチルアミン
IPA:イソプロピルアルコール
[ダンマル樹脂溶液の調整]
一般的に市販されている天然ダンマル樹脂(固形)50部をメチルシクロヘキサン50部に溶解させて、固形分50%のダンマル樹脂溶液を得た。
[実施例1]
酸化チタン(TITONE R45M 堺化学製)30.0部、ポリウレタン樹脂組成物(PU01)10.0部、酢酸エチル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比70/30)10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂組成物(PU01)37.6部、ダンマル樹脂溶液1.4部、酢酸エチル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比70/30)11.0部を攪拌混合し、白色印刷インキ組成物(W01)を得た。さらに、この白色印刷インキ組成物100.0部に、重量比で酢酸エチル/イソプロピルアルコール=70/30の希釈溶剤を40.0部混合し、評価用の白色希釈印刷インキとした。
[実施例2〜12][比較例1〜5]
実施例1と同様の操作で、表2および表3の仕込み比にて、白色印刷インキ組成物(W02〜12及びW13〜17)を得た。また、実施例1と同様の操作で、得られた白色印刷インキ組成物100.0部に、重量比で酢酸エチル/イソプロピルアルコール=70/30の希釈溶剤を40.0部混合し、評価用の白色希釈印刷インキとした。
[接着性]
白色希釈印刷インキを、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機によるコロナ処理OPPフィルム(太閤FOR フタムラ #20)に印刷して40〜50℃で乾燥し、印刷物を得た。この印刷直後の印刷物および印刷1日後の印刷物にセロハンテープ(ニチバン製、幅12mm)を貼り付け親指で5回強く擦った後、セロハンテープを徐々に引き離し途中から、急激に引き離してインキ皮膜の剥離の程度を調べた。○△以上が実用レベルである。
○ :全く剥がれなかった。
○△:印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。
△ :印刷皮膜の50〜80%がフィルムに残った。
× :印刷皮膜の50%以下がフィルムに残った。
[耐ブロッキング性]
白色希釈印刷インキを、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機によるコロナ処理OPPフィルム(太閤FOR フタムラ #20)に印刷して40〜50℃で乾燥し、印刷物を得た。この印刷物を4cm×4cmにサンプリングし、このサンプルの印刷面と同じ大きさの未印刷フィルムの非処理面とを合わせて、50℃12時間、10kgfの加圧を行い、サンプルを剥離した時の、インキ取られ及び抵抗感を観察した。○△以上が実用レベルである。
○ :印刷物からインキの転移が全く認められなかった。
○△:印刷物からインキの転移が認められたが、面積にして10%未満であった。
△ :印刷物からインキの転移が、10%以上50%未満の面積で認められた。
× :印刷物からインキの転移が、50%以上の面積で認められた。
評価結果を表2および表3にまとめる。実施例1〜12のラミネート用印刷インキ組成物は、比較例1〜5と比較して、ポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から良好な接着性および耐ブロッキング性とを示した。特に、固形分換算のダンマル樹脂が、固形分換算のポリウレタン樹脂100重量部に対して、0.5〜20.0重量部含有するとき、より優れた接着性および耐ブロッキング性を示した。

Claims (4)

  1. 下記(1)〜(4)を特徴とするラミネート用印刷インキ組成物。
    (1)ダンマル樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含有する。
    (2)ポリウレタン樹脂が、ポリオールとジイソシアネート化合物とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミンと反応させてなるポリウレタン樹脂である
    (3)前記ジイソシアネート化合物のイソシアネート基と、前記ポリオールの水酸基との反応におけるモル比[NCO]/[OH]が1.5〜2.5である。
    (4)ポリウレタン樹脂のアミン価が1.5〜13.0mgKOH/gである。
  2. ポリウレタン樹脂(固形分換算)100重量部に対して、ダンマル樹脂(固形分換算)を0.5〜20.0重量部含有することを特徴とする請求項1記載のラミネート用印刷インキ組成物。
  3. 印刷機を用いて、プラスチックフィルムに、請求項1または2記載のラミネート用印刷インキ組成物を印刷してなる印刷物。
  4. 請求項3記載の印刷物と、基材とを、接着剤を介してラミネートしてなる積層体。
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