JP5575550B2 - 印刷インキ用バインダー樹脂 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、アルコール系単独溶剤に可溶で、良好な耐ブロッキング性及び接着性を与える印刷インキ用バインダー樹脂を提供することにある。
(1)炭素数2〜12の脂肪族ジオール類;
直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)及び分岐鎖を有するジオール(1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール及び1,2−デカンジオール等)等。
例えば特公昭45−1474号公報記載のもの;脂環基含有ジオール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び水添ビスフェノールA等];及び芳香環含有ジオール〔m−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール、2価フェノール[単環2価フェノール(ハイドロキノン等)、ビスフェノール類(フェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)及びジヒドロキシナフタレン等]のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物(水酸基当量250未満)、芳香族ジカルボン酸のビスヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)エステル[ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等]等〕。
例えば、ヒドロカルビルジアルカノールアミン類〔1級モノアミン[例えば炭素数1〜12の脂肪族又は脂環式1級モノアミン類(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、アミルアミン、イソアミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン及びドデシルアミン等)並びに炭素数6〜12の芳香族1級モノアミン類(アニリン及びベンジルアミン等)]のビスヒドロキシアルキル化物(炭素数2〜4のAO2モル付加物等)〕。
(b2)の水酸基当量は通常250〜2,000、好ましくは300〜1,500であり、官能基数はアルコール溶解性の観点から、通常2〜4、好ましくは2〜3であり、特に2が好ましい。
ポリエーテルポリオール(b21)の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン(ブロック及び/又はランダム)グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシエチレン(ブロック及び/又はランダム)グリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレン(ブロック及び/又はランダム)グリコール、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
製造に際しては、(a)、(b)及び(c)を一括して反応させることもできるが、(a)と(b)を反応させて末端がイソシアネート基であるプレポリマーを製造した後、ポリアミン化合物(c)を反応させる方法が好ましい。
1価アルコールの具体例としては、炭素数1〜10の脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、エチルセロソルブ及びエチルカービトール等)、炭素数6〜10の脂環式1価アルコール(シクロヘキサノール等)、炭素数7〜20の芳香環含有1価アルコール[ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルベンゼン;1価フェノール類(フェノール、クレゾール等)の(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度1〜5)エーテル等]及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらの内好ましいものは、脂肪族1価アルコール及びモノ又はジアルキルアミンである。
攪拌装置、圧力計、耐圧滴下ロート、真空ポンプ、温度調節機能を備えたステンレス製オートクレーブに、ジエチレントリアミンの両末端のアミノ基をメチルイソブチルケトンでケチミン化したケチミン化合物134部及び水酸化カリウム0.25部を投入し、混合系内を窒素で置換した。次いで100〜120℃にて、プロピレンオキサイド1073部をゲージ圧が−0.1〜0.5MPaとなるように導入し、上記ケチミン化合物のイミノ基にプロピレンオキサイドが37モル付加した化合物を得た。プロピレンオキサイド吹き込み開始から反応終了後までの反応時間は6時間であった。更に、水を300部添加し、100℃で1時間攪拌して、ケチミン部分を加水分解した後、生成したメチルイソブチルケトンと水を同温度で、ゲージ圧−0.1〜0MPaの下、4時間で除去して、ジエチレントリアミンのイミノ基のみにプロピレンオキサイドが37モル付加した化合物(c2−1)を得た。
二軸混練機であるKRCニーダー[栗本鐵工(株)製]に、2,000のポリネオペンチレンアジペートジオール「サンエスター5620」[三洋化成(株)製]2,000部及びIPDI 445部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行い、NCO含量が3.4%のウレタンプレポリマー(P−1)を得た。(P−1)2445部及び前記(c2−1)3120部をKRCニーダーに窒素雰囲気下で導入し、50℃で、10分間混練して伸長反応を行っい、ポリウレタン樹脂(U−1)を得た。(U−1)のMwは51,600で、Mw/Mnは2.6であった。
一軸押出機であるFS30[池貝(株)製]に、Mnが2,000のポリブチレンアジペートジオール「サンエスター4620」[三洋化成(株)製]2,000部及びIPDI445部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行い、NCO含量が3.4%のウレタンプレポリマー(P−2)を得た。(P−2)2445部及び前記(c2−1)2987部をFS30に窒素雰囲気下で導入し、50℃で、10分間混練して伸長反応を行い、ポリウレタン樹脂(U−2)を得た。(U−2)のMwは75,000で、Mw/Mnは3.1であった。
攪拌装置を備えた反応容器に、Mnが2,000のポリブチレンアジペートジオール「サンエスター4620」[三洋化成(株)製]2,000部及びIPDI445部を投入し、窒素雰囲気下で110℃で6時間反応させ、NCO含量が3.4%のウレタンプレポリマー(P−3)を得た。80℃に冷却後、トルエン4075部を加え均一な溶液とした。更にイソプロパノール2038部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン192部を加え、40℃で3時間反応して樹脂濃度30%のポリウレタン樹脂溶液を得た。この溶液から溶媒を留去してポリウレタン樹脂(U’−1)を得た。(U’−1)のMwは70,800で、Mw/Mnは3.3であった。
二軸混練機のKRCニーダー[栗本鐵工(株)製]に、2,000のポリブチレンアジペートジオール「サンエスター4620」[三洋化成(株)製]2,000部及びIPDI445部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行い、NCO含量が3.4%のウレタンプレポリマー(P−4)を得た。(P−4)2445部及び前記(c2−1)2575部をKRCニーダーに窒素雰囲気下で導入し、50℃で、10分間混練して伸長反応を行い、ポリウレタン樹脂(U’−2)を得た。(U’−2)のMwは302,000で、Mw/Mnは3.5であった。
二軸混練機のKRCニーダー[栗本鐵工(株)製]に、2,000のポリブチレンアジペートジオール「サンエスター4620」[三洋化成(株)製]2,000部及びIPDI445部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行い、NCO含量が3.4%のウレタンプレポリマー(P−5)を得た。(P−5)2445部、前記(c2−1)2575部及びジ−n−ブチルアミン204部をKRCニーダーに窒素雰囲気下で導入し、50℃で、10分間混練して伸長反応を行い、ポリウレタン樹脂(U’−3)を得た。(U’−3)のMwは10,700で、Mw/Mnは3.0であった。
攪拌装置を備えた反応容器に、2,000のポリネオペンチレンアジペートジオール「サンエスター5620」[三洋化成(株)製]2,000部及びIPDI333部からなる混合物を投入し、窒素雰囲気下で110℃で6時間反応させ、NCO含量が1.8%のウレタンプレポリマー(P−5)を得た。40℃に冷却後、アセトン1555部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール1555部を加えて均一になるまで撹拌後、前記(c2−1)1700部を加え、40℃で3時間反応した。この反応物から溶媒を留去してポリウレタン樹脂(U’−4)を得た。(U’−4)のMwは106,000で、Mw/Mnは5.3であった。
実施例1、2及び比較例1〜4で得られたポリウレタン樹脂(U−1)〜(U−2)及び(U’−1)〜(U’−4)を用い、以下の配合処方に基づいて顔料分散機(ペイントシェーカー)を用いて5時間分散して、実施例3、4及び比較例5〜8の印刷インキを作製した。
尚、比較例5及び6では、ポリウレタン樹脂がイソプロパノールに溶解しなかったため、イソプロパノールに代えてイソプロパノールとトルエンの混合溶液[イソプロパノール:トルエン=1:2(重量比)]を用いてインキ化した。
[評価インキの配合処方]
ポリウレタン樹脂 : 30部
顔料(ルチル型酸化チタン): 90部
イソプロパノール :180部
ガラスビーズ :150部
表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)、表面処理ポリエステルフィルム(PET)及び表面処理ナイロンフィルムにインキを固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロテープ(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロテ−プの一端を塗面に対して、垂直方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を観察して以下の評価基準で評価した。尚、セロテープはニチバン株式会社の登録商標である。
評価基準 ○:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
(2)耐ブロッキング性:
セロテープ接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗布したもの)の塗布面と非塗布面とを重ね合わせ、1.0kgf/cm2の荷重をかけて温度40℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で24時間静置後、剥がして表面の状態を観察した。
評価基準 ○:剥がす時にブロッキングしていない。
×:剥がす時にブロッキングしている。
(3)アルコール溶解性:
ポリウレタン樹脂200部とイソプロパノール467部とを混合し、ポリウレタン樹脂がイソプロパノールに溶解するかどうかを確認した。
評価基準 ○:均一に溶解する。
×:白濁又は樹脂分が析出する。
Claims (3)
- 主鎖(A)とポリエーテル骨格を有する側鎖(B)とからなるグラフト重合物であり、重量平均分子量(Mw)が20,000〜200,000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.5であるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダー樹脂であって、前記ポリウレタン樹脂(U)が、有機溶剤の非存在下に、2官能の有機イソシアネート化合物と2官能のポリオール化合物と、ポリアルキレンポリアミンのイミノ基のみにアルキレンオキサイドが付加したジアミン(c2)を含有するポリアミン化合物(c)とを反応させて得られるアルコール可溶性印刷インキ用バインダー樹脂。
- 一軸又は二軸の混練機を用いて反応させてなる請求項1記載の印刷インキ用バインダー樹脂。
- 請求項1又は2記載のバインダー樹脂を含有してなる印刷インキ。
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