JP2016040362A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境への配慮がなされているとともに、優れた破断特性と低いエネルギーロスとが両立されたゴム組成物、及び、それを用いて作製される、環境への配慮がなされかつ転がり抵抗特性及び耐久性に優れる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】 ゴム成分と、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体とを含有し、前記混合粉体が、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合、乾燥して調製され、前記ゴム成分100質量部に対して、前記ミクロフィブリルセルロースの含有量が1〜50質量部であることを特徴とするゴム組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来、アラミド、セルロース等の短繊維や、シンジオタクチックポリブタジエン等の結晶性ポリマーでゴムを補強して硬度及びモジュラスを向上させ、例えば70℃での複素弾性率(E)を向上させて操縦安定性を改善する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、耐摩耗性に優れるゴム組成物を提供することを目的として、ジエン系ゴム成分、澱粉およびセルロースからなるゴム組成物が提案され、セルロースとして特にバクテリアセルロースを用いることも提案されている。しかし特許文献1の技術は、ゴムとセルロースとの相容性が悪いことによって破断特性が悪くゴムとセルロースとの界面におけるエネルギーロスが大きいという問題を有する。
特許文献2には、低反発性と剛性(操縦安定性)を両立しうるゴム組成物として、天然植物繊維から調製された微粉末セルロース繊維をジエン系ゴムに配合したゴム組成物が開示されている。しかし特許文献2の技術は、その製法上、セルロース繊維の繊維長が短いため、セルロース繊維配合量に見合った剛性、補強性を得る面において改善の余地がある。
また、セルロースは、水分散体から乾燥させると凝集してしまい、そのままではゴムと混合時にナノレベルで分散しないという課題がある。それにより破壊強度向上や転がり抵抗の低減が困難であった。一方、これまでのセルロースは分散させるために、セルロースを一旦水に分散させ、そこにゴムラテックスを投入、撹拌、そして乾燥という処理を行っていた。この手法は、セルロースを分散させるのに有効ではあるが使用するゴム種がラテックスで限られてしまう(例えば、特許文献3参照)。
よって、環境への配慮がなされており、破断特性に優れかつエネルギーロスの少ないゴム組成物を得ることは未だ困難である。
特開2005−133025号公報 特開2005−75856号公報 特開2013−204010号公報
本発明は、前記課題を解決し、環境への配慮がなされているとともに、優れた破断特性と低いエネルギーロスとが両立されたゴム組成物、及び、それを用いて作製される、環境への配慮がなされかつ転がり抵抗特性及び耐久性に優れる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体とを含有し、前記混合粉体が、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合、乾燥して調製され、前記ゴム成分100質量部に対して、前記ミクロフィブリルセルロースの含有量が1〜50質量部であることを特徴とするゴム組成物に関する。
前記シリカの窒素吸着比表面積は、40〜400m/gであることが好ましい。
前記ミクロフィブリルセルロースの平均繊維径は、4nm〜1μmであることが好ましい。
前記混合粉体中のシリカの配合割合は、30質量%以上であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、環境への配慮がなされているとともに、優れた破断特性と低いエネルギーロスとが両立されたゴム組成物、及び当該ゴム組成物を用いて作製され、環境への配慮がなされ、かつ転がり抵抗特性、耐久性に優れる空気入りタイヤを提供することが可能となる。
本発明に係るゴム組成物は、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合、乾燥して調製される、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体と、ゴム成分とを含有する。シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体はゴム補強剤としての作用を有する。また、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体では、シリカがミクロフィブリルセルロース間に侵入することにより、乾燥時にミクロフィブリルセルロースが凝集してしまうのが抑制されることから、ゴムとの混合時にミクロフィブリルセルロースを比較的容易に分散することが可能となる。これらのことから、本発明のゴム組成物においては、ゴム成分として合成ゴムのみを配合するゴム組成物であってもミクロフィブリルセルロースの効果が好適に発揮され、結果、破断特性、より典型的には引張強さ、破断伸び及び引裂強さ、に優れるゴム組成物を得ることができる。また本発明のゴム組成物は、良好な低燃費性も有する。したがって、本発明のゴム組成物を例えば空気入りタイヤに用いる場合には、該空気入りタイヤの耐久性及び転がり抵抗特性を高度に両立させることができる。
また、ミクロフィブリルセルロース、シリカは共に、石油を原料としない材料であるため、石油資源の使用量を低減でき、環境に配慮できる。
<ゴム成分>
本発明において用いられるゴム成分としては、タイヤ用途等に用いられる一般的なゴムを好適に使用することができ、天然ゴム、変性天然ゴム、及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より具体的には、例えば、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、変性スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、変性天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等を例示できる。
上記変性天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム等を例示できる。
また、tanδの低減による燃費向上効果に優れる点では、上記ゴム成分が、天然ゴム、変性天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、及び変性スチレンブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、天然ゴム、ブタジエンゴム、及び変性スチレンブタジエンゴムからなることが特に好ましい。
上記天然ゴムとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
上記ブタジエンゴムとしては特に制限されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のブタジエンゴム、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するブタジエンゴム等を使用できる。なかでも、耐摩耗性が良好であるという理由から、ブタジエンゴムのシス含量は90質量%以上が好ましい。
上記スチレンブタジエンゴムとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、トレッドゴムに使用する場合にドライグリップ性能、ウェットグリップ性能を向上させることができることから、S−SBRが好ましい。
上記変性スチレンブタジエンゴムとしては特に制限されず、例えば、日本ゼオン(株)製のNipol NS116R、NS612、NS616等が好適に使用される。
上記ゴム成分中の各ゴムの含有量は特に制限されず、適宜設定することができる。
<シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体>
本発明に係るゴム組成物は、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体を含有する。該混合粉体は、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む限り、その他の成分を含んでいてもよい。
上記混合粉体に含まれるミクロフィブリルセルロースとしては、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物、布、再生パルプ、古紙、バクテリアセルロース、ホヤセルロース等の天然物から選択される少なくともいずれかに由来するミクロフィブリルセルロースが挙げられる。なお本発明において、ミクロフィブリルセルロースとは、典型的には、平均繊維径が4nm〜1μmの範囲内であるセルロース繊維、より典型的には、セルロース分子の集合により形成されている平均繊維径100nm以下の微小構造を有するセルロース繊維を意味する。なお、典型的なミクロフィブリルセルロースは、例えば、上記のような平均繊維径を有するセルロース繊維の集合体として形成されていることができる。
本発明においては、上記のような天然物に由来するミクロフィブリルセルロースを用いることにより、二酸化炭素排出量の顕著な削減効果を得ることができ、これにより本発明のゴム組成物は環境への配慮がなされたものとなる。中でも、二酸化炭素排出量の削減効果が良好でかつ入手が容易な点で、上記ミクロフィブリルセルロースとしては、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物、布、再生パルプ、及び古紙からなる群より選択される少なくとも1種に由来するミクロフィブリルセルロースであることが特に好ましい。これらミクロフィブリルセルロースとしては、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ミクロフィブリルセルロースの製造方法としては特に限定されないが、例えば、上記ミクロフィブリルセルロースの原料を水酸化ナトリウム等の薬品で化学処理した後、リファイナー、二軸混錬機(二軸押出機)、二軸混錬押出機、高圧ホモジナイザー、媒体撹拌ミル、石臼、グラインダー、振動ミル、サンドグラインダー等により機械的に磨砕ないし叩解する方法が挙げられる。この方法では、化学処理によって原料からリグニンが分離されるため、リグニンを実質的に含有しないミクロフィブリルセルロースが得られる。
上記ミクロフィブリルセルロースの平均繊維径は、ゴム補強効果と破断伸びのバランスが良好であるという観点から、4nm以上1μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.1μm以下である。また、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上である。
上記ミクロフィブリルセルロースの平均繊維長は、好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下であり、また、好ましくは1μm以上、より好ましくは50μm以上である。平均繊維長が下限未満の場合や上限を超える場合は、前述の平均繊維径と同様、ゴム補強効果と破断伸びのバランスが悪くなる傾向がある。
上記ミクロフィブリルセルロースの平均繊維径及び平均繊維長は、例えば、走査型電子顕微鏡写真の画像解析、透過型電子顕微鏡写真の画像解析、X線散乱データの解析、細孔電気抵抗法(コールター原理法)等によって測定できる。
上記ミクロフィブリルセルロースの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部の範囲内である。ミクロフィブリルセルロースの該含有量が1質量部以上である場合、ミクロフィブリルセルロースの配合による補強効果および弾性率の向上効果が特に良好であり、50質量部以下である場合、ゴム中でのミクロフィブリルセルロースの分散性の悪化が生じ難い点で有利である。そのため、1質量部未満では引張強さが低下し、50質量部を超えると、低燃費性、破断伸び、引裂強さが低下する傾向にある。ミクロフィブリルセルロースの該含有量は、3〜35質量部の範囲内であることが好ましく、5〜15質量部の範囲内であることがより好ましい。
また、上記混合粉体中のミクロフィブリルセルロースの配合割合は、混合粉体100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。1質量%以上であることにより、ゴム組成物の低発熱性、破断特性が共に良好なものとなる。該ミクロフィブリルセルロースの配合割合は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましく、25質量%以下であることが特に好ましく、20質量%以下であることが最も好ましい。70質量%以下であることにより、ゴム組成物の低発熱性、破断特性が共に良好なものとなる。
上記ミクロフィブリルセルロースとしてはまた、化学変性したミクロフィブリルセルロース(化学変性ミクロフィブリルセルロース)を用いてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、該化学変性ミクロフィブリルセルロースと化学変性されていないミクロフィブリルセルロースとを併用してもよい。
上記化学変性としては、エステル化処理、エーテル化処理、アセタール化処理等を例示できるが、化学変性のより具体的な例であるアセチル化、アミノ化、スルホンエステル化、リン酸エステル化、アルキルエステル化、アルキルエーテル化、塩素化、複合エステル化、β−ケトエステル化、アルキルカルバメート化、アリールカルバメート化は、例えば、下記のような方法で行なうことができる。
上記アセチル化は、例えば、ミクロフィブリルセルロースに、酢酸、濃硫酸、無水酢酸を加えて反応させる方法等で行なうことができる。より具体的には、例えば、酢酸とトルエンとの混合溶媒中、硫酸触媒存在下で、ミクロフィブリルセルロースと無水酢酸とを反応させてアセチル化反応を進行させ、その後、溶媒を水に置き換える方法等、従来公知の方法で行なうことができる。
上記アミノ化は、例えば、トシルエステル化した後にアルコール中でアルキルアミンと反応させ、親核置換反応させる方法で行なうことができる。
上記スルホンエステル化は、例えば、セルロースを硫酸に溶解して、水中に投入するのみの簡単な操作で行なうことができる。他にも、無水硫酸ガス処理、クロルスルホン酸とピリジンによって処理する方法等で行なうことができる。
上記リン酸エステル化は、例えば、ジメチルアミン処理等を施したミクロフィブリルセルロースをリン酸と尿素とで処理する方法により行なうことができる。
上記アルキルエステル化は、例えば、ミクロフィブリルセルロースを塩基性条件下でカルボン酸クロライドを用いて反応させるSchotten−Baumann法(ショッテン・バウマン法)、上記アルキルエーテル化は、ミクロフィブリルセルロースを塩基性条件下でハロゲン化アルキルを用いて反応させるWillamson法等で行なうことができる。上記塩素化は、例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)中で塩化チオニルを加えて加熱する方法で行なうことができる。
上記複合エステル化は、例えば、ミクロフィブリルセルロースに2種類以上のカルボン酸無水物又はカルボン酸クロライドを塩基性条件下で反応させる方法で行なうことができる。
上記β−ケトエステル化は、例えば、ミクロフィブリルセルロースにジケテンやアルキルケテンダイマーを反応させる方法、又は、ミクロフィブリルセルロースとアルキルアセトアセテートのようなβ−ケトエステル化合物のエステル交換反応により行なうことができる。
上記アルキルカルバメート化は、例えば、ミクロフィブリルセルロースにアルキルイソシアナートを塩基性触媒又はスズ触媒存在下で反応させる方法で行なうことができる。
上記アリールカルバメート化は、例えば、ミクロフィブリルセルロースにアリールイソシアナートを塩基性触媒又はスズ触媒存在下で反応させる方法で行なうことができる。
上記混合粉体に含まれるシリカとしては、特に限定されないが、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。中でも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。これらシリカは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは70m/g以上、更に好ましくは110m/g以上、特に好ましくは140m/g以上である。40m/g未満であると、補強効果が小さく、耐摩耗性や破壊強度が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは400m/g以下、より好ましくは360m/g以下、更に好ましくは300m/g以下、特に好ましくは200m/g以下、最も好ましくは180m/g以下である。400m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性が悪化するおそれがある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2.5質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは20質量部以上、最も好ましくは50質量部以上である。2.5質量部以上であることにより、シリカによる補強効果が特に良好となる。該シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは95質量部以下、特に好ましくは90質量部以下である。150質量部以下であることにより、ゴムが硬くなり過ぎることによる機械強度の低下や、ゴム組成物の製造時の粘度上昇による加工性低下を充分に防止することが可能となる。
また、上記混合粉体中のシリカの配合割合は、混合粉体100質量%中、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、75質量%以上であることが特に好ましく、80質量%以上であることが最も好ましい。30質量%以上であることにより、ゴム組成物の低発熱性、破断特性が共に良好なものとなる。該シリカの配合割合は、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることが更に好ましい。99質量%以下であることにより、ゴム組成物の低発熱性、破断特性が共に良好なものとなる。
上記混合粉体100質量%中の、ミクロフィブリルセルロース及びシリカの合計含有量は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。混合粉体中のミクロフィブリルセルロース及びシリカの合計含量がこのような範囲であると、本発明の効果がより好適に得られる。
上記混合粉体は、上述のシリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合して、乾燥することにより調製される。具体的には、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合した後に、乾燥するのが好ましいが、混合しながら、乾燥することもできる。
上記溶媒としては、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを混合する際に用いることができるものであれば特に制限されないが、例えば、水、エタノール、アセトン、トルエンなどが挙げられる。なかでも、水、エタノールが好適に使用できる。
シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合する際の、溶媒中のシリカの濃度としては、0.5〜50w/v%であることが好ましく、1〜40w/v%であることがより好ましい。一方、溶媒中のミクロフィブリルセルロースの濃度としては、0.1〜30w/v%であることが好ましく、0.2〜20w/v%であることがより好ましい。また、溶媒中のシリカ及びミクロフィブリルセルロースの合計濃度としては、0.6〜80w/v%であることが好ましく、1.2〜60w/v%であることがより好ましい。シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合する際の、シリカ、ミクロフィブリルセルロースの濃度がそれぞれ上述のような範囲であると、充分に均一な混合粉体が得られ、本発明の効果がより好適に得られる。
上記シリカ及びミクロフィブリルセルロースを混合する方法としては、高い剪断力と圧力とをかけ、分散を促進できる点で、ホモジナイザーによる混合方法が好ましいが、その他、プロペラ式攪拌装置、ロータリー攪拌装置、電磁攪拌装置、手動による攪拌、等の方法を用いることもできる。混合条件も特に限定されないが、例えば、5000〜8000rpmで、10〜100分間混合すればよい。
上記混合したシリカ及びミクロフィブリルセルロースを乾燥する方法としては、特に制限されないが、例えば、加熱オーブンを用いた乾燥、自然乾燥、パルス乾燥等の方法を用いることができる。乾燥条件も特に限定されないが、例えば、40〜80℃で、24〜72時間乾燥すればよい。
本発明のゴム組成物における上記混合粉体の配合量は、シリカ及びミクロフィブリルセルロースの配合量が上述した範囲となるように適宜設定すればよい。
本発明のゴム組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、混合粉体に含まれるミクロフィブリルセルロースとは別に、更にミクロフィブリルセルロースを含んでいてもよい。そのようなミクロフィブリルセルロースとしては、上述した混合粉体に含まれるミクロフィブリルセルロースと同様のものを用いることができる。
また、本発明のゴム組成物が、混合粉体に含まれるミクロフィブリルセルロースとは別に、更にミクロフィブリルセルロースを含む場合には、ゴム組成物中のミクロフィブリルセルロースの総含有量が、上述したミクロフィブリルセルロースの含有量範囲内であることが好ましい。
<その他の配合剤>
本発明のゴム組成物には、上記した成分以外に、従来ゴム工業で使用される他の配合剤、例えば、補強剤、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などを配合することができる。
上記補強剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体に追加して、タイヤ用途で用いられるものをいずれも好適に使用できるが、特に、カーボンブラック及びシリカの少なくともいずれかを用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物が、混合粉体に含まれるシリカとは別に、更にシリカを含む場合、そのようなシリカとしては、上述した混合粉体に含まれるシリカと同様のものを用いることができる。
また、本発明のゴム組成物が、混合粉体に含まれるシリカとは別に、更にシリカを含む場合には、ゴム組成物中のシリカの総含有量が、上述したシリカの含有量範囲内であることが好ましい。
上記カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどを使用することができるが、特に限定されない。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、90m/g以上がより好ましい。50m/g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該NSAは、180m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。180m/gを超えると、分散させるのが困難となり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
上記カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、110ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、135ml/100g以下がより好ましい。200ml/100gを超えると、加工性が低下するおそれがある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
本発明のゴム組成物においてカーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2.5〜150質量部の範囲内であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が2.5質量部以上である場合、補強効果、耐久性向上効果及び加工性向上効果が特に良好であり、150質量部以下である場合、ゴムが硬くなり過ぎることによる機械強度の低下を防止できる。カーボンブラックの含有量は、5〜100質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜80質量部の範囲内であることが更に好ましく、5〜60質量部の範囲内であることが特に好ましい。
本発明のゴム組成物は、シランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などを挙げることができる。中でも、スルフィド系のシランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物においてシランカップリング剤を配合する場合、シランカップリング剤の含有量については、特に制限されるものではないが、シリカの配合量100質量%に対して、1質量%以上であることが好ましい。1質量%未満であると、ゴムの混練り時及び押し出し時の加工性が低下する傾向にあると共に、補強効果が小さくなる傾向にある。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカの配合量100質量%に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。20質量%を超えると、シランカップリング剤の配合量をそれ以上増やしても、ゴムの混練り時及び押し出し時の加工性の改善効果、並びに、補強効果の改善効果が小さい一方で、コストが上昇してしまい経済的ではない傾向にある。
上記加硫剤としては、有機過酸化物又は硫黄系加硫剤を使用することが可能であり、該有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、上記硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。スルフェンアミド系としては、例えば、CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などを使用することができる。チアゾール系としては、例えば、MBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物などを使用することができる。チウラム系としては、例えば、TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系化合物を使用することができる。チオウレア系としては、例えば、チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などを使用することができる。グアニジン系としては、例えば、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物を使用することができる。ジチオカルバミン酸系としては、例えば、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(又は、オクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などを使用することができる。アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系としては、例えば、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などのアルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系化合物などを使用することができる。イミダゾリン系としては、例えば、2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物などを使用することができる。キサンテート系としては、例えば、ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテート系化合物などを使用することができる。これらの加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記加硫促進助剤としては、たとえば酸化亜鉛、ステアリン酸などを使用できる。
上記老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の老化防止剤や、カルバミン酸金属塩などを適宜選択して使用することができる。
上記オイルとしては、プロセスオイル、植物油脂、又はこれらの混合物、などを例示できる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどを例示できる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油、などを例示できる。
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物は、上記のシリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体とゴム成分、その他の必要な配合剤とを、例えば、ゴム用混練機等を用いて従来公知の方法で混合し、従来公知の方法で加硫することにより得られる。
<空気入りタイヤ>
本発明はまた、上述したような本発明のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供する。本発明のゴム組成物は、トレッド部、サイドウォール部、ビード部、カーカス部、ビードエイペックス、クリンチ、ベーストレッド部、又は、ランフラットタイヤのインサートゴム等に使用できる。なかでも、トレッド部、サイドウォール部に使用することが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、少なくとも本発明のゴム組成物が適用された部材において石油資源由来の成分の含有比率がより低減され、省資源及び環境保護への配慮が充分なされている。また、少なくとも本発明のゴム組成物が適用された部材において、優れた破断特性と低いエネルギーロスとを与えるゴム組成物が使用されているため、地球環境に優しい「エコタイヤ」であるとともに良好な転がり抵抗特性及び耐久性を有する。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、調製例で使用した各種薬品、装置について、まとめて説明する。
シリカ:ローディア社製のZEOSIL 1165MP(NSA:160m/g)
ミクロフィブリルセルロース:セリッシュKY−100G(ダイセル化学工業(株)製、固形分:10質量%、水分:90質量%、平均繊維径:0.02μm、平均繊維長:0.5mm)
ホモジナイザー:IKA社製パッチ式ホモジナイザー T65Dウルトラタラックス(回転数:7000rpm)
〔シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体の調製〕
(調製例1〜3)
表1に示す混合比率に従い、水中に分散しているシリカとミクロフィブリルセルロースを、ホモジナイザーを用いて混合した(回転数:7000rpm、混合時間:30分)。なお、この際、水中でのシリカ及びミクロフィブリルセルロースを合わせた合計濃度が10w/v%となるように、適宜水を添加する等して調整した。その後、80℃のオーブンで72時間乾燥してシリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体(シリカ/ミクロフィブリルセルロース混合粉体A〜C)を得た。
Figure 2016040362
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol NS116R(結合スチレン量:21質量%)
天然ゴム:TSR20
ブタジエンゴム:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(シス含量:97質量%)
ミクロフィブリルセルロース:セリッシュKY−100G(ダイセル化学工業(株)製、固形分:10質量%、水分:90質量%、平均繊維径:0.02μm、平均繊維長:0.5mm)
シリカ/ミクロフィブリルセルロース混合粉体A〜C:調製例1〜3で得られたシリカ/ミクロフィブリルセルロース混合粉体A〜C
シリカ:ローディア社製のZEOSIL 1165MP(NSA:160m/g)
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(NSA:96m/g、DBP:124ml/100g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX−140
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C(N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:住友化学(株)製のソクシノールCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD(ジフェニルグアニジン)
〔加硫ゴム組成物の作製〕
(実施例及び比較例)
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃で5分間混練りし、混練り物を得た。次に得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表2に示す。
<低発熱性指数>
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度50℃で、加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。tanδの逆数の値について比較例1を100として指数表示した(低発熱性指数)。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく(発熱しにくく、エネルギーロスが低く)、タイヤの転がり抵抗特性(低燃費性)に優れることを示している。
<ゴム強度指数>
(引張試験)
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に従い引張試験を実施し、加硫ゴム組成物の引張強度及び破断伸びを測定した。下記計算式により、比較例1の引張強度及び破断伸びをそれぞれ100として、引張強度指数及び破断伸び指数を算出した。各々の指数が大きい程、加硫ゴム組成物が良好に補強されており、ゴムの機械強度が大きく、破断特性に優れることを示す。
(引張強度指数)=(各配合の引張強度)÷(比較例1の引張強度)×100
(破断伸び指数)=(各配合の破断伸び)÷(比較例1の破断伸び)×100
<引裂強度指数>
(引裂試験)
JIS K6252「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方」に従い、切り込みなしのアングル型試験片を用いて引裂試験を実施し、加硫ゴム組成物の引裂強さ(N/mm)を測定した。下記計算式により、比較例1の引裂強さを100として、引裂強度指数を算出した。指数が大きい程、引裂強さが大きく、特にサイドウォール用ゴム組成物等として優れていることを示す。
(引裂強度指数)=(各配合の引裂強さ)÷(比較例1の引裂強さ)×100
Figure 2016040362
表2の結果より、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合、乾燥して調製された、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体と、ゴム成分とを含有し、ミクロフィブリルセルロースの含有量が所定量である実施例では、シリカ、ミクロフィブリルセルロースを予め混合粉体にはせずに、それぞれ個別に混練りした比較例1〜3、並びに、ミクロフィブリルセルロースの含有量が本発明よりも少ない比較例4、及び多い比較例5に比べて、転がり抵抗特性(低発熱性)、ゴム強度指数(引張強度指数、破断伸び指数)、引裂強度指数をバランス良く改善でき、低いエネルギーロスと優れた破断特性とを両立できることが明らかとなった。このことから、実施例のゴム組成物を用いて作製される空気入りタイヤは、転がり抵抗特性、耐久性に優れることが分かる。

Claims (5)

  1. ゴム成分と、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを含む混合粉体とを含有し、
    前記混合粉体が、シリカ及びミクロフィブリルセルロースを溶媒中で混合、乾燥して調製され、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記ミクロフィブリルセルロースの含有量が1〜50質量部であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記シリカの窒素吸着比表面積が、40〜400m/gである請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ミクロフィブリルセルロースの平均繊維径が、4nm〜1μmである請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記混合粉体中のシリカの配合割合が、30質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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