JP5874288B2 - Starter - Google Patents
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Description
本発明は、出力軸の外周にスプライン嵌合するピニオンチューブを有し、このピニオンチューブを出力軸に対し反モータ方向へ押し出して、ピニオンチューブの軸方向反モータ側の端部に支持されるピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータに関する。 The present invention has a pinion tube that is spline-fitted on the outer periphery of the output shaft, and pushes the pinion tube in the direction opposite to the motor with respect to the output shaft, and is supported by the end of the pinion tube on the side opposite to the motor in the axial direction Relates to a starter that meshes with a ring gear of an engine.
片持ち構造と呼ばれる従来のスタータが特許文献1に記載されている。
このスタータは、図4に示す様に、モータ(図示せず)に駆動される出力軸100、この出力軸100の外周に軸受110を介して嵌合するピニオンチューブ120、出力軸100の回転をピニオンチューブ120に伝達するローラ式の一方向クラッチ130、ピニオンチューブ120の軸方向反モータ側(図示左側)の端部に直スプライン嵌合するピニオン140、クラッチ130とピニオン140との間に配置される軸受150を介してピニオンチューブ120を支持するハウジング160等より構成され、図示しない電磁スイッチの作動により、出力軸100に対しピニオンチューブ120をクラッチ130と一体に反モータ方向(図示左方向)へ押し出して、ピニオン140をエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式である。
A conventional starter called a cantilever structure is described in Patent Document 1.
As shown in FIG. 4, this starter rotates an
上記のスタータは、電磁スイッチの作動によってピニオンチューブ120を反モータ方向へ押し出す際に、ピニオンチューブ120と一体にクラッチ130が移動する構成であるため、移動体(ピニオンチューブ120、クラッチ130、ピニオン140)の移動質量が大きくなり、電磁スイッチを小型化する上で問題となっている。
The starter is configured such that the
これに対し、特許文献2に記載された片持ち構造のスタータがある。
このスタータは、図5に示す様に、クラッチ130のインナチューブ131に対してピニオン軸170がヘリカルスプライン嵌合によって軸方向へ移動可能に設けられ、そのピニオン軸170の軸方向反モータ側の端部にピニオン140が組み付けられている。この構成では、電磁スイッチの作動によってピニオン軸170を反モータ方向へ押し出す際に、クラッチ130が移動しないため、特許文献1のスタータと比較して、移動体(ピニオン軸170、ピニオン140)の移動質量を小さくできる。その結果、移動体を押し出すための吸引力を発生する電磁スイッチの小型化を図ることが可能である。
On the other hand, there is a cantilever structure starter described in
As shown in FIG. 5, this starter is provided with a
ところが、特許文献2に記載されたスタータは、インナチューブ131の内周に雌ヘリカルスプラインが形成され、この雌ヘリカルスプラインに噛み合う雄ヘリカルスプラインがピニオン軸170の外周に形成されている。つまり、クラッチ130の内部でスプライン嵌合する構造となっているため、インナーチューブ131の内径を大きくする必要があり、結果的にクラッチ130が径方向に大きくなってしまうという問題がある。
However, in the starter described in
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ピニオンを押し出す際にクラッチを一体に押し出さない構造において、クラッチを小型化することにより、スタータの小型化を実現することにある。 The present invention has been made based on the above circumstances, and an object of the present invention is to reduce the size of the starter by reducing the size of the clutch in a structure in which the clutch is not extruded integrally when pushing the pinion. is there.
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載のスタータは、トルクを発生するモータと、このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、モータの発生トルクを出力軸に伝達するクラッチと、内周面に雌スプラインが形成された円筒孔を有し、この円筒孔の内周に出力軸の軸方向反モータ側を挿入して雄スプラインと雌スプラインとが噛み合わされるピニオンチューブと、このピニオンチューブの軸方向反モータ側の端部に配設され、ピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動し、このシフトレバーを介して、ピニオンチューブをピニオンと一体に出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドとを備える。
[Means of Claim 1]
The starter according to claim 1 outputs a torque generated by the motor, an output shaft arranged on the same axis as the rotation shaft of the motor and having a male spline formed on the outer peripheral surface, and the generated torque of the motor. It has a clutch that transmits to the shaft and a cylindrical hole with a female spline formed on the inner peripheral surface. The axially opposite motor side of the output shaft is inserted into the inner periphery of this cylindrical hole so that the male spline and female spline mesh with each other. The pinion tube is disposed at the end of the pinion tube opposite to the axial direction of the motor, the pinion rotates integrally with the pinion tube, and the shift lever is driven by the attractive force of the electromagnet. And an electromagnetic solenoid that pushes the pinion tube integrally with the pinion in the counter-motor direction with respect to the output shaft.
そして、雄スプライン及び雌スプラインの軸方向モータ側の端部は、それぞれクラッチよりも軸方向反モータ側に位置するように設けられている。
そして、スタータは、電磁ソレノイドの作動により、ピニオンチューブを出力軸に対し反モータ方向へ押し出して、ピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる。つまり、エンジンの始動を行う際に、電磁ソレノイドの作動によってシフトレバーが駆動され、このシフトレバーを介して、ピニオンチューブがピニオンと一体に出力軸に対して反モータ方向へ押し出される。
これによれば、電磁ソレノイドの作動によってピニオンチューブをピニオンと一体に反モータ方向へ押し出す際に、出力軸およびクラッチが移動しない。
The ends of the male spline and the female spline on the axial direction motor side are provided so as to be positioned on the opposite side of the motor in the axial direction from the clutch.
Then, the starter pushes the pinion tube in the direction opposite to the motor with respect to the output shaft by the operation of the electromagnetic solenoid, and meshes the pinion with the ring gear of the engine. In other words, when the engine is started, the shift lever is driven by the operation of the electromagnetic solenoid, and the pinion tube is pushed together with the pinion in the anti-motor direction with the pinion through the shift lever.
According to this, the output shaft and the clutch do not move when the pinion tube is pushed together with the pinion in the direction opposite to the motor by the operation of the electromagnetic solenoid.
そして、この構造であるならば、ピニオンを押し出すためのスプラインはクラッチの外に設けられることになる。
このため、スプラインを設けるためにクラッチを大きくする必要がなく、クラッチの小型化、ひいては、スタータの小型化を実現できる。
また、請求項1に記載のスタータによれば、ピニオンチューブは、雌スプラインと雄スプラインとの噛み合いによって出力軸に支持され、雌スプラインの軸方向反モータ側では出力軸によって支持されていないことを特徴としている。
このように、ピニオンチューブの雌スプラインの軸方向反モータ側で出力軸によって軸支させる構造を設けないため、ピニオンチューブの雌スプラインの軸方向反モータ側の長さ及び出力軸の軸方向長さを短くすることができる。従って、スタータの軸方向長さを短くすることができ、スタータの小型化を実現することができる。
And if it is this structure, the spline for pushing out a pinion will be provided outside a clutch.
For this reason, it is not necessary to enlarge the clutch in order to provide the spline, and it is possible to reduce the size of the clutch and hence the starter.
According to the starter of the first aspect, the pinion tube is supported by the output shaft by meshing of the female spline and the male spline, and is not supported by the output shaft on the side opposite to the motor in the axial direction of the female spline. It is a feature.
In this way, since there is no structure to be supported by the output shaft on the side opposite to the motor in the axial direction of the female spline of the pinion tube, the length on the side opposite to the motor in the axial direction of the female spline of the pinion tube and the length in the axial direction of the output shaft Can be shortened. Accordingly, the axial length of the starter can be shortened, and the starter can be downsized.
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載のスタータによれば、ピニオンチューブは、外周に設けられた軸受によって軸支されている。そして、ピニオンチューブが軸受によって軸支されている軸方向範囲を軸受範囲とすると、電磁ソレノイドの作動によりピニオンチューブが出力軸に対し反モータ方向へ押し出されてピニオンとリングギヤとが噛み合うスタータ駆動時に、雄スプラインと雌スプラインとが噛み合った噛合い部の少なくとも一部が軸受範囲と軸方向において重複する。
これによれば、請求項1の効果に加えて、スプラインの噛合い部の軸方向に対する傾きを抑制することができる。
[Means of claim 2]
According to the starter of the second aspect, the pinion tube is pivotally supported by the bearing provided on the outer periphery. When the axial range in which the pinion tube is supported by the bearing is defined as the bearing range, when the starter is driven, the pinion tube is pushed away from the output shaft by the operation of the electromagnetic solenoid and the pinion and the ring gear mesh with each other. At least a part of the meshing portion where the male spline and the female spline mesh with each other overlaps with the bearing range in the axial direction.
According to this, in addition to the effect of the first aspect, the inclination of the spline meshing portion with respect to the axial direction can be suppressed.
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。 The mode for carrying out the present invention will be described in detail with reference to the following examples.
〔実施例〕
スタータ1は、図1に示す様に、トルクを発生するモータ2、このモータ2の回転を減速する減速装置3、この減速装置3の出力側にクラッチ4を介して連結される出力軸5、この出力軸5の外周にスプライン嵌合するピニオンチューブ6、このピニオンチューブ6の軸方向反モータ側(図示左側)の端部に組み付けられ、ピニオンチューブ6と一体に回転するピニオン7、電磁石の吸引力によってシフトレバー8を駆動し、このシフトレバー8を介して、ピニオンチューブ6をピニオン7と一体に出力軸5に対して押し出す働きを有すると共に、後述するメイン接点を開閉してモータ2の通電電流を断続する電磁スイッチ9等より構成される。なお、以下の説明では、クラッチ4より軸方向モータ側(図示右側)を後端側、クラッチ4より軸方向反モータ側を前端側と定義し、電磁スイッチ9の作動によってピニオンチューブ6が出力軸5に対して押し出される方向(図示左方向)を反モータ方向、ピニオンチューブ6が押し戻される方向をモータ方向と定義する。
〔Example〕
As shown in FIG. 1, the starter 1 includes a
モータ2は、例えば、フレームを兼ねるヨーク2aの内周に永久磁石(界磁コイルでも良い)を配置して構成される界磁、電機子軸2bの外周に整流子(図示せず)を備える電機子、整流子の外周上に配置されるブラシ(図示せず)等を有する直流整流子モータであり、電磁スイッチ9の作動によりメイン接点が閉成して電機子に通電されると、界磁との相互作用により電機子にトルクを発生する。
減速装置3は、図2に示す様に、電機子軸2bの反整流子側(図示左側)に形成される太陽歯車3aと、この太陽歯車3aと同心に配置されるリング状の内歯車3bと、太陽歯車3aと内歯車3bとに噛み合う複数(例えば3個)の遊星歯車3cとで構成され、太陽歯車3aの回転に伴って、遊星歯車3cが自転運動と公転運動を行う遊星歯車減速機である。
The
As shown in FIG. 2, the
クラッチ4は、図2に示す様に、減速装置3の遊星歯車3cを回転自在に支持する歯車軸3dと一体に設けられたアウタ4a、このアウタ4aの内周に相対回転可能に配置されるインナ4b、アウタ4aとインナ4bとの間に配設されるローラ4c(動力断続部材)等より構成され、このローラ4cを介してアウタ4aからインナ4bへ回転トルクを伝達する一方、インナ4bからアウタ4aへのトルク伝達をローラ4cが空転することで遮断する一方向クラッチである。
出力軸5は、モータ2の電機子軸2bと同一軸線上に配置されて、後端側(図示右側)の端部がクラッチ4のインナ4bと一体に設けられ、外周面が軸受10を介してセンタケース11に回転自在に支持されている。
As shown in FIG. 2, the
The
出力軸5には、図2に示す様に、軸受10に支持される外周面より前端側の外周面に雄ヘリカルスプライン5aが形成されている。つまり、雄ヘリカルスプライン5aの軸方向モータ側の端部は、クラッチ4よりも軸方向反モータ側に位置するように設けられている。
さらに、雄ヘリカルスプライン5aの前端面より前端側には、ピニオンチューブ6の最大前進位置を規制する前進ストッパ5bが形成されている。また、出力軸5の軸受10に支持される外周面と雄ヘリカルスプライン5aとの間には、全周に周溝5cが凹設され、この周溝5cにピニオンチューブ6の停止位置を規制するストッパ部材12が取り付けられている。
なお、本実施例では、軸受10にすべり軸受を使用しているが、ボールベアリング、ニードルベアリングでもよい。また、軸受10のモータ側には軸受10とインナ4bの相対回転による磨耗を抑制するためにワッシャ13が配設されている。
As shown in FIG. 2, a male
Further, a
In this embodiment, a slide bearing is used as the
ストッパ部材12は、例えば、Eクリップであり、このEクリップを周溝5cの外周に嵌め込んで使用される。なお、Eクリップは、複数枚重ねて使用することもできる。また、Eクリップの外周には、出力軸5の回転時に生じる遠心力によってEクリップが周溝5cから外れないように、カバー15を被せても良い。
The
ピニオンチューブ6は、図2に示す様に、内周面に雌ヘリカルスプライン6aが形成された円筒孔6bを有するチューブ本体6Aと、このチューブ本体6Aより前端側に設けられるピニオン摺動部6Bとを有し、チューブ本体6Aの外周面が軸受16を介してハウジング17に回転自在および軸方向に摺動自在に支持されると共に、円筒孔6bの内周に出力軸5が挿入されて、雄ヘリカルスプライン5aと雌ヘリカルスプライン6aとが噛み合うことにより、出力軸5に対し相対回転可能に、且つ、軸方向へ移動可能に支持されている。
雌ヘリカルスプライン6aの軸方向モータ側の端部も、クラッチ4よりも軸方向反モータ側に位置するように設けられて、出力軸5の雄ヘリカルスプライン5aと噛み合い可能に設けられている。
As shown in FIG. 2, the
The end of the female
上述したピニオンチューブ6の最大前進位置は、雌ヘリカルスプライン6aの前端面が前進ストッパ5bの後端面に当接することで規制される。
なお、本実施例では、軸受16にボールベアリングを使用しているが、すべり軸受(平軸受)やニードルベアリングでも良い。
The maximum advance position of the
In this embodiment, a ball bearing is used as the
チューブ本体6Aの円筒孔6bは、内周面に雌ヘリカルスプライン6aが形成されている。円筒孔6bの後端側の内径は、雌ヘリカルスプライン6aの歯底径と同一寸法に形成されている。
なお、出力軸5の前進ストッパ5bよりも軸方向反モータ側では、円筒孔6bの内周面を支持する箇所は存在せず、本実施例では、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとの噛み合い部分のみによってピニオンチューブ6が出力軸5に支持されている。
A female
There is no place for supporting the inner peripheral surface of the
そして、ピニオンチューブ6が軸受16によって支持されている軸方向範囲を軸受範囲jとすると、ソレノイドSLの作動によりピニオンチューブ6が出力軸5に対し反モータ方向へ押し出されたスタータ駆動時に、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとが噛み合った噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向において重複する。
なお、「スタータ駆動時」とは、スタータ停止時(図2(a)参照)からピニオンチューブ6が押し出されてピニオン7がエンジンのリングギヤG(図1参照)に噛み合い、モータ2の発生トルクをピニオン7からリングギヤGに伝達してエンジンをクランキングしている状態(図2(b)参照)をいう。
When the axial range in which the
Note that “when the starter is driven” means that the
本実施例では、雄ヘリカルスプライン5aの軸方向反モータ側の一部が軸方向において軸受範囲jと重複しており、図2(b)に示すように、スタータ駆動時に、噛合い部Xの軸方向反モータ側の一部の範囲kが軸受範囲jに入るように、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとが設定されている。
In this embodiment, a part of the male
チューブ本体6Aの後端側の端部には、図1に示す様に、シフトレバー8の端部に係合するレバー係合部19が取り付けられている。
また、チューブ本体6Aの外周には、軸受16の前端側に外部からの異物の侵入を防止するシール部材20が配設されている。このシール部材20は、例えば、ゴム製のオイルシールであり、チューブ本体6Aの外周面にリップ部が摺接した状態でハウジング17に保持されている。
ピニオン摺動部6Bは、チューブ本体6Aより外径が小さく形成され、且つ、外周面に直スプライン歯が軸方向に沿って形成されている。
As shown in FIG. 1, a
Further, on the outer periphery of the tube
The
ピニオン7は、ピニオンチューブ6と別体に設けられて、ピニオン摺動部6Bに対し軸方向に移動可能に組み付けられ、且つ、ピニオンスプリング21によってピニオン摺動部6Bの前端側へ付勢され、ピニオン摺動部6Bの前端側の端部に取り付けられたピニオンストッパ22によって軸方向の移動が規制されている。
ピニオン7は、図2に示す様に、前端側の内周に開口して内周面に直スプライン溝が軸方向に沿って形成された摺動孔7bと、この摺動孔7bに連通して後端側の内周に開口すると共に、摺動孔7bより内径が大きく形成された大径孔7cとを有している。
The
As shown in FIG. 2, the
このピニオン7は、大径孔7cの内周を通って摺動孔7bの内周にピニオン摺動部6Bが挿入され、直スプライン歯と直スプライン溝とが噛み合うことで、ピニオン摺動部6Bに対し軸方向に移動可能に組み付けられている。また、ピニオン7は、大径孔7cの後端側端部の内周にチューブ本体6Aの前端側端部の外周が嵌合している。
ピニオンスプリング21は、ピニオンチューブ6のチューブ本体6Aとピニオン摺動部6Bとの間に形成される径方向の段差面と、ピニオン7の大径孔7cと摺動孔7bとの間に形成される径方向の段差面との間に配設されている。
The
The
電磁スイッチ9は、図1に示す様に、電磁石の吸引力によってプランジャ23を駆動するソレノイドSLと、内部にメイン接点を配置する樹脂カバー24とを有し、この樹脂カバー24がソレノイドSLの磁気回路を兼ねるフレームの開口端部にかしめ固定されている。ソレノイドSLは、通電によって電磁石を形成する励磁コイル25、この励磁コイル25の内周を軸方向に移動可能に配置される上記プランジャ23、励磁コイル25への通電が停止して電磁石の吸引力が消滅した時にプランジャ23を押し戻すためのリターンスプリング26、ピニオン7をエンジンのリングギヤGに噛み合わせるための反力を蓄えるドライブスプリング27、このドライブスプリング27を介してプランジャ23の動きをシフトレバー8に伝達するジョイント28等より構成される。
As shown in FIG. 1, the
メイン接点は、樹脂カバー24に固定される2本の端子ボルト29、29を介してモータ2の電源ラインに接続される一組の固定接点(図示せず)と、プランジャ23の動きに連動して一組の固定接点間を電気的に断続する可動接点(図示せず)とで構成される。
このメイン接点は、プランジャ23が電磁石に吸引されて図1の右方向へ移動する時に、可動接点が一組の固定接点に当接して両固定接点間を導通することで閉成し、電磁石の吸引力が消滅してプランジャ23がリターンスプリング26によって押し戻される時に、可動接点が一組の固定接点から離れて両固定接点間の導通を遮断することで開成する。
シフトレバー8は、ハウジング17に回動自在に支持されるレバー支点部8aを有し、このレバー支点部8aより一端側のレバー端部が電磁スイッチ9のジョイント28に連結され、レバー支点部8aより他端側のレバー端部がチューブ本体6Aに取り付けられたレバー係合部19に係合する。
The main contact is linked to a set of fixed contacts (not shown) connected to the power line of the
This main contact is closed when the
The
次に、スタータ1の作動を説明する。
ユーザにより始動スイッチ(図示せず)が閉操作されると、バッテリより電磁スイッチ9の励磁コイル25に通電されて電磁石が形成され、その電磁石に吸引されてプランジャ23が移動する。このプランジャ23の動きがシフトレバー8を介してピニオンチューブ6に伝達されることで、ピニオンチューブ6がピニオン7と一体に反モータ方向へ押し出される。この時、ピニオン7がリングギヤGに噛み合わず、ピニオン7の端面がリングギヤGの端面に当接すると、ピニオン7の移動は停止し、ピニオンスプリング21を押し縮めながらピニオンチューブ6のみ押し出される。
Next, the operation of the starter 1 will be described.
When the start switch (not shown) is closed by the user, the battery energizes the
この後、ドライブスプリング27に反力を蓄えながらプランジャ23が更に移動してメイン接点が閉じると、バッテリより電力の供給を受けてモータ2にトルクが発生する。モータ2の発生トルクは、減速装置3で増幅された後、クラッチ4を介して出力軸5に伝達され、さらに、出力軸5からピニオンチューブ6に伝達されることで、ピニオンチューブ6が回転する。ピニオンチューブ6の回転により、ピニオン7がリングギヤGと噛み合い可能な位置まで回転すると、ドライブスプリング27に蓄えられた反力と、モータ2の発生トルクがヘリカルスプライン5a、6aにより変換されて発生する軸方向の推力(前進力)とでピニオンチューブ6が押し出され、さらに、ピニオンスプリング21の反力でピニオン7が押し出されることで、ピニオン7とリングギヤGとの噛み合いが成立する。これにより、モータ2の発生トルクがピニオン7からリングギヤGに伝達されて、エンジンをクランキングする。
Thereafter, when the
クランキングからエンジンが完爆した後、ユーザにより始動スイッチが開操作されると、励磁コイル25への通電が停止して電磁石の吸引力が消滅するため、リターンスプリング26の反力でプランジャ23が押し戻される。その結果、メイン接点が開いてバッテリからモータ2への通電が停止され、電機子の回転が次第に減速して停止する。
また、プランジャ23が押し戻されると、エンジン始動時と反対方向にシフトレバー8が揺動してピニオンチューブ6がモータ方向へ押し返されることにより、ピニオン7がリングギヤGから離脱して、図2(a)に示すスタータ停止位置までピニオンチューブ6と一体に後退する。
When the start switch is opened by the user after the engine has exploded completely from cranking, the energization of the
Further, when the
〔実施例の作用および効果〕
実施例に示すスタータ1は、軸受16を介してハウジング17に支持されるピニオンチューブ6の前端側の端部にピニオン摺動部6Bが設けられ、このピニオン摺動部6Bの外周にピニオン7が直スプライン嵌合して組み付けられている。言い換えると、ピニオン7より前端側にピニオンチューブ6を支持する軸受を持たない片持ち構造のスタータ1である。
このスタータ1において、ピニオンチューブ6は、出力軸5の外周にヘリカルスプライン嵌合によって組み付けられ、エンジンの始動を行う際に、電磁スイッチ9の作動によって、出力軸5に対し反モータ方向へ押し出される。また、出力軸5は、後端側の端部がクラッチ4のインナ4bと一体に設けられている。この構成によれば、エンジンの始動を行う際に、出力軸5およびクラッチ4が移動することはない。
[Operation and effect of the embodiment]
In the starter 1 shown in the embodiment, a
In this starter 1, the
また、ピニオンチューブ6は、出力軸5の外周にヘリカルスプライン嵌合して、出力軸5に対し軸方向に移動可能に組み付けられるため、チューブ本体6Aが中空状に形成される。これにより、ピニオンチューブ6の軽量化を図ることができる。
これに対し、図5に示す特許文献2のスタータに用いられるピニオン軸170は、インナチューブ131の内周にヘリカルスプライン嵌合して組み付けられるため、ピニオン軸170を中空状に形成すると、ピニオン軸170の剛性が不足する虞がある。すなわち、ピニオン軸170を中空状に形成しても、ピニオン軸170を内周側から支える部品が存在しないため、ピニオン軸170を軽量化するために中空状に形成することは困難である。
上記の結果、本実施例のスタータ1は、ピニオンチューブ6とピニオン7を含む移動体の移動質量を小さくできるので、シフトレバー8を介して移動体を押し出すための吸引力を発生する電磁スイッチ9の小型化を図ることができる。
Further, since the
On the other hand, the
As a result, the starter 1 of the present embodiment can reduce the moving mass of the moving body including the
さらに、ピニオンチューブ6により出力軸5に対してピニオン7を押し出す構造としたため、ピニオン7を押し出すためのスプラインをクラッチ4の外に設けることが可能となっている。つまり、雌ヘリカルスプライン6a及び雄ヘリカルスプライン5aの軸方向モータ側の端部は、それぞれクラッチ4よりも軸方向反モータ側に位置するように設けられている。
このため、スプラインを設けるためにクラッチ4を大きくする必要がなく、クラッチ4の小型化、ひいては、スタータ1の小型化を実現できる。
Furthermore, since the
For this reason, it is not necessary to enlarge the clutch 4 in order to provide the spline, and the clutch 4 can be downsized, and thus the starter 1 can be downsized.
また、本実施例では、ピニオンチューブ6が軸受16によって支持されている軸方向範囲を軸受範囲jとすると、スタータ駆動時に、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとが噛み合った噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向において重複する。
Further, in this embodiment, when the axial range in which the
これによれば、噛合い部Xの軸方向に対する傾きを抑制することができる。この点を図3を用いて説明する。
図3(a)、(b)に示すように、一般に軸が軸受に支持されている場合、軸と軸受との間にクリアランスがあるため、軸方向に離れた位置ほど傾きが大きくなり、軸受内では傾きが小さくなる。
本実施例では、ピニオンチューブ6は外周側を軸受16に内周側を出力軸5によって支持されているが、図3(a)、(b)で説明したのと同様に、軸受16から軸方向に離れた位置ほど傾きが大きく、軸受16内ではピニオンチューブ6の傾きが小さい(図3(c)、(d)参照)。
従って、軸方向において軸受16と重複する位置に噛合い部Xが位置することで、噛合い部Xの傾きを小さくすることができる。
According to this, the inclination with respect to the axial direction of the meshing part X can be suppressed. This point will be described with reference to FIG.
As shown in FIGS. 3 (a) and 3 (b), when the shaft is generally supported by the bearing, there is a clearance between the shaft and the bearing. Inside, the inclination becomes smaller.
In the present embodiment, the
Therefore, the inclination of the meshing portion X can be reduced by positioning the meshing portion X at a position overlapping the
〔変形例〕
実施例に記載したクラッチ4は、動力断続部材としてローラ4cを使用するローラ式クラッチの一例を記載したが、ローラ4cに替えてスプラグを動力断続部材として用いるスプラグ式クラッチ、あるいは、動力断続部材にカムを用いるカム式クラッチ等でも良い。
本発明のスタータに使用されるモータ2は、実施例に記載した直流整流子モータに限定されるものではなく、例えば、交流モータを使用することも出来る。
実施例では、ピニオン7がピニオンチューブ6と別体に設けられ、ピニオン摺動部6Bの外周に直スプライン嵌合する構成を記載したが、ピニオン7とピニオンチューブ6とを一体に設けても良い。
[Modification]
The clutch 4 described in the embodiment is an example of a roller clutch that uses a
The
In the embodiment, the
また、実施例では、出力軸5がインナ4bと一体に設けられていたが、一体でなくても、出力軸5がインナ4bと共に回転するように設けても良い。
また、実施例では、雌ヘリカルスプライン6aと雄ヘリカルスプライン5aとの噛み合い部分のみによってピニオンチューブ6が出力軸5に支持されており、雌ヘリカルスプライン6aよりも軸方向反モータ側では円筒孔6bの内周と出力軸5とが摺接しない構成である。しかし、雌ヘリカルスプライン6aよりも軸方向反モータ側で円筒孔6bの内周と出力軸5とが摺接する構成としても良い。
In the embodiment, the
Further, in the embodiment, the
また、実施例では、スタータ駆動時に、噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向において重複していたが、スタータ停止時においても噛合い部Xの少なくとも一部が軸受範囲jと軸方向に重複するようにしても良い。 In the embodiment, at least a part of the meshing part X overlaps with the bearing range j in the axial direction when the starter is driven. However, at least a part of the meshing part X also has the bearing range j when the starter is stopped. You may make it overlap in an axial direction.
実施例に記載した電磁スイッチ9は、電磁石によって吸引されたプランジャ23が移動することで、シフトレバー8を駆動すると共に、メイン接点を閉成する構成であるが、シフトレバー8を駆動してピニオンチューブ6を反モータ方向へ押し出す働きと、メイン接点を開閉する働きとを別々のソレノイドで行う構成でも良い。すなわち、シフトレバー8を駆動してピニオンチューブ6を反モータ方向へ押し出すためのピニオン押し出し用ソレノイド(本発明に係る電磁ソレノイド)と、メイン接点を開閉してモータ2の通電電流を断続するモータ通電用ソレノイドとを備えるタンデム構造の電磁スイッチとすることも出来る。
The
さらに、ピニオン押し出し用ソレノイドとモータ通電用ソレノイドは、両者を共通のフレームに収容して一つの電磁スイッチとして構成することもできるが、両ソレノイドをそれぞれ専用のフレームに収容して独立した構成とすることもできる。
このタンデム構造の電磁スイッチは、ピニオン押し出し用ソレノイドとモータ通電用ソレノイドの作動をECU(電子制御装置)によって独立に制御することが可能であり、近年、車両への搭載が進んでいるアイドリングストップに対して好適に採用することが出来る。なお、アイドリングストップとは、例えば、交差点での赤信号や渋滞等により車両が一時停止した際に、エンジンへの燃料噴射を停止してエンジンを自動的に停止させるシステムである。
Further, the pinion pushing solenoid and the motor energizing solenoid can be configured as a single electromagnetic switch by accommodating both in a common frame, but both solenoids are accommodated in a dedicated frame and are configured independently. You can also.
This electromagnetic switch of tandem structure can control the operation of the pinion push-out solenoid and the motor energization solenoid independently by an ECU (Electronic Control Device), which is an idling stop that has been increasingly installed in vehicles in recent years. On the other hand, it can employ | adopt suitably. The idling stop is a system that automatically stops the engine by stopping fuel injection to the engine when the vehicle is temporarily stopped due to a red light or traffic jam at an intersection, for example.
1 スタータ
2 モータ
2b 電機子軸(モータの回転軸)
4 クラッチ
5 出力軸
5a 雄ヘリカルスプライン(雄スプライン)
6 ピニオンチューブ
6A チューブ本体
6B ピニオン摺動部
6a 雌ヘリカルスプライン(雌スプライン)
6b チューブ本体に形成される円筒孔
7 ピニオン
8 シフトレバー
9 電磁スイッチ
16 軸受
G リングギヤ
SL ソレノイド(電磁ソレノイド)
X 噛合い部
j 軸受範囲
1
4
6
6b Cylindrical hole formed in the
X Meshing section j Bearing range
Claims (2)
このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、
前記モータの発生トルクを前記出力軸に伝達するクラッチと、
内周面に雌スプラインが形成された円筒孔を有し、この円筒孔の内周に前記出力軸の軸方向反モータ側を挿入して前記雄スプラインと前記雌スプラインとが噛み合わされるピニオンチューブと、
このピニオンチューブの軸方向反モータ側の端部に配設され、前記ピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、
電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動し、このシフトレバーを介して、前記ピニオンチューブを前記ピニオンと一体に前記出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドとを備え、
前記雄スプライン及び前記雌スプラインの軸方向モータ側の端部は、それぞれ前記クラッチよりも軸方向反モータ側に位置するように設けられており、
前記電磁ソレノイドの作動により、前記ピニオンチューブを前記出力軸に対し反モータ方向へ押し出して、前記ピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせるものであり、
前記ピニオンチューブは、前記雌スプラインと前記雄スプラインとの噛み合いによって前記出力軸に支持され、前記雌スプラインの軸方向反モータ側では前記出力軸によって支持されていないことを特徴とするスタータ。 A motor that generates torque;
An output shaft disposed on the same axis as the rotation shaft of the motor and having a male spline formed on the outer peripheral surface;
A clutch for transmitting the generated torque of the motor to the output shaft;
A pinion tube having a cylindrical hole in which a female spline is formed on the inner peripheral surface, and the male spline and the female spline are engaged with each other by inserting an axially opposite motor side of the output shaft into the inner periphery of the cylindrical hole When,
A pinion disposed at the end of the pinion tube on the opposite side of the motor in the axial direction and rotating integrally with the pinion tube;
An electromagnetic solenoid that drives the shift lever by the attractive force of the electromagnet, and pushes the pinion tube in the direction opposite to the motor with respect to the output shaft through the shift lever;
The end portions on the axial motor side of the male spline and the female spline are provided so as to be positioned on the side opposite to the motor in the axial direction from the clutch, respectively.
By actuating the electromagnetic solenoid, the pinion tube is pushed out in the direction opposite to the motor with respect to the output shaft, and the pinion is engaged with a ring gear of an engine ,
The starter is characterized in that the pinion tube is supported by the output shaft by meshing the female spline and the male spline, and is not supported by the output shaft on the side opposite to the motor in the axial direction of the female spline .
前記ピニオンチューブは、外周に設けられた軸受によって軸支されており、
前記ピニオンチューブが前記軸受によって軸支されている軸方向範囲を軸受範囲とすると、
前記電磁ソレノイドの作動により前記ピニオンチューブが前記出力軸に対し反モータ方向へ押し出されて前記ピニオンと前記リングギヤとが噛み合うスタータ駆動時に、前記雄スプラインと前記雌スプラインとが噛み合った噛合い部の少なくとも一部が前記軸受範囲と軸方向において重複することを特徴とするスタータ。
The starter according to claim 1,
The pinion tube is pivotally supported by a bearing provided on the outer periphery,
When the axial range in which the pinion tube is pivotally supported by the bearing is a bearing range,
At least a meshing portion where the male spline and the female spline are meshed with each other when the pinion tube is pushed away from the output shaft in the counter-motor direction by the operation of the electromagnetic solenoid and the pinion meshes with the ring gear. A starter characterized in that a part thereof overlaps with the bearing range in the axial direction .
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