JP4305422B2 - スタータおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受を介してハウジングに回転自在および軸方向に摺動自在に支持されるピニオン軸と、このピニオン軸の端部に配置されるピニオンとを有し、エンジン始動時にピニオン軸をエンジン側へ移動させて、ピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータに関する。
従来技術として、特許文献1に記載されたスタータが知られている。
このスタータは、モータに駆動される出力軸の外周にクラッチを介して連結される筒状のピニオン軸を有し、このピニオン軸が、ハウジングに形成された軸孔の内周に軸受を介して回転自在及び軸方向に摺動自在に支持されている。軸受よりエンジン側に突き出るピニオン軸の端部には、ピニオンがスプライン結合され、ピニオン軸に対しEクリップによって抜け止めされている。
エンジン始動時には、ピニオン軸が出力軸上をエンジン側へ移動して、ピニオンがエンジンのリングギヤに噛み合わされ、クラッチを介してピニオン軸に伝達される回転力がピニオンからリングギヤに伝達されてエンジンをクランキングする。
特開2000−9003号公報
ところで、ピニオン軸が軸受の内周を軸方向に移動し、且つピニオン軸の端部がハウジングの外側(軸受よりエンジン側)に取り出されている構成では、ハウジングの外側から軸受とピニオン軸との摺動隙間を通って異物が侵入する可能性がある。これに対し、上記のスタータでは、軸受のピニオン側にシール部材(例えばオイルシール)を配置して、このシール部材の内周がピニオン軸の外周面に摺接することにより、異物の侵入を防止している。
しかし、ピニオンには、周方向に隣合う歯と歯の間に隙間があり、且つピニオンの外周とハウジングの内周との間にも隙間があるため、この隙間を通ってピニオンとシール部材との間に異物が侵入する恐れがある。このため、大量のダスト等がピニオンとシール部材との間に侵入すると、例えば、ピニオンがリングギヤから離脱して戻る時に、そのピニオンによって大量のダストがシール部材に押し付けられるため、シール性能に悪影響を与えることがある。最悪の場合には、シール部材が損傷(例えば、オイルシールのリップ部が損傷)してシール性能が大きく低下し、その結果、スタータの内部に異物が侵入することが懸念される。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ピニオンとシール部材との間に侵入する異物を低減してシール部材の損傷を防止することにより、シール性能を維持できるスタータを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、ハウジングの端部に軸受を介して回転自在及び軸方向に摺動自在に支持されると共に、モータの回転がクラッチを介して伝達されるピニオン軸と、軸受よりハウジングの外側へ突き出るピニオン軸の前端部に支持され、ピニオン軸と一体に回転すると共に、ピニオン軸の前端部の外周に軸方向へ移動自在に嵌合して、ピニオン軸との間に配置される弾性部材によってピニオン軸の先端方向へ付勢され、ピニオン軸の先端部に設けられたストッパに当接して位置決めされるピニオンと、軸受のピニオン側に配置されてハウジングに固定され、ピニオン軸の外周面に摺接するシール部材とを備え、エンジン始動時にピニオン軸をエンジン側へ押し出してピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータであって、ハウジングは、シール部材の反軸受側でシール部材の外周部を支持する環状の先端壁部を有し、ピニオンは、軸方向の反エンジン側端部に、周方向に隣合う歯と歯の間を塞ぐ遮蔽部が設けられて、ピニオン軸が静止状態の時に、遮蔽部が先端壁部の内周に入り込み、遮蔽部の外周と先端壁部の内周とが軸方向に所定長さだけ重なっており、且つ、ピニオンの反エンジン側端部の内周には、弾性部材を配置するために内径が拡大された拡大内径部が設けられると共に、この拡大内径部の径方向外側に遮蔽部が設けられ、ピニオン軸は、ピニオンが嵌合する前端部の外径が、軸受に支持される本体軸部の外径より小さく設けられて、前端部と本体軸部との間で径方向に段差(径方向段差と呼ぶ)が形成され、遮蔽部が設けられるピニオンの反エンジン側端面(後端面と呼ぶ)には、外径側より内径側の方がピニオンの軸方向長さが短くなる様に、外径側と内径側との間で軸方向に段差(軸方向段差と呼ぶ)が形成されると共に、この軸方向段差の内径が本体軸部の外径より若干大きく設けられ、外径側の後端面が、ピニオン軸に形成された径方向段差より反エンジン側に位置して、軸方向段差と本体軸部とが軸方向に重なっていることを特徴とする。
上記の構成によれば、ピニオンの歯と歯の間を通ってピニオンとシール部材との間に異物が侵入することを防止できる。つまり、ピニオンの反エンジン側端部に設けられた遮蔽部が周方向に隣合う歯と歯の間を塞いでいるので、ピニオンとシール部材との間に異物が侵入可能な経路を大幅に制限できる。その結果、ピニオンとシール部材との間に大量の異物が侵入する可能性が低くなるため、異物によってシール部材が損傷することを防止でき、シール性能を維持できるので、スタータ内部への異物の侵入を抑制できる。
また、ピニオン軸が静止状態の時、つまりスタータが停止状態の時に、ピニオンの反エンジン側端部に設けられた遮蔽部とハウジングの先端壁部とが軸方向に重なるため、ピニオンとシール部材との間に異物が侵入できる隙間を小さくでき、大量の異物がシール部材まで到達することを抑制できる。
さらに、ピニオン軸に嵌合するピニオンの内径からピニオンの歯底までの肉厚が、拡大内径部を設けた部分だけ薄くなるため、遮蔽部の無い従来のピニオンであれば、拡大内径部を設けることで強度低下を招く恐れがある。これに対し、本発明では、拡大内径部の径方向外側に遮蔽部が設けられているので、遮蔽部を含めた肉厚を厚く設定できるので、上記の強度低下を防止できる。また、強度確保のために防炭処理等を実施する必要もなく、生産性を向上できる。
また、ピニオンの内径に拡大内径部を設けた場合、必然的にピニオンとピニオン軸との嵌合長さが短くなるため、その分、ピニオン軸に対してピニオンが傾き易くなる。これに対し、本発明では、遮蔽部が設けられるピニオンの後端面に軸方向段差が形成され、この軸方向段差とピニオン軸の本体軸部とが軸方向に重なっているため、ピニオンの傾きを抑制できる。つまり、ピニオンが傾いた場合に、軸方向段差の内周が本体軸部の外周に当接することで、それ以上のピニオンの傾きを防止できる。従って、軸方向段差の内周と本体軸部の外周との間の隙間を小さく設定すれば、ピニオンの傾きを小さく抑えることができるので、ピニオンとリングギヤとの噛み合い性の向上が期待できる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1(a)は、スタータ1をピニオン側から見た軸方向正面図、同図(b)は、スタータ1の一部断面を含む全体側面図である。
実施例1に示すスタータ1は、回転力を発生するモータ2と、このモータ2に駆動されて回転する出力軸3と、この出力軸3と同芯に配置されるピニオン軸4と、このピニオン軸4の前端部4a(反モータ側の端部)に支持されるピニオン5と、出力軸3の回転をピニオン軸4に伝達するクラッチ6と、モータ2の通電回路に接続されるメイン接点(図示せず)を開閉すると共に、シフトレバー7を介してクラッチ6を反モータ方向(図1(b)の左方向)へ押し出す働きを有する電磁スイッチ8等より構成される。
モータ2は、ヨークの内周に永久磁石あるいは界磁コイルを配置して構成される界磁(図示せず)と、この界磁の内側に回転自在に支持される電機子(図示せず)とを有し、この電機子に作用する電磁力によって電機子に回転力を発生する直流電動機である。
出力軸3は、モータ2の電機子軸(図示せず)と同一軸線上に配置され、その電機子軸に減速装置(図示せず)を介して連結されている。
減速装置は、例えば、周知の遊星歯車減速機であり、電機子軸の回転を遊星歯車の公転速度まで減速して出力軸3に伝達する。なお、減速装置を持たない構成として、電機子軸と出力軸3とを直結しても良い。
ピニオン軸4は、ピニオン5を支持する前端部4aより後方側が円筒形状に設けられ、その円筒形状の内周面に圧入された軸受9(図2(b)参照)を介して出力軸3の外周に相対回転自在及び軸方向に摺動自在に嵌合すると共に、円筒形状の外周面がハウジング10に保持された軸受11(例えばボールベアリング)を介して回転自在及び軸方向に摺動自在に支持されている。このピニオン軸4は、図2(b)に示す様に、ピニオン5を支持する前端部4aの外径が、円筒形状に形成された本体軸部4bの外径より小さく設けられ、前端部4aと本体軸部4bとの間で径方向に段差(以下、径方向段差4cと呼ぶ)が形成されている。
ピニオン5は、軸受11よりハウジング10の外側へ突き出るピニオン軸4の前端部4aにセレーション嵌合して軸方向に移動可能に取り付けられると共に、ピニオン軸4との間に配置されるスプリング12によってピニオン軸4の前方へ付勢され、ピニオン軸4の先端部に取り付けられたクリップ13(本発明のストッパ)にピニオン5の前端が当接して位置決めされている。
スプリング12は、図2(b)に示す様に、ピニオン5の内周後端部に凹設されたスプリング室14に収容され、そのスプリング室14の軸方向前端面と、ピニオン軸4に形成された径方向段差4cとの間に圧縮された状態で組み付けられている。
上記のピニオン5には、軸方向の後端部(反エンジン側端部)に遮蔽部15が設けられている。この遮蔽部15は、図2(a)に示す様に、ピニオン5の周方向に隣合う歯と歯の間を全周に渡って塞ぐものであり、例えば、冷鍛加工によってピニオン5と一体に形成される。なお、遮蔽部15の外径は、ピニオン5の歯先円の外径と略同じ、あるいはそれ以上に設けられる。
また、ピニオン5の後端面(反エンジン側の端面)には、図2(b)に示す様に、遮蔽部15が設けられた外径側より内径側の方がピニオン5の軸方向長さが短くなる様に、外径側と内径側との間で軸方向に段差(以下、軸方向段差5aと呼ぶ)が形成されている。この軸方向段差5aの内径は、ピニオン軸4の本体軸部4bの外径より若干(1〜2mm程度)大きく設けられ、且つ外径側の後端面が、ピニオン軸4に形成された径方向段差4cより反エンジン側(図示右側)に位置している。つまり、ピニオン5の軸方向段差5aとピニオン軸4の本体軸部4bとが軸方向に数mm程、重なっている。
クラッチ6は、ピニオン軸4の後端部に組み付けられると共に、出力軸3の外周に形成された雄ヘリカルスプライン3aに噛み合っている。このクラッチ6は、出力軸3からピニオン軸4へのトルク伝達を許容し、ピニオン軸4から出力軸3へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチ6として構成されている。
電磁スイッチ8は、図示しない始動スイッチの閉操作によってバッテリから通電される励磁コイル(図示せず)と、この励磁コイルの内側を往復動自在に可動するプランジャ16(図1(b)参照)とを有し、励磁コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石にプランジャ16が吸引されて、モータ2のメイン接点を閉操作する。また、励磁コイルへの通電が停止して電磁石の吸引力が消滅すると、図示しないリターンスプリングの反力によりプランジャ16が押し戻されて、メイン接点を開操作する。
シフトレバー7は、図1(b)に示す様に、ハウジング10に回動自在に支持されるレバー支点部7aを有し、このレバー支点部7aより一端側のレバー端部7bが電磁スイッチ8のプランジャ16に連結され、レバー支点部7aより他端側のレバー端部7cがクラッチ6に係合して、プランジャ16の動きをクラッチ6に伝達する。つまり、プランジャ16が電磁石に吸引されて図1(b)の右方向へ移動すると、プランジャ16に連結されたレバー端部7bがプランジャ16に引かれて移動することにより、クラッチ6に係合するレバー端部7cがレバー支点部7aを中心に揺動して、クラッチ6及びピニオン軸4を反モータ方向(図示左方向)へ押し出す働きを有する。
モータ2と電磁スイッチ8が固定されるハウジング10には、エンジン側への取付け面10a(図1参照)が形成されると共に、この取付け面10aより前方(エンジン側)へ筒状に延びるノーズ部10bが設けられ、このノーズ部10bの先端部内周に前記軸受11が配置される。また、軸受11のピニオン5側には、シール部材17が配置され、ノーズ部10bの先端壁部10cと軸受11との間に挟持されている。シール部材17は、例えば、オイルシールであり、ゴム製のリップ部がピニオン軸4(本体軸部4b)の外周面に摺接することにより、外部からの異物の侵入を防止している。なお、ノーズ部10bの先端壁部10cは、図2(b)に示す様に、シール部材17の反軸受側に回り込んで、シール部材17の外周部を支持している。また、先端壁部10cの内径は、ピニオン5に設けられた遮蔽部15の外径より若干(例えば1〜2mm)、大きく形成されている。
ところで、上記のピニオン5は、ピニオン軸4が静止状態の時、つまり図1(b)に示すスタータ1が停止状態の時に、ノーズ部10bの先端壁部10cの内周にピニオン5の遮蔽部15が入り込んでいる。つまり、遮蔽部15の外周と先端壁部10cの内周とが軸方向に所定長さだけ重なっている。この時、遮蔽部15の後端面がシール部材17に当接することはなく、図2(b)に示す様に、両者間に所定の隙間が確保されている。
次に、スタータ1の作動を説明する。
始動スイッチの閉操作により、電磁スイッチ8の励磁コイルに通電されて電磁石が形成されると、その電磁石にプランジャ16が吸引されて、図1(b)の右方向へ移動する。このプランジャ16の移動がシフトレバー7を介してクラッチ6に伝達されると、クラッチ6とピニオン軸4とが一体に出力軸3上を反モータ方向へ移動して、ピニオン軸4に支持されたピニオン5の端面がリングギヤ(図示せず)の端面に当接する。
一方、プランジャ16の移動によってモータ2のメイン接点が閉じると、バッテリからモータ2に給電されて、電機子に回転力が生じる。この電機子の回転が減速装置で減速されて出力軸3に伝達され、更に、出力軸3からクラッチ6を介してピニオン軸4に伝達されると、ピニオン5がリングギヤに噛み合い可能な位置まで回転してリングギヤに噛み合うことにより、ピニオン5からリングギヤに回転力が伝達されて、エンジンをクランキングする。
クランキングからエンジンが始動して、始動スイッチが開操作されると、励磁コイルへの通電停止により吸引力が消滅するため、リターンスプリングの反力でプランジャ16が押し戻される。その結果、モータ2のメイン接点が開くことで、バッテリからモータ2への通電が停止されて、電機子の回転が停止する。
また、プランジャ16が押し戻されると、エンジン始動時と反対方向にシフトレバー7が揺動するため、クラッチ6とピニオン軸4とが一体に出力軸3上を後退して、図1(b)に示す停止位置まで移動する。
(実施例1の効果)
実施例1に記載したスタータ1は、ピニオン5の後端部に遮蔽部15が設けられ、この遮蔽部15によってピニオン5の周方向に隣合う歯と歯の間が塞がれているため、ピニオン5の歯と歯の間を通ってピニオン5とシール部材17との間に異物が侵入することを防止できる。特に、ピニオン軸4が静止状態の時、つまりスタータ1が停止状態の時には、ピニオン5の遮蔽部15とハウジング10の先端壁部10cとが軸方向に重なるため、ピニオン5とシール部材17との間に異物が侵入できる隙間を小さくでき、異物がシール部材17まで到達することを抑制できる。これにより、ピニオン5とシール部材17との間に大量の異物が侵入する可能性が低くなるため、異物によってシール部材17が損傷することを防止できる。その結果、シール部材17のシール性能が低下することはなく、ハウジング10内部への異物の侵入を抑制できる。
また、ピニオン5の外径(歯先円の外径)に拘束されることなく、遮蔽部15の外径を任意に設定できるため、遮蔽部15の外周とハウジング10の先端壁部10cの内周との隙間を出来る限り小さくすることが可能であり、外部からの異物の侵入を更に抑制できる。
ピニオン5の遮蔽部15は、ピニオン5を冷鍛加工によって製造する際に一体形成が可能であるため、部品点数を増加することなく、ピニオン5に遮蔽部15を設けることができる。但し、冷鍛加工によってピニオン5と一体に遮蔽部15を形成することが限定される訳ではなく、ピニオン5と遮蔽部15とを別体に製造した後、ピニオン5に遮蔽部15を取り付けることもできる。
実施例1では、ピニオン5の内周後端部にスプリング室14が凹設されているため、遮蔽部15の無い従来のピニオンであれば、スプリング室14を設けた部分の肉厚が薄くなり、強度低下を招く恐れがある。これに対し、実施例1に記載したピニオン5では、スプリング室14の径方向外側に遮蔽部15を設けているため、遮蔽部15を含めた肉厚を厚く設定でき、上記の強度低下を防止できる。また、強度確保のために防炭処理等を実施する必要もなく、生産性を向上できる効果もある。
更に、ピニオン5の内周後端部にスプリング室14が凹設されると、必然的にピニオン5とピニオン軸4との嵌合長さが短くなるため、その分、ピニオン軸4に対してピニオン5が傾き易くなる。これに対し、実施例1では、遮蔽部15が設けられるピニオン5の後端面に軸方向段差5aが形成され、この軸方向段差5aとピニオン軸4の本体軸部4bとが軸方向に重なっているため、ピニオン5の傾きを抑制することが可能である。つまり、ピニオン5が傾いた場合に、軸方向段差5aの内周が本体軸部4bの外周に当接することで、それ以上のピニオン5の傾きを防止できる。従って、軸方向段差5aの内周と本体軸部4bの外周との間の隙間を小さく設定すれば、ピニオン5の傾きを小さく抑えることができ、ピニオン5とリングギヤとの噛み合い性向上を期待できる。
図3スタータ1の要部拡大断面図である。
この実施例2は、実施例1に記載した遮蔽部15の代わりに、ピニオン5と別体に設けられた遮蔽板18を使用した一例を示す。
ピニオン5の後端面(反エンジン側の端面)には、ピニオン5の外径より大きい円板状の遮蔽板18が密着して固定される。この遮蔽板18は、外径部がハウジング10のノーズ部10b側へ屈曲してリング形状に設けられている。このリング形状の部分を屈曲部18aと呼ぶ。
ハウジング10のノーズ部10bには、先端壁部10cの前端面に環状溝19が形成されている。この環状溝19は、図3に示す様に、遮蔽板18の屈曲部18aと凹凸嵌合できる位置及び形状を有している。
上記の構成によれば、ピニオン5の後端面に遮蔽板18が固定されているので、ピニオン5の歯と歯の間を通ってピニオン5とシール部材17との間に異物が侵入することを防止できる。特に、ピニオン軸4が静止状態の時、つまりスタータ1が停止状態の時には、図3に示す様に、遮蔽板18の屈曲部18aがノーズ部10bの先端壁部10cに形成された環状溝19の内部に入り込んでいるので、両者間の隙間をラビリンス構造に形成でき、外部から異物が入り難くなる。その結果、ピニオン5とシール部材17との間に大量の異物が侵入することを抑制できるため、異物によってシール部材17が損傷することを防止でき、ハウジング10内部への異物の侵入を抑制できる。
(a)スタータをピニオン側から見た軸方向正面図、(b)同スタータの一部断面を含む全体側面図である(実施例1)。 (a)ピニオンの軸方向正面図、(b)スタータの要部拡大断面図である(実施例1)。 スタータの要部拡大断面図である(実施例2)。
符号の説明
1 スタータ
2 モータ
4 ピニオン軸
4a ピニオン軸の前端部
4b ピニオン軸の本体軸部
4c ピニオン軸の径方向段差
5 ピニオン
5a ピニオンの軸方向段差
6 クラッチ
10 ハウジング
10c ハウジングの先端壁部
11 軸受
12 スプリング(弾性部材)
13 クリップ(ストッパ)
14 スプリング室(拡大内径部)
15 遮蔽部
17 シール部材
18 遮蔽板
18a 屈曲
19 環状溝

Claims (1)

  1. ハウジングの端部に軸受を介して回転自在及び軸方向に摺動自在に支持されると共に、モータの回転がクラッチを介して伝達されるピニオン軸と、
    前記軸受より前記ハウジングの外側へ突き出る前記ピニオン軸の前端部に支持され、前記ピニオン軸と一体に回転すると共に、前記ピニオン軸の前端部の外周に軸方向へ移動自在に嵌合して、前記ピニオン軸との間に配置される弾性部材によって前記ピニオン軸の先端方向へ付勢され、前記ピニオン軸の先端部に設けられたストッパに当接して位置決めされるピニオンと、
    前記軸受のピニオン側に配置されて前記ハウジングに固定され、前記ピニオン軸の外周面に摺接するシール部材とを備え、
    エンジン始動時に前記ピニオン軸をエンジン側へ押し出して前記ピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータであって、
    前記ハウジングは、前記シール部材の反軸受側で前記シール部材の外周部を支持する環状の先端壁部を有し、
    前記ピニオンは、軸方向の反エンジン側端部に、周方向に隣合う歯と歯の間を塞ぐ遮蔽部が設けられて、前記ピニオン軸が静止状態の時に、前記遮蔽部が前記先端壁部の内周に入り込み、前記遮蔽部の外周と前記先端壁部の内周とが軸方向に所定長さだけ重なっており、且つ、前記ピニオンの反エンジン側端部の内周には、前記弾性部材を配置するために内径が拡大された拡大内径部が設けられると共に、この拡大内径部の径方向外側に前記遮蔽部が設けられ、
    前記ピニオン軸は、前記ピニオンが嵌合する前端部の外径が、前記軸受に支持される本体軸部の外径より小さく設けられて、前記前端部と前記本体軸部との間で径方向に段差(径方向段差と呼ぶ)が形成され、
    前記遮蔽部が設けられる前記ピニオンの反エンジン側端面(後端面と呼ぶ)には、外径側より内径側の方が前記ピニオンの軸方向長さが短くなる様に、前記外径側と前記内径側との間で軸方向に段差(軸方向段差と呼ぶ)が形成されると共に、この軸方向段差の内径が前記本体軸部の外径より若干大きく設けられ、前記外径側の後端面が、前記ピニオン軸に形成された径方向段差より反エンジン側に位置して、前記軸方向段差と前記本体軸部とが軸方向に重なっていることを特徴とするスタータ。
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