JP2004211673A - スタータ - Google Patents

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Abstract

【課題】スタータ1の全長が増大することなく、モータ内部へのダストや泥水等の侵入防止に対するシール性を向上できること。
【解決手段】シール部材8は、外径部がノーズ部5Bの内面に回転可能に支持され、且つ軸方向の移動が規制されている。このシール部材8には、中央部にピニオン4のギヤ部4aの形状と略同形状の歯形穴が形成され、ピニオン4の静止位置から軸方向の最大移動位置までの間、歯形穴の内側にピニオン4のギヤ部4aが常時嵌合している。従って、シール部材8は、ピニオン4が出力軸3上を反モータ方向へ移動する際に、歯形穴の内側をピニオン4のギヤ部4aが摺動しながらピニオン4と一体に回転し、ギヤ部4aがリングギヤ9に噛み合ってからもピニオン4と一体に回転する。その結果、ノーズ部5Bに形成された開口部からモータ内部へのダストや泥水等の侵入を防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を始動するためのスタータであり、軸上にピニオンを有する出力軸の端部が軸受を介して回転自在に支持された両持ちタイプのスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、特許文献1及び特許文献2に記載されたスタータがある。
特許文献1に記載されたスタータは、図8に示す様に、ピニオン100 の外周を覆うハウジングのノーズ部110 に形成された開口部120 からモータ(図示せず)の内部へダストや泥水等が侵入することを防止するためのシール構造を有している。このシール構造は、ノーズ部110 の内周にリング状のシール部材130 を固定し、そのシール部材130 の内径部を、ピニオン100 の軸方向モータ側(図8の左側)に設けられた円筒部140 の外周面に接触させることで成立している。
【0003】
特許文献2に記載されたスタータは、図9に示す様に、ピニオン200 の反モータ側(図9の左側)にピニオン200 と一体に可動するシャッタ210 を配置し、このシャッタ210 がスタータ停止時にノーズ部220 に形成された開口部を閉じることで、その開口部からモータ内部へダストや泥水等が侵入することを防止している。なお、シャッタ210 は、スタータ始動時にピニオン200 と共に図示左方向へ移動して開口部を開放することにより、ピニオン200 とリングギヤ230 との噛み合いを可能にしている。
【0004】
なお、上記の特許文献1及び2に記載されたスタータは、それぞれ出力軸の反モータ側端部が軸受を介してノーズ部の端部に支持された両持ちタイプであるため、ピニオンとリングギヤとの噛み合い部を露出させるための開口部をノーズ部に形成する必要がある。これに対し、ハウジングに開口部を必要としない片持ちタイプのスタータがある(特許文献3参照)。
【0005】
この片持ちタイプのスタータは、出力軸の反モータ側端部にピニオンが取り付けられ、出力軸を支持する軸受がピニオンより軸方向モータ側に配置されて、ピニオン及びそのピニオンを支持する出力軸の反モータ側端部のみがハウジングから露出している。この片持ちタイプの構造では、ハウジングに開口部を形成する必要がないので、ダストや泥水等がモータ内部へ侵入する可能性が低く、優れたシール性を有している。
【0006】
【特許文献1】
特公平7−44811 号公報
【特許文献2】
特開平8−158990号公報
【特許文献3】
特開2000−320438 公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載されたスタータは、シール部材130 をピニオン100 の円筒部140 に接触させることでシール機能が確保されるため、円筒部140 の軸方向長さをピニオン100 の軸方向移動可能距離と同等以上に設定する必要がある。このため、円筒部140 の軸方向長さ分だけ、必然的にスタータの全長が長くなり、車両への搭載性が悪化するという問題を生じる。
【0008】
また、ピニオン100 の軸方向モータ側(図8の左側)にピニオン100 より外径の大きいクラッチ150 を備え、このクラッチ150 がピニオン100 と一体に出力軸160 上を移動する構成であり、且つピニオン100 が軸方向の最大移動位置(図示しないリングギヤに噛み合う位置)まで移動した時に、クラッチ150 がピニオン100 の軸方向移動範囲内に進出してくるため、ノーズ部110 の内側にクラッチ150 との干渉を避けるための空間170 を設ける必要がある。その結果、ノーズ部110 全体の内径をピニオン100 の外径に合わせて小さくすることができず、前記空間170 を設ける分だけノーズ部110 の最大外径が拡大するため、車両搭載性が悪化している。
【0009】
特許文献2に記載されたスタータでは、ピニオン200 が出力軸240 上を反モータ方向へ移動してリングギヤ230 に噛み合うスタータ作動時には、当然の如くシャッタ210 が開口部を開放してシール機能が無くなるため、開口部からモータ内部へダストや泥水等が侵入する虞があった。
【0010】
また、ノーズ部220 に形成された開口部は、径方向の開口面と軸方向の開口面250 とを有している。これに対し、シャッタ210 は、ピニオン200 と共に出力軸240 上を反モータ方向へ移動した時にリングギヤとの衝突を避ける必要があるため、軸方向にスライドする平板形状に設けられている。その結果、スタータ停止時には、図9に示す様に、シャッタ210 が径方向の開口面を閉じるだけで、軸方向の開口面250 を閉じることができないため、その軸方向の開口面250 からダストや泥水等が入り込んでモータ内部まで侵入する可能性があり、シール性が不十分であった。
【0011】
特許文献3に記載されたスタータは、ハウジングに開口部を持たない片持ちタイプであり、特許文献1及び2に記載された両持ちタイプとは構造が異なるため、同列には比較できないが、構造的に両持ちタイプのスタータより全長が長くなるため、車両搭載性の点で不利である。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、スタータの全長が増大することなく、モータ内部へのダストや泥水等の侵入防止に対するシール性を向上できる両持ちタイプのスタータを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、出力軸の反モータ側端部を回転自在に支持すると共に、少なくともピニオンの軸方向移動範囲においてピニオンの外周を覆うノーズ部を有し、このノーズ部にピニオンをリングギヤに噛み合わせるための開口部が形成されたハウジングとを備えるスタータにおいて、
ピニオンの歯形形状と略同形状の歯形穴を有し、外径部がノーズ部の内面に回転可能に支持され、且つ歯形穴の内側にピニオンの歯形部が嵌合してピニオンと一体に回転するシール部材を備え、このシール部材は、ピニオンが出力軸上を反モータ方向へ移動する際に、歯形穴の内側をピニオンの歯形部が摺動し、且つピニオンの静止位置から軸方向の最大移動位置までの間、歯形穴の内側にピニオンの歯形部が常時嵌合していることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、シール部材に形成された歯形穴の内側にピニオンの歯形部が嵌合することにより、歯形部の外周とノーズ部の内面との間の隙間をシール部材によって塞ぐことができる。また、スタータ停止時(ピニオンの静止位置)からスタータ作動時(ピニオンの最大移動位置)までの間、歯形穴の内側にピニオンの歯形部が常時嵌合しているので、スタータの作動状態に係わらず、常時シール機能を持たせることができ、開口部からモータ内部へのダストや泥水等の侵入を防止できる。
【0014】
更に、本発明によれば、歯形穴の内側にピニオンの歯形部が嵌合することでシール機能を持たせているので、従来技術(特許文献1)で説明したシール構造を実現するための円筒部をピニオン(歯形部)の軸方向モータ側に設ける必要がない。特許文献1のスタータに設けられる円筒部は、ピニオンの軸方向移動可能距離と同等以上の長さを必要とするため、本発明のスタータでは、円筒部を省略できる分、スタータの全長を短縮できるので、車両搭載性が向上する。
【0015】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータにおいて、
シール部材は、軸方向リングギヤ側へ突き出た円筒部を有し、この円筒部の内側に歯形穴が配されており、円筒部の軸方向リングギヤ側端面をA端面と呼び、ピニオンの軸方向リングギヤ側端面をB端面と呼ぶ時に、
スタータ停止時に、A端面がB端面と略同等の軸方向位置、あるいはB端面より軸方向リングギヤ側に位置していることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、スタータが停止した状態、つまりピニオンの静止位置において、シール部材の歯形穴から軸方向リングギヤ側に突出するピニオンの歯形部の外周がシール部材の軸方向リングギヤ側へ突き出た円筒部によって覆われるため、歯形部への直接的な被水を低減でき、モータ内部へのダストや泥水等の侵入を更に低減できる。
【0017】
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載したスタータにおいて、
ノーズ部の内側には、シール部材の外周部と軸方向に接触する接触面が設けられ、この接触面とシール部材の外周部とに両者が凹凸嵌合する凹凸嵌合部が全周に亙って設けられていることを特徴とする。
この構成では、ノーズ部の接触面とシール部材の外周部との間に、両者の凹凸嵌合部によってラビリンス構造を形成できるので、シール性が向上する。
【0018】
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかのスタータにおいて、
ピニオンは、歯形部の軸方向モータ側に歯形部より大径の鍔部を有し、この鍔部がピニオンと一体に回転及び軸方向に移動し、ノーズ部は、少なくとも鍔部の軸方向移動範囲にある内面形状が、鍔部の外径より若干大きい内径を有する円筒形状であり、且つ鍔部の軸方向移動範囲内でスタータの車両搭載時に略地方向となる位置に、ノーズ部の内外を連通する貫通穴が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、万が一、シール部材の歯形穴とピニオンの歯形部との嵌合隙間からダストや泥水等がハウジング内部へ侵入した場合でも、歯形部の軸方向モータ側に有する鍔部によってモータ側への更なる侵入を防止でき、且つノーズ部に設けられた貫通穴からスタータの外部へ排出できるので、シール性に優れたスタータを実現できる。
【0020】
(請求項5の発明)
請求項1〜3に記載した何れかのスタータにおいて、
ピニオンは、歯形部の軸方向モータ側に歯形部より外径が小さく、且つ歯形部と一体に回転及び軸方向に移動する可動部を有し、内燃機関を始動する際に、可動部を含むピニオン単体で出力軸上を移動することを特徴とする。
この構成では、ピニオン全体(可動部を含む)で歯形部が最大外径となるため、少なくともピニオンの軸方向移動範囲内では、ノーズ部の内径をピニオン歯形部の外径に合わせて必要最小限に抑えることが可能である。その結果、ノーズ部の最大外径を小さくできるので、車両搭載性が向上する。
【0021】
(請求項6の発明)
請求項4に記載したスタータにおいて、
ピニオンは、鍔部の軸方向モータ側に鍔部より外径が小さく、且つ歯形部及び鍔部と一体に回転及び軸方向に移動する可動部を有し、内燃機関を始動する際に、可動部を含むピニオン単体で出力軸上を移動することを特徴とする。
この構成では、ピニオン全体(可動部を含む)で鍔部が最大外径となるため、少なくともピニオンの軸方向移動範囲内では、ノーズ部の内径を鍔部の外径に合わせて形成することが可能である。その結果、ノーズ部の最大外径を小さくできるので、車両搭載性が向上する。
【0022】
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れかのスタータにおいて、
シール部材は、表面に摩擦係数低減処理が施されていることを特徴とする。
この場合、シール部材の摩耗を低減できるので、シール部材の寿命を向上でき、且つシール部材がピニオンと共に回転した時に、シール部材の外径部とノーズ部の内面との間で発生する摩擦によるトルク損失を低減できる効果も生じる。
【0023】
(請求項8の発明)
請求項1〜6に記載した何れかのスタータにおいて、
シール部材は、摩擦係数の低い材料で形成されていることを特徴とする。
この場合、シール部材の摩耗を低減できるので、シール部材の寿命を向上でき、且つシール部材がピニオンと共に回転した時に、シール部材の外径部とノーズ部の内面との間で発生する摩擦によるトルク損失を低減できる効果も生じる。
【0024】
(請求項9の発明)
請求項1〜8に記載した何れかのスタータにおいて、
シール部材の外径部とノーズ部の内面との間にグリスを充填したことを特徴とする。
この場合、シール部材がピニオンと共に回転した時に、シール部材の外径部とノーズ部の内面との間で発生する摩擦によるトルク損失を低減できる。また、グリスにシール機能を持たせることができるので、シール部材の外径部とノーズ部の内面との間のシール性が向上する。
【0025】
(請求項10の発明)
請求項1〜9に記載した何れかのスタータにおいて、
シール部材は、歯形穴の周縁を含む内径部の方が、ノーズ部の内面に支持される外径部より軸方向の厚さが薄く形成されていることを特徴とする。
この構成では、シール部材の内径部を薄く形成することにより、ピニオンが軸方向に移動する際に、シール部材の歯形穴とピニオンの歯形部との間に生じる摩擦を最小限に抑えることができ、且つシール部材の外径部を厚く形成することにより、シール部材の強度を確保できる。
【0026】
(請求項11の発明)
請求項1〜10に記載した何れかのスタータにおいて、
シール部材は、自身の外径部が軸受を介してノーズ部の内面に支持されていることを特徴とする。
この場合、シール部材がピニオンと共に回転した時に、シール部材の外径部とノーズ部の内面との間で摺動摩擦が発生しないので、シール部材の外径部を直接ノーズ部の内面で支持する構成と比較した場合に、トルク損失を低減できる。
【0027】
(請求項12の発明)
請求項1〜11に記載した何れかのスタータにおいて、
ピニオンは、出力軸上にヘリカルスプライン嵌合し、そのヘリカルスプラインに沿って出力軸上を移動可能に設けられ、内燃機関を始動させる際に、モータの回転力とヘリカルスプラインの作用とでピニオンを反モータ方向へ移動させる方式であり、ピニオンが出力軸上を移動してリングギヤに噛み合うまでの間、モータに低電流を通電する第1の通電回路と、ピニオンがリングギヤに噛み合った後、モータに高電流を通電する第2の通電回路とを備えることを特徴とする。
【0028】
この構成では、ピニオンが出力軸上を移動してリングギヤに噛み合うまでの間、モータに低電流が通電されてモータの回転速度が抑えられるため、出力軸上を移動するピニオンの移動速度も遅くなる。その結果、シール部材の歯形穴とピニオンの歯形部との間に生じる摩耗を低減でき、シール機能を長期に亙って維持できる。
【0029】
(請求項13の発明)
請求項12に記載したスタータにおいて、
出力軸がモータに駆動されて回転する前に、ピニオンの回転を規制するピニオン回転規制手段を有し、このピニオン回転規制手段によりピニオンが回転規制された状態で、モータに低電流を通電して出力軸を回転させることにより、回転規制されたピニオンを反モータ方向へ移動させることを特徴とする。
【0030】
この構成では、出力軸が回転する前にピニオンが回転規制されるので、出力軸がモータに駆動されて回転した時に、ピニオンが慣性により回転を伴って飛び出すことはなく、モータの低速回転に応じてゆっくりと、且つ少なくともリングギヤに当接するまでは回転を伴わずに出力軸上を移動する。その結果、少なくともピニオンがリングギヤに当接するまでは、シール部材の歯形穴側面にピニオンの歯形部側面が強制的に擦りつけられる作用が発生しないので、シール部材の歯形穴とピニオンの歯形部との間に生じる摩耗をさらに低減でき、シール機能をより長期に亙って維持できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1はスタータ1の全体図(一部断面を含む)である。
本実施例のスタータ1は、回転力を発生するモータ2と、このモータ2に駆動されて回転する出力軸3、この出力軸3上に配置されるピニオン4、このピニオン4及び出力軸3の外周を覆うハウジング5、モータ2の通電電流をON/OFFすると共に、レバー6を介してピニオン4を反モータ方向(図1の左方向)へ押し出す働きを有する電磁スイッチ7、及びピニオン4の外周に嵌合してピニオン4と一体に回転するシール部材8等より構成される。
【0032】
モータ2は、周知の直流電動機であり、電磁スイッチ7によりモータ2の通電回路(図示せず)が閉成されると、車載バッテリから給電されて、内蔵するアーマチャ(図示せず)に回転力を発生する。
出力軸3は、モータ2の回転軸(アーマチャシャフト)と同軸線上に配置され、減速装置及びクラッチ(共に図示せず)を介してモータ2の回転軸に連結されている(なお、減速装置は無くても良い)。この出力軸3の外周には、外ヘリカルスプライン3aが形成されている。
【0033】
クラッチは、例えばスタータ1に多く用いられるローラ式の一方向クラッチであり、エンジン始動時にモータ2の回転力を出力軸3に伝達し、エンジン始動後はエンジンの回転力がアーマチャに伝わらない様に、動力伝達を遮断する。
ピニオン4は、エンジンを始動する際に、エンジンのリングギヤ9に噛み合うギヤ部4a(本発明の歯形部)を有し、このギヤ部4aの軸方向モータ側に鍔部10とスプラインチューブ11(本発明の可動部)が一体に設けられている。
【0034】
鍔部10は、ギヤ部4aの外径(歯先径)より大きい外径を有する円板形状に設けられ、ピニオン4全体の最大外径を有している。
スプラインチューブ11は、鍔部10より更に軸方向モータ側へ筒状に延びて設けられ、その内側に形成された内ヘリカルスプライン11aが出力軸3の外ヘリカルスプライン3aに噛み合わされている。このスプラインチューブ11の外径は、ギヤ部4aの外径(歯先径)より小さく、ギヤ部4aの歯底径と略同等の大きさに設けられている。
なお、このピニオン4は、出力軸3上に単独で(上記のクラッチと分離して)配置され、エンジン始動時にピニオン4単体で出力軸3上を移動する。
【0035】
ハウジング5は、エンジンに取り付けるためのフランジ部5Aと、このフランジ部5Aより前方(反モータ方向)に、少なくともピニオン4の軸方向移動範囲においてピニオン4の外周を覆う略筒状のノーズ部5Bとが設けられ、このノーズ部5Bの先端部で軸受12を介して出力軸3の反モータ側端部を回転自在に支持している。また、ノーズ部5Bには、エンジンを始動する際に、ピニオン4のギヤ部4aをノーズ部5Bから露出させてリングギヤ9に噛み合わせるための開口部が形成されている。
【0036】
ノーズ部5Bの内面は、ピニオン4のギヤ部4aの外径より若干大きい内径を有する第1の円筒内面5aと、ピニオン4の鍔部10の外径より若干大きい内径を有する第2の円筒内面5bとで形成されている。
第1の円筒内面5aは、スタータ1の停止時に静止するピニオン4(図1の中心線より上側に示す位置)の前方側(軸方向反モータ側)に、ピニオン4の軸方向移動可能距離と略同等の軸方向長さを有し、この第1の円筒内面5aの径方向リングギヤ側に前記の開口部が形成されている。
【0037】
第2の円筒内面5bは、ピニオン4の鍔部10が軸方向に移動できる様に、鍔部10の軸方向移動範囲以上の軸方向長さを有している。また、第2の円筒内面5bには、鍔部10の軸方向移動範囲内で、スタータ1の車両搭載時に略地方向となる位置に、ノーズ部5Bの内外を連通する貫通穴5cが開けられている。
なお、ノーズ部5Bの最大外径(本実施例では、エンジン側の取り付け穴に嵌合するインロー径)は、第2の円筒内面5bの内径に強度上必要な肉厚分を加えた値に設定されている。
【0038】
電磁スイッチ7は、図示しないイグニッションキーのON操作により通電される励磁コイル13と、この励磁コイル13の内側を摺動自在に嵌挿されたプランジャ14とを有し、励磁コイル13が通電されて発生する磁力によりプランジャ14が吸引される(励磁コイル13の内側を図1の右方向へ移動する)と、プランジャ14と共に可動する可動接点が固定接点(共に図示せず)に当接してモータ2の通電回路を閉成する。
【0039】
シール部材8は、外周形状が円形を有する板状部材であり、その外径部がノーズ部5Bの内面に回転可能に支持され、且つシール部材固定部品15によって軸方向の移動が規制されている。
シール部材固定部品15は、図3に示す様に、板厚の薄いリング形状を有し、その外径部がノーズ部5Bの内面(第2の円筒内面5b)に圧入等により固定され、リング形状の内径がギヤ部4aの外径(歯先径)より大きく設けられている。
【0040】
上記のシール部材8には、図2に示す様に、中央部にピニオン4の歯形形状(ギヤ部4aの形状)と略同形状の歯形穴8aが形成され、ピニオン4の静止位置(スタータ停止時)から軸方向の最大移動位置までの間、歯形穴8aの内側にピニオン4のギヤ部4aが常時嵌合している。従って、シール部材8は、ピニオン4が出力軸3上を反モータ方向へ移動する際に、歯形穴8aの内側をピニオン4のギヤ部4aが摺動しながらピニオン4と一体に回転し、ギヤ部4aがリングギヤ9に噛み合ってからもピニオン4と一体に回転する。
【0041】
次に、スタータ1の作動を説明する。
電磁スイッチ7の励磁コイル13が通電されてプランジャ14が吸引されると、そのプランジャ14に連結されたレバー6を介してプランジャ14の移動がピニオン4に伝達されるため、ピニオン4が出力軸3上を反モータ方向へ移動してリングギヤ9の側面に押し当てられる。
その後、モータ2の通電回路が閉成してアーマチャに回転力が発生し、その回転力が出力軸3に伝達されると、出力軸3と共にピニオン4がリングギヤ9と噛み合い可能な位置まで回転してギヤ部4aがリングギヤ9に噛み合い、ピニオン4からリングギヤ9に回転力が伝達されて、エンジンをクランキングさせる。
【0042】
エンジン始動後、励磁コイル13への通電が停止して磁力が消滅すると、プランジャ14を付勢するリターンスプリング16(図1参照)の反力でプランジャ14が押し戻されるため、そのプランジャ14に連結されたレバー6がエンジン始動時と逆方向に揺動してピニオン4を後退させる。また、プランジャ14が押し戻されることで、モータ2の通電回路が開成するため、モータ2への通電が停止してアーマチャの回転が停止する。
【0043】
続いて、本発明に係わる作用及び効果を説明する。
上記のスタータ1は、シール部材8に形成された歯形穴8aの内側にピニオン4のギヤ部4aが嵌合しているので、ギヤ部4aの外周とノーズ部5Bの内面との間の隙間をシール部材8によって塞ぐことができる。また、スタータ停止時(ピニオン4の静止位置)からスタータ作動時(ピニオン4の最大移動位置)までの間、歯形穴8aの内側にピニオン4のギヤ部4aが常時嵌合しているので、スタータ1の作動状態に係わらず、常時シール性を維持できる。その結果、ノーズ部5Bに形成された開口部からモータ内部へのダストや泥水等の侵入を防止できる。
【0044】
また、シール部材8に形成された歯形穴8aの内側にピニオン4のギヤ部4aが嵌合することでシール機能を持たせているので、従来技術(特許文献1)で説明したシール構造を実現するための円筒部140 (図8参照)をピニオン4(ギヤ部4a)の軸方向モータ側に設ける必要がない。特許文献1のスタータに設けられる円筒部140 は、ピニオン100 の軸方向移動可能距離と同等以上の長さを必要とするため、本実施例の構成によれば、円筒部140 を省略できる分、スタータ1の全長を短縮できるので、車両搭載性が向上する。
【0045】
更に、ギヤ部4aの軸方向モータ側に鍔部10を有し、且つノーズ部5Bの第2の円筒内面5bの内径が鍔部10の外径より若干大きい内径であるため、鍔部10と第2の円筒内面5bとでシール機能を持たせることができる。従って、万が一、シール部材8の歯形穴8aとピニオン4のギヤ部4aとの嵌合隙間からダストや泥水等がノーズ部5Bの内部へ侵入した場合でも、鍔部10によってモータ2側への更なる侵入を防止でき、且つノーズ部5Bに設けられた貫通穴5cからスタータ1の外部へ排出できるので、シール性に優れたスタータ1を実現できる。
【0046】
また、本実施例のスタータ1は、出力軸3上をピニオン4と共にクラッチが移動する構成ではなく、ピニオン4が単独で出力軸3上を移動するので、スタータ作動時に、鍔部10の軸方向モータ側のピニオン最大移動距離と同等の範囲内に、鍔部10より外径の大きいクラッチが配置されることはない。従って、ノーズ部5Bに形成される第2の円筒内面5bの内径を鍔部10の外径に応じて必要最小限に抑えることができ、結果的にノーズ部5Bの最大外径(本実施例では、エンジン側の取り付け穴に嵌合するインロー径)を小さくできるので、車両搭載性を向上できる。
【0047】
(第2実施例)
図4はピニオン周辺の断面図である。
本実施例は、図4に示す様に、軸受17を使用してシール部材8の外径部を支持する場合の一例である。
軸受17は、例えばボールベアリングであり、そのボールベアリングの内輪をシール部材8の外径部に固定し、ボールベアリングの外輪を第2の円筒内面5bに圧入固定して用いられる。これにより、シール部材8の外径部が軸受17に支持されて軸方向の移動が阻止されるので、第1実施例で説明したシール部材固定部品15は不要である。
【0048】
この構成によれば、ピニオン4と共にシール部材8が回転した時に、そのシール部材8の外径部と第2の円筒内面5bとが直接接触することがなく、両者間に摺動摩擦が発生しないので、シール部材8の外径部を直接ノーズ部5Bの内面で支持する構成と比較した場合に、トルク損失を低減できる。
なお、軸受17は、ボールベアリングに限定されるものではなく、ニードルベアリングやプレーンベアリング等、その他の軸受を適用できることは言うまでもない。
【0049】
(第3実施例)
図5はピニオン周辺の断面図である。
本実施例のシール部材8は、図5に示す様に、軸方向リングギヤ側へ突き出た円筒部8bを有し、この円筒部8bの内側に歯形穴8aが配されている。ここで、円筒部8bの軸方向リングギヤ側端面をA端面と呼び、ピニオン4(ギヤ部4a)の軸方向リングギヤ側端面をB端面と呼ぶ時に、スタータ停止時(図5に示す状態)において、A端面がB端面と略同等の軸方向位置、あるいはB端面より軸方向リングギヤ側に位置している。
【0050】
この構成によれば、スタータ1が停止した状態、つまりピニオン4の静止位置において、シール部材8の歯形穴8aから軸方向リングギヤ側に突出するピニオン4のギヤ部4aの外周がシール部材8の円筒部8bによって覆われるため、ギヤ部4aへの直接的な被水を低減できる。その結果、シール部材8の歯形穴8aとピニオン4のギヤ部4aとの嵌合隙間から侵入しようとするダストや泥水等を効果的に防止できるので、更にシール性を向上できる。
【0051】
(第4実施例)
図6はピニオン周辺の断面図である。
本実施例のシール部材8は、図6に示す様に、歯形穴8aの周縁を含む内径部の方が、ノーズ部5Bの内面に支持される外径部より軸方向の厚さ(板厚)が薄く形成されている。
この構成によれば、シール部材8の内径部を薄く形成することにより、ピニオン4が軸方向に移動する際に、シール部材8の歯形穴8aとピニオン4のギヤ部4aとの間に生じる摩擦を最小限に抑えることができ、且つシール部材8の外径部を厚く形成することにより、シール部材8の強度を確保できる。
【0052】
(第5実施例)
図7はピニオン周辺の断面図である。
本実施例は、シール部材8の外周部とノーズ部5Bの内面との間にラビリンス構造を形成した場合の一例である。
ノーズ部5Bには、例えば第1の円筒内面5aと第2の円筒内面5bとの間に形成される段差面に凹部5d(または凸部)が全周に亙って設けられている。
【0053】
一方、シール部材8には、ノーズ部5Bの段差面に対向する外周部の表面に凸部8c(または凹部)が全周に亙って設けられ、ノーズ部5Bの段差面に設けられた凹部5d(または凸部)に嵌合している。
これにより、段差面に設けられた凹部5d(または凸部)とシール部材8に設けられた凸部8c(または凹部)とが嵌合する凹凸嵌合部によってラビリンス構造が全周に形成されるので、シール部材8の外径部とノーズ部5Bの内面との間のシール性が向上し、モータ内部へのダストや泥水等の侵入を効果的に防止できる。
【0054】
(変形例)
第1実施例に記載したスタータ1は、ピニオン4がクラッチと離れて単独で出力軸3上を移動する構成であるが、ピニオン4の軸方向モータ側にクラッチを配置して、ピニオン4とクラッチが一体に出力軸3を移動する構成としても良い。但し、この場合、鍔部10の外径をクラッチの外径と同等以上に設定する必要があるため、第1実施例の場合より鍔部10の外径が大きくなると、ノーズ部5Bの最大外径(本実施例では、エンジン側の取り付け穴に嵌合するインロー径)を小さくできる効果は得られなくなるが、シール性を向上できる効果は第1実施例と同じである。
【0055】
また、第1実施例に記載したスタータ1は、電磁スイッチ7の吸引力を利用してピニオン4を押し出す方式であるが、例えば、出力軸3の回転と同時に慣性の原理でピニオン4をヘリカルスプラインに沿って移動させるベンディックス方式のスタータ、あるいは特許文献2に記載された回転規制噛合い方式(図9参照:ピニオン200 がリングギヤ230 に噛み合うまでは、ピニオン200 の回転を規制した状態でモータに通電して出力軸240 を回転させる方式)のスタータに本発明を適用することも可能である。
【0056】
上記のベンディックス方式のスタータでは、ピニオン4が出力軸3上を反モータ方向へ移動する際に、モータ2の回転速度を低くすることでピニオン4の回転および軸方向の移動速度を抑えることができる。そこで、特許文献2に開示されている様に、ピニオン4がリングギヤ9に噛み合うまではモータ2に低電流を通電し、ピニオン4がリングギヤ9に噛み合った後、モータ2に高電流を通電する二段通電方式を採用することにより、ピニオン4が出力軸3上を移動する間はモータ2の回転速度が抑えられるため、ピニオン4の回転および軸方向の移動速度も遅くなる。その結果、シール部材8の歯形穴8aとピニオン4のギヤ部4aとの間に生じる摩耗を低減でき、シール機能を長期に亙って維持できる。
【0057】
また、回転規制噛合い方式のスタータでは、少なくともピニオン4がリングギヤ9に当接するまでは、ピニオン4が回転を伴わずに出力軸3上を移動するため、少なくともその間(ピニオン4がリングギヤ9に当接するまで)は、シール部材8の歯形穴8a側面部にピニオン4のギヤ部4a側面部が強制的に擦りつけられる作用が発生しない。そのため、二段通電方式を採用した回転規制噛合い方式のスタータでは、二段通電方式を採用したベンディックス方式のスタータに対し、シール部材8の歯形穴8aとピニオン4のギヤ部4aとの間に生じる摩耗をさらに低減でき、シール機能をより長期に亙って維持できる。
【0058】
上記の実施例に記載したシール部材8の表面に摩擦係数低減処理(例えば潤滑塗料を塗布する、クロムメッキを実施する等)を施しても良い。または、シール部材8を摩擦係数の低い材料(例えばPTFE(登録商標テフロン)含有樹脂等)で形成しても良い。これらの場合、シール部材8の摩耗を低減できるので、シール部材8の寿命を向上でき、且つシール部材8がピニオン4と共に回転した時に、シール部材8の外径部とノーズ部5Bの内面との間で発生する摩擦によるトルク損失を低減できる。
【0059】
また、シール部材8の外径部とノーズ部5Bの内面との間にグリスを充填しても良い。これにより、シール部材8がピニオン4と共に回転した時に、シール部材8の外径部とノーズ部5Bの内面との間で発生する摩擦によるトルク損失を低減できる。また、グリスにシール機能を持たせることができるので、シール部材8の外径部とノーズ部5Bの内面との間のシール性が向上する。
上記の実施例では、ピニオン4のギヤ部4aの軸方向モータ側に鍔部10を有しているが、鍔部10を無くしても良い。この場合、鍔部10によるシール機能は得られないが、シール部材8によるシール機能は第1実施例と同じであり、且つノーズ部5Bの最大外径(本実施例では、エンジン側の取り付け穴に嵌合するインロー径)を更に小さくできるので、車両搭載性を更に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタータの全体図(一部断面を含む)である(第1実施例)。
【図2】シール部材の平面図である。
【図3】シール部材固定部品の平面図(a)と断面図(b)である。
【図4】ピニオン周辺の断面図である(第2実施例)。
【図5】ピニオン周辺の断面図である(第3実施例)。
【図6】ピニオン周辺の断面図である(第4実施例)。
【図7】ピニオン周辺の断面図である(第5実施例)。
【図8】ピニオン周辺の断面図である(特許文献1)。
【図9】ピニオン周辺の断面図である(特許文献2)。
【符号の説明】
1 スタータ
2 モータ
3 出力軸
3a 外ヘリカルスプライン
4 ピニオン
4a ギヤ部(歯形部)
5 ハウジング
5B ノーズ部
5c 貫通穴
5d ノーズ部内面に設けられる凹部(凹凸嵌合部)
8 シール部材
8a 歯形穴
8b 円筒部
8c シール部材の外周部に設けられる凸部(凹凸嵌合部)
9 リングギヤ
10 鍔部
11 スプラインチューブ(可動部)
11a 内ヘリカルスプライン
17 軸受

Claims (13)

  1. 回転力を発生するモータと、
    このモータに駆動されて回転する出力軸と、
    この出力軸上を移動可能に配置され、内燃機関を始動する際に前記出力軸上を反モータ方向へ移動して前記内燃機関のリングギヤに噛み合い、前記出力軸から伝達される回転力を前記リングギヤに伝達するピニオンと、
    前記出力軸の反モータ側端部を回転自在に支持すると共に、少なくとも前記ピニオンの軸方向移動範囲において前記ピニオンの外周を覆うノーズ部を有し、このノーズ部に前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせるための開口部が形成されたハウジングとを備えるスタータにおいて、
    前記ピニオンの歯形形状と略同形状の歯形穴を有し、外径部が前記ノーズ部の内面に回転可能に支持され、且つ前記歯形穴の内側に前記ピニオンの歯形部が嵌合して前記ピニオンと一体に回転するシール部材を備え、
    このシール部材は、前記ピニオンが前記出力軸上を反モータ方向へ移動する際に、前記歯形穴の内側を前記ピニオンの歯形部が摺動し、且つ前記ピニオンの静止位置(スタータ停止時)から軸方向の最大移動位置までの間、前記歯形穴の内側に前記ピニオンの歯形部が常時嵌合していることを特徴とするスタータ。
  2. 請求項1に記載したスタータにおいて、
    前記シール部材は、軸方向リングギヤ側へ突き出た円筒部を有し、この円筒部の内側に前記歯形穴が配されており、前記円筒部の軸方向リングギヤ側端面をA端面と呼び、前記ピニオンの軸方向リングギヤ側端面をB端面と呼ぶ時に、
    前記スタータ停止時に、前記A端面が前記B端面と略同等の軸方向位置、あるいは前記B端面より軸方向リングギヤ側に位置していることを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1または2に記載したスタータにおいて、
    前記ノーズ部の内側には、前記シール部材の外周部と軸方向に接触する接触面が設けられ、この接触面と前記シール部材の外周部とに両者が凹凸嵌合する凹凸嵌合部が全周に亙って設けられていることを特徴とするスタータ。
  4. 請求項1〜3に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記ピニオンは、前記歯形部の軸方向モータ側に前記歯形部より大径の鍔部を有し、この鍔部が前記ピニオンと一体に回転及び軸方向に移動し、
    前記ノーズ部は、少なくとも前記鍔部の軸方向移動範囲にある内面形状が、前記鍔部の外径より若干大きい内径を有する円筒形状であり、且つ前記鍔部の軸方向移動範囲内で前記スタータの車両搭載時に略地方向となる位置に、前記ノーズ部の内外を連通する貫通穴が設けられていることを特徴とするスタータ。
  5. 請求項1〜3に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記ピニオンは、前記歯形部の軸方向モータ側に前記歯形部より外径が小さく、且つ前記歯形部と一体に回転及び軸方向に移動する可動部を有し、前記内燃機関を始動する際に、前記可動部を含むピニオン単体で前記出力軸上を移動することを特徴とするスタータ。
  6. 請求項4に記載したスタータにおいて、
    前記ピニオンは、前記鍔部の軸方向モータ側に前記鍔部より外径が小さく、且つ前記歯形部及び前記鍔部と一体に回転及び軸方向に移動する可動部を有し、前記内燃機関を始動する際に、前記可動部を含むピニオン単体で前記出力軸上を移動することを特徴とするスタータ。
  7. 請求項1〜6に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記シール部材は、表面に摩擦係数低減処理が施されていることを特徴とするスタータ。
  8. 請求項1〜6に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記シール部材は、摩擦係数の低い材料で形成されていることを特徴とするスタータ。
  9. 請求項1〜8に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記シール部材の外径部と前記ノーズ部の内面との間にグリスを充填したことを特徴とするスタータ。
  10. 請求項1〜9に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記シール部材は、前記歯形穴の周縁を含む内径部の方が、前記ノーズ部の内面に支持される外径部より軸方向の厚さが薄く形成されていることを特徴とするスタータ。
  11. 請求項1〜10に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記シール部材は、自身の外径部が軸受を介して前記ノーズ部の内面に支持されていることを特徴とするスタータ。
  12. 請求項1〜11に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記ピニオンは、前記出力軸上にヘリカルスプライン嵌合し、そのヘリカルスプラインに沿って前記出力軸上を移動可能に設けられ、
    前記内燃機関を始動させる際に、前記モータの回転力と前記ヘリカルスプラインの作用とで前記ピニオンを反モータ方向へ移動させる方式であり、
    前記ピニオンが前記出力軸上を移動して前記リングギヤに噛み合うまでの間、前記モータに低電流を通電する第1の通電回路と、
    前記ピニオンが前記リングギヤに噛み合った後、前記モータに高電流を通電する第2の通電回路とを備えることを特徴とするスタータ。
  13. 請求項12に記載したスタータにおいて、
    前記出力軸が前記モータに駆動されて回転する前に、前記ピニオンの回転を規制するピニオン回転規制手段を有し、
    このピニオン回転規制手段により前記ピニオンが回転規制された状態で、前記モータに低電流を通電して前記出力軸を回転させることにより、前記ピニオンを、回転を伴わずに反モータ方向へ移動させることを特徴とするスタータ。
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