JP2009155580A - 溶剤回収再利用型印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた印刷適性を示し、かつ回収溶剤を容易に調整して再利用できる、印刷インキと希釈溶剤を提供し、溶剤回収再利用型印刷インキ用混合溶剤の選択方法を提供することにある。
【解決手段】有機溶剤2成分からなる混合溶剤を含有し、該混合溶剤が限定された蒸発時間と溶解性パラメータを有する溶剤回収再利用型印刷インキは、優れた印刷適性を有し、従来インキと比較して回収溶剤を容易に成分調整して再利用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶剤回収再利用型印刷インキ組成物に関し、さらに詳しくは、各種プラスチックフィルム、プラスチックシートまたは合成樹脂成形品の被覆用として特に有用な溶剤回収再利用型印刷インキ用組成物に関し、溶剤回収再利用型印刷インキ用混合溶剤の選択方法に関する。
近年、自然環境の破壊成層圏におけるオゾン層の破壊、低層圏における酸性雨による農産物への打撃や森林資源の破壊、光化学オキシダントによる人体への悪影響等の大気汚染に関する問題が深刻になってきている。そのため、これを防止するためのPRTR法の施行、悪臭防止法の規制強化、京都議定書の二酸化炭素排出量の削減、大気汚染防止法、埼玉県生活環境保全条例など、大気環境保全に関する法律も年々厳しくなっている。特に、有機溶剤を大量に使用し放出しているグラビア印刷業界では、これらの問題を解決する一つの手段として、溶剤回収−再利用への関心が高まっている(非特許文献1〜3)。
実際、ラミネート接着剤や出版グラビア印刷の分野では溶剤種を単一組成に設計し、揮発溶剤を回収して再利用することが既に行われている。これは、単一溶剤組成であれば、回収溶剤も単一組成で得られるため、接着剤やインキやこれらの希釈溶剤として容易に再利用できるためである。
一方、その他の用途のグラビア印刷(ラミネート用、表刷り用、紙用、アルミ用印刷)では、用途に応じて様々なインキが使用され、使用樹脂の溶解性や乾燥速度調整などの点から溶剤種も複数になってしまう。そのため、これらの従来の印刷インキ、希釈溶剤を用いると、回収溶剤は多成分となるため、溶剤を再利用するために、単一溶剤に分離するか、目的の組成の溶剤を配合する必要があった。
単一溶剤への分離方法としては、第一に蒸留が挙げられるが、莫大なイニシャルコスト、ランニングコストを必要とする。その上、結局蒸留にかかるエネルギーを多量に必要とするために、石油資源を多量に消費して二酸化炭素を多量に排出してしまうことで、むしろ、再利用によるコスト削減にも環境対応にもならないことが問題となっていた。また、成分調整をして再利用する場合、多成分だと目的とする混合溶剤を得るために新規溶剤を多量に添加する必要があり、効率的ではない(特許文献1)。
さらに、これまでグラビアインキ中の溶剤成分は、4ないし8種類で設計されることが多く、その選択や配合比については実際の印刷効果、印刷適性に基づくノウハウで行なわれてきた。数値で区切られるような明確な溶剤選択方法は存在しないか、もしくは経験的に選択されていたに過ぎなかった。例えば、非特許文献4において「最新の包装用グラビアインキの技術的アプローチ(5)プラスチックフィルム表刷用グラビアインキの最近の動向」の71ページ表3に各種有機溶剤の比蒸発速度や溶解度パラメーターを初め各種パラメータについて列挙されているが、70ページ本文に「溶剤としては、ポリアミド樹脂の溶解のため、炭化水素系、アルコール系溶剤を、硝化綿の溶解のため、エステル系溶剤を使用したいわゆる三成分系の混合溶剤型となっている。」とあるように、実際にパラメータを意識した溶剤成分の設計は行なわれていない。また、非特許文献5において「特集軟包装グラビアの世界 インキのノントルエン化」の11ページ表5に各種有機溶剤の比蒸発速度が記載されてはいるが、11ページ「ノントルエン化の技術的課題」の段落に記載があるように、特にパラメータを意識した溶剤成分の設計は行なわれていない。
特開平07−247456号公報 安田秀樹、日本印刷学会誌、Vol.43、No.6、404-410(2006) 千本雅士、日本印刷学会誌、Vol.44、No.1、8-14(2007) 社団法人 産業環境管理協会 平成17年度経済産業省委託調査報告書 「環境負荷物質対策調査(揮発性有機化合物(VOC)排出抑制対策技術 調査)報告書」平成18年3月 高丸博次、コンバーテック、1989年、5月号、67-77 高野真主実、印刷雑誌、Vol.84、No.6、9-16 (2001)
優れた印刷適性を示し、かつ回収溶剤を容易に調整して再利用できる、印刷インキと希釈溶剤を提供し、溶剤回収再利用型印刷インキ用混合溶剤の選択方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の実状を鑑み鋭意検討を重ねた結果、有機溶剤2成分からなる混合溶剤を含有し、該混合溶剤が限定された蒸発時間と溶解性パラメータを有する溶剤回収再利用型印刷インキは、優れた印刷適性を有し、従来インキと比較して回収溶剤を容易に成分調整して再利用できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、溶剤回収再利用型印刷インキ組成物の溶剤(揮発成分)を選択する方法において、該溶剤(揮発成分)を2種類の有機溶剤の混合溶剤とし、該混合溶剤の選定方法として、混合溶剤の25℃における90重量%蒸発時間が140から240秒であり、さらに溶解性パラメータが9.0から10.4である混合溶剤を選択することを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ用混合溶剤の選択方法に関するものである。
さらに、上記の選択方法によって選択された混合溶剤が、その揮発成分中の90重量%以上を占めることを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物に関するものである。
また、高分子ポリオールおよびポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が好ましく、さらに、ポリウレタン樹脂が鎖延長剤および末端停止剤を用いてなることを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が好ましい。
さらに、高分子ポリオールの50重量%以上がポリエステルポリオールであることを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が好ましい。
次に、窒素分11.5〜12.5%、平均重合度30〜150の硝酸セルロースを含有することを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が好ましい。
また、水酸基を有する塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーを含有することを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が好ましい。
さらに、塩素化度が25〜45重量%であり、かつ重量平均分子量5000〜30000である塩素化ポリプロピレンを含有することを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が好ましい。
また、溶剤回収再利用型印刷インキ組成物中の有機溶剤と同一の組成であることを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ用希釈溶剤に関するものである。
さらに、本発明は上記の印刷インキ組成物を含有したことを特徴とする被覆物およびさらに複数の塗工、積層または圧着工程を経て得られることを特徴とするラミネート積層物に関するものである。
本発明が提供する溶剤回収再利用型印刷インキは、従来のインキと比較して優れた印刷適性を示し、かつ回収溶剤を容易に調整して再利用できる。
本発明における溶剤回収再利用とは、1台あるいは複数台の印刷機から印刷乾燥工程にて生じる揮発した溶剤を、溶剤蒸気と共存する空気から分離する方法、すなわち凝縮法、圧縮法、吸収法、吸着法を用いて回収し、得られた溶剤(回収溶剤)は必要に応じて、含有されている個々の溶剤比を調整して、印刷インキの原料や希釈溶剤として再利用する方法である。
溶剤回収の方法は、溶剤蒸気の組成、物理的性質、化学的性質、濃度、発生量(処理量)、含まれる不純物、希望する回収率、回収溶剤の特性などを考慮して選択することができる。この中で、回収率などを含めたコスト面から、吸着剤を用いたガス吸着での方法が好ましく、一般的に用いられている。吸着剤に吸着質として捕集された溶剤は、空気、窒素をはじめとした不活性ガス、水蒸気などの加熱ガスの導入で脱着された後、冷却され液化される。
回収溶剤は必要に応じて、ポリイミド膜などの高分子膜やセラミック膜やゼオライト膜を用いた膜分離や、シリカゲルなどを用いた吸着や、比重差や、蒸留によって、水分を除去することができる。
本発明の90重量%蒸発時間とは、25℃、相対湿度0%において90重量%の溶剤が蒸発するまでの時間のことであり、具体的にはASTM D3539の測定に基づいている。
本発明の90重量%蒸発時間の値は、ShellChemical社製の溶剤シミュレーションソフト「BlendPro5.0」により算出することができる。同ソフトでは、蒸発時間として、Single Evaporation TimeとEvaporation Timeの2種類が算出できるが、Single Evaporation Timeは混合物の構成比を確保しながら蒸発した場合の時間、Evaporation Timeは構成比が変化しながら蒸発した場合の時間を表すため、より実際に即した数値であると考えられるEvaporation Timeを採用し、この値を記載した(表1、実施例)。
グラビア印刷、フレキソ印刷などの印刷物においては美粧性が求められるため、ハイライト部の着肉性およびその再現性は、印刷インキの性能として重要である。ハイライト部の着肉性は、印刷速度にも左右されるが、溶剤の乾燥速度により制御することができるため、90重量%蒸発時間が140秒以上であることが好ましく、180秒以上であることが好ましい。一方、90重量%蒸発時間が遅いと、圧胴汚れや印刷機でのガイドロール取られあるいは巻取り印刷物のブロッキングや印刷物への残留溶剤量の増大するため、240秒以下が好ましく、230秒以下がさらに好ましい。
溶解性パラメータは、溶解度パラメータとも、SP値とも呼ばれ、蒸発潜熱法(Hildebrand法)、蒸気圧法(Hoy法)、溶解法、湿潤法、表面張力法など実測により求めることもできる。しかし、一般に混合溶剤を設計する場合は、文献から構成する単一溶剤の値を引用して、計算によりその混合溶剤の値を算出することが多い。こうして得られた値から、設計する混合溶剤の特性を予測することで実験すること無く有効なデータをして用いられている。
溶解性パラメータは、Hildebrandにより、25℃での1cm3の液体において蒸発するのに必要なエネルギーの密度の平方根として定義された、溶解性パラメータδHSPのことであり、下記の式により導かれる。
δHSP=(ΔEV/VM1/2…(式1)
ΔEV=蒸発エネルギー
M=分子容
Hildebrandの研究は炭化水素溶剤を中心に行われていたが、Crowley、Teague、Loweにより、アルコール、ケトン、エステル、グリコールエーテルといった極性溶剤については、極性力、水素結合力の影響が大きいとされ、現在では、Hildebrandの溶解性パラメータを、分散力、極性力、水素結合力の3成分のパラメータ、δd、δp、δhから形成されるとしたHansenのシステムなどにより、広範囲の溶剤に適応できる考え方になっている。
混合溶剤の溶解性パラメータの計算方法は、各成分毎にSmallの式
δ=Σ(モル分率×分子容*δ)/Σ(モル分率×分子容)…(式2)
により計算することができ、これらの合成は、
δ=(δd 2+δp 2+δh 21/2…(式3)
で行うことができる。
本発明における溶解性パラメータは、Hansenのシステムと類似したNelson、Hemwall、Edwardsのシステムを採用したShellChemical社製の溶剤シミュレーションソフト「BlendPro5.0」により混合溶剤の溶解性パラメータを算出した(表1、実施例)。なお、文献値から引用した単一溶剤のパラメータから、(式2)(式3)を用いて算出した値もほぼ一致した値を示した。
一方、グラビアインキ、フレキソインキの中で最も大きな物量を有しているフィルムラミネート用途では、要求される諸物性からメインバインダーとしてポリウレタン樹脂が使用されることが多くなっている。ポリウレタン樹脂をメインバインダーとしてたインキは、ノントルエン溶剤への優れた溶解性や残留溶剤量の少なさから、用途が拡大している。ポリウレタン樹脂は、高分子ポリオールなどに起因するソフトセグメントと、ウレタン結合・ウレア結合に起因するハードセグメントと大きく性質が異なる部分で構成するため、溶解性パラメータを1つ挙げて議論することは難しいと考える。そこで、重量面で大きな割合を占めているソフトセグメントのうち、溶解性やフィルム接着性などから好んで選択される高分子ポリオールであるアジペートポリエステルの溶解性パラメータを挙げると、ポリプロピレンアジペート:9.6、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート):9.2のように概ね9.0〜10.0の範囲内に分布している。ウレタン樹脂では極性の高いハードセグメント部を有しているので、溶解性の伴う版詰まり性あるいは洗版性を確保するために溶解性パラメータは、9.0〜10.4が好ましい。9.0より低いと充分なハードセグメントを有するポリウレタン樹脂を初めとした極性サイドのインキ原料の溶解性の確保が難しく、10.4より高いと逆にハイドロカーボン成分を含有するような疎水的なインキ原料の溶解性の確保が難しい。
本発明の90%蒸発時間および溶解性パラメータの範囲を満たすことで、印刷インキとしての性能を有する溶剤回収再利用型印刷インキ組成物の溶剤が、1種類の場合では、回収再利用溶剤の組成も同一となるので回収再利用の工程は簡便となる。しかし、コスト面や臭気面からグラビア印刷に使用できる溶剤を表1に列挙するが、単一溶剤で本発明の90%蒸発時間と溶解性パラメータの範囲を満たすものは無く、印刷インキとしての性能を確保することが難しい。さらに、印刷機上で印刷効果を制御するために実施する乾燥調整が行えないことも不都合となる。
一方、これまでと同様に3成分以上、多くの場合4ないし8種類で設計された場合、90%蒸発時間と溶解性パラメータの制御は可能となり、印刷インキとしての性能を有するが、溶剤回収再利用を想定すると、比重や屈折率で成分を特定するための検量線を作成することが難しく、再利用の際の成分調整を計算することも煩雑になってしまう上、得られた回収溶剤の比率によっては多量の調整溶剤(再生されていない新規の溶剤)を添加し、必要以上の再利用溶剤が得られてしまう結果となる。
そのため、本発明の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物は、先述の90%蒸発時間と溶解性パラメータの範囲を満たすよう2種類の溶剤種、その配合比を選択、設計することで、溶剤回収再利用適性と印刷インキの性能の確保を両立させている。
このようにして、設計される溶剤回収再利用型インキであるが、製造工程で水分を初めとした多成分の混入や、印刷適性の向上を目的とした遅口溶剤の添加が予想される。そのため、溶剤回収再利用工程を阻害しない程度、具体的には揮発成分のうち90%以上は有機溶剤2成分からなる必要がある。
本発明の印刷インキ組成物に使用される2成分の溶剤としては、作業環境の観点からトルエン、キシレンといった芳香族有機溶剤や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系溶剤を排除した上で、各種インキ原料の溶解性を確保するには、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤と、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤を用いることが好ましい。
エステル系溶剤としては、従来グラビア印刷で主流の溶剤であったトルエンと非常に近い溶解度パラメータと乾燥速度を有する酢酸n−プロピルを選択することが好ましい。これにより、従来使用してきた原料を本発明の溶剤回収再利用型インキに比較的容易に使用できると考えられる。アルコール系溶剤としては、イソシアネート系硬化剤との反応が抑制できる2級、3級アルコールが好ましく、さらに3級アルコールで比較的低分子量のter−ブチルアルコールが常温で固体でありハンドリングが困難であることから、2級アルコールであり、酢酸n−プロピルと使用することで混合溶剤の乾燥速度が、従来の溶剤系と近くなるイソプロピルアルコールを用いることがさらに好ましい。
また、エステル溶剤として酢酸エチルを用いることも好ましい。酢酸エチルは各種樹脂合成の溶媒として広く用いられており、多くの樹脂系で優れた溶解性を示すためである。酢酸エチルはグラビア印刷に用いられる溶剤としてはやや乾燥が速いが、使用割合を減らして設計することで使用が可能である。
さらに、アルコール系溶剤としてn−プロパノールを用いることも好ましい。n−プロパノールはイソプロパノールよりやや乾燥が遅く、印刷適性を向上させるのには有効である。
本発明の希釈溶剤は、粘度を調整して印刷効果や印刷物濃度などを制御するために、毎回任意量を印刷インキ組成物へ添加混合しされる。従って、溶剤回収再利用型印刷インキ組成物の溶剤組成と同じ組成であることが好ましい。
本発明の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物に用いられる樹脂は、用途や基材に応じて、様々な樹脂を選択することができる。用いられる樹脂の例としては、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、インキの総重量に対して5〜25重量%が好ましい。
さらに、最も市場が大きいラミネート用印刷インキにおいては、インキ印刷物への残留溶剤量の低減、押し出しラミネート加工適性などから、本発明における印刷インキ組成物に用いられる樹脂のうち、ポリウレタン樹脂をメインバインダーとして用いることが多い。本発明に用いられるポリウレタン樹脂には、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されているポリウレタン樹脂を挙げることができる。
本発明のポリウレタン樹脂は、一般に用いられる各種公知のポリオールを用いて合成することができる。ポリオールは1種、または2種類以上を併用してもよい。
本発明におけるポリオールとは、前述の高分子ポリオールを含めた、1分子内に水酸基を2個以上持つ化合物である。本発明では、数平均分子量が500以上10000以下あるいは繰り返し単位が5単位以上100単位以下のポリオールを高分子ポリオール、数平均分子量が500未満あるいはモノマーからなるポリオールを低分子ポリオールとする。
本発明のポリウレタン樹脂の合成法は、ポリオールをポリイソシアネート、鎖延長剤と反応させてウレタン変性ポリオールにすることが好ましい。前記ウレタン変性ポリオールは、ポリオールとポリイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒を用いて10〜150℃の温度で反応させ、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーに鎖延長剤、末端停止剤を反応させてポリウレタンポリオール樹脂を得るプレポリマー法、あるいは、有機ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物と鎖延長剤を一段で反応させてポリウレタンポリオール樹脂を得るワンショット法など公知の方法により製造することが出来る。
前記ポリオールの例としては酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(1);
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3プロパンジオール、2−エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(2);
これらの低分子ポリオール類(2)1種類あるいは複数種類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(3);
環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(4);
前記低分子ポリオール類(2)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(5);
ポリブタジエングリコール類(6);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(7);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(8);エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオール(9)などが挙げられる。
この中で、各種プラスチックフィルムへの接着性などを確保するために、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、高分子ポリオールのうち50重量%以上を占めることが好ましい。
前記ウレタン変性ポリオールに使用されるポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、前記ウレタン変性ポリオールに使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端停止剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としては例えば、1級、2級のアミノ基を有する化合物、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や水酸基を有するアミノアルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。この中で、1級、2級のアミノ基を有するアミノアルコール類は、末端停止剤として用いる場合、高温での反応を避けて、アミノ基のみ反応するよう制御する必要がある。これらの末端停止剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。ここで、鎖延長剤にアミノ基を用いる場合、イソシアネート基と反応してウレア結合を形成するため、得られる樹脂はポリウレタン/ウレア樹脂になるが、本発明においては、これらの樹脂もポリウレタン樹脂とする。
プレポリマーを製造するに当たり、ポリオールとポリイソシアネートとの量は、ポリイソシアネート(F)のイソシアネート基のmol数と有機ポリオール化合物の水酸基のmol数の比であるNCO/OH比を1.1〜3.0の範囲となるようにすることが好ましい。この比が1.1より小さいときは十分な耐アルカリ性が得られない傾向があり、また、3.0より大きい場合には得られるプレポリマーの溶解性が低下する傾向が認められる。
また、反応には溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる溶剤としては、ポリウレタン接着剤組成物を溶解するものが好ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロルベンゼン、パークレンなどのハロゲン系炭化水素などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上混合し混合溶媒として用いることもできる。
さらに、このウレタン化反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオール化合物に対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと鎖延長剤であるジオール、ジアミン、トリオールなどとを10〜80℃で反応させ、末端に活性水素基を含有する高分子量のポリウレタン樹脂が得られる。
末端停止剤を用いるときには、末端停止剤と鎖延長剤とを一緒に使用して鎖延長反応を行ってもよく、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に末端停止剤を単独に添加して末端停止反応を行ってもよい。一方、末端停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
末端停止剤は分子量をコントロールするために用いられる。使用量が多くなると得られるポリウレタン樹脂の分子量は低くなる。これは鎖延長剤と末端停止剤のプレポリマーに対する反応性により変化するが、一般的に、末端停止剤のアミノ基や水酸基のmol数に対する鎖延長剤のアミノ基や水酸基のmol数の比は0.5〜5.0の範囲が好ましい。この比が5.0を越える場合には高分子量化するためドライラミネート適性が悪くなる傾向があり、0.5未満の場合には分子量ならびに初期接着力が低下する傾向が認められる。
また、プレポリマー中のイソシアネート基の当量に対する鎖延長剤および末端停止剤のアミノ基と水酸基の合計のmol数の比は1.1〜3.0、好ましくは1.5〜2.0の範囲となるようにして反応させる。この比が大きく鎖延長剤または末端停止剤の使用量が多い場合にはこれらが未反応のまま残存し、臭気が残りやすくなる傾向がある。
本発明における硝酸セルロースは、通常ニトロセルロースと呼ばれ、精製した天然のセルロースを混酸でエステル化し、セルロース中の水酸基を硝酸基に置換する方法などの公知の方法で得ることができる。一般に硝酸セルロースは、高い塗膜強度、弾性率、表面硬度を有するため、様々な用途に使用され、さらに、窒素分で溶解性を、重合度で溶液粘度を選択することができる。本発明における窒素分とは、樹脂中の窒素原子の重量%のことで、セルロースの水酸基を硝酸基へ置換する量が多くなると大きな数値となる。工業用ニトロセルロースの場合、窒素分が10.7〜12.2のものがラインナップされているが、本発明における硝酸セルロースは、窒素分11.5〜12.2であるH綿やHタイプと呼ばれる高窒素分タイプを用いる方がアルコール系溶剤だけでなくエステル系溶剤への溶解性も確保することができるため好ましい。一方、窒素分が10.7〜11.5であるL綿やLタイプと呼ばれる低窒素分タイプを用いると、エステル系溶剤への溶解性を確保することが難しい。また、本発明における硝酸セルロースの平均重合度は30〜150であることが好ましい。30より小さいと皮膜の強靭さが確保できず、150より大きいと樹脂溶液や使用した印刷インキの粘度が上昇するため、設計が困難となる。
本発明における水酸基を有する塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーは、二種類の方法で得ることができる。一つは塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマー、およびビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアルコール、1,4−ブテンジオールなどの水酸基を有するモノマーを適当な割合で共重合して得られる。もう一つは、塩化ビニルと酢酸ビニルを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得られる。水酸基を有する塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーは、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、水酸基を有するモノマーは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。ここで、本発明における水酸基を有する塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーの塩化ビニル含有比率は、コポリマー100重量%に対して80〜95重量%であることが好ましく、水酸基価は、50〜200mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が50mgKOH/gより低いと、印刷適性を確保するためにトルエンなどの芳香族溶剤やメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤を必要とするため、印刷適性を確保しつつ限定した溶剤種での印刷インキ設計、特にエステル系溶剤/アルコール系溶剤における設計が困難となる。
本発明における塩素化ポリプロピレンは、塩素化度が20〜60であるのが好ましく、さらに25〜45であることが好ましい。20未満では有機溶剤に対する溶解度が低下し、60を越えると変性塩素化PP成分としたばあいにポリオレフィンや他の合成樹脂に対する密着性が低下する。ここで、本発明における塩素化度とは、塩素化ポリプロピレン樹脂中の塩素原子の重量%である。また、本発明における塩素化ポリプロピレンの重量平均分子量は、5000〜30000であることが好ましい。5000未満では溶媒に対する溶解性が低下する傾向にあり、また30000を越えると溶解性、特にエステル系溶剤/アルコール系溶剤への溶解性を確保することが難しい。
本発明の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物を含んだ印刷インキの色相としては、使用する着色剤の種類に応じて、プロセス基本色として白の他に、黄、紅、藍、墨の合計5色があり、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色がある。更に透明黄、牡丹、朱、茶、金、銀、パール、色濃度調整用のほぼ透明なメジウム(必要に応じて体質顔料を含む)などがベース色として準備される。
印刷インキでは、特色として複数の色相を混合して目的の色相を得る手法があり、特に白インキにはトーニングという所作、例えば少量の藍インキを混合する場合がある。本発明における白インキも、他のインキと混合することができる。さらにインキを混合する以外に、本発明における白インキに、必要に応じて有機顔料、無機顔料、染料を混合することができる。
本発明の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物に用いることができる白色系無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどが挙げられる。白インキの顔料には酸化チタンを用いることが着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましい。
白色系以外の無機顔料としては、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などの顔料が挙げられる。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
本発明の印刷インキ組成物に有色系着色剤としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。併用できる有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニン、透明黄インキにはコスト・耐光性の点からC. I. Pigment No Yellow83を用いることが好ましい。
着色剤は、印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち印刷インキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜2重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
本発明の印刷インキは、樹脂、着色剤などを有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を前記併用樹脂、および前記分散剤により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
本発明の溶剤型印刷インキ組成物を含んだ印刷インキは、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で用いることができる。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
本発明の被覆物は、本発明の印刷インキ組成物を、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状もしくはシート状の基材に、上記の印刷方式を用いて塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで、得ることができる。
基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどがコート処理が施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
更に、この印刷物の印刷面にイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、溶融ポリエチレン樹脂を積層する通常のエクストルージョンラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタン系等の接着剤を塗工し、プラスチックフィルムを積層するドライラミネート法、印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により、本発明のラミネート積層物が得られる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表わす。なお、水酸基価は、樹脂1g中に含有する水酸基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070に従って行った値である。アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定方法については、後述の通り行なった。分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。アミン価の測定方法は、下記の通りである。
[アミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量2000のポリエステルジオール(以下PMPA2000と表記する)32.394部、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール(以下PPG2000と表記する)16.173部、イソホロンジイソシアネート8.635部、2−エチルヘキシル酸第1錫0.010部および酢酸n−プロピル10.0部を仕込み、窒素気流下に85℃で3時間反応させ、酢酸n−プロピル10.0部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液72.212部を得た。次いでイソホロンジアミン2.233部、ジ−n−ブチルアミン0.565部、酢酸n−プロピル50.000部およびイソプロピルアルコール70.000部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液72.212部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、溶剤組成酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=50:50(重量比)、重量平均分子量55000、アミン価3.0 mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂溶液(a)を得た。
[合成例2〜13、21〜31]
表2の配合比で、合成例1と同様に合成し、ポリウレタン樹脂溶液(b)〜(m)、(t)〜(ad)を得た。ポリウレタン樹脂溶液の詳細は表2に併記する。
[実施例1]
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、ポリウレタン樹脂溶液(a)10部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比50/50)10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(a)40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比50/50)10.0部を攪拌混合し白色印刷インキ(A1)を得た。得られた白色印刷インキ(A1)100部に、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比50/50)50部を希釈溶剤として添加混合し、白色希釈インキ(A2)を得た。
銅フタロシアニン藍12部、ポリウレタン樹脂溶液(a)20部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比50/50)10部を撹拌混合しサンドミルで
練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(A)20部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比50/50)38部を攪拌混合し、藍色印刷インキ(A3)を得た。得られた藍色印刷インキ(A3)100部に、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶液(重量比50/50)50部を希釈溶剤として添加混合し、藍色希釈インキ(A4)を得た。ここで得られた白色、藍色のインキ、希釈インキは、いずれも酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=50/50(重量比)である。
[実施例2〜13]
表3に記載の配合比で、実施例1と同様に、白色インキ(A1)〜(M1)、藍色インキ(A3)〜(M3)を、さらにそれぞれのインキと同じ溶剤組成の希釈溶剤を用いて希釈した、白色希釈インキ(A2)〜(M2)、藍色希釈インキ(A4)〜(M4)を得た。
[比較例1〜11]
実施例と同様に、表2に記載の配合比で、実施例1と同様に、白色インキ(T1)〜(AD1)、藍色インキ(A3)〜(M3)を、さらにそれぞれのインキと同じ溶剤組成の希釈溶剤を用いて希釈した、白色希釈インキ(T2)〜(AD2)、藍色希釈インキ(A4)〜(M4)を得た。
ここで、実施例および比較例に使用した併用樹脂の内容を以下に列挙する。硝酸セルロース(窒素分11.5〜12.2、重合度110〜150、固形分30%、溶剤分:酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=70/30(重量比))、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー(モノマー組成比:塩化ビニル84重量%/酢酸ビニル3重量%/ビニルアルコール13重量%、数平均分子量22000、固形分30%、溶剤分:酢酸n−プロピル)、塩素化ポリプロピレン(F)(塩素化度36%、重量平均分子量15000、固形分30%、溶剤分:酢酸n−プロピル)。
[実施例1−19および比較例1−11]
実施例1−19および比較例1−11で得られた希釈印刷インキA2からAD2およびA4からAD4を、以下の通り性能評価した。
[印刷適性]
NBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴム硬度80Hsの圧胴、刃先の厚みが60μm(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)のセラミックメッキドクターブレード、東洋プリプレス株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(スタイラス角度120度、色インキ用:250線/inch、白インキ用:200線/inch)、および実施例1−11および比較例1−3で得られた希釈印刷インキを富士機械工業株式会社製グラビア印刷機にセットしドクター圧2kg/cm2、100m/分の回転速度で版を60分間空転した後に、片面コロナ処理OPPフィルム「パイレンP2161(東洋紡績株式会社製)」のコロナ処理面に、印刷速度100m/分で印圧2kg/cm2で印刷、60℃の熱風で乾燥し、印刷物を得た。印刷中は、粘度コントローラーを用いて、各々の希釈溶剤を適宜補充して一定の粘度を保っている。
1.版かぶり性
印刷物を黒色または白色の紙の上に貼り、余白部分(非画像部)に付着したインキの量を以下の基準で目視評価した。
○ :非画像部にインキの転移が全く認められなかった。
○△:非画像部にインキの転移が僅かに認められた。
△ :非画像部の小面積にインキの転移が認められた。
△×:非画像部の大面積にインキの転移が認められた。
× :非画像部全面にインキの転移が認められた。
2.版詰まり性
印刷物を黒色または白色の紙の上に貼り、低版深部(5μ)において画像部に転移したインキの量を以下の基準で目視評価した。
○ :印刷開始時より濃度があり、かつ印刷終了時に濃度の低下がほとんど認められ ない。
○△:印刷開始時および印刷終了時ともに同等の濃度を確保している。
△ :印刷開始時には濃度があるが、印刷終了時に濃度の低下がやや認められる。
△×:印刷開始時には濃度があるが、印刷終了時に濃度の低下が大きい。
× :印刷開始時より濃度がない。
3.圧胴汚れ
印刷終了後の、圧胴の汚れを目視で判定した。
○ :圧胴表面にインキの転移が全く認められなかった。
○△:圧胴表面にインキの転移が僅かに認められた。
△ :圧胴表面の小面積にインキの転移が認められた。
△×:圧胴表面の大面積にインキの転移が認められた。
× :圧胴表面にインキの転移が認められた。
[溶剤回収−再利用適性]
溶剤を回収して再利用した場合に、その難易度を溶剤成分種の量により判断した。溶剤成分が単一の場合、回収溶剤をそのまま利用し足りない量を追加するだけでよく、2成分の場合も不足した一方の溶剤を追加すればよいため、良好な評価となる。
◎:溶剤成分が1成分
○:溶剤成分が2成分
×:溶剤成分が3成分以上
評価結果を表4にまとめる。実施例1−19の印刷インキは、比較例1−11の印刷インキと比較して優れた印刷適性を示し、かつ回収溶剤を容易に調整して再利用できる。

Claims (11)

  1. 溶剤回収再利用型印刷インキ組成物に用いられる、2種類の有機溶剤からなる混合溶剤の選択方法であって、25℃における90重量%蒸発時間が140から240秒であり、さらに溶解性パラメータが9.0から10.4である混合溶剤を選択することを特徴とする、混合溶剤の選択方法。
  2. 請求項1記載の選択方法によって選択された混合溶剤が、その揮発成分中の90重量%以上を占めることを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物。
  3. 高分子ポリオールおよびポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項2記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物。
  4. ポリウレタン樹脂が鎖延長剤および末端停止剤を用いてなることを特徴とする請求項3記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物。
  5. 高分子ポリオールの50重量%以上がポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項3または4記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物。
  6. 窒素分が11.5〜12.5重量%であり、かつ平均重合度が30〜150である硝酸セルロースを含有することを特徴とする請求項2ないし5いずれか記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物。
  7. 水酸基を有する塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーを含有することを特徴とする請求項2ないし5いずれか記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物。
  8. 塩素化度が25〜45重量%であり、かつ重量平均分子量が5000〜30000である塩素化ポリプロピレンを含有することを特徴とする請求項2ないし5いずれか記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物。
  9. 請求項2ないし8いずれか記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物中の有機溶剤と同一の組成であることを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ用希釈溶剤。
  10. 請求項2ないし8いずれか記載の溶剤回収再利用型印刷インキ組成物により得られることを特徴とする被覆物。
  11. 請求項10記載の被覆物の少なくとも一方の面に、さらにラミネートによって積層されてなるラミネート積層物。
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