JP6514835B2 - リキッドインキ組成物、印刷物及びラミネート積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、軟包装用ラミネート用途のグラビアインキ、フレキソインキ向けリキッドインキ組成物に関する。特に、インキ組成物中の揮発溶剤の回収を容易にしつつ、優れたインキ転移性、及びラミネート強度を兼備するリキッドインキ組成物に関する。
近年、地球環境を取り巻く成層圏オゾンの減少、それとは裏腹に対流圏オゾンの増加の原因物質である窒素酸化物に伴う大気汚染問題、光化学オゾンが関与しているとされる酸性雨による森林被害等、その対策に力が注がれている一方で、VOCは揮発性有機化合物の総称であり、大気汚染、地球温暖化、その他多くの環境問題に関係している他、人体への影響、労働衛生の面からも種々取組みが成されている。
グラビア・フレキソ印刷業界においても、高濃度化インキ、水性インキ等による低VOC材料の採用、印刷ユニットの密閉化による印刷現場からのVOC発生源対策が望まれている。更に、使用済み或いは残廃インキ中の溶剤を回収しリサイクルで使用したい要望が強まりつつある。
そこで、揮発成分のうち95%以上が有機溶剤2成分を含有することを特徴とする溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、酢酸エチルを主たる成分とするエステル系溶剤と、n−プロピルアルコールを主たる成分とするアルコール系溶剤を、特定質量比率の範囲で使用した有機溶剤性印刷インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。更に、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びグリコール系溶剤から選択される2種以上の溶剤を含む溶剤回収再利用型印刷インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、これらは溶剤回収性を容易にすべく、溶剤組成の簡素化、単純化したものであり、印刷時の印刷インキに要求されるインキ転移性、ラミネート強度等の基本特性は決して十分であるとは言えない。
特開2008−019427号公報 特開2008−266370号公報 特開2008−265032号公報 WO2007/145214号公報
本発明の課題は、インキ組成物中の揮発溶剤の回収を容易にしつつ、優れたインキ転移性、及びラミネート強度を兼備するリキッドインキ組成物を提供することにある。
本発明は、特定の反応原料を用いた特定の物性値を持つポリウレタン樹脂(A)及び有機溶剤(B)を含有するリキッドインキ組成物を含有する事で、課題解決に有効であることを見出した。
すなわち本発明は、ポリウレタン樹脂(A)及び有機溶剤(B)を含有するリキッドインキ組成物であって、前記ポリウレタン樹脂(A)が、アルカノールアミンとポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとを反応原料とし、且つ重量平均分子量が30000〜70000の範囲であり、且つ尿素結合濃度が0.8mmol/g以下であり、且つ水酸基価が11.0mgKOH/g以下であることを特徴とするリキッドインキ組成物に関する。
更に、本発明は、前記アルカノールアミンが水酸基を2つ以上有するアルカノールアミンであるリキッドインキ組成物に関する。
更に、本発明は、前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が3000〜7000であるリキッドインキ組成物に関する。
更に、本発明は、更に水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(C)を含有するリキッドインキ組成物に関する。
更に、本発明は、前記水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(C)の水酸基価が、50〜200mgKOH/gであり、かつ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80〜95質量%であるリキッドインキ組成物に関する。
更に、本発明は、前記ポリウレタン樹脂(A)のアミン価が6.5mgKOH/g以下であるリキッドインキ組成物に関する。
更に、本発明は、前記有機溶剤(B)が、エステル系溶剤(b−1)を前記有機溶剤(B)全量の90質量%以上、且つアルコール系溶(b−2)を前記有機溶剤(B)全量の0.1質量%以上含有し、前記エステル系溶剤(b−1)が酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる何れか1つ以上であり、前記アルコール系溶剤(b−2)がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールからなる群から選ばれる何れか1つ以上であるリキッドインキ組成物に関する。
更に、本発明は、該リキッドインキ組成物を印刷してなる印刷物に関する。
更に、本発明は、該リキッドインキ組成物を印刷してなる印刷層を有するラミネート積層体に関する。
本発明により、インキ組成物中の揮発溶剤の回収が容易な上に、優れたインキ転移性、及びラミネート強度を兼備するリキッドインキ組成物を提供することができる。
本発明について詳細に説明する。なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また本発明において「リキッドインキ」とは、グラビア版を用いたグラビア印刷方法やフレキソ版を用いたフレキソ印刷方法等の、一度版にインキを付着させてから用紙に転写する印刷方式に使用する低粘度(概ね1000mPa・s以下)のインキを指し、代表的なものとしてグラビアインキまたはフレキソインキがある。
また「部」とは全て「質量部」を示す。
本発明のリキッドインキ組成物は、ポリウレタン樹脂(A)及び有機溶剤(B)を含有するリキッドインキ組成物であって、前記ポリウレタン樹脂(A)が、アルカノールアミンとポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとを反応原料とし、且つ重量平均分子量が30000〜70000の範囲であり、且つ尿素結合濃度が0.8mmol/g以下であり、且つ水酸基価が11.0mgKOH/g以下であることを特徴とするものである。
本発明のリキッドインキ組成物で使用するポリウレタン樹脂(A)は、その反応原料として、アルカノールアミンとポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールを用いる事を必須とする。
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が3000〜7000ものであることが好ましい。
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が3000より小さいと、ポリウレタン樹脂(A)の皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が低下し易い。数平均分子量が7000より大きい場合、ポリウレタン樹脂の皮膜が脆弱になる傾向にありインキ皮膜の耐ブロッキング性が低下し易い。ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対してポリエステルポリオールが1質量部未満であると、該ポリウレタン樹脂(A)のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性が低下する事で、特に高機能バリアーフィルム上での密着性が低下する傾向となる。またインキ皮膜の該溶剤への再溶解性が低下し、印刷物の調子再現性が低下する傾向となる。また50質量部を超えると、インキ皮膜が過剰に柔らかくなり、耐ブロッキングが劣る傾向と成り易い。
なお、前記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有する化合物と多塩基酸とを公知のエステル化反応により得られるものを用いることができる。
前記水酸基を2個以上有する化合物は鎖伸長剤として用いるものであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3,5−ヘプタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の分岐構造を有するグリコール;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオールなどの数平均分子量が50〜400の範囲の化合物を用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、これらの酸の無水物等を用いることができる。これらの多塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリエーテルポリオールは、その数平均分子量が100〜4000のものであることが好ましい。詳細は後述するが、ポリエーテルポリオールとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど公知汎用のものでよく、中ではポリエチレングリコールが好ましい。ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールを上記の範囲で含有することにより、特に基材フィルム上での密着性が大幅に向上し、結果として耐ブロッキング性、ラミネート強度が優れるようになる。
同様に、前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100より小さいと、ポリウレタン樹脂(A)の皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が低下し易い。数平均分子量が4000より大きい場合、ポリウレタン樹脂の皮膜が脆弱になる傾向にありインキ皮膜の耐ブロッキング性が低下し易い。ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対してポリエステルポリオールが1質量部未満であると、該ポリウレタン樹脂(A)のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性が低下する事で、特に高機能バリアーフィルム上での密着性が低下する傾向となる。またインキ皮膜の該溶剤への再溶解性が低下し、印刷物の調子再現性が低下する傾向となる。また50質量部を超えると、インキ皮膜が過剰に柔らかくなり、耐ブロッキングが劣る傾向と成り易い。尚、ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、前記ポリエステルポリオールと同様にゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、同条件で測定した。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂(A)全量に対してポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールを1〜50質量%の割合で使用したものが好ましい。
本発明のリキッドインキ組成物におけるポリウレタン樹脂(A)に使用されるジイソシアネート化合物としては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5―ナフチレンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’―ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3―フェニレンジイソシアネート、1,4―フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン―1,4―ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン―1,4―ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート; 5−イソシアナト-1-(イソシアノメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン;)、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジイソシアネート、1,3―ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、mーテトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等があげられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のリキッドインキ組成物におけるポリウレタン樹脂(A)に使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジアミンなどの他、2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のリキッドインキ組成物におけるポリウレタン樹脂(A)に使用される反応停止を目的とした末端封鎖剤として、アルカノールアミンを必須とする。前記アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等が挙げられる。更に、ポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を補助的に反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
更に、水酸基を2つ以上有するアルカノールアミンを使用すれば、インキ組成物の接着性、ラミネート強度をより向上させる事ができる。水酸基を2つ以上有する事で、水酸基が1つの場合と比較して、本発明のリキッドインキ組成物で印刷した印刷物をラミネート接着剤でドライラミネートした際に、ラミネート接着剤の硬化剤との反応点がより増加する為、ラミネート強度が向上する。水酸基を2つ以上有するアルカノールアミンとしてはジエタノールアミン、ジプロパノールアミンが挙げられる。
本発明のリキッドインキ組成物におけるポリウレタン樹脂(A)は、例えば、ポリエチレングリコールおよび併用ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、適当な溶剤中、すなわち、グラビアインキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤と反応させる二段法、あるいはポリエチレングリコールおよび併用ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤を上記のうち適切な溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。これらの方法のなかでも、均一なポリウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂を二段法で製造する場合、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤のアミノ基の合計(当量比)が1/0.9〜1.3の割合になるように反応させることが好ましい。イソシアネート基とアミノ基との当量比が1/1.3より小さいときは、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤が未反応のまま残存し、ポリウレタン樹脂が黄変したり、印刷後臭気が発生したりする場合がある。
尚、近年、作業環境の観点から、トルエン、キシレンといった芳香族系溶剤やケトン系溶剤を用いないことがより好ましい。
このようにして得られるポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量は、30000〜70000の範囲であり、35,000〜65,000の範囲でればより好ましい。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が30,000未満の場合には、得られるインキ組成物の耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性などが低くなる傾向にあり、70,000を超える場合には、得られるインキ組成物の粘度が高くなり、印刷被膜の光沢が低くなる傾向がある。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
本発明のリキッドインキ組成物に使用されるポリウレタン樹脂(A)の尿素結合濃度は、0.8mmol/g以下であり、且つ水酸基価が11.0mgKOH/g以下である事を必須とする。前記尿素結合濃度は0.8mmol/gを上回ると、組成物の硬度が必要以上に増し柔軟性を失う為にラミネート強度が低下する傾向にあり、合わせて流動性も悪化する事から印刷中のインキ粘度の増粘変化により印刷物のハイライト転移性も低下する傾向にある。前記水酸基価が11.0mgKOH/gを上回ると耐水性が低下しレトルト後の耐ラミネート強度が低下する傾向にある。接着性、ラミネート強度を保持できる観点から、前記尿素結合濃度は、0.3〜0.8mmol/gの範囲がより好ましく、前記水酸基価は、0.5〜10.0mgKOH/gの範囲がより好ましい。
なお、尿素結合濃度の関係は下記の式(1)により算出できる。

尿素結合濃度=[(X1/eq1+X2/eq2+・・・Xi/eqi)−{(W1×OH1+W2×OH2+・・・+Wi×OHi)/56100}]×1000/S 式(1)

複数種イソシアネート化合物、及びポリオールを使用する場合、各々イソシアネート化合物1、イソシアネート化合物2〜イソシアネート化合物i、及び各々ポリオール1、ポリオール2〜ポリオールiとして算出する。

式(1)において、各々以下の通りである。

X1:イソシアネート化合物1の質量
eq1:イソシアネート化合物1のイソシアネート当量
X2:イソシアネート化合物2の質量
eq2:イソシアネート化合物2のイソシアネート当量
Xi:イソシアネート化合物iの質量
eqi:イソシアネート化合物iのイソシアネート当量
W1:ポリオール1の質量
OH1:ポリオール1の水酸基価
W2:ポリオール2の質量
OH2:ポリオール2の水酸基価
Wi:ポリオールiの質量
OHi:ポリオールiの水酸基価
S:ウレタン樹脂固形分の質量
更に、本発明のリキッドインキ組成物に使用されるポリウレタン樹脂(A)のアミン価は6.5mgKOH/g以下であることが好ましい。アミン価が6.5mgKOH/gを上回ると耐ブロッキング性が劣る傾向と成り易い。耐ブロッキング性を良好に保ちつつ、版カブリ性、接着性及び押出しラミネート強度を保持できる観点から1.0〜5.0mgKOH/gの範囲がより好ましく、更に好ましくは1.0〜3.5mgKOH/gの範囲である。
本発明のリキッドインキ組成物で使用するポリウレタン樹脂(A)のインキにおける含有量は、インキの被印刷体への接着性を十分にする観点からインキの総質量に対して5質量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から50質量%以下が好ましく、更には10〜40質量%の範囲が好ましい。
本発明のリキッドインキ組成物で使用する有機溶剤(B)としては、各種有機溶剤を使用することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、n−プロパノール、イノプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。
前記有機溶剤(B)は、印刷時の好適な蒸発速度による乾燥性の調整のし易さ、ポリウレタン樹脂の溶解性の観点からエステル系溶剤(b−1)を前記有機溶剤(B)全量の90質量%以上、且つアルコール系溶(b−2)を前記有機溶剤(B)全量の0.1質量%以上含有し、前記エステル系溶剤(b−1)が酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる何れか1つ以上であり、前記アルコール系溶剤(b−2)がエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールからなる群から選ばれる何れか1つ以上であることが好ましく、ケトン類を含まない前記構成に限定すれば、廃溶剤の着色が少なく精製がし易くより効率的に溶剤回収する事が出来る。
エステル系溶剤(b−1)/アルコール系溶剤(b−2)を前記条件にて併用すれば、水の共沸点が低いため、印刷中に混入した水分を容易に除去することができる。また、混合溶剤として高収率で回収でき、希釈溶剤として再利用することが可能とし易い。
例えば、2−プロパノールであるイソプロピルアルコール(IPA)と、1−プロパノールであるノルマルプロピルアルコール(NPA)では、回収後の精製工程内でそれぞれ、酢酸イソプロピル(IPAC)、酢酸ノルマルプロピル(NPAC)が副生するため、エステル系溶剤が酢酸ノルマルプロピル(NPAC)である場合、アルコール溶剤(b−2)としてノルマルプロピルアルコール(NPA)を選定することで精製工程をより簡略化できる。
更に、本発明のリキッドインキ組成物では、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(C)を添加してもよい。
前記塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(C)は水酸基を有することが好ましく、その水酸基価が50〜200mgKOH/gであり、かつ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80〜95質量%である事が好ましい。塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(C)があると、インキ皮膜の凝集力が高まり、耐ブロッキング性も良好になる傾向にある。更に耐ブロッキング剤を併用することにより、耐ブロッキング性の向上が更に良化する。
本発明のリキッドインキ組成物に用いられる水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、二種類の方法で得ることができる。一つは塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマーおよびビニルアルコールを適当な割合で共重合して得られる。もう一つは、塩化ビニルと酢酸ビニルを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得られる。水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。
リキッドインキを軟包装用ラミネートインキとして使用する場合、接着性、耐ブロッキング、ラミネート強度、ボイルレトルト適性、印刷適性、これら全ての性能を満足する必要があるため、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は適正なモノマー比率が存在する。即ち、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂に対し、塩化ビニルは80〜95質量%が好ましい。80質量%未満だと樹脂被膜の強靭さが劣り、耐ブロッキング性が低下する。95質量%を超えると樹脂被膜が硬くなりすぎ、接着性が低下する。また、ビニルアルコールから得られる水酸基価は50〜200mgKOH/gが好ましい。50mgKOH/g未満だと極性溶媒への溶解性が劣り、印刷適性が不良となる。200mgKOH/gを超えると耐水性が低下して、ボイル、レトルト適性が不良となる。
本発明のリキッドインキ組成物に必要に応じて併用される樹脂の例としては、前記ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂以外の樹脂、例えば、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。併用樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。併用樹脂の含有量は、インキの総質量に対して1〜50質量%が好ましく、更に好ましくは2〜40質量%である。
本発明のリキッドインキ組成物で使用する着色顔料としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニン、透明黄インキにはコスト・耐光性の点からC.I.Pigment No Yellow83を用いることが好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)などが挙げられる。また、ガラスフレークまたは塊状フレークを母材とした上に金属、もしくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)を使用できる。白インキには酸化チタン、墨インキにはカーボンブラック、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
着色剤はインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキの総質量に対して1〜50質量%の割合で含まれることが好ましい。また、着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
本発明では更に必要に応じて、併用樹脂、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
前記着色顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。例えばポリエチレンイミンにポリエステル付加させた櫛型構造高分子化合物、あるいはα−オレフィンマレイン酸重合物のアルキルアミン誘導体などが挙げられる。具体的にはソルスパーズシリーズ(ZENECA)、アジスパーシリーズ(味の素)、ホモゲノールシリーズ(花王)などを挙げることができる。またBYKシリーズ(ビックケミー)、EFKAシリーズ(EFKA)なども適宜使用できる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総質量に対して0.05質量%以上、ラミネート適性の観点から5質量%以下でインキ中に含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2質量%の範囲である。
本発明のリキッドインキ組成物は、樹脂、着色顔料などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料をポリウレタン樹脂により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
本発明のリキッドインキ組成物の色相としては、使用する顔料の種類に応じて、プロセス基本色として黄、紅、藍、墨、白の5色があり、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色がある。更に透明黄、牡丹、朱、茶、金、銀、パール、色濃度調整用のほぼ透明なメジウム(必要に応じて体質顔料を含む)などがベース色として準備される。ボイルレトルト用インキには顔料のマイグレーション性、耐熱性を考慮して適宜選定される。各色相のベースインキは、グラビア印刷、又はフレキソ印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
本発明のリキッドインキ組成物は、各種フィルム及至シート状の基材に、上記の印刷方式を用いて印刷及至塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで、印刷物及至被覆物として得ることができる。を、フィルム及至シート基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミ等、もしくはこれらの複合材料を挙げることが出来る。
基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどがコート処理が施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
更に、この印刷物の印刷面にイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、溶融ポリエチレン樹脂を積層する通常のエクストルージョンラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタン系等の接着剤を塗工し、プラスチックフィルムを積層するドライラミネート法、印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により、本発明の印刷インキを用いたラミネート積層物が得られる
本発明のリキッドインキ組成物は、印刷及び乾燥工程で発生した混合溶剤や発生VOCガスを液体として回収するに、エステル系/アルコール系成分が容易に分離回収する事ができる。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
尚、水酸基価は、ポリウレタン樹脂中の水酸基を過剰のアセチル試薬にてアセチル化した際の、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウム(KOH)のmg数で示したものであり、JISK0070に準じたものである。
また、アミン価は、ポリウレタン樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要となる塩酸の当量と同量の水酸化カリウム(KOH)のmg数を示すものである。その測定方法としては、試料量Pグラム精秤した試料に中性エタノール30mLを添加・溶解させた後、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価f)で滴定を行う。溶液の色が緑から黄色に変化した時点を終点とみなし、この時の滴定量(HmL)を用いて次の(式2)によりアミン価を求めた。
尚、前記試料とは、各合成例で得られるポリウレタン樹脂溶液を指し、固形分質量換算30%にて算出する。
アミン価=(H×f×0.2×56.108)/P/0.3〔mgKOH/g〕式(2)
(合成実施例1:ポリウレタン樹脂溶液X1の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とネオペンチルグリコールから得られる数平均分子量3700のポリエステルポリオール228.71部と、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG#1000)12.03部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート42.98部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が3.40%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル152.77部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(A1)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン19.44部、ジエタノールアミン2.48部、酢酸n−プロピル414.00部、n−プロピルアルコール143.00部、ウレタンプレポリマー溶液(A1)436.50部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量31,600、アミン価3.2(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.8mmol/g、水酸基価7.4(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(X1)を得た。
(合成実施例2:ポリウレタン樹脂溶液X2の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とネオペンチルグリコールから得られる数平均分子量3700のポリエステルポリオール725.00部と、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG#1000)38.15部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート124.01部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が2.83%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル477.70部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(A2)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン52.77部、ジエタノールアミン4.85部、酢酸n−プロピル1286部、n−プロピルアルコール441部を仕込み、ウレタンプレポリマー溶液 (A2)1364.86部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量42,500、アミン価3.2(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.7mmol/g、水酸基価4.7(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(X2)を得た。
(合成実施例3:ポリウレタン樹脂溶液X3の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とネオペンチルグリコールから得られる数平均分子量3700のポリエステルポリオール228.71部と、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG#1000)12.03部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート35.32部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が2.43%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル148.65部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(A3)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン14.23部、ジエタノールアミン1.50部、酢酸n−プロピル396.00部、n−プロピルアルコール136.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (A3)424.71部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量47,000、アミン価3.2(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.6mmol/g、水酸基価5.5(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(X3)を得た。
(合成実施例4:ポリウレタン樹脂溶液X4の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5100のポリエステルポリオール264.2部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート28.01部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.99 %に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル157.34部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(A4)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン10.96部、ジエタノールアミン2.36部、酢酸n−プロピル413.00部、n−プロピルアルコール143.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (A4)449.55部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量41,100、アミン価1.5(mgKHO/g)、尿素結合濃度が0.5mmol/g、水酸基価8.2(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(X4)を得た。
(合成実施例5:ポリウレタン樹脂溶液X5の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5100のポリエステルポリオール264.2部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート28.01部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.98 %に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル157.34部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(A5)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン10.27部、ジエタノールアミン3.16部、酢酸n−プロピル414.00部、n−プロピルアルコール143.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (A5)449.55部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量62,800、アミン価1.5(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.5mmol/g、水酸基価11.0(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(X5)を得た。
(合成実施例6:ポリウレタン樹脂溶液X6の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5100のポリエステルポリオール404.70部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート37.37部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.62%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル238.04部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(A6)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン14.15部、ジエタノールアミン2.88部、酢酸n−プロピル620.00部、n−プロピルアルコール215.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (A6)680.11部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量31,600、アミン価2.0(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.3mmol/g、水酸基価6.7(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(X6)を得た。
(合成参考例7:ポリウレタン樹脂溶液X7の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5100のポリエステルポリオール264.20部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート28.01部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.99%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル157.34部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(B2)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン10.96部、モノエタノールアミン1.37部、酢酸n−プロピル411.00部、n−プロピルアルコール142.00部、ウレタンプレポリマー溶液(B2)449.55部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量48,000、アミン価1.5(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.5mmol/g、水酸基価4.1(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(X7)を得た。
(合成比較例1:ポリウレタン樹脂溶液Y1の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とネオペンチルグリコールから得られる数平均分子量3700のポリエステルポリオール228.71部と、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG#1000)12.03部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート46.81部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が3.60%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル154.84部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(B1)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン20.89部、ジエタノールアミン2.51部、酢酸n−プロピル426.00部、n−プロピルアルコール145.00部、ウレタンプレポリマー溶液(B1)442.39部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量31,800、アミン価3.2(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.9mmol/g、水酸基価7.4(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(Y1)を得た。
(合成比較例2:ポリウレタン樹脂溶液Y2の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とプロピレングリコールから得られる数平均分子量2000のポリエステルポリオール107.41部と数平均分子量1000のポリプロピレングリコール(PPG#1000)107.41部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、トリレンジイソシアネート56.11部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が4.80%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸エチル82.5部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(B3)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン27.67部、ジエタノールアミン1.41部、酢酸エチル327.47部、イソプロピルアルコール290.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (B3)416.82部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量32,400、アミン価4.5(mgKOH/g)、尿素結合濃度が1.1mmol/g、水酸基価5.0(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(Y2)を得た。
(合成比較例3:ポリウレタン樹脂溶液Y3の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とネオペンチルグリコールから得られる数平均分子量3700のポリエステルポリオール228.71部と、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG#1000)12.03部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート41.46部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が2.50%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル151.96部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(B4)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン18.57部、ジエタノールアミン3.99部、酢酸n−プロピル417.00部、n−プロピルアルコール142.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (B4)434.17部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量32,500、アミン価3.2(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.8mmol/g、水酸基価12.0 (mgKOH/g)ポリウレタン樹脂溶液(Y3)を得た。
(合成比較例4:ポリウレタン樹脂溶液Y4の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とネオペンチルグリコールから得られる数平均分子量3700のポリエステルポリオール228.71部と、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG#1000)12.03部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート25.51部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.20%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル143.37部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(B4)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン6.35部、ジエタノールアミン1.07部、酢酸n−プロピル367.00部、n−プロピルアルコール128.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (B4)409.62部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量71,000、アミン価0.7(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.3mmol/g、水酸基価3.6(mgKOH/g)ポリウレタン樹脂溶液(Y4)を得た。
(合成比較例5:ポリウレタン樹脂溶液Y5の調製)
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸とネオペンチルグリコールから得られる数平均分子量3700のポリエステルポリオール228.71部と、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG#1000)12.03部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート25.51部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.20%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n−プロピル143.37部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(B5)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン5.35部、ジエタノールアミン0.30部、酢酸n−プロピル364.00部、n−プロピルアルコール127.00部、ウレタンプレポリマー溶液 (B4)409.62部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量25,000、アミン価3.7(mgKOH/g)、尿素結合濃度が0.3mmol/g、水酸基価12.9(mgKOH/g)ポリウレタン樹脂溶液(Y5)を得た。
(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液の調整)
ポリウレタン樹脂と併用して用いる水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂モノマー組成が質量%で塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5、水酸基価(mgKOH)=64)を酢酸n−プロピルで15%溶液とし、これを塩酢ビ樹脂溶液(V1)した。
(実施例1)
Fastogen Blue FA5375 10.00部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の酢酸n−プロピル15%溶液(V1)30.00部、酢酸n−プロピル/n−プロピルアルコール混合溶剤(重量比90/10)10.00部を攪拌混合し、ペイントコンディショナーで練肉した後、ポリウレタン樹脂組成物X1 30.00部、酢酸n−プロピル/n−プロピルアルコール混合溶剤(重量比90/10)20.00部を攪拌混合し、藍色インキ組成物を得た。これを酢酸n−プロピルで希釈し、25℃にてザーンカップ#3(離合社製)で16秒となるよう調整した。
以下、表3の配合に従って、実施例1と同様の手順にて実施例2〜6、及び参考例7を、表4の配合に従って実施例8〜13、及び参考例14を、表5の配合に従って比較例1、3〜5を様にインキを調整した。尚、実施例8〜13、参考例14及び比較例2は酢酸エチル/イソプロピルアルコール=50/50(質量比)で希釈し、更に酢酸エチルで希釈し、実施例1と同様に25℃にてザーンカップ#3(離合社製)で16秒に調整した。最終的な藍インキ中のエステル系/アルコール系の溶剤比率(質量比)を表3〜5に示す。
得られたリキッド藍インキを、版深35μmを有するレーザーグラビア版を取り付けたグラビア印刷機(DICエンジニアリング株式会社製)を用いて印刷し、印刷物のハイライトの転移性、ラミネート強度の測定、溶剤回収効率を評価した。評価結果を表3〜5に示す。なお評価は以下の方法により行った。
(1)ハイライト転移性
東洋紡(株)製 二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムP2161(厚み:20μm)へ印刷し、印刷開始直後、空転2時間後、空転4時間後の各々のハイライト転移性を目視にて評価した。評価基準は次の5段階とした。
(評価基準)
5:グラデーション部分にてほぼカスレが見られない
4:グラデーション部分にて僅かにカスレが見られる
3:グラデーション部分にてカスレが見られる
2:グラデーション部分にてカスレが目立つ
1:グラデーション部分にてカスレが多く見られる
(2)ラミネート強度の測定
得られたリキッド藍インキを、版深度25μmを有するレーザーグラビア版を取り付けたグラビア印刷機(DICエンジニアリング株式会社製)を用いて、片面にコロナ処理を施した二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製 E−5100 厚さ12μmのPETフィルム)の処理面に印刷を行った。
作成した二軸延伸ポリエステルフィルムの印刷物にウレタン系のドライラミネート接着剤ディックドライLX−703VL/KR−90(DIC製)にてドライラミネート機(DICエンジニアリング製)によって、アルミ箔、及び無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、R−CPP:東レ合成フィルム社製 ZK−75 50μm)を積層し、40℃で3日間エージング施し、ラミネート物を得た。
得られたラミネート物を120mm×120mmの大きさのパウチに製袋し、内容物として、食酢、サラダ油、ミートソースを重量比で1:1:1に配合した疑似食品70gを充填密封した。作成したパウチを135℃、30分間の蒸気レトルト殺菌処理をした後、内容物を取り出してパウチを水洗した後、袋を15mm幅に切り出し、引っ張り速度300mm/分で180度、T型剥離試験を行った。
作製した積層体は基材のPETフィルム側から、PET基材(F)/印刷インキ層(I)/接着層(Ad1)/アルミ箔(AL)/接着剤(Ad2)/R−CPPフィルムの順となる。
二軸延伸ポリエステルフィルム(PETフィルム:東洋紡績株式会社製 E−5100 厚さ12μm)を使用した。
数値は大きい程、強度が高い。
尚、表3〜5中の評価結果の略語は次の通りである。

F Cut:FILM CUTの略語であり、測定中にラミネート物が剥離する前にフィルムが破断していることを表す。ラミネート強度がフィルム強度を上回るほど高く、優れていることを示す。
I/AL:印刷インキ層(I)とアルミ箔(AL)間の接着層(Ad1)にて、示す測定値で剥離した。
F/I :PET基材(F)/印刷インキ層(I)間にて、示す測定値で剥離した。
(3)溶剤回収効率
予め、グラビア印刷機(DICエンジニアリング株式会社製)の乾燥器の排気口から溶剤回収試験機(クレハエンジニアリング製)をダクトで繋いだ。前記(1)ハイライト転移性試験と同条件の版深度が35μmを有するグラビア版で印刷を行い、空転4時間後に回収装置により回収された溶剤のpHを測定した。pHの測定は、100gの水を入れた分液漏斗に100gの回収溶剤を加え、2分間振った後に水を分取し、その水のpHをpHメーターにて測定した。評価基準は次の3段階とした。
(評価基準)
○:pH5以上、pH8未満である。
△:pH3以上、pH5未満である。
×:pHが3未満である。
Figure 0006514835
Figure 0006514835
Figure 0006514835
Figure 0006514835

Figure 0006514835
以上の結果から、本発明のリキッドインキ組成物は、溶剤中への顔料の溶解成分の溶け出しが少ない為に揮発溶剤の回収効率に優れる上に、優れたインキ転移性、及びラミネート強度をも兼備する事が出来る。
本発明のリキッドインキ組成物は、使用溶剤の回収を容易にした溶剤回収再利用に適するグラビアインキ、フレキソインキとして、食品包材・サニタリー・コスメ・電子部品等工業製品向け用途に幅広く展開され得る。

Claims (8)

  1. ポリウレタン樹脂(A)及び有機溶剤(B)を含有する軟包装用ラミネート用グラビアインキであって、
    前記ポリウレタン樹脂(A)が、ジエタノールアミンとポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールと、イソホロンジイソシアネートとを反応原料とし、且つ
    重量平均分子量が30000〜70000の範囲であり、且つ
    尿素結合濃度が0.8mmol/g以下であり、且つ
    水酸基価が0.5〜10.0mgKOH/g
    であり、
    前記有機溶剤(B)が酢酸n−プロピル又は酢酸エチル/n−プロピルアルコール又はイソプロピルアルコールの混合溶剤からなる
    ことを特徴とする、軟包装用ラミネート用グラビアインキ。
  2. 前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が3000〜7000である請求項1に記載の軟包装用ラミネート用グラビアインキ。
  3. 更に、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(C)を含有する請求項1又は2のいずれか1つに記載の軟包装用ラミネート用グラビアインキ。
  4. 前記水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(C)の水酸基価が、50〜200mgKOH/gであり、かつ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80〜95質量%である請求項1〜3の何れか1つに軟包装用ラミネート用グラビアインキ。
  5. 前記ポリウレタン樹脂(A)のアミン価が6.5mgKOH/g以下である請求項1〜4の何れか1つに記載の軟包装用ラミネート用グラビアインキ。
  6. 請求項1〜の何れか1つに記載の軟包装用ラミネート用グラビアインキをプラスチックフィルムに対して印刷してなる印刷物。
  7. 前記プラスチックフィルムが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及びセロハンから成る群から選ばれる何れか1つである請求項に記載の印刷物。
  8. 請求項1〜の何れか1つに記載の軟包装用ラミネート用グラビアインキを印刷してなる印刷層を有するラミネート積層体。
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