JP2020193607A - スタータ及びヨークの成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチプランジャの吸引力低下を抑制することができるスタータを提供する。【解決手段】スタータ1は、モータ部3と、出力軸4と、ピニオンギア74と、電磁装置9とを備える。ピニオンギア74は、出力軸4の軸方向に沿ってスライド移動し、内燃機関のリングギア23に噛み合うことによって出力軸4の回転をリングギア23に伝達する。電磁装置9は、ヨーク25と、プランジャホルダ26と、励磁巻線24と、スイッチプランジャ27とを備える。ヨーク25は、出力軸4の軸方向に沿う中心線Oに沿う貫通孔25bが形成された底部25aを有する。スイッチプランジャ27は、貫通孔25bに挿入されるとともに励磁巻線24の内側に配置され、励磁巻線24の通電により発生する磁力によって軸方向にスライド移動する。ヨーク25の底部25aのうち貫通孔25bを形成する周縁部の表面は、打ち抜き成形によるだれ面を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、スタータ及びヨークの成形方法に関する。
従来から、車両の内燃機関始動用のスタータが知られている(例えば、特許文献1参照)。このスタータは、モータ部と、ドライブシャフトと、駆動ピニオンギアと、電磁装置とを備える。モータ部は、通電により回転力を発生する。ドライブシャフトは、モータ部の回転力を受けて回転する。駆動ピニオンギアは、内燃機関のリングギアに噛み合ってリングギアに回転力を伝達する。電磁装置は、モータ部の回転力を発生させるとともに、駆動ピニオンギアをリングギア側に向かって変位させる力を発生させる。
電磁装置は、励磁コイルと、プランジャホルダと、スイッチプランジャと、ギアプランジャと、を備える。プランジャホルダは、励磁コイルの駆動ピニオンギアの変位方向側に設けられている。スイッチプランジャは、励磁コイルの径方向内側に設けられ、外形が筒状に形成されている。スイッチプランジャは、励磁コイルへの通電により発生する磁力に吸引されて軸方向に沿ってスライド移動する。ギアプランジャは、スイッチプランジャよりも径方向内側に設けられ、外形が筒状に形成されている。ギアプランジャは、励磁コイルへの通電により発生する磁力に吸引されて軸方向に沿ってスライド移動する鉄心を有する。
スタータでは、電磁装置の通電による励磁コイルの磁力によりスイッチプランジャ及びギアプランジャが駆動ピニオンギアの変位方向にスライド移動する。ギアプランジャのスライド移動により、駆動ピニオンギアが変位方向に押し出される。スイッチプランジャのスライド移動により、モータ部が通電されて回転力を発生する。モータ部が通電により回転するとドライブシャフトが回転する。ドライブシャフトの回転により慣性が作用して、さらに駆動ピニオンギアが押し出され、リングギアと噛み合う。
駆動ピニオンギアがリングギアと噛み合うまで押し出されると、スイッチプランジャとギアプランジャは駆動ピニオンギアに追随して押し出し方向にスライド移動する。スイッチプランジャとギアプランジャの位置は、励磁コイルの磁気的な吸引力により保持されるので、リングギアと駆動ピニオンギアとの噛み合い状態が維持される。
駆動ピニオンギアがリングギアと噛み合うまで押し出されると、スイッチプランジャとギアプランジャは駆動ピニオンギアに追随して押し出し方向にスライド移動する。スイッチプランジャとギアプランジャの位置は、励磁コイルの磁気的な吸引力により保持されるので、リングギアと駆動ピニオンギアとの噛み合い状態が維持される。
ところで、上記したようなスタータでは、スイッチプランジャを軸方向に変位させる励磁コイルの磁気的な吸引力は、励磁コイルが配置されるヨークとスイッチプランジャとの間に流れる磁束の量に応じて変化する。例えば、スイッチプランジャに作用する吸引力は、ヨークとスイッチプランジャとの間に形成される磁路の断面積の増大に伴って増大する。このため、ヨークとスイッチプランジャとの接触面積の減少を抑制して、スイッチプランジャに作用する吸引力の低下を抑制することが望まれている。
そこで、本発明は、スイッチプランジャの吸引力低下を抑制することができるスタータ及びヨークの成形方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るスタータは、通電により回転力を発生するモータ部と、前記モータ部の回転力を受けて回転するドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの軸方向に沿ってスライド移動するとともに、内燃機関のリングギアに噛み合うことによって前記ドライブシャフトの回転を前記リングギアに伝達する駆動ギアと、前記モータ部の回転力を発生させるとともに、前記駆動ギアを前記リングギア側に向かって変位させる力を発生する電磁装置と、を備え、前記電磁装置は、前記ドライブシャフトの軸方向に沿う中心線を有するとともに前記中心線に沿う貫通孔が形成された端部を有する筒状のヨークと、前記ヨークに対して前記駆動ギアの変位方向側に設けられた環状のプランジャホルダと、前記ヨークと前記プランジャホルダとの間に配置された筒状の励磁コイルと、前記貫通孔に挿入されるとともに前記励磁コイルの内側に配置され、前記励磁コイルの通電により発生する磁力によって前記軸方向にスライド移動することによって前記端部に接触する筒状のスイッチプランジャと、を備え、前記ヨークの前記端部のうち前記貫通孔を形成する周縁部の表面は、打ち抜き成形によるだれ面を備えることを特徴とする。
上記構成では、前記スイッチプランジャは、前記軸方向から見て前記ヨークの前記端部に重なるフランジ部を備え、前記軸方向で向かい合う前記ヨークの前記端部の表面と前記スイッチプランジャの前記フランジ部の表面との間の軸方向距離は、前記中心線の直交方向の外方から内方に向かうことに伴って減少傾向に変化してもよい。
上記構成では、前記軸方向で向かい合う前記ヨークの前記端部の表面と前記スイッチプランジャの前記フランジ部の表面との少なくともいずれかは、前記中心線の直交方向に所定鋭角で交差する円錐面を備えてもよい。
本発明に係るヨークの成形方法は、上記に記載のスタータのヨークの成形方法であって、底部を有する筒状体の中心線に沿う軸方向の第1方向に前記底部の内部に打ち抜き加工具を押し込むことによって前記底部の第1表面に凹部を形成する第1工程と、前記第1方向の逆方向である第2方向に前記第1表面の反対側の第2表面での前記凹部に対応する部位に前記打ち抜き加工具を押し込むことによって前記中心線に沿う貫通孔を形成する第2工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、スイッチプランジャと接触するヨークの端部のうち貫通孔を形成する周縁部の表面は打ち抜き成形によるだれ面を備えることによって、励磁コイルの励磁により発生するスイッチプランジャの吸引力の低下を抑制することが可能となる。
以下、本発明のスタータの実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
(スタータ)
図1はスタータ1の断面図である。なお、図1は、中心線OよりZ軸方向正方向側にスタータ1の静止状態を示し、中心線OよりZ軸方向負方向側にスタータ1の通電状態(ピニオンギア74と不図示の内燃機関のリングギア23とが噛合した状態)を示す。
以下の説明では、スタータ1のモータ部3の回転軸52及び出力軸4の軸方向(X軸方向)を単に軸方向と称し、モータ部3の径方向(Y軸方向)を単に径方向と称し、モータ部3の周方向を単に周方向と称して説明する。また、スタータ1が搭載される車両の上下方向をZ軸方向とする。
図1はスタータ1の断面図である。なお、図1は、中心線OよりZ軸方向正方向側にスタータ1の静止状態を示し、中心線OよりZ軸方向負方向側にスタータ1の通電状態(ピニオンギア74と不図示の内燃機関のリングギア23とが噛合した状態)を示す。
以下の説明では、スタータ1のモータ部3の回転軸52及び出力軸4の軸方向(X軸方向)を単に軸方向と称し、モータ部3の径方向(Y軸方向)を単に径方向と称し、モータ部3の周方向を単に周方向と称して説明する。また、スタータ1が搭載される車両の上下方向をZ軸方向とする。
図1に示すように、スタータ1は、モータ部3の回転軸52及び出力軸4が車両の水平方向に沿うように、不図示の車体の内燃機関の近傍に取り付けられる。スタータ1は、車両の内燃機関を始動させる回転力を発生する。スタータ1は、モータ部3と、出力軸4(請求項のドライブシャフトに相当)と、クラッチ機構5と、ピニオンギア機構70と、スイッチユニット7と、電磁装置9と、を備える。
出力軸4は、モータ部3の軸方向の第1端側(例えば、X軸方向正方向側)に配置されている。出力軸4は、モータ部3の出力を受けて回転する。クラッチ機構5及びピニオンギア機構70は、出力軸4上に設けられ、出力軸4上をスライド移動する。ピニオンギア機構70は、出力軸4の回転力を内燃機関のリングギア23に伝達する。スイッチユニット7は、モータ部3に対する電源供給路を開閉する。電磁装置9は、スイッチユニット7の可動接点板8を軸方向に沿って移動させる。
(モータ部)
モータ部3は、ブラシ付直流モータ51と、ブラシ付直流モータ51の回転軸52に連結された遊星歯車機構2と、を備える。遊星歯車機構2は、回転軸52の回転力を出力軸4に伝達する減速機構である。
ブラシ付直流モータ51は、略円筒状のモータヨーク53と、モータヨーク53の径方向内側に配置されたアーマチュア54と、複数(例えば、本実施形態では6個)の永久磁石57と、を備える。アーマチュア54は、モータヨーク53に対して回転する。複数の永久磁石57は、モータヨーク53の内周面に周方向に磁極が交互となるように設けられている。
モータ部3は、ブラシ付直流モータ51と、ブラシ付直流モータ51の回転軸52に連結された遊星歯車機構2と、を備える。遊星歯車機構2は、回転軸52の回転力を出力軸4に伝達する減速機構である。
ブラシ付直流モータ51は、略円筒状のモータヨーク53と、モータヨーク53の径方向内側に配置されたアーマチュア54と、複数(例えば、本実施形態では6個)の永久磁石57と、を備える。アーマチュア54は、モータヨーク53に対して回転する。複数の永久磁石57は、モータヨーク53の内周面に周方向に磁極が交互となるように設けられている。
ブラシ付直流モータ51は、モータヨーク53の第2端側(例えば、X軸方向負方向側)の端部にモータヨーク53の開口部53aを閉塞するエンドプレート55を備える。ブラシ付直流モータ51は、エンドプレート55の径方向中央で回転軸52の第2端側の端部を支持する滑り軸受56a及びスラスト軸受56bを備える。
アーマチュア54は、回転軸52と、アーマチュアコア58と、コンミテータ61と、を備える。アーマチュアコア58は、回転軸52の永久磁石57に対応する位置の外側に嵌められて固定されている。コンミテータ61は、回転軸52のアーマチュアコア58よりも遊星歯車機構2側で回転軸52の外側に嵌められて固定されている。
アーマチュア54は、回転軸52と、アーマチュアコア58と、コンミテータ61と、を備える。アーマチュアコア58は、回転軸52の永久磁石57に対応する位置の外側に嵌められて固定されている。コンミテータ61は、回転軸52のアーマチュアコア58よりも遊星歯車機構2側で回転軸52の外側に嵌められて固定されている。
アーマチュアコア58は、放射状に形成された複数のティース(不図示)を備える。周方向に隣接する各ティースは巻線59が挿入されるスロットを形成する。巻線59は、例えば波巻により複数のティースに装着されている。巻線59の端末部は、コンミテータ61に向かって引き出されている。
コンミテータ61は、周方向に沿って所定間隔を空けて設けられることによって互いに電気的に絶縁された複数枚(例えば、本実施形態では26枚)のセグメント62を備える。コンミテータ61は、各セグメント62のアーマチュアコア58側端に折り返すように折り曲げられたライザ63を備える。ライザ63は、アーマチュアコア58に装着された巻線59の端末部に溶接等によって電気的に接続されている。
ブラシ付直流モータ51は、セグメント62に接触する不図示の4つのブラシと、4つのブラシを保持する不図示のブラシホルダと、を備える。ブラシは、電源端子接続部64を介して不図示の外部バッテリに電気的に接続され、コンミテータ61に外部バッテリの電力を供給する。ブラシホルダは、モータヨーク53の第1端側に設けられている。
ブラシ付直流モータ51は、4つのブラシのうち陽極側ブラシに電気的に接続された第一固定接点板34aと、第二固定接点板34bと、を備える。第二固定接点板34bの外形は、断面略L字状に形成されている。第二固定接点板34bは、電磁装置9のスイッチシャフト30が挿入される筒状のシャフト挿入部64aの第一固定接点板34aとは反対側に固定されている。シャフト挿入部64aは、電源端子接続部64の軸方向にモータヨーク53とは反対側(つまりX軸方向正方向側)に向かって電源端子接続部64に設けられている。
モータ部3は、4つのブラシのうち陰極側ブラシに電気的に接続された略円板状のセパレートプレート43をブラシホルダと遊星歯車機構2との間に備える。セパレートプレート43は、いわゆるボディーアースとして後述のハウジング17を介して不図示の車体に接地されている。
セパレートプレート43には、シャフト挿入部64aが挿入される貫通孔43aが形成されている。セパレートプレート43は、径方向略中央からブラシホルダ33側(コンミテータ61側)に向かって突出するとともに、ブラシ付直流モータ51の回転軸52が挿入される筒部43bを備える。筒部43bは、セパレートプレート43に一体に成形されている。
セパレートプレート43には、シャフト挿入部64aが挿入される貫通孔43aが形成されている。セパレートプレート43は、径方向略中央からブラシホルダ33側(コンミテータ61側)に向かって突出するとともに、ブラシ付直流モータ51の回転軸52が挿入される筒部43bを備える。筒部43bは、セパレートプレート43に一体に成形されている。
コンミテータ61には、筒部43bに臨むとともに筒部43bを受け入れる略円環状の溝部61aが形成されている。これにより、遊星歯車機構2等の潤滑剤がブラシ付直流モータ51側に侵入してしまうことが防止されている。
(遊星歯車減速機構)
モータ部3は、モータヨーク53のエンドプレート55とは反対側(X軸方向正方向側)に有底筒状のトッププレート12を備える。トッププレート12の開口部12bの周縁とモータヨーク53の開口部53bの周縁とは、セパレートプレート43の外周縁を挟持している。
モータ部3は、モータヨーク53のエンドプレート55とは反対側(X軸方向正方向側)に有底筒状のトッププレート12を備える。トッププレート12の開口部12bの周縁とモータヨーク53の開口部53bの周縁とは、セパレートプレート43の外周縁を挟持している。
遊星歯車機構2は、トッププレート12のアーマチュアコア58側の内面に設けられている。遊星歯車機構2は、サンギア13と、複数のプラネタリギア14と、内歯リングギア15と、を備える。サンギア13は、回転軸52と一体に形成されている。複数のプラネタリギア14は、サンギア13に噛み合うとともに、サンギア13を中心としてサンギア13の周りに回転する。内歯リングギア15は、環状に形成され、複数のプラネタリギア14の外周側に設けられている。
複数のプラネタリギア14は、出力部としてのキャリアプレート16により連結されている。複数のプラネタリギア14は、キャリアプレート16の各プラネタリギア14に対応する位置に設けられた複数の支持シャフト16aに支持されている。
キャリアプレート16の径方向中央に形成された係合孔の内壁面はセレーションを有する。係合孔に挿入される出力軸4は、係合孔の内壁面のセレーションに噛み合うセレーション部を備える。
キャリアプレート16の径方向中央に形成された係合孔の内壁面はセレーションを有する。係合孔に挿入される出力軸4は、係合孔の内壁面のセレーションに噛み合うセレーション部を備える。
内歯リングギア15は、トッププレート12のアーマチュアコア58側の内面に一体に成形されている。トッププレート12は、内周面の径方向中央に滑り軸受12aを備える。滑り軸受12aは、回転軸52と同軸上に配置されている出力軸4の第2端側(X軸方向負方向側)の端部を支持する。
(ハウジング)
遊星歯車機構2が設けられているトッププレート12は、ハウジング17内に収納及び固定されている。ハウジング17は、内燃機関にスタータ1を固定するとともに、トッププレート12(及び遊星歯車機構2)、電磁装置9、クラッチ機構5及びピニオンギア機構70等を収納する。
遊星歯車機構2が設けられているトッププレート12は、ハウジング17内に収納及び固定されている。ハウジング17は、内燃機関にスタータ1を固定するとともに、トッププレート12(及び遊星歯車機構2)、電磁装置9、クラッチ機構5及びピニオンギア機構70等を収納する。
ハウジング17の外形は、有底筒状に形成されている。ハウジング17は、軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)に底部17cを有するとともに、軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に開口部17aが形成されている。ハウジング17は、アルミニウムのダイカスト鋳造によって形成されている。
ハウジング17の開口部17aの周縁には、開口部17aを閉塞するようにトッププレート12が接合されている。ハウジング17の開口部17aの周縁の内側には、モータヨーク53の開口部53bの周縁が嵌め込まれるように固定されている。
ハウジング17の開口部17a側の外周面には、軸方向に沿うように不図示の雌ネジ部が形成されている。モータヨーク53の軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に配置されたエンドプレート55には、雌ネジ部に対応する位置に不図示のボルト孔が形成されている。ボルト孔に挿入されるボルトは、雌ネジ部に装着されることによって、モータ部3とモータ部3を軸方向の両側から挟み込むエンドプレート55及びハウジング17と、を一体化する。
ハウジング17の開口部17a側の外周面には、軸方向に沿うように不図示の雌ネジ部が形成されている。モータヨーク53の軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に配置されたエンドプレート55には、雌ネジ部に対応する位置に不図示のボルト孔が形成されている。ボルト孔に挿入されるボルトは、雌ネジ部に装着されることによって、モータ部3とモータ部3を軸方向の両側から挟み込むエンドプレート55及びハウジング17と、を一体化する。
ハウジング17は、後述するクラッチアウタ18のモータ部3側への変位を規制するリング状のストッパ94を内壁に備える。ストッパ94は、樹脂又はゴム等により形成され、クラッチアウタ18が接触した際の衝撃を緩和する。
ハウジング17の底部17cには、出力軸4と同軸に有底の軸受孔47が形成されている。軸受孔47の内径は、出力軸4の外径よりも大きく設定されている。軸受孔47の内周壁には、出力軸4の第1端側(X軸方向正方向側)の端部を支持する滑り軸受17dが圧入によって固定されている。
ハウジング17の底部17cには、出力軸4と同軸に有底の軸受孔47が形成されている。軸受孔47の内径は、出力軸4の外径よりも大きく設定されている。軸受孔47の内周壁には、出力軸4の第1端側(X軸方向正方向側)の端部を支持する滑り軸受17dが圧入によって固定されている。
(クラッチ機構)
出力軸4は、軸方向略中央にヘリカルスプライン19を備える。ヘリカルスプライン19は、クラッチ機構5にヘリカル噛合されている。
クラッチ機構5は、略円筒状のクラッチアウタ18と、このクラッチアウタ18と同軸に形成されたクラッチインナ22と、クラッチアウタ18及びクラッチインナ22を一体的に固定するクラッチカバー6と、を備える。
出力軸4は、軸方向略中央にヘリカルスプライン19を備える。ヘリカルスプライン19は、クラッチ機構5にヘリカル噛合されている。
クラッチ機構5は、略円筒状のクラッチアウタ18と、このクラッチアウタ18と同軸に形成されたクラッチインナ22と、クラッチアウタ18及びクラッチインナ22を一体的に固定するクラッチカバー6と、を備える。
クラッチ機構5は、例えば、いわゆる公知のワンウェイクラッチである。クラッチ機構5は、クラッチインナ22にクラッチアウタ18側からの回転力を伝達するとともに、クラッチアウタ18にクラッチインナ22側からの回転力を伝達しない。これにより、クラッチ機構5は、車両の内燃機関の始動時に、クラッチアウタ18の回転速度よりもクラッチインナ22の回転速度が速くなるオーバーラン状態で内燃機関のリングギア23側からの回転力を遮断する。
クラッチ機構5は、クラッチアウタ18とクラッチインナ22との間に生じるトルク差及び回転速度差が所定値以内の場合、互いに回転力を伝達する。一方、回転数差が所定値よりも大きい場合、いわゆるワンウェイクラッチによって、回転力の伝達を遮断する。
クラッチ機構5は、クラッチアウタ18とクラッチインナ22との間に生じるトルク差及び回転速度差が所定値以内の場合、互いに回転力を伝達する。一方、回転数差が所定値よりも大きい場合、いわゆるワンウェイクラッチによって、回転力の伝達を遮断する。
クラッチアウタ18は、軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)に相対的に径が縮小されたスリーブ18aを一体的に備える。スリーブ18aは、出力軸4のヘリカルスプライン19に噛み合うヘリカルスプライン18bを内周面に備える。クラッチ機構5は、出力軸4のヘリカルスプライン19に噛み合うヘリカルスプライン18bによって出力軸4に対して軸方向にスライド移動する。
クラッチアウタ18は、スリーブ18aの軸方向の第1端側での内周面に段差部18cを備える。段差部18cの内周面の径は、スリーブ18aの内周面の径よりも大きく形成されている。
クラッチアウタ18は、例えばかしめ加工等によって外周面に固定されたクラッチカバー6を備える。
クラッチアウタ18は、スリーブ18aの軸方向の第1端側での内周面に段差部18cを備える。段差部18cの内周面の径は、スリーブ18aの内周面の径よりも大きく形成されている。
クラッチアウタ18は、例えばかしめ加工等によって外周面に固定されたクラッチカバー6を備える。
クラッチインナ22の内径は、クラッチアウタ18のスリーブ18aの外径よりも大きい。クラッチインナ22と、段差部18cの内周面と、出力軸4の外周面との間には、後述するリターンスプリング21が配置される空間が形成されている。
クラッチインナ22は、クラッチアウタ18の軸方向の第1端側の端面と径方向で対応した外周面の位置で外側から嵌められて固定された略円盤状のクラッチワッシャ65を備える。
クラッチインナ22は、クラッチアウタ18の軸方向の第1端側の端面と径方向で対応した外周面の位置で外側から嵌められて固定された略円盤状のクラッチワッシャ65を備える。
クラッチカバー6は、有底筒状に形成されている。クラッチカバー6は、例えば鉄等の金属板材に対する絞り加工によって形成されている。クラッチカバー6は、クラッチアウタ18及びクラッチワッシャ65の外側から、例えばかしめ加工によってクラッチアウタ18及びクラッチワッシャ65に固定される。
クラッチカバー6の底壁66の径方向略中央には、出力軸4が挿入される貫通孔が形成されている。
クラッチカバー6の底壁66の径方向略中央には、出力軸4が挿入される貫通孔が形成されている。
クラッチ機構5は、出力軸4のヘリカルスプライン19よりも第1端側(X軸方向正方向側)に移動規制部20を備える。移動規制部20は、出力軸4の外周側に嵌められた略リング状に形成されている。移動規制部20は、サークリップ20aによって軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)への移動が規制されている。移動規制部20の外径は、クラッチアウタ18に形成された段差部18cと移動規制部20とが干渉するように、段差部18cの内周面の径よりも大きく設定されている。
移動規制部20は、クラッチ機構5が軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)にスライド移動したときにクラッチアウタ18の段差部18cと干渉する。これにより、クラッチ機構5及びピニオンギア機構70の軸方向の第1端側へのスライド移動量が規制される。
クラッチ機構5は、リターンスプリング21を備える。リターンスプリング21は、移動規制部20とクラッチアウタ18のスリーブ18aとの間であって段差部18cの内周面と出力軸4の外周面との間で出力軸4を取り囲むように圧縮変形した状態で配置されている。リターンスプリング21は、クラッチアウタ18を常時にモータ部3側へ向かって押す力を発生させる。
クラッチ機構5は、リターンスプリング21を備える。リターンスプリング21は、移動規制部20とクラッチアウタ18のスリーブ18aとの間であって段差部18cの内周面と出力軸4の外周面との間で出力軸4を取り囲むように圧縮変形した状態で配置されている。リターンスプリング21は、クラッチアウタ18を常時にモータ部3側へ向かって押す力を発生させる。
クラッチ機構5は、クラッチインナ22の先端に一体的に成形されたピニオンギア74(請求項の駆動ギアに相当)を備える。ピニオンギア74は、出力軸4の外周側に嵌められている。クラッチ機構5は、軸方向の両側でピニオンギア74の内周面に設けられた2つの滑り軸受72,72を備える。2つの滑り軸受72,72は、出力軸4に対してピニオンギア74を変位させる。リングギア23及びピニオンギア74は、例えば、平歯歯車である。
(電磁装置)
図2は、スタータ1の静止状態及び通電状態を示す拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、電磁装置9は、モータ部3への通電及び通電遮断を行うとともに、ピニオンギア機構70を軸方向に沿ってリングギア23側へ移動させる。
電磁装置9を構成するヨーク25は、軸方向にクラッチ機構5よりもモータ部3側でハウジング17の内周面に内周側から嵌められて固定されている。ヨーク25は、磁性材によって出力軸4の軸方向に沿う中心線Oを有する有底筒状に形成されている。ヨーク25の底部25a(請求項のヨークの端部に相当)の径方向略中央には、軸方向に沿う貫通孔25bが形成されている。
図2は、スタータ1の静止状態及び通電状態を示す拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、電磁装置9は、モータ部3への通電及び通電遮断を行うとともに、ピニオンギア機構70を軸方向に沿ってリングギア23側へ移動させる。
電磁装置9を構成するヨーク25は、軸方向にクラッチ機構5よりもモータ部3側でハウジング17の内周面に内周側から嵌められて固定されている。ヨーク25は、磁性材によって出力軸4の軸方向に沿う中心線Oを有する有底筒状に形成されている。ヨーク25の底部25a(請求項のヨークの端部に相当)の径方向略中央には、軸方向に沿う貫通孔25bが形成されている。
電磁装置9を構成する円環状のプランジャホルダ26は、軸方向にヨーク25の底部25aとは反対側の端部に設けられている。プランジャホルダ26は、軸方向にヨーク25に対してピニオンギア74の変位方向側に設けられている。プランジャホルダ26は、ヨーク25の底部25aに対応するように略円環状に形成されたホルダ本体部26aと、ホルダ本体部26aの内周縁から軸方向の第2端側に向かって屈曲して延び出るホルダ円筒部26bと、を備える。ホルダ本体部26a及びホルダ円筒部26bは、一体に成形されている。
電磁装置9は、ヨーク25及びプランジャホルダ26によってヨーク25の径方向内側に形成される収納凹部25eに配置される略円筒状の励磁巻線24(請求項の励磁コイルに相当)を備える。プランジャホルダ26は、ヨーク25と協働して励磁巻線24を保持する。励磁巻線24は、コネクタを介してイグニションスイッチ(何れも不図示)に電気的に接続されている。
プランジャホルダ26のホルダ円筒部26bの内径は、ホルダ円筒部26bと励磁巻線24との間に後述のスイッチプランジャ27を受け入れることができる間隙を形成するために必要な大きさである。プランジャホルダ26のホルダ円筒部26bの外径は、ホルダ円筒部26bと出力軸4との間に後述のギアプランジャ80を配置するために必要な大きさである。
電磁装置9は、励磁巻線24の内周面と出力軸4の外周面との間の空隙で励磁巻線24に対して軸方向にスライド移動するプランジャ機構37を備える。
プランジャ機構37は、磁性材によって形成された略円筒状のスイッチプランジャ27と、スイッチプランジャ27と出力軸4の外周面との間の空隙に配置されたギアプランジャ80と、を備える。スイッチプランジャ27とギアプランジャ80とは、互いに同心円状に設けられ、軸方向に相対的に移動する。
プランジャ機構37は、磁性材によって形成された略円筒状のスイッチプランジャ27と、スイッチプランジャ27と出力軸4の外周面との間の空隙に配置されたギアプランジャ80と、を備える。スイッチプランジャ27とギアプランジャ80とは、互いに同心円状に設けられ、軸方向に相対的に移動する。
スイッチプランジャ27は、励磁巻線24に電流が供給されたときに発生する磁束により吸引される磁性材から成る円筒部27aを備える。円筒部27aの外径は、励磁巻線24の内径よりもやや小さい。円筒部27aの肉厚は、プランジャホルダ26のホルダ円筒部26bと励磁巻線24との間隙よりも薄い。円筒部27aはヨーク25の貫通孔25bに挿入されている。
スイッチプランジャ27は、円筒部27aの軸方向の第2端側の端部に一体的に形成されているとともに、径方向外側に向かって屈曲して延び出る外フランジ部29(請求項のフランジ部に相当)を備える。外フランジ部29の直径は、外フランジ部29がヨーク25の底部25aを覆うように、励磁巻線24のヨーク25の底部25aの直径と略同一に設定されている。
外フランジ部29は、径方向外側に向かって延び出るように形成されているとともに、スイッチシャフト30を支持する支持片29aを備える。
外フランジ部29は、径方向外側に向かって延び出るように形成されているとともに、スイッチシャフト30を支持する支持片29aを備える。
スイッチシャフト30は、ホルダ部材30aを介してスイッチプランジャ27の支持片29aにより支持されて、モータ部3のセパレートプレート43及びトッププレート12を貫通している。スイッチシャフト30の軸方向の第2端側の先端部30bは、ブラシ付直流モータ51のコンミテータ61に隣接して配置されたスイッチユニット7の可動接点板8に連結されている。可動接点板8は、スイッチシャフト30に対して軸方向に沿ってスライド移動するとともに、スイッチスプリング32によって軸方向の第1端側に押されている。可動接点板8は、軸方向にスライド移動することによってスイッチユニット7で固定されている固定接点板34に対して接触及び離隔する。
可動接点板8は、固定接点板34の第一固定接点板34a及び第二固定接点板34bに跨るように接触する。可動接点板8は、出力軸4に沿ってスライド移動して、第一固定接点板34a及び第二固定接点板34bに接触することにより、第一固定接点板34a及び第二固定接点板34bをON状態として電気的に接続する。
スイッチプランジャ27は、内周面に一体的に設けられ、ギアプランジャ80の軸方向の第2端側に接触及び離隔するリング部材28を備える。リング部材28は、スイッチプランジャ27がリングギア23側へ向かって移動する際、初期的にギアプランジャ80をリングギア23側に向かって押す。
クラッチ機構5のクラッチアウタ18は、リターンスプリング21によりプランジャインナ81へ向かって押されている。スタータ1の静止状態(図1における中心線OよりZ軸方向正方向側の状態)で、クラッチ機構5は、ギアプランジャ80及びリング部材28を介して、スイッチプランジャ27を軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に向かって押している。これにより、可動接点板8は、軸方向の第2端側に向かって押され、固定接点板34と離隔したOFF状態である。
スタータ1の静止状態(図1での中心線OよりZ軸方向正方向側の状態及び図2の(a)に示す状態)での可動接点板8と固定接点板34との離隔距離、すなわち可動接点板8がOFF状態からON状態になる際の可動接点板8の軸方向に沿ったストローク量L1は、リングギア23とピニオンギア74との最大離隔距離L2よりも大きい。これにより、電磁装置9がピニオンギア74及び可動接点板8を軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)にスライド移動させた場合、可動接点板8がON状態となる前にピニオンギア74がリングギア23に接触する。
スイッチプランジャ27の径方向内側に配置されたギアプランジャ80は、径方向内側に配置されたプランジャインナ81と、径方向外側に配置されたプランジャアウタ85と、プランジャインナ81とプランジャアウタ85との間に配置されたプランジャスプリング91と、を備える。
プランジャインナ81は、樹脂等によって略円筒形状に形成されている。プランジャインナ81の内径は、出力軸4の外径よりも若干大きく設定されている。プランジャインナ81は、出力軸4の外周側に装着され、軸方向にスライド移動する。
プランジャインナ81は、樹脂等によって略円筒形状に形成されている。プランジャインナ81の内径は、出力軸4の外径よりも若干大きく設定されている。プランジャインナ81は、出力軸4の外周側に装着され、軸方向にスライド移動する。
プランジャインナ81の軸方向の第1端側の端部81aは、径方向外側に張り出した外フランジ部82と一体に成形されている。プランジャインナ81の端部81aは、プランジャインナ81が軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)にスライド移動した場合、クラッチアウタ18の軸方向の第2端側の端部と接触して、クラッチ機構5及びピニオンギア機構70を軸方向の第1端側にスライド移動させる。
プランジャインナ81の軸方向の第2端側の端部81bは、周方向に沿って形成された複数の爪部83を備える。複数の爪部83の各々の外径は、第2端側から第1端側に向かって漸次に大きくなるように形成されている。各爪部83の軸方向の第1端側には、周方向に沿って溝部84が形成されている。
プランジャインナ81の軸方向の第2端側の端部81bは、周方向に沿って形成された複数の爪部83を備える。複数の爪部83の各々の外径は、第2端側から第1端側に向かって漸次に大きくなるように形成されている。各爪部83の軸方向の第1端側には、周方向に沿って溝部84が形成されている。
プランジャアウタ85は、プランジャインナ81と同様に樹脂等によって略円筒形状に形成されている。プランジャアウタ85の内径は、プランジャインナ81の外フランジ部82の外径よりも若干大きく設定されている。プランジャアウタ85は、プランジャインナ81の外周側に装着されている。
プランジャアウタ85の軸方向の第2端側の端部85aは、一体的に形成されているとともに径方向内側に張り出した内フランジ部86を備える。
プランジャアウタ85の軸方向の第2端側の端部85aは、一体的に形成されているとともに径方向内側に張り出した内フランジ部86を備える。
内フランジ部86の内径は、プランジャインナ81の爪部83の外径よりも小さく、かつプランジャインナ81の溝部84の底部の外径よりも大きい。プランジャインナ81の溝部84内にプランジャアウタ85の内フランジ部86が配置されることで、プランジャインナ81とプランジャアウタ85とは一体化され、プランジャ機構37を構成する。
プランジャアウタ85の内フランジ部86の肉厚は、プランジャインナ81の溝部84の幅よりも薄い。プランジャアウタ85の内フランジ部86とプランジャインナ81の溝部84との間には、所定のクリアランスが設けられる。プランジャインナ81とプランジャアウタ85とは、プランジャアウタ85の内フランジ部86とプランジャインナ81の溝部84との間のクリアランス分だけ、軸方向に相対的にスライド移動する。
プランジャアウタ85の軸方向の第2端側の端部85aは、一体的に形成されているとともに、径方向外側に張り出した外フランジ部87を備える。外フランジ部87は、スイッチプランジャ27のリング部材28と接触する。
プランジャアウタ85は、外フランジ部87の軸方向の第1端側で外周面に設けられたリング状の鉄心88を備える。鉄心88は、例えば樹脂モールドにより、プランジャアウタ85と一体的に成形されている。鉄心88は、励磁巻線24に電流が供給されたときに発生する磁束により吸引される。
プランジャアウタ85は、外フランジ部87の軸方向の第1端側で外周面に設けられたリング状の鉄心88を備える。鉄心88は、例えば樹脂モールドにより、プランジャアウタ85と一体的に成形されている。鉄心88は、励磁巻線24に電流が供給されたときに発生する磁束により吸引される。
プランジャインナ81の外フランジ部82と、プランジャアウタ85の内フランジ部86との間には、収納部90が形成されている。収納部90には、プランジャインナ81の外周面を取り囲むプランジャスプリング91が収納されている。
プランジャスプリング91は、収納部90に収納された状態で、プランジャインナ81の外フランジ部82と、プランジャアウタ85の内フランジ部86とにより圧縮変形させられている。プランジャスプリング91は、プランジャインナ81を軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)に向かって押し、プランジャアウタ85を軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に向かって押している。
プランジャホルダ26とスイッチプランジャ27との間には、板ばね材から成るスイッチリターンスプリング27bが配置されている。スイッチリターンスプリング27bは、プランジャホルダ26とスイッチプランジャ27とを相互に軸方向で離隔する方向に押している。
プランジャスプリング91は、収納部90に収納された状態で、プランジャインナ81の外フランジ部82と、プランジャアウタ85の内フランジ部86とにより圧縮変形させられている。プランジャスプリング91は、プランジャインナ81を軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)に向かって押し、プランジャアウタ85を軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に向かって押している。
プランジャホルダ26とスイッチプランジャ27との間には、板ばね材から成るスイッチリターンスプリング27bが配置されている。スイッチリターンスプリング27bは、プランジャホルダ26とスイッチプランジャ27とを相互に軸方向で離隔する方向に押している。
図1の中心線OからZ軸方向正方向側に示すスタータ1の静止状態では、プランジャスプリング91は、プランジャインナ81を軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)に向かって押し、プランジャアウタ85を軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に向かって押している。プランジャインナ81の軸方向の第1端側の端部81aとクラッチアウタ18の第2端側の端部とは互いに接触していないので、クラッチアウタ18はリターンスプリング21のばね荷重によってストッパ94に押し付けられている。ストッパ94は、スタータ1の静止状態でクラッチ機構5及びピニオンギア機構70がプランジャスプリング91のばね荷重によって軸方向のリングギア23側に過剰に押し出されることを規制する。
図1の中心線OからX軸方向負方向側に示すスタータ1の通電状態では、ギアプランジャ80が軸方向の第2端側に最大変位したとき、プランジャインナ81の軸方向の第1端側の端部81aは、常にクラッチ機構5のクラッチアウタ18の軸方向の第2端側の端部と接触する。プランジャスプリング91は、クラッチ機構5とギアプランジャ80との間の軸方向に隙間が発生することを防止する。
(スタータの動作)
以下に、スタータ1の動作について説明する。
図1の中心線OからX軸方向正方向側の状態に示すように、励磁巻線24に電流を供給する前のスタータ1の静止状態では、クラッチアウタ18は、ピニオンギア74と一体化されているクラッチインナ22とともに、リターンスプリング21によってモータ部3側へ押されている。クラッチアウタ18は、リターンスプリング21のばね荷重によって、ストッパ94に押し付けられて停止している。ピニオンギア74とリングギア23とは、軸方向に最大離隔距離L2で離れることによって結合が断たれている。
プランジャインナ81の軸方向の第1端側の端部81aとクラッチアウタ18の軸方向の第2端側の端部との間には僅かな隙間が形成されているので、プランジャスプリング91は、ばね荷重によってクラッチ機構5を軸方向のリングギア23側に押していない。
以下に、スタータ1の動作について説明する。
図1の中心線OからX軸方向正方向側の状態に示すように、励磁巻線24に電流を供給する前のスタータ1の静止状態では、クラッチアウタ18は、ピニオンギア74と一体化されているクラッチインナ22とともに、リターンスプリング21によってモータ部3側へ押されている。クラッチアウタ18は、リターンスプリング21のばね荷重によって、ストッパ94に押し付けられて停止している。ピニオンギア74とリングギア23とは、軸方向に最大離隔距離L2で離れることによって結合が断たれている。
プランジャインナ81の軸方向の第1端側の端部81aとクラッチアウタ18の軸方向の第2端側の端部との間には僅かな隙間が形成されているので、プランジャスプリング91は、ばね荷重によってクラッチ機構5を軸方向のリングギア23側に押していない。
スイッチプランジャ27は、スイッチリターンスプリング27bにより軸方向の第2端側に押されて、モータ部3側に移動している。スイッチプランジャ27の外フランジ部29は、トッププレート12に接触した状態で停止している。外フランジ部29に設けられているスイッチシャフト30の可動接点板8は、固定接点板34に対して距離L1(すなわち可動接点板8のストローク量L1)だけ離隔して、電気的に切断されている。
スタータ1の静止状態で車両のイグニションスイッチ(不図示)がオンになると、励磁巻線24に電流が供給されることによって励磁巻線24が励磁され、スイッチプランジャ27及びギアプランジャ80に磁束の磁路が形成される。これにより、スイッチプランジャ27及びギアプランジャ80は軸方向にリングギア23側(X軸方向正方向側)へ向かってスライド移動する。
スタータ1の静止状態では、スイッチプランジャ27とプランジャホルダ26とのギアップ(軸方向隙間)は、ギアプランジャ80の鉄心88とプランジャホルダ26とのギアップ(軸方向隙間)よりも小さい。このため、スイッチプランジャ27に発生する吸引力は、ギアプランジャ80に発生する吸引力よりも大きく、ギアプランジャ80に先行してスイッチプランジャ27をスライド移動させる。
このとき、スイッチプランジャ27の内周面に一体的に設けられているリング部材28は、初期的にギアプランジャ80をリングギア23側に向かって押すので、スイッチプランジャ27及びギアプランジャ80は一体となってリングギア23側へ向かってスライド移動する。
このとき、スイッチプランジャ27の内周面に一体的に設けられているリング部材28は、初期的にギアプランジャ80をリングギア23側に向かって押すので、スイッチプランジャ27及びギアプランジャ80は一体となってリングギア23側へ向かってスライド移動する。
また、出力軸4のヘリカルスプライン19とクラッチアウタ18のヘリカルスプライン18bとは噛み合い、クラッチアウタ18のスリーブ18aはギアプランジャ80のプランジャインナ81と接触している。このため、クラッチアウタ18は、スイッチプランジャ27及びギアプランジャ80がリングギア23側へスライド移動すると、出力軸4に対して若干に相対的に回転しながら軸方向に押し出される。
ピニオンギア74は、クラッチアウタ18とともに軸方向のリングギア23側へ押し出され、リングギア23とピニオンギア74との最大離隔距離L2分だけリングギア23側に移動する。これにより、ピニオンギア74の軸方向の第1端側の端面74bとリングギア23の軸方向の第2端側の端面23aとは、接触又は相互の軸方向の距離がゼロになる。このとき、スイッチプランジャ27は、ギアプランジャ80と一体となってリングギア23側へ向かってスライド移動するため、連動する可動接点板8とともに最大離隔距離L2分だけ軸方向にリングギア23側に移動する。
可動接点板8のストローク量L1は、リングギア23とピニオンギア74との最大離隔距離L2よりも大きい(L1>L2)。このため、ピニオンギア74が最大離隔距離L2分だけ軸方向に移動した場合であっても、可動接点板8は、固定接点板34との間にストローク量L1と最大離隔距離L2との差に相当する隙間を形成し、電気的にOFF状態である。すなわち、可動接点板8がON状態となる前に、ピニオンギア74の第1端側の端面74bとリングギア23の第2端側の端面23aとが接触又は相互の軸方向の距離がゼロになる。
スイッチプランジャ27が吸引されてリングギア23側へ向かってスライド移動することに伴い、可動接点板8は、ストローク量L1分だけ軸方向に移動すると、固定接点板34に接触する。可動接点板8は、スイッチシャフト30に対して軸方向に変位するように浮動支持されているので、スイッチスプリング32からの力が可動接点板8及び固定接点板34に作用する。ピニオンギア74は、リングギア23側に向かって押し出されることに伴い、リングギア23との位相が合っている場合にリングギア23に噛み合う。
固定接点板34及び可動接点板8が接触すると、4つのブラシのうちの2つの陽極側ブラシに不図示の外部バッテリの電圧が印加され、コンミテータ61のセグメント62を介して巻線59が通電される。巻線59の通電により、アーマチュアコア58に磁界が発生し、アーマチュアコア58の磁界とモータヨーク53に設けられている永久磁石57との間の磁気的な吸引力及び反発力により、アーマチュア54が回転し始める。アーマチュア54が回転することにより、アーマチュア54の回転軸52の回転力が遊星歯車機構2を介して出力軸4に伝達され、出力軸4が回転し始める。
出力軸4の回転に伴い、ピニオンギア74の第1端側の端面74bとリングギア23の第2端側の端面23aとが接触していた場合の接触状態は解除される。ピニオンギア74はリングギア23側に押し出されてリングギア23と噛み合う。
出力軸4の回転速度が上昇すると、出力軸4のヘリカルスプライン19に噛み合っているクラッチアウタ18に慣性力が作用し、ピニオンギア74にリングギア23側に向かう方向(飛び込み方向)のスラスト荷重が発生する。
出力軸4の回転速度が上昇すると、出力軸4のヘリカルスプライン19に噛み合っているクラッチアウタ18に慣性力が作用し、ピニオンギア74にリングギア23側に向かう方向(飛び込み方向)のスラスト荷重が発生する。
ピニオンギア74に作用するスラスト荷重によって、ピニオンギア74はヘリカルスプライン19に沿うように、リターンスプリング21の力に抗してリングギア23側へ向かって移動する。クラッチアウタ18に作用する慣性力によってクラッチアウタ18はヘリカルスプライン19に沿うように、リターンスプリング21の力に抗してリングギア23側へ向かって押し出される。
このとき、ギアプランジャ80には、電磁装置9の励磁巻線24の磁力により、リングギア23側へ向かう吸引力が作用する。ギアプランジャ80は、クラッチアウタ18のスライド移動に連動して、クラッチアウタ18を押しつつリングギア23側へ向かってスライド移動する。これにより、ピニオンギア74とリングギア23とは所定の噛み合い位置で噛み合う。
このとき、ギアプランジャ80には、電磁装置9の励磁巻線24の磁力により、リングギア23側へ向かう吸引力が作用する。ギアプランジャ80は、クラッチアウタ18のスライド移動に連動して、クラッチアウタ18を押しつつリングギア23側へ向かってスライド移動する。これにより、ピニオンギア74とリングギア23とは所定の噛み合い位置で噛み合う。
内燃機関が始動し、ピニオンギア74の回転速度が出力軸4の回転速度よりも大きくなると、クラッチ機構5のワンウェイクラッチ機能によってピニオンギア74は空転する。内燃機関の始動に伴って励磁巻線24への電流の供給が停止されると、リターンスプリング21からクラッチアウタ18を押す力によって、ピニオンギア74がリングギア23から離脱するとともに可動接点板8が固定接点板34から離隔して、ブラシ付直流モータ51は停止する。
(スイッチプランジャ及びヨーク)
以下に、電磁装置9のスイッチプランジャ27及びヨーク25の詳細について説明する。図3は、スタータ1の通電状態のヨーク25及びスイッチプランジャ27の拡大断面図である。図4は、スタータ1の通電状態でのスイッチプランジャ27の外フランジ部29のうちヨーク25の底部25aと接触する部位をX軸方向正方向側から見た図である。
以下に、電磁装置9のスイッチプランジャ27及びヨーク25の詳細について説明する。図3は、スタータ1の通電状態のヨーク25及びスイッチプランジャ27の拡大断面図である。図4は、スタータ1の通電状態でのスイッチプランジャ27の外フランジ部29のうちヨーク25の底部25aと接触する部位をX軸方向正方向側から見た図である。
図2の(a)に示すスタータ1の静止状態では、スイッチプランジャ27の外フランジ部29は、トッププレート12に接触した状態で停止している。励磁巻線24の通電及び励磁によって生じる磁束は、スイッチプランジャ27を軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)にスライド移動させる吸引力を発生する。スイッチプランジャ27は、励磁巻線24の磁力に起因する吸引力によって、外フランジ部29がヨーク25の底部25aと接触するまで軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)にスライド移動する。
図2の(b)に示すスタータ1の通電状態では、外フランジ部29がヨーク25の底部25aと接触することに伴って、スイッチユニット7の可動接点板8と固定接点板34とは接触している。スイッチプランジャ27に作用する吸引力は、ヨーク25の底部25aと外フランジ部29との間に流れる磁束が増大することに伴って増大する。ヨーク25の底部25aと外フランジ部29との間に流れる磁束は、ヨーク25の底部25aと外フランジ部29との接触面積の増大(つまり磁路の断面積の増大)に伴って増大する。
図3に示すように、ヨーク25の底部25aのうち貫通孔25bを形成する周縁部25cの表面25Cは、打ち抜き成形によるだれ面25Dを備える。周縁部25cのだれ面25Dは、例えば周縁部25cから軸方向に突出するバリ等が形成される場合に比べて、ヨーク25の底部25aと外フランジ部29との接触面積の減少を抑制する。
だれ面25Dは、例えば外フランジ部29の径方向内周側の基端部29bに軸方向のヨーク25側に突出する段差部などが形成されている場合であっても、ヨーク25の底部25aと外フランジ部29との接触面積の減少を抑制する。なお、外フランジ部29の径方向内周側の基端部29bは、ヨーク25の底部25aの軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)の表面25Aに向かい合う。また、外フランジ部29の径方向内周側の基端部29bは、凹部29cが形成された表面29Aを備える。凹部29cが形成された表面29Aは、例えば軸方向のヨーク25側に突出する段差部などが形成されることを抑制する。
軸方向で向かい合うヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとの間の軸方向距離は、径方向(つまり中心線Oの直交方向)の外方から内方に向かうことに伴って減少傾向に変化する。例えば、ヨーク25の底部25aの表面25Aは、径方向内周側が径方向外周側よりも軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に突出するように、径方向に所定鋭角θaで交差する円錐面である。外フランジ部29の表面29Aは径方向に平行な平坦面である。所定鋭角θaは、例えば、ゼロ以上及び5°以下などの角度範囲に設定されている。
ヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとは、径方向外周側よりも径方向内周側で接触し易くなっている。これにより、図4に示すように、径方向内周側で周方向の全周に亘る接触部位(例えば、図4に示す外フランジ部29の接触部位29d)が形成される。
図5は、実施形態の比較例に係るスタータ1の通電状態のヨーク25及びスイッチプランジャ27の拡大断面図である。図6は、実施形態の比較例に係るスタータ1の通電状態でのスイッチプランジャ27の外フランジ部29のうちヨーク25の底部25aと接触する部位をX軸方向正方向側から見た図である。
図5及び図6に示す比較例では、軸方向で向かい合うヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとの間の距離は、径方向(つまり中心線Oの直交方向)の外方から内方に向かうことに伴って増大傾向に変化する。例えば、ヨーク25の底部25aの表面25Aは、径方向外周側が径方向内周側よりも軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に突出するように、径方向に所定鋭角θbで交差するテーパ状の円錐面である。外フランジ部29の表面29Aは径方向に平行な平坦面である。
図5及び図6に示す比較例では、軸方向で向かい合うヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとの間の距離は、径方向(つまり中心線Oの直交方向)の外方から内方に向かうことに伴って増大傾向に変化する。例えば、ヨーク25の底部25aの表面25Aは、径方向外周側が径方向内周側よりも軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に突出するように、径方向に所定鋭角θbで交差するテーパ状の円錐面である。外フランジ部29の表面29Aは径方向に平行な平坦面である。
比較例でのヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとは、径方向内周側よりも径方向外周側で接触し易くなる。これにより、図6に示すように、ヨーク25の底部25a及びスイッチプランジャ27の外フランジ部29の各径方向外周側の形状に応じて、周方向の一部のみに接触部位(例えば、図6に示す外フランジ部29の接触部位29e)が形成される可能性が高くなる。
比較例では、上記の実施形態のように周方向の全周に亘る接触部位(例えば、図4に示す外フランジ部29の接触部位29dなど)が形成される場合に比べて、ヨーク25の底部25aと外フランジ部29との接触面積が減少し、スイッチプランジャ27に作用する吸引力が低下する。
比較例では、上記の実施形態のように周方向の全周に亘る接触部位(例えば、図4に示す外フランジ部29の接触部位29dなど)が形成される場合に比べて、ヨーク25の底部25aと外フランジ部29との接触面積が減少し、スイッチプランジャ27に作用する吸引力が低下する。
(ヨークの成形方法)
以下に、底部25aの貫通孔25bを形成する周縁部25cの表面25Cに打ち抜き成形によるだれ面25Dを備えるヨーク25の成形方法について説明する。
図7は、スタータ1のヨーク25の成形方法を示す図である。
先ず、図7の(a)に示す状態のように、円柱状のパンチ102(請求項の打ち抜き加工具に相当)は、底部101を有する筒状体100の中心線Cに沿う軸方向の第1方向Aに底部101の内部に押し込まれる。第1方向Aは、スタータ1でのX軸方向正方向に相当する。パンチ102は、スタータ1での軸方向のスイッチプランジャ27側からヨーク25の底部25aに向かうようにして、筒状体100の底部101に押し込まれる。
以下に、底部25aの貫通孔25bを形成する周縁部25cの表面25Cに打ち抜き成形によるだれ面25Dを備えるヨーク25の成形方法について説明する。
図7は、スタータ1のヨーク25の成形方法を示す図である。
先ず、図7の(a)に示す状態のように、円柱状のパンチ102(請求項の打ち抜き加工具に相当)は、底部101を有する筒状体100の中心線Cに沿う軸方向の第1方向Aに底部101の内部に押し込まれる。第1方向Aは、スタータ1でのX軸方向正方向に相当する。パンチ102は、スタータ1での軸方向のスイッチプランジャ27側からヨーク25の底部25aに向かうようにして、筒状体100の底部101に押し込まれる。
続いて、図7の(b)に示す状態のように、パンチ102は、底部101を破断しない位置まで底部101の内部に押し入れられ、底部101は、いわゆる半抜き状態になる。これにより、パンチ102が押し付けられる底部101の第1表面101Aに凹部103が形成されるとともに、パンチ102に接触する凹部103の内壁面103Aと第1表面101Aとの間にだれ面25Dが形成される。
続いて、図7の(c)に示す状態のように、パンチ102は、第1方向Aの逆方向である第2方向Bに第1表面101Aの反対側の第2表面101Bでの凹部103に対応する部位に押し付けられる。第2方向Bは、スタータ1でのX軸方向負方向に相当する。パンチ102は、スタータ1での軸方向の励磁巻線24側からヨーク25の底部25aに向かうようにして、筒状体100の底部101に押し付けられる。
続いて、図7の(d)に示す状態のように、パンチ102は、底部101を破断するように押し込まれ、底部101は、貫通状態になる。これにより、底部101に軸方向の貫通孔25bが形成されるとともに、パンチ102に接触する貫通孔25bの周縁部25cの表面25Cと第2表面101Bとの間にだれ面25Dが形成される。
続いて、図7の(e)に示す状態のように、底部101の貫通孔25bを形成する周縁部25cの表面25Cに打ち抜き成形によるだれ面25Dを備える筒状体100は、ヨーク25とされる。
上述したように、本実施形態のスタータ1によれば、ヨーク25の底部25aのうち貫通孔25bを形成する周縁部25cの表面25Cは、打ち抜き成形によるだれ面25Dを備える。このため、例えば周縁部25cの表面25Cに打ち抜き成形によるバリ等が形成される場合に比べて、励磁巻線24の通電時にヨーク25の底部25aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29との接触不良が生じることを抑制することができる。ヨーク25の底部25aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29とを適正に接触させることにより、スイッチプランジャ27に作用する磁気的な吸引力が低下することを抑制することができる。
また、軸方向で向かい合うヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとの間の軸方向距離は、径方向(つまり中心線Oの直交方向)の外方から内方に向かうことに伴って減少傾向に変化する。これにより、ヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとは、径方向外周側よりも径方向内周側で接触し易くなり、径方向内周側で周方向の全周に亘る接触部位(例えば、外フランジ部29の接触部位29d)が形成される。
このため、例えばヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとが径方向内周側よりも径方向外周側で接触し易い場合に比べて、接触面積の減少を抑制することができる。ヨーク25の底部25aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29との接触面積の減少を抑制することにより、スイッチプランジャ27に作用する磁気的な吸引力が低下することを抑制することができる。
また、外フランジ部29の表面29Aは径方向に平行な平坦面であるとともに、ヨーク25の底部25aの表面25Aは、径方向内周側が径方向外周側よりも軸方向の第2端側(X軸方向負方向側)に突出するように、径方向に所定鋭角θaで交差する円錐面である。このため、例えば各表面25A,29Aが径方向に対して湾曲する形状である場合に比べて、ヨーク25の底部25aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29との接触面積の減少を抑制することができる。
また、所定鋭角θaは、ゼロ以上及び5°以下の角度範囲である。これにより、スタータ1の軸方向の長さが過剰に長くなることを抑制しながら、ヨーク25の底部25aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29との所望の接触面積を確保することができる。
上述したように、本実施形態のスタータ1のヨーク25の成形方法によれば、軸方向の第1方向Aから底部101の第1表面101Aに凹部103を形成した後に、第1方向Aの逆方向である第2方向Bから底部101の第2表面101Bの凹部103に対応する部位を打ち抜くことによって貫通孔25bを形成する。このため、貫通孔25bの周縁部25cの表面25Cと第1表面101A及び第2表面101Bの各々との間にだれ面25Dが形成される。
また、第1方向Aはスタータ1でのX軸方向正方向に相当し、パンチ102は、先ず、スタータ1での軸方向のスイッチプランジャ27側からヨーク25の底部25aに向かうようにして、筒状体100の底部101に押し込まれる。このため、外フランジ部29の表面29Aと軸方向で向かい合う底部25aの表面25A側に的確にだれ面25Dを形成することができる。
以下、実施形態の変形例について説明する。
(変形例)
上述した実施形態において、ヨーク25の底部25aの表面25Aは円錐面であり、外フランジ部29の表面29Aは平坦面であるとしたが、これに限定されない。
図8は、変形例に係るスタータ1の通電状態のヨーク25及びスイッチプランジャ27の拡大断面図である。
図8に示すように、ヨーク25の底部25aの表面25Aは平坦面であり、外フランジ部29の表面29Aは円錐面であってもよい。変形例では、ヨーク25の底部25aの表面25Aは、径方向に平行な平坦面である。外フランジ部29の表面29Aは、径方向内周側が径方向外周側よりも軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)に突出するように、径方向に所定鋭角θcで交差するテーパ状の円錐面である。
上述した実施形態において、ヨーク25の底部25aの表面25Aは円錐面であり、外フランジ部29の表面29Aは平坦面であるとしたが、これに限定されない。
図8は、変形例に係るスタータ1の通電状態のヨーク25及びスイッチプランジャ27の拡大断面図である。
図8に示すように、ヨーク25の底部25aの表面25Aは平坦面であり、外フランジ部29の表面29Aは円錐面であってもよい。変形例では、ヨーク25の底部25aの表面25Aは、径方向に平行な平坦面である。外フランジ部29の表面29Aは、径方向内周側が径方向外周側よりも軸方向の第1端側(X軸方向正方向側)に突出するように、径方向に所定鋭角θcで交差するテーパ状の円錐面である。
なお、上述した実施形態において、ヨーク25の底部25aの表面25A及び外フランジ部29の表面29Aの各々は、円錐面又は他の形状の面であってもよい。少なくとも、ヨーク25の底部25aの表面25Aとスイッチプランジャ27の外フランジ部29の表面29Aとの間の軸方向距離が、径方向(つまり中心線Oの直交方向)の外方から内方に向かうことに伴って減少傾向に変化すればよい。
なお、上述の実施形態では、車両の内燃機関の始動用に用いられるスタータ1を例に挙げて説明をした。しかしながら、これに限られるものではなく、スタータ1の適用は自動車に限定されることはなく、例えば自動二輪車等に適用してもよい。
また、上述の実施形態では、モータ部3にブラシ付直流モータ51を採用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、モータ部3にブラシレスモータなどの他のモータを採用した場合であっても、上述の実施形態を適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、モータ部3にブラシ付直流モータ51を採用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、モータ部3にブラシレスモータなどの他のモータを採用した場合であっても、上述の実施形態を適用することが可能である。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…スタータ、3…モータ部、4…出力軸(ドライブシャフト)、9…電磁装置、23…リングギア、24…励磁巻線(励磁コイル)、25…ヨーク、25a…底部(端部)、25b…貫通孔、25c…周縁部、25A…表面、25C…表面、25D…だれ面、26…プランジャホルダ、27…スイッチプランジャ、29A…表面、74…ピニオンギア(駆動ギア)、100…筒状体、101…底部、101A…第1表面、101B…第2表面、102…パンチ(打ち抜き加工具)、103…凹部、O…中心線
Claims (4)
- 通電により回転力を発生するモータ部と、
前記モータ部の回転力を受けて回転するドライブシャフトと、
前記ドライブシャフトの軸方向に沿ってスライド移動するとともに、内燃機関のリングギアに噛み合うことによって前記ドライブシャフトの回転を前記リングギアに伝達する駆動ギアと、
前記モータ部の回転力を発生させるとともに、前記駆動ギアを前記リングギア側に向かって変位させる力を発生する電磁装置と、を備え、
前記電磁装置は、
前記ドライブシャフトの軸方向に沿う中心線を有するとともに前記中心線に沿う貫通孔が形成された端部を有する筒状のヨークと、
前記ヨークに対して前記駆動ギアの変位方向側に設けられた環状のプランジャホルダと、
前記ヨークと前記プランジャホルダとの間に配置された筒状の励磁コイルと、
前記貫通孔に挿入されるとともに前記励磁コイルの内側に配置され、前記励磁コイルの通電により発生する磁力によって前記軸方向にスライド移動することによって前記端部に接触する筒状のスイッチプランジャと、を備え、
前記ヨークの前記端部のうち前記貫通孔を形成する周縁部の表面は、打ち抜き成形によるだれ面を備える
ことを特徴とするスタータ。 - 前記スイッチプランジャは、前記軸方向から見て前記ヨークの前記端部に重なるフランジ部を備え、
前記軸方向で向かい合う前記ヨークの前記端部の表面と前記スイッチプランジャの前記フランジ部の表面との間の軸方向距離は、前記中心線の直交方向の外方から内方に向かうことに伴って減少傾向に変化する
ことを特徴とする請求項1に記載のスタータ。 - 前記軸方向で向かい合う前記ヨークの前記端部の表面と前記スイッチプランジャの前記フランジ部の表面との少なくともいずれかは、前記中心線の直交方向に所定鋭角で交差する円錐面を備える
ことを特徴とする請求項2に記載のスタータ。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスタータのヨークの成形方法であって、
底部を有する筒状体の中心線に沿う軸方向の第1方向に前記底部の内部に打ち抜き加工具を押し込むことによって前記底部の第1表面に凹部を形成する第1工程と、
前記第1方向の逆方向である第2方向に前記第1表面の反対側の第2表面での前記凹部に対応する部位に前記打ち抜き加工具を押し込むことによって前記中心線に沿う貫通孔を形成する第2工程と、を含む
ことを特徴とするヨークの成形方法。
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- 2019-05-30 JP JP2019101095A patent/JP2020193607A/ja active Pending
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