JP2021001292A - ナノセルロース・界面活性剤複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】水への再分散性に優れたナノセルロース・界面活性剤複合体及びその製造方法等を提供する。【解決手段】ナノセルロース及び界面活性剤を含むナノセルロース・界面活性剤複合体であって、含水率が10%未満であり、前記界面活性剤が重量平均分子量3000以上のイオン性界面活性剤であるナノセルロース・界面活性剤複合体。【選択図】なし

Description

本発明は、ナノセルロース・界面活性剤複合体、その製造方法、及びゴム組成物に関する。
セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)等のナノセルロースは、軽量で高い強度を付与できる等、優れた特性を付与できるため、これを用いた複合材料が提案されている。
ナノセルロースは、例えば、ナノセルロースを水媒体に分散させた分散液を乾燥して作製した乾燥品が提供されており、この乾燥品を水媒体に再分散させた再分散液と、ゴムや樹脂等の他の材料と用いて、複合材料が製造されることが多い。
しかしながら、再分散時にナノセルロースが良好に分散しない場合があり、この場合、他の材料と複合化してもナノセルロースが充分に分散した複合材料を提供できないという問題がある。従って、水への再分散性に優れたナノセルロース材料(乾燥品)を提供することが望まれている。
本発明は、前記課題を解決し、水への再分散性に優れたナノセルロース・界面活性剤複合体及びその製造方法等を提供することを目的とする。
本発明は、ナノセルロース及び界面活性剤を含むナノセルロース・界面活性剤複合体であって、含水率が10%未満であり、前記界面活性剤が重量平均分子量3000以上のイオン性界面活性剤であるナノセルロース・界面活性剤複合体に関する。
前記ナノセルロースは、ミクロフィブリルセルロース及び/又はセルロースナノクリスタルであることが好ましい。
前記ミクロフィブリルセルロースは、平均繊維径が2〜50nm、平均繊維長が10μm以下、結晶化度が60〜90%であることが好ましい。
前記セルロースナノクリスタルは、平均繊維径が2〜50nm、平均繊維長が500nm以下、結晶化度が70%以上であることが好ましい。
本発明は、前記イオン性界面活性剤及びナノセルロース分散液を混合し混合液を作製する工程と、前記混合液を乾燥する工程とを含む前記ナノセルロース・界面活性剤複合体の製造方法に関する。
本発明はまた、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体を含むゴム組成物に関する。
本発明によれば、ナノセルロース及び界面活性剤を含むナノセルロース・界面活性剤複合体であって、含水率が10%未満であり、前記界面活性剤が重量平均分子量3000以上のイオン性界面活性剤であるナノセルロース・界面活性剤複合体であるため、水への再分散性に優れている。従って、該ナノセルロース・界面活性剤複合体を用いることで、ナノセルロースの分散性が良好な複合材料を提供できる。
〔ナノセルロース・界面活性剤複合体〕
本発明のナノセルロース・界面活性剤複合体は、ナノセルロース及び重量平均分子量3000以上のイオン性界面活性剤を含み、かつ含水率が10質量%未満である。該複合体は、水への再分散性に優れ、ナノセルロースの分散性が良好な複合材料(ゴム、ナノセルロースを含むゴム組成物等)を提供できる。
このような作用効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推察される。
ナノセルロースを水に分散した分散液を乾燥し作製した低含水率のナノセルロース(乾燥品等)は、これを水に再分散しようとしても、再び充分にナノセルロースが分散した分散液が得られない傾向がある。これは、乾燥品等のナノセルロース同士が強固に凝集し、水に再分散しようとしても、凝集力が強いため、再分散が困難になると推察される。一方、ナノセルロースを特定分子量のイオン性界面活性剤と共に水に分散した分散液を乾燥し作製した低含水率のナノセルロースは、再分散しても、ナノセルロースの分散性に優れた分散液が再度得ることができる。これは、乾燥品等において、所定の界面活性剤によりナノセルロースが凝集しづらくなるため、再分散しても、ナノセルロースが充分に分散した分散液の再調製が可能になると推察される。従って、ナノセルロース及び所定の界面活性剤を含み、かつ含水率10質量%未満に調整した複合体は、水への再分散性に優れていると推察される。また、該複合体から作製したナノセルロース再分散液により、ナノセルロースの分散性に優れた複合材料を提供できると推察される。
ナノセルロース・界面活性剤複合体は、該複合体100質量%中の含水率(水分の含有割合)が10質量%未満である。該複合体の含水率は、7質量%以下、5質量%以下、3質量%以下でもよい。このような低含水率の複合体であっても、水への再分散により良好な分散性を有するナノセルロース分散液を提供できる。
なお、含水率は、JIS A 1476:2006「建築材料の含水率測定方法」に準拠して測定した値である。
(ナノセルロース)
ナノセルロース・界面活性剤複合体におけるナノセルロースは、その繊維径(直径)がナノサイズであるセルロース繊維であり、セルロース繊維を含む材料(木材パルプ等)をその繊維をナノサイズレベルまで解きほぐして(解繊処理して)得られるセルロースである。ナノセルロースは、セルロース分子が複数本集まって、ナノサイズの径の繊維を形成しており、セルロース分子間は水素結合により連結されている。植物の細胞壁の中では、幅4nm程のセルロースミクロフィブリル(シングルセルロースナノファイバー)が最小単位として存在し、植物の基本骨格物質であるが、ナノセルロースは、セルロースミクロフィブリル又はセルロースミクロフィブリルが複数凝集して形成されるナノサイズのセルロースである。
ナノセルロースとしては、例えば、ミクロフィブリルセルロース(セルロースナノファイバー(CNF))、セルロースナノクリスタル(CNC)を好適に使用できる。ナノセルロースは、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
CNFは、セルロース繊維を機械的解繊等の処理を施すことで得られる繊維である。植物繊維を解繊し、CNFを調製する方法としては、パルプ等のセルロース繊維含有材料を解繊する方法が挙げられる。解繊方法としては、例えば、セルロース繊維含有材料の水懸濁液又はスラリーを、リファイナー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、一軸又は多軸混練機(好ましくは二軸混練機)、ビーズミル等による機械的な摩砕、叩解することにより解繊する方法が使用できる。
CNFの平均繊維径は、マトリックス中での分散性等の観点から、10μm以下が好ましい。該平均繊維径は、500nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましく、50nm以下が特に好ましい。また、該平均繊維径の下限は特に制限されないが、1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、3nm以上が更に好ましい。
CNFの平均繊維長は、100nm以上が好ましく、300nm以上がより好ましく、500nm以上が更に好ましい。また、上限は、50μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。また、CNFのアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、10以上が好ましい。
CNCは、セルロース繊維を酸加水分解等の化学的処理を施すことで得られる結晶である。植物繊維を解繊し、CNCを調製する方法としては、公知の方法が採用できる。例えば、前記セルロース繊維含有材料の水懸濁液又はスラリーに、硫酸、塩酸、臭化水素酸等による酸加水分解等処理を施す化学的手法が使用できる。
CNCの平均繊維径は、マトリックス中での分散性等の観点から、10μm以下が好ましい。該平均繊維径は、500nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましく、50nm以下が特に好ましい。また、該平均繊維径の下限は特に制限されないが、1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、3nm以上が更に好ましい。
CNCの平均繊維長は、50nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましく、100nm以上が更に好ましい。また、上限は、下限は、800nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましく、300nm以下が更に好ましい。
本明細書において、ナノセルロースの平均繊維径及び平均繊維長は、走査型電子顕微鏡写真による画像解析、透過型電子顕微鏡写真による画像解析、原子間力顕微鏡写真による画像解析、X線散乱データの解析、細孔電気抵抗法(コールター原理法)等によって測定できる。なお、本明細書において、ナノセルロース(セルロース繊維)の平均繊維径、平均繊維長は、典型的には、セルロース分子の集合により形成されているセルロース繊維の集合体の平均繊維径、平均繊維長である。
CNFの結晶化度は、通常、90%以下であり、80%以下や70%以下でもよい。該結晶化度の下限は、ゴムマトリックス中での分散性等の観点から、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上が更に好ましい。
CNCの結晶化度は、ゴムマトリックス中での分散性等の観点から、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。該結晶化度の上限は特に限定されず、100%でもよい。
本明細書において、ナノセルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化度であり、下記式により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
ナノセルロースの原料(セルロース)としては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、竹パルプ、エスパルトパルプ、コットンパルプなどから得られる植物由来セルロース、低酸溶紡糸による高重合度の再生セルロース(ポリノジックレーヨン)、アミン・オキサイド系有機溶剤を用いた溶剤紡糸レーヨンなどの再生セルロース、バクテリア産生セルロース、ホヤなどの動物由来セルロース、電界紡糸法によるナノセルロースなどが挙げられる。
植物由来セルロースからナノセルロースを製造する方法として、物理的方法と化学的方法がある。物理的方法(解繊)としては、高圧ホモジナイザー法、マイクロフリュイダイザー法、ボールミル粉砕法、グラインドミル粉砕法などが挙げられる。化学的方法としては、TEMPO酸化法などが挙げられる。
ナノセルロースとしては、リグニンやヘミセルロースが一部残存しているもの、表面を化学修飾処理したもの(修飾パルプ)なども使用できる。修飾パルプとしては、例えば、セルロース繊維の水酸基がエステル化及びエーテル化から選ばれる少なくとも1種の方法により修飾されたもの等が挙げられる。また、ナノセルロースの断面形状は、異方形状(扁平など)、等方形状(真円、正多角形など)のいずれでよい。
(イオン性界面活性剤)
イオン性界面活性剤は、重量平均分子量(Mw)が3000以上である。上記範囲のMwを用いることで、良好な水への再分散性を付与できる傾向がある。該Mwは、4000以上がより好ましく、5000以上が更に好ましい。上限は特に限定されないが、50000以下が好ましく、30000以下がより好ましく、25000以下が更に好ましい。なお、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ナノセルロース・界面活性剤複合体におけるイオン性界面活性剤として、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤が挙げられる。なかでも、水への再分散性の観点から、陰イオン性界面活性剤が好ましい。イオン性界面活性剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
陰イオン性界面活性剤は、疎水性基及び親水性基を有する。疎水性基は、疎水性の官能基であればよいが、なかでも、炭化水素基が好ましい。該炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。なかでも、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が好ましい。炭化水素基の炭素数は、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜15、更に好ましくは4〜12である。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、1〜10のものがより好ましく、1〜6のものが更に好ましい。好ましい例として、上記炭素数のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。また、上記炭素数のアルケニル基、アルキニル基も挙げられ、一例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、イソブチレン基等のアルケニル基、エチニル基、プロパギル基等のアルキニル基が挙げられる。なかでも、イソブチレン基が好ましい。
脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜8のものが好ましく、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜12のものが好ましく、具体的には、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、トリル(tolyl)基、キシリル(xylyl)基、ナフチル基等が挙げられる。なかでも、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基が好ましく、フェニル基、ベンジル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。なお、トリル基及びキシリル基におけるベンゼン環上のメチル基の置換位置は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置でもよい。
親水性基は、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、及びリン酸基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、カルボキシル基、スルホン酸基がより好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、上述のような官能基を有するものが好ましい形態として挙げられるが、具体的には、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系などの界面活性剤に分類できる。
カルボン酸系界面活性剤としては、炭素数が6〜30の脂肪酸塩、多価カルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩や、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等が挙げられ、好ましくは炭素数10〜20のカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤である。スルホン酸系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジフェニルエ−テルスルホン酸塩等が挙げられる。硫酸エステル系界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエ−テル硫酸塩、トリスチレン化フェノ−ル硫酸エステル塩、ジスチレン化フェノール硫酸エステル塩、α−オレフィン硫酸エステル塩、アルキルコハク酸硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレントリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノ−ル硫酸エステル塩等が挙げられる。リン酸エステル系界面活性剤としては、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンリン酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物の塩としては、金属塩(Na,k,Ca,Mg,Zn等)、アンモニウム塩、アミン塩(トリエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
なお、これらの界面活性剤におけるアルキル基としては、炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基としては、炭素数2〜4のアルキレン基を有するものが挙げられ、例えば酸化エチレンの付加モル数が1〜50モル程度のものが使用可能である。
陽イオン性界面活性剤も同様に、疎水性基及び親水性基を有する。陽イオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩型の界面活性剤を使用できる。具体的には、4級アンモニウム基及び炭化水素基を有する下記式で表される界面活性剤を好適に使用できる。
[R11121314N]
(式中、R11及びR12は、同一若しくは異なって、炭素数1〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、かつ該R11及びR12の少なくとも一方は炭素数が4以上である。R13及びR14は、炭素数1〜3のアルキル基を表す。Xは1価の陰イオンを表す。)
上記式において、R11及びR12は、一方がメチル基、他方が炭素数6〜18のアルキル基であることが好ましい。R1314は、メチル基が好ましい。Xとしては、塩化物イオン、臭化物イオンなどのハロゲンイオンが挙げられる。
上記式で表される陽イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらに対応するブロミドなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。なかでも、ナノセルロースの分散性を向上できる点から、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、エレメンティス社、花王(株)、第一工業製薬(株)、三洋化成工業(株)等の製品を使用できる。
ナノセルロース・界面活性剤複合体は、水への再分散性の観点から、ナノセルロース(固形分)100質量部に対する前記イオン性界面活性剤の含有量が5〜50質量部が好ましい。該含有量は、9質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましい。上限は、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましい。
ナノセルロース及び界面活性剤を含むナノセルロース・界面活性剤複合体は、例えば、前記イオン性界面活性剤及びナノセルロース分散液を混合し混合液を作製する工程(工程(1))と、前記混合液を乾燥する工程(工程(2))とを含む製造方法により作製できる。なお、該製造方法は、上記工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよく、また、上記工程をそれぞれ、1回行ってもよいし、複数回繰り返し行ってもよい。
(工程(1))
工程(1)は、前記イオン性界面活性剤と、ナノセルロース分散液とを混合して、混合液を作製する工程である。
上記工程(1)において、前記イオン性界面活性剤とナノセルロース分散液とを混合し混合液を作製する方法としては、例えば、高速ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、ブレンダ―ミルなどの公知の撹拌装置を用いて、前記イオン性界面活性剤とナノセルロース分散液とを混合する方法などが挙げられる。混合液を作製する際の温度や時間は、イオン性界面活性剤とナノセルロース分散液とが十分に混合するまで、適宜設定でき、例えば、10〜40℃で3〜120分が好ましく、15〜30℃で5〜90分がより好ましい。
ナノセルロース分散液は、公知の方法で製造でき、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの混合機を用いてナノセルロースを水中に分散させることで調製できる。調製の際の温度や時間は、分散状態を考慮し、適宜設定できる。ここで、ナノセルロース分散液中のナノセルロースの含有量(固形分)は特に限定されないが、分散液(100質量%)中での均一分散性の点から、0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.3〜5質量%である。
(工程(2))
工程2では、工程1で得られた混合液を乾燥する。
乾燥する方法としては、特に制限されず、混合液中の水媒体の蒸発が可能な公知の乾燥方法を適宜採用できる。
工程2における乾燥温度は、適宜設定すれば良い。例えば、乾燥効率等の観点から、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましく、110℃以上が更に好ましい。上限は特に限定されないが、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、更に好ましくは180℃以下である。
工程2における乾燥時間は、上記乾燥温度に応じて適宜設定することができ、所望の水分量を除去できる時間を選択すれば良い。乾燥時間は、例えば、1分間〜12時間が挙げられ、乾燥効率等を考慮し、10分間〜10時間、30分間〜5時間等を採用できる。前記乾燥工程を行うことにより、含水率10質量%以下のナノセルロース・界面活性剤複合体が得られる。
〔ナノセルロース・ゴム複合体〕
ナノセルロース・ゴム複合体は、前記工程1で得られた前記イオン性界面活性剤及びナノセルロースを含む混合液を用いて製造できるが、前述のとおり、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体は水への再分散性に優れている。そのため、前記工程2(乾燥)後のナノセルロース・界面活性剤複合体を水中に再分散し作製した再分散液を用いて、ナノセルロースの分散性が良好なナノセルロース・ゴム複合体を製造することも可能である。
具体的には、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体の再分散液及びゴムラテックスを混合することで配合ラテックスを調製する工程(工程3)と、得られた配合ラテックスを凝固させる工程(工程4)とを含む製造方法により、ナノセルロースの分散性に優れたナノセルロース・ゴム複合体を製造できる。なお、該製造方法は、上記工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよく、また、上記工程を、1回行ってもよいし、複数回繰り返し行ってもよい。
(工程3)
工程3では、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体の再分散液及びゴムラテックスを混合することで配合ラテックスが調製される。
前記ナノセルロース・界面活性剤複合体の再分散液は、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体と水とを混合することにより調製できる。該再分散液は、公知の方法で製造でき、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの混合機を用いてナノセルロースを含む該複合体を水中に分散させることで調製できる。調製の際の温度や時間は、分散状態を考慮し、適宜設定できる。ここで、前記再分散液中のナノセルロースの含有量(固形分)は特に限定されないが、再分散液(100質量%)中での均一分散性の点から、0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.3〜5質量%である。
ゴムラテックスとしては、例えば、天然ゴムラテックス、合成ジエン系ゴムラテックス(ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどのラテックス)などのジエン系ゴムラテックスが好適に使用できる。これらゴムラテックスは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、天然ゴムラテックス、SBRラテックス、BRラテックス、イソプレンゴムラテックスがより好ましく、天然ゴムラテックスが更に好ましい。
ゴムラテックスのpHは、好ましくは8.5以上、より好ましくは9.5以上である。該pHが8.5未満では、ゴムラテックスが不安定となり、凝固しやすい傾向がある。ゴムラテックスのpHは、好ましくは12以下、より好ましくは11以下である。該pHが12を超えると、ゴムラテックスが劣化するおそれがある。
ゴムラテックスは、従来公知の製法で調製でき、各種市販品も使用できる。なお、ゴムラテックスとしては、ゴム固形分が10〜80質量%のものを使用することが好ましい。より好ましくは20〜60質量%である。
上記工程3の混合工程では、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体の再分散液と、ゴムラテックスとを混合し、均一な分散液になるまで充分に攪拌することで、配合ラテックスを調製できる。混合方法としては、ブレンダーミルなどの公知の攪拌装置にゴムラテックスを入れ、撹拌しながら、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体の再分散液を滴下する方法や、前記ナノセルロース・界面活性剤複合体の再分散液及びゴムラテックスを撹拌しながら、これにゴムラテックスを滴下する方法などが挙げられる。
配合ラテックスのpHは、好ましくは9.0以上、より好ましくは9.5以上である。該pHが9.0未満では、配合ラテックスが不安定になる傾向がある。配合ラテックスのpHは、好ましくは12以下、より好ましくは11.5以下である。該pHが12を超えると、配合ラテックスが劣化するおそれがある。
上記工程3では、ナノセルロースの分散性の観点から、ゴムラテックスのゴム固形分100質量部に対して、ナノセルロースが1〜150質量部となるように前記再分散液を混合することが好ましい。該ナノセルロースの含有量は、より好ましくは5質量部以上である。また、該含有量は、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは70質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。
上記工程3における混合温度及び混合時間は、均一な配合ラテックスが調製できる点から、好ましくは10〜40℃で3〜120分、より好ましくは15〜30℃で5〜90分である。
(工程4)
工程4では、得られた配合ラテックスを凝固させる。例えば、上記工程3で得られた配合ラテックスのpHを3〜5(好ましくは3〜4)に調整することで、凝固させることができる。pH調整し、配合ラテックスを凝固させる方法としては、通常、酸が使用され、これを配合ラテックスに添加することで凝固される。凝固させるための酸としては、硫酸、塩酸、ギ酸、酢酸などが挙げられる。凝固工程の温度は、10〜40℃で行うことが好ましい。
また、凝固の状態(凝固した凝集粒子の大きさ)を制御する目的で、凝集剤を添加しても良い。凝集剤として、カチオン性高分子などを用いることができる。
得られた凝固物(凝集ゴム及びナノセルロースを含む凝集物)を公知の方法でろ過、乾燥させ、更に乾燥後、2軸ロール、バンバリーなどでゴム練りを行うことで、ナノセルロースがゴムマトリックスに均一に分散したナノセルロース・ゴム複合体を得ることができる。なお、ナノセルロース・ゴム複合体は、効果を阻害しない範囲で他の成分を含んでもよい。
〔ゴム組成物〕
上記ナノセルロース・ゴム複合体は、マスターバッチとして使用でき、例えば、上記ナノセルロース・ゴム複合体を含むゴム組成物は各種用途に適用可能である。上記ナノセルロース・ゴム複合体は、ゴム中にナノセルロースが十分に分散しており、他の成分と混合したゴム組成物でもナノセルロースを十分に分散できる。そのため、効果的な補強性を発揮でき、耐久性(破断強度)、低燃費性等のゴム物性をバランス良く改善できる。
ゴム組成物は、ゴム成分を含むものであるが、ゴム成分として、天然ゴムラテックス、SBRラテックス、BRラテックス、イソプレンゴムラテックス等の前記ゴムラテックス由来のゴム成分(前記ナノセルロース・ゴム複合体中に含まれるゴム成分)を50質量%以上含むことが好ましい。より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは85質量%以上で、100質量%でもよい。
なかでも、ゴム成分100質量%中、天然ゴムラテックス由来の天然ゴム(ナノセルロース、天然ゴムラテックスを用いて得られた複合体中の天然ゴム)を50質量%以上含むことが好ましく、75質量%以上含むことがより好ましく、85質量%以上含むことが更に好ましく、100質量%でもよい。
上記ゴム組成物には、上記ナノセルロース・ゴム複合体に用いられたゴム(ゴム成分)以外の他のゴム成分を配合してもよい。他のゴム成分としては、例えば、ジエン系ゴムを使用できる。ジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、上記以外のゴム成分としては、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。タイヤ物性の観点からは、ゴム成分としては、SBR、BR、イソプレン系ゴムが好ましい。
上記他のゴム成分は、非変性ジエン系ゴムでもよいし、変性ジエン系ゴムでもよい。
変性ジエン系ゴムとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するジエン系ゴムであればよく、例えば、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴム(末端に上記官能基を有する末端変性ジエン系ゴム)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ジエン系ゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ジエン系ゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ジエン系ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ジエン系ゴム等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
タイヤ物性の観点から、SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。
SBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、ウェットグリップ性能等の観点から、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%である。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性が向上するという理由から、シス含量が90質量%以上のハイシスBRが好ましい。
また、BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、耐摩耗性等の観点から、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%である。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソプレン系ゴムを含有する場合、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、低燃費性等の観点から、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%である。
上記ゴム組成物において、ナノセルロースの含有量は、ゴム物性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、7質量部以上が更に好ましい。また、ナノセルロース分散性等の観点から、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましい。
上記ゴム組成物は、ナノセルロース以外の他のフィラーを配合してもよい。他のフィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。なかでも、タイヤ物性の観点からは、カーボンブラック、シリカが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、グリップ性能等が得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。上限以下にすることで、ゴム組成物の良好な加工性が得られる傾向がある。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、グリップ性能が得られる傾向がある。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
シリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは25質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能、操縦安定性が得られる傾向がある。該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは300質量部以下、より好ましくは200質量部以下、更に好ましくは170質量部以下、特に好ましくは100質量部以下、最も好ましくは80質量部以下である。上限以下にすることで、良好な分散性が得られる傾向がある。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは70m/g以上、より好ましくは140m/g以上、更に好ましくは160m/g以上である。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能、破壊強度が得られる傾向がある。また、シリカのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは500m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。上限以下にすることで、良好な分散性が得られる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
上記ゴム組成物がシリカを含む場合、更にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、6質量部以上がより好ましい。3質量部以上であると、良好な破壊強度等が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、可塑剤を配合してもよい。
可塑剤の含有量は、加工性等の観点から、ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、7質量部以上が更に好ましい。また、破壊強度等の観点から、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましい。
可塑剤としては、特に限定されないが、オイル、液状樹脂などの25℃で液状の可塑性を有する材料が挙げられる。これら可塑剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記オイルとしては、特に限定されず、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイル、植物油脂、及びこれらの混合物等、従来公知のオイルを使用できる。なかでも、耐摩耗性及び破壊特性の点では、アロマ系プロセスオイルが好ましい。上記アロマ系プロセスオイルとしては、具体的には、出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAHシリーズ等が挙げられる。
上記液状樹脂としては、特に制限されないが、例えば、液状の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂、またはこれらの水素添加物などが挙げられる。
液状芳香族ビニル重合体とは、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、スチレンの単独重合体、α−メチルスチレンの単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体などの液状樹脂が挙げられる。
液状クマロンインデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれていてもよいモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどの液状樹脂が挙げられる。
液状インデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、インデンを含む液状樹脂である。
液状テルペン樹脂とは、αピネン、βピネン、カンフェル、ジペテンなどのテルペン化合物を重合して得られる樹脂や、テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料として得られる樹脂であるテルペンフェノールに代表される液状テルペン系樹脂である。
液状ロジン樹脂とは、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、これらのエステル化合物、または、これらの水素添加物に代表される液状ロジン系樹脂である。
上記ゴム組成物には、固体樹脂(常温(25℃)で固体状態のポリマー)を配合してもよい。
固体樹脂を含有する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
固体樹脂としては、特に限定されないが、例えば、固体状のスチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状のスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いた固体状ポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。
上記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1−ブテン、1−ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物;等が例示できる。
なかでも、固体状のα−メチルスチレン系樹脂(α−メチルスチレン単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体等)が好ましい。
固体状のクマロンインデン樹脂としては、前述の液状状態のクマロンインデン樹脂と同様の構成単位を有する固体樹脂が挙げられる。
固体状のテルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。
ポリテルペンは、テルペン化合物を重合して得られる樹脂及びそれらの水素添加物である。テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。
固体状のポリテルペンとしては、上述したテルペン化合物を原料とするα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β−ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂等の固体樹脂も挙げられる。
固体状のテルペンフェノールとしては、上記テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した固体樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した固体樹脂が挙げられ、具体的には、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びホルマリンを縮合させた固体樹脂が挙げられる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。
固体状の芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる固体樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した固体樹脂が挙げられる。なお、芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
固体状のp−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂としては、p−t−ブチルフェノールとアセチレンとを縮合反応させて得られる固体樹脂が挙げられる。
固体状のアクリル系樹脂としては特に限定されないが、不純物が少なく、分子量分布がシャープな樹脂が得られるという点から、無溶剤型アクリル系固体樹脂を好適に使用できる。
固体状の無溶剤型アクリル樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42−45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
固体状のアクリル系樹脂は、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないことが好ましい。また、上記アクリル系樹脂は、連続重合により得られる組成分布や分子量分布が比較的狭いものが好ましい。
上述のように、固体状のアクリル系樹脂としては、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないもの、すなわち、純度が高いものが好ましい。固体状のアクリル系樹脂の純度(該樹脂中に含まれる樹脂の割合)は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
固体状のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
また、固体状のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
固体状のアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂であっても良い。
また、固体状のアクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてよい。
可塑剤、固体樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
上記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。下限以上にすることで、充分な耐オゾン性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。上限以下にすることで、良好な外観が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。ステアリン酸の含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部以上、より好ましくは0.5〜5質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。酸化亜鉛の含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
上記ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。なお、ワックスの含有量は、耐オゾン性、コストの点から、適宜設定すれば良い。
上記ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な前記性能バランスを付与するという点で、硫黄を配合することが好ましい。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上である。該含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下である。上記範囲内にすることで、良好な前記性能バランスが得られる傾向がある。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤の含有量は特に制限はなく、要望する加硫速度や架橋密度に合わせて自由に決定すれば良いが、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7質量部である。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、前記性能バランスの観点から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
上記ゴム組成物には、上記成分以外にも、離型剤や顔料等の応用分野に従って、それらの使用に使われる通常の添加物を適宜配合してもよい。
上記ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、上記フィラー・ゴム複合体等の各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分、好ましくは1分〜30分である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常100℃以下、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
上記ゴム組成物は、タイヤ、靴底ゴム、床材ゴム、防振ゴム、免震ゴム、ブチル枠ゴム、ベルト、ホース、パッキン、薬栓、その他のゴム製工業製品等に用いることができる。特に、耐久性(破断強度)、操縦安定性、低燃費性等を改善できることから、タイヤ用ゴム組成物として用いることが好ましい。
上記ゴム組成物は空気入りタイヤに好適に使用できる。上記空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、必要に応じて各種材料を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
〔評価方法〕
CNC・界面活性剤複合体、CNF・界面活性剤複合体の評価方法は、以下のとおりである。
(含水率)
CNC・界面活性剤複合体、CNF・界面活性剤複合体について、JIS A 1476:2006「建築材料の含水率測定方法」に準拠し、含水率(%)を測定した。
(復元率)
得られたCNC・界面活性剤複合体又はCNF・界面活性剤複合体10gに純水500gを添加し、これを撹拌、及び超音波処理を10分間行って再分散し、CNC・界面活性剤再分散液、CNF・界面活性剤再分散液を得た。
CNC・界面活性剤再分散液、CNF・界面活性剤再分散液について、以下の式に基いて復元率(%)を測定した。復元率が大きいほど、再分散性が良好である。
〔復元率(%)〕=〔CNC・界面活性剤再分散液又はCNF・界面活性剤再分散液の粘度(mPa・s)〕/〔CNCスラリー(CNC水分散液)又はCNFスラリー(CNF水分散液)の粘度(mPa・s)〕×100
なお、粘度は、23℃での粘度(mPa・s)を音叉型振動式粘度計により測定した。
以下、CNC・界面活性剤複合体の調製等で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
CNC:Inno Tech Alberta製のセルロースナノクリスタル(平均繊維長100〜300nm、平均繊維径5〜50nm、結晶化度80%、固形分2質量%)
界面活性剤A:エレメンティス社製のNUOSPERSE FX 605(陰イオン性界面活性剤、ポリカルボン酸ナトリウム塩(疎水性基:炭化水素基、親水性基:COO(カルボキシル基)、対イオン:Na)、Mw6000)
界面活性剤B:花王(株)製のデモールEP(陰イオン性界面活性剤、ポリカルボン酸ナトリウム塩(疎水性基:イソブチレン基、親水性基:COO(カルボキシル基)、対イオン:Na)、Mw20000)
界面活性剤C:花王社製のデモールNL(陰イオン性界面活性剤(疎水性基:炭化水素基、親水性基:SO (スルホン酸基)、対イオン:Na)、Mw20000)
界面活性剤D:エレメンティス社製のNUOSPERSE FX 600(陰イオン性界面活性剤、ポリカルボン酸アミン塩(疎水性基:フェニル基、親水性基:COO(カルボキシル基)、対イオン:NH )、Mw2000)
界面活性剤E:ハンツマン(株)製のteric 16A29(非イオン性界面活性剤、CH(CH15(OC29−OH))
(CNC・界面活性剤複合体の調製)
CNC及び純水を用いて調製した1質量%のCNC水分散液に、表1の配合処方に従って各種界面活性剤を所定量添加し、高速ホモジナイザーを用いて室温(20〜30℃)で5分間攪拌して、CNC及び界面活性剤を含む混合物(混合液)を得た。次いで、得られた混合液をろ過し、乾燥(170℃、60分間)して、CNC・界面活性剤複合体を得た。
Figure 2021001292
以下、CNF・界面活性剤複合体の調製等で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
ミクロフィブリル化植物繊維:(株)スギノマシン製のバイオマスナノファイバー(製品名「BiNFi−s セルロース」、固形分2質量%、水分98質量%、平均繊維径20〜50nm、平均繊維長500〜1000nm、結晶化度70%)
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル
臭化ナトリウム:富士フイルム和光純薬(株)製
次亜塩素酸ナトリウム:東京化成工業(株)製
NaOH:富士フイルム和光純薬(株)製のNaOH
界面活性剤A:エレメンティス社製のNUOSPERSE FX 605(陰イオン性界面活性剤、ポリカルボン酸ナトリウム塩(疎水性基:炭化水素基、親水性基:COO(カルボキシル基)、対イオン:Na)、Mw6000)
界面活性剤B:花王(株)製のデモールEP(陰イオン性界面活性剤、ポリカルボン酸ナトリウム塩(疎水性基:イソブチレン基、親水性基:COO(カルボキシル基)、対イオン:Na)、Mw20000)
界面活性剤F:ポリエチレンオキサイド(Mw150000)
(ミクロフィブリル化植物繊維分散液(CNF水分散液)の調製)
ミクロフィブリル化植物繊維10g、TEMPO150mg、臭化ナトリウム1000mgを水1000mlに分散させた後、15質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1gのミクロフィブリル化植物繊維(絶乾)に対して次亜塩素酸ナトリウムの量が5mmolとなるように加えて反応を開始した。反応中は3MのNaOH水溶液を滴下してpHを10.0に保った。pHに変化が見られなくなった時点で反応終了とみなし、反応物をガラスフィルターにてろ過した後、十分な量の水による水洗、ろ過を5回繰り返し、固形分量15質量%の水を含浸させた反応物繊維を得た。
それを希釈して1質量%のCNF水分散液を得た。
(CNF・ゴム複合体の調製)
調製した1質量%のCNF水分散液に、表2の配合処方に従って各種界面活性剤を所定量添加し、高速ホモジナイザーを用いて室温(20〜30℃)で5分間攪拌して、CNF及び界面活性剤を含む混合物(混合液)を得た。次いで、得られた混合液をろ過し、乾燥(170℃、60分間)して、CNF・界面活性剤複合体を得た。
Figure 2021001292
以下、ゴム組成物の製造で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴムラテックス:Muhibbah LATEKS社から入手したフィールドラテックス
各CNC・界面活性剤再分散液:前記復元率の評価で作製
各CNF・界面活性剤再分散液:前記復元率の評価で作製
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA111m/g)
オイル:ジャパンエナジー(株)製のプロセスX140
老化防止剤:精工化学(株)製のオゾノン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(CNC・天然ゴム複合体、CNF・天然ゴム複合体の調製)
CNC・界面活性剤再分散液A、B、C、D、E又はCNF・界面活性剤再分散液A、B、Fと、天然ゴムラテックスとを、ゴム固形分100質量部に対してCNC又はCNF(固形分)10質量部の配合比で混合し、高速ホモジナイザーを用いて室温で5分攪拌し、pH10.2の配合ラテックスを得た。次いで、室温下で2質量%ギ酸水溶液を加え、pH3〜4に調整し、凝固物を得た。得られた凝固物をろ過し、乾燥してCNC・天然ゴム複合体A、B、C、D、E、CNF・界面活性剤再分散液A、B、Fを得た。
なお、CNC・天然ゴム複合体X、CNF・天然ゴム複合体Yは、CNC・界面活性剤再分散液、CNF・界面活性剤再分散液に代えて、前記CNC水分散液(界面活性剤無)、前記CNF水分散液(界面活性剤無)を使用し、同様に作製した。
<ゴム組成物の作製>
表3、4に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃で4分間混練りした。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して80℃で4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を以下の方法で評価した。なお、表3、4の基準比較例は、それぞれ比較例1−3、2−2である。
〔評価方法〕
(CNC、CNF分散性)
加硫ゴム組成物を電子顕微鏡により観察し、ゴムマトリックス中のCNC、CNF分散性を評価した。基準比較例のCNC分散性、CNF分散性を100とし、各配合ゴムを指数表示した。指数が大きいほど、CNC、CNFの分散性が良好であることを示す。
(破断強度)
加硫ゴム組成物を用いて3号ダンベル型ゴム試験片を作製し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を行い、破断強度(TB)を測定した。基準比較例のゴム試験片(基準試験片)のTB指数を100とし、下記計算式により、各配合のTBを指数表示した。TB指数が大きいほど破断強度が大きく補強性、耐久性に優れることを示す。
(TB指数)=(各配合のTB)/(基準比較例のTB)×100
(低燃費性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み1%、周波数10Hzの条件下で、各配合(加硫ゴム組成物)の損失正接(tanδ)及び複素弾性率E*(MPa)を測定した。基準比較例のtanδ、E*を100として、各配合のtanδ指数、E*指数を算出した。指数が大きいほど、転がり抵抗が低減され、低燃費性が良好であることを示す。また、E*指数×tanδ指数/100で算出されるバランス指数を求めた。バランス指数が大きいほど、弾性率と低燃費性のバランスが良好であることを示す。
Figure 2021001292
Figure 2021001292
表3〜4より、重量平均分子量3000以上のイオン性界面活性剤とナノセルロースとを含む複合体は、含水率10質量%未満でもあるにもかかわらず、水への再分散性に優れていた。また、これらの複合体を用いたゴム組成物は、ナノセルロースの分散性(CNC分散性、CNF分散性)が良好で、破壊強度、低燃費性も優れていた。更に、弾性率、低燃費性のバランスにも優れていた。

Claims (6)

  1. ナノセルロース及び界面活性剤を含むナノセルロース・界面活性剤複合体であって、
    含水率が10%未満であり、
    前記界面活性剤が重量平均分子量3000以上のイオン性界面活性剤であるナノセルロース・界面活性剤複合体。
  2. 前記ナノセルロースは、ミクロフィブリルセルロース及び/又はセルロースナノクリスタルである請求項1記載のナノセルロース・界面活性剤複合体。
  3. 前記ミクロフィブリルセルロースは、平均繊維径が2〜50nm、平均繊維長が10μm以下、結晶化度が60〜90%である請求項2記載のナノセルロース・界面活性剤複合体。
  4. 前記セルロースナノクリスタルは、平均繊維径が2〜50nm、平均繊維長が500nm以下、結晶化度が70%以上である請求項2記載のナノセルロース・界面活性剤複合体。
  5. 前記イオン性界面活性剤及びナノセルロース分散液を混合し混合液を作製する工程と、前記混合液を乾燥する工程とを含む請求項1〜4のいずれかに記載のナノセルロース・界面活性剤複合体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のナノセルロース・界面活性剤複合体を含むゴム組成物。
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