JP2013116936A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルエンなどの芳香族有機溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶剤を使用しないエステル/アルコール溶剤系において、優れた印刷適性を確保したポリウレタン樹脂使用の印刷インキ組成物の提供。
【解決手段】水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびポリマージオールを反応させてなる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーに、さらに有機ジアミンを反応し鎖延長してなるポリウレタン樹脂組成物であって、
ウレタンプレポリマー合成時の、イソシアネート基総量NCOと水酸基総量OHとのモル比が
2.1≦NCO/OH≦2.5
であり、さらに、
水添キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基量NCO(H)とポリマージオールの水酸基総量OHとのモル比が
0.5≦NCO(H)/OH≦1.8
であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷インキ組成物に関し、さらに詳しくは、各種プラスチックフィルム、プラスチックシートの被覆用として特に有用な、ポリウレタン樹脂使用の印刷インキ組成物に関する。
グラビア印刷、フレキソ印刷は、被印刷体に美粧性と機能性とを付与させる目的で広く用いられているが、近年、包装物の多様性や包装技術の高度化、さらには法規制面からの環境課題に対する取組みなどに伴い、印刷インキへ要求される性能は年々多様化している。加えて、先年施行された改正大気汚染防止法、PRTR法の影響で、ノントルエン化が急激に進み、トルエンを排除した系での印刷適性や皮膜物性の確保が課題となっており、業界全体で印刷効果の向上に努めてきている。
この中で、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどの様々なフィルムへの接着性を有し、残留溶剤量なども比較的少ないポリウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキが、様々な分野で台頭してきている。特にポリマージオールにポリエステルを用いるポリウレタン樹脂は、適度な極性と凝集力を有し、溶剤溶解性の確保や、耐ブロッキング性などの皮膜物性を両立しやすいため、広く用いられている。
しかし、印刷適性や印刷効果を大きく左右する溶解性と、皮膜物性とは基本的に相反する特性であり、特に近年環境面から求められる、トルエンなどの芳香族有機溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶剤を排除に対応したエステル/アルコール溶剤系においては、その両立に業界全体で苦慮している。
例えば、第3526046号公報、第3924146号公報、特開2003−206431号公報において、イソホロンジイソシアネート使用系ポリウレタン樹脂使用の印刷インキの版かぶり性を、ポリウレタン樹脂組成や合成パラメータにより向上させる手段があるが、いずれも溶解性は優れているが、排除(使用しないこと)が、望まれているメチルエチルケトンを含む系の検討に留まっている。
特開2008−266370号公報では、エステル/アルコール系におけるイソホロンジイソシアネート使用系ポリウレタン樹脂使用の印刷インキの実施例があるが、印刷適性に課題がある。さらに実施の場合、NCO/OHのモル比が低いため、耐ブロッキング性や耐アルカリ性にも課題がある。
特許第3526046号公報 特許第3924146号公報 特開2003−206431号公報 特開2008−266370号公報
本発明は、トルエンなどの芳香族有機溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶剤を使用しないエステル/アルコール溶剤系において、優れた印刷適性を確保したポリウレタン樹脂使用の印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記状況を鑑み鋭意検討を重ねた結果、イソホロンジイソシアネート併用下で水添キシリレンジイソシアネートを一定量含有し、かつ合成パラメータを制御したポリウレタン樹脂を用いることで、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶剤を排除に対応したエステル/アルコール溶剤系において、優れた印刷適性を確保したポリウレタン樹脂を用いてなる印刷インキの設計を可能とすることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびポリマージオールを反応させてなる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーに、さらに有機ジアミンを反応し鎖延長してなるポリウレタン樹脂組成物であって、
ウレタンプレポリマー合成時の、イソシアネート基総量NCOと水酸基総量OHとのモル比が
2.1≦NCO/OH≦2.5
であり、さらに、
水添キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基量NCO(H)とポリマージオールの水酸基総量OHとのモル比が
0.5≦NCO(H)/OH≦1.8
であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物に関するものである。
また、本発明は、
ポリマージオールが、ポリエステルジオールおよびポリエーテルジオールであり、ポリマージオール中のポリエステルジオールの重量比が、
60重量%以上90重量%以下
であることを特徴とする上記のポリウレタン樹脂組成物に関するものである。
さらに、本発明は
上記のポリウレタン樹脂組成物を含有する印刷インキ組成物である。
本発明は、トルエンなどの芳香族有機溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶剤を使用しないエステル/アルコール溶剤系において、優れた印刷適性を確保したポリウレタン樹脂使用の印刷インキ組成物を提供することを可能とする。
まず、本発明の印刷インキ用ワニスおよび該印刷インキ用ワニスを用いてなる印刷インキ組成物について説明する。
本発明の印刷インキ用ワニスは、ポリウレタン樹脂をメインバインダーとする。ポリウレタン樹脂はその柔軟性や低結晶性から、熱履歴での応力緩和能を持つことによる積層物における作成時の加工適性、レトルト処理などでの後加工適性に優れ、皮膜の残留溶剤を低減でき、極性の高い溶媒に優れた溶解性を有する。
本発明の印刷インキ用ワニスに用いられるポリウレタン樹脂の合成法は、ポリマージオールとポリイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒を用いて10〜150℃の温度で反応させ、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーに鎖延長剤、末端停止剤を反応させてポリウレタン樹脂を得るプレポリマー法、あるいは、ポリマージオールとポリイソシアネートと鎖延長剤を一段で反応させてポリウレタン樹脂を得るワンショット法など公知の方法により製造することが出来る。また、鎖延長剤は、ポリマージオールとともにポリイソシアネートとウレタン化反応で使用することもできる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂の中間体であるプレポリマーを製造するに当たり、ポリマージオールを含むポリオールとポリイソシアネートとの量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基のmol数とポリオール化合物の水酸基のmol数との比であるNCO/OH比を2.1〜2.5の範囲とする。この比が2.1より小さいときは十分な耐ブロッキング性、耐アルカリ性が得られない傾向があり、また、2.5より大きい場合には得られるプレポリマーやポリウレタン樹脂の溶解性が低下する傾向が認められる。
本発明は、該ポリイソシアネートとして、水添キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートを使用することを特徴とする。
建装材用インキなど耐侯性などが必要な場合、あるいはラミネート用インキにおいてレトルト用途を包含するような汎用性を持たせることが必要な場合などに、無黄変グレードのポリイソシアネートが選択されるが、このうち脂環族ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートは、最も用いられるポリイソシアネートである。イソホロンジイソシアネートは、無黄変である以外に、その脂環構造と3つのメチル基の嵩高さから、分子鎖と皮膜物性を剛直としつつ低い結晶性を付与、さらに2つの異なる構造およびそこからくる反応性を有するイソシアネート基により、反応安定性など付与するため、印刷インキにとって比較的良好な、溶解性と皮膜物性を確保させることができる。
一方、水添キシリレンジイソシアネートは、同じく脂環族ジイソシアネートであるが、環構造に直に結合したイソシアネート基が無く、2つのイソシアネート基がいずれもメチレン基を介しているため、得られるポリウレタン樹脂はイソホロンジイソシアネートより結晶性が下がるため、溶解性が優れるが、皮膜物性が若干脆弱になる。また、水添キシリレンジイソシアネートとは、キシリレンジイソシアネートのベンゼン環を水素添加してシクロヘキサン環としたもので、ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、H6XDI、(H)XDIなどとも表記される。
本発明のように、水添キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートの併用を行うことで、水添キシリレンジイソシアネートによる溶解性と柔軟な皮膜物性の確保、イソホロンジイソシアネートもよる剛直な皮膜物性を両立できる。
本発明のポリウレタン樹脂における水添キシリレンジイソシアネートの配合比率は、水添キシリレンジイソシアネートのmol数をNCO(H)とした場合、ポリマージオールを含むポリオール化合物の水酸基のmol数OHとの比であるNCO(H)/OH比が0.5から1.8の範囲とする。この比が0.5より小さい場合は、水添キシリレンジイソシアネート起因の溶解性や柔軟性が発現しにくくなり、1.8より大きい場合は、急激に柔軟性が低下する。
本発明のポリウレタン樹脂の合成における、水添キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートの導入方法は、ポリオールや触媒、さらに必要に応じて有機溶媒と前後して一括仕込みし昇温して反応させる方法、一部を分割して反応後、添加する2段反応とする方法どちらでも実施できる。
さらに、水添キシリレンジイソシアネートをウレア結合リッチサイドに分布させるのではなく、イソホロンジイソシアネートを分布させることがより好ましい。分布させる手法としては、本発明において2.1≦NCO/OH≦2.5であるウレア結合の多いポリウレタン樹脂の場合、一括仕込みとイソホロンジイソシアネートを2段目とする方法を取ることができる。実験事実からは、一括仕込みとイソホロンジイソシアネートを2段目とする方法は類似した性能を示すのに対し、水添キシリレンジイソシアネートを2段目とする方法は、耐ブロッキング性や、OPP/イミン、PET/イミンの押出しラミネート強度が劣る傾向がある。そのため、一括仕込みでも両者の反応性差を利用して、選択的に分布させることが可能であると予想できる。
本発明のポリウレタン樹脂に用いられるポリエステルジオールは、末端および/側鎖にヒドロキシル基を含有するポリエステルポリオールのことで、グリコールやポリオールらのヒドロキシル基含有化合物と多価カルボン酸、あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られる。本発明において、より具体的にはヒドロキシル基を2個含有する化合物と2価のカルボン酸からなるポリエステルジオールが好ましい。
本発明におけるポリエステルジオールに用いるヒドロキシル基含有化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,9−ノナンンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブチンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールが挙げられる。また、高分子量のヒドロキシル基含有化合物として、飽和または不飽和の低分子ポリオール類(2)や、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルジオール類(3)等もポリエステルジオールの原料として併用することができる。
本発明におけるポリエステルジオールに用いる多価カルボン酸モノマーとしては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物(4)が挙げられる。この中で、ノントルエン系溶剤への溶解性などからアジピン酸を用いることが好ましい。
なお、本発明に用いるポリエステルジオールのヒドロキシル基含有化合物と多価カルボン酸モノマーにおける重量%は、仕込み時のモノマーの比率とする(ここでのモノマーは、ポリエステルの原料の意味で、高分子量のヒドロキシル基含有化合物も含む。)。実際には、モノマーや形成されるオリゴマーの揮発しやすさにより、製造時の減圧工程で失われる度合いがモノマー種で異なるため、仕込み比率と仕上がり組成は若干異なると考えられる。
また、本発明では、前記飽和または不飽和の低分子ポリオール類(1)、および/または飽和または不飽和の高分子ポリオール類(2)、および/または前記重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(3)のヒドロキシル基含有モノマーと、前記多価カルボン酸あるいはこれらの無水物(4)とを反応せしめて得られるポリエステルを併用することもできる。
本発明に用いるポリエステルジオールの数平均分子量は、得られるポリウレタン樹脂の溶解性、乾燥性、耐ブロッキング性等を考慮して適宜決定され、通常は700〜100000、好ましくは1000〜6000の範囲内とするのがよい。該数平均分子量が700未満であればハードセグメントの量が多くなることによる溶解性の低下に伴い印刷適性が劣る傾向があり、他方100000を越えるとハードセグメントの割合が少なくなり、乾燥性及び耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
本発明に用いるポリエステルジオールの酸価は1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.5mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が1.0mgKOH/gより大きいと、ポリウレタン樹脂を含む印刷インキ用ワニスや印刷インキ組成物の増粘の傾向が大きくなるためである。
ポリエステルジオールは、一般に他の高分子ポリオールよりも耐ブロッキング性やボイル適性に優れるので、ポリエステルジオール合計で、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールからなるポリマージオール中の60重量%から90重量%以上用いることが好ましい。60重量%より少ないと耐ブロッキング性などの皮膜物性が劣り、90重量%より多いとポリエーテルジオールの割合が減少することで、アルコール溶解性が確保できなくなる。
さらに、前記重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(3)は多くのポリウレタンに使用されており、特にポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールは、水やアルコールへの溶解性が優れるため、ポリエステル系ポリウレタンに別の溶剤溶解性を付与することができるため、多くの用途の場合、併用することが好ましい。特にポリプロピレングリコールは、アルコール溶解性を付与できるため、本発明ではポリエステルと併用することが好ましい。これらの特性を発現させるために、ポリエーテルポリオール分子量は700〜3000、ポリオール中の40重量%以下とすることが好ましい。40重量%より多いと、皮膜の耐水性が低下してしまう。
さらに、トリエチレングリコール、ヒドロキシル基を2個以上有するグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの3価以上の低分子ポリオールをウレタンモノマーとして使用、さらに各種ポリマーポリオールの原料に使用することも可能である。
本発明における鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’ −ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端停止剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としては例えば、1級、2級のアミノ基を有する化合物、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や水酸基を有するアミノアルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。この中で、1級、2級のアミノ基を有するアミノアルコール類は、末端停止剤として用いる場合、高温での反応を避けて、アミノ基のみ反応するよう制御する必要がある。これらの末端停止剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。ここで、鎖延長剤にアミノ基を用いる場合、イソシアネート基と反応してウレア結合を形成するため、得られる樹脂はポリウレタン/ウレア樹脂になるが、本発明においては、これらの樹脂もポリウレタン樹脂とする。
また、反応には溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロルベンゼン、パークレンなどのハロゲン系炭化水素などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上混合し混合溶媒として用いることもできる。
さらに、このウレタン化反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオールに対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと鎖延長剤であるジオール、ジアミン、トリオールなどとを10〜80℃で反応させ、末端に活性水素基を含有する高分子量のポリウレタン樹脂が得られる。
末端停止剤を用いるときには、末端停止剤と鎖延長剤とを一緒に使用して鎖延長反応を行ってもよく、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に末端停止剤を単独に添加して末端停止反応を行ってもよい。一方、末端停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
末端停止剤は分子量をコントロールするために用いられる。使用量が多くなると得られるポリウレタン樹脂の分子量は低くなる。これは鎖延長剤と末端停止剤のプレポリマーに対する反応性により変化するが、一般的に、末端停止剤のアミノ基や水酸基のmol数に対する鎖延長剤のアミノ基や水酸基のmol数の比は0.5〜5.0の範囲が好ましい。この比が5.0を越える場合には高分子量化するためドライラミネート適性が悪くなる傾向があり、0.5未満の場合には分子量ならびに初期接着力が低下する傾向が認められる。
また、プレポリマー中のイソシアネート基の当量に対する鎖延長剤および末端停止剤のアミノ基と水酸基の合計のmol数の比は1.0〜2.0、好ましくは1.0〜1.2の範囲となるようにして反応させる。この比が大きく鎖延長剤または末端停止剤の使用量が多い場合にはこれらが未反応のまま残存し、臭気が残りやすくなる傾向がある。
本発明の印刷インキ用ワニスをなすポリウレタン樹脂組成物は、重量平均分子量が20000から100000であることが好ましい。20000より小さいと、印刷物における耐ブロッキング性と耐溶剤性の確保が難しく、100000より大きいと、本発明におけるエステル溶剤/アルコール溶剤系にへの溶解性が劣ることから印刷効果の確保が難しい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、アミン価が0.5から20.0mgKOH/gであるポリウレタンであることが好ましい。アミン価が0.5より低いと、ポリオレフィン系フィルムへの接着性の確保が難しく、20.0より大きいと、イソシアネート系硬化剤を添加した際のインキ安定性の確保が難しい。
本発明の印刷インキ組成物には、着色剤として白色着色剤及び有色着色剤を使用できる。白色着色剤として使用する酸化チタンは、特に限定されるものではないが、顔料表面が塩基性であるものがより好ましい。白以外の無機顔料としては、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などの顔料が挙げられる。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。有色系着色剤としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。併用できる有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニンを用いることが好ましい。
着色剤は、印刷インキ組成物の濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち印刷インキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
本発明の印刷インキ組成物に使用される溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系溶剤を除いた、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤など公知の溶剤を使用することが好ましい。近年、作業環境の観点からトルエン、キシレンといった芳香族有機溶剤や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系溶剤を排除する要望があり、本発明の印刷インキ組成物およびポリウレタン樹脂では、これを排除しエステル系溶剤/アルコール系溶剤主体などでインキ設計することも可能である。また、ポリウレタン樹脂ワニスの溶剤成分もこの中から適宜選択できる。
本発明の印刷インキ組成物は、樹脂、着色剤などを有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を本発明のポリウレタン樹脂、必要に応じて他の化合物などを有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に本発明のポリウレタン樹脂、有機溶剤、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、本発明のポリウレタン樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜2重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキの粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
本発明の印刷インキは、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で用いることができる。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
本発明の印刷インキ組成物を適用できる基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状もしくはシート状のものがあり、上記の印刷方式を用いて塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで、印刷物を得ることができる。基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどコート処理が施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表し、表中のwt%は重量%を表す。
なお、水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070に従って行った値である。
酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、測定方法は既知の方法でよく、一般的にはJIS K0070(1996年)に準じて行われる。
分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定方法は、下記の通りである。
[アミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
[ポリエステル合成例1]
攪拌機、温度計、分水器および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下MPDと略す)48.721部、アジピン酸51.277部、テトラブチルチタネート0.002部を仕込み、窒素気流下に230℃で縮合により生じる水を除去しながらエステル化を8時間行った。ポリエステルの酸価が15以下になったことを確認後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げ反応を終了した。これにより水酸基価56.1mgKOH/g(水酸基価から算出される数平均分子量2000)、酸価0.3mgKOH/gのポリエステルジオ−ル(PMPA2000)を得た。
[ポリエステル合成例2]
攪拌機、温度計、分水器および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、1,6−ヘキサンジオール(以下1,6−HDと略す)48.721部、アジピン酸51.277部、テトラブチルチタネート0.002部を仕込み、窒素気流下に230℃で縮合により生じる水を除去しながらエステル化を8時間行った。ポリエステルの酸価が15以下になったことを確認後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げ反応を終了した。これにより水酸基価56.1mgKOH/g(水酸基価から算出される数平均分子量2000)、酸価0.3mgKOH/gのポリエステルジオ−ル(PHA2000)を得た。
表1にポリエステル合成例1、2の処方量および物性を示す。
Figure 2013116936
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、PMPA2000 15.973部、分子量2000のポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g)6.846部、イソホロンジイソシアネート2.663部、水添キシリレンジイソシアネート2.327部、2−エチルヘキサン酸スズ(II)0.003部、酢酸エチル7.500部を仕込み、窒素気流下に90℃で3時間反応させ、酢酸エチル7.500部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.811部を得た。次いでイソホロンジアミン2.094部、ジ−n−ブチルアミン0.097部、イソプロピルアルコール28.000部、酢酸エチル27.000部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液42.811部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30.0%、重量平均分子量30000、アミン価4.0mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂溶液(PU01)を得た。
[合成例2〜10、13、14、18〜23]
表2、3の仕込み比にて、合成例1と同様の操作で、ポリウレタン樹脂溶液(PU02〜10、13、14、18〜23)を得た。
[合成例11]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、PMPA2000 15.529部、分子量2000のポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g)6.655部、イソホロンジイソシアネート2.835部、2−エチルヘキサン酸スズ(II)0.003部、酢酸エチル7.500部を仕込み、窒素気流下に90℃で1.5時間反応させ、50℃まで冷却後、水添キシリレンジイソシアネート2.477部を加え、さらに窒素気流下に90℃で1.5時間反応し、酢酸エチル7.500部を加え冷却して、末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.500部を得た。次いでイソホロンジアミン2.391部、ジn−ブチルアミン0.112部、イソプロピルアルコール28.000部、酢酸エチル27.000部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液42.500部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30.0%、重量平均分子量30000、アミン価4.0mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂溶液(PU011)を得た。
[合成例12]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、PMPA2000 15.529部、分子量2000のポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g)6.655部、水添キシリレンジイソシアネート2.477部、2−エチルヘキサン酸スズ(II)0.003部、酢酸エチル7.500部を仕込み、窒素気流下に90℃で1.5時間反応させ、50℃まで冷却後、イソホロンジイソシアネート2.835を加え、さらに窒素気流下に90℃で1.5時間反応し、酢酸エチル7.500部を加え冷却して、末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.500部を得た。次いでイソホロンジアミン2.391部、ジn−ブチルアミン0.112部、イソプロピルアルコール28.000部、酢酸エチル27.000部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液42.500部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30.0%、重量平均分子量30000、アミン価4.0mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂溶液(PU012)を得た。
[合成例15]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、PMPA2000 16.075部、分子量2000のポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g)6.889部、イソホロンジイソシアネート1.021部、水添キシリレンジイソシアネート4.237部、2−エチルヘキサン酸スズ(II)0.003部、酢酸エチル7.500部を仕込み、窒素気流下に90℃で3時間反応させ、酢酸エチル7.500部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液43.224部を得た。次いでイソホロンジアミン1.779部、イソプロピルアルコール28.000部、酢酸エチル27.000部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液43.224部へ室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30.0%、重量平均分子量30000、アミン価0mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂溶液(PU15)を得た。
[合成例16、17]
表3の仕込み比にて、合成例15と同様の操作で、ポリウレタン樹脂溶液(PU16、17)を得た。
なお合成には下記の原料を用いた。
PPG2000:ポリ(1,2−プロピレングリコール)(数平均分子量2000)
IPDI:イソホロンジイソシアネート
H6XDI:水添キシリレンジイソシアネート
XDI:キシリレンジイソシアネート
H12MDI:水添ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDA:イソホロンジアミン
DBA:ジ−n−ブチルアミン
Figure 2013116936
Figure 2013116936
[実施例1]
チタニックスJR−805(テイカ社製)30.0部、ポリウレタン樹脂溶液(PU01)10.0部、酢酸エチル10.0部、エチルアルコール10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(PU01)40.0部、酢酸エチル5.0部、エタノール5.0部を攪拌混合し白色印刷インキ(W01)を得た。得られた白色印刷インキ(W01)100部に、W01と同一溶剤組成である酢酸エチル/エタノール混合溶剤(重量比50/50)50部を希釈溶剤として添加混合し、白色希釈印刷インキ(WD01)を得た。
[実施例2〜12][比較例1〜11]
表4、5記載のポリウレタン樹脂溶液を用いて、実施例1と同様の操作で、白色印刷インキ(W02〜23)、白色希釈印刷インキ(WD02〜23)を得た。
[実施例13]
銅フタロシアニン藍12.0部、ポリウレタン樹脂溶液(PU01)20.0部、酢酸エチル5.0、エタノール5.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(PU01)20.0部、酢酸エチル19.0、エタノール19.0部を攪拌混合し、藍色印刷インキ(C01)を得た。得られた藍色印刷インキ(C01)100部に、C01と同一溶剤組成である酢酸エチル/エタノール混合溶剤(重量比50/50)50部を希釈溶剤として添加混合し、藍色希釈印刷インキ(CD01)を得た。
[実施例14〜24][比較例12〜22]
表6、7記載のポリウレタン樹脂溶液を用いて、実施例13と同様の操作で、藍色印刷インキ(C02〜23)、藍色希釈印刷インキ(CD02〜23)を得た。
各印刷インキの評価は、下記のように行った。
[洗版性]
印刷インキをバラード版に塗布し、風乾させた後、希釈溶剤をかけ流し、印刷インキ皮膜の溶け具合を目視判定した。
◎ :全て溶解した。
○ :わずかな溶け残りが認められた。これ以上実用レベルである。
△ :10%以上30%以下の溶け残りが認められた。
× :30%以上の溶け残りが認められた。
××:ほとんど溶解しなかった。
[版かぶり性]
NBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴム硬度80Hsの圧胴、刃先の厚みが60μm(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)のセラミックメッキドクターブレード、東洋プリプレス株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(スタイラス角度120度、色インキ用:250線/inch、白インキ用:200線/inch)、および実施例1−24および比較例1−22で得られた希釈印刷インキを富士機械工業株式会社製グラビア印刷機にセットしドクター圧2kg/cm2、100m/分の回転速度で版を60分行った後、片面コロナ処理OPPフィルム「パイレンP−2161(東洋紡績株式会社製)」のコロナ処理面に、印刷速度100m/分で印圧2kg/cm2、60℃の熱風で乾燥し、印刷物を得た。この印刷物を黒色または白色の紙の上に貼り、余白部分(非画線部)に付着したインキの量を以下の基準で目視評価した。
○ :非画像部にインキの転移が全く認められなかった。
○△:非画像部にインキの転移が僅かに認められ、これ以上実用レベルである。
△ :非画像部の小面積にインキの転移が認められた。
△×:非画像部の大面積にインキの転移が認められた。
× :非画像部全面にインキの転移が認められた。
[耐ブロッキング性]
版かぶり性試験で得た印刷物を4cm×4cmにサンプリングし、このサンプルの印刷面と同じ大きさの未印刷フィルムの非処理面とを合わせて、40℃12時間、10kgfの加圧を行い、サンプルを剥離した時の、インキ取られと抵抗感とを観察した。
◎ :印刷物からインキの転移が全く認められず、剥離時の抵抗感もなかった。
○ :印刷物からインキの転移が全く認められなかった。これ以上が実用レベルであ る。
△ :印刷物からインキの転移がわずかに認められた。
△×:印刷物からインキの転移が、面積にして50%程度認められた。
× :印刷物からインキの転移が、ほとんどの面積で認められた。
[ELラミネート強度]
版かぶり性試験の印刷条件で、片面コロナ処理で厚み20μmのポリプロピレン(以下OPP)フィルム「パイレンP−2161(東洋紡績株式会社製)」、片面コロナ処理で厚み12μmのポリエチレンテレフタレート(以下PET)フィルム「東洋紡エステルフィルムE5100(東洋紡績株式会社製)」、片面コロナ処理で厚み15μmのナイロン(以下NY)フィルム「エンブレムON−RT」を基材とした印刷物を得て、OPPフィルム、PETフィルムの印刷物へはポリエチレンイミン系アンカーコート剤「オリバインEL−420」(東洋モートン株式会社製、商品名)、NYフィルムには、ポリイソシアネート系アンカーコート剤「EL−540およびCAT−RT82」(東洋モートン株式会社製、商品名)を塗布し、塗布面上にシーラントとして低密度ポリエチレン「ノバテックLC600」(日本ポリケム株式会社製、商品名)の溶融温度を315℃にて押し出し、それぞれの温度におけるラミネート加工物を得た。低密度ポリエチレンの溶融温度は、押し出しラミネート機のTダイ直下における温度を接触式温度計(安立計器株式会社製HL−100)にて測定した。概ラミネート加工物におけるインキ部を巾15mmで裁断し、インキ面と溶融樹脂層の層間で剥離させた後、剥離強度をインテスコ製201万能引張り試験機にて剥離強度の測定を行った。なお、OPP/イミン構成、PET/イミン構成では1.5N/15mm以上、NY/イソシア構成では2.0N/15mm以上を実用レベルとする。
評価結果を表4〜7に示す。。実施例1〜24の印刷インキは、比較例1〜22の印刷インキと比較して優れた印刷適性を示し、かつ耐ブロッキング性やラミネート適性を有し、優れた印刷インキを提供することができる。
Figure 2013116936
Figure 2013116936
Figure 2013116936
Figure 2013116936

Claims (3)

  1. 水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびポリマージオールを反応させてなる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーに、さらに有機ジアミンを反応し鎖延長してなるポリウレタン樹脂組成物であって、
    ウレタンプレポリマー合成時の、イソシアネート基総量NCOと水酸基総量OHとのモル比が
    2.1≦NCO/OH≦2.5
    であり、さらに、
    水添キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基量NCO(H)とポリマージオールの水酸基総量OHとのモル比が
    0.5≦NCO(H)/OH≦1.8
    であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
  2. ポリマージオールが、ポリエステルジオールおよびポリエーテルジオールであり、ポリマージオール中のポリエステルジオールの重量比が、
    60重量%以上90重量%以下
    であることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載のポリウレタン樹脂組成物を含有する印刷インキ組成物。
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