本明細書において、化合物Iまたは化合物I(遊離酸)として示される化合物である、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸は、以下の式を有する。
化合物Iは、ブロモドメインタンパク質の阻害剤またはモジュレーターである。合成およびその使用方法は、米国特許公開第2015/0133400号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、様々な化合物Iの固体形態、およびそのような固体形態を製造するためのプロセスに関する。
化合物Iの追加の固体形態も、そのような形態を製造するプロセスと共に、本明細書に記載されている。例えば、いくつかの実施形態では、化合物Iの固体形態は、化合物Iの塩または共結晶を含み得る。いくつかの実施形態では、化合物Iの固体形態は、化合物Iの非晶質形態を含み得る。
1.定義
本明細書で使用される場合、次の単語および語句は、それらが使用される文脈がそうではないことを示す範囲を除いて、概して以下に記載される意味を有することを意図している。
「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの「含む(comprise)」という用語およびその変形は、非限定的で包括的な意味、すなわち「含むが、限定されない」として解釈されるべきである。さらに、文脈上明らかにそうでないと指示されない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は複数への言及を含む。したがって、「その化合物(the compound)」への言及は、複数のそれらの化合物を含み、「そのアッセイ(the assay)」への言及は、1つ以上のアッセイおよび当業者に既知のそれらの均等物への言及を含む。
本明細書における「約」の値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータそれ自体に関する実施形態を含む(および説明している)。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、示された量±10%を含む。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、示された量±5%を含む。いくつかの他の実施形態では、「約」という用語は、示された量±1%を含む。また、「約X」という用語は、「X」の記載を含む。
いくつかの実施形態では、「約」という用語は、熱重量分析(TGA)サーモグラムに適用される場合、重量損失における±2%の変動を含む。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、示差走査熱量測定(DSC)曲線に適用される場合、±3℃の変動を含む。
いくつかの実施形態では、「図に実質的に示されるように」という語句は、DSC曲線に適用されるとき、±3摂氏度の変動を含むことが意図され、TGAサーモグラムに適用されるとき、重量損失における±2%の変動を含むことが意図される。
本開示全体にわたる数値範囲の列挙は、その範囲を規定する値を包括する範囲内に含まれる各別々の値を個々に指す略記として機能することを意図しており、各別々の値は、本明細書に個々に列挙された通り明細書に援用される。
化合物I、またはその塩、共結晶、溶媒和物、もしくは水和物の形態が、本明細書に提供される。一実施形態では、化合物Iまたはその塩、共結晶、溶媒和物、もしくは水和物の形態への言及は、組成物中に存在する化合物I、またはその塩、共結晶、溶媒和物、もしくは水和物の少なくとも50%〜99%(例えば、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)が、指定された形態であることを意味する。例えば、一実施形態では、化合物I結晶形Aへの言及は、組成物中に存在する化合物Iの少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が、結晶形Aであることを意味する。化合物I遊離酢非晶質への言及は、組成物中に存在する化合物Iの少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が、本明細書に記載される遊離酸非晶質形態であることを意味する。
「固体形態」という用語は、非晶質形態ならびに結晶形態を含む、固体状態の物質の種類を指す。「結晶形態」という用語は、多形だけでなく、溶媒和化合物、水和物なども指す。「多形」という用語は、X線回折および融点などの特定の物理的特性を有する特定の結晶構造を指す。
「共結晶」という用語は、本明細書に開示の化合物と、非共有相互作用を介して結合している1つ以上の非イオン化共結晶形成剤との分子複合体を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の共結晶は、化合物Iの非イオン化形態(例えば、化合物I遊離酸)、および1つ以上の非イオン化共結晶形成剤を含み得、非イオン化化合物Iおよび共結晶形成剤(複数可)が、非共有相互作用を介して結合している。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の共結晶は、化合物Iのイオン化形態(例えば、化合物Iの塩)、および1つ以上の非イオン化共結晶形成剤を含み得、イオン化化合物Iおよび共結晶形成剤(複数可)が、非共有相互作用を介して結合している。加えて、共結晶は、無水物、溶媒和物、または水和物の形態で存在し得る。いくつかの実施形態では、共結晶は、親形態(すなわち、遊離分子、双性イオンなど)または親化合物の塩と比較して、改善された特性を有し得る。改善された特性は、溶解性の増加、溶出性の増加、生物学的利用能の増加、用量応答の増加、吸湿性の減少、通常非晶質の化合物の結晶形態、塩になり難い又は不安定な化合物の結晶形態、結晶多形の減少、より望ましい形態などであり得る。共結晶を製造し特徴付けるための方法は、当業者には既知である。
「共結晶形成剤」または「共形成剤」という用語は、化合物I、または本明細書に開示の任意の他の化合物と関連する、本明細書に開示の1つ以上の薬学的に許容される塩基または薬学的に許容される酸を指す。
「溶媒和物」という用語は、溶媒分子と、溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物、または両方の混合物であり得る。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語としては、「水和物」(すなわち、水分子と溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成される複合体)、半水和物、チャネル水和物などが挙げられる。溶媒のいくつかの例としては、限定されないが、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、および水が挙げられる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に包含される。
「脱溶媒和」という用語は、本明細書に記載の溶媒和物であり、そこから溶媒分子が部分的にまたは完全に除去されている化合物I形態を指す。脱溶媒和形態を生成するための脱溶媒和技術としては、限定されないが、化合物I形態(溶媒和物)を真空にさらすこと、溶媒和物に高温を施すこと、溶媒和物を空気もしくは窒素などのガス流にさらすこと、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。したがって、脱溶媒和された化合物I形態は、無水であり得る、すなわち完全に溶媒分子を含まないか、または部分的に溶媒和されており、溶媒分子が化学量論量もしくは非化学量論量で存在する場合がある。
「非晶質」という用語は、物質が、分子レベルで長距離秩序を欠いており、温度に応じて、固体または液体の物理的性質を呈し得る状態を指す。典型的には、そのような物質は明確なX線回折パターンを与えず、固体の特性を呈する一方で、よりはっきりと液体として説明される。加熱すると、固体の特性から液体の特性への変化が起こり、これは状態の変化、典型的には二次(ガラス転移)を特徴とする。
「固体分散物」という用語は、少なくとも2つの成分を有する任意の固体組成物を指す。特定の実施形態では、本明細書に開示される固体分散物は、好ましくは、少なくとも1つの他の成分、例えば、ポリマーで分散された、活性成分(例えば、化合物I、または化合物Iの固体もしくは非晶質形態)を含む。特定の実施形態では、本明細書に開示される固体分散物は、少なくとも1つの薬学的または生物学的に活性な成分(例えば、化合物I、または化合物Iの固体もしくは非晶質形態)を含む薬学的分散物である。いくつかの実施形態では、固体分散物は、ポリマーで分子的に分散された化合物Iを含む。いくつかの実施形態では、固体分散物は、ポリマーで分子的に分散された、本明細書に記載される、化合物Iの遊離酸非晶質形態を含む。いくつかの実施形態では、固体分散物は、ポリマーで分子的に分散された、本明細書に記載される、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態を含む。いくつかの実施形態では、固体分散物は、一相系として存在する。
本明細書で使用される「分子的に分散した」という用語は、ポリマーでの化合物(例えば、化合物I、化合物Iの固体または非晶質形態)のランダム分布を指す。特定の実施形態では、化合物は、細分化の最終状態でポリマー中に存在する。例えば、M.G.Vachon et al.,J.Microencapsulation,14:281−301(1997)およびVandelli et al.,J.Microencapsulation,10:55−65(1993)を参照されたい。いくつかの実施形態では、化合物(例えば、化合物I)は、化合物がその非晶質形態で固定されるように、その固体状態のポリマーによって形成されるマトリックス内に分散され得る。化合物がポリマーに分子的に分散しているかは、例えば、単一のガラス転移温度を有する得られた固体分子複合体によって、様々な方法で証明され得る。
ポリマーマトリックス中の活性化合物の固定化に関して本明細書で使用される「固定化する」という用語は、化合物の分子が、前述のマトリックスに保持され、移動度の不足による結晶核形成を防止されるような方法で、化合物の分子がポリマーの分子と相互作用することを意味する。いくつかの実施形態では、ポリマーは、化合物Iの2つ以上の薬物分子間の分子間水素結合または弱い分散力を防止し得る。例えば、Matsumoro and Zografi,Pharmaceutical Research,Vo.16,No.11,p1722−1728,1999を参照されたい。
化合物Iを含む、本明細書に記載の任意の式または構造はまた、化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態を表すことを意図している。任意の所与の原子について、同位体は、本質的にそれらの天然の存在に応じた比率で存在し得るか、または当業者に既知の合成方法を使用して1つ以上の特定の原子が1つ以上の同位体に対して増強されている場合があることが理解される。したがって、水素には例えば、1H、2H、3Hが含まれ、炭素には例えば、11C、12C、13C、14Cが含まれ、酸素には例えば、16O、17O、18Oが含まれ、窒素には例えば、13N、14N、15Nが含まれ、硫黄には例えば、32S、33S、34S、35S、36S、37S、38Sが含まれ、フッ素には例えば、17F、18F、19Fが含まれ、塩素には例えば、35Cl、36Cl、37Cl、38Cl、39Clが含まれるなどである。
本明細書で使用されるとき、「治療する」、「治療すること」、「療法(therapy)」、「療法(therapies)」という用語および同様の用語は、物質、例えば、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態の、疾患または状態の1つ以上の症状、例えば、徴候を予防、軽減、もしくは改善、ならびに/または治療される対象の生存を延長するために有効な量での投与を指す。
「投与すること」という用語は、経口投与、座薬としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内もしくは皮下投与、または徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプの対象への埋め込みを指す。投与は、非経口および経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意選択の経路による。非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内および頭蓋内を含む。他の送達様式としては、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「調節すること」または「調節する」という用語は、生物学的活性、特にタンパク質キナーゼなどの特定の生体分子に関連する生物学的活性を改変する効果を指す。例えば、特定の生体分子のアゴニストまたはアンタゴニストは、酵素などの生体分子の活性を増加させること(例えば、アゴニスト、活性化剤)、または減少させること(例えば、アンタゴニスト、阻害剤)のいずれかによって、その生体分子、例えば、酵素の活性を調節する。そのような活性は、典型的には、例えば、酵素に対する、阻害剤または活性化剤の、化合物の阻害濃度(IC50)または刺激濃度(EC50)の観点でそれぞれ示される。
本明細書で使用される場合、「タンパク質キナーゼ媒介疾患または状態」という用語は、その任意の変異体を含むタンパク質キナーゼの生物学的機能が、疾患もしくは状態の発症、経過、および/もしくは症状に影響を及ぼし、ならびに/またはタンパク質キナーゼの調節が、疾患もしくは状態の発症、経過、および/もしくは症状を変化させる、疾患または状態を指す。タンパク質キナーゼ媒介性疾患または状態は、阻害が治療的利益を提供する疾患または状態を含み、例えば、本明細書に記載される化合物Iの1つ以上の固体または非晶質形態を含む、タンパク質キナーゼ阻害剤(複数可)での治療は、疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象に治療的利益を提供する。
本明細書で使用されるとき、「組成物」という用語は、その任意の固体または非晶質形態を含む、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含有する、治療目的のための意図される対象への投与に適した薬学的調製物を指す。組成物は、好適な担体または賦形剤などの、化合物の改善された製剤を提供するための少なくとも1つの薬学的に許容される成分を含み得る。
本開示の他の実施形態は、ナノ粒子(天然に備えているナノ担体、例えば、エキソソームなど)などと組み合わせて、化合物Iの結晶または非晶質形態のいずれかの組成物を含む。エキソソームは、高度に効果的な薬物担体であり得ることが知られており、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、J Control Release,2015 December 10;219:396−405に記載される技法を含む、薬物をエキソソーム中に装填することができる様々な方法が存在する。
本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」という用語は、本明細書に記載の化合物を用いて治療される、限定されないが、ヒトなどの任意の哺乳動物、他の霊長類、スポーツ用動物、牛などの商業的対象動物、馬などの農場動物、犬および猫などのペットを含む、生物を指す。
「薬学的に許容される」という用語は、示される物質が、治療される疾患または状態およびそれぞれの投与経路を考慮して、合理的に慎重な医師に対象への物質の投与を回避させる特性を有さないことを示す。例えば、そのような物質は、例えば注射剤のために、本質的に無菌であることが一般的に必要とされる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、哺乳動物などの患者への投与に許容される塩(例えば、所与の投与計画で忍容される哺乳動物の安全性を有する塩)を指す。そのような塩は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、薬学的に許容される無機または有機塩基から、かつ薬学的に許容される無機または有機酸から誘導することができる。本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、そのような化合物の中性形態を、そのまま又は適切な不活性溶媒中で、十分な量の所望の塩基と接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される無機塩基から合成される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む。薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩は、置換アミン、環状アミン、天然由来アミンなどを含む第一級、第二級、第三級、および第四級アミン、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、メグルミン(N−メチル−グルカミン)などの塩含む。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、そのような化合物の中性形態を、そのまま又は適切な不活性溶媒中で十分な量の所望の酸と接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸から合成される塩は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、ヨウ化水素酸、炭酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、エンボン酸(パモ酸)、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸、ヒドロキシ酪酸、ガラクト糖酸、およびガラクツロン酸などを含む。
アルギン酸塩などのようなアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge,S.M.et al.,“Pharmaceutical Salts”,J.Pharmaceutical Science,1977,66:1−19を参照されたい)。本開示のある特定の化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする塩基性官能基および酸性官能基の両方を含有する。
中性形態の化合物は、従来の方法で塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を単離することにより再製することができる。親形態の化合物は、極性溶媒への溶解性などの特定の物理的性質において様々な塩形態とは異なるが、別様に、塩は、本開示の目的のための化合物の親形態と同等である。
本文脈において、「治療的に有効な」または「有効量」という用語は、物質または物質の量が、疾患もしくは医学的病態の1つ以上の症状を予防、緩和、もしくは軽減するのに、かつ/または治療されている対象の生存を延長するのに有効であることを示す。治療有効量は、化合物、障害、または状態、およびその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変動するであろう。例えば、有効量は、有益なまたは所望の臨床結果を達成するのに十分な量である。有効量は、一回の投与で一度に全て、または数回の投与で有効量を提供する分割量で提供してもよい。想定される有効量の正確な決定は、対象の大きさ、年齢、傷害、および/または治療されている疾患もしくは傷害、および傷害が起こってからもしくは疾患が始まってからの時間量を含む、各対象に対する個々の要因に基づき行う事が出来る。当業者は、当技術分野において日常的であるこれらの考慮事項に基づいて所与の対象についての有効量を決定することができるだろう。
モジュレーターであるか、またはモジュレーターであり得る化合物の使用、試験、またはスクリーニングの文脈において、「接触すること」という用語は、化合物(複数可)が、その化合物と他の特定の物質との間の潜在的な結合相互作用および/または化学反応が起こり得る特定の分子、複合体、細胞、組織、生物、または他の特定の物質に十分に近接するようになっていることを意味する。
加えて、本明細書で使用される略語は、以下のそれぞれの意味を有する。
2.化合物Iの形態
概して上述のように、本開示は、化合物I、およびその塩、共結晶、溶媒和物、または水和物の結晶形態を提供する。(非晶質形態を含む)追加の形態もまた、本明細書でさらに論じる。化合物Iおよびその塩、共結晶、溶媒和物、または水和物の結晶形態、ならびに化合物Iおよびその塩、共結晶、溶媒和物、または水和物の他の形態(例えば、非晶質形態)は、集合的に、本明細書では「化合物Iの形態」または「化合物Iの固体形態」として称されることに留意するべきである。
化合物Iの結晶形態は、化合物Iの活性薬学的成分の溶解度データを提供する以下の表Aに示されるように、驚くほど低い溶解度を有することが見出された。
よって、本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、化合物Iの溶解度および/または生物学的利用能を改善するための技法、方法、および組成物が提供される。いくつかの実施形態では、結晶形態の化合物Iと比較して、改善された溶解度および/または生物学的利用能を有する組成物、形態、または製剤に化合物Iを含む組成物および方法が提供される。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物Iの遊離酸非晶質形態または化合物Iの遊離酸非晶質塩形態を含む組成物および方法が提供される。いくつかの実施形態では、ポリマーマトリックス内に分子的に分散された化合物Iの遊離酸非晶質形態または化合物Iの遊離酸非晶質塩形態を含む組成物および方法が提供される。
a.化合物I結晶形A
本開示は、一実施形態では、Cu−Kα線を使用して回折計で決定されるように、以下のピーク:17.1、19.4、および23.5°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形態(化合物I結晶形A)を提供する。一実施形態では、化合物I結晶形Aの回折図は、6.7、9.7、10.3、12.1、12.5、15.8、19.0、および21.4、°2θ±0.2°2θで1つ以上のピークをさらに含む。一実施形態では、化合物I結晶形Aの回折図は、以下のピーク:6.7、9.7、10.3、12.1、12.5、15.8、17.1、19.0、19.4、21.4、および23.5°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも2つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Aの回折図は、以下のピーク:6.7、9.7、10.3、12.1、12.5、15.8、17.1、19.0、19.4、21.4、および23.5°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも4つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Aの回折図は、以下のピーク:6.7、9.7、10.3、12.1、12.5、15.8、17.1、19.0、19.4、21.4、および23.5°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも6つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Aの回折図は、以下のピーク:6.7、9.7、10.3、12.1、12.5、15.8、17.1、19.0、19.4、21.4、および23.5°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも8つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Aの回折図は、以下のピーク:6.7、9.7、10.3、12.1、12.5、15.8、17.1、19.0、19.4、21.4、および23.5°2θ±0.2°2θのうちの各々を含む。一実施形態では、化合物I結晶形Aは、図1に実質的に示されるように完全X線粉末回折図によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Aは、最大約250℃まで約3.0%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形Aは、図2に実質的に示されるようにサーモグラムによって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Aは、約238℃で最大ピークを有する吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形AのDSC曲線は、約124℃で最大ピークを有する追加の吸熱を含む。一実施形態では、化合物I結晶形Aは、図3に実質的に示されるように完全DSC曲線によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Aは、約5%RHでの平衡時の最小重量損失、および約5%から約0.2モルの水に対応する約95%RHまでの約0.8%の重量増加を示す動的蒸気吸着(DVS)分析によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形Aは、図4に実質的に示されるように完全DVS吸着曲線によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Aは、水和物として特徴付けられる。
b.化合物I結晶形B
本開示は、一実施形態では、Cu−Kα線を使用して回折計で決定されるように、以下のピーク:16.8、17.4、および21.1°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形態(化合物I結晶形B)を提供する。一実施形態では、化合物I結晶形Bの回折図は、13.7、14.0、14.2、15.7、19.7、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θで1つ以上のピークをさらに含む。一実施形態では、化合物I結晶形Bの回折図は、以下のピーク:13.7、14.0、14.2、15.7、19.7、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも2つを含む。13.7、14.0、14.2、15.7、16.8、17.4、19.7、21.1、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θ。一実施形態では、化合物I結晶形Bの回折図は、以下のピーク:13.7、14.0、14.2、15.7、19.7、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも4つを含む。13.7、14.0、14.2、15.7、16.8、17.4、19.7、21.1、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θ。一実施形態では、化合物I結晶形Bの回折図は、以下のピーク:13.7、14.0、14.2、15.7、19.7、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも6つを含む。13.7、14.0、14.2、15.7、16.8、17.4、19.7、21.1、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θ。一実施形態では、化合物I結晶形Bの回折図は、以下のピーク:13.7、14.0、14.2、15.7、19.7、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも8つを含む。13.7、14.0、14.2、15.7、16.8、17.4、19.7、21.1、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θ。一実施形態では、化合物I結晶形Bの回折図は、以下のピーク:13.7、14.0、14.2、15.7、19.7、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θのうちの各々を含む。13.7、14.0、14.2、15.7、16.8、17.4、19.7、21.1、22.4、23.2、および24.6°2θ±0.2°2θ。一実施形態では、化合物I結晶形Bは、図5に実質的に示されるように完全X線粉末回折図によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Bは、最大約275℃まで約2.9%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形Bは、図6に実質的に示されるようにサーモグラムによって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Bは、約277℃で最大ピークを有する吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形BのDSC曲線は、約247℃で最大ピークを有する発熱をさらに含む。一実施形態では、化合物I結晶形Bは、図7に実質的に示されるように完全DSC曲線によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Bは、ほぼ等量(50:50)の4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸のRおよびSエナンチオマーを含むラセミ混合物として特徴付けられる。上記で指定されるように、化合物Iは、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸のSエナンチオマーである。
一実施形態では、化合物I結晶形Bは、ほぼ等量(50:50)の化合物IのRおよびSエナンチオマーを含む固体溶液として存在し得る。
c.化合物I結晶形C
本開示は、一実施形態では、Cu−Kα線を使用して回折計で決定されるように、以下のピーク:13.7、14.6、および22.6°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形態(化合物I結晶形C)を提供する。一実施形態では、化合物I結晶形Cの回折図は、10.0、11.2、12.4、13.7、14.6、15.6、18.6、20.2、21.3、21.9、22.6、および23.8°2θ±0.2°2θで1つ以上のピークをさらに含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cの回折図は、以下のピーク:10.0、11.2、12.4、13.7、14.6、15.6、18.6、20.2、21.3、21.9、22.6、および23.8°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも2つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cの回折図は、以下のピーク:10.0、11.2、12.4、13.7、14.6、15.6、18.6、20.2、21.3、21.9、22.6、および23.8°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも4つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cの回折図は、以下のピーク:10.0、11.2、12.4、13.7、14.6、15.6、18.6、20.2、21.3、21.9、22.6、および23.8°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも6つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cの回折図は、以下のピーク:10.0、11.2、12.4、13.7、14.6、15.6、18.6、20.2、21.3、21.9、22.6、および23.8°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも8つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cの回折図は、以下のピーク:10.0、11.2、12.4、13.7、14.6、15.6、18.6、20.2、21.3、21.9、22.6、および23.8°2θ±0.2°2θのうちの各々を含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cは、図8に実質的に示されるように完全X線粉末回折図によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Cは、最大約240℃まで約7.4%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形Cは、図9に実質的に示されるようにサーモグラムによって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Cは、約234.5℃で最大ピークを有する吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形CのDSC曲線は、約148℃で最大ピークを有する発熱をさらに含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cは、図10に実質的に示されるように完全DSC曲線によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Cは、無水物として特徴付けられる。
d.化合物I結晶形D
本開示は、一実施形態では、Cu−Kα線を使用して回折計で決定されるように、以下のピーク:3.5、18.0、および19.1°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形態(化合物I結晶形D)を提供する。一実施形態では、化合物I結晶形Dの回折図は、7.0、10.8、11.4、13.1、15.5、17.4、17.5、18.5、19.7、および21.2°2θ±0.2°2θで1つ以上のピークをさらに含む。一実施形態では、化合物I結晶形Dの回折図は、以下のピーク:3.5、7.0、10.8、11.4、13.1、15.5、17.4、17.5、18.0、18.5、19.1、19.7、および21.2°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも2つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Dの回折図は、以下のピーク:3.5、7.0、10.8、11.4、13.1、15.5、17.4、17.5、18.0、18.5、19.1、19.7、および21.2°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも4つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Dの回折図は、以下のピーク:3.5、7.0、10.8、11.4、13.1、15.5、17.4、17.5、18.0、18.5、19.1、19.7、および21.2°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも6つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Dの回折図は、以下のピーク:3.5、7.0、10.8、11.4、13.1、15.5、17.4、17.5、18.0、18.5、19.1、19.7、および21.2°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも8つを含む。一実施形態では、化合物I結晶形Dの回折図は、以下のピーク:3.5、7.0、10.8、11.4、13.1、15.5、17.4、17.5、18.0、18.5、19.1、19.7、および21.2°2θ±0.2°2θのうちの各々を含む。一実施形態では、化合物I結晶形Dは、図11に実質的に示されるように完全X線粉末回折図によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Dは、最大約125℃まで約0.5%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形DのTGAサーモグラムは、約125℃から約195℃まで約11.1%の重量損失をさらに示し得る。一実施形態では、化合物I結晶形DのTGAサーモグラムは、約195℃から約225℃まで約1.5%の重量損失をさらに示し得る。一実施形態では、化合物I結晶形Dは、図12に実質的に示されるようにサーモグラムによって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Dは、約235℃で最大ピークを有する吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形CのDSC曲線は、約107℃および237℃で最大ピークを有する発熱をさらに含む。一実施形態では、化合物I結晶形Cは、図13に実質的に示されるように完全DSC曲線によって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I結晶形Dは、溶媒和物として特徴付けられる。一実施形態では、化合物I結晶形Dは、イソプロパノール溶媒和物として特徴付けられる。
e.化合物I物質E
本開示は、一実施形態では、Cu−Kα線を使用して回折計で決定されるように、以下のピーク:6.4、22.4、および25.1°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形態(化合物物質E)を提供する。一実施形態では、化合物I物質Eの回折図は、9.2、10.6、13.1、19.0、22.9、および23.4°2θ±0.2°2θで1つ以上のピークをさらに含む。一実施形態では、化合物I物質Eの回折図は、以下のピーク:6.4、9.2、10.6、13.1、19.0、22.4、22.9、23.4、および25.1°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも2つを含む。一実施形態では、化合物I物質Eの回折図は、以下のピーク:6.4、9.2、10.6、13.1、19.0、22.4、22.9、23.4、および25.1°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも4つを含む。一実施形態では、化合物I物質Eの回折図は、以下のピーク:6.4、9.2、10.6、13.1、19.0、22.4、22.9、23.4、および25.1°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも6つを含む。一実施形態では、化合物I物質Eの回折図は、以下のピーク:6.4、9.2、10.6、13.1、19.0、22.4、22.9、23.4、および25.1°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも8つを含む。一実施形態では、化合物I物質Eの回折図は、以下のピーク:6.4、9.2、10.6、13.1、19.0、22.4、22.9、23.4、および25.1°2θ±0.2°2θのうちの各々を含む。
一実施形態では、化合物I物質Eは、結晶形Cとの混合物として存在する。一実施形態では、化合物I物質Eは、図14に実質的に示されるように完全X線粉末回折図によって特徴付けられる。図14は、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質F(以下で詳細に議論される)、および化合物I物質G(以下で詳細に議論される)のX線粉末回折図も含む。
f.化合物I物質F
本開示は、一実施形態では、Cu−Kα線を使用して回折計で決定されるように、以下のピーク:12.8、18.6、および21.1°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形態(化合物物質F)を提供する。一実施形態では、化合物I物質Fの回折図は、5.5、7.7、11.6、16.1、16.9、19.0、20.4、21.9、および23.3°2θ±0.2°2θで1つ以上のピークをさらに含む。一実施形態では、化合物I物質Fの回折図は、以下のピーク:5.5、7.7、11.6、12.8、16.1、16.9、18.6、19.0、20.4、21.1、21.9、および23.3°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも2つを含む。一実施形態では、化合物I物質Fの回折図は、以下のピーク:5.5、7.7、11.6、12.8、16.1、16.9、18.6、19.0、20.4、21.1、21.9、および23.3°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも4つを含む。一実施形態では、化合物I物質Fの回折図は、以下のピーク:5.5、7.7、11.6、12.8、16.1、16.9、18.6、19.0、20.4、21.1、21.9、および23.3°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも6つを含む。一実施形態では、化合物I物質Fの回折図は、以下のピーク:5.5、7.7、11.6、12.8、16.1、16.9、18.6、19.0、20.4、21.1、21.9、および23.3°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも8つを含む。一実施形態では、化合物I物質Fの回折図は、以下のピーク:5.5、7.7、11.6、12.8、16.1、16.9、18.6、19.0、20.4、21.1、21.9、および23.3°2θ±0.2°2θのうちの各々を含む。
一実施形態では、化合物I物質Fは、結晶形Cとの混合物として存在する。一実施形態では、化合物I物質Fは、図14に実質的に示されるように完全X線粉末回折図によって特徴付けられる。
g.化合物I物質G
本開示は、一実施形態では、Cu−Kα線を使用して回折計で決定されるように、以下のピーク:15.3、17.0、および23.0°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の結晶形態(化合物物質G)を提供する。一実施形態では、化合物I物質Gの回折図は、15.7、18.7、20.2、21.9、22.1、および25.7、°2θ±0.2°2θで1つ以上のピークをさらに含む。一実施形態では、化合物I物質G回折図は、以下のピーク:15.3、15.7、17.0、18.7、20.2、21.9、22.1、23.0、および25.7°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも2つを含む。一実施形態では、化合物I物質Gの回折図は、以下のピーク:15.3、15.7、17.0、18.7、20.2、21.9、22.1、23.0、および25.7°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも4つを含む。一実施形態では、化合物I物質Gの回折図は、以下のピーク:15.3、15.7、17.0、18.7、20.2、21.9、22.1、23.0、および25.7°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも6つを含む。一実施形態では、化合物I物質Gの回折図は、以下のピーク:15.3、15.7、17.0、18.7、20.2、21.9、22.1、23.0、および25.7°2θ±0.2°2θのうちの少なくとも8つを含む。一実施形態では、化合物I物質Gの回折図は、以下のピーク:15.3、15.7、17.0、18.7、20.2、21.9、22.1、23.0、および25.7°2θ±0.2°2θのうちの各々を含む。
一実施形態では、化合物I物質Gは、結晶形Bとの混合物として存在する。一実施形態では、化合物I物質Gは、図15に実質的に示されるように完全X線粉末回折図によって特徴付けられる。図15は、参照のために化合物I結晶形BのX線粉末回折図も含む。
一実施形態では、化合物I物質Gは、最大約250℃まで約5.2%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I物質Gは、図16に実質的に示されるようにサーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I物質Gを約235℃まで加熱することは、約4.2%の重量損失および化合物I結晶形Bの形成をもたらす。物質Gを約235℃まで加熱することを介して形成された化合物I結晶形BのX線粉末回折図も図15に示される。
一実施形態では、化合物I物質Gは、約278℃で最大ピークを有する吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I物質GのDSC曲線は、約217℃で最大ピークを有する追加の吸熱を含む。一実施形態では、化合物I物質GのDSC曲線は、約219℃で最大ピークを有する発熱をさらに含む。一実施形態では、化合物I形態Gは、図17に実質的に示されるように完全DSC曲線によって特徴付けられる。
h.化合物I遊離酸非晶質
本開示は、一実施形態では、図18に実質的に示されるようにX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸の遊離酸非晶質形態(化合物I遊離酸非晶質、本明細書では化合物Iの遊離酸非晶質形態とも称される)を提供する。
一実施形態では、化合物I遊離酸非晶質は、最大約250℃まで約17%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I遊離酸非晶質は、図19に実質的に示されるようにサーモグラムによって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物I遊離酸非晶質は、約237℃で最大ピークを有する発熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物I遊離酸非晶質のDSC曲線は、約57℃で潜在的なガラス転移を示す。一実施形態では、化合物I遊離酸非晶質は、図20に実質的に示されるように完全DSC曲線によって特徴付けられる。
i.化合物Iのナトリウム塩
本開示は、一実施形態では、図21に実質的に示されるようにX線粉末回折図によって特徴付けられる、4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−[(1S)−1−(2−ピリジル)エチル]ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸のナトリウム塩の結晶形態(化合物Iナトリウム物質A)を提供する。
一実施形態では、化合物Iナトリウム物質Aは、最大約175℃まで約6.4%の重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。一実施形態では、化合物Iナトリウム物質Aは、図22に実質的に示されるようにサーモグラムによって特徴付けられる。
一実施形態では、化合物Iナトリウム物質Aは、約85℃で最大ピークを有する吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、化合物Iナトリウム物質AのDSC曲線は、約294℃で最大ピークを有する吸熱をさらに含む。一実施形態では、化合物Iナトリウム物質Aは、図23に実質的に示されるように完全DSC曲線によって特徴付けられる。
3.薬学的組成物および投与モード
化合物I、および本明細書に記載されるその形態は、薬学的組成物で投与され得る。よって、本明細書では、化合物Iもしくはその塩、または本明細書に記載される化合物Iの形態のうちの1つ以上と、担体、アジュバント、および賦形剤などの1つ以上の薬学的に許容されるビヒクルと、を含む、薬学的組成物が提供される。好適な薬学的に許容されるビヒクルとしては、例えば、不活性固体希釈剤、ならびに充填剤、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を含む希釈剤、透過促進剤、可溶化剤、ならびにアジュバントを挙げることができる。そのような組成物は、薬学分野で周知の様式で調製される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,Pa.17th Ed.(1985)、およびModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker&C.T.Rhodes,Eds.)を参照されたい。薬学的組成物は、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて投与してもよい。
いくつかの実施形態は、化合物Iを含む薬学的組成物に関する。いくつかの実施形態は、化合物Iの塩を含む薬学的組成物に関する。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物Iの結晶形態を含む薬学的組成物に関する。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、本明細書に記載される結晶形態である。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、結晶形Aである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、結晶形Bである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、結晶形Cである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、結晶形Dである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物I物質Eである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物I物質Fである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物I物質Gである。
一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、本明細書に記載される結晶形態である。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、結晶形Aである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、結晶形Bである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、結晶形Cである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、結晶形Dである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物I物質Eである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物I物質Fである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物I物質Gである。
一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、本明細書に記載される結晶形態である。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、結晶形Aである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%が結晶形Bである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、結晶形Cである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、結晶形Dである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物I物質Eである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物I物質Fである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物I物質Gである。
一実施形態では、薬学的組成物は、本明細書に記載される化合物Iの非晶質形態を含む。一実施形態では、薬学的組成物は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態を含む。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物I遊離酸非晶質である。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物I遊離酸非晶質である。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物I遊離酸非晶質である。
一実施形態では、薬学的組成物は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質塩形態(化合物Iの塩の非晶質形態)を含む。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質塩形態である。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質塩形態である。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質塩形態である。
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、ポリマーマトリックスに分子的に分散された化合物I遊離酸非晶質を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、ポリマーマトリックスに分子的に分散された化合物Iの遊離酸非晶質塩形態を含む。使用することができるポリマーマトリックスの非限定的な例には、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸エステル(HPMCP)、およびEudragit(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載される結晶形態の化合物Iの塩を含む薬学的組成物に関する。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iのナトリウム塩を含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物Iナトリウム物質Aである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iのナトリウム塩を含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物Iナトリウム物質Aである。一実施形態では、薬学的組成物は、化合物Iのナトリウム塩を含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物Iナトリウム物質Aである。
いくつかの実施形態は、治療有効量の、本明細書に記載される化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、および化合物Iナトリウム物質Aから選択される化合物と、1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物に関する。
いくつかの実施形態では、組成物は、充填剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、潤滑剤、錯化剤、可溶化剤、および界面活性剤などの薬学的に許容される担体または賦形剤を含み、これらは、特定の経路による化合物の投与を容易にするように選択され得る。担体の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、グルコース、またはスクロースなどの様々な糖、デンプンの種類、セルロース誘導体、ゼラチン、脂質、リポソーム、ナノ粒子などが挙げられる。また、溶媒としてまたは懸濁液用の生理学的に適合可能な液体が担体として挙げられ、例えば、注射用の無菌水溶液(WFI)、生理食塩水、デキストロース溶液、ハンクス溶液、リンガー溶液、植物油、鉱油、動物油、ポリエチレングリコール、流動パラフィンなどが挙げられる。賦形剤としてはまた、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、シリカゲル、タルク、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、大結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、サイロイド、ステアロウェットC、酸化マグネシウム、デンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、モノステアリン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素添加植物油、水素添加綿実油、ヒマシ油、鉱油、ポリエチレングリコール(例えば、PEG4000〜8000)、ポリオキシエチレングリコール、ポロキサマー、ポビドン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、カゼイン、メタクリル酸ジビニルベンゼンコポリマー、ドクセートナトリウム、シクロデキストリン(例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、セトリミド、TPGS(d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩)、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールのジ−脂肪酸エステル、またはポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステルTween(登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、またはパルミチン酸などの脂肪酸からのソルビタン脂肪酸エステル、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルトース、ラクトース、ラクトース一水和物または噴霧乾燥ラクトース、スクロース、フルクトース、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デキストレート、デキストラン、デキストリン、デキストロース、酢酸セルロース、マルトデキストリン、シメチコン、ポリデキストロセム、キトサン、ゼラチン、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロースなどを挙げることができる。
薬学的製剤は、単位用量当たりの所定量の活性成分を含有する単位用量形態で提供され得る。そのような単位は、治療されている状態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重、および状態に応じて、例えば、0.5mgから1g、好ましくは1mgから700mg、より好ましくは5mgから100mgの本開示の化合物を(任意の形態の遊離酸、溶媒和物(水和物を含む)、または塩として)含有し得る。好ましい単位用量製剤は、活性成分の1日用量、週用量、月用量、副用量、またはそれらの適切な分割量を含有するものである。さらに、そのような薬学的製剤は、薬学分野で周知の方法のうちのいずれかによって調製してもよい。
薬学的製剤は、任意の適切な経路による、例えば経口(カプセル、錠剤、液体充填カプセル、崩壊錠、即時放出、遅延放出および制御放出錠剤、経口ストリップ、溶液、シロップ、頬側口腔内および舌下を含む)、直腸、鼻、吸入、局所(経皮を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路による投与に適合させてもよい。そのような製剤は、薬学分野で既知の任意の方法によって、例えば活性成分を担体(複数可)、賦形剤(複数可)、または希釈剤と関連させることによって調製してもよい。概して、薬学的製剤に用いられる担体、賦形剤、または希釈剤は、薬学的組成物中で送達される量で摂取されるのに安全であると見なされることを意味する「非毒性」であり、かつ活性成分の治療活性に対して認識可能なほどには反応しないか、または望ましくない効果をもたらさないことを意味する「不活性」である。
いくつかの実施形態では、経口投与を使用してもよい。経口使用用の薬学的調製物は、個別の単位カプセル、錠剤、ならびにシロップ、エリキシル剤、および濃縮滴剤などの液体調製物などの従来の経口剤形に製剤化することができる。本明細書に記載の化合物は、固体賦形剤と組み合わせて、所望の場合好適な助剤を添加後、得られる混合物を任意選択的に粉砕し、顆粒の混合物を加工して、例えば錠剤、コーティング錠剤、ハードカプセル、ソフトカプセル、溶液(例えば、水溶液、アルコール溶液、または油性溶液)などを得ることができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、グルコース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、および/またはポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン);ヒマワリ油、オリーブ油、またはタラ肝油などの植物油および動物油を含む油性賦形剤である。経口用量製剤はまた、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸などの崩壊剤、またはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩;タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;グリセロールもしくはソルビトールなどの可塑剤;スクロース、フルクトース、ラクトース、もしくはアスパルテームなどの甘味料;ペパーミント、ウィンターグリーンオイル、チェリー香味料などの天然もしくは人工の香味剤;または単位用量などの異なる用量もしくは組み合わせの識別もしくは特徴付けに使用することができる、染料または顔料を含有し得る。好適なコーティングを有する糖衣コアもまた提供される。この目的のために、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリ−ビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒もしくは溶媒混合物を任意選択的に含有し得る、濃縮糖溶液を使用してもよい。溶液、シロップ、およびエリキシル剤などの経口流体は、所与の量が所定量の化合物を含有するように単位剤形に調製することができる。
経口的に使用され得る薬学的調剤は、ゼラチン製の押し込み型カプセル(「ゲルキャップ」)、ならびにゼラチン製の軟密封カプセル、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤を含む。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意選択に安定剤と混合して活性成分を含有することができる。ソフトカプセルでは、活性化合物を、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁してもよい。
いくつかの実施形態では、注射(非経口投与)、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、および/または皮下注射を使用してもよい。本明細書に記載の注射用化合物は、滅菌液体溶液、好ましくは生理食塩水、ハンクス溶液、またはリンガー溶液などの生理学的に適合可能な緩衝液または溶液中で製剤してもよい。分散液はまた、グリセロール、プロピレングリコール、エタノール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、および植物油などの非水溶液中で調製してもよい。溶液はまた、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど防腐剤も含有し得る。加えて、化合物は、例えば凍結乾燥形態を含む固体形態で製剤され、使用前に再溶解または懸濁してもよい。製剤は、単位用量または複数回用量の容器、例えば封止されたアンプルおよびバイアル中で提供することができ、使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。
いくつかの実施形態では、経粘膜投与、局所投与、または経皮投与を使用してもよい。本明細書に記載の化合物のそのような製剤では、透過させる障壁に適切な浸透剤が使用される。そのような浸透剤は、当該技術分野において一般的に既知であり、例えば、経粘膜投与用としては、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。加えて、界面活性剤を使用して浸透を容易にすることができる。経粘膜投与は、例えば、鼻腔用スプレーまたは坐剤(直腸内または膣内)を介してもよい。局所投与用の、本明細書に記載の化合物の組成物は、当該技術分野において既知の適切な担体を選択することによって、油、クリーム、ローション、軟膏などとして製剤されてもよい。適切な担体としては、植物油または鉱油、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分岐鎖脂肪または油、動物脂肪および高分子量アルコール(C12超)が挙げられる。いくつかの実施形態では、活性成分が可溶性であるように担体が選択される。所望であれば、乳化剤、安定剤、湿潤剤および酸化防止剤、ならびに色または香りを付与する薬剤も含まれ得る。好ましくは、局所適用用クリームは、鉱油、自己乳化型蜜ろう、および水の混合物から製剤され、その混合物中に、少量の溶媒(例えば、油)に溶解された活性成分が混和されている。加えて、経皮手段による投与は、活性成分、および任意選択に当該技術分野で既知の1つ以上の担体または希釈剤を含浸させた包帯などの経皮パッチまたは包帯剤を含み得る。経皮送達系の形態で投与されるためには、投与用量は、用量投与計画全体を通して断続的によりはむしろ、連続的であるであろう。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)は、吸入剤として投与される。本明細書に記載の化合物は、乾燥粉末、または好適な溶液、懸濁液、またはエアロゾルとして製剤してもよい。粉末および溶液は、当該技術分野で既知の適切な添加剤と共に処方され得る。例えば、粉末は、ラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基剤を含み得、溶液はプロピレングリコール、滅菌水、エタノール、塩化ナトリウム、ならびに酸、アルカリ、および緩衝塩などの他の添加剤を含み得る。そのような溶液または懸濁液は、スプレー、ポンプ、アトマイザー、またはネブライザーなどを介して吸入することによって投与され得る。本明細書に記載の化合物はまた、他の吸入療法、例えば、フルチカゾンプロピオネート、ベクロメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニド、およびモメタゾンフロエートなどのコルチコステロイド;アルブテロール、サルメテロール、およびホルモテロールなどのベータアゴニスト;イプラトロピウム臭化物またはチオトロピウムなどの抗コリン剤;トレプロチナル(treprostinal)およびイロプロストなどの血管拡張剤;DNA分解酵素などの酵素;治療用タンパク質;免疫グロブリン抗体;一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNA、siRNAなどのオリゴヌクレオチド;トブラマイシンなどの抗生物質;ムスカリン受容体アンタゴニスト;ロイコトリエンアンタゴニスト;サイトカインアンタゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;クロモリンナトリウム;ネドクリルナトリウム;およびクロモグリク酸ナトリウムと組み合わせて使用してもよい。
投与される様々な化合物の量は、化合物活性(インビトロ、例えば化合物IC50対標的、または動物有効性モデルにおけるインビボ活性)、動物モデルにおける薬物動態学的結果(例えば生物学的半減期または生物学的利用能)、対象の年齢、大きさ、体重、および対象に関連する障害などの要因を考慮した、標準的手順によって決定することができる。これらおよび他の要因の重要性は当業者には周知である。概して、用量は、治療されている対象の約0.01から50mg/kg、また約0.1から20mg/kgの範囲であろう。複数回の用量を使用することができる。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)はまた、例えば、同じ疾患を治療するための、他の療法、薬物、医学的手順などと組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、そのような併用は、本明細書に記載の化合物とは異なる時間に(例えば、数時間(例えば、1、2、3、4から24時間)以内など短時間内、または長い時間(例えば、1から2日、2から4日、4から7日、1から4週間)以内に)、または本明細書に記載の化合物と同時に1つ以上の他の療法、薬物、もしくは医学的手技を施すことを含む。いくつかの実施形態では、併用としては、他の療法、薬物、または手技の前または後に、短時間またはより長い時間内に投与される本明細書に記載の化合物と共に、外科手術などの1回または不定期に施される少なくとも1つの療法、薬物、または医学的手技と共に使用することが挙げられる。いくつかの実施形態では、併用は、同じ投与経路または異なる投与経路による、本明細書に記載の化合物および1つ以上の他の薬物治療剤の送達を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物および1つ以上の他の薬物治療剤は、化合物および他の薬物治療剤(複数可)が、投与されるとそれらの治療活性を維持するような方式で化学的に結合している製剤を含む任意の製剤中で、同じ投与経路によって一緒に送達されてもよい。いくつかの実施形態では、他の薬物治療剤(複数可)は、本明細書に記載の化合物と共投与してもよい。いくつかの実施形態では、共投与としては、化学的に結合している化合物の共製剤もしくは製剤の投与、または互いに短時間以内(例えば、1時間、2時間、3時間、最大24時間以内)に同じかもしくは異なる経路によって投与される別々の製剤での2つ以上の化合物の投与が挙げられる。別々の製剤の同時投与は、1つの装置、例えば、同じ吸入装置、同じシリンジなどを介した送達による同時投与、または互いに短時間以内での別々の装置からの投与を含む。本明細書に記載の化合物と、同じ経路によって送達される1つ以上の追加の薬物治療剤とを共製剤することは、1つの製剤中で組み合わせられる別々の化合物、または化学的に結合しているが、それでもなおそれらの生物学的活性を維持するように調整された化合物を含む、1つの装置によって投与することができるような物質と一緒に調製することを含む。そのような化学的に結合した化合物は、インビボで実質的に維持される結合を有し得るか、あるいは結合はインビボで分解し、2つの活性成分を分離し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の化合物は、本明細書に記載の他の療法または治療剤と組み合わせて、アジュバント療法またはネオアジュバント療法に使用してもよい。併用に関連するいくつかの実施形態では、例えば、単独で使用される化合物または療法と比較して用量を低減するなど、当業者に周知の方法によって、本開示の化合物のうちの1つ以上または併用される他の治療剤用に用量を調整してもよい。例示的な併用療法を、以下に論じる。
4.疾患徴候およびブロモドメインの調節
ブロモドメインタンパク質のBET(ブロモドメインおよびエクストラターミナル)ファミリーのメンバー(BRD2、BRD3、BRD4、およびBRDT)は、神経性疾患、自己免疫性および炎症性疾患、代謝性疾患(Muller et al.Expert Rev.Mol.Med.2011,Sep 13;13:e29、Prinjha et al.Trends Pharmacol.Sci.2012,33,146−153、Belkina et al.J.Immunol.2013,190,3670−3678、およびBelkina et al.Nature Rev.Cancer2012,12,465−477)、ならびに癌(Alsarraj et al.International Journal of Breast Cancer 2012,1−7、Barbieri et al.Briefings in Functional Genomics 2013,1−12、Blobel et al.Cancer Cell 2011,20,287−288、Dang Cell 2012,149,22−35)を含む様々な障害と関連している。加えて、いくつかのウイルスは、ウイルス複製のプロセスの一部として、これらのタンパク質を利用して、それらのゲノムを宿主細胞クロマチンにつなぐ(You et al Cell,2004 117,349−60)。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)は、アセチル−リジン認識モチーフを含有するタンパク質、すなわち、ブロモドメイン(例えば、BRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのBETタンパク質)などのエピジェネティックな調節に関与する1つ以上のタンパク質に関連する障害、および例えば、とりわけ細胞増殖性障害、癌、慢性自己免疫性、炎症性状態を含む、ブロモドメインの異常発現に関連する疾患を治療するために有用である。
ブロモドメインの存在は、以下に記載のように、多くの異なる種類の癌、ならびに他の疾患および状態に関連している。ブロモドメイン阻害剤は、全身または組織炎症、感染または低酸素症に対する炎症性反応、細胞活性化および増殖、脂質代謝、線維症の治療、ならびにウイルス感染の予防および治療において有用である。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)などのブロモドメイン阻害剤は、リウマチ性関節炎、ブドウ膜黒色腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、骨関節炎、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、および移植臓器の急性拒絶などの慢性自己免疫性および炎症性状態の予防および治療において有用である。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)などのブロモドメイン阻害剤は、これらに限定されないが、急性痛風、巨細胞性動脈炎、ループス腎炎を含む腎炎、糸球体腎炎などの臓器病変を伴う血管炎、巨細胞性動脈炎を含む血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、ベーチェット病、川崎病、高安動脈炎、移植臓器の臓器病変を伴う血管炎および急性拒絶を含む、急性炎症性状態の予防および治療において有用である。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)などのブロモドメイン阻害剤は、細菌、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、アデノウイルス、およびポックスウイルスなどのウイルス、ならびに他のDNAウイルス;真菌、寄生虫、またはそれらの毒素への感染に対する炎症反応、例えば、敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒素血症、全身性炎症性反応症候群(SIRS)、多臓器不全症候群、トキシックショック症候群、急性肺損傷、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、火傷、急性膵炎、術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリア、ならびにインフルエンザ、帯状ヘルペス、単純ヘルペス、およびコロナウイルスなどのウイルスなどウイルス感染と関連したSIRSに関与する、自己免疫性および炎症性疾患または状態の予防および治療において有用である。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)などのブロモドメイン阻害剤は、これらに限定されないが、心筋梗塞、脳血管虚血(脳卒中)、急性冠症候群、腎臓再灌流障害、臓器移植、冠状動脈バイパス移植、心肺バイパス術、肺、腎臓、肝臓、胃腸、または末梢下肢塞栓症を含む、虚血再灌流障害と関連した疾患または状態の予防および治療において有用である。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)などのブロモドメイン阻害剤は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、およびアルツハイマー病の予防および治療において有用である。
本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの1つ以上の固体もしくは非晶質形態)などのブロモドメイン阻害剤は、これらに限定されないが、血液癌、肺癌、乳癌、および結腸癌を含む上皮癌、正中線癌、間葉系腫瘍、肝腫瘍、腎腫瘍、神経学的腫瘍、副腎癌、腺房細胞癌、聴神経腫、末端黒子型黒色腫、先端汗腺腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤血球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺腫様歯原性腫瘍、腺扁平上皮癌、脂肪組織新生物、副腎皮質癌、成人T細胞性白血病/リンパ腫、侵攻性NK細胞性白血病、AIDS関連リンパ腫、胞巣状横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞型リンパ腫、退形成性甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星細胞膠腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞性前リンパ性白血病、B細胞性リンパ腫、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、ブレンナー腫瘍、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、乳癌、脳癌、癌腫、上皮内癌、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント質腫、骨髄性肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞性リンパ腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、デゴス病、線維形成性小円形細胞性腫瘍、びまん性大B細胞性リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎児性癌、内分泌腺新生物、内胚葉洞腫瘍、腸管症関連T細胞性リンパ腫、食道癌、封入奇形胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、甲状腺濾胞癌、後縦隔神経節細胞腫、消化器癌、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞性線維芽細胞腫、骨の巨細胞腫瘍、グリア系腫瘍、多形膠芽腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グルカゴノーマ、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫瘍、男女性胚細胞腫、胆嚢癌、胃癌、有毛細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部癌、血管周皮腫、悪性血液腫瘍、肝芽腫、肝脾T細胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、致死性正中線癌、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞性リンパ腫、辺縁帯B細胞性リンパ腫、肥満細胞性白血病、縦隔胚細胞腫瘍、胸部の髄様癌、甲状腺髄様癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性尿路上皮癌、混合ミュラー管腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽頭癌、神経鞘腫、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼癌、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、膨大細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭癌、傍神経節腫、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胎芽腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション(リヒター症候群としても知られる)、直腸癌、肉腫、神経鞘腫症、セミノーマ、セルトリ細胞腫瘍、性索性腺間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚癌、小円形青色細胞腫瘍、小細胞癌、軟部組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脾辺縁帯リンパ腫、扁平上皮癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、T細胞性リンパ腫、精巣癌、莢膜細胞腫、甲状腺癌、移行細胞癌、喉頭癌、尿膜管癌、泌尿生殖器癌、尿路上皮癌、ブドウ膜黒色腫、子宮癌、疣贅性癌、視覚路神経膠腫、外陰部癌、膣癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、およびウィルムス腫瘍を含む、癌の予防および治療において有用である。
5.ブロモドメインによって媒介される状態を治療するための方法
本開示は、いくつかの実施形態では、ブロモドメイン(例えば、BETタンパク質またはBRD4タンパク質)またはその変異体を調節または阻害するための方法を提供し、ブロモドメインの調節または阻害は、役割を果たすか、またはいくつかの利点を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を、細胞またはブロモドメインタンパク質とインビトロまたはインビボで接触させることによって、ブロモドメインまたはその変異体を調節または阻害するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を、細胞またはブロモドメインタンパク質とインビトロまたはインビボで接触させることによって、ブロモドメインまたはその変異体を調節または阻害するための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン媒介性疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物を含む組成物を投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン媒介性疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、対象に、有効量の化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、非ヒト動物である。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される腫瘍細胞の望ましくない増殖を抑制する方法を提供する。方法は、腫瘍細胞を、有効量の、本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの例では、腫瘍細胞は、BETタンパク質、BRD4タンパク質、またはそれらの変異体によって媒介される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される1つ以上の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)で治療可能な疾患または状態は、癌、神経性状態、自己免疫性状態、炎症性状態、代謝性状態、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される1つ以上の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)で治療可能な疾患または状態は、これらに限定されないが、癌、例えば、血液癌、肺癌、乳癌、および結腸癌を含む上皮癌、正中線癌、間葉系腫瘍、肝腫瘍、腎腫瘍、神経学的腫瘍、副腎癌、腺房細胞癌、聴神経腫、末端黒子型黒色腫、先端汗腺腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤血球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺腫様歯原性腫瘍、腺扁平上皮癌、脂肪組織新生物、副腎皮質癌、成人T細胞性白血病/リンパ腫、侵攻性NK細胞性白血病、AIDS関連リンパ腫、胞巣状横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞型リンパ腫、退形成性甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星細胞膠腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞性前リンパ性白血病、B細胞性リンパ腫、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、ブレンナー腫瘍、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、乳癌、脳癌、癌腫、上皮内癌、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント質腫、骨髄性肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞性リンパ腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、デゴス病、線維形成性小円形細胞性腫瘍、びまん性大B細胞性リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎児性癌、内分泌腺新生物、内胚葉洞腫瘍、腸管症関連T細胞性リンパ腫、食道癌、封入奇形胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、甲状腺濾胞癌、後縦隔神経節細胞腫、消化器癌、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞性線維芽細胞腫、骨の巨細胞腫瘍、グリア系腫瘍、多形膠芽腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グルカゴノーマ、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫瘍、男女性胚細胞腫、胆嚢癌、胃癌、有毛細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部癌、血管周皮腫、悪性血液腫瘍、肝芽腫、肝脾T細胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、致死性正中線癌、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞性リンパ腫、辺縁帯B細胞性リンパ腫、肥満細胞性白血病、縦隔胚細胞腫瘍、胸部の髄様癌、甲状腺髄様癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性尿路上皮癌、混合ミュラー管腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽頭癌、神経鞘腫、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼癌、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、膨大細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭癌、傍神経節腫、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胎芽腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション(リヒター症候群としても知られる)、直腸癌、肉腫、神経鞘腫症、セミノーマ、セルトリ細胞腫瘍、性索性腺間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚癌、小円形青色細胞腫瘍、小細胞癌、軟部組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脾辺縁帯リンパ腫、扁平上皮癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、T細胞性リンパ腫、精巣癌、莢膜細胞腫、甲状腺癌、移行細胞癌、喉頭癌、尿膜管癌、泌尿生殖器癌、尿路上皮癌、ブドウ膜黒色腫、慢性リンパ性白血病、子宮癌、疣贅性癌、視覚路神経膠腫、外陰部癌、膣癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、およびウィルムス腫瘍を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)で治療可能な癌は、腺癌、成人T細胞性白血病/リンパ腫、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、乳癌、脳癌、癌腫、骨髄性肉腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃腸癌、多形膠芽腫、神経膠腫、胆嚢癌、胃癌、頭頸部癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肺癌、リンパ腫、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、眼癌、視神経腫瘍、口腔癌、卵巣癌、下垂体腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腎細胞癌、直腸癌、肉腫、皮膚癌、脊椎腫瘍、小腸癌、胃癌、T細胞性リンパ腫、精巣癌、甲状腺癌、咽頭癌、泌尿生殖器癌、子宮癌、膣癌、またはウィルムス腫瘍から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)で治療可能な癌または腫瘍は、良性軟部組織腫瘍、骨腫瘍、脳および脊髄腫瘍、眼瞼および眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫瘍、鼻ポリープ、下垂体腫瘍、プロラクチノーマ、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵臓の嚢胞腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ、および嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣嚢疾患、皮膚線維腫、皮脂嚢腫、化膿性肉芽腫、ならびに若年性ポリポーシス症候群を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)で治療可能な疾患または状態は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、黒色腫、正中線癌、乳癌、リンパ腫、神経芽細胞腫、もしくは去勢抵抗性前立腺癌、骨髄線維症、骨髄異形成症候群、または急性骨髄性白血病を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)で治療可能な疾患または状態は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、黒色腫、神経芽細胞腫、および去勢抵抗性前立腺癌を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、慢性リンパ性白血病(CLL)、リヒター症候群、ブドウ膜黒色腫、急性骨髄性白血病(AML)、または骨髄異形成症候群(MDS)である。いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、慢性リンパ性白血病(CLL)、リヒター症候群、ブドウ膜黒色腫、急性骨髄性白血病(AML)、または骨髄異形成症候群(MDS)である。一実施形態では、疾患は、慢性リンパ性白血病(CLL)である。一実施形態では、疾患または状態は、リヒター症候群である。一実施形態では、疾患または状態は、ブドウ膜癌である。一実施形態では、疾患または状態は、骨髄性白血病である。一実施形態では、疾患または状態は、骨髄異形成症候群(MDS)である。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、慢性リンパ性白血病(CLL)またはリヒター症候群である。いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、慢性リンパ性白血病(CLL)またはリヒター症候群である。一実施形態では、疾患は、慢性リンパ性白血病(CLL)である。一実施形態では、疾患または状態は、リヒター症候群である。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、急性骨髄性白血病(AML)または骨髄異形成症候群(MDS)である。いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、急性骨髄性白血病(AML)または骨髄異形成症候群(MDS)である。一実施形態では、疾患または状態は、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、疾患または状態は、骨髄異形成症候群(MDS)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)で治療可能な疾患または状態は、自己免疫性または炎症性疾患または状態を含む。これらの自己免疫性または炎症性疾患または状態は、慢性または急性であり、これらに限定されないが、炎症性骨盤疾患、尿道炎、皮膚の日焼け、副鼻腔炎、肺臓炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、心膜炎、ループス腎炎を含む腎炎、骨髄炎、筋炎、湿疹、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、胆嚢炎、硬化性胆管炎、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、シェーグレン病、急性移植片対宿主病などの組織移植拒絶、移植臓器の超急性拒絶、喘息、慢性閉塞性気道疾患、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多腺性自己免疫性疾患(多腺性自己免疫症候群としても知られている)、自己免疫性脱毛症、悪性貧血、血管炎、糸球体腎炎、巨細胞動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、自己免疫性溶血および血小板減少状態、グッドパスチャー症候群、アテローム性動脈硬化症、アジソン病、下垂体炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、川崎病、高安動脈炎、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、I型糖尿病、敗血症性ショック、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、若年性関節炎、骨関節炎、痛風、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変形性関節疾患、白斑、水疱性皮膚疾患、自己免疫性下垂体機能低下症、ギラン−バレー症候群、ベーチェット病、スクレラシエルマ(scleracierma)、菌状息肉腫、急性炎症性反応(急性呼吸窮迫症候群および虚血/再灌流障害など)、ならびにバセドウ病を含み得る。いくつかの実施形態では、自己免疫性および炎症性疾患および状態は、全身性または組織炎症、低炭素、細胞活性化および増殖、脂質代謝、線維症、細菌への感染、ウイルス(例えば、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、および他のDNAウイルス)、真菌、寄生虫またはそれらの毒素への感染に対する炎症性反応、例えば、敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒素血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器不全症候群、トキシックショック症候群、急性肺損傷、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、火傷、急性膵炎、術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリア、ならびにインフルエンザ、帯状ヘルペス、単純ヘルペス、およびコロナウイルスなどのウイルス感染と関連したSIRSを含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、虚血−再灌流障害に罹患しているか、またはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物を含む組成物を投与することによる方法を提供する。虚血−再灌流障害としては、これらに限定されないが、心筋梗塞、脳血管虚血(脳卒中)、急性冠症候群、腎臓再灌流障害、臓器移植、冠状動脈バイパス移植、心肺バイパス術、肺、腎臓、肝臓、胃腸、および末梢下肢塞栓症が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、リウマチ性関節炎、ブドウ膜黒色腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、骨関節炎、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、または移植臓器の急性拒絶である。いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメイン、またはその変異体によって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を投与することによる方法を提供し、疾患または状態は、リウマチ性関節炎、ブドウ膜黒色腫、慢性リンパ性白血病、骨関節炎、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、または移植臓器の急性拒絶である。一実施形態では、疾患または状態は、リウマチ性関節炎である。一実施形態では、疾患または状態は、骨関節炎である。一実施形態では、疾患または状態は、急性痛風である。一実施形態では、疾患または状態は、乾癬である。一実施形態では、疾患または状態は、全身性狼瘡である。一実施形態では、疾患または状態は、全身性狼瘡である。一実施形態では、疾患または状態は、紅斑性である。一実施形態では、疾患または状態は、多発性硬化症である。一実施形態では、疾患または状態は、炎症性腸疾患である。一実施形態では、疾患または状態は、クローン病である。一実施形態では、疾患または状態は、潰瘍性大腸炎である。一実施形態では、疾患または状態は、喘息である。一実施形態では、疾患または状態は、慢性閉塞性気道疾患である。一実施形態では、疾患または状態は、肺炎である。一実施形態では、疾患または状態は、心筋炎である。一実施形態では、疾患または状態は、心膜炎である。一実施形態では、疾患または状態は、筋炎である。一実施形態では、疾患または状態は、湿疹である。一実施形態では、疾患または状態は、皮膚炎である。一実施形態では、疾患または状態は、脱毛症である。一実施形態では、疾患または状態は、白斑である。一実施形態では、疾患または状態は、水疱性皮膚疾患である。一実施形態では、疾患または状態は、腎炎である。一実施形態では、疾患または状態は、血管炎である。一実施形態では、疾患または状態は、アテローム性動脈硬化症である。一実施形態では、疾患または状態は、アルツハイマー病である。一実施形態では、疾患または状態は、うつ病である。一実施形態では、疾患または状態は、網膜炎である。一実施形態では、疾患または状態は、ブドウ膜炎である。一実施形態では、疾患または状態は、強膜炎である。一実施形態では、疾患または状態は、肝炎である。一実施形態では、疾患または状態は、膵炎である。一実施形態では、疾患または状態は、原発性胆汁性肝硬変である。一実施形態では、疾患または状態は、硬化性胆管炎である。一実施形態では、疾患または状態は、アジソン病である。一実施形態では、疾患または状態は、下垂体炎である。一実施形態では、疾患または状態は、甲状腺炎である。一実施形態では、疾患または状態は、I型糖尿病である。一実施形態では、疾患または状態は、移植臓器の急性拒絶である。
いくつかの実施形態では、本開示は、高コレステロール血症に罹患しているか、またはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、高コレステロール血症に罹患しているか、またはそのリスクがある対象を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される疾患または状態の治療のための医薬品の製造における、本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物を含む組成物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される疾患または状態の治療における使用のための、本明細書に記載される化合物、または本明細書に記載される化合物を含む組成物を提供する。
以下で詳細に議論されるように、本開示は、本明細書に記載される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための併用療法を提供し、そのような併用療法は、それを必要とする対象に、本明細書に開示される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)のうちのいずれか1つ以上、または本明細書に記載される化合物のいずれか1つ以上を含む組成物を、これらに限定されないが、BCL−2阻害剤、PI3K阻害剤、BTK阻害剤、CTLA−4阻害剤、チェックポイント阻害剤、またはキザルチニブを含む、1つ以上の他の治療剤と組み合わせて投与することを含む。
以下の文献刊行物は、ブロモドメイン阻害剤のこれらの使用のほんのいくつかの例を記載する。
本明細書に記載される化合物は、ブロモドメイン阻害剤であることが示されているため、以下の刊行物は、特許請求される化合物の有用性を確認する。
癌
ブロモドメイン阻害剤は、乳癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、骨髄異形成腫瘍、骨髄異形成症候群、正中線癌、去勢抵抗性前立腺癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、および神経芽細胞腫の臨床試験においてヒトに投与されている(C.A.French,Small−Molecule Targeting of BET Proteins in Cancer,Advances in Cancer Research,(2016),131,21−58)。
ブロモドメイン4(BRD4)阻害剤は、結腸直腸癌の成長および転移を阻害する(Y.Hu,et al.,BRD4 Inhibitor Inhibits Colorectal Cancer Growth and Metastasis,Int.J.Mol.Sci.(2015),16,1928−1948)。
ブロモドメイン阻害剤は、去勢抵抗性前立腺癌を阻害する(I.A.Asangani,et al.,Therapeutic targeting of BET bromodomain proteins in castration−resistant prostate cancer,Nature(2014),510,278−282)。
神経芽細胞腫細胞株のパネルにブロモドメイン阻害剤を投与した結果、ほとんどの細胞株において強力な成長阻害および細胞毒性をもたらした(A.Wyce,et al.,BET Inhibition Silences Expression of MYCN and BCL2 and Induces Cytotoxicity in Neuroblastoma Tumor Models,PLOS ONE(2013),8,8,1−16)。
ブロモドメイン阻害剤は、急性リンパ芽球性白血病における生存率を強力に低減する(C.J.Ott,et al.,BET bromodomain inhibition targets both c−MYC and IL7R in high−risk acute lymphyoblastic leukemia,Blood Journal(2012),1−23)。
ブロモドメイン阻害剤は、マウスおよびヒトAML細胞株の増殖を選択的に抑制する。(A.F.Hohmann et al.,Sensitivity and engineered resistance of myeloid leukemia cells to BRD9 inhibition,Nature Chemical Biology(2016),12,672−679)。
本開示の化合物Iは、CLLの前臨床モデルにおいてB細胞受容体(BCR)シグナル伝達剤の有効性に匹敵するか、またはこれを超える新規インビトロおよびインビボ薬理学的特性を有する構造的に異なるBET阻害剤であることが見出された。(H.G.Ozer et al.,BRD4 profiling identifies critical Chronic Lymphocytic Leukemia oncogenic circuits and reveals sensitivity to PLX51107,a novel structurally distinct BET inhibitor,Cancer Discovery,Published Online March 14,2018 doi:10.1158/2159−8290.CD−17−0902)。
ブドウ膜黒色腫(UM)のマウス異種移植モデルでは、本開示の化合物Iは、腫瘍成長を有意に阻害した。(G.Ambrosini et al.,Cytotoxic Effects of a Novel BRD4 Inhibitor in Uveal Melanoma Cells with Gnaq/11 Mutations,Molecular and Cellular Biology,Genetics,DOI:10.1158/1538−7445.AM2016−4462 Published July 2016)。
いくつかのブロモドメイン阻害剤候補は、骨髄異形成症候群、AML、多発性骨髄腫、多形膠芽腫の臨床試験に進んでいる(G.W.Rhyasen,et al.,AZD5153: A Novel Bivalent BET Bromodomain Inhibitor Highly Active against Hematologic Malignancies,Mol.Cancer Ther.(2016),15,11,2563−2574)。
ブロモドメイン4(BRD4)阻害剤は、多発性骨髄腫におけるMYC癌遺伝子の選択的阻害をもたらすことが見出された(J.Loven,et al.,Selective Inhibition of Tumor Oncogenes by Disruption of Super−Enhancers,Cell (2013),153,320−334)。
強力な抗骨髄腫活性がブロモドメイン阻害剤で観察された(A.Chaidos,et al.,Potent antimyeloma activity of the novel bromodomain inhibitors I−BET151 and I−BET762,Blood (2014),123,5,697−705)。
ブロモドメイン阻害剤は、多形膠芽腫細胞において細胞周期停止を誘発することが見出された(C.Pastori,et al.,The Bromodomain protein BRD4 controls HOTAIR,a long noncoding RNA essential for glioblastoma proliferation,PNAS (2015),1−6)。
BRD4の抑制は、メルケル細胞癌異種移植片腫瘍成長の抑制と相関することが実証されている(D.Sengupta,et al.,Disruption of BRD4 at H3K27Ac−enriched enhancer region correlates with decreased c−Myc expression in Merkel cell carcinoma,Epigenetics(2015),10,6,460−466)。
BRD4阻害剤は、乳癌細胞成長を抑制している(J.Shi,et al.,Disrupting the Interaction of BRD4 with Diacetylated Twist Suppresses Tumorigenesis in Basal−like Breast Cancer,Cancer Cell(2014),25,210−225)。
ブロモドメイン阻害は、アポトーシスの誘導のためにNSCLC細胞を刺激し、BRD阻害剤は、NSCLC細胞株のパネルにおいて異なる抗増殖活性を示すことが実証されている(O.Klingbeil,et al.,Inhibition of BET bromodomain−dependent XIAP and FLIP expression sensitizes KRAS−mutated NSCLC to pro−apoptic agents,Cell Death and Disease(2016),7,e2365,doi:10.1038/cddis.2016.271,1−13)。
BRD4阻害剤は、骨肉腫細胞の増殖および生存を著しく阻害する(D.H.Lee et al.,Synergistic Effect of JQ1 2014 and Rapamycin for Treatment of Human Osteosarcoma,Int.J.Cancer(2015),135,2055−2064)。
ブロモドメイン阻害剤は、卵巣癌細胞株に対する阻害効果を実証した(A.M Kurimchak,et al.,Resistance to BET Bromodomain Inhibitors is Mediated by Kinome Reprogramming in Ovarian Cancer,Cell Reports(2016),16,1273−1286)。
ブロモドメイン阻害剤は、胃癌細胞成長を強力に阻害する(R.C.Montenegro,et al.,BET inhibition as a new strategy for the treatment of gastric cancer,Oncotarget(2016),7,28,43997−44012)。
特定のLAC細胞株は、ブロモドメイン阻害の影響を強く受ける(W.W.Lockwood,et al.,Sensitivity of human lung adenocarcinoma cell lines to targeted inhibition of BET epigenetic signaling proteins,PNAS(2012),109,47,19408−19413)
BRD4は、正中線癌の有望な標的である(J.Lu et al.,Hijacking the E3 Ubiquitin Ligase Cereblon to Efficiently Target BRD4,Chemistry&Biology(2015),22,755−763)。
BRD4阻害剤は、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)の成長および腫瘍形成の両方を抑制することが見出された(A.J.Patel et al.,BET Bromodomain Inhibition Triggers Apoptosis of NF1−Associated Malignant Peripheral Nerve Sheath Tumors through Bim Induction,Cell Reports(2014),6,1−12)。
ブロモドメイン阻害剤は、アポトーシスを引き起こし、黒色腫細胞の成長を低減することが見出された(A.Heinemann et al.,Combining BET and HDAC inhibitors synergistically induces apoptosis of melanoma and suppresses AKT and YAP signaling,Oncotarget(2015)6,25,21507−21521)。
BRD4阻害は、ブドウ膜黒色腫に対する新規治療的介入として特徴付けられている(G.Ambrosini et al.,BRD4−targeted therapy induces Myc−independent cytotoxicity in Gnaq/11−mutatant uveal melanoma cells,Oncotarget(2015),6,32,33397−33409)。
髄芽腫異種移植片を有するマウスは、ブロモドメイン阻害剤で治療された場合、生存期間の延長を示した(A.Hennsen et al.,BET bromodomain protein inhibition is a therapeutic option for medulloblastoma,Oncotarget(2013),4,11,2080−2095)。
リンパ腫
ブロモドメイン阻害剤は、異なる起源のリンパ腫細胞株の増殖を阻害する(M.Jung,et al.,Targeting BET bromodomains for cancer treatment,Epigenomics (2015),7(3),487−501)。
ブロモドメイン阻害剤は、バーキットリンパ腫に対して効果的であることが示されている(S.Wu,et al.,Phospho Switch Triggers Brd4 Chromotin Binding and Activator Recruitment for Gene−Specific Targeting,Molecular Cell (2013),49,1−15;J.Lu et al.,Hijacking the E3 Ubiquitin Ligase Cereblon to Efficiently Target BRD4,Chemistry & Biology (2015),22,755−763)。
ブロモドメイン阻害は、B細胞リンパ腫のアポトーシスを誘導する(S.J.Hogg et al.,BET inhibition Induces Apoptosis in Aggressive B−Cell Lymphoma via Epigenetic Regulation of BCL−2 Family Members,Mol Cancer Ther (2016),15,9,2030−2041)。
炎症および自己免疫性疾患
ブロモドメイン阻害剤は、自己免疫性疾患および炎症などの疾患徴候の治療に有効であることが示されている(O.A.Kharenko,et al.,RVX−297− a novel BD2 selective inhibitor of BET bromodomains,Biochemical and Biophysical Research Communication (2016),477,62−67)。
ブロモドメイン阻害は、自己免疫性の疾患領域に有益な活性を提供することが見出された(D.U.Lee et al.,Nonselective inhibition of the epigenetic transcriptional regulator BET induces marked lymphoid and hematopoietic toxicity in mice,Toxicology and Applied Pharmacology (2016),300,47−54)。
ブロモドメイン阻害は、マウスにおいて大腸炎を改善することが見出された(K.Cheung et al.,BET N−terminal bromodomain inhibition selectively blocks Th17 cell differentiation and ameliorates colitis in mice,PNAS (2017),114,11,2952−2957)。
BRD4阻害剤は、ヒト気道上皮細胞においてIL−1β誘導性炎症を低減し、慢性閉塞性肺疾患の治療に有効であり得る(Y.M.Khan,et al.,Brd4 is Essential for IL−1β−Induced Inflammation in Human Airway Epithelial Cells,PLOS ONE (2014),9,4,1−17)。
ブロモドメイン阻害は、アテローム性動脈硬化症に有益な活性を提供する(D.U.Lee et al.,Nonselective inhibition of the epigenetic transcriptional regulator BET induces marked lymphoid and hematopoietic toxicity in mice,Toxicology and Applied Pharmacology (2016),300,47−54)。
関節炎/関節関連疾患
ブロモドメイン阻害剤は、関節の腫れおよび炎症を軽減し、骨量減少の予防に役立ち、これはリウマチ性関節炎および骨関節炎の治療に有用であり得る(K.Park−Min,et al.,Inhibition of osteoclastogenesis and inflammatory bone resorption by targeting BET proteins and epigenetic regulation,Nature Communications (2014),5:5418,1−9)。
ブロモドメインは、リウマチ性関節炎などの炎症関連病態を媒介する(K.A.Papavassiliou,et al.,Bromodomains: pockets with therapeutic potential,Trends in Molecular Medicine (2014),20,9,477−478)。
6.併用療法
ブロモドメインモジュレーターは、特に本明細書に記載される癌、ならびに他の疾患および徴候において、別の薬理学的に活性な化合物、または2つ以上の他の薬理学的に活性な化合物と有用に組み合わされ得る。一実施形態では、組成物は、同じ疾患徴候に治療的に有効である1つ以上の化合物と共に、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)を含み、化合物は、疾患徴候に対して相乗効果を有する。一実施形態では、組成物は、癌の治療において有効な本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)、および同じ癌の治療において有効な1つ以上の他の化合物を含み、さらに化合物は、癌の治療において相乗的に有効である。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)と、1つ以上の他の治療剤と、を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、化合物Iまたはその塩と、1つ以上の他の治療剤と、を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の他の治療剤は、これらに限定されないが、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、およびウラムスチンなどを含む、アルキル化剤;これらに限定されないが、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、およびゾルビシンを含む、抗生物質;これらに限定されないが、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキセート、およびビダラビンを含む、代謝拮抗剤;免疫療法、これらに限定されないが、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツマブチウキセタン、イピリムマブ、トレリムマブ、および抗CTLA−4抗体を含む、抗体療法;これらに限定されないが、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンを含む、ホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;これらに限定されないが、DJ−927、ドセタキセル、TPI287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、およびテセタキセルを含む、タキサン;これらに限定されないが、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインを含む、レチノイド;これらに限定されないが、デメコルシン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、およびビノレルビンを含む、アルカロイド;これらに限定されないが、AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドを含む、抗血管新生剤;これらに限定されないが、アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(同様に活性代謝産物SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン))、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、および9−アミノカンプトテシンを含む、トポイソメラーゼ阻害剤;これらに限定されないが、アキシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、二リン酸モテサニブ(AMG706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、LGX818、BGB−283、PLX3397、およびバタラニブを含む、キナーゼ阻害剤;これらに限定されないが、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンを含む、標的シグナル伝達阻害剤;これらに限定されないが、イミキモド、インターフェロン−α、およびインターロイキン−2を含む、生物学的応答調節剤;ならびにこれらに限定されないが、3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス、エベロリムス、デフォロリムス)、BCL−2阻害剤(例えば、ベネトカルクス)、PI3K阻害剤(例えば、BEZ235、ベネトカルクス、イデラリシブ、IDH1、IDH2、EZH2、GDC−0941、XL147、XL765)、BTK阻害剤s(例えば、イブルチニブ、アラカブルチニブ)、Cdk4阻害剤(例えば、PD−332991)、Akt阻害剤、CTLA−4阻害剤(イピリムマブ)、Hsp90阻害剤(例えば、ゲルダナマイシン、ラジシコール、タネスピマイシン)、チェックポイント阻害剤(ニボルマブなどのPD−1阻害剤、またはペンブロリズマブなどのPDL−1阻害剤)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、チピファルニブ)、およびアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)を含む、他の化学療法剤から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)と、これらに限定されないが、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、およびウラムスチンなどを含む、アルキル化剤;これらに限定されないが、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、およびゾルビシンを含む、抗生物質;これらに限定されないが、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキセート、およびビダラビンを含む、代謝拮抗剤;免疫療法、これらに限定されないが、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツマブチウキセタン、イピリムマブ、トレリムマブ、および抗CTLA−4抗体を含む、抗体療法;これらに限定されないが、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンを含む、ホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;これらに限定されないが、DJ−927、ドセタキセル、TPI287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、およびテセタキセルを含む、タキサン;これらに限定されないが、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインを含む、レチノイド;これらに限定されないが、デメコルシン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、およびビノレルビンを含む、アルカロイド;これらに限定されないが、AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドを含む、抗血管新生剤;これらに限定されないが、アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(同様に活性代謝産物SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン))、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、および9−アミノカンプトテシンを含む、トポイソメラーゼ阻害剤;これらに限定されないが、アキシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、二リン酸モテサニブ(AMG706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、パラドックスブレーカー(PLX8394またはPLX7904)、LGX818、BGB−283、ペキシダルチニブ(PLX3397)、およびバタラニブを含む、キナーゼ阻害剤;これらに限定されないが、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンを含む、標的シグナル伝達阻害剤;これらに限定されないが、イミキモド、インターフェロン−α、およびインターロイキン−2を含む、生物学的応答調節剤;ならびにこれらに限定されないが、3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス、エベロリムス、デフォロリムス、INK28、AZD8055)、PI3K阻害剤(例えば、BEZ235、GDC−0941、XL147、XL765、BMK120)、Cdk4阻害剤(例えば、PD−332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えば、ゲルダナマイシン、ラジシコール、タネスピマイシン)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、チピファルニブ)、およびアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)を含む、他の化学療法剤から選択される、1つ以上の他の治療剤と、を含む薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、化合物Iまたはその塩と、これらに限定されないが、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、およびウラムスチンなどを含む、アルキル化剤;これらに限定されないが、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、およびゾルビシンを含む、抗生物質;これらに限定されないが、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキセート、およびビダラビンを含む、代謝拮抗剤;免疫療法、これらに限定されないが、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツマブチウキセタン、イピリムマブ、トレリムマブ、および抗CTLA−4抗体を含む、抗体療法;これらに限定されないが、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンを含む、ホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;これらに限定されないが、DJ−927、ドセタキセル、TPI287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、およびテセタキセルを含む、タキサン;これらに限定されないが、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインを含む、レチノイド;これらに限定されないが、デメコルシン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、およびビノレルビンを含む、アルカロイド;これらに限定されないが、AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドを含む、抗血管新生剤;これらに限定されないが、アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(同様に活性代謝産物SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン))、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、および9−アミノカンプトテシンを含む、トポイソメラーゼ阻害剤;これらに限定されないが、アキシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、二リン酸モテサニブ(AMG706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、パラドックスブレーカー(PLX8394またはPLX7904)、LGX818、BGB−283、ペキシダルチニブ(PLX3397)、およびバタラニブを含む、キナーゼ阻害剤;これらに限定されないが、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンを含む、標的シグナル伝達阻害剤;これらに限定されないが、イミキモド、インターフェロン−α、およびインターロイキン−2を含む、生物学的応答調節剤;ならびにこれらに限定されないが、3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス、エベロリムス、デフォロリムス、INK28、AZD8055)、PI3K阻害剤(例えば、BEZ235、GDC−0941、XL147、XL765、BMK120)、Cdk4阻害剤(例えば、PD−332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えば、ゲルダナマイシン、ラジシコール、タネスピマイシン)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、チピファルニブ)、およびアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)を含む、他の化学療法剤から選択される、1つ以上の他の治療剤と、を含む薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)と、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、およびトレオスルファンから選択される、アルキル化剤;ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、およびプリカマイシンから選択される、抗生物質;iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、フトラフール、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、およびトリメトレキセートから選択される、代謝拮抗剤;iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Yイブリツマブチウキセタンから選択される、抗体療法;v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンから選択される、ホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;vi)DJ−927、ドセタキセル、TPI287、パクリタキセル、およびDHA−パクリタキセルから選択される、タキサン;vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択される、レチノイド;viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択される、アルカロイド;ix)AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドから選択される、抗血管新生剤;x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン、および9−アミノカンプトテシンから選択される、トポイソメラーゼ阻害剤;xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、AG−013736、AMG706、AMN107、BMS−354825、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブセルメチニブ、およびバタラニブから選択される、キナーゼ阻害剤;xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンから選択される、標的シグナル伝達阻害剤;xiii)イミキモド、インターフェロン−α、およびインターロイキン−2から選択される、生物学的応答調節剤;xiv)IDO阻害剤;ならびにxv)3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、またはアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)から選択される、化学療法剤;xvi)Mek阻害剤;xvii)チロシンキナーゼ阻害剤;xviii)c−Kit変異体阻害剤;xix)EGFR阻害剤、またはxxエピジェネティックモジュレーターから選択される、1つ以上の他の治療剤と、を含む薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物Iの固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iのナトリウム塩)は、本明細書に記載される1つ以上の薬剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、化合物Iまたはその塩と、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、およびトレオスルファンから選択される、アルキル化剤;ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、およびプリカマイシンから選択される、抗生物質;iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、フトラフール、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、およびトリメトレキセートから選択される、代謝拮抗剤;iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Yイブリツマブチウキセタンから選択される、抗体療法;v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンから選択される、ホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;vi)DJ−927、ドセタキセル、TPI287、パクリタキセル、およびDHA−パクリタキセルから選択される、タキサン;vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択される、レチノイド;viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択される、アルカロイド;ix)AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドから選択される、抗血管新生剤;x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン、および9−アミノカンプトテシンから選択される、トポイソメラーゼ阻害剤;xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、AG−013736、AMG706、AMN107、BMS−354825、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブセルメチニブ、およびバタラニブから選択される、キナーゼ阻害剤;xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンから選択される、標的シグナル伝達阻害剤;xiii)イミキモド、インターフェロン−α、およびインターロイキン−2から選択される、生物学的応答調節剤;xiv)IDO阻害剤;ならびにxv)3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、またはアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)から選択される、化学療法剤;xvi)Mek阻害剤;xvii)チロシンキナーゼ阻害剤;xviii)c−Kit変異体阻害剤;xix)EGFR阻害剤、またはxxエピジェネティックモジュレーターから選択される、1つ以上の他の治療剤と、を含む薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に化合物Iまたはその塩は、本明細書に記載される1つ以上の薬剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
エピジェネティックモジュレーターとしては、DNAメチル化剤、ならびにクロマチン修飾因子の活性によってヒストンおよび/またはタンパク質の翻訳後修飾を調節する薬剤が挙げられる。エピジェネティックモジュレーターの非限定的な例としては、
(a)DNAメチルトランスフェラーゼ(例えば、アザシチジン、デシタビン、またはゼブラリン)、
(b)これらに限定されないが、EPZ004777(7−[5−デオキシ−5−[[3−[[[[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]プロピル](1−メチルエチル)アミノ]−β−D−リボフラノシル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン)などのDOT1L阻害剤、EZH1阻害剤、EZH2阻害剤、もしくはEPX5687を含む、ヒストンおよびタンパク質メチルトランスフェラーゼ、
(c)ヒストンデメチラーゼ、
(d)これらに限定されないが、ボリノスタット、ロミデプシン、キダミド、パノビノスタット、ベリノスタット、バルプロ酸、モセチノスタット、アベキシノスタット、エンチノスタット、レスミノスタット、ジビノスタット、もしくはキシノスタットを含む、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、
(e)これらに限定されないが、C−646、(4−[4−[[5−(4,5−ジメチル−2−ニトロフェニル)−2−フラニル)]メチレン]−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−ピラゾール−1−イル]安息香酸a)、CPTH2(シクロペンチリデン−[4−(4’−クロロフェニル)チアゾール−2−イル]ヒドラジン)、CTPB(N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンズアミド)、ガルシノール((1R,5R,7R)−3−(3,4−ジヒドロキシベンジオール)−4−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−1,7−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−5−[(2S)−5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセン−1−イル]ビシクロ[3.3.1]ノン−3−エン−2,9−ジオン)、アナカルジン酸、EML425(5−[(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)メチレン]−1,3−ビス(フェニルメチル)−2,4,6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン)、ISOX DUAL([3−[4−[2−[5−(ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)])−1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−1,3−ベンゾジアゾール−2−イル]エチル]フェノキシ]プロピル]ジメチルアミン)、L002(4−[O−[(4−メトキシフェニル)]スルホニル]オキシム]−2,6−ジメチル−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン)、NU9056(5−(1,2−チアゾール−5−イルジスルファニル)−1,2−チアゾール)、SI−2塩酸塩(1−(2−ピリジニル)エタノン2−(1−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ヒドラゾン塩酸塩)を含む、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤(HAT阻害剤とも称される)、または
(f)他のクロマチンリモデラーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、エピジェネティックモジュレーターは、ボリノスタット、ロミデプシン、ベリノスタット、またはパノビノスタットである。
いくつかの実施形態では、治療有効量の本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)(例えば、化合物Iまたはその塩、または化合物Iの任意の固体もしくは非晶質形態)と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤を含む、組成物が提供される。いくつかの実施形態では、治療有効量の本明細書に記載される任意の2つ以上の化合物(複数可)(例えば、化合物Iまたはその塩、または化合物Iの固体もしくは非晶質形態)と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤と、を含む、組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される複数の化合物を含むことができる、複数の異なる薬理学的に活性な化合物をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、同じ疾患徴候について治療的に有効である1つ以上の化合物と共に、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)を含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、同じ疾患徴候について治療的に有効である1つ以上の化合物と共に、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)を含み、化合物は、疾患徴候に対して相乗効果を有する。一実施形態では、組成物は、癌の治療において有効な本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)、および同じ癌の治療において有効な1つ以上の他の化合物を含み、さらに化合物は、癌の治療において相乗的に有効である。化合物は、同時にまたは連続して投与することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、キザルチニブまたはペキシダルチニブなどのFMS阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、薬学的に許容される担体と、キザルチニブまたはペキシダルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、キザルチニブまたはペキシダルチニブなどのFMS阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、キザルチニブまたはペキシダルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、キザルチニブまたはペキシダルチニブなどのFMS阻害剤と組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iまたはその塩と、薬学的に許容される担体と、キザルチニブまたはペキシダルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、キザルチニブと組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、薬学的に許容される担体と、キザルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、キザルチニブと組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、キザルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、キザルチニブと組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iまたはその塩と、薬学的に許容される担体と、キザルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ペキシダルチニブと組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、薬学的に許容される担体と、ペキシダルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ペキシダルチニブと組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、ペキシダルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ペキシダルチニブと組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iまたはその塩と、薬学的に許容される担体と、ペキシダルチニブを含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、DNAメチル化阻害薬(HMA)と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、薬学的に許容される担体と、DNAメチル化阻害薬(HMA)を含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、DNAメチル化阻害薬(HMA)と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、DNAメチル化阻害薬(HMA)を含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、DNAメチル化阻害薬(HMA)と組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iまたはその塩と、薬学的に許容される担体と、DNAメチル化阻害薬(HMA)を含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、薬学的に許容される担体と、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブまたはアラカブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、アラカブルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブまたはアラカブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、アラカブルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iまたはその塩と、薬学的に許容される担体と、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブまたはアラカブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、アラカブルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、B細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、薬学的に許容される担体と、B細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、ベネトクラクスである。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、B細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、B細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、ベネトカルクスである。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、B細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤と組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、B細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、ベネトカルクスである。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、ベネトカルクス、イデラリシブ、IDH1、IDH2、またはEZH2である。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、ベネトカルクス、イデラリシブ、IDH1、IDH2、またはEZH2である。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iまたはその塩と、薬学的に許容される担体と、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、ベネトカルクス、イデラリシブ、IDH1、IDH2、またはEZH2である。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、CTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物Iまたはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態と、CTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、CTLA−4阻害剤は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1またはPDL−1阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、PDL−1阻害剤は、ペンブロリズマブである。
いくつかの実施形態では、本開示は組成物、例えばCTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、CTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、CTLA−4阻害剤は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1またはPDL−1阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、PDL−1阻害剤は、ペンブロリズマブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、組成物、例えば、CTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤と組み合わせて、化合物Iまたはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iまたはその塩と、薬学的に許容される担体と、CTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、CTLA−4阻害剤は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、PDL−1阻害剤は、ペンブロリズマブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメイン媒介性または変異体ブロモドメイン媒介性疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)、または本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物を含む組成物を、本明細書に記載される1つ以上の他の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)は、上記の1つ以上の他の治療剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメイン媒介性または変異体ブロモドメイン媒介性疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を、本明細書に記載される1つ以上の他の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供し、疾患または状態は、癌、神経性状態、自己免疫性状態、炎症性状態、代謝性疾患、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物Iの固体または非晶質形態は、上記の1つ以上の他の治療剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメイン媒介性または変異体ブロモドメイン媒介性疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、有効量の、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を、本明細書に記載される1つ以上の他の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供し、疾患または状態は、癌、神経性状態、自己免疫性状態、炎症性状態、代謝性疾患、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に化合物Iまたはその塩は、上記の1つ以上の他の治療剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメイン媒介性または変異体ブロモドメイン媒介性疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物Iもしくはその塩、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I物質G、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム物質A)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を、本明細書に記載される1つ以上の他の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供し、疾患または状態は、リウマチ性関節炎、ブドウ膜黒色腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、骨関節炎、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、または移植臓器の急性拒絶である。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態)は、上記の1つ以上の他の治療剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメイン媒介性または変異体ブロモドメイン媒介性疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、有効量の、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を、本明細書に記載される1つ以上の他の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供し、疾患または状態は、リウマチ性関節炎、ブドウ膜黒色腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、滑膜肉腫、骨関節炎、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑、水疱性皮膚疾患、腎炎、血管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、または移植臓器の急性拒絶である。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態)は、上記の1つ以上の他の治療剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメインまたは変異体ブロモドメインによって媒介される癌を治療するための方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)、または本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)を含む組成物を投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)は、上記の1つ以上の薬剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメインによって媒介される癌を治療するための方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)、または本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)を含む組成物を、本明細書に記載される1つ以上の化学療法薬または薬剤などの1つ以上の適切な抗癌療法と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において癌を治療する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iのナトリウム塩)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2、またはエルロチニブから選択される化学療法剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において癌を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iもしくはその塩、または化合物Iもしくはその塩を含む組成物を、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2、またはエルロチニブから選択される化学療法剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)は、上記の1つ以上の薬剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
一実施形態では、化学療法剤は、Mek阻害剤である。例示的なMek阻害剤には、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、AZD8330、BIX02188、CI−1040(PD184352)、GSK1120212(トラメチニブまたはJTP−74057としても知られている)、コビメチニブ、PD0325901、PD318088、PD98059、RDEA119(BAY869766)、TAK−733、およびU0126−EtOHが含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、化学療法剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。例示的なチロシンキナーゼ阻害剤は、これらに限定されないが、AEE788、AG−1478(チルホスチンAG−1478)、AG−490、アパチニブ(YN968D1)、AV−412、AV−951(チボザニブ)、アキシチニブ、AZD8931、BIBF1120(バーガテフ)、BIBW2992(アファチニブ)、BMS794833、BMS−599626、ブリバニブ(BMS−540215)、ブリバニブアラニネート(BMS−582664)、セジラニブ(AZD2171)、クリソファン酸(クリソファノール)、クレノラニブ(CP−868569)、CUDC−101、CYC116、ドビチニブジ乳酸(TKI258ジ乳酸)、E7080、塩酸エルロチニブ(タルセバ、CP−358774、OSI−774、NSC−718781)、フォレチニブ(GSK1363089、XL880)、ゲフィチニブ(ZD−1839またはイレッサ)、イマチニブ(グリーベック)、メシル酸イマチニブ、Ki8751、KRN633、ラパチニブ(タイケルブ)、リニファニブ(ABT−869)、マシチニブ(マシベット、AB1010)、MGCD−265、モテサニブ(AMG−706)、MP−470、ムブリチニブ(TAK165)、ネラチニブ(HKI−272)、NVP−BHG712、OSI−420(デスメチルエルロチニブ、CP−473420)、OSI−930、パゾパニブHCl、PD−153035塩酸塩、PD173074、ペリチニブ(EKB−569)、PF299804、ポナチニブ(AP24534)、PP121、RAF265(CHIR−265)、Raf265誘導体、レゴラフェニブ(BAY73−4506)、トシル酸ソラフェニブ(ネクサバール)、リンゴ酸スニチニブ(スーテント)、テラチニブ(BAY57−9352)、TSU−68(SU6668)、バンデタニブ(ザクティマ)、二塩酸バタラニブ(PTK787)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、キザルチニブ、カボザンチニブ、XL647、EGFR siRNA、FLT4 siRNA、KDR siRNA、メトホルミンなどの抗糖尿病剤、PPARアゴニスト(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、インデグリタザール)、およびDPP4阻害剤(シタグリプチン、ビルダグリプチン、タグリプチン、サクサグリプチン、デュトグリプチン、ゲミグリプチン、アログリプチン)を含む。
一実施形態では、薬剤は、EGFR阻害剤である。例示的なEGFR阻害剤には、AEE−788、AP−26113、BIBW−2992(トボック)、CI−1033、GW−572016、イレッサ、LY2874455、RO−5323441、タルセバ(エルロチニブ、OSI−774)、CUDC−101、およびWZ4002が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、組み合わせのための治療剤は、参照によりその全体が全ての目的について本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0076046号および第2011/0112127号に記載されるc−Fmsおよび/またはc−Kit阻害剤である。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメインまたは変異体ブロモドメインタンパク質によって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム塩)を、疾患または状態を治療するためにキザルチニブと組み合わせて投与することによる方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメインまたは変異体ブロモドメインタンパク質によって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、疾患または状態を治療するためにキザルチニブと組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示に記載される疾患または状態に罹患している対象を治療する方法を提供し、当該方法は、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム塩)を、変異体c−Kitタンパク質キナーゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示に記載される疾患または状態に罹患している対象を治療する方法を提供し、当該方法は、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、変異体c−Kitタンパク質キナーゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施形態では、変異体c−Kitタンパク質キナーゼ阻害剤は、(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−(3−ピリジル)メタノール、(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−(3−ピリジル)メタノン、N−(3−カルバモイルフェニル)−2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド、2−フェニル−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド、4−ブロモ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、エチル 3−[(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルバモイルアミノ]プロパノエート、3,4−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、4−メチル−3−フェニル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−シクロプロピル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、5−フルオロ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド、3−フルオロ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド、3,5−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)イソキサゾール−4−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリダジン−3−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−2H−トリアゾール−4−カルボキサミド、3−メチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド、4,5−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)イソキサゾール−3−カルボキサミド、またはN−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミドから選択される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、ファーストライン、セカンドライン、およびネオアジュバントGISTを含む、GISTを治療するための本明細書に記載される変異体c−Kit変異体阻害剤のうちのいずれかと組み合わされる。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法を提供し、当該方法は、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム塩)、および薬学的に許容される賦形剤または担体を、キザルチニブと組み合わせて投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法を提供し、当該方法は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、および薬学的に許容される賦形剤または担体を、キザルチニブと組み合わせて投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法を提供し、当該方法は、それを必要とする対象に、有効量の化合物Iまたはその塩、および薬学的に許容される賦形剤または担体を、キザルチニブと組み合わせて投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法を提供し、当該方法は、それを必要とする対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iナトリウム塩)と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体と、キザルチニブと、を含む、薬学的組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法を提供し、当該方法は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩形態と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体と、キザルチニブと、を含む、組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される疾患または状態に罹患しているか、あるいはそのリスクがある対象を治療するための方法を提供し、当該方法は、それを必要とする対象に、有効量の化合物Iまたはその塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体と、キザルチニブを含む、組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において骨髄異形成症候群(MDS)または急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態を、有効量のDNAメチル化阻害薬(HMA)と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において骨髄異形成症候群(MDS)または急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iのナトリウム塩)を、有効量のDNAメチル化阻害薬(HMA)と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において骨髄異形成症候群(MDS)または急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、有効量のDNAメチル化阻害薬(HMA)と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)またはリヒター症候群を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を、任意に有効量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブまたはアラカブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、アラカブルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)またはリヒター症候群を治療する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、または化合物Iのナトリウム塩)を、任意に有効量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブまたはアラカブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、アラカブルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)またはリヒター症候群を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、任意に有効量のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブまたはアラカブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、アラカブルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を、有効量のB細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、ベネトカルクスである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、または化合物Iのナトリウム塩)を、有効量の(BCL−2)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、ベネトカルクスである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、有効量のB細胞リンパ腫2(BCL−2)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、ベネトカルクスである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を、有効量のホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、ベネトカルクス、イデラリシブ、IDH1、IDH2、またはEZH2である。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、または化合物Iのナトリウム塩)を、有効量の(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、ベネトカルクス、イデラリシブ、IDH1、IDH2、またはEZH2である。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において慢性リンパ性白血病(CLL)を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、有効量のホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、ベネトカルクス、イデラリシブ、IDH1、IDH2、またはEZH2である。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブドウ膜黒色腫を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態、またはその薬学的に許容される塩を、有効量のCTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、CTLA−4阻害剤は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1またはPDL−1阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、PDL−1阻害剤は、ペンブロリズマブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブドウ膜黒色腫を治療する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iのナトリウム塩)を、有効量のCTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、CTLA−4阻害剤は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1またはPDL−1阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、PDL−1阻害剤は、ペンブロリズマブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブドウ膜黒色腫を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、有効量のCTLA−4阻害剤またはチェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、CTLA−4阻害剤は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1またはPDL−1阻害剤である。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、PDL−1阻害剤は、ペンブロリズマブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物Iの遊離酸非晶質形態を、有効量のキザルチニブなどのflt3阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてAMLを治療する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iのナトリウム塩)を、有効量のキザルチニブなどのflt3阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において急性骨髄性白血病(AML)を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、有効量のキザルチニブなどのflt3阻害剤と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象においてブロモドメインまたは変異体ブロモドメイン媒介性疾患または状態を治療するための方法であって、対象に、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)、または本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物を含む組成物を、疾患または状態を治療するために1つ以上の他の適切な療法と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、ブロモドメインモジュレーター、特に本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)は、1つ以上の1つ以上の他の適切な療法と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
一実施形態では、本開示は、ブロモドメインまたは変異体ブロモドメインによって媒介される癌を治療するための方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)を含む組成物を投与することによる方法を提供する。一実施形態では、本開示は、ブロモドメインによって媒介される癌を治療するための方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物(複数可)を含む組成物を、本明細書に記載される1つ以上の化学療法薬または薬剤などの1つ以上の適切な抗癌療法と組み合わせて投与することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において本明細書に記載される癌を治療する方法であって、対象に、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態(化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iのナトリウム塩)、または本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態を含む組成物を、癌の治療において有効な1つ以上の他の療法または医学的処置と組み合わせて投与することによる方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において本明細書に記載される癌を治療する方法であって、対象に、有効量の化合物Iまたはその塩を、癌の治療において有効な1つ以上の他の療法または医学的処置と組み合わせて投与することによる方法を提供する。他の療法または医学的手技には、好適な抗癌療法(例えば、薬物療法、ワクチン療法、遺伝子療法、光線力学療法)、または医学的手技(例えば、外科手術、放射線治療、温熱療法、骨髄もしくは幹細胞移植)が含まれる。一実施形態では、1つ以上の好適な抗癌療法または医学的手技は、化学療法剤(例えば化学療法薬物)を用いる治療、放射線治療(例えば、x線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)、温熱療法(例えば、マイクロ波、超音波、高周波アブレーション)、ワクチン療法(例えば、AFP遺伝子肝細胞癌ワクチン、AFPアデノウイルスベクターワクチン、AG−858、同種GM−CSF−分泌乳癌ワクチン、樹状細胞ペプチドワクチン)、遺伝子療法(例えば、Ad5CMV−p53ベクター、MDA7をコードするアデノベクター、アデノウイルス 5−腫瘍壊死因子アルファ)、光線力学的療法(例えば、アミノレブリン酸、モテキサフィンルテチウム)、腫瘍溶解性ウイルスもしくはバクテリア療法、外科手術、または骨髄および幹細胞移植から選択される。いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において癌を治療する方法であって、対象に、有効量の本明細書に記載される化合物を投与し、本明細書に記載される放射線治療を別々または同時に適用することによる方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において癌を治療するための方法であって、有効量の、本明細書に記載される化合物Iの任意の1つ以上の固体または非晶質形態(例えば、化合物I結晶形A、化合物I結晶形B、化合物I結晶形C、化合物I結晶形D、化合物I物質E、化合物I物質F、化合物I遊離酸非晶質、化合物Iの遊離酸非晶質塩形態、または化合物Iのナトリウム塩)を対象に投与し、続いて放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)を行うことによる方法を提供する。一実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において癌を治療するための方法であって、有効量の化合物Iまたはその塩を対象に投与し、続いて放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)を行うことによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において癌を治療するための方法であって、放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)を対象に適用し、続いて有効量の本明細書に記載される化合物を対象に投与することによる方法を提供する。また別の実施形態では、本開示は、治療を必要とする対象において癌を治療するための方法であって、本明細書に記載される化合物および放射線療法(例えば、X線、γ線、または電子、陽子、中性子、もしくはα粒子線)を対象に同時に適用することによる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される化合物(例えば、化合物Iもしくはその塩、または化合物Iの任意の1つ以上の固体もしくは非晶質形態)、または本明細書に記載されるその組成物を含むキットまたは容器を提供する。いくつかの実施形態では、化合物または組成物は、例えば、バイアル、ボトル、フラスコに包装され、これらはさらに、例えば、箱、封筒、または袋内に包装されてもよく、化合物または組成物は、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与が、米国食品医薬品局または同様の規制機関によって承認されており、化合物または組成物は、ブロモドメインタンパク質媒介疾患または状態に対して哺乳動物、例えばヒトへの投与が承認されており、本明細書に開示のキットまたは容器は、使用説明書、および/または化合物もしくは組成物が、ブロモドメイン媒介疾患もしくは状態に対して哺乳動物、例えばヒトへの投与に好適であるか、もしくは承認されていることの他の表示を含み得、化合物または組成物は、単位用量または単回用量形態、例えば、単回用量ピル、カプセルなどに包装されていてもよい。
A.実験方法
溶解度の推定
目視観察によって判断されるように、完全な溶解が達成されるまで、周囲温度で撹拌(典型的には超音波処理)しながら、測定量の本明細書に記載される化合物Iまたは化合物Iの形態に、様々な溶媒の一部を加えた。溶解度は、溶液を得るために使用される総溶媒に基づいて計算し、実際の溶解度は、使用される溶媒部分の体積または遅い溶解速度のためにより大きくなり得る。目視評価によって決定されるように溶解が起こらなかった場合、値は「<」として報告された。最初の一部で溶解が起こった場合、値は「>」として報告された。
貧溶媒添加
本明細書に記載される化合物Iまたは化合物Iの形態を含む溶液を、化合物Iの貧溶媒と接触させて、結晶化を誘導した。
冷却
本明細書に記載される化合物Iまたは化合物Iの形態を含む溶液を、室温未満に様々な時間冷却して核形成を誘導し、その後、固体の存在の有無を記録した。固体を分析のために湿潤または乾燥粉末として単離した。
溶液からの結晶化
本明細書に記載される化合物Iまたは化合物Iの形態を含む飽和溶液を、室温で生成し、蓋をした。そのようなシステムにおいて核形成が起こることが観察された。
速い蒸発
本明細書に記載される化合物Iまたは化合物Iの形態を含む溶液を、選択された溶媒中で調製し、溶解を支援するために、部分添加間で撹拌した。目視観察による判断で、混合物が完全に溶解したら、蓋なしのバイアルまたは窒素下で周囲温度で溶液を蒸発させた。形成された固体を評価のために単離した。
スラリー
本明細書に記載される化合物Iまたは化合物Iの形態の溶液を、非溶解固体が存在するように周囲条件で所定の溶媒または溶媒系に十分な固体を加えることによって調製した。次いで、混合物を閉じたバイアルにおいて周囲温度または高温で長時間撹拌した。真空濾過によって固体を収集し、分析した。
温度および相対湿度(RH)ストレス
本明細書に記載される化合物Iまたは化合物Iの形態の固体を、過剰の塩が存在する塩化ナトリウム飽和水性溶液を含有する、約75%RHのRHチャンバーに入れた。チャンバーを密閉し、周囲温度で放置するか、高温のオーブンに入れた。
真空
選択された物質を、減圧下で、設定時間乾燥させた。乾燥は、500mトル未満、典型的には30から50mトル(0.030から0.05mmHg)の絶対圧力測定値で行った。
B.機器の技法
示差走査熱量測定(DSC)
DSCは、TA Instruments Q2000示差走査熱量計を使用して行った。温度較正は、NIST追跡可能なインジウム金属を使用して行った。試料をアルミニウムDSCパンに入れ、蓋で覆い、重量を正確に記録した。サンプルパンとして構成された計量アルミニウムパンをセルの基準側に置いた。各サーモグラムのデータ取得パラメータおよびパン構成は、このレポートのデータセクションにおける画像に表示される。サーモグラムの方法コードは、開始および終了温度、ならびに加熱速度の略語であり、例えば、−30−250−10は、「−30℃から250℃まで、10℃/分で」を意味する。パン構成の各画像で使用される略語、TOCは「Tゼロ圧着パン」を意味する。
動的蒸気溶解
DVSデータは、VTI SGA−100 Vapor Sorption Analyzerで収集した。塩化ナトリウムおよびPVPを較正標準として使用した。試料は分析前に乾燥させなかった。窒素雰囲気下で、10%RH増分で、5から95%RHの範囲で吸着および脱着データを収集した。分析に使用される平衡基準は、3時間の最大平衡時間で、5分で0.0100%未満の重量変化であった。データは、試料の初期含水量について補正されなかった。
プロトン溶液核磁気共鳴分光法(1H NMR)
試料を、重水素化DMSO中、約5から50mgの溶液として、NMR分光法のために調製した。特定の取得パラメータは、SSCIで実行される試料のデータセクションにおいて各試料の最初のフルスペクトルのプロットに列挙される。約2.5ppmで観察される化学シフトは、NMR溶媒(DMSO−d6)中の残留プロトンに割り当てられ、約3.3ppmで観察される化学シフトは水によるものである。
熱重量分析(TGA)
TG分析は、TA Instruments 2050熱重量分析装置を使用して行った。温度較正は、ニッケルおよびAlumel(商標)を使用して行った。各試料をアルミニウムパンに入れ、TG炉に挿入した。炉を窒素雰囲気下で加熱した。データ取得パラメータは、このレポートのデータセクションにおける各サーモグラムの上に表示される。サーモグラムの方法コードは、開始および終了温度、ならびに加熱速度の略語であり、例えば、25−350−10は、「25℃から350℃まで、10℃/分で」を意味する。初期温度として使用される00は、周囲の温度から開始される試料分析を示す。
X線粉末回折(XRPD)
(i)Inel:XRPDパターンをInel XRG−3000回折計で収集した。CuKα放射線の入射ビームを、微小焦点管および放物面多層膜ミラーを使用して生成した。分析の前に、シリコン標準(NIST SRM 640d)を分析して、Si 111ピーク位置を検証した。試料の標本を薄壁ガラス毛細管に詰め、ビームストップを使用して空気からのバックグラウンドを最小限にした。回折パターンは、Windif v.6.6ソフトウェアおよび120°の2θ範囲で湾曲した位置感応型Equinox検出器を使用して透過幾何学で収集した。各パターンのデータ取得パラメータは、このレポートのデータセクションにおける画像の上に表示される。
(ii)PANalytical:XRPDパターンは、Optixの長い微小焦点源を使用して生成されたCu放射線の入射ビームを使用してPANalytical X’Pert PRO MPD回折計で収集した。楕円面多層膜ミラーを使用して、標本を通して検出器にCu Kα X線を集束させた。分析の前に、シリコン標本(NIST SRM 640d)を分析して、Si 111ピーク位置を検証した。試料の標本を3μm厚フィルム間に挟み、透過幾何学で分析した。ビームストップ、短い散乱防止延長、および散乱防止ナイフエッジを使用して、空気によって生成されるバックグラウンドを最小限に抑えた。入射および回折ビームのソーラースリットを使用して、軸発散からの広がりを最小限に抑えた。標本から240mmに位置する走査位置検知型検出器(X’Celerator)およびData Collectorソフトウェア・バージョン2.2bを使用して、回折パターンを収集した。各パターンのデータ取得パラメータは、ミラーの前の発散スリット(DS)および入射ビーム散乱防止スリット(SS)を含む、このレポートのデータセクションにおける画像の上に表示される。
超臨界流体クロマトグラフィー
本明細書に開示される特定の化合物を精製するために、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を使用した。SFCによる精製は、以下の物質および条件を使用した。
C.化合物Iの固体形態の調製および特徴付け
化合物I結晶形Aまたは化合物I結晶形Dを出発原料として使用して、いくつかの固体形態スクリーニング実験を行った。化合物I結晶形Aおよび結晶形Dを、以下のスキームに従って調製した。
4−(3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソキサゾール(1)を、WO2017/053243に記載されるように合成した。(1)に、光延反応条件下でトリフェニルホスフェート(TPP)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)を加えて、(S)−4−(3−ヨード−1−(1−(ピリジン−2−イル)エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソキサゾール(2)を合成した。(2)に、鈴木カップリング反応条件下で2,6−ジフルオロフェニルボロン酸、(Pd(dppf)Cl2、およびHClを加えて、化合物I結晶形Aを得た。化合物I結晶形Aを、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって精製して、化合物I結晶形Dを得た。
以下で表1において議論される全ての形態を、速度論的および熱力学的条件下で広範囲の溶媒および溶媒混合物を使用して、化合物I結晶形Aから出発して得た。
以下で表2において議論される全ての形態を、速度論的および熱力学的条件下で広範囲の溶媒および溶媒混合物を使用して、化合物I結晶形Dから出発して得た。
D.溶解度推定値
化合物I結晶形A
様々な溶媒中での化合物I結晶形Aの溶解度の推定値を以下の表3に示す。化合物I結晶形Aの試料のいくつかにおいて観察される不純物、および化合物I結晶形Bの沈殿の存在が、溶解度の推定値に影響し得ることに注意されたい。
化合物I結晶形D
様々な溶媒中での化合物I結晶形Dの溶解度の推定値を以下の表4に提供する。そのような溶解度の推定値は、化合物I結晶形Dの溶媒和物の性質のために影響され得ることに注意されたい。
E.化合物Iナトリウム物質Aの調製および特徴付け
以下で表5において議論される化合物Iのナトリウム塩の形態を、速度論的および熱力学的条件下で様々な溶媒および溶媒混合物を使用して、化合物I結晶形Aから出発して得た。
F.化合物I遊離酸非晶質
BRD4を化合物I遊離酸非晶質(「化合物I FAA」)で標的化することは、侵攻性CLLおよびリヒタートランスフォーメーションの疾患モデルにおいて強力な抗白血病効果を示す。図24から24Cは、進行性白血病を有するEμ−TCL1における化合物I遊離酸非晶質の抗腫瘍効果の薬力学的評価の結果を示す。マウスを、白血病末梢血リンパ球(PBL)および脾触診スコアに従って層化して、ビヒクルまたは化合物I遊離酸非晶質(20mg/kg、qd、経口強制)のいずれかを8日間投与した。化合物I遊離酸非晶質は、全身循環(図24A)および局所的に脾臓(図24B)において白血病細胞を低減させた。図24Aと24Bにおける赤線は、平均値を表す。図24Cは、8日間の試験の終了時のcMYC、P21、BTK、IKZF1、IKZF3、およびTCL1Aタンパク質の相対タンパク質レベルの代表的な免疫ブロット分析である。
Eμ−TCL1の養子移入モデルを使用して、レシピエント野生型マウスを無作為化して、白血病発症時にビヒクル(n=12)または化合物I遊離酸非晶質(20mg/kg、qd、経口強制、n=10)を投与し、疾患進行を、フローサイトメトリーによってCD19/CD5/CD45陽性PBL%として測定した。治療は150日で終了した。図24Dは、全生存(OS)を示すカプラン・マイヤー曲線であり(p<0.0001)、化合物I遊離酸非晶質およびビヒクルのOS中央値は、それぞれ93日および34日である。図24Dの生存比較はログランク検定で行われ、p値は多重比較のために調整された。化合物I遊離酸非晶質は、循環白血病PBLの割合を減少させ(図24E)、脾質量を減少させた(図24F)。図24Gは、化合物I遊離酸非晶質治療マウスからの脾臓、肺、および血液のHEおよびKi67染色を示し、当該マウスは、リンパ球が枯渇しており、Ki67染色はほぼ不在である。
G.比較データ
化合物I遊離酸対イブルチニブ
図24Hは、白血病発症時にイブルチニブまたは化合物I遊離酸非晶質(化合物I FAA)(20mg/kg、qd、経口強制)で治療されたEμ−TCL1白血病脾細胞が移植されたC57BL/6マウスの全生存(OS)を示すカプラン−マイヤー曲線である。図24Hの生存比較はログランク検定で行われ、p値は多重比較のために調整された。
イブルチニブは、現在、標準治療(一次治療)とされている。驚くべきことに、OS中央値は、イブルチニブの32日およびビヒクルの21日と比較して、化合物I遊離酸非晶質は41日であった。化合物I遊離酸非晶質は、ビヒクル(p=0.024)およびイブルチニブ(p=0.049)と比較して、生存を有意に増加させた。
本明細書で引用した全ての特許および他の参考文献は、本開示が関連する当業者の技術レベルを示し、各参考文献の全体が個々に参照により組み込まれているのと同程度に、あらゆる表および図を含むそれら全体が参照により組み込まれる。
当業者であれば、本開示が言及される目的および利益、ならびにそれに固有のものを得るためによく適合していることを容易に認識するであろう。好ましい実施形態の現行の代表例として本明細書に記載の方法、変形、および組成物は例示的であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。その中の変更および他の使用は当業者に想到されるであろうが、それらは本開示の趣旨の範囲内に包含され、特許請求の範囲の範疇によって定義される。