JP2008291092A - タイヤトレッド用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性とグリップ性能とを両立させることが可能なタイヤトレッド用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分とシリカとカーボンとを含有し、該ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなる天然ゴム成分を含み、該シリカの配合量は、該ゴム成分100質量部に対して50質量部以上であり、該カーボンの配合量は、該ゴム成分100質量部に対して5質量部以下であり、該カーボンのBET比表面積は、140m2/g以上であるタイヤトレッド用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【選択図】図1
【解決手段】ゴム成分とシリカとカーボンとを含有し、該ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなる天然ゴム成分を含み、該シリカの配合量は、該ゴム成分100質量部に対して50質量部以上であり、該カーボンの配合量は、該ゴム成分100質量部に対して5質量部以下であり、該カーボンのBET比表面積は、140m2/g以上であるタイヤトレッド用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物、および該タイヤトレッド用ゴム組成物を用いたタイヤトレッドを備える空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤトレッド用ゴム組成物には、グリップ性能および耐磨耗性を改善する目的で、ブタジエンゴム(BR)などの合成ゴム、カーボンブラックなどが用いられており、その配合成分は、石油資源由来の原料に大きく依存していた。しかし、近年、環境問題が重視されるようになり、二酸化炭素の排出量の規制が強化されている。また、石油現存量は有限であることから、石油資源由来の原料の使用には限界がある。このような環境重視指向は、タイヤの分野においても例外ではなく、現在使用されている石油資源由来の原料の一部または全てを石油外資源由来の原料で代替したトレッド用ゴム組成物の開発が求められている。
ここで、トレッド用ゴム組成物中における石油資源由来の原料を、石油外資源由来の原料で代替する場合、少なくとも石油資源由来の原料を用いた場合と同等の特性を保持しているか、あるいはそれ以上の優れた特性を有していることが要求される。特に、トレッド用ゴム組成物においては、耐候性およびグリップ性能に優れることが要求される。
特許文献1には、空気入りタイヤのトレッド部に使用した場合に、氷上操縦性能と耐摩耗性とを高度に保つことができるタイヤトレッド用ゴム組成物の提供を目的として、NRを40〜70重量部含有するジエン系ゴム100重量部に対して、窒素吸着比表面積が100〜165m2/gであるとともにDBP吸油量が90〜130ml/100gであるカーボンブラックを15〜40重量部含有し、BET比表面積150〜200m2/gを有する沈降シリカを20〜60重量部含有し、カーボンブラックと沈降シリカとの合計が40〜90重量部であり、カーボンブラック/沈降シリカが0.25〜1.0であるタイヤトレッド用ゴム組成物が提案されている。しかしこの技術では、石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性およびグリップ性能を両立させることについては考慮されていない。
特許文献2には、転がり抵抗性能と加工性とを向上させたインナーライナー用ゴム組成物を提供することを目的として、天然ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、BET比表面積が150m2/g未満のシリカを30質量部以上、ならびにカーボンブラックを5質量部以下含有するインナーライナー用ゴム組成物が提案されている。しかしこの技術はインナーライナー用ゴム組成物に関するものであり、タイヤトレッドに必要な耐候性やグリップ性能の確保については考慮されていない。
特許文献3には、転がり抵抗特性およびウエットグリップ性能を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物の提供を目的として、エポキシ化天然ゴムを5〜100重量%含むゴム成分100重量部に対して、窒素吸着比表面積が100〜300m2/gのシリカを5〜150重量部、および植物由来のオイルを1〜50重量部、ならびに該シリカ100重量部に対してシランカップリング剤を1〜20重量部、および該シリカ100重量部に対して陰イオン界面活性剤を1〜20重量部、および該シリカ100重量部に対して陰イオン界面活性剤を0.1〜20重量部含有するタイヤトレッド用ゴム組成物が提案されている。しかしこの技術では、石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性とグリップ性能とを両立させることについては考慮されていない。
特許文献4には、転がり抵抗の低減と耐久性の向上とを両立可能な空気入りタイヤの提供を目的として、スチールコードがコーティングゴムによって被覆されてなる補強層として、カーカス、ビード部補強層、サイド部補強層、およびベルトの少なくともいずれかを有し、コーティングゴムが、ジエン系ゴムの100質量部と、窒素吸着比表面積が70m2/g以上150m2/g以下であるシリカの30〜80質量部と、シランカップリング剤の1〜15質量部と、有機酸コバルトと、を含有するコーティングゴム組成物からなる、空気入りタイヤが提案されている。しかしこの技術はタイヤトレッド用ゴム組成物を提供するものではなく、石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性とグリップ性能とを両立させることについても考慮されていない。
特許文献5には、優れた硬度を有し、タイヤの加工性およびグリップ性能を向上させたトレッド用ゴム組成物およびそれからなるタイヤの提供を目的として、エポキシ化天然ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、BET比表面積が150m2/g未満のシリカを30〜80重量部、およびカーボンブラックを10重量部以下含有するトレッド用ゴム組成物が提案されている。この技術では加工性とグリップ性能との向上については考慮されるものの、石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性とグリップ性能とを満足することは困難である。
すなわち、従来の技術によっては、石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性とグリップ性能とを満足するタイヤトレッド用ゴム組成物は得られていない。
特開2002−97304号公報
特開2006−249147号公報
特開2005−263956号公報
特開2006−143821号公報
特開2006−199858号公報
本発明は上記の課題を解決し、石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性とグリップ性能とを両立させることが可能なタイヤトレッド用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分とシリカとカーボンとを含有し、該ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなる天然ゴム成分を含み、該シリカの配合量は、該ゴム成分100質量部に対して50質量部以上であり、該カーボンの配合量は、該ゴム成分100質量部に対して5質量部以下であり、該カーボンのBET比表面積は、140m2/g以上である、タイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分中の天然ゴム成分の含有率は、10〜100質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明はまた、上述のいずれかのタイヤトレッド用ゴム組成物からなるタイヤトレッドを備える空気入りタイヤを提供する。
本発明によれば、石油資源由来の原料の使用量を低減し、かつ耐候性とグリップ性能とを両立させることが可能なタイヤトレッド用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤの提供が可能となる。
本発明においては、シリカと特定のBET比表面積を有するカーボンとを組合わせてタイヤトレッド用ゴム組成物中に配合することによって優れた耐候性とグリップ性能とを得ることができる。
<ゴム成分>
本発明において用いられるゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなる天然ゴム成分を含む。
本発明において用いられるゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなる天然ゴム成分を含む。
天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において従来用いられているものを使用することができ、たとえば、RSS#3、TSRなどのグレードの天然ゴムを挙げることができる。
エポキシ化天然ゴム(ENR)は、天然ゴムの不飽和二重結合がエポキシ化された変性天然ゴムの一種であり、極性基であるエポキシ基により分子凝集力が増大する。そのため、天然ゴムよりもガラス転移温度(Tg)が高く、かつ機械的強度や耐磨耗性、耐空気透過性に優れる。特に、ゴム組成物中にシリカを配合した場合においては、シリカ表面のシラノール基とエポキシ化天然ゴムのエポキシ基との反応に起因して、カーボンブラックをゴム組成物中に配合する場合と同程度の機械的強度や耐磨耗性を得ることができる。
エポキシ化天然ゴム(ENR)としては、市販のものを用いてもよいし、天然ゴム(NR)をエポキシ化したものを用いてもよい。天然ゴム(NR)をエポキシ化する方法としては、特に限定されるものではなく、たとえばクロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などを挙げることができる。過酸法としては、たとえば天然ゴムのエマルジョンに過酢酸や過蟻酸などの有機過酸をエポキシ化剤として反応させる方法を挙げることができる。
エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。ここで、エポキシ化率とは、エポキシ化前の天然ゴム中の二重結合の全数のうちエポキシ化された数の割合を意味し、たとえば滴定分析や核磁気共鳴(NMR)分析等により求められる。エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が5モル%未満の場合、エポキシ化天然ゴム(ENR)のガラス転移温度が低いために、タイヤトレッド用ゴム組成物のゴム硬度が低く、該タイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドゴムとして用いた空気入りタイヤの耐久性および耐疲労性が低下する傾向がある。また、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が60モル%を超える場合、タイヤトレッド用ゴム組成物が硬くなることによって機械強度が低下する傾向がある。
エポキシ化天然ゴム(ENR)として、より典型的には、エポキシ化率25モル%のエポキシ化天然ゴムや、エポキシ化率50モル%のエポキシ化天然ゴムなどを例示できる。
本発明において、ゴム成分中の天然ゴム成分の含有率は10質量%以上とされることが好ましい。該含有率が10質量%未満である場合、石油資源由来の原料の使用量の低減効果が低くなる傾向がある。天然ゴム成分の該含有率は、30質量%以上であることがより好ましい。石油資源由来の原料の使用量の低減効果が良好である点で、天然ゴム成分の該含有率は100質量%であることが好ましいが、所望のタイヤ特性に応じて、たとえば該含有率を90質量%以下、さらに80質量%以下とし、ゴム成分中の残部として天然ゴム成分以外のゴムを配合してもよい。
本発明のゴム成分は、前述のように定義される天然ゴム成分以外にも、石油外資源由来のゴムとして、たとえば水素化天然ゴムなどの変性天然ゴムなどを含有することができる。
また、ゴム成分は、本発明の効果を損なわない範囲で石油資源由来のゴムを含有してもよい。石油資源由来のゴムとしては、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などを例示できる。中でも、タイヤトレッド用ゴム組成物の硬度を高くでき、空気入りタイヤに対して特に良好な耐久性および耐疲労性を付与できる点で、SBR、BR、IRが好ましい。
ゴム成分中の天然ゴム(NR)の含有率は、10質量%以上であることが好ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が10質量%未満の場合、タイヤトレッド用ゴム組成物の機械強度が低くなる傾向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は、20質量%以上であることがより好ましい。また、ゴム成分中の天然ゴム(NR)の含有率は、90質量%以下であることが好ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が90質量%を超える場合、タイヤトレッド用ゴム組成物の耐磨耗性が低くなる傾向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は、80質量%以下であることがより好ましい。
ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率は、10質量%以上であることが好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率が10質量%未満の場合、耐磨耗性の改善効果が低くなる傾向がある。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率は、20質量%以上、さらに30質量%以上であることがより好ましい。また、ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率は、90質量%以下であることが好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率が90質量%を超える場合、ゴム硬度が大きくなり過ぎるためにタイヤトレッド用ゴム組成物の機械強度が低くなる傾向がある。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率は、80質量%以下、さらに70質量%以下であることがより好ましい。
<シリカ>
本発明において、ゴム成分100質量部に対するシリカの配合量は50質量部以上とされる。シリカの該配合量が50質量部未満であると、シリカによる補強効果が十分得られず、タイヤトレッド用ゴム組成物に十分な機械強度を付与できない。シリカの該配合量は、さらに60質量部以上であることがより好ましい。機械強度の確保という点では、シリカの配合量は多い方が好ましいが、シリカが過度に多いと、タイヤトレッド用ゴム組成物が硬くなり過ぎて機械強度が低下する傾向がある。よってシリカの該配合量は、100質量部以下であることが好ましく、90質量部以下、さらに80質量部以下であることがより好ましい。
本発明において、ゴム成分100質量部に対するシリカの配合量は50質量部以上とされる。シリカの該配合量が50質量部未満であると、シリカによる補強効果が十分得られず、タイヤトレッド用ゴム組成物に十分な機械強度を付与できない。シリカの該配合量は、さらに60質量部以上であることがより好ましい。機械強度の確保という点では、シリカの配合量は多い方が好ましいが、シリカが過度に多いと、タイヤトレッド用ゴム組成物が硬くなり過ぎて機械強度が低下する傾向がある。よってシリカの該配合量は、100質量部以下であることが好ましく、90質量部以下、さらに80質量部以下であることがより好ましい。
シリカのBET比表面積は、40〜400m2/gの範囲内であることが好ましい。シリカのBET比表面積が40m2/g未満である場合、タイヤトレッド用ゴム組成物の硬度が低過ぎて機械強度が低下する傾向があり、400m2/gを超える場合、加工性が低下する傾向がある。シリカのBET比表面積は、80m2/g以上であることがより好ましく、また、300m2/g以下であることがより好ましい。
シリカは、湿式法により調製されたものであってもよく、乾式法により調製されたものであってもよい。
<カーボン>
本発明において、ゴム成分100質量部に対するカーボンの配合量は5質量部以下とされる。カーボンの該配合量が5質量部を超えると、石油資源由来の原料の使用量を十分に低減することができない。石油資源由来の原料の使用量低減の点で、カーボンの該配合量は、4.5質量部以下、さらに4質量部以下であることがより好ましい。一方、カーボンの該配合量が2質量部未満である場合、タイヤトレッド用ゴム組成物の耐候性およびグリップ性能の向上効果が小さい傾向があるため、カーボンの該配合量は2質量部以上であることが好ましく、2.5質量部以上、さらに3質量部以上であることがより好ましい。
本発明において、ゴム成分100質量部に対するカーボンの配合量は5質量部以下とされる。カーボンの該配合量が5質量部を超えると、石油資源由来の原料の使用量を十分に低減することができない。石油資源由来の原料の使用量低減の点で、カーボンの該配合量は、4.5質量部以下、さらに4質量部以下であることがより好ましい。一方、カーボンの該配合量が2質量部未満である場合、タイヤトレッド用ゴム組成物の耐候性およびグリップ性能の向上効果が小さい傾向があるため、カーボンの該配合量は2質量部以上であることが好ましく、2.5質量部以上、さらに3質量部以上であることがより好ましい。
カーボンのBET比表面積は、140m2/g以上とされる。本発明においては、BET比表面積が大きいカーボンを配合することによって、一般に石油資源由来であるカーボンの配合量を少なくしても空気入りタイヤの耐候性とグリップ性能とが良好に維持される。カーボンのBET比表面積が140m2/g未満であると、耐候性とグリップ性能とを確保するために必要とされるカーボンの配合量が大きくなり、石油資源由来の原料の使用量を十分に低減することができない。カーボンのBET比表面積は、180m2/g以上であることがより好ましい。カーボンのBET比表面積が過度に大きいと、加工性が低下する傾向があるため、カーボンのBET比表面積は、300m2/g以下であることが好ましく、250m2/g以下、さらに200m2/g以下であることがより好ましい。
カーボンの好ましい市販品としては、たとえば、キャボネットジャパン製の「ショウブラックN110」などを例示できる。
<シランカップリング剤>
本発明においてはシリカが配合される。よって、シランカップリング剤を組合わせて用いる場合、タイヤトレッド用ゴム組成物に対して優れた補強効果が付与され好ましい。シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量を100質量%としたときの量で4〜20質量%の範囲内とすることが好ましい。シランカップリング剤の該配合量が4質量%未満である場合、補強効果が低くなる傾向があり、20質量%を超える場合、量を増やしても補強効果の顕著な改善は期待できない一方コストが上昇するため経済的でなくなる傾向がある。シランカップリング剤の該配合量は、5質量%以上であることがより好ましく、また、15質量%以下であることがより好ましい。
本発明においてはシリカが配合される。よって、シランカップリング剤を組合わせて用いる場合、タイヤトレッド用ゴム組成物に対して優れた補強効果が付与され好ましい。シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量を100質量%としたときの量で4〜20質量%の範囲内とすることが好ましい。シランカップリング剤の該配合量が4質量%未満である場合、補強効果が低くなる傾向があり、20質量%を超える場合、量を増やしても補強効果の顕著な改善は期待できない一方コストが上昇するため経済的でなくなる傾向がある。シランカップリング剤の該配合量は、5質量%以上であることがより好ましく、また、15質量%以下であることがより好ましい。
シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などを挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、加工性が良好であるという理由から、デグッサ製Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、Si266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)などが好ましく用いられる。
<その他の配合剤>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、上記した成分以外にも、従来ゴム工業で使用される他の配合剤、たとえば加硫剤、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などを配合してもよい。また、前述のシリカ、カーボン以外の充填剤として、たとえば、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク等を併用してもよい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、上記した成分以外にも、従来ゴム工業で使用される他の配合剤、たとえば加硫剤、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などを配合してもよい。また、前述のシリカ、カーボン以外の充填剤として、たとえば、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク等を併用してもよい。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用することが可能であり、有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、硫黄はオイル処理されたものであってもよい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などを使用することができる。チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物などを使用することができる。チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系化合物を使用することができる。チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などを使用することができる。グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物を使用することができる。ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などを使用することができる。アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などのアルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系化合物などを使用することができる。イミダゾリン系としては、たとえば2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物などを使用することができる。キサンテート系としては、たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテート系化合物などを使用することができる。これらの加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩などを適宜選択して使用することができる。
オイルとしては、プロセスオイル、植物油脂、またはこれらの混合物、などを例示できる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどを例示できる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油、などを例示できる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の、JIS K6253に準じて測定されるゴム硬度(すなわち、タイプAデュロメータ硬さ)は、40〜80の範囲内であることが好ましい。ゴム硬度が40未満である場合、タイヤトレッド用ゴム組成物の剛性が低く空気入りタイヤの耐久性および操縦安定性が低下する傾向がある。またゴム硬度が80を超える場合、タイヤトレッド用ゴム組成物が硬くなり機械強度が低下する傾向がある。ゴム硬度は、50以上、さらに60以上であることがより好ましく、また、70以下であることがより好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物からなるタイヤトレッドを備える空気入りタイヤである。以下、図1を参照して本発明の空気入りタイヤを説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの左半分を例示した断面図である。空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを備える。またビード部4,4間にはカーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部2内にはタガ効果を有してトレッド部2を補強するベルト層7が配される。
上記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば70〜90°の角度で配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、上記トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。
上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配列した2枚以上のベルトプライからなり、各ベルトコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置している。なお、必要に応じてベルト層7の両端部のリフティングを防止するためのバンド層(図示しない)を、ベルト層7の少なくとも外側に設けても良く、このときバンド層は、低モジュラスの有機繊維コードを、タイヤ赤道COとほぼ平行に螺旋巻きした連続プライで形成する。
またビード部4には、上記ビードコア5から半径方向外方に延びるビードエイペックスゴム8が配されるとともに、カーカス6の内側には、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム9が隣設され、カーカス6の外側は、クリンチゴム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護される。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、上記トレッド部2のトレッドゴムに使用されるものである。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて、従来公知の方法により製造される。すなわち、上記した必須成分、および必要に応じて配合されるその他の添加剤を含有するトレッド用ゴム組成物を混練りし、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状に合わせて押出し加工し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明のタイヤを得ることができる。
かかる本発明の空気入りタイヤにおいては、特にトレッドゴムに対する石油資源由来の原料の使用量が低減されることによって省資源および環境保護への配慮が十分なされているとともに、耐候性およびグリップ性能が高度に両立されている。よって本発明が提供する空気入りタイヤは、地球環境に優しい「エコタイヤ」として、たとえば乗用車用、トラック用、バス用、重車両用など、種々の用途に対して好適に適用され得る。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1,2および比較例1,2>
表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼所製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く配合成分を混練した後、オープンロール上で、得られた混練ゴムに硫黄および加硫促進剤を表1に示す配合処方で加えて練り込み、押出して未加硫ゴムシートを得た。得られた未加硫ゴムシートを、150℃で30分間加硫して、試験用ゴムシートを得た。
表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼所製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く配合成分を混練した後、オープンロール上で、得られた混練ゴムに硫黄および加硫促進剤を表1に示す配合処方で加えて練り込み、押出して未加硫ゴムシートを得た。得られた未加硫ゴムシートを、150℃で30分間加硫して、試験用ゴムシートを得た。
(グリップ性能)
上記で得た未加硫ゴムシートをタイヤトレッド部分に形成し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成した。この未加硫タイヤを加硫機中で、150℃で30分間加熱加圧することにより、図1に示す構造を有するサイズ215/45R17の空気入りタイヤを試験用タイヤとして作製した。
上記で得た未加硫ゴムシートをタイヤトレッド部分に形成し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成した。この未加硫タイヤを加硫機中で、150℃で30分間加熱加圧することにより、図1に示す構造を有するサイズ215/45R17の空気入りタイヤを試験用タイヤとして作製した。
得られた試験用タイヤのグリップ性能を評価した。1800cc級のABSが装備された乗用車に試験用タイヤを装着し、テストコースにて10周走行してラップタイムを計測し、ラップタイムの平均値を求めて、比較例1を100とし、下記の式、
グリップ性能指数=(比較例1のラップタイム平均値)÷(各実施例または各比較例のラップタイム平均値)×100
によりグリップ性能指数を算出した。指数が大きい程制動性能が良好で、グリップ性能が高いことを示す。なお、ABS制動性能の試験には、スキッドナンバーが約50のアスファルト路面(濡れた路面状態)を用いた。
グリップ性能指数=(比較例1のラップタイム平均値)÷(各実施例または各比較例のラップタイム平均値)×100
によりグリップ性能指数を算出した。指数が大きい程制動性能が良好で、グリップ性能が高いことを示す。なお、ABS制動性能の試験には、スキッドナンバーが約50のアスファルト路面(濡れた路面状態)を用いた。
(耐候性)
上記で得た試験用ゴムシートを用い、JIS−K6266に準じて耐久性を評価した。すなわち、試験用ゴムシートを120%に伸張させた状態で、屋外に2ヶ月間暴露した後、クラックの発生状況を目視で評価し、クラックの発生が認められなかったものをA、クラックの発生が認められたものをBとした。
上記で得た試験用ゴムシートを用い、JIS−K6266に準じて耐久性を評価した。すなわち、試験用ゴムシートを120%に伸張させた状態で、屋外に2ヶ月間暴露した後、クラックの発生状況を目視で評価し、クラックの発生が認められなかったものをA、クラックの発生が認められたものをBとした。
注1:天然ゴムは、TSR20である。
注2:エポキシ化天然ゴムは、クンプーランガスリー製の「ENR25」(エポキシ化率25%)である。
注3:カーボンAは、キャボネットジャパン製の「ショウブラックN220」(BET比表面積:111m2/g)である。
注4:カーボンBは、キャボネットジャパン製の「ショウブラックN110」(BET比表面積:144m2/g)である。
注5:シリカは、デグッサ製のウルトラジルVN3(BET比表面積:170m2/g)である。
注6:シランカップリング剤は、デグッサ製の「Si75」である。
注7:オイルは、ジャパンシナジー製の「プロセスX−140」である。
注8:ワックスは、大内新興化学工業(株)製の「サンノックワックス」である。
注9:老化防止剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)である。
注10:ステアリン酸は、日本油脂(株)製のステアリン酸である。
注11:酸化亜鉛は、三井金属鉱業(株)製の「亜鉛華1号」である。
注12:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」である。
注13:加硫促進剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーNS」である。
注2:エポキシ化天然ゴムは、クンプーランガスリー製の「ENR25」(エポキシ化率25%)である。
注3:カーボンAは、キャボネットジャパン製の「ショウブラックN220」(BET比表面積:111m2/g)である。
注4:カーボンBは、キャボネットジャパン製の「ショウブラックN110」(BET比表面積:144m2/g)である。
注5:シリカは、デグッサ製のウルトラジルVN3(BET比表面積:170m2/g)である。
注6:シランカップリング剤は、デグッサ製の「Si75」である。
注7:オイルは、ジャパンシナジー製の「プロセスX−140」である。
注8:ワックスは、大内新興化学工業(株)製の「サンノックワックス」である。
注9:老化防止剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)である。
注10:ステアリン酸は、日本油脂(株)製のステアリン酸である。
注11:酸化亜鉛は、三井金属鉱業(株)製の「亜鉛華1号」である。
注12:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」である。
注13:加硫促進剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーNS」である。
表1に示す結果から、BET比表面積が本発明の範囲外であるカーボンをシリカとともに用いた比較例1,2と、BET比表面積が本発明の範囲内であるカーボンをシリカとともに用いた実施例1,2とを比較すると、比較例1よりも実施例1において、また比較例2よりも実施例2において、それぞれ同じカーボン使用量でも耐候性およびグリップ性能が良好な値を示した。よって、本発明によれば、カーボン使用量を低く抑えて石油資源由来の原料の使用量を低減しつつ、耐候性およびグリップ性能を高度に両立できることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、乗用車用、トラック用、バス用、重車両用等の各種用途の空気入りタイヤのトレッドゴムに好適に適用され、本発明の空気入りタイヤは、上記各種用途に好適に適用され得る。
1 タイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカス、7 ベルト層、8 ビードエイペックスゴム、9 インナーライナーゴム、3G サイドウォールゴム、4G クリンチゴム。
Claims (3)
- ゴム成分とシリカとカーボンとを含有し、
前記ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなる天然ゴム成分を含み、
前記シリカの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上であり、
前記カーボンの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以下であり、
前記カーボンのBET比表面積は、140m2/g以上である、タイヤトレッド用ゴム組成物。 - 前記ゴム成分中の前記天然ゴム成分の含有率は、10〜100質量%の範囲内である、請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物からなるタイヤトレッドを備える空気入りタイヤ。
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JP2007136946A JP2008291092A (ja) | 2007-05-23 | 2007-05-23 | タイヤトレッド用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤ |
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JP2010138272A (ja) * | 2008-12-11 | 2010-06-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
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