JP2009036073A - エンジン始動装置 - Google Patents

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朋彦 池守
Yoshikazu Sato
善和 佐藤
Masataka Odagiri
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Abstract

【課題】サンギヤをモータ回転軸とは別体に形成した構成のエンジン始動装置において、サンギヤの逆組みを防止する。
【解決手段】エンジン始動装置1は、電動モータ3によって回転駆動されエンジンのリングギヤと噛合するピニオン6と、電動モータ3とピニオン6との間に介設される遊星歯車機構を用いた減速装置2とを有する。減速装置2は、電動モータ3の回転軸10とは別体に形成され回転軸10の外周に装着されるサンギヤ13を有する。サンギヤ13の軸孔52の一端側に回転軸10が挿通不可能な逆組み規制部82を設ける。逆組み規制部82に内向フランジ83を延設し、内向フランジ83の中央部に、ギヤ装着部50の外径D2よりも小径の開口84を形成する。サンギヤ13を逆組みしようとすると、内向フランジ83に阻まれ、サンギヤ13の逆組みが阻止される。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動車等のエンジンに取り付けられる始動装置に関し、特に、遊星歯車による減速機構を備えたエンジン始動装置に関する。
自動車や自動二輪車、大型発電機等に使用されるエンジンでは、電動モータを用いたエンジン始動装置(スタータモータ)によって始動動作が行われるのが一般的である。このような始動装置としては、例えば特許文献1,2のように、電動モータによって回転駆動されるピニオンを軸方向移動可能に配したものが知られている。図7は、特許文献1のエンジン始動装置101の構成を示す断面図である。図7に示すように、エンジン始動装置101のピニオン102は、エンジンのリングギヤ103と噛合・離脱可能に配置されており、エンジン始動時に両ギヤが噛合し、エンジン始動後にはそれらの噛合が解除されるようになっている。ピニオン102の軸方向への移動には、ピニオン102と同軸状に配された電磁装置104が使用され、この電磁装置104は、ピニオン102を軸方向に移動可能に支持した出力軸105を外囲するように配置されている。
ピニオン102はまた、オーバーランニングクラッチ106と、遊星歯車を用いた減速装置107とを介してモータ108の回転軸109に接続されている。減速装置107は、モータ回転軸109に形成されたサンギヤ111と、このサンギヤ111と噛合するプラネタリギヤ112が取り付けられたギヤ支持板113を備えている。プラネタリギヤ112は、エンジン始動装置101のケース114内に固定されたトッププレート115の内歯リングギヤ116と噛合している。これに対し、ギヤ支持板113は前述の出力軸105に固定されており、これにより、モータ108の回転は減速されて出力軸105に伝わり、オーバーランニングクラッチ106を介してピニオン102に伝達される。
さらに、図7のようなエンジン始動装置101では、減速装置107側の潤滑用グリスがモータ108側に入り込まないように、減速装置107とモータ108との間に両者を隔離するセパレータ117が設けられている。セパレータ117は、円板状の鋼板にて形成されており、モータ108のヨーク118とケース114との間に介設される形でエンジン始動装置101内に配置されている。
特開平10-318105号公報 特開2005-2860号公報
一方、ピニオン102を高回転化すべく減速装置107の変速比を変更させると、それに伴ってサンギヤ111の外径が拡大し、回転軸109も大径化する。回転軸109が大きくなると、それに連れてモータ108自体の外径も大きくなり、その分、エンジン始動装置101が大型化してしまうという問題が生じる。このため、本発明者らは、サンギヤをモータ回転軸とは別体に形成し、それを回転軸外周に装着することにより、回転軸の直径を変えることなく、高回転化に対応可能な構成を考案するに至った。図8は、サンギヤ111をモータ回転軸109と別体に形成した場合のサンギヤ近傍の構成を示す説明図である。図8に示すように、サンギヤ111は回転軸109と別体となっており、両者にはそれぞれセレーション119,121が圧造形成されている。サンギヤ111は、両セレーション119,121同士を噛合させることにより、回転軸109に回り止め固定される。
ところが、図8のサンギヤ111は、軸方向にボス部122を突設させた構成となっているため、ギヤの組み付けに方向性が生じ、図9のように、サンギヤ111を前後逆方向に組み付けてしまう可能性がある。サンギヤ111が逆組みされると、サンギヤ111の図中右側のスラスト位置が規制できなくなり、図中破線にて示したように、サンギヤ111がセパレータ117と干渉してしまうおそれがあり、装置故障の原因となるという問題があった。
本発明の目的は、サンギヤをモータ回転軸とは別体に形成した構成のエンジン始動装置において、サンギヤの逆組みを防止することにある。
本発明のエンジン始動装置は、電動機によって回転駆動され、軸方向に移動することによりエンジンのリングギヤと噛合するピニオンと、前記電動機と前記ピニオンとの間に介設され、遊星歯車機構により、前記電動機の回転を前記ピニオンに減速して伝達する減速装置とを備えてなるエンジン始動装置であって、前記遊星歯車機構は、前記電動機の回転軸とは別体に形成され前記回転軸の外周に装着されるサンギヤを有し、前記サンギヤは、前記回転軸が挿通される軸孔と、前記軸孔の一端側に形成され前記回転軸が挿通不可能な逆組み規制部とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、軸孔の一端側に回転軸が挿通不可能な逆組み規制部を設けたので、サンギヤを正規方向とは反対向きに取り付けようとすると、この逆組み規制部に妨げられ、サンギヤを回転軸に装着することができない。すなわち、逆組み規制部によって、サンギヤの逆組みが物理的・機械的に阻止される。
前記エンジン始動装置において、前記回転軸に前記サンギヤが取り付けられるギヤ装着部を設けると共に、前記軸孔の他端側に前記ギヤ装着部の外径よりも大きい寸法の第1開口を、また、前記逆組み規制部に前記ギヤ装着部の外径よりも小さい寸法の第2開口をそれぞれ形成しても良い。さらに、前記逆組み規制部に、前記軸孔の中心方向に向かって延びその中央部に前記第2開口が形成された内向フランジを設けても良い。
本発明のエンジン始動装置によれば、電動機によって回転駆動されエンジンのリングギヤと噛合するピニオンと、ピニオンと電動機との間に介設された遊星歯車機構による減速装置とを備えたエンジン始動装置にて、遊星歯車機構に、電動機の回転軸とは別体に形成されたサンギヤを使用すると共に、サンギヤの軸孔の一端側に回転軸が挿通不可能な逆組み規制部を設けたので、サンギヤを正規方向とは反対向きに取り付けようとすると、逆組み規制部に妨げられ、サンギヤの逆組みを確実に防止することが可能となる。このため、サンギヤの逆組みに起因するサンギヤとセパレータの干渉を防止することができ、エンジン始動装置の信頼性向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるエンジン始動装置の構成を示す断面図であり、中心線より上側は静止状態を、下側は通電状態を示している。図1のエンジン始動装置1は、自動車用エンジンの始動に使用され、停止しているエンジンに対して、燃料の吸入、微粒化、圧縮、点火に必要な回転を与える。
エンジン始動装置1は、減速装置2と、電動モータ3、減速装置2を介して電動モータ3と接続された出力軸4、出力軸4上に摺動自在に設けられたオーバーランニングクラッチ5及びピニオン6、ピニオン6を軸方向に移動させるための電磁装置7とから構成されている。減速装置2と電動モータ3との間には、両者間を隔離するセパレータ38が介設されている。
電動モータ3は、公知の整流子式直流電動機からなり、その回転軸10は、図中右端部はボトムプレート11の中心に回転自在に支持されている。一方、回転軸10の図中左端部は、回転軸10と同軸状に配置された出力軸4の右端の中心に回転自在に支持されている。また、電動モータ3の左端部にはトッププレート12が取り付けられており、トッププレート12は、エンジンに対する固定ブラケットを兼ねたギヤカバー17に接合されている。ギヤカバー17の左壁の内面中心部には、出力軸4の遊端が回転自在に支持されている。
図1に示すように、トッププレート12の内側には、遊星歯車機構を用いた減速装置2が収容されている。図2は減速装置2の構成を示す分解斜視図、図3はそのギヤ配置を示す説明図である。図2に示すように、減速装置2は、中央にサンギヤ13、サンギヤ13の周囲に3個のプラネタリギヤ14、プラネタリギヤ14の外側に内歯リングギヤ15を配した構成となっている。サンギヤ13は、回転軸10とは別体に形成され、回転軸左端の出力軸支持部10aに隣接する位置に、回転軸10に外挿される形で取り付けられている。
この場合、回転軸10としては、図7のエンジン始動装置101と同径のものが使用され、従前にサンギヤ111を形成されていた部位には、小径のギヤ装着部50が設けられている。そして、このギヤ装着部50の図中左側の部位には、従前のギヤに代えて、セレーション51が圧造形成されている。一方、サンギヤ13には回転軸10が挿入される軸孔52が形成されており、軸孔52の内周には、セレーション51と噛合するセレーション53が圧造形成されている。サンギヤ13は、セレーション51,53を互いに噛合させる形で回転軸10に軽圧入される。これにより、サンギヤ13は、回転軸10の外周に回り止めされた状態で装着される。このように、エンジン始動装置1では、回転軸10の直径を変えることなく、サンギヤ13を従前に比して大径化(例えば、同モジュールにて9歯→13歯)でき、電動モータ3の体格を増大させることなく、ピニオン6を高回転化できる。
また、エンジン始動装置1には、セレーション51の奥部(図中右端部)に、サンギヤ13のスラスト位置を規制すべく、段状のギヤスラスト規制部54が設けられている。図4は、サンギヤ13近傍の構成を示す説明図、図5は、ギヤスラスト規制部54の構成を示す説明図であり、(a)はその形成方法、(b)はそこにサンギヤ13を取り付けた状態をそれぞれ示している。図5(a)に示すように、セレーション51を圧造する際、セレーション奥部には、破線にて示したようなダレR部(圧造ダレ部)55が形成される。前述のように、このダレR部55は金型摩耗の影響等が生じ易く、そこをサンギヤ13のスラスト規制位置として使用すると、サンギヤ13のスラスト位置が安定しない。
そこで、エンジン始動装置1では、ダレR部55を切削除去する形で、回転軸10にギヤスラスト規制部54を形成する。ギヤスラスト規制部54は、回転軸10の軸本体部56(電動モータ3側の部位)とギヤ装着部50との境界部に段状に形成されており、ギヤ装着部50のダレR部55を切除した部位には、円柱状のフラット部57が形成される。フラット部57の外径は、軸本体部56よりも小径に形成される一方、セレーション51の外径よりは大径に形成されている。また、ギヤスラスト規制部54の軸方向端面はギヤ当接面58となっている。
これに対し、サンギヤ13には、ギヤスラスト規制部54のギヤ当接面58に当接するボス部59が形成されている。ボス部59は、サンギヤ13のギヤ部60の歯元から、サンギヤ13の一端面側に軸方向に向かって突設されており、ボス部59の軸方向端面には、軸孔52の開口(第1開口)81が設けられている。開口81の直径は、ギヤ装着部50やフラット部57の外径よりも大径(大寸法)となっている。軸孔52のボス部内周部分にはセレーションは形成されておらず、ボス部59は、フラット部57の外側に遊嵌状態で装着される。また、ボス部59の外径は、ギヤ部60の歯底径や軸本体部56の外径よりも若干小径となっている。さらに、ボス部59の軸方向長は、ボス部59の軸方向端面61がギヤスラスト規制部54に当接した状態で、サンギヤ13のギヤ部端面62とセパレータ38との間に間隙(隙間G)が生じるように設定されている。
このように、エンジン始動装置1では、回転軸10のダレR部55を除去してギヤスラスト規制部54を設けたので、そのギヤ当接面58に当接させる形でサンギヤ13が回転軸10に取り付けられる。この場合、ギヤスラスト規制部54は、ダレR部55と異なり、機械加工により正確な位置に形成可能であり、サンギヤ13のスラスト規制位置は、ダレR部55を用いた場合に比して、正確かつ安定した位置に設定される。このように、サンギヤ13のスラスト位置が安定していると、サンギヤ13とセパレータ38の間が最も接近する状態で両者間に隙間Gを確保しておけば、寸法上、それらが干渉し合うことはない。従って、隙間Gが確保される形でボス部59の寸法を設定すれば、サンギヤ13を正規に組み付ける限り、サンギヤ13はセパレータ38と干渉しない。
ところが、前述のようにサンギヤ13が逆組みされると、サンギヤ13のセパレータ38側のスラスト位置が規制できなくなり、サンギヤ13がセパレータ38と干渉するおそれがある。そこで、当該エンジン始動装置1では、サンギヤ逆組み防止のため、軸孔52の一端側(ボス部反対面側)にのみ逆組み規制部82が設けられている。この逆組み規制部82には、軸孔52の中心方向に向かって延びる内向フランジ83が形成されており、内向フランジ83の中央部には開口(第2開口)84が形成されている。開口84の直径D1は、ギヤ装着部50の外径(セレーション51の外径)D2よりも小径(小寸法:D1<D2)となっている。すなわち、サンギヤ13は、逆組み規制部82によって、開口84の側からはギヤ装着部50に挿通不可能な構成となっている。
このようなエンジン始動装置1では、軸孔52の他端側に設けられた開口81からサンギヤ13を回転軸10に取り付ける正規方向の装着作業では、特に支障なくサンギヤ13の組み付けを行うことができる。これに対し、図6のように、サンギヤ13を正規の方向とは逆方向に組み付けようとすると、内向フランジ83がセレーション51の外周に当接し、サンギヤ13をこの方向で回転軸10に外挿することができない。すなわち、サンギヤ13を逆組みしようとすると、逆組み規制部82に妨げられ、サンギヤ13を回転軸10に装着することができない。これにより、サンギヤ13の逆組みは物理的・機械的に阻止され、逆組みに起因するサンギヤ13とセパレータ38の干渉を確実に防止することが可能となる。
このように、当該エンジン始動装置1では、サンギヤ13は、隙間Gの確保により正規組付状態ではセパレータ38とは干渉せず、また、セパレータ38と干渉するおそれがある逆組みは内向フランジ83の存在により不可能となっている。従って、本発明によるエンジン始動装置1では、サンギヤ13とセパレータ38の干渉が確実に回避され、サンギヤ13がセパレータ38に噛み込んでしまうなどの故障が発生せず、装置の信頼性向上が図られる。
一方、トッププレート12の中心には、出力軸4が回転自在に支持されている。出力軸4の右端部には、プラネタリギヤ14が回転自在に取り付けられたギヤ支持板16が固定されている。また、内歯リングギヤ15は、トッププレート12の内周面に形成されており、プラネタリギヤ14が噛合している。これにより、プラネタリギヤ14は、自転しつつサンギヤ13の周囲を公転し、回転軸10の回転が減速装置2によって減速されて出力軸4に伝達される。
出力軸4の中間部には、一方向ローラクラッチを用いたオーバーランニングクラッチ5が取り付けられている。オーバーランニングクラッチ5のクラッチアウタ18には、出力軸4との結合部18aが設けられており、結合部18aの内周部と出力軸4の外周面がヘリカルスプライン19を介して結合されている。また、結合部18aと、出力軸4の左端に抜け止め支持されたプレート20との間にはリターンスプリング21が配されている。リターンスプリング21は、結合部18aの内周面と出力軸4の外周面との間に画成された空隙に巻装されている。クラッチアウタ18は、このリターンスプリング21によって、図中右方に向かって常時弾発付勢されている。
クラッチアウタ18には、オーバーランニングクラッチ5のクラッチインナ22が、相対軸方向変位不能に、かつ相対回転可能に係合している。このクラッチインナ22の左端の外周部にはピニオン6が一体形成されている。前述のように、このピニオン6は、エンジンのリングギヤ23に噛合してエンジンを駆動する。クラッチインナ22は、回転自在に、かつ軸方向変位自在に出力軸4の左端部外周に嵌装されている。
ギヤカバー17の中間部には、電磁装置を構成し、図示されないイグニッションスイッチに電気的に接続された励磁コイル24が設けられている。励磁コイル24は、非磁性材で形成された出力軸4を外囲する形で配置されており、ギヤカバー17の内周面に固定されている。励磁コイル24はまた、フランジ25aを有するホルダ25とリング状円板26で構成されたヨークで囲まれている。励磁コイル24の内周面と出力軸4の外周面との間の空隙には、アーマチュアアウタ27とアーマチュアインナ28(以下、アーマチュア27,28と略記する)が装着されている。アーマチュア27,28は共に磁性材で形成されており、内外二重に相対摺動自在に設けられている。アーマチュア27,28の左端面は、ホルダ25のフランジ25aの中央部の内面と対向しており、フランジ25aの中央部がアーマチュア27,28に対するポールとなっている。
ホルダ25とピニオン6との間には、円環状のストッパ30が介設されている。ストッパ30は合成樹脂にて形成されており、エンジン始動動作の際にオーバーランニングクラッチ5とピニオン6が軸方向に沿って移動したとき、それらがホルダ25の左端面と衝突しないようになっている。
アーマチュアアウタ27の右端は、電動モータ3の整流子部31に隣接配置されたスイッチユニット(図示せず)に連結されている。また、アーマチュアアウタ27は、フランジ25aとの間に配されたリターンスプリング35によって、図中右方に向かって常時弾発付勢されている。その際、アーマチュアアウタ27は、通常、スイッチユニットの接点間を開いた状態で静止している。
アーマチュアインナ28は、コイルばね36により、トッププレート12から図中左方に向かって常時弾発付勢されている。コイルばね36の弾発力は、クラッチアウタ18に設けられたリターンスプリング21の弾発力より弱くなっている。また、アーマチュアインナ28には、非磁性材で形成されたシフタ部材37が結合している。シフタ部材37の左端は、クラッチインナ22の右端に当接している。
トッププレート12と整流子部31との間には、金属製のセパレータ38が介設されている。セパレータ38はリング状に形成されており、減速装置2と電動モータ3との間を隔絶している。セパレータ38の中心部には、円筒部38aが整流子部31側に向かって突出形成されている。円筒部38aの内周面は、回転軸10の外周面と微小間隙をおいて対向している。円筒部38aの遊端(図中右端部)は、整流子部31の図中左端面に形成された凹部31aに入り込んでおり、これにより、減速装置2のグリスが整流子部31側に漏洩するのを防止している。
ボトムプレート11は、電動モータ3のヨーク39及びセパレータ38と共に、貫通ボルト40によって、ギヤカバー17に取り付けられている。ボトムプレート11の外周部には、階段状の印籠嵌合部11aが形成されており、ヨーク39の右端部が印籠嵌合している。一方、ヨーク39の左端部もまた、セパレータ38の外周部に形成された印籠嵌合部38bと印籠嵌合している。また、セパレータ38の外周縁は、ギヤカバー17の内周面に形成された印籠嵌合部17aに印籠嵌合している。
次に、このようなエンジン始動装置1の作動要領について説明する。まず、励磁コイル24に電流を加えない静止状態では、アーマチュアアウタ27はリターンスプリング35に付勢されて右方へ一杯に移動している。これと同時に、クラッチアウタ18が、ピニオン6と一体化されたクラッチインナ22、シフタ部材37及びアーマチュアインナ28を伴って、リターンスプリング21に付勢されて右方へ一杯に移動している。このとき、ピニオン6とリングギヤ23は噛合しておらず、両者の結合は断たれた状態となっている。
イグニッションスイッチがONされると、電磁装置7が通電され、励磁コイル24が励磁される。すると、アーマチュア27,28を通る磁路が形成され、アーマチュア27,28が左方に吸引され移動する。このとき、アーマチュア27,28のうちアーマチュアアウタ27の方が、ホルダ25のフランジ25a中央部(ポール)により近接しているため、アーマチュアアウタ27がアーマチュアインナ28に先行して移動する。これに連動して、アーマチュアアウタ27に連結された図示しない可動接点が移動し、バッテリに接続された固定接点に接触する。可動接点は、電動モータ3のブラシに電気的に接続されており、これにより、電動モータ3にバッテリの電力が供給され、回転軸10が回転する。
一方、アーマチュアアウタ27は、その右端側に一体形成されたフランジ27aがリング状円板26に当接したところで停止する。この際、アーマチュアアウタ27の左端面とフランジ25aの中央部との間には、隙間が形成された状態となっている。
回転軸10が回転すると、この回転力は、減速装置2で減速されて出力軸4に伝達される。このとき、出力軸4に取り付けられたクラッチアウタ18は、慣性抵抗によって静止しようとする。このため、ヘリカルスプライン19の働きによる軸方向力がクラッチアウタ18に加わり、クラッチアウタ18が左方への移動を開始する。一方、アーマチュアインナ28には、励磁コイル24による左方への吸引力とコイルばね36の押圧力が作用しており、アーマチュアインナ28も左方への移動を開始する。従って、このアーマチュアインナ28の移動力も、シフタ部材37を介して、クラッチアウタ18に軸方向力として加わる。
これらの軸方向力により、リターンスプリング21の付勢力に抗してクラッチアウタ18が左方へ押し出される。クラッチアウタ18が左方へ移動すると、クラッチインナ22もまた左方へ押し出され、クラッチインナ22と一体のピニオン6も左方に移動する。クラッチアウタ18はプレート20に当接する位置まで移動し、ピニオン6はリングギヤ23との正規噛み合い位置に到達する。これにより、ピニオン6とリングギヤ23が噛合し、出力軸4の回転力がリングギヤ23に伝達されエンジンが起動される。エンジンが起動し、ピニオン6の回転速度が回転軸10のそれを上回ると、オーバーランニングクラッチ5の作用によりピニオン6が空転し、電動モータ3側には伝達されない。
一方、クラッチアウタ18がプレート20に当接する位置まで移動したとき、アーマチュアインナ28の左端面は、ホルダ25のフランジ25aの中央部に当接する。アーマチュアインナ28はシフタ部材37と一体的に移動し、シフタ部材37の左端面とクラッチアウタ18との間には微小な間隙が形成される。このように、アーマチュアインナ28がフランジ25aの中央部に当接すると、アーマチュアインナ28には励磁コイル24の吸引力が最大に作用する。このため、ピニオン6がリングギヤ23から抜け出す方向に力が作用しても、クラッチアウタ18の右方への移動がシフタ部材37を介して阻止され、リングギヤ23からのピニオン6の抜け出しが防止される。
エンジンが始動しイグニッションスイッチがOFFされると、励磁コイル24への通電が停止され、その吸引力も消滅する。すると、クラッチアウタ18に対するリターンスプリング21の付勢力や、アーマチュアアウタ27に対するリターンスプリング35の付勢力により、ピニオン6が右方に移動しリングギヤ23から離脱する。それに伴い、アーマチュアアウタ27に連結された可動接点も移動し、固定接点から離れる。これにより、電動モータ3への電力供給が停止し、回転軸10が停止してエンジン始動装置1は静止状態に戻る。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、出力軸4に装着したピニオン6をリングギヤ23と噛合させてエンジンを起動させるエンジン始動装置を示したが、出力軸4と平行にアイドルシャフトを設けると共に、アイドルシャフト上に、ピニオン6と噛合しつつ軸方向に移動可能なアイドルギヤを設け、このアイドルギヤをエンジンのリングギヤと噛合させるようにしたアイドルギヤ付きのエンジン始動装置にも本発明は適用可能である。
また、前述の実施例では、サンギヤ13の逆組み規制部82に、軸孔52の端部全周に亘って内向フランジ83を設けた構成を示したが、逆組み規制部は、サンギヤ13を逆方向から回転軸10に装着できない構成であれば全周フランジには限定されない。例えば、逆組み規制部として、軸孔52の周縁から中心方向に突設した突起を設け、サンギヤ13の逆組みを阻止しても良い。なお、この場合、突起先端の内周側に形成された開口が第2開口となり、その内寸はギヤ装着部50の外径よりも小さい値に設定される。
本発明の一実施例であるエンジン始動装置の構成を示す断面図であり、中心線より上側は静止状態を、下側は通電状態を示している。 図1のエンジン始動装置における減速装置の構成を示す分解斜視図である。 図1のエンジン始動装置の減速装置のギヤ配置を示す説明図である。 サンギヤ近傍の構成を示す説明図である。 ギヤスラスト規制部の構成を示す説明図であり、(a)はその形成方法、(b)はそこにサンギヤを取り付けた状態をそれぞれ示している。 図1のエンジン始動装置においてサンギヤを逆組みしようとした場合の状態を示す説明図である。 従来のエンジン始動装置の構成を示す断面図である。 サンギヤをモータ回転軸と別体に形成した場合のサンギヤ近傍の構成を示す説明図である。 図8のエンジン始動装置にてサンギヤを逆組みした場合の状態を示す説明図である。
符号の説明
1 エンジン始動装置
2 減速装置
3 電動モータ
4 出力軸
5 オーバーランニングクラッチ
6 ピニオン
7 電磁装置
10 回転軸
10a 出力軸支持部
11 ボトムプレート
11a 印籠嵌合部
12 トッププレート
13 サンギヤ
14 プラネタリギヤ
15 内歯リングギヤ
16 ギヤ支持板
17 ギヤカバー
17a 印籠嵌合部
18 クラッチアウタ
18a 結合部
19 ヘリカルスプライン
20 プレート
21 リターンスプリング
22 クラッチインナ
23 リングギヤ
24 励磁コイル
25 ホルダ
25a フランジ
26 リング状円板
27 アーマチュアアウタ
27a フランジ
28 アーマチュアインナ
30 ストッパ
31 整流子部
31a 凹部
35 リターンスプリング
36 コイルばね
37 シフタ部材
38 セパレータ
38a 円筒部
38b 印籠嵌合部
39 ヨーク
40 貫通ボルト
50 ギヤ装着部
51 セレーション
52 軸孔
53 セレーション
54 ギヤスラスト規制部
55 ダレR部(圧造ダレ部)
56 軸本体部
57 フラット部
58 ギヤ当接面
59 ボス部
60 ギヤ部
61 軸方向端面
62 ギヤ部端面
81 開口(第1開口)
82 逆組み規制部
83 内向フランジ
84 開口(第2開口)
101 エンジン始動装置
102 ピニオン
103 リングギヤ
104 電磁装置
105 出力軸
106 オーバーランニングクラッチ
107 減速装置
108 モータ
109 回転軸
111 サンギヤ
112 プラネタリギヤ
113 ギヤ支持板
114 ケース
115 トッププレート
116 内歯リングギヤ
117 セパレータ
118 ヨーク
119 セレーション
121 セレーション
122 ボス部
D1 逆組み規制部の開口直径
D2 ギヤ装着部の外径
G 隙間
X スラスト規制位置

Claims (3)

  1. 電動機によって回転駆動され、軸方向に移動することによりエンジンのリングギヤと噛合するピニオンと、
    前記電動機と前記ピニオンとの間に介設され、遊星歯車機構により、前記電動機の回転を前記ピニオンに減速して伝達する減速装置とを備えてなるエンジン始動装置であって、
    前記遊星歯車機構は、前記電動機の回転軸とは別体に形成され、前記回転軸の外周に装着されるサンギヤを有し、
    前記サンギヤは、前記回転軸が挿通される軸孔と、前記軸孔の一端側に形成され前記回転軸が挿通不可能な逆組み規制部とを有することを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 請求項1記載のエンジン始動装置において、前記回転軸は、前記サンギヤが取り付けられるギヤ装着部を備え、前記軸孔は、前記軸孔の他端側に形成され前記ギヤ装着部の外径よりも大寸法の第1開口と、前記逆組み規制部に形成され前記ギヤ装着部の外径よりも小寸法の第2開口とを有することを特徴とするエンジン始動装置。
  3. 請求項2記載のエンジン始動装置において、前記逆組み規制部は、前記軸孔の中心方向に向かって延びその中央部に前記第2開口が形成された内向フランジを有することを特徴とするエンジン始動装置。
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