JP5640269B2 - タイヤ用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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本発明は、良好な性能を有しかつ環境への負荷が低減されたタイヤ用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤ用の補強性フィラーとしては、カーボンブラックまたはシリカが知られており、これらは、耐摩耗性、耐久性、弾性率を向上させるために用いられている。また、操縦安定性を向上させるために熱硬化性フェノールレジンを用いる検討も進められている(たとえば特許文献1)。特許文献1で提案される技術によれば、転がり抵抗の増加をかなりの程度で抑制し、かつ、操縦安定性を改善することが可能である。
しかし、この技術を用いても、転がり抵抗を全く悪化させることなく操縦安定性を改善することは難しい。特に、たとえば通常の化学合成されたフェノールレジンのような熱硬化性補強材料を用いた系では、操縦安定性の改善が可能である一方で、配合によっては、転がり抵抗の指標となる、70℃付近でのtanδ(損失正接)の値が増大してしまうという問題がある。
また、化学合成されたフェノール樹脂は、熟成と減圧濃縮とを十分行なったとしても、人体に対して有害なフェノールモノマーが少量残存することは避けられず、環境に対する負荷の点で問題がある。
ところで、近年、天然物由来の材料として、リグノフェノール誘導体の製造が検討されている。たとえば特許文献2および特許文献3には、フェノール誘導体にあらかじめ親和されたリグノセルロース系材料に酸を添加して得られる反応系においてリグニンにフェノール誘導体を導入する工程を含むリグニンのフェノール誘導体の生産方法が提案されている。特許文献4には、バインダーとしてリグノフェノール誘導体を用いたリグノフェノール系複合成形品の製造方法が提案されている。特許文献5には、リグノフェノール誘導体またはそのアルカリ処理誘導体が有機溶媒に溶解したコーティング用溶液をリグノセルロース系材料からなる基材の表面に塗布した後加熱加圧処理することを特徴とする、リグノセルロース系材料からなる基材の表面処理方法が提案されている。
特許文献6には、フェノール誘導体で溶媒和された植物資源由来原料を濃酸と接触させて得られるリグノフェノール誘導体を含有する成形用組成物を加熱して成形する、リグノフェノール系成形体の製造方法が提案されている。特許文献7には、リグノセルロース系材料にフェノール類を加えて加熱反応して得られる可溶性リグノセルロース物質を抗菌成分として含有する抗菌剤が提案されている。特許文献8には、リグニンの炭化物からなる電磁波シールド材料であって、鉄族および白金族から選択される少なくとも一種の元素ならびにアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選択される少なくとも一種の元素を含む電磁波シールド材料が提案されている。特許文献9には、リグニンがフェノール誘導体で誘導体化されたリグノフェノール誘導体が含まれるリグノフェノール系成形体が提案されている。しかし上述の特許文献2〜9の技術はゴム工業への利用を想定したものではない。
特開2005−68240号公報 特開2004−115736号公報 特開2004−137347号公報 特開2006−306946号公報 特開2005−81640号公報 特開2003−175527号公報 特開2003−104815号公報 特開2002−344194号公報 特開平9−278904号公報
本発明は上記の課題を解決し、70℃付近でのtanδ(損失正接)を低く抑えつつE*(複素弾性率)を向上させ、かつ環境への負荷を低減することができるタイヤ用ゴム組成物、および該タイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤであって、たとえば転がり抵抗を増大させることなく操縦安定性を改善することが可能で、かつ環境への負荷が低減された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、リグノフェノール誘導体と、フィラーとを含む、タイヤ用ゴム組成物に関する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分の100質量部に対して、リグノフェノール誘導体を0.5〜50質量部の範囲内、フィラーを10〜150質量部の範囲内でそれぞれ含むことが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、リグノフェノール誘導体の数平均分子量が200〜100000の範囲内であることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、リグノフェノール誘導体が、リグノクレゾール、リグノカテコール、リグノレゾルシノール、リグノヒドロキノンから選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、フィラーが、シリカおよびカーボンブラックから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分中の含有量が50質量%以上となるように、天然ゴムおよび/または改質天然ゴムを含むことが好ましい。
本発明はまた、上述のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、リグノフェノール誘導体とフィラーとを組合せて用いることにより、70℃付近でのtanδを低く抑えつつE*(複素弾性率)を向上させ、かつ環境への負荷を低減することができるタイヤ用ゴム組成物の提供が可能となる。また、該タイヤ用ゴム組成物を空気入りタイヤのたとえばトレッドやビードエーペックスに用いた場合には、転がり抵抗を増大させることなく操縦安定性を改善することが可能で、かつ環境への負荷が低減された空気入りタイヤを提供することが可能となる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分と、リグノフェノール誘導体と、フィラーとを含む。本発明において用いられるリグノフェノール誘導体とは、典型的には、天然リグニンのフェニルプロパン単位の側鎖α位に、フェノール誘導体がC−C結合によって導入されたものである。本発明においては、リグノフェノール誘導体を配合することにより、タイヤ用ゴム組成物のE*(複素弾性率)を低下させることなく、tanδ、特に70℃付近のtanδを顕著に低減することが可能である。
また本発明においては、リグノフェノール誘導体と組合せてフィラーも使用する。フィラーは単独で用いてもタイヤ用ゴム組成物に対して補強性を付与できるが、本発明においては、リグノフェノール誘導体とフィラーとを組合せて用いることにより、タイヤ用ゴム組成物において70℃付近でのtanδ(損失正接)を低減しつつE*(複素弾性率)を向上させることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物を空気入りタイヤのたとえばトレッドやビードエーペックスに用いた場合、該タイヤ用ゴム組成物の70℃付近でのtanδ(損失正接)の値は、空気入りタイヤの転がり抵抗を左右し、該タイヤ用ゴム組成物のE*(複素弾性率)の値は、空気入りタイヤの操縦安定性を左右する。よって、本発明のタイヤ用ゴム組成物を空気入りタイヤのたとえばトレッドやビードエーペックスに用いる場合、該空気入りタイヤの転がり抵抗の低減と操縦安定性の向上とが可能となる。
<リグノフェノール誘導体>
本発明において用いるリグノフェノール誘導体は、典型的には、リグノセルロース系材料をフェノール誘導体で誘導体化することによって得られる。抽出による精製がなされていないリグニンとセルロースとの混合物やリグニンそのものを用いても、これらとゴムとの間に生じるヒステリシスロスのためにtanδの顕著な低減効果が得られないが、本発明においては、リグノフェノール誘導体を用いることによって、かかるヒステリシスロスを発生させずにカーボンブラックやシリカ等のフィラーの分散を向上させたり、かかるフィラーとゴムとの界面における両者の相互作用を向上させたりすることができるため、特に70℃付近におけるtanδの低減効果が顕著に得られる。
また、リグノフェノール誘導体は、植物から得られるカーボンニュートラルの材料であるため、CO2排出量削減効果の観点からも好ましく、また、毒性が少ないことにより、たとえば石油資源由来のフェノール樹脂等と比較して環境への負荷を顕著に低減できる。
リグノフェノール誘導体としては、クレゾールタイプ、カテコールタイプ、レゾルシノールタイプ、ヒドロキノンタイプの少なくともいずれかを抽出して用いることが好ましい。この場合、より高い硬化性が得られ、E*(複素弾性率)の向上効果が特に良好となる。
リグノフェノール誘導体の好ましい具体例としては、たとえば、リグノクレゾール、リグノカテコール、リグノレゾルシノール、リグノヒドロキノンから選択される少なくともいずれかを例示できる。中でも、抽出による調製が容易である点で、リグノフェノール誘導体が、リグノクレゾール、リグノカテコール、リグノレゾルシノールから選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
リグノフェノール誘導体の数平均分子量は、200〜100000の範囲内であることが好ましい。該数平均分子量が200以上である場合、タイヤ用ゴム組成物の補強効果を良好に得ることができ、100000以下である場合、ゴム成分中への分散性が特に良好で、70℃付近のtanδの低減効果が特に良好となる。リグノフェノール誘導体の数平均分子量は、さらに400以上、さらに1000以上、さらに1200以上であることがより好ましく、また、さらに50000以下、さらに10000以下、さらに5000以下、さらに2000以下であることがより好ましい。
なおリグノフェノール誘導体の上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定される値である。
リグノフェノール誘導体の含有量は、ゴム成分の100質量部に対して0.5〜50質量部の範囲内であることが好ましい。リグノフェノール誘導体の該含有量が0.5質量部以上である場合、タイヤ用ゴム組成物のE*(複素弾性率)の向上効果および70℃付近のtanδの低減効果が特に良好であり、50質量部以下である場合、E*(複素弾性率)が過度に大きくなるおそれが少なく、タイヤ用ゴム組成物の調製時の加工性が良好である。リグノフェノール誘導体の該含有量は、2質量部以上、さらに5質量部以上であることがより好ましく、また、30質量部以下、さらに20質量部以下であることがより好ましい。
リグノフェノール誘導体は、たとえば、木材、木質材料、木製家具、切削くず、新聞紙、農産廃棄物等のリグノセルロース素材を原料とし、フェノール化合物で溶媒和した後、高濃度の酸を作用させて、常温・開放系で攪拌した後、比重差分離を行ない、フェノール相中に溶解しているリグノフェノール誘導体をエーテル類等の有機溶媒を用いて精製し、回収する方法等により調製できる。
<フィラー>
フィラーとしては、タイヤ用ゴム組成物において通常用いられるものを採用できる。フィラーとしては無機フィラーが好ましい。特に、シリカおよびカーボンブラックから選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、シリカを少なくとも含むことがさらに好ましい。シリカを用いるとtanδの低減効果が良好に得られるが、特にリグノフェノール誘導体とシリカとを組合せて用いる場合、E*(複素弾性率)の向上効果と70℃付近でのtanδの低減効果とが特に良好となる。
フィラーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10〜150質量部の範囲内であることが好ましい。フィラーの該含有量が10質量部以上である場合、タイヤ用ゴム組成物のE*(複素弾性率)の向上効果が良好であり、該含有量が150質量部以下である場合、E*(複素弾性率)が過度に上昇するおそれが少なく、タイヤ用ゴム組成物の調製時の加工性が良好であるとともに、タイヤ用ゴム組成物中のフィラーの分散性が悪化することによる耐摩耗性や破断伸び等の低下、および70℃付近でのtanδの不必要な増大とそれによる燃費の悪化、を招くおそれが少ない。
フィラーとしてシリカが配合される場合、ゴム成分の100質量部に対して、シリカを10〜150質量部の範囲内、およびシランカップリング剤を該シリカの含有量に対して1〜20質量%の範囲内となるようにそれぞれ配合することが好ましい。タイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が10質量部以上である場合、タイヤ用ゴム組成物のE*(複素弾性率)の向上効果が良好であり、150質量部以下である場合、E*(複素弾性率)が過度に上昇するおそれが少なく、タイヤ用ゴム組成物の調製時の加工性が良好である。また、タイヤ用ゴム組成物中のシリカの分散性が悪化することによる耐摩耗性や破断伸びの低下、および70℃付近でのtanδの不必要な増大とそれによる燃費の悪化、を招くおそれを少なくできる。シリカの該含有量は、さらに20質量部以上、さらに30質量部以上であることがより好ましく、また、さらに100質量部以下、さらに80質量部以下であることが好ましい。
シリカとしては、従来ゴム補強用として慣用されているものが使用でき、たとえば乾式法シリカ、湿式法シリカ、コロイダルシリカ等の中から適宜選択して用いることができる。特に、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜600m2/gの範囲内、さらに40〜500m2/gの範囲内、さらに50〜450m2/gの範囲内であるものを用いることが好ましい。シリカのN2SAが20m2/g以上である場合タイヤ用ゴム組成物に対する補強効果が大きい点で好ましく、600m2/g以下である場合タイヤ用ゴム組成物中での該シリカの分散性が良好で、該タイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤの使用時における発熱性の増大を防止できる点で好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、好ましくはシランカップリング剤がさらに配合される。シリカの含有量に対してシランカップリング剤の含有量が1質量%以上である場合、シランカップリング剤の配合によるカップリング効果が十分得られる。またシリカの含有量に対して20質量%より多くシランカップリング剤を配合してもコスト上昇の割にカップリング効果の上昇は少ない上、シランカップリング剤の含有量が過度に多い場合には、補強性、耐摩耗性がかえって低下する場合があるため、シリカの含有量に対するシランカップリング剤の含有量は20質量%以下とされることが好ましい。該含有量は、2〜15質量%の範囲内とされることが特に好ましい。
シランカップリング剤としては、従来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリング剤を用いることができる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−メチルジエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−メチルジエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−メチルジメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−メチルジメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−メチルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(4−メチルジエトキシプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(4−メチルジメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
中でも、カップリング効果と製造コストとの両立の面で、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等が特に好ましく用いられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。
また、上述のシランカップリング剤以外のカップリング剤、たとえばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤を併用することも可能である。
フィラーとしてカーボンブラックが配合される場合、該カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して10〜150質量部の範囲内とされることが好ましい。カーボンブラックの該含有量が10質量部以上である場合タイヤ用ゴム組成物の補強性が特に良好であり、150質量部以下であればタイヤ用ゴム組成物の調製時の分散性および加工性を悪化させる危険性が少ない。カーボンブラックの該含有量は、さらに20質量部以上、さらに40質量部以上であることが好ましく、また、さらに100質量部以下、さらに85質量部以下であることが好ましい。
カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積が、たとえば40〜280m2/gの範囲内、さらに60〜200m2/gの範囲内に設定されたものが好ましく用いられる。窒素吸着比表面積が40m2/g以上であればタイヤ用ゴム組成物が空気入りタイヤに使用された場合に良好な補強性およびE*(複素弾性率)を得ることができ、280m2/g以下であればタイヤ用ゴム組成物を調製する際のカーボンブラックの分散性悪化によるタイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性の低下が防止される。
また、フィラーとしては、上記のシリカおよびカーボンブラックの他に、炭酸カルシウム、セリサイト、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、クレー、タルク、酸化マグネシウム等を用いることもできる。中でも、環境への負荷が小さい点で、炭酸カルシウム、セリサイト、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、クレー、タルク、酸化マグネシウムは好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、より典型的には、ゴム成分の100質量部に対して、リグノフェノール誘導体を5〜30質量部の範囲内、フィラーを40〜80質量部の範囲内でそれぞれ含むことが好ましい。この場合、E*(複素弾性率)の向上効果および70℃付近のtanδの低減効果が特に良好である。
<ゴム成分>
本発明において使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等を例示でき、これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。特に、本発明のタイヤ用ゴム組成物を空気入りタイヤのベーストレッド用、キャップトレッド用、ビードエーペックス用、サイドウォール用として用いる場合、耐外傷性、耐摩耗性、耐疲労特性および耐屈曲亀裂成長性において優れるなどの効果が得られることから、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)からなる群から選ばれる1種以上のゴムが好ましく、さらに、環境への負荷をより小さくできる点で、天然ゴムおよび/または改質天然ゴムがより好ましい。
上記のスチレンブタジエンゴム(SBR)の結合スチレン量は、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。結合スチレン量が10%以上である場合、本発明のタイヤ用ゴム組成物をたとえばキャップトレッド用として用いた場合のグリップ性能が特に良好である。また、結合スチレン量は、60%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。結合スチレン量が60%以下である場合、タイヤ用ゴム組成物をキャップトレッド用として用いた場合の耐摩耗性が特に良好である。
ブタジエンゴム(BR)は、ブタジエンユニットの結合のうち90%以上がシス1,4−結合である高シスBRであることが好ましい。該高シスBRを配合することにより、ヒステリシスロスを低減して燃費を改善することが可能である。また、特にトラック・バス用タイヤのトレッド用途や、一般の乗用車用も含めたサイドウォール用途において、耐摩耗性、耐屈曲亀裂成長性および耐老化性能を良好に改善することができる。
スチレンブタジエンゴム(SBR)および/またはブタジエンゴム(BR)を配合する場合、SBRおよび/またはBRの含有率は、ゴム成分中で50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。SBRおよび/またはBRの含有率が50質量%以下である場合、ゴム成分中の石油資源比率を低く抑え、環境への負荷をより小さくすることができる。また、タイヤ用ゴム組成物を空気入りタイヤのサイドウォール用に用いる場合には、通常SBRは使用しないため、BRの含有率を50質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましい。
本発明のゴム成分は、アルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む官能基含有天然ゴムおよび/または官能基含有ジエン系ゴムを含むことが好ましい。天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムがこれらの官能基を含む場合、シリカやカーボンブラック等のフィラーの表面と反応または相互作用してこれらのフィラーの分散性が良好となり、転がり抵抗が改善するという効果が得られる。
アルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基は、官能基含有天然ゴム中または官能基含有ジエン系ゴム中に0.001〜80モル%の範囲内で含まれることが好ましい。官能基の含有量が0.001モル%以上であれば、上記のシリカやカーボンブラックの表面と反応または相互作用する効果が良好に得られ、80モル%以下であれば未加硫ゴム組成物の製造時の粘度上昇が抑えられ、加工性が良好となる。かかる官能基の含有量は、0.01〜50モル%の範囲内、さらに0.02〜25モル%の範囲内であることがより好ましい。
天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムにアルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有させる方法としては、たとえば、炭化水素溶媒中で、有機リチウム開始剤を用いて重合されたスチレン−ブタジエン共重合体の重合末端に官能基を導入する方法や、天然ゴムあるいはジエン系ゴムをクロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法等の方法によりエポキシ化する方法等が挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分中の含有量が50〜100質量%の範囲内となるように天然ゴムおよび/または改質天然ゴムを含むことが好ましい。天然樹木に由来するリグノフェノール誘導体と、同じく天然樹木から得られる天然ゴムおよび/または改質天然ゴムとの親和性が良好であるという理由で、上記の含有量が50質量%以上である場合、E*(複素弾性率)の向上効果および70℃付近のtanδの低減効果が特に顕著に発現する。また、上記の含有量が50質量%以上である場合、石油資源比率を低減して環境への負荷をより小さくできる点でも有利である。
上記の含有量は、60質量%以上、さらに75質量%以上、さらに85質量%以上であることがより好ましい。なお、ゴム成分の100質量%を天然ゴムおよび/または改質天然ゴムが占めることが環境への負荷が小さい点で好ましいが、たとえば上記の含有量を85質量%以下、さらに75質量%以下とする場合、たとえば上記のスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等の他のゴムを組合せることによって、より高い耐摩耗性や耐屈曲亀裂成長性が必要な場合、これらの性能を調整できる点で好都合である。
なお、改質されていない天然ゴムのゴム成分中の含有率は、キャップトレッド用途やサイドウォール用途では、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下がより好ましい。改質されていない天然ゴムの含有率が85質量%以下である場合、耐屈曲亀裂成長性および耐オゾン性に問題が生じるおそれが少ない。さらに、タイヤ用ゴム組成物をたとえば空気入りタイヤのキャップトレッド用として用いる場合、改質されていない天然ゴムのゴム成分中の含有率は80質量%以下とすることが好ましく、空気入りタイヤのサイドウォール用として用いる場合、該含有率は15〜85質量%の範囲内とすることが好ましい。
改質天然ゴムとしては、上述したエポキシ化天然ゴム(ENR)や、水素化天然ゴム等を例示できる。これらは単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。特に、トレッド用途において良好なグリップ性能を得ることができる点、また、サイドウォール用途において天然ゴムと適度な大きさの海島構造をつくり、耐屈曲亀裂成長性を改善できるとともに他の改質天然ゴムに比べて比較的安価に入手できる点で、エポキシ化天然ゴム(ENR)が好ましい。
また、ゴム成分がエポキシ化天然ゴムを含む場合、シリカとゴム成分とが相互作用し易い点でも好ましい。
エポキシ化天然ゴム(ENR)としては、市販のエポキシ化天然ゴム(ENR)を用いてもよいし、天然ゴムをエポキシ化して用いてもよい。天然ゴムをエポキシ化する方法としては、たとえば、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法を例示できる。
過酸法としては、たとえば、天然ゴムに過酢酸や過ギ酸などの有機過酸を反応させる方法等を例示できる。
エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率、すなわちエポキシ化前の天然ゴム中の二重結合の全数のうちエポキシ化された数の割合は、3モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましく、15モル%以上が特に好ましい。エポキシ化率が3モル%以上である場合、改質効果が良好に得られる。エポキシ化率は、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、35モル%以下がさらに好ましい。エポキシ化率が80モル%以下である場合、ゲル化を良好に防止できる。
なおエポキシ化率は、たとえば滴定分析や核磁気共鳴(NMR)分析等により求めることができる。
タイヤ用ゴム組成物を空気入りタイヤのキャップトレッド用として用いる場合、ゴム成分中の改質天然ゴムの含有率は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。改質天然ゴムの該含有率が30質量%以上である場合、改質天然ゴムの配合によるグリップ性能の改善効果が良好である。一方、タイヤ用ゴム組成物をサイドウォール用として用いる場合、改質天然ゴムの該含有率は、15〜85質量%の範囲内であることが好ましい。サイドウォール用途では、改質天然ゴムの含有率を上記の範囲内に設定することで、天然ゴムなどの他のゴムと適度な分散サイズの海島構造を形成できるため、耐クラック性が特に良好になる。
<その他の成分>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分、リグノフェノール誘導体およびフィラーに加え、軟化剤、粘着付与剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、老化防止剤、硫黄その他の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、過酸化物、酸化亜鉛、ステアリン酸等、必要に応じた添加剤が適宜配合され得る。
本発明において、加硫促進剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いる場合、タイヤ用ゴム組成物の加硫時にリグノフェノール誘導体の硬化反応も進むことにより、より高いE*(複素弾性率)および剛性を得ることができる点で有利である。その他、たとえば固形レゾール樹脂等を加えても同様の効果が期待される。
軟化剤としては、芳香族系(アロマ系)オイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、大豆油、パーム油、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、カシューオイル、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、などが挙げられる。軟化剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対してたとえば100質量部以下とされることが好ましく、この場合、該タイヤ用ゴム組成物の架橋密度が下がり過ぎてE*(複素弾性率)や耐摩耗性が低下してしまう危険性を少なくすることができる。
価格が安いという観点では、アロマオイル、環境に配慮するという観点では大豆油、パーム油、カシューオイル等の植物油が好ましい。特にゴムとして天然ゴム(NR)や改質天然ゴムを主成分とする場合には、植物油を用いることで、ゴム硬度を過度に上昇させることなく、tanδの低減効果をより良好に得ることができる。また、カシューオイルを用いる場合、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤の存在下でカシューオイルが反応することによって、E*(複素弾性率)をさらに向上させることができる。
軟化剤として用いる脂肪族植物油のヨウ素価は、5〜150の範囲内であることが好ましく、40〜140の範囲内であることがより好ましい。該ヨウ素価が5以上であるものは安価に入手し易い。また、該ヨウ素価が150以下である場合、tanδおよびゴム硬度の過度な上昇や植物油自体の劣化を防止できる。
軟化剤として用いる脂肪族植物油は、炭素数18以上の脂肪酸成分の含有率が、5〜100質量%の範囲内であるものが好ましい。該含有率は、20〜97質量%の範囲内がより好ましく、50〜95質量%の範囲内がさらに好ましい。該含有率が5質量%以上である場合、分子量の低下を防止し、ブリードを良好に防止できる。なお、該含有率は100質量%に近い方が好ましいが、該含有率が高いものは容易に入手しにくく、コストが上昇する傾向があるため、該含有率が97質量%以下、さらに95質量%以下のものを用いればコストを低減でき好ましい。
軟化剤として植物油を用いる場合、該植物油の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2〜30質量部の範囲内であることが好ましく、4〜15質量部の範囲内であることがより好ましい。植物油の該含有量が2質量部以上である場合、ゴムの硬度を適切な範囲にコントロールしたり、加工性を改善したりすることが可能である。また、植物油の該含有量が30質量部以下である場合、ゴムの物理的強度が良好であるとともに、植物油の種類によって生じる場合があるブリードを良好に防止できる。
粘着付与剤としては、テルペン系重合体、フェノール系樹脂、石油系樹脂、ロジン系樹脂等から選択される1種または2種以上を例示できる。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含むものを使用することが可能である。
スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などが挙げられる。
チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などが挙げられる。
グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。
アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などが挙げられる。
特に、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系の加硫促進剤は、ゴム成分の加硫反応を促進する作用に加え、リグノフェノール誘導体の硬化反応を進行させる作用も有し好ましい。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
さらに、本発明のタイヤ用ゴム組成物には必要に応じて可塑剤を配合することができる。具体的には、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、等が挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、スコーチを防止または遅延させるためスコーチ防止剤として、たとえば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、さらに、ステアリン酸、酸化亜鉛等の、通常ゴム工業にて使用される配合剤を適宜配合することができる。
本発明はまた、上述したようなタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤをも提供する。本発明の空気入りタイヤは、本発明のタイヤ用ゴム組成物を用い、通常の方法で製造される。すなわち、必要に応じて各種の配合剤を配合した本発明のタイヤ用ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッド、ビードエーペックス、サイドウォール等の形状に成形し、他のタイヤ部材と貼りあわせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより本発明の空気入りタイヤを得ることができる。
本発明のゴム組成物は、乗用車用、トラック・バス用、重機用等、種々の空気入りタイヤに対して好適に適用され得る。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。タイヤTは、ビード部1とサイドウォール部2とトレッド部3とを有している。さらに、ビード部1にはビードコア4が埋設される。また、一方のビード部1から他方のビード部にわたって設けられ、両端を折り返してビードコア4を係止するカーカス5と、該カーカス5のクラウン部外側の2枚以上のベルトプライよりなるベルト層6とが配置されている。カーカス5とその折返し部5aに囲まれる領域には、ビードコア4の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス7が配置される。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤの主としてベーストレッド、ビードエーペックスの他、図示しないが、ランフラットタイヤのインサートゴム用としても特に好適である。その他、キャップトレッド、サイドウォール、クリンチ等にも好適に使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[リグノフェノール誘導体の調製]
<リグノフェノール誘導体1>
p−クレゾール500gをアセトン17リットルに溶解させ、80メッシュ以下まで粉砕して抽出物を除去した気乾ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)木粉1000gに加えて、数時間放置した。アセトンを除去したところ、木粉に残留したp−クレゾールの量は、リグニン1ユニット(フェニルプロパン構造C63)あたり3モルであった。このp−クレゾールが付着した木粉に72質量%硫酸を5リットル加え、30℃で1時間激しく攪拌した。水洗にて酸を除去した後乾燥させ、アセトン7リットルを加えて抽出し、得られた抽出液を3リットル程度まで濃縮して、リグノフェノールを含む親溶媒抽出液(溶質濃度:54.2mg/cm3)を得た。
上記で得た、リグノフェノールを含む親溶媒抽出液3リットルを、ジエチルエーテル20リットルに磁気攪拌しながら滴下し、沈殿物としてリグノフェノール誘導体1(ヒノキ−リグノフェノール(p−クレゾールタイプ))140gを得た。
<リグノフェノール誘導体2>
上記で得たリグノフェノール誘導体1を、オーブン中、180℃で30分間熱処理し、リグノフェノール誘導体2を得た。
<リグノフェノール誘導体3>
p−クレゾール250gをアセトン10リットルに溶解させ、80メッシュ以下まで粉砕して抽出物を除去した気乾ブナ(Fagus crenata)木粉500gに加えて、数時間放置した。アセトンを除去したところ、木粉に残留したp−クレゾールの量は、リグニン1ユニット(フェニルプロパン構造C63)あたり3モルであった。このp−クレゾールが付着した木粉に72質量%硫酸を2.5リットル加え、30℃で1時間激しく攪拌した。水洗にて酸を除去した後乾燥させ、アセトン7リットルを加えて抽出し、得られた抽出液を3リットル程度まで濃縮して、リグノフェノールを含む親溶媒抽出液(溶質濃度:50mg/cm3)を得た。
上記で得た、リグノフェノールを含む親溶媒抽出液5リットルを、ジエチルエーテル20リットルに磁気攪拌しながら滴下し、沈殿物としてリグノフェノール誘導体3(ブナ−リグノフェノール(p−クレゾールタイプ))57.5gを得た。
上記で得たリグノフェノール誘導体1〜3の数平均分子量および重量平均分子量を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いたポリスチレン換算の分子量として測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005640269
[タイヤ用ゴム組成物の調製]
後述の表2〜5で示される、実施例および比較例で用いた薬品のうちリグノフェノール誘導体以外のものをまとめて説明する。
SBR:日本ゼオン(株)製のスチレンブタジエンゴム「ニッポールNS116」(溶液重合SBR、結合スチレン量:21%、ガラス転移温度:−25℃)
NR:天然ゴム「RSS#3」
エポキシ化天然ゴム:GUTHRIE POLYMER SDN.BHD社製のENR−25(エポキシ化率:25モル%、ガラス転移温度:−41℃)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックH(平均粒子径31mm、窒素吸着比表面積79m2/g、HAF級カーボンブラック)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(BET比表面積:175m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi−69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
フェノールレジン:住友ベークライト(株)製のスミライトレジンPR12686(カシュー変性ノボラック樹脂)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
カシューオイル:インド原産の塗料用カシューオイル
大豆油:日清製油(株)製の大豆白絞油(S)(ヨウ素価:131、炭素数18以上の脂肪酸成分:84.9%)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエース0355
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤BBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
加硫促進剤H:大内新興化学工業(株)製のノクセラーH(ヘキサメチレンテトラミン)
<実施例1〜5,11〜15、比較例1〜3,7〜9>
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、表2,4の工程1の配合処方に記載の薬品を、バンバリーミキサーの充填率が65%になるように投入し、回転数80rpmで、混練機の表示温度が140℃になるまで3〜8分間混練した(工程1)。これを一旦排出し、硫黄および加硫促進剤を表2,4の工程2の配合処方にしたがい配合し、オープンロールを用いて、50℃で3分間混練する(工程2)ことで、未加硫ゴム組成物を調製した。
工程2で得た未加硫ゴム組成物を、それぞれの評価に必要なサイズに成形し、160℃で20分間プレス加硫することにより、実施例1〜5,11〜15、比較例1〜3,7〜9に係る加硫ゴム組成物を得た。
<実施例6〜10,16〜25、比較例4〜6,10〜15>
(株)神戸製鋼所の1.7Lのバンバリーミキサーを用いて、表3,5の工程1の配合処方に記載の薬品を、バンバリーミキサーの充填率が58%になるように投入して、回転数80rpmの条件下で、混練機の表示温度が140℃になるまで3〜8分間混練した(工程1)。なお、シリカについては、工程1中において2回に分けて投入した。工程1により得られた混練物に対して、硫黄および加硫促進剤を表3,5の工程2の配合処方にしたがい配合し、オープンロールを用いて、50℃で3分間混練する(工程2)ことで、未加硫ゴム組成物を得た。
工程2で得た未加硫ゴム組成物を、それぞれの評価に必要なサイズに成形し、160℃で20分間プレス加硫することにより、実施例6〜10,16〜25、および比較例4〜6,10〜15に係る加硫ゴム組成物を得た。
[性能評価]
上記で得た加硫ゴム組成物を用い、以下に示す性能評価を行なった。なお、以下の評価における指数の算出においては、表2では比較例1を、表3では比較例4を、表4では比較例7を、表5では実施例16〜20および比較例10〜12に対しては比較例10を、実施例21〜25および比較例13〜15に対しては比較例13を、それぞれ基準配合とした。
(操縦安定性指数の評価)
加硫ゴム組成物として、2mm×130mm×130mmのゴムスラブシートを作製し、該ゴムスラブシートから測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物のE*(複素弾性率)を測定し、基準配合のE*を100として、下記計算式、
(操縦安定性指数)=(各配合のE*)÷(基準配合のE*)×100
によって操縦安定性指数を算出した。指数が大きい程操縦安定性が高く、性能に優れることを示す。
(転がり抵抗試験)
加硫ゴム組成物として、2mm×130mm×130mmのゴムスラブシートを作製し、該ゴムスラブシートから測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物のtanδ(損失正接)を測定し、基準配合のtanδを100として、下記計算式、
(転がり抵抗指数)=(各配合のtanδ)÷(基準配合のtanδ)×100
により、転がり抵抗指数を算出した。指数が小さいほど転がり抵抗が低く、性能に優れることを示す。
(硬度試験)
JIS K6253「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従い、タイプAデュロメーターにてゴム硬度を測定した。さらに、基準配合のゴム硬度を100とし、下記計算式、
(ゴム硬度指数)=(各配合のゴム硬度)÷(基準配合のゴム硬度)×100
により、ゴム硬度指数を算出した。ゴム硬度指数が大きいほどゴム硬度が高いことを示す。
Figure 0005640269
Figure 0005640269
Figure 0005640269
Figure 0005640269
表2〜5の結果から、各実施例において、転がり抵抗が基準配合と比べて同等か低減されているとともに、操縦安定性が向上していた。一方、各実施例において、ゴム硬度には基準配合と比べて大きな差は見られなかった。
特に、加硫促進剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いた実施例1,2,4,5,6,7,9,10,11,12,14,15,16,17,19,20,21,22,24,25においては、転がり抵抗を悪化させずに、操縦安定性を大幅に向上させることができた。これは、ヘキサメチレンテトラミンがリグノフェノール誘導体を硬化し得る作用を持つため、ゴム組成物の加硫時にリグノフェノール誘導体の硬化反応が進行したためと考えられる。
フィラーとしてカーボンブラック、シリカのいずれを用いた場合も、操縦安定性指数および転がり抵抗指数は良好な値を示したが、特に、シリカを配合した実施例6〜10,16〜25では、転がり抵抗の低減効果が良好であった。なお、表には示されていないが、基準配合の70℃におけるtanδ同士を比べると、カーボンブラックを配合したものよりもシリカを配合したものでtanδの値が低かった。
リグノフェノール誘導体としては、ひのき由来のものも、ぶな由来のものも良好な性能が得られたが、特に、熱処理によって低分子化させたものを用いた実施例では、操縦安定性指数の向上効果が大きかった。
他方、比較例においては、リグノフェノールやフェノール樹脂を用いていない比較例では、操縦安定性指数がほとんど改善されなかった。また、石油から合成されたフェノール樹脂を用いた場合、操縦安定性の向上効果は得られたが、転がり抵抗特性は大きく悪化しており、さらに、ゴム硬度も過度に上昇していた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤの主としてベーストレッド、ビードエーペックスの他、ランフラットタイヤのインサートゴム、キャップトレッド、サイドウォール、クリンチ等に好適に使用できる。
本発明に係る空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。
符号の説明
1 ビード部、2 サイドウォール部、3 トレッド部、4 ビードコア、5 カーカス、5a 折返し部、6 ベルト層、7 ビードエーペックス。

Claims (3)

  1. ゴム成分中の含有量が50質量%以上となるように、天然ゴムおよび/または改質天然ゴムを含むゴム成分の100質量部に対して、リグノセルロースをフェノール誘導体で誘導体化したリグノフェノール誘導体を0.5〜50質量部、フィラーを10〜150質量部を含み、
    前記リグノフェノール誘導体は、数平均分子量が1,000〜10,000の範囲のリグノクレゾールである、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記フィラーが、シリカおよびカーボンブラックから選択される少なくとも1種を含む、請求項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
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