JP5874288B2 - スタータ - Google Patents

スタータ Download PDF

Info

Publication number
JP5874288B2
JP5874288B2 JP2011222396A JP2011222396A JP5874288B2 JP 5874288 B2 JP5874288 B2 JP 5874288B2 JP 2011222396 A JP2011222396 A JP 2011222396A JP 2011222396 A JP2011222396 A JP 2011222396A JP 5874288 B2 JP5874288 B2 JP 5874288B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pinion
motor
output shaft
tube
spline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011222396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013083174A (ja
Inventor
琢磨 神津
琢磨 神津
明菜 桑田
明菜 桑田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2011222396A priority Critical patent/JP5874288B2/ja
Publication of JP2013083174A publication Critical patent/JP2013083174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5874288B2 publication Critical patent/JP5874288B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、出力軸の外周にスプライン嵌合するピニオンチューブを有し、このピニオンチューブを出力軸に対し反モータ方向へ押し出して、ピニオンチューブの軸方向反モータ側の端部に支持されるピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータに関する。
片持ち構造と呼ばれる従来のスタータが特許文献1に記載されている。
このスタータは、図4に示す様に、モータ(図示せず)に駆動される出力軸100、この出力軸100の外周に軸受110を介して嵌合するピニオンチューブ120、出力軸100の回転をピニオンチューブ120に伝達するローラ式の一方向クラッチ130、ピニオンチューブ120の軸方向反モータ側(図示左側)の端部に直スプライン嵌合するピニオン140、クラッチ130とピニオン140との間に配置される軸受150を介してピニオンチューブ120を支持するハウジング160等より構成され、図示しない電磁スイッチの作動により、出力軸100に対しピニオンチューブ120をクラッチ130と一体に反モータ方向(図示左方向)へ押し出して、ピニオン140をエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式である。
上記のスタータは、電磁スイッチの作動によってピニオンチューブ120を反モータ方向へ押し出す際に、ピニオンチューブ120と一体にクラッチ130が移動する構成であるため、移動体(ピニオンチューブ120、クラッチ130、ピニオン140)の移動質量が大きくなり、電磁スイッチを小型化する上で問題となっている。
これに対し、特許文献2に記載された片持ち構造のスタータがある。
このスタータは、図5に示す様に、クラッチ130のインナチューブ131に対してピニオン軸170がヘリカルスプライン嵌合によって軸方向へ移動可能に設けられ、そのピニオン軸170の軸方向反モータ側の端部にピニオン140が組み付けられている。この構成では、電磁スイッチの作動によってピニオン軸170を反モータ方向へ押し出す際に、クラッチ130が移動しないため、特許文献1のスタータと比較して、移動体(ピニオン軸170、ピニオン140)の移動質量を小さくできる。その結果、移動体を押し出すための吸引力を発生する電磁スイッチの小型化を図ることが可能である。
特開2006−177168号公報 特開2007−146759号公報
ところが、特許文献2に記載されたスタータは、インナチューブ131の内周に雌ヘリカルスプラインが形成され、この雌ヘリカルスプラインに噛み合う雄ヘリカルスプラインがピニオン軸170の外周に形成されている。つまり、クラッチ130の内部でスプライン嵌合する構造となっているため、インナーチューブ131の内径を大きくする必要があり、結果的にクラッチ130が径方向に大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ピニオンを押し出す際にクラッチを一体に押し出さない構造において、クラッチを小型化することにより、スタータの小型化を実現することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載のスタータは、トルクを発生するモータと、このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、モータの発生トルクを出力軸に伝達するクラッチと、内周面に雌スプラインが形成された円筒孔を有し、この円筒孔の内周に出力軸の軸方向反モータ側を挿入して雄スプラインと雌スプラインとが噛み合わされるピニオンチューブと、このピニオンチューブの軸方向反モータ側の端部に配設され、ピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動し、このシフトレバーを介して、ピニオンチューブをピニオンと一体に出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドとを備える。
そして、雄スプライン及び雌スプラインの軸方向モータ側の端部は、それぞれクラッチよりも軸方向反モータ側に位置するように設けられている。
そして、スタータは、電磁ソレノイドの作動により、ピニオンチューブを出力軸に対し反モータ方向へ押し出して、ピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる。つまり、エンジンの始動を行う際に、電磁ソレノイドの作動によってシフトレバーが駆動され、このシフトレバーを介して、ピニオンチューブがピニオンと一体に出力軸に対して反モータ方向へ押し出される。
これによれば、電磁ソレノイドの作動によってピニオンチューブをピニオンと一体に反モータ方向へ押し出す際に、出力軸およびクラッチが移動しない。
そして、この構造であるならば、ピニオンを押し出すためのスプラインはクラッチの外に設けられることになる。
このため、スプラインを設けるためにクラッチを大きくする必要がなく、クラッチの小型化、ひいては、スタータの小型化を実現できる。
また、請求項1に記載のスタータによれば、ピニオンチューブは、雌スプラインと雄スプラインとの噛み合いによって出力軸に支持され、雌スプラインの軸方向反モータ側では出力軸によって支持されていないことを特徴としている。
このように、ピニオンチューブの雌スプラインの軸方向反モータ側で出力軸によって軸支させる構造を設けないため、ピニオンチューブの雌スプラインの軸方向反モータ側の長さ及び出力軸の軸方向長さを短くすることができる。従って、スタータの軸方向長さを短くすることができ、スタータの小型化を実現することができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載のスタータによれば、ピニオンチューブは、外周に設けられた軸受によって軸支されている。そして、ピニオンチューブが軸受によって軸支されている軸方向範囲を軸受範囲とすると、電磁ソレノイドの作動によりピニオンチューブが出力軸に対し反モータ方向へ押し出されてピニオンとリングギヤとが噛み合うスタータ駆動時に、雄スプラインと雌スプラインとが噛み合った噛合い部の少なくとも一部が軸受範囲と軸方向において重複する。
これによれば、請求項1の効果に加えて、スプラインの噛合い部の軸方向に対する傾きを抑制することができる。
スタータの一部断面を含む全体図である(実施例)。 (a)スタータ停止時のピニオンチューブ及びピニオンの位置を示す断面図、(b)スタータ駆動時のピニオンチューブ及びピニオンの位置を示す断面図である(実施例)。 (a)〜(d)は本発明の作用効果を説明する説明図である(実施例)。 従来技術(特許文献1)に係るスタータの要部断面図である。 従来技術(特許文献2)に係るスタータの要部断面図である。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
〔実施例〕
スタータ1は、図1に示す様に、トルクを発生するモータ2、このモータ2の回転を減速する減速装置3、この減速装置3の出力側にクラッチ4を介して連結される出力軸5、この出力軸5の外周にスプライン嵌合するピニオンチューブ6、このピニオンチューブ6の軸方向反モータ側(図示左側)の端部に組み付けられ、ピニオンチューブ6と一体に回転するピニオン7、電磁石の吸引力によってシフトレバー8を駆動し、このシフトレバー8を介して、ピニオンチューブ6をピニオン7と一体に出力軸5に対して押し出す働きを有すると共に、後述するメイン接点を開閉してモータ2の通電電流を断続する電磁スイッチ9等より構成される。なお、以下の説明では、クラッチ4より軸方向モータ側(図示右側)を後端側、クラッチ4より軸方向反モータ側を前端側と定義し、電磁スイッチ9の作動によってピニオンチューブ6が出力軸5に対して押し出される方向(図示左方向)を反モータ方向、ピニオンチューブ6が押し戻される方向をモータ方向と定義する。
モータ2は、例えば、フレームを兼ねるヨーク2aの内周に永久磁石(界磁コイルでも良い)を配置して構成される界磁、電機子軸2bの外周に整流子(図示せず)を備える電機子、整流子の外周上に配置されるブラシ(図示せず)等を有する直流整流子モータであり、電磁スイッチ9の作動によりメイン接点が閉成して電機子に通電されると、界磁との相互作用により電機子にトルクを発生する。
減速装置3は、図2に示す様に、電機子軸2bの反整流子側(図示左側)に形成される太陽歯車3aと、この太陽歯車3aと同心に配置されるリング状の内歯車3bと、太陽歯車3aと内歯車3bとに噛み合う複数(例えば3個)の遊星歯車3cとで構成され、太陽歯車3aの回転に伴って、遊星歯車3cが自転運動と公転運動を行う遊星歯車減速機である。
クラッチ4は、図2に示す様に、減速装置3の遊星歯車3cを回転自在に支持する歯車軸3dと一体に設けられたアウタ4a、このアウタ4aの内周に相対回転可能に配置されるインナ4b、アウタ4aとインナ4bとの間に配設されるローラ4c(動力断続部材)等より構成され、このローラ4cを介してアウタ4aからインナ4bへ回転トルクを伝達する一方、インナ4bからアウタ4aへのトルク伝達をローラ4cが空転することで遮断する一方向クラッチである。
出力軸5は、モータ2の電機子軸2bと同一軸線上に配置されて、後端側(図示右側)の端部がクラッチ4のインナ4bと一体に設けられ、外周面が軸受10を介してセンタケース11に回転自在に支持されている。
出力軸5には、図2に示す様に、軸受10に支持される外周面より前端側の外周面に雄ヘリカルスプライン5aが形成されている。つまり、雄ヘリカルスプライン5aの軸方向モータ側の端部は、クラッチ4よりも軸方向反モータ側に位置するように設けられている。
さらに、雄ヘリカルスプライン5aの前端面より前端側には、ピニオンチューブ6の最大前進位置を規制する前進ストッパ5bが形成されている。また、出力軸5の軸受10に支持される外周面と雄ヘリカルスプライン5aとの間には、全周に周溝5cが凹設され、この周溝5cにピニオンチューブ6の停止位置を規制するストッパ部材12が取り付けられている。
なお、本実施例では、軸受10にすべり軸受を使用しているが、ボールベアリング、ニードルベアリングでもよい。また、軸受10のモータ側には軸受10とインナ4bの相対回転による磨耗を抑制するためにワッシャ13が配設されている。
ストッパ部材12は、例えば、Eクリップであり、このEクリップを周溝5cの外周に嵌め込んで使用される。なお、Eクリップは、複数枚重ねて使用することもできる。また、Eクリップの外周には、出力軸5の回転時に生じる遠心力によってEクリップが周溝5cから外れないように、カバー15を被せても良い。
ピニオンチューブ6は、図2に示す様に、内周面に雌ヘリカルスプライン6aが形成された円筒孔6bを有するチューブ本体6Aと、このチューブ本体6Aより前端側に設けられるピニオン摺動部6Bとを有し、チューブ本体6Aの外周面が軸受16を介してハウジング17に回転自在および軸方向に摺動自在に支持されると共に、円筒孔6bの内周に出力軸5が挿入されて、雄ヘリカルスプライン5aと雌ヘリカルスプライン6aとが噛み合うことにより、出力軸5に対し相対回転可能に、且つ、軸方向へ移動可能に支持されている。
雌ヘリカルスプライン6aの軸方向モータ側の端部も、クラッチ4よりも軸方向反モータ側に位置するように設けられて、出力軸5の雄ヘリカルスプライン5aと噛み合い可能に設けられている。
上述したピニオンチューブ6の最大前進位置は、雌ヘリカルスプライン6aの前端面が前進ストッパ5bの後端面に当接することで規制される。
なお、本実施例では、軸受16にボールベアリングを使用しているが、すべり軸受(平軸受)やニードルベアリングでも良い。
チューブ本体6Aの円筒孔6bは、内周面に雌ヘリカルスプライン6aが形成されている。円筒孔6bの後端側の内径は、雌ヘリカルスプライン6aの歯底径と同一寸法に形成されている。
なお、出力軸5の前進ストッパ5bよりも軸方向反モータ側では、円筒孔6bの内周面を支持する箇所は存在せず、本実施例では、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとの噛み合い部分のみによってピニオンチューブ6が出力軸5に支持されている。
そして、ピニオンチューブ6が軸受16によって支持されている軸方向範囲を軸受範囲jとすると、ソレノイドSLの作動によりピニオンチューブ6が出力軸5に対し反モータ方向へ押し出されたスタータ駆動時に、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとが噛み合った噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向において重複する。
なお、「スタータ駆動時」とは、スタータ停止時(図2(a)参照)からピニオンチューブ6が押し出されてピニオン7がエンジンのリングギヤG(図1参照)に噛み合い、モータ2の発生トルクをピニオン7からリングギヤGに伝達してエンジンをクランキングしている状態(図2(b)参照)をいう。
本実施例では、雄ヘリカルスプライン5aの軸方向反モータ側の一部が軸方向において軸受範囲jと重複しており、図2(b)に示すように、スタータ駆動時に、噛合い部Xの軸方向反モータ側の一部の範囲kが軸受範囲jに入るように、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとが設定されている。
チューブ本体6Aの後端側の端部には、図1に示す様に、シフトレバー8の端部に係合するレバー係合部19が取り付けられている。
また、チューブ本体6Aの外周には、軸受16の前端側に外部からの異物の侵入を防止するシール部材20が配設されている。このシール部材20は、例えば、ゴム製のオイルシールであり、チューブ本体6Aの外周面にリップ部が摺接した状態でハウジング17に保持されている。
ピニオン摺動部6Bは、チューブ本体6Aより外径が小さく形成され、且つ、外周面に直スプライン歯が軸方向に沿って形成されている。
ピニオン7は、ピニオンチューブ6と別体に設けられて、ピニオン摺動部6Bに対し軸方向に移動可能に組み付けられ、且つ、ピニオンスプリング21によってピニオン摺動部6Bの前端側へ付勢され、ピニオン摺動部6Bの前端側の端部に取り付けられたピニオンストッパ22によって軸方向の移動が規制されている。
ピニオン7は、図2に示す様に、前端側の内周に開口して内周面に直スプライン溝が軸方向に沿って形成された摺動孔7bと、この摺動孔7bに連通して後端側の内周に開口すると共に、摺動孔7bより内径が大きく形成された大径孔7cとを有している。
このピニオン7は、大径孔7cの内周を通って摺動孔7bの内周にピニオン摺動部6Bが挿入され、直スプライン歯と直スプライン溝とが噛み合うことで、ピニオン摺動部6Bに対し軸方向に移動可能に組み付けられている。また、ピニオン7は、大径孔7cの後端側端部の内周にチューブ本体6Aの前端側端部の外周が嵌合している。
ピニオンスプリング21は、ピニオンチューブ6のチューブ本体6Aとピニオン摺動部6Bとの間に形成される径方向の段差面と、ピニオン7の大径孔7cと摺動孔7bとの間に形成される径方向の段差面との間に配設されている。
電磁スイッチ9は、図1に示す様に、電磁石の吸引力によってプランジャ23を駆動するソレノイドSLと、内部にメイン接点を配置する樹脂カバー24とを有し、この樹脂カバー24がソレノイドSLの磁気回路を兼ねるフレームの開口端部にかしめ固定されている。ソレノイドSLは、通電によって電磁石を形成する励磁コイル25、この励磁コイル25の内周を軸方向に移動可能に配置される上記プランジャ23、励磁コイル25への通電が停止して電磁石の吸引力が消滅した時にプランジャ23を押し戻すためのリターンスプリング26、ピニオン7をエンジンのリングギヤGに噛み合わせるための反力を蓄えるドライブスプリング27、このドライブスプリング27を介してプランジャ23の動きをシフトレバー8に伝達するジョイント28等より構成される。
メイン接点は、樹脂カバー24に固定される2本の端子ボルト29、29を介してモータ2の電源ラインに接続される一組の固定接点(図示せず)と、プランジャ23の動きに連動して一組の固定接点間を電気的に断続する可動接点(図示せず)とで構成される。
このメイン接点は、プランジャ23が電磁石に吸引されて図1の右方向へ移動する時に、可動接点が一組の固定接点に当接して両固定接点間を導通することで閉成し、電磁石の吸引力が消滅してプランジャ23がリターンスプリング26によって押し戻される時に、可動接点が一組の固定接点から離れて両固定接点間の導通を遮断することで開成する。
シフトレバー8は、ハウジング17に回動自在に支持されるレバー支点部8aを有し、このレバー支点部8aより一端側のレバー端部が電磁スイッチ9のジョイント28に連結され、レバー支点部8aより他端側のレバー端部がチューブ本体6Aに取り付けられたレバー係合部19に係合する。
次に、スタータ1の作動を説明する。
ユーザにより始動スイッチ(図示せず)が閉操作されると、バッテリより電磁スイッチ9の励磁コイル25に通電されて電磁石が形成され、その電磁石に吸引されてプランジャ23が移動する。このプランジャ23の動きがシフトレバー8を介してピニオンチューブ6に伝達されることで、ピニオンチューブ6がピニオン7と一体に反モータ方向へ押し出される。この時、ピニオン7がリングギヤGに噛み合わず、ピニオン7の端面がリングギヤGの端面に当接すると、ピニオン7の移動は停止し、ピニオンスプリング21を押し縮めながらピニオンチューブ6のみ押し出される。
この後、ドライブスプリング27に反力を蓄えながらプランジャ23が更に移動してメイン接点が閉じると、バッテリより電力の供給を受けてモータ2にトルクが発生する。モータ2の発生トルクは、減速装置3で増幅された後、クラッチ4を介して出力軸5に伝達され、さらに、出力軸5からピニオンチューブ6に伝達されることで、ピニオンチューブ6が回転する。ピニオンチューブ6の回転により、ピニオン7がリングギヤGと噛み合い可能な位置まで回転すると、ドライブスプリング27に蓄えられた反力と、モータ2の発生トルクがヘリカルスプライン5a、6aにより変換されて発生する軸方向の推力(前進力)とでピニオンチューブ6が押し出され、さらに、ピニオンスプリング21の反力でピニオン7が押し出されることで、ピニオン7とリングギヤGとの噛み合いが成立する。これにより、モータ2の発生トルクがピニオン7からリングギヤGに伝達されて、エンジンをクランキングする。
クランキングからエンジンが完爆した後、ユーザにより始動スイッチが開操作されると、励磁コイル25への通電が停止して電磁石の吸引力が消滅するため、リターンスプリング26の反力でプランジャ23が押し戻される。その結果、メイン接点が開いてバッテリからモータ2への通電が停止され、電機子の回転が次第に減速して停止する。
また、プランジャ23が押し戻されると、エンジン始動時と反対方向にシフトレバー8が揺動してピニオンチューブ6がモータ方向へ押し返されることにより、ピニオン7がリングギヤGから離脱して、図2(a)に示すスタータ停止位置までピニオンチューブ6と一体に後退する。
〔実施例の作用および効果〕
実施例に示すスタータ1は、軸受16を介してハウジング17に支持されるピニオンチューブ6の前端側の端部にピニオン摺動部6Bが設けられ、このピニオン摺動部6Bの外周にピニオン7が直スプライン嵌合して組み付けられている。言い換えると、ピニオン7より前端側にピニオンチューブ6を支持する軸受を持たない片持ち構造のスタータ1である。
このスタータ1において、ピニオンチューブ6は、出力軸5の外周にヘリカルスプライン嵌合によって組み付けられ、エンジンの始動を行う際に、電磁スイッチ9の作動によって、出力軸5に対し反モータ方向へ押し出される。また、出力軸5は、後端側の端部がクラッチ4のインナ4bと一体に設けられている。この構成によれば、エンジンの始動を行う際に、出力軸5およびクラッチ4が移動することはない。
また、ピニオンチューブ6は、出力軸5の外周にヘリカルスプライン嵌合して、出力軸5に対し軸方向に移動可能に組み付けられるため、チューブ本体6Aが中空状に形成される。これにより、ピニオンチューブ6の軽量化を図ることができる。
これに対し、図5に示す特許文献2のスタータに用いられるピニオン軸170は、インナチューブ131の内周にヘリカルスプライン嵌合して組み付けられるため、ピニオン軸170を中空状に形成すると、ピニオン軸170の剛性が不足する虞がある。すなわち、ピニオン軸170を中空状に形成しても、ピニオン軸170を内周側から支える部品が存在しないため、ピニオン軸170を軽量化するために中空状に形成することは困難である。
上記の結果、本実施例のスタータ1は、ピニオンチューブ6とピニオン7を含む移動体の移動質量を小さくできるので、シフトレバー8を介して移動体を押し出すための吸引力を発生する電磁スイッチ9の小型化を図ることができる。
さらに、ピニオンチューブ6により出力軸5に対してピニオン7を押し出す構造としたため、ピニオン7を押し出すためのスプラインをクラッチ4の外に設けることが可能となっている。つまり、雌ヘリカルスプライン6a及び雄ヘリカルスプライン5aの軸方向モータ側の端部は、それぞれクラッチ4よりも軸方向反モータ側に位置するように設けられている。
このため、スプラインを設けるためにクラッチ4を大きくする必要がなく、クラッチ4の小型化、ひいては、スタータ1の小型化を実現できる。
また、本実施例では、ピニオンチューブ6が軸受16によって支持されている軸方向範囲を軸受範囲jとすると、スタータ駆動時に、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとが噛み合った噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向において重複する。
これによれば、噛合い部Xの軸方向に対する傾きを抑制することができる。この点を図3を用いて説明する。
図3(a)、(b)に示すように、一般に軸が軸受に支持されている場合、軸と軸受との間にクリアランスがあるため、軸方向に離れた位置ほど傾きが大きくなり、軸受内では傾きが小さくなる。
本実施例では、ピニオンチューブ6は外周側を軸受16に内周側を出力軸5によって支持されているが、図3(a)、(b)で説明したのと同様に、軸受16から軸方向に離れた位置ほど傾きが大きく、軸受16内ではピニオンチューブ6の傾きが小さい(図3(c)、(d)参照)。
従って、軸方向において軸受16と重複する位置に噛合い部Xが位置することで、噛合い部Xの傾きを小さくすることができる。
〔変形例〕
実施例に記載したクラッチ4は、動力断続部材としてローラ4cを使用するローラ式クラッチの一例を記載したが、ローラ4cに替えてスプラグを動力断続部材として用いるスプラグ式クラッチ、あるいは、動力断続部材にカムを用いるカム式クラッチ等でも良い。
本発明のスタータに使用されるモータ2は、実施例に記載した直流整流子モータに限定されるものではなく、例えば、交流モータを使用することも出来る。
実施例では、ピニオン7がピニオンチューブ6と別体に設けられ、ピニオン摺動部6Bの外周に直スプライン嵌合する構成を記載したが、ピニオン7とピニオンチューブ6とを一体に設けても良い。
また、実施例では、出力軸5がインナ4bと一体に設けられていたが、一体でなくても、出力軸5がインナ4bと共に回転するように設けても良い。
また、実施例では、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとの噛み合い部分のみによってピニオンチューブ6が出力軸5に支持されており、雌ヘリカルスプライン6aよりも軸方向反モータ側では円筒孔6bの内周と出力軸5とが摺接しない構成である。しかし、雌ヘリカルスプライン6aよりも軸方向反モータ側で円筒孔6bの内周と出力軸5とが摺接する構成としても良い。
また、実施例では、スタータ駆動時に、噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向において重複していたが、スタータ停止時においても噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向に重複するようにしても良い。
実施例に記載した電磁スイッチ9は、電磁石によって吸引されたプランジャ23が移動することで、シフトレバー8を駆動すると共に、メイン接点を閉成する構成であるが、シフトレバー8を駆動してピニオンチューブ6を反モータ方向へ押し出す働きと、メイン接点を開閉する働きとを別々のソレノイドで行う構成でも良い。すなわち、シフトレバー8を駆動してピニオンチューブ6を反モータ方向へ押し出すためのピニオン押し出し用ソレノイド(本発明に係る電磁ソレノイド)と、メイン接点を開閉してモータ2の通電電流を断続するモータ通電用ソレノイドとを備えるタンデム構造の電磁スイッチとすることも出来る。
さらに、ピニオン押し出し用ソレノイドとモータ通電用ソレノイドは、両者を共通のフレームに収容して一つの電磁スイッチとして構成することもできるが、両ソレノイドをそれぞれ専用のフレームに収容して独立した構成とすることもできる。
このタンデム構造の電磁スイッチは、ピニオン押し出し用ソレノイドとモータ通電用ソレノイドの作動をECU(電子制御装置)によって独立に制御することが可能であり、近年、車両への搭載が進んでいるアイドリングストップに対して好適に採用することが出来る。なお、アイドリングストップとは、例えば、交差点での赤信号や渋滞等により車両が一時停止した際に、エンジンへの燃料噴射を停止してエンジンを自動的に停止させるシステムである。
1 スタータ
2 モータ
2b 電機子軸(モータの回転軸)
4 クラッチ
5 出力軸
5a 雄ヘリカルスプライン(雄スプライン)
6 ピニオンチューブ
6A チューブ本体
6B ピニオン摺動部
6a 雌ヘリカルスプライン(雌スプライン)
6b チューブ本体に形成される円筒孔
7 ピニオン
8 シフトレバー
9 電磁スイッチ
16 軸受
G リングギヤ
SL ソレノイド(電磁ソレノイド)
X 噛合い部
j 軸受範囲

Claims (2)

  1. トルクを発生するモータと、
    このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、
    前記モータの発生トルクを前記出力軸に伝達するクラッチと、
    内周面に雌スプラインが形成された円筒孔を有し、この円筒孔の内周に前記出力軸の軸方向反モータ側を挿入して前記雄スプラインと前記雌スプラインとが噛み合わされるピニオンチューブと、
    このピニオンチューブの軸方向反モータ側の端部に配設され、前記ピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、
    電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動し、このシフトレバーを介して、前記ピニオンチューブを前記ピニオンと一体に前記出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドとを備え、
    前記雄スプライン及び前記雌スプラインの軸方向モータ側の端部は、それぞれ前記クラッチよりも軸方向反モータ側に位置するように設けられており、
    前記電磁ソレノイドの作動により、前記ピニオンチューブを前記出力軸に対し反モータ方向へ押し出して、前記ピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせるものであり、
    前記ピニオンチューブは、前記雌スプラインと前記雄スプラインとの噛み合いによって前記出力軸に支持され、前記雌スプラインの軸方向反モータ側では前記出力軸によって支持されていないことを特徴とするスタータ。
  2. 請求項1に記載したスタータにおいて、
    前記ピニオンチューブは、外周に設けられた軸受によって軸支されており、
    前記ピニオンチューブが前記軸受によって軸支されている軸方向範囲を軸受範囲とすると、
    前記電磁ソレノイドの作動により前記ピニオンチューブが前記出力軸に対し反モータ方向へ押し出されて前記ピニオンと前記リングギヤとが噛み合うスタータ駆動時に、前記雄スプラインと前記雌スプラインとが噛み合った噛合い部の少なくとも一部が前記軸受範囲と軸方向において重複することを特徴とするスタータ。

JP2011222396A 2011-10-07 2011-10-07 スタータ Expired - Fee Related JP5874288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011222396A JP5874288B2 (ja) 2011-10-07 2011-10-07 スタータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011222396A JP5874288B2 (ja) 2011-10-07 2011-10-07 スタータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013083174A JP2013083174A (ja) 2013-05-09
JP5874288B2 true JP5874288B2 (ja) 2016-03-02

Family

ID=48528603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011222396A Expired - Fee Related JP5874288B2 (ja) 2011-10-07 2011-10-07 スタータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5874288B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6379603B2 (ja) 2014-04-04 2018-08-29 株式会社デンソー エンジン始動装置
JP6318097B2 (ja) * 2015-01-14 2018-04-25 株式会社豊田中央研究所 回転電機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5853943U (ja) * 1981-10-07 1983-04-12 日興電機工業株式会社 機関始動装置用クラツチ
JPH10238441A (ja) * 1997-02-20 1998-09-08 Denso Corp スタータ
JP4124045B2 (ja) * 2003-07-03 2008-07-23 株式会社デンソー スタータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013083174A (ja) 2013-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4552924B2 (ja) スタータ
US8402849B2 (en) Starter for vehicles
US8610296B2 (en) Starter adapted to absorb engine-oscillation
JP2006233930A (ja) スタータ
JP5267300B2 (ja) スタータ
JP4992692B2 (ja) スタータ
US9057350B2 (en) Starter
JP2013083177A (ja) スタータ
JP5765974B2 (ja) スタータ
JP5874288B2 (ja) スタータ
JP2013083180A (ja) スタータ
JP2013083182A (ja) スタータ
JP3874707B2 (ja) スタータ
JP2009068389A (ja) スタータ
JP5919715B2 (ja) スタータ
JP2013083178A (ja) スタータ
JP2009180211A (ja) スタータ
JP2013083165A (ja) スタータ
JP6291954B2 (ja) スタータ
JP4305422B2 (ja) スタータおよびその製造方法
JP2007154719A (ja) スタータ
JP5472367B2 (ja) エンジン始動装置
JP2008057450A (ja) 常時噛合い式スタータ
JP2009036071A (ja) エンジン始動装置
JP6479270B2 (ja) 内燃機関の始動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160104

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5874288

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees