JP4164931B2 - 非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダーおよび非芳香族溶剤型印刷インキ組成物 - Google Patents

非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダーおよび非芳香族溶剤型印刷インキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダーおよび非芳香族溶剤型印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被包装物の多様化、包装技術の高度化に伴ない、包装材料として各種のプラスチックフィルムが開発され、被包装物に適したものが適宜選択して使用されるようになってきている。プラスチックフィルムを包装材料に使用するにあたってはプラスチックフィルムの装飾または表面保護のために印刷が施されるが、かかる印刷のための印刷インキには、これら種々のプラスチックフィルムに対する接着性が良好であるなどの高度な性能が要求されるようになってきている。
【0003】
従来から、かかる印刷インキに用いられる印刷インキ用バインダーとしては、ポリウレタンが多く用いられている。一般に、ポリウレタンをバインダーとする印刷インキは、ポリエステルフィルムおよびナイロンフィルムに対する接着力には優れているが、汎用フィルムであるポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対する接着力が充分ではない。
【0004】
また、ポリウレタン系印刷インキには、ポリウレタンの溶解性がよいことからトルエン等の芳香族系溶剤が一般に使用されてきたが、最近では、環境問題から、芳香族系溶剤を使用し難くなった。そのため、ポリウレタン系印刷インキの溶剤としては、メチルエチルケトンや酢酸エチル等の非芳香族系溶剤を主溶剤に使用するようになっている。しかし、一般的に、ポリウレタンは非芳香族系溶剤に溶解しにくいため、非芳香族系溶剤型印刷インキでは、プラスチックフィルム、特にポリオレフィンフィルムに対する接着性が得られない。また、非芳香族系溶剤は、芳香族系溶剤に比べて、インキの再溶解性が劣り、版詰まりが起き易いという問題点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非芳香族系溶剤型印刷インキに適用した場合にも、被印刷物としてのポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プラスチックフィルムに対する接着性やインキの再溶解性に優れた印刷インキ用バインダーおよび当該印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のごとき課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す特定の高分子ジオールを構成成分とするポリウレタンを印刷インキ用バインダーとする印刷インキ組成物により前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、高分子ジオール、ジイソシアネート化合物およびアミン系鎖伸長剤を主成分として反応せしめて得られるポリウレタンを含有してなる印刷インキ用バインダーにおいて、該高分子ジオールの構成成分として、(重量平均分子量/数平均分子量)の値が1.1〜1.6であるポリラクトン系ジオール(ただし、ジエポキシ化合物1分子とロジン類2分子との反応物にラクトン類を反応させたものを除く)50重量%以上含有してなる非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダー。当該印刷インキ用バインダーを含有する印刷インキ組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、ポリウレタンの構成成分である高分子ジオールとして、ポリラクトン系ジオールを用いる。ポリラクトン系ジオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの各種公知の二価アルコール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミンなど各種公知の二価アミン;またはポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオールなどの各種公知の高分子ジオールを開始剤として、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンなどの各種公知のラクトンモノマーを触媒存在下に開環付加重合させることによって得られたものである(ただし、ジエポキシ化合物1分子とロジン類2分子との反応物にラクトン類を反応させたものを除く)。かかるポリラクトン系ジオールとしては、開始剤として二価アルコールを用い、ラクトンモノマーとしてε−カプロラクトンを用いたポリ−ε−カプロラクトン系ジオールが、各種プラスチックフィルムに対する接着性とインキの再溶解性のバランスのよいバインダーが得られる点で好ましい。
【0009】
なお、前記ポリラクトン系ジオールを構成する開始剤の使用量は、ラクトン系モノマー100重量部に対し100重量部未満とするのが好ましい。100重量部未満の場合には、得られるポリウレタンを非芳香族系溶剤型印刷インキ用バインダーに適用した場合にポリオレフィンフィルムに対する接着性やインキの再溶解性が充分ではない。
【0010】
また、前記ポリラクトン系ジオールは、分子量分布の広狭を示す(重量平均分子量/数平均分子量)の値が1.1〜1.6の範囲にある分子量分布が狭いのものを用いる。前記(重量平均分子量/数平均分子量)の値はゲルパーメーションクロマトグラフィー(以下GPCと称す)により下記の条件で求めたものである。装置:TOSOH社製/HLC−8020、溶媒:テトラヒドロフラン、温度:40℃、カラム:ポリマーラボラトリー社製/PL−gel 5μm、MIXED−C×2本、流速:1ml/min。
【0011】
前記ポリラクトン系ジオールの製法は、当該ポリラクトン系ジオールが得られる限りその製法は特に制限されない。当該ポリラクトン系ジオールは、たとえば、ラクトンモノマーを開始剤に付加重合させる際の触媒としてブロム、沃素等のフッ素を除くハロゲン化第一スズを用いることにより製造できる。かかる触媒としては、塩化第一スズが好ましい。触媒の使用量はラクトン系モノマーに対し、通常、0.1〜50ppm程度が適当である。0.1ppm以下では付加重合反応速度が小さく、50ppmを超えるとエステル交換反応が進み、分子量分布の狭いポリラクトン系ジオールを得ることは困難となる。反応温度は100〜230℃、好ましくは120〜190℃である。なお、テトラブチルチタネート系触媒では、開環付加重合はもちろんのこと、エステル交換反応にも寄与するため、分子量分布の広いものができるため好ましくない。
【0012】
また、前記ポリラクトン系ジオールの数平均分子量は、得られるポリウレタンの溶解性、乾燥性、耐ブロッキング性等を考慮して適宜決定されるが、通常、500〜5000とするのが好ましい。数平均分子量が小さくなると、溶解性が低下し印刷適性が劣る傾向にあることから、数平均分子量は700以上とするのがより好ましい。他方、数平均分子量が大きくなると乾燥性および耐ブロッキング性が低下する傾向があることから、数平均分子量は4000以下とするのがより好ましい。なお、数平均分子量はラクトン系ジオールの水酸基価を測定し次式により求めた値である。数平均分子量=(水酸基価×2×1000)÷56.11。水酸基価:JISK−1557の6.4に準じて測定した値である。
【0013】
本発明においては、前記ポリラクトン系ジオールを、高分子ポリオール成分の全部または一部に使用する。前記ポリラクトン系ジオールの割合が少ないと、得られるポリウレタンを非芳香族系溶剤型印刷インキ用バインダーに適用した場合に、ポリオレフィンフィルムに対する接着性やインキの再溶解性が低くなることから、前記ポリラクトン系ジオールは、高分子ポリオール成分の少なくとも50重量%使用する。
【0014】
前記ポリラクトン系ジオールと併用しうる高分子ポリオールとしては、本発明のポリウレタンの性能を逸脱しないものであれば特に制限されない。このような高分子ジオール成分としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体もしくは共重合体等のポリエーテルジオール類;アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの二塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの二価アルコ−ル成分を縮合させてなるポリエステルジオール類;ラクトン系モノマーを開環重合してえられる本発明以外のポリエステルジオール類;ポリカーボネートジオール類;ポリブタジエングリコール類;ビスフェノールAに酸化エチレンもしくは酸化プロピレンを付加してえられたグリコール類等の一般にポリウレタンの製造に用いられる各種公知の高分子ジオールを使用できる。
【0015】
なお、本発明のポリウレタンの構成成分には、本発明のポリウレタンの性能を逸脱しない範囲であれば、高分子ジオールに加えて、低分子の二価アルコール成分を併用することもできる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール成分など各種公知の数平均分子量500未満の二価アルコール類があげられる。なお、低分子の二価アルコール成分の使用量は、前記高分子ジオール100重量部に対して、通常10重量部未満である。10重量部以上の場合、得られるポリウレタンの溶解性の低下により印刷適性が低下したり、ナイロンフィルムに対する接着性が低下したりする傾向がある。
【0016】
本発明ではジイソシアネート化合物として、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表例としてあげられる。
【0017】
本発明では、特にナイロンフィルムに対する接着性を考慮して、アミン系鎖伸長剤を使用する。アミン系鎖伸長剤としては、具体的には芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジアミン類があげられる。例えばフェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジアミンなどがあげられる。その他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類やダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等もアミン系鎖伸長剤として例示できる。
【0018】
本発明のポリウレタンには、必要に応じて鎖長停止剤を用いることもできる。鎖長停止剤としては、一価のアミンや一価のアルコール等各種公知のものがあげられるが、アミン系鎖長停止剤が分子量を制御しやすい点で好ましい。アミン系鎖長停止剤としては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン等のアルキルモノアミン類やジエタノールアミン等のヒドロキシルモノアミン類があげられる。また、アルコール系鎖長停止剤としては、メタノール、エタノールなどがあげられる。
【0019】
本発明のポリウレタンを製造する方法については特に制限はされず、たとえば高分子ジオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ジオールの両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(好ましくはイソシアネート含量0.5〜10%)を調製し、次いでこれを適当な溶媒中でアミン系鎖伸長剤、および必要に応じて鎖長停止剤と反応させる二段法、ならびに、高分子ジオール、ジイソシアネート化合物、アミン系鎖伸長剤および必要に応じて鎖長停止剤を、適当な溶媒中で一度に反応させる一段法のいずれの方法をも採用できるが、均一なポリマー溶液が得られやすいという点で二段法を採用するのが好ましい。なお、これらポリウレタンの製造の際には、オクチル酸第一スズなどのスズ系触媒などの各種公知の触媒を添加しうる。
【0020】
ポリウレタンを二段法で製造する場合、高分子ジオールとジイソシアネート化合物とを反応させる際の条件はイソシアネート基が過剰になるようにするほかは特に限定はされないが、水酸基/イソシアネート基が当量比で1/1.3〜1/3.5の範囲になるように反応させるのが好ましい。
【0021】
また、得られたプレポリマーとアミン系鎖伸長剤および必要に応じて用いるアミン系鎖長停止剤とを反応させる際の条件は、特に限定はされないが、得られるポリウレタンのアミン価が0.1以上となるように調製するのが、ポリウレタンのポリオレフィンフィルムに対する接着性が良好であり好ましい。また、アミン価が大きい場合は鎖伸長剤が未反応のまま残存し、印刷物に臭気が残りやすくなるため、アミン価を20以下となるように調製するのが好ましい。当該アミン価のポリウレタンは、例えば、前記二段法においては、プレポリマーの両末端に有する遊離のイソシアネート基を1当量とした場合に、鎖伸長剤及び鎖長停止剤中のイソシアネート基と反応しうるアミノ基の合計当量が1.01〜1.5当量の範囲内であるような使用割合で反応させることにより容易に得ることができる。
【0022】
本発明のポリウレタンを製造する際に使用される溶剤としては通常、印刷インキ用の溶剤としてよく知られているベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。なお、本発明の印刷インキ用バインダーを用いて非芳香族系溶剤型印刷インキを得る場合には、印刷インキ用バインダーを製造する際においても非芳香族系溶剤を使用する。
【0023】
このようにして得られる本発明のポリウレタンの数平均分子量は、通常5000〜100000程度とするのが好ましい。数平均分子量が5000に満たない場合には、本発明のポリウレタンをビヒクルとして用いた印刷インキの乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度、耐油性等が低下しやすくなる。一方、数平均分子量が大きくなると当該ポリウレタン樹脂溶液である印刷インキ用バインダーの粘度が上昇したり、印刷インキの光沢が低下しやすいため、数平均分子量は50000以下とするのがより好ましい。また、ポリウレタン樹脂溶液の樹脂固形分濃度は特に制限はされないが、印刷時の作業性等を考慮して適宜決定すればよく、通常は15〜60重量%、粘度は50〜100000cP/25℃の範囲に調整するのが実用上好適である。
【0024】
本発明の印刷インキ用バインダーは、必要に応じて、以下に示すような樹脂を副成分として併用しうる。たとえば、本発明以外のポリウレタン、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、ロジン系樹脂、ケトンレジン等があげられる。
【0025】
本発明の印刷インキ組成物は、前記本発明の印刷インキ用バインダーに、着色剤、溶剤、さらに必要に応じてインキ流動性およびインキ表面皮膜を改良するための界面活性剤、ワックス、その他添加剤を適宜配合し、ボールミル、アトライター、サンドミル等の通常のインキ製造装置を用いて混練することによりを製造される。溶剤としては、前記印刷インキ用バインダーの製造において説明したものと同様のもの使用することができる。なお、本発明の印刷インキ組成物を非芳香族系溶剤型印刷インキとする場合は、前記印刷インキ用バインダーの製造時に非芳香族系溶剤を使用し、かつ、印刷インキ組成物の製造時にも非芳香族系溶剤を用いる。なお、該印刷インキ組成物中、本発明の印刷インキ用バインダーの配合量はその樹脂固形分が3〜20重量%程度に調製するのが好ましい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の印刷インキ用バインダーを用いた印刷インキ組成物は、被印刷物としてのポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プラスチックフィルムに対する接着性に優れ、インキの再溶解性に優れる。また、本発明の印刷インキ組成物は、非芳香族系溶剤型印刷インキに適用でき、環境への影響の点においても好ましい。
【0027】
【実施例】
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。なお、各例中、部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0028】
実施例1
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、プラクセル220N((重量平均分子量/数平均分子量)が1.3、数平均分子量2000のポリ−ε−カプロラクトン系ジオール:ダイセル化学工業(株)製)1000部とイソホロンジイソシアネート222部を仕込み、窒素気流下に130℃で6時間反応させプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン2044部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液3266部を得た。次いで、イソホロンジアミン81.8部、ジ−n−ブチルアミン10.5部及びイソプロピルアルコール1022部からなる混合物を前記ウレタンプレポリマー溶液に添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液Aは、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が4、数平均分子量は15000であった。
【0029】
実施例2
実施例1と同様の反応装置を用い、プラクセル220N((重量平均分子量/数平均分子量)が1.3、数平均分子量2000のポリ−ε−カプロラクトン系ジオール:ダイセル化学工業(株)製)800部、クラレポリオールP−2010((重量平均分子量/数平均分子量)が2.1、数平均分子量2000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート:(株)クラレ製)200部とイソホロンジイソシアネート189部を仕込み、窒素気流下に130℃で6時間反応させプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン1949部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液3138部を得た。ついでイソホロンジアミン53.5部、ジ−n−ブチルアミン10.4部及びイソプロピルアルコ−ル974部からなる混合物を添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液Bは、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が2、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は20000であった。
【0030】
実施例3
実施例1と同様の反応装置を用い、プラクセル210N((重量平均分子量/数平均分子量)が1.5、数平均分子量1000のポリ−ε−カプロラクトン系ジオール:ダイセル化学工業(株)製)600部、クラレポリオールP−2010((重量平均分子量/数平均分子量)が2.1、数平均分子量2000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート:(株)クラレ製)400部とイソホロンジイソシアネート266部を仕込み、窒素気流下に130℃で6時間反応させプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン2088部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液3354部を得た。イソホロンジアミン65.7部、ジ−n−ブチルアミン10.7部及びイソプロピルアルコール1044部からなる混合物を添加し、次いで50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液Cは、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が4、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は15000であった。
【0031】
比較例1
実施例1と同様の反応装置を用い、プラクセル220((重量平均分子量/数平均分子量)が2.1、数平均分子量2000のポリ−ε−カプロラクトン系ジオール:ダイセル化学工業(株)製)800部、クラレポリオールP−2010((重量平均分子量/数平均分子量)が2.1、数平均分子量2000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート:(株)クラレ製)200部とイソホロンジイソシアネート189部を仕込み、窒素気流下に130℃で6時間反応させプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン1949部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液3138部を得た。イソホロンジアミン53.5部、ジ−n−ブチルアミン10.4部及びイソプロピルアルコール974部からなる混合物を添加し、次いで50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液Dは、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が2、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は20000であった。
【0032】
実施例1〜3および比較例1で得られたポリウレタン樹脂A〜Dを用いて、下記の組成の混合物をそれぞれペイントシェイカーで練肉し、白色印刷インキを調製した。
【0033】
(白色印刷インキの調製)
チタン白(ルチル型) 40部
ポリウレタン樹脂A〜D 35部
メチルエチルケトン 10部
イソプロパノール 5部
酢酸エチル 10部
【0034】
(再溶解性試験)
延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)フィルムに前記白色インキをバーコーター(No.4)で展色し、ヒートガンで30秒間乾燥した。乾燥後、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/酢酸エチルの重量比が2:1:2の溶剤に浸し、1時間後取りだし常温乾燥を行った。インキの良く溶けたサンプルから順に○〜×の5段階に評価した。結果を表1に示す。
【0035】
(接着性試験)
得られた白色インキを、延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ナイロンフィルム(NY)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の片面にバーコーター(No.4)を使用して展色し、ヒートガンで30秒間乾燥し、印刷フィルムを得た。そして、得られた印刷フィルムの印刷面上に18mm幅の粘着セロハンテープを貼り付け、この粘着テープの一端を印刷面に対して直角方法に急速に引き剥がした時の印刷面の状態を観察した。印刷面のインキが全く剥がれなかったものを「○」、40%以上残ったものを「△」、40%未満が残ったものを「×」として評価した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004164931

Claims (6)

  1. 高分子ジオール、ジイソシアネート化合物およびアミン系鎖伸長剤を主成分として反応せしめて得られるポリウレタンを含有してなる印刷インキ用バインダーにおいて、該高分子ジオールの構成成分として、(重量平均分子量/数平均分子量)の値が1.1〜1.6であるポリラクトン系ジオール(ただし、ジエポキシ化合物1分子とロジン類2分子との反応物にラクトン類を反応させたものを除く)50重量%以上含有してなる非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダー。
  2. 前記ポリラクトン系ジオールの数平均分子量が500〜5000である請求項1記載の非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダー。
  3. 前記ポリラクトン系ジオールがポリ−ε−カプロラクトン系ジオールである請求項1または2に記載の非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダー。
  4. 前記ポリウレタンの数平均分子量が5000〜100000である請求項1〜3のいずれかに記載の非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダー。
  5. 前記ポリウレタンのアミン価が0.1〜20である請求項1〜4のいずれかに記載の非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダー。
  6. 請求項1〜5記載のいずれかに記載の非芳香族溶剤型印刷インキ用バインダーを含有してなる非芳香族溶剤型印刷インキ組成物。
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